JP4503213B2 - グラフィックアートインクジェット画像プリンタ用インクセット - Google Patents

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Description

【発明の属する技術分野】
本発明はノンインパクトプリンタに関し、より詳細には、こうしたプリンタ用のブラックインクジェットインク組成物を含むインクセットに関する。特に本発明は、大型フォーマット用の画像プリンタを対象とする。
【従来の技術】
高スループットの画像プリンタは、とりわけ、高速乾燥性の光沢媒体を必要とする。「画像プリンタ」とは通常、4から60インチ幅の媒体上に印刷される、写真プリントを含めたグラフィックアートを印刷するプリンタを意味している。幾つかのプリンタでは媒体の幅を変更可能であるが、他のものでは幅は固定式である。そのような画像プリンタの例としては、ヒューレット・パッカード社のDesignJetシリーズ(2000、2500CP、2800、3500CP、3800、5000、5000PS)があり、また光沢媒体プリンタの例としては、ヒューレット・パッカード社のPhotosmartプリンタがある。HP Deskjet 2Kシリーズは、35インチ幅の媒体上に印刷でき、3Kシリーズは54インチ幅の媒体上に印刷でき、5Kシリーズは42及び60インチ幅の媒体上に印刷できる。これらのプリンタは、とりわけ、光沢媒体上に印刷を行う。
高速インク乾燥性を示す光沢媒体も必要であるが、そのような媒体は多孔質であり、耐光性に劣る。広範囲の顧客ニーズを満足させるには、十分な耐光性をもった媒体も必要である。
多数のインクがこれまでに開示され、特許請求されている、例えば、モリス等に対して1998年12月22日に発行された「改良されたインクジェット印刷品質のための染料セット」と題する米国特許第5851273号、デアデュルフ等に対して1998年8月4日に発行された「改良された画像品質のためのインクジェットインク」と題する米国特許第5788754号、デアデュルフ等に対して1999年1月12日に発行された「改良されたインクジェット画像品質のための染料セット」と題する米国特許第5858075号を参照のこと。これらは全て、本出願人に対して譲渡されている。最初の特許のインクは、DesignJetプリンタに採用されており、後の2つの特許のインクは、Photosmartプリンタに使われている。
上記の特許に開示され特許請求されたインクは、ヒューレット・パッカード社の高光沢写真用紙C6026Aのような非孔質光沢紙上で優れた画像品質をもたらす。しかしこれらのインクは多孔質光沢媒体、あるいはヒューレット・パッカード社の写真用紙C6959のようなハイブリッド光沢媒体(多孔質と非孔質の組み合わせ)に対しては同じように機能しない。なおハイブリッド光沢媒体は、短い乾燥時間と、十分な耐光性を示す。
他方、多孔質光沢媒体に対しては良好な、ヒューレット・パッカード社製の他のインクは、非孔質光沢媒体上では同じように良好ではない。
画像用インクに常に係わるその他の問題は、ペン材料との適合性及びインク溜まり作用(パドリング)である。より良好な画像品質を得るためには強い界面活性剤が必要とされるが、そうしたインクはしばしば、ペン(インクカートリッジ)の構成部品の剥離や脱離を引き起こす。プリントヘッドの表面上でのパドリングは、インクジェット印刷にとって大きな問題である。パドリングによって引き起こされる問題には、液滴の着弾方向の誤り、ノズル(オリフィス)プレート上へのインクの過剰な堆積、ペンの保守の困難さ、及びペンの構成部品に対するインクの接触/作用(攻撃的作用)の増大が含まれる。
通常、インク流動チャンネルの構成と吐出チャンバの構造は、パドリングを緩和するように設計される。減衰作用をもつ構成は、インク補充速度の低減によってパドリングを制御することができる。しかしそれは、吐出の周波数応答にマイナスの影響を及ぼすことがある。加えて減衰作用をもつ構造は、ペンの製造に対して困難性をさらに付加しかねない。
別の対処法は、インクの粘度を高めることである。これは、高分子量の界面活性剤/オリゴマー/ポリマーを添加することにより実現できる。粘性の共溶媒を使用するか、有機物の合計含量を増やすことによっても、インクの粘度を高めることができる。しかしながら、インク/媒体の相互作用によって定まる画像品質は、最適化されないであろう。
【発明が解決しようとする課題】
従って、高スループットを確保しつつ、多孔質、非孔質、及びハイブリッド多孔質の光沢媒体上で改善された画像品質のプリントを実現しながら、以上の問題を排除、又は少なくとも最小化するインクセットが必要とされる。
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、多孔質、非孔質、及びハイブリッド光沢媒体上での印刷に適した、画像プリンタ用のインクジェットインクセットが提供される。このインクセットのカラーインク組成は、少なくとも1つの水溶性染料と、少なくとも1つの共溶媒及び少なくとも2つの異なる界面活性剤、即ちノニオン界面活性剤とフッ素系界面活性剤から成るビヒクルとを含有する。ブラックインクは、フッ素系界面活性剤なしの、代替的な組成を有することができる。
界面活性剤の合計の濃度は、各インク組成の約0.05から6wt%に及ぶ。ノニオン界面活性剤はインク組成の約0.05から3wt%の範囲で存在し、一方フッ素系界面活性剤は各カラーインク中に、インク組成の約0.001から3wt%の範囲で存在する。
インク配合に対するニーズは種々異なるため、ブラック着色剤についての代替的なインク組成を、上述のカラーインクと一緒に使用できることが見出されている。すなわちカラーインク組成は、パドリングを低減させ、インク滴の合体(コアレセンス)を助長するよう配合されるべきであるが、ブラックインク組成は、これらの制限無しに配合することができる。加えて、ブラックインクはカラーインクよりも高い表面張力となるよう配合される。従ってブラックインクは、カラーインクにおけるようなフッ素系界面活性剤の存在無しで、優れた信頼性をもたらす。 本発明は、多孔質、非孔質、及びハイブリッド光沢媒体について良好に機能するインクセットを提供する。ハイブリッド光沢媒体に適合したDesignJet 5000PSのようなプリンタは、顧客に対し、インクの耐光性を維持しながらも、従来技術のインクに較べて実質的に高速なインク乾燥性を提供するようになる。
本発明のインクは、優れた画像品質を示す。このインクはまた、ペン(カートリッジ)の材料との適合性に関する苛酷なテストにも合格することができる。このインクは、デフォルトの(標準的な)ペンのオリフィスプレートの表面上でパドリングを生じず、しかも低い粘度を示す。カラーインクは、約14から約24dyne/cmの、好ましくは約16から約23dyne/cmの範囲にある表面張力を有する。本発明で有用なブラックインクは、約25から約43dyne/cmの、好ましくは約27から約35dyne/cmの範囲にある表面張力を有する。インクの表面張力の異なりは、長い(30秒を越える)デキャップ時間、デセルの無いこと、コゲーションの無いこと、及び良好な液滴の着弾方向性といった、優れたペンの信頼性を考慮したものである。用語「デキャップ時間」は、インクがペンのノズル内で固まってくるのに要する時間を指し、デキャップ時間は長い方が望ましい。「デセル」は、ペンが連続吐出を行う際にインク滴の速度が時間とともに低下することを意味し、これは望ましくない性質である。
【発明の実施の形態】
ここに記載の発明は、ヒューレット・パッカード社製のDeskJet(登録商標)系列のプリンタのような、市販のインクジェットプリンタを用いてインクジェット画像を印刷するための改良型インクを対象としている。本発明のインクは、多孔質、非孔質、及びハイブリッドの何れであれ、種々の光沢媒体上で、高いスループットと高い耐光性をもって真の色を現出させることができる。
本発明のインクは、ブラック染料、イエロー染料、シアン染料、及び1つ又は2つのマゼンタ染料をそれぞれ含有するブラック、イエロー、シアン、及びマゼンタインクを含む。特には、イエロー染料はダイレクトイエロー132であり、シアン染料はダイレクトブルー199であり、マゼンタ染料はマゼンタ377(スイス国イルフォード社)を単独で又はアシッドレッド52と合わせたものである。これらの染料は、全てアニオン染料であり、ナトリウム対イオンと結合される。
本発明のイエロー、シアン、及びマゼンタ水性インク組成物は、それぞれ一般に、約0.1から10wt%の染料(単数又は複数)と、以下の成分を含む(全インク組成のwt%で)ビヒクルとを含む。約3から40wt%、好ましくは約5から20wt%、最も好ましくは約13から15wt%の少なくとも1つの水混和性有機共溶媒、少なくとも1つのノニオン界面活性剤と少なくとも1つのフッ素系界面活性剤を含有する約0.05から6wt%の界面活性剤混合物、緩衝剤、殺生物剤、及び金属キレート剤から成る群より個別に選択される0から約5wt%の少なくとも1つの成分、及びバランス量の水である。代替実施例では、界面活性剤混合物は少なくとも3つの界面活性剤、すなわちノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、及びノニオン又はアニオンの何れであってもよいフッ素系界面活性剤から成る。
本願のブラック水性インク組成物は一般に、約0.1から10wt%の染料(単数又は複数)と、以下の成分を含む(全インク組成のwt%で)ビヒクルとを含む。約3から40wt%、好ましくは約5から20wt%、最も好ましくは約13から15wt%の少なくとも1つの水混和性有機共溶媒、約0.05から6wt%の1以上の界面活性剤、緩衝剤、殺生物剤、及び金属キレート剤から成る群より個別に選択される0から約5wt%の少なくとも1つの成分、及びバランス量の水である。本発明のブラックインクは、カラーインクの表面張力より高い表面張力を有する。
本発明の実施において、各カラーインクの色、即ち、シアン、イエロー、及びマゼンタのそれぞれは、1より多い染料装填量からなることができる。つまり各カラーインクについて、充填されたインクジェットペンは1又はより多くあっても構わず、各ペンは同じ染料を異なる装填量で有し、又はそれぞれに異なる染料を有する。例えばシアンペンが2つあってもよく、この場合にペンのそれぞれは異なる染料装填量及び/又は異なるシアン染料を含む。
本明細書における全ての濃度は、別途指定がなければ、全インク組成の重量パーセントにて表される。各成分の純度は、インクジェットインクとして通常の商業的実施に採用されているものである。
イエロー染料は、約1から5wt%、好ましくは約2.5から3.5wt%の量で存在するダイレクトイエロー132(DY132)である。イエロー染料の濃度を設定するについては、インクが1:10000の希釈度において最大波長400nmで約0.0833から約0.1547の吸光度(A)を有することが好ましい。
シアンインクは、約0.1から5wt%、好ましくは約2.5から3.5wt%の量で存在するダイレクトブルー199(DB199)である。シアン染料の濃度を設定するについては、インクが1:10000の希釈度において最大波長620nmで約0.07から約0.13の吸光度(A)を有することが好ましい。
マゼンタインクは、マゼンタ377(M377)(スイス国イルフォード社)とアシッドレッド52(AR52)の混合物であり、全量で約0.1から5wt%、好ましくは約2.5から3.5wt%存在する。マゼンタ染料の濃度を設定するについては、インクがM377染料の1:10000の希釈度において最大波長520nmで約0.0553から約0.1027の吸光度(A)を有し、AR52染料の1:10000の希釈度において最大波長566nmで約0.0266から0.0494の吸光度(A)を有することが好ましい。
本発明の実施に際して適切に用いられるブラックインクは、染料型であっても顔料型であってもよい。このブラックインクはまた、三原色であるイエロー、シアン、及びマゼンタの混合物であってもよい。適切な染料型ブラックインクは例えば、ヒンダゴラに対して1990年10月16日に発行された「2以上のカルボキシル基を含有する新規系列のアニオン染料を含む耐水性インク処方」と題する米国特許第4963189号、及びマクロードに対して1998年3月10日に発行された「インクジェット印刷用耐光性インク」と題する米国特許第5725461号に開示及び特許請求されているが、これらの特許は両方とも本出願人に譲渡されている。適切な顔料型ブラックインクは例えば、「インクジェットプリンタ用顔料型水性インク」と題する米国特許第5085698号、「インクジェットプリンタ用顔料型水性インク」と題する米国特許第5221334号、及び「インクジェットインク」と題する米国特許第5302197号に開示及び特許請求されているが、これらは全てデュポン社に譲渡されている。好ましいブラック染料は、パシファイド(pacified)リアクティブブラック31である。染料型であるこのインクは、1:10000の希釈度において最大波長570nmで約0.084から約0.156の吸光度(A)を有する。
上記したように、本発明のインクは、約5から20wt%の水混和性有機共溶媒を含有する。より好ましくは、本発明のインクは、約8から15wt%の有機共溶媒を含有する。
本発明の実施に際して適切に用いられる水混和性有機共溶媒は、次のような化合物の何れか、又はその2つ以上の混合物を含有する。すなわち2−ピロリドン、N−メチル−ピロリド−2−オン(NMP)、1,3−ジメチルイミダゾリド−2−オン、及びオクチルピロリドンのような窒素含有ケトン、エタンジオール(例えば1,2−エタンジオール)、プロパンジオール(例えば1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、エチルヒドロキシプロパンジオール(EHPD))、ブタンジオール(例えば1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール)、ペンタンジオール(例えば1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール)、ヘキサンジオール(例えば1,2−ヘキサンンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール)、ヘプタンジオール(例えば1,2−ヘプタンジオール、1,7−ヘプタンジオール)、オクタンジオール(例えば1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール)のようなジオール、C3−C6アルコール(例えばプロパノール、ブタノール、ペンタノール、及びヘキサノール)及びその異性体(例えば1−プロパノール及び2−プロパノール)を含むアルコール、ポリエチレングリコール(例えばジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール)、プロピレングリコール(例えばジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール)のようなポリアルキレングリコール、高分子グリコール(例えばPEG200、PEG300、PEG400、PPG400)、及びチオジグリコールのような、インクジェットインクに通常用いられるグリコールエーテル及びチオグリコールエーテル。その他の共溶媒には、ヒダントイン(グリコール尿素)及びその誘導体、例えばDantocol DHEとしてロンザ社から市販されている水酸化エチル基及びメチル基を含有するヒダントイン、及びバイエル社から市販されている約440の分子量を有するポリアルコキシル化トリオールであるMultranol 4012のようなポリアルコキシル化トリオールがある。
好ましくは、有機共溶媒は2−ピロリドンと1,6−ヘキサンジオールの混合物からなる。
本発明の実施においてpH調整のために任意に用いられる緩衝剤は、有機の生物緩衝剤又は無機緩衝剤であってよいが、好ましくは有機緩衝剤である。緩衝剤の例には、アルドリッチ・ケミカル社(米国ウィスコンシン州ミルウォーキー)から入手可能なトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、4−モルホリンエタンスルホン酸(MES)、及び4−モルホリンプロパンスルホン酸(MOPS)が含まれる。
本発明の実施に際し任意に用いられる金属キレート剤は、インク中に存在することがある遷移金属のカチオンを結合するのに用いられる。好ましく用いられる金属キレート剤の例には、EDTA、ジエチレンテトラアミンペンタ酢酸(DTPA)、トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン四酢酸(CDTA)、(エチレンジオキシ)ジエチレンジニトリロ四酢酸(EGTA)、マロン酸、サリチル酸、又は遷移金属カチオンを結合するその他のキレート剤が含まれる。
インクジェットインクに通常用いられる殺生物剤は、どれも本発明の実施に際して任意に用いることができる。例えば、ヒュルス・アメリカ社(ニュージャージー州ピスカタウェイ)から入手可能なNuosept 95、ゼネカ社(デラウェア州ウィルミントン)から入手可能なProxel GXL、及び商標Ucarcide 250の下にユニオン・カーバイド社(ニュージャージー州バウンドブルック)から市販のグルタルアルデヒドなどである。
本発明のカラーインクは2つ以上の界面活性剤の混合物を含み、その界面活性剤の全濃度は約0.05から6wt%の範囲にある。界面活性剤の混合物は、ノニオン界面活性剤とフッ素系界面活性剤からなる。代替的には、界面活性剤混合物は、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、及びノニオン又はアニオンのフッ素系界面活性剤からなる。
ノニオン界面活性剤の濃度は、インク組成物の約0.5から3wt%の範囲にある。適当なノニオン界面活性剤の1例としては、エア・プロダクツ社から市販のアセチレン系エトキシル化ジオールであるSURFYNOLシリーズがある。適当なノニオン界面活性剤の別の例としては、ユニオン・カーバイド社から市販のポリエチレン又はポリプロピレンオキシドエーテルであるTERGITOLシリーズがある。
任意選択のアニオン界面活性剤の濃度は、インク組成物の約0.05から3wt%の範囲にある。適当なアニオン界面活性剤の1例としては、ダウ・ケミカル社から市販のジフェニルスルホネート誘導体であるDOWFAXシリーズがある。適当なアニオン界面活性剤の別の例としては、サイテック・インダストリー社から市販のジオクチルスルホコハク酸ナトリウムであるOTシリーズがある。
適当なフッ素系界面活性剤の例としては、デュポン社から市販のZONYLシリーズと、スリーエム社から市販のFLUORADシリーズがある。ZONYLシリーズのフッ素系界面活性剤には次のものが含まれる。(RFCH2CH2O)xPO(O-NH4 +y、ここで、x+y=3及びRF(FSP)、FSP+炭化水素界面活性剤(FSJ)、RFCH2CH2SO3H、RFCH2CH2SO3 -NH4 +(TBS)、C613CH2CH2SO3H、C613CH2CH2SO3 -NH4 +(FS−62)、RFCH2CH2SCH2CH2COO-Li+(FSA)、RFCH2CH2O(CH2CH2O)xH(FSO)、及びRFCH2CH2O(CH2CH2O)yH(FSN)。分子中の部分RFは、F(CF2CF2zであり、ここで、z=1から7(FSP、FSJ、FSO)又は1から9(TBS、FSA)である。FLUORADシリーズのフッ素系界面活性剤は、パーフルオロアルキルスルホン酸アンモニウム(FC−120)、フッ素化アルキルカルボン酸カリウム(FC−129)、フッ素化アルキルポリオキシレンエタノール(FC−170C)、フッ素化アルキルアルコキシレート(FC−171)、及びフッ素化アルキルエーテル(FC−430、FC−431、FC−470)を含む。
好ましいフッ素系界面活性剤は、ZONYL FSA、ZONYL FS−62、及びFLUORAD FC−129を含む。
フッ素系界面活性剤の濃度は約0.001から3wt%、好ましくは約0.01から1wt%、最も好ましくは約0.1から0.25wt%の範囲にある。約0.001wt%未満の濃度では、フッ素系界面活性剤の存在によって与えられる利点は実現されず、一方3wt%より大きい濃度ではインクに溶解しない。
アニオン界面活性剤及びノニオン界面活性剤は、共溶媒と組み合わさって、乾燥時間を短縮し、媒体のスループットを高めるのに役立ち、多孔質、非孔質、又はハイブリッドの何れの光沢媒体とも適合する。フッ素系界面活性剤は、ノズルプレート上でのインクジェットインクのパドリングを低減させる。結果として、インクペンカートリッジのオリフィスプレートは、より清浄になる。より良好な液滴の着弾方向性と、より良好な保守(サービス)性能が得られる。プリントヘッドでのインクの堆積が少なくなるため、色と色の間での相互汚染は低減される。
一例として、0.2wt%のFLUORAD FS−62を含有するインク処方はパドリングを制御でき、またインクが低い粘度(1.5から2.0cps)を有することを可能にする。これまで通常、パドリングの制御のためには、3.0cpsを越えるインク粘度が望ましいものであった。
低粘度のインクによって、光沢媒体上での迅速な浸透が実現される。結果として、コアレセンスが最小になり、画像品質が改善される。この迅速に浸透するインクは余り媒体依存性がなく、種々の光沢媒体に対して十分に機能する。フッ素系界面活性剤はまた、ブリードに対する優れた制御をももたらす。
パドリング制御に及ぼすフッ素系界面活性剤の有効性の故に、インク処方の自由度が拡張される。パドリング性能に劣る界面活性剤や溶媒を見直すことができ、また実際にも、フッ素系界面活性剤と組み合わせて用いることができる。
【実施例】
実施例1
本発明によるインクジェットインク組成物の一例を以下の表1及び表2に挙げる。表1はカラーインク、即ちイエロー、シアン、及びマゼンタについての組成と、染料装填量が低減されているカラーインク、即ち、ライトシアン(20%)及びライトマゼンタ(20%)についての組成を挙げたものである。表2に示すブラックインクは、1:10000の希釈度において0.12の吸光度(A)を有するパシファイド(pacified)リアクティブブラック31を含有していた。
【表1】
Figure 0004503213
DDI水は蒸留脱イオン水である。
ビヒクルのpHはKOHで7.2から7.3に調整。
最終インクのpHはKOH又はHNO3で7.5から7.6に調整。
吸光度(A)スペクトルはヒューレット・パッカード社の8453型分光光度計によって1:10000の希釈度(「1/10K」)で測定した。
【表2】
Figure 0004503213
DDI水は蒸留脱イオン水である。
ビヒクルのpHはKOHで7.2から7.3に調整。
最終インクのpHはKOH又はHNO3で7.5から7.6に調整。
吸光度(A)スペクトルはヒューレット・パッカード社の8453型分光光度計によって1:10000の希釈度(「1/10K」)で測定した。
EHPDはエチルヒドロキシプロパンジオールである。
表1及び表2の印刷インクは曇りがなく、インクジェット印刷したところ優れた乾燥時間とパドリングの減少を示した。
乾燥時間と滲み(スマッジ)を測定した。その結果を表3に示す。スマッジは、印刷から幾らか後の時点で印刷された部分に親指を横断させて、印刷画像が転写されたり損傷されたりしたかどうかを判定することにより測定した。
【表3】
Figure 0004503213
注:「従来のインク」は、米国特許5851273号に開示及び特許請求されたものと実質的に同一のインクである。
実施例2
本発明によるインクジェットインク組成物の一例を以下の表4及び表5に挙げる。表4はカラーインク、即ちイエロー、シアン、及びマゼンタについての組成と、染料装填量が低減されているカラーインク、即ち、ライトシアン(30%)及びライトマゼンタ(30%)についての組成を挙げたものである。表5に示すブラックインクは、1:10000の希釈度において0.12の吸光度(A)を有するパシファイド(pacified)リアクティブブラック31を含有していた。
【表4】
Figure 0004503213
【表5】
Figure 0004503213
DDI水は蒸留脱イオン水である。
ビヒクルのpHはKOHで7.1から7.2に調整。
最終インクのpHはKOH又はHNO3で7.5に調整。
吸光度(A)スペクトルはヒューレット・パッカード社の8453型分光光度計によって1:10000の希釈度(「1/10K」)で測定した。
EHPDは、エチルヒドロキシプロパンジオールである。
表4及び表5の印刷インクは、乾燥時間及びスマッジについて、上の表3に示したのと同様の結果を示した。すなわち表4及び表5の印刷インクは曇りがなく、インクジェット印刷したところ優れた乾燥時間とパドリングの減少を示した。実施例3
表6に示したようにして以下4つのブラックインク3Aから3Dを処方した。
【表6】
Figure 0004503213
EHPDは、エチルヒドロキシプロパンジオールである。
PRB31はパシファイド(pacified)リアクティブブラック31であり、欄中の数字は1/10Kにおける吸光度を示す。
吸光度(A)スペクトルは、ヒューレット・パッカード社の8453型分光光度計によって1:10000の希釈度(「1/10K」)で測定した。
3Aのブラックインクが示すように、処方されたブラックインクが約25dynes/cm未満の表面張力を有する場合、液滴重量に20%の減少があり、印刷品質が損なわれる。また液滴の速度も減少するが、これは方向を誤った液滴の着弾につながる。
【発明の効果】
本発明のインクは、光沢印刷媒体と組合せたサーマルインクジェットプリンタにおいて有用性を見出すものと期待される。このインクは多孔質、非孔質、及びハイブリッド光沢印刷媒体について良好に作用し、実質的に瞬間的なインク乾燥と、耐光性とをもたらす。またこのインクは、優れたイメージ品質を示す。このインクはまた、ペン材料との両立性に関する苛酷なテストに合格する。このインクは標準的なインクペン(カートリッジ)のオリフィスプレート上に溜まることがなく、しかも低い粘度を有する。このインクは長いデキャップ時間、デセルやコゲーションのないこと、及び液滴の良好な指向性といった、インクペンの優れた信頼性にも寄与する。
最後に、本発明の好適な実施態様を示す。
1 多孔質、非孔質、及びハイブリッド光沢印刷媒体上に印刷するための、少なくとも1つのカラーインクと少なくとも1つのブラックインクを含むインクジェットインクセットであって、前記カラーインクが着色剤と、少なくとも1つの水混和性有機共溶媒と、少なくとも2つの界面活性剤とを含有し、前記2つの界面活性剤の一方がノニオン界面活性剤であり他方がフッ素系界面活性剤であり、前記ブラックインクが実質的にフッ素系界面活性剤を含まない、インクジェットインクセット。
2 前記カラーインクが14から24dyne/cmの表面張力を有し、前記ブラックインクが25から43dyne/cmの表面張力を有する、上記1のインクジェットインクセット。
3 前記カラーインク中の前記ノニオン界面活性剤が前記インクの0.05から3wt%の範囲内の濃度を有し、前記フッ素系界面活性剤が前記インクの0.001から3wt%の範囲内の濃度を有する、上記1のインクジェットインクセット。
4 前記カラーインクが3つの界面活性剤を含み、その第1の界面活性剤がアニオン界面活性剤であり、第2の界面活性剤がノニオン界面活性剤であり、第3の界面活性剤がアニオン又はノニオンのフッ素系界面活性剤である、上記1のインクジェットインクセット。
5 前記インクが水溶性染料を含み、この水溶性染料が、ブラック染料、イエロー染料、シアン染料、及びマゼンタ染料から成る群より選択された少なくとも1つの染料からなる、上記1のインクジェットインクセット。
6 前記イエロー染料がダイレクトイエロー132から本質的に成り、前記シアン染料がダイレクトブルー199から本質的に成り、前記ブラック染料がパシファイド(pacified)リアクティブブラック31から本質的に成り、前記マゼンタ染料がマゼンタ377及びマゼンタ377とアシッドレッド52から本質的に成る混合物から成る群より選択される、上記5のインクジェットインクセット。
7 多孔質、非孔質、及びハイブリッド光沢印刷媒体上に印刷するためのインクジェットインクセットであって、前記インクセットが、(a)イエロー、シアン、及びマゼンタ染料から成る群より選択された少なくとも1つの水溶性染料0.5から5wt%と、(b)少なくとも1つの水混和性有機共溶媒5から20wt%、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、及びフッ素系アニオン界面活性剤から成る界面活性剤混合物0.05から6wt%とを含むビヒクルと、(c)緩衝剤、殺生物剤、及び金属キレート剤から成る群より個別に選択された少なくとも1つの成分0から5wt%と、(d)バランス量の水とからなる少なくとも1つのカラーインクを含有し、さらに前記カラーインクの表面張力より大きい表面張力を有するブラックインクを含む、インクジェットインクセット。
8 前記イエロー染料がダイレクトイエロー132から本質的に成り、前記シアン染料がダイレクトブルー199から本質的に成り、前記ブラック染料がパシファイド(pacified)リアクティブブラック31から本質的に成り、前記マゼンタ染料がマゼンタ377とアシッドレッド52から本質的に成る混合物を含む、上記7のインクジェットインクセット。
9 多孔質、非孔質、及びハイブリッド光沢印刷媒体上にインクジェットインクを印刷する方法であって、
(a)ブラックインクとカラーインクとを含み、前記カラーインクが少なくとも1つの着色剤と、少なくとも1つの水混和性有機共溶媒及び水を含むビヒクルと、少なくとも2つの界面活性剤とを含有し、これらの界面活性剤の一方がノニオン界面活性剤であり、他方がフッ素系界面活性剤であり、前記ブラックインクが前記カラーインクの表面張力より高い表面張力を有する、インクジェットインクセットを準備し、
(b)オリフィスプレートを介して前記インクジェットインクの液滴を前記印刷媒体上へ吐出させることからなる方法。
10 前記ノニオン界面活性剤が前記インクの0.05から3wt%の範囲内の濃度を有し、前記フッ素系界面活性剤が前記インクの0.001から3wt%の範囲内の濃度を有する、上記9の方法。
11 前記カラーインクが3つの界面活性剤を含み、その第1の界面活性剤がアニオン界面活性剤であり、第2の界面活性剤がノニオン界面活性剤であり、第3の界面活性剤がアニオン又はノニオンのフッ素系界面活性剤である、上記10の方法。
12 前記カラーインクが約14から約24dyne/cmの表面張力を有し、前記ブラックインクが約25から43dyne/cmの表面張力を有する、上記11の方法。

Claims (22)

  1. 多孔質、非孔質、及びハイブリッド光沢印刷媒体上に印刷するための、少なくとも1つのカラーインクと少なくとも1つのブラックインクを含むインクジェットインクセットであって、前記カラーインクが水溶性染料と、少なくとも1つの水混和性有機共溶媒と、少なくとも2つの界面活性剤とを含有し、前記2つの界面活性剤の一方がノニオン界面活性剤であり他方がフッ素系界面活性剤であり、前記ブラックインクが前記カラーインクよりも高い表面張力を有し、フッ素系界面活性剤を含まない、インクジェットインクセット。
  2. 前記カラーインクが14〜24dyne/cmの表面張力を有し、前記ブラックインクが25〜43dyne/cmの表面張力を有する、請求項1記載のインクジェットインクセット。
  3. 前記カラーインク中の前記ノニオン界面活性剤が前記インクの0.05〜3wt%の範囲内の濃度を有し、前記フッ素系界面活性剤が前記インクの0.001〜3wt%の範囲内の濃度を有する、請求項1記載のインクジェットインクセット。
  4. 前記カラーインクが3つの界面活性剤を含み、その第1の界面活性剤がアニオン界面活性剤であり、第2の界面活性剤がノニオン界面活性剤であり、第3の界面活性剤がアニオン又はノニオンのフッ素系界面活性剤である、請求項1記載のインクジェットインクセット。
  5. 前記第1の界面活性剤がジフェニルスルホネート誘導体又はジオクチルスルホコハク酸ナトリウムであり、前記第2の界面活性剤がアセチレン系エトキシル化ジオール又はポリエチレンオキシドエーテル又はポリプロピレンオキシドエーテルであり、第3の界面活性剤が(RCHCHO)PO(ONH (FSP)、RCHCHSOH(FSJ)、RCHCHSO NH (TBS)、C13CHCHSOH、C13CHCHSO NH (FS−62)、RCHCHSCHCHCOOLi(FSA)、RCHCHO(CHCHO)H(FSO)、RCHCHO(CHCHO)H(FSN)〔式中、x及びyは、x+y=3を満たす全ての整数であり、Rは、F(CFCF)であり、zは、FSP、FSJ及びFSOに関しては1〜7であり、TBS及びFSAに関しては1〜9である〕、パーフルオロアルキルスルホン酸アンモニウム、フッ素化アルキルカルボン酸カリウム、フッ素化アルキルポリオキシエチレンエタノール、フッ素化アルキルアルコキシレート、及びフッ素化アルキルエーテルから成る群から選択される、請求項4記載のインクジェットインクセット。
  6. 前記水溶性染料が、ブラック染料、イエロー染料、シアン染料、及びマゼンタ染料から成る群より選択される少なくとも1つの染料を含む、請求項1記載のインクジェットインクセット。
  7. 前記イエロー染料がダイレクトイエロー132から成り、前記シアン染料がダイレクトブルー199から成り、前記ブラック染料がパシファイド(pacified)リアクティブブラック31から成り、前記マゼンタ染料がマゼンタ377及びマゼンタ377とアシッドレッド52とから成る混合物から成る群より選択される、請求項6記載のインクジェットインクセット。
  8. 前記少なくとも1つの水混和性共溶媒が、窒素含有ケトン;エタンジオール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール及びオクタンジオールから成る群から選択されるジオール;C−Cアルコール及びそれらの異性体;ポリアルキレングリコール及び高分子グリコールから成る群から選択されるグリコールエーテル;チオグリコールエーテル;グリコール尿素;及びポリアルコキシル化トリオールから成る群から選択される、請求項1記載のインクジェットインクセット。
  9. 前記少なくとも1つの水混和性有機共溶媒が、2−ピロリドン、N−メチル−ピロリド−2−オン(NMP)、1,3−ジメチルイミダゾリド−2−オン、オクチルピロリドン、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、エチルヒドロキシプロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、PEG200、PEG300、PEG400、PPG400、及びチオジグリコールから成る群から選択される、請求項8記載のインクジェットインクセット。
  10. 前記少なくとも1つの水混和性有機共溶媒が、2−ピロリドンと1,6−ヘキサンジオールとの混合物からなる、請求項9記載のインクジェットインクセット。
  11. 緩衝剤、殺生物剤、及び金属キレート剤から成る群から個々独立して選択される少なくとも1つの成分0〜5wt%をさらに含む、請求項1記載のインクジェットインクセット。
  12. 多孔質、非孔質、及びハイブリッド光沢印刷媒体上に印刷するためのインクジェットインクセットであって、前記インクセットが、(a)イエロー、シアン、及びマゼンタ染料から成る群より選択された少なくとも1つの水溶性染料0.1〜10wt%と、(b)少なくとも1つの水混和性有機共溶媒5〜20wt%、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、及びフッ素系アニオン界面活性剤から成る界面活性剤混合物0.05〜6wt%とを含むビヒクルと、(c)緩衝剤、殺生物剤、及び金属キレート剤から成る群より個別に選択された少なくとも1つの成分0〜5wt%と、(d)バランス量の水とからなる少なくとも1つのカラーインクを含有し、さらに前記カラーインクの表面張力より大きい表面張力を有するブラックインクを含む、インクジェットインクセット。
  13. 前記アニオン界面活性剤がジフェニルスルホネート誘導体又はジオクチルスルホコハク酸ナトリウムであり、前記ノニオン界面活性剤がアセチレン系エトキシル化ジオール又はポリエチレンオキシドエーテル又はポリプロピレンオキシドエーテルであり、前記フッ素系界面活性剤が(RCHCHO)PO(ONH (FSP)、RCHCHSOH(FSJ)、RCHCHSO NH (TBS)、C13CHCHSOH、C13CHCHSO NH (FS−62)、RCHCHSCHCHCOOLi(FSA)、RCHCHO(CHCHO)H(FSO)、RCHCHO(CHCHO)H(FSN)〔式中、x及びyは、x+y=3を満たす全ての整数であり、Rは、F(CFCF)であり、zは、FSP、FSJ及びFSOに関しては1〜7であり、TBS及びFSAに関しては1〜9である〕、パーフルオロアルキルスルホン酸アンモニウム、フッ素化アルキルカルボン酸カリウム、フッ素化アルキルポリオキシエチレンエタノール、フッ素化アルキルアルコキシレート、及びフッ素化アルキルエーテルから成る群から選択される、請求項12記載のインクジェットインクセット。
  14. 前記イエロー染料がダイレクトイエロー132から成り、前記シアン染料がダイレクトブルー199から成り、前記ブラック染料がパシファイド(pacified)リアクティブブラック31から成り、前記マゼンタ染料がマゼンタ377とアシッドレッド52とから成る混合物からなる、請求項12記載のインクジェットインクセット。
  15. 前記少なくとも1つの水混和性共溶媒が、窒素含有ケトン;エタンジオール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール及びオクタンジオールから成る群から選択されるジオール;C−Cアルコール及びそれらの異性体;ポリアルキレングリコール及び高分子グリコールから成る群から選択されるグリコールエーテル;チオグリコールエーテル;グリコール尿素;及びポリアルコキシル化トリオールから成る群から選択される、請求項12記載のインクジェットインクセット。
  16. 前記少なくとも1つの水混和性有機共溶媒が、2−ピロリドン、N−メチル−ピロリド−2−オン(NMP)、1,3−ジメチルイミダゾリド−2−オン、オクチルピロリドン、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、エチルヒドロキシプロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、PEG200、PEG300、PEG400、PPG400、及びチオジグリコールから成る群から選択される、請求項15記載のインクジェットインクセット。
  17. 前記少なくとも1つの水混和性有機共溶媒が、2−ピロリドンと1,6−ヘキサンジオールとの混合物からなる、請求項16記載のインクジェットインクセット。
  18. 多孔質、非孔質、及びハイブリッド光沢印刷媒体上にインクジェットインクを印刷する方法であって、
    (a)ブラックインクとカラーインクとからなるインクジェットインクセットを設けるステップであって、前記カラーインクが少なくとも1つの水溶性染料と、少なくとも1つの水混和性有機共溶媒及び水を含んでいるビヒクルと、少なくとも2つの界面活性剤とを含んで成り、前記2つの界面活性剤のうち一方がノニオン界面活性剤であり他方がフッ素系界面活性剤であり、前記ブラックインクが前記カラーインクよりも高い表面張力を有する、ステップと、
    (b)オリフィスプレートを介して、前記インクジェットインク組成物の液滴を前記印刷媒体上に噴射するステップと、
    を包含する、方法。
  19. 前記ノニオン界面活性剤が前記インクの0.05〜3wt%の範囲内の濃度を有し、前記フッ素系界面活性剤が前記インクの0.001〜3wt%の範囲内の濃度を有する、請求項18記載の方法
  20. 前記インクが3つの界面活性剤を含み、その第1の界面活性剤がアニオン界面活性剤であり、第2の界面活性剤がノニオン界面活性剤であり、第3の界面活性剤がアニオン又はノニオンのフッ素系界面活性剤である、請求項18記載の方法
  21. 前記カラーインクが14〜24dyne/cmの表面張力を有し、前記ブラックインクが25〜43dyne/cmの表面張力を有する、請求項18記載の方法
  22. 前記アニオン界面活性剤がジフェニルスルホネート誘導体又はジオクチルスルホコハク酸ナトリウムであり、前記ノニオン界面活性剤がアセチレン系エトキシル化ジオール又はポリエチレンオキシドエーテル又はポリプロピレンオキシドエーテルであり、前記第3の界面活性剤が(RCHCHO)PO(ONH (FSP)、RCHCHSOH(FSJ)、RCHCHSO NH (TBS)、C13CHCHSOH、C13CHCHSO NH (FS−62)、RCHCHSCHCHCOOLi(FSA)、RCHCHO(CHCHO)H(FSO)、RCHCHO(CHCHO)H(FSN)〔式中、x及びyは、x+y=3を満たす全ての整数であり、Rは、F(CFCF)であり、zは、FSP、FSJ及びFSOに関しては1〜7であり、TBS及びFSAに関しては1〜9である〕、パーフルオロアルキルスルホン酸アンモニウム、フッ素化アルキルカルボン酸カリウム、フッ素化アルキルポリオキシエチレンエタノール、フッ素化アルキルアルコキシレート、及びフッ素化アルキルエーテルから成る群から選択される、請求項20記載の方法
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