JP4502575B2 - 表示装置の配線形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクティブマトリクス型液晶ディスプレイ等の表示装置の配線形成方法に関し、特に、金属配線とその金属配線上に積層された配線保護膜とで形成される電極配線について、その配線保護膜が金属配線の上面および側面を完全に被膜することのできる表示装置の配線形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フラットパネルディスプレイ(FPD:Flat Panel Display)の需要が急速に拡大する中で、液晶表示装置が高い普及率を持つようになってきている。そして、高密度画面表示と高い応答速度の要求が高まる中、表示方式も水平方向と垂直方向にタイミングよく電流を流して点灯する単純マトリクスから、各画素を個々に点灯させるアクティブマトリクス方式へと移行している。
【0003】
アクティブマトリクス方式には、MIM(Metal Insulator Metal)型とTFT(Thin Film Transistor)型の2種類が知られているが、現在では、品質が優るTFT型が主流となっている。そして、更なる高品質化と低コスト化への要求のため、TFT型アクティブマトリクス方式では、基板上の各表示素子の駆動制御トランジスタおよびそのゲート配線に対する精細化と製造工程の簡易化が求められている。
【0004】
アクティブマトリクス基板(アクティブマトリクス方式の基板)上での表示装置の大画面・高精細化が進むと、配線数と配線長が増大するが、一方で、配線幅の細線化は限界に達してきている。現状のまま配線数と配線長が増大すると、配線抵抗が増大し、それが時定数の増加を招き、信号伝達の遅延をもたらす。最終的には高速度応答が困難になり、高品質化への要求が満たせなくなる。
【0005】
現状の配線幅で配線の時定数を低減するには、配線材の低抵抗化が適当な解決策である。そのため、低抵抗配線材での配線形成に対する研究開発が急速に高まってきている。また、同時に配線に要求される性能仕様は、単に低抵抗だけでなく、耐熱性、耐腐食性や金属拡散防止機能を持っていることが重要なポイントになっている。
【0006】
そこで、配線の上層に耐熱性、耐腐食性や金属拡散防止機能を持つ配線保護膜を薄く積層形成することで、結果的に配線に金属拡散防止機能を付加させるという手法が採用されている。
【0007】
以下に、この従来方法による、金属配線形成と配線保護膜の積層形成について説明する。従来方法による金属配線形成と配線保護膜の積層形成としては、1回のフォトリソグラフィ工程を用いた方法(以下、「シングルフォトリソ・エッチング法」と称す。)と、2回のフォトリソグラフィ工程を用いた方法(以下、「デュアルフォトリソ・エッチング法」と称す。)と、さらに「リフトオフ法」(例えば、特許文献1参照)という3つの方法が知られている。
【0008】
最初に、1回のフォトリソグラフィ工程を用いた「シングルフォトリソ・エッチング法」による形成法から説明する。図6は、その積層構造の形成過程を示す積層工程図である。まず、ガラス基板10上に、スパッタリング法により金属配線11を形成する(図6(a))。
【0009】
次に、金属配線を被膜するための配線保護膜12を、金属配線11上にスパッタリング法により積層形成する(図6(b))。なお、配線保護膜12の役割は金属配線に耐熱性、耐腐食性、さらに金属拡散防止機能を付加するものであるから、膜厚は薄くてよい。
【0010】
その後、金属配線の配置パターン(以下、配線パターンと称す。)に合わせ、フォトリソグラフィ工程によりフォトレジスト13を積層形成する(図6(c))。フォトレジスト13形成後、ウェットエッチング法により、配置パターンの不必要な部分を除去する。配線保護膜12と金属配線11の2種をエッチングすることになり、被エッチング材のエッチング速度の違いにより配線パターンの断面がテーパ形状になる(図6(d))。
【0011】
最後に、剥離液を用いてフォトレジスト13を除去し、ガラス基板10上に断面がテーパ形状の配線保護膜12が積層された金属配線11を得る(図6(e))。
【0012】
次に2回のフォトリソグラフィ工程を用いた「デュアルフォトリソ・エッチング法」について説明する。図7は、その積層構造の形成過程を示す積層工程図である。デュアルフォトリソ・エッチング法は、金属配線11をシングルフォトリソ・エッチング法により形成した後、再度同様な方法で配線保護膜12を形成する方法である。
【0013】
まず、ガラス基板10上にスパッタリング法により、金属配線11を積層させる(図7(a))。その後は、上記シングルフォトリソ・エッチング法とは異なり、配線保護膜12を形成せずに上記した配線パターンの形成までの工程を終了させる(図7(b)〜(d))。その後、ガラス基板10上に配線保護膜12をスパッタリング法により、積層形成する(図7(e))。
【0014】
このように、金属配線が完全露出した状態で、スパッタリングを行えば金属配線11側面にも完全に配線保護膜12を被覆形成できる。その上で、再びフォトリソグラフィ工程により、配線パターンと同様のフォトレジスト13を形成し(図7(f))、以降は、配線パターンを形成した工程と同様に、エッチング(図7(g))とレジスト除去(図7(h))を行う。その結果、配線保護膜12に完全に被覆された金属配線11が得られる(図7(h))。
【0015】
次に、「リフトオフ法」による金属配線と配線保護膜の積層形成方法について説明する。「リフトオフ法」とは、目的とするパターンの逆パターンを基板上にフォトレジストで構成し、目的の薄膜を蒸着後、不要部分をフォトレジストと共に除去し、目的とするパターンを残す方法である。
【0016】
図8は、その積層構造の形成過程を示す積層工程図である。まず、ガラス基板10上に、フォトリソグラフィ工程によりフォトレジスト13を形成する(図8(a))。次に金属配線11と配線保護膜12をスパッタリング法で順次蒸着する(図8(b)(c))。
【0017】
次に、剥離液を用いて、不要部分をフォトレジスト13と共に除去すると、配線保護膜12に積層された金属配線11が得られる(図8(d))。
【0018】
【特許文献1】
特開平5−257167号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した3つの方法による金属配線11と配線保護膜12の形成においては、以下のような問題点があった。
【0020】
まず、1回のフォトリソグラフィ工程を用いた、シングルフォトリソ・エッチング法では、金属配線11側面に配線保護膜12が被覆されないため、金属配線11側面部でのバリア性の欠如という問題が生じていた。
【0021】
また、このシングルフォトリソ・エッチング方法では、金属配線11側面に対するサイドエッチングが大きくなるために極細線化が難しく、線幅が不均一になる傾向があり、さらに配線間距離を大きくとらないと配線間の短絡不良が多くなるなどの問題も生じていた。また、今後、金属配線11の材料としてAlよりも低抵抗の金属として知られるCuやAg、またはその合金に移行した場合、エッチング速度の差による、配線の断面形状をテーパ状に形成することが困難になるという問題も生じていた。
【0022】
さらに、CuやAg、またはその合金などの新しい素材ではAlよりも下地基板10への密着性が悪いという問題もあった。そのため、密着性向上のために配線下層に下地金属を形成することが必須となるが、それにより、さらにエッチング形状制御が困難になるという問題もあった。
【0023】
また、2回のフォトリソグラフィ工程を行うデュアルフォトリソ・エッチング法には、工程数が増加するため、製造コストが高くなるという問題があった。さらに、この方法では、2度のフォトリソグラフィ工程を必要とするため、2回目のフォトリソグラフィ工程を実施する際、既に形成された金属配線の配置パターンに配線保護膜の配置パターンを完全に一致して重ね合わせることが、技術的に困難なため、配線部パターンの幅員を大きく(マージン16を余計に)とらなければならないという問題が生じていた。
【0024】
また、配線パターンとは逆のパターンをフォトレジストで形成する「リフトオフ法」では、金属配線11の上層に続けて配線保護膜12をスパッタリング法により形成していた。この場合、金属配線11の両側に位置するフォトレジスト13の断面形状はガラス基板10に垂直、あるいはオーバーハングした崖のようになっている。
【0025】
このフォトレジスト13の位置は金属配線11に接近しており、それによって金属配線11側面部の入射スパッタ粒子に対する開口角が非常に狭くなり、スパッタリング法によって成膜される配線保護膜12が金属配線11に十分覆われないかあるいは全く覆われなくなるという問題があった。
【0026】
そのため、上記シングルフォトリソ・エッチング法での問題点と同様に、金属配線11の側面が配線保護膜12に被覆されず、金属配線11側面部でのバリア性の欠如という問題が生じていた。
【0027】
以上より、金属配線11としてCuやAgなどの低抵抗材料用いた場合、断面形状をテーパにし、金属配線11側面に配線保護膜12を被覆するには、シングルフォトリソ・エッチング法は適していないことがわかる。
【0028】
また、デュアルフォトリソ・エッチング法では金属配線11の側面に配線保護膜12を被覆させることは可能になる。しかし、形成工程数の増加によるコスト高と、2回目のフォトリソグラフィ工程での位置合わせが非常に困難なため、配線保護膜12のパターンに大きなマージンを持たせなければならないという問題がある。
【0029】
従って、リフトオフ法において、金属配線11側面が配線保護膜12に十分に被覆されるように改善方法を考案すれば、リフトオフ法が有効になるということになる。
【0030】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、リフトオフ法において、金属配線上面部および側面部を配線保護膜で完全に被覆するという問題を解決するための表示装置の配線形成方法を提供することを目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1にかかる表示装置の配線形成方法は、ガラス基板上に、所定の金属材料で金属配線を形成するとともに、該金属配線を配線保護膜で比較する、表示装置の配線形成方法において、前記ガラス基板上に、前記金属配線のパターンが開口部となるようにパターニングしたフォトレジストを形成するフォトレジスト形成ステップと、前記開口部に向けた前記金属材料のスパッタリングによって前記金属配線を形成する金属配線形成ステップと、前記フォトレジストの前記金属配線側に位置する側面を、前記金属配線から離れる方向に所定幅だけ後退させるフォトレジスト後退ステップと、前記開口部に向けた所定の配線保護膜材料のスパッタ粒子のスパッタリングによって前記金属配線を被膜する前記配線保護膜を形成する配線保護膜形成ステップと、前記フォトレジストと、該フォトレジスト上に堆積した前記金属材料と前記配線保護膜材料とを除去するフォトレジスト除去ステップと、を含み、前記フォトレジスト後退ステップは、ガス流量50〜2000sccm、パワー密度0.3〜0.9W/cm 、圧力10〜40Paの条件で、O またはO に0〜5%のSF もしくはCF を添加し、前記フォトレジスト後退ステップの前記所定幅は、100nm〜600nmの値を有し、前記配線保護膜形成ステップにおいて前記スパッタ粒子を前記金属配線の上面部および側面部に到達させて前記上面部および前記側面部を被膜することができる大きさであることを特徴としている。
【0032】
この発明によれば、フォトレジストの開口が広がるので、配線保護膜のスパッタ粒子が金属配線の周辺部にまで行き渡り、金属配線の側面を確実に配線保護膜で覆うことができる。
【0034】
また、請求項2にかかる表示装置の配線形成方法は、上記発明において、前記フォトレジスト後退ステップが、前記フォトレジストを所定時間および所定温度で加熱することにより前記フォトレジストを後退させることを特徴としている。
【0035】
また、請求項3にかかる表示装置の配線形成方法は、上記発明において、前記フォトレジスト後退ステップが、前記フォトレジストに対してアッシングまたはエッチング処理を施すことにより前記フォトレジストを後退させることを特徴としている。
【0036】
また、請求項4にかかる表示装置の配線形成方法は、上記発明において、前記フォトレジスト後退ステップが、前記フォトレジストに対して追加現像処理を施すことにより前記フォトレジストを後退させることを特徴としている。
【0037】
また、請求項5にかかる表示装置の配線形成方法は、上記発明において、前記配線保護膜形成ステップが、前記配線保護膜材料として、前記金属とは異なる金属材料を用いることを特徴としている。
【0038】
また、請求項6にかかる表示装置の配線形成方法は、上記発明において、前記配線保護膜形成ステップが、前記配線保護膜材料として、無機材料を用いることを特徴としている。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる表示装置の配線形成方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0040】
実施の形態にかかる表示装置の配線形成方法は、リフトオフ法によって、金属配線を形成した後、フォトレジストを熱シュリンク(収縮)、アッシング、エッチング、または追加現像により、金属配線側面から後退させ、金属配線側面部の配線保護膜の入射スパッタ粒子に対する開口角を広げることにより、スパッタリングによる配線保護膜を確実に金属配線の上面および側面に積層形成させることを特徴としている。
【0041】
図1は、表示装置の配線形成方法を示すフローチャートである。また、図2は、積層構造の形成過程を示す積層工程図である。まず、ガラス基板10に、フォトリソグラフィ工程により配線パターンと逆パターンのフォトレジスト13を形成する(ステップS101)。これにより、金属配線の配置パターンが、フォトレジスト13の開口部として形成される。
【0042】
なお、フォトレジスト13とは、感光性を持った樹脂で、液状のものが主であり、露光した部分が現像されるポジ型と露光されない部分が現像されるネガ型が知られている。一般にはポジ型が主流となっているが、このリフトオフ法ではネガ型が主流である。また、露光の光源は解像度を上げるために短波長化し、電子線、X線も使用されるようになってきている。
【0043】
このようにして形成するフォトレジスト13は、紫外線照射によって重合硬化する。塗布されたフォトレジストの厚みが厚いため、その断面形状は完全な矩形にはならず、基板に対してオーバーハングする形状になる(図2(a))。ここで、オーバーハングとは、フォトレジストの上端部がひさしのように突き出ている形状をいう。
【0044】
次に、上記したフォトレジスト13の開口部に向けて、AlやCu等の金属材料のスパッタリングを行い、ガラス基板10上に金属配線11を形成する(ステップS102)。なお、金属配線11の断面形状は両側面にあるフォトレジスト13の影響により、テーパ形状となる(図2(b))。
【0045】
上述したように、この状態で、配線保護膜12をスパッタリング法で成膜しようとすると、金属配線11側面に隣接したフォトレジストの存在のために、上記開口部から金属配線11側面部へと向かうスパッタ粒子の開口角が十分に得られない。そのため、配線保護膜12を形成するために所定材料のスパッタリングを行ったとしても、その所定材料、すなわち配線保護膜12は金属配線11側面部に殆ど着膜しない。
【0046】
そこで、本実施の形態にかかる配線形成方法では、配線保護膜12を成膜する前に、フォトレジストに対して、適度の加熱、アッシング、エッチング、追加現像のいずれかのフォトレジスト後退処理を行う(ステップS103)。適度の加熱では、フォトレジストに熱シュリンク(収縮)効果を与え、適度のアッシングやエッチングでは、フォトレジストの剥離・除去効果を得る。また、追加現像とは、フォトレジストのパターンを形成する際、すなわちフォトレジストの可溶部分を取り去る際に使用した溶剤を再度使用することであり、これによっても開口部側面のフォトレジストを除去することができる。
【0047】
これらいずれかの処理を実施することにより、フォトレジスト13の側面部を金属配線11側面から後退させることができる(図2(c))。その結果、開口部から金属配線11側面への開口角が広がる。
【0048】
図3は、加熱によってフォトレジスト13がシュリンク(収縮)することを示すグラフである。グラフから分かるように、フォトレジスト(東京応用化学社製TELR N-101)の熱シュリンク(収縮)量はテーパトップで、100℃の上昇に対して0.4μm(片側0.2μm)収縮していることが分かる。なお、図3に示すグラフ図において、テーパトップでの幅Wの初期値は10μmである。
【0049】
また、フォトレジストに対するエッチング、もしくはアッシング処理に関して、発明者らは以下の知見を得ている。CDE(Chemical Dry Etching)装置にて、O2またはO2に0〜5%のSF6もしくはCF4を添加した場合、ガス流量500〜2000sccm、パワー密度0.3〜0.9W/cm2、圧力10〜40Paの条件で、フォトレジスト13が100〜600nm程度エッチングまたはアッシングされることを確認した。すなわち、この条件によって、フォトレジスト13の側面部を100〜600nm程度後退させることができた。
【0050】
さらに、発明者らは、ポストベーク後のフォトレジストに対して、さらに現像処理を行なうこと(追加現像)によっても、フォトレジストの側面部を除去できることを確認している。
【0051】
以上のことから、適度の加熱、アッシング、エッチング、追加現像のいずれかのフォトレジスト後退処理を施すことによって、フォトレジスト13を後退させることができ、これにより、開口部から金属配線11側面への開口角が広がり、十分な量のスパッタ粒子を、金属配線11側面部に到達させることができる。すなわち、配線保護膜12を形成するためのスパッタリングにおいて、金属配線11側面部をその配線保護膜12で十分に被覆することができる(ステップS104、図2(d))。なお、配線保護膜12を形成する材料、すなわち、ステップS104におけるスパッタリング材料としては、耐熱性や耐腐食性に優れ、金属拡散防止機能を有する金属材料や無機材料を用いる。
【0052】
また、加熱量やエッチング量などの調節によってフォトレジスト13の後退距離が制御できるので、配線保護膜12が金属配線11の側面部とフォトレジスト13の側面部との間のガラス基板10上に直接形成される部分、すなわちマージン16を最小にすることが可能となる。特に、2回のフォトリソグラフィ工程を用いたデュアルフォトリソ・エッチング法による金属配線11および配線保護膜12の形成方法では、マージン16が片側で2〜3μm程度であったのに対し、本実施の形態によれば、マージン16を0・5μm程度に抑えることができた。
【0053】
配線保護膜12の堆積が終了後は、剥離液を用いることにより(ステップS105)、不要な部分と共にフォトレジスト13を除去する。これにより、配線保護膜12が金属配線11の表面を完全に被覆した状態の配線構造を得ることができる(図2(e))。
【0054】
以上に説明したとおり、本実施の形態にかかる表示装置の配線形成方法によれば、金属配線11側面にも完全に配線保護膜12を被覆することができるため、配線材の耐熱性、耐腐食性、また金属拡散防止効果の増大が可能となる。
【0055】
なお、金属配線11とガラス基板10との密着性が悪い場合、次のような2つの処理を行い、密着性を高める効果を得ることが可能となる。
【0056】
第1は、フォトレジスト13を形成(ステップS101)した後、ガラス基板10と金属配線11の密着性を高める下地金属14をスパッタリング法で薄く形成し、その後、金属配線11を形成する処理である。この処理により、ガラス基板10と密着性の高い金属配線11が積層される。図4は、下地金属14を形成した後、本発明により金属配線11と配線保護膜12を形成したところを示す積層断面図である。
【0057】
第2は、上記同様フォトレジスト13を形成(ステップS101)した後、逆スパッタリング、BHF(バッファードフッ酸:Buffered Hydrofluoric Acid(HF+NH4F))によるウェットエッチング処理、またはSF6を用いたドライエッチング処理を行い、金属配線11を形成するべきガラス基板10上表面を荒らす(梨子地を形成する)ことである。
【0058】
この処理により、荒れた(梨子地)表面15は断面形状がランダムに凹凸になる。そのため、ガラス基板10表面と金属配線11の接合する面積が増大し、その結果、ガラス基板10と金属配線11との結合力が増大し密着性が増すことになる。図5は、ガラス基板10表面を上記方法により荒らした後、金属配線と配線保護膜を形成した状態を示す積層断面図である。
【0059】
なお、逆スパッタリングとは、エッチング作用を伴うことを意味する言葉である。本来、不導体ターゲットをスパッタリングする際、ターゲット側にRF(高周波)を印加してスパッタリングを行う方法である。しかし、ターゲットが導体(金属)の場合、プラズマ中のイオンはターゲット側だけでなく基板側もスパッタリングするため、基板にとっては、プラズマ粒子によりエッチングされることになる。
【0060】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明にかかる表示装置の配線形成方法によれば、リフトオフ法により、金属配線のパターンとは逆のパターンのフォトレジストをフォトリソグラフィ工程により作成して、金属配線をスパッタリング法により形成した後、適度の加熱、エッチング、アッシングまたは追加現像によって、フォトレジストを金属配線側面から後退させた後、配線保護膜をスパッタリング法により形成するので、金属配線が完全に配線保護膜に被覆され、かつ配線保護膜のマージンを最小にすることができるという効果を奏する。
【0061】
また、本発明にかかる表示装置の配線形成方法によれば、ガラス基板表面に、ガラス基板と金属配線との密着性が高い下地金属薄膜を形成するので、金属配線が剥離され難くくなるという効果を奏する。
【0062】
また、本発明にかかる表示装置の配線形成方法によれば、ガラス基板表面において金属配線が配置される部分を適度にエッチングまたはアッシングするので、ガラス基板と金属配線との接触面積を増大させることができ、金属配線が剥離され難くくなるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態にかかる表示装置の配線形成方法を示すフローチャートである。
【図2】実施の形態にかかる積層構造の形成過程を示す積層工程図である。
【図3】フォトレジストの温度と熱シュリンク(収縮)量の関係を示すグラフである。
【図4】実施の形態にかかる表示装置の配線形成方法において、基板上に下地金属を成膜した場合の積層断面図である。
【図5】実施の形態にかかる表示装置の配線形成方法において、基板上面を荒らした場合の積層断面図である。
【図6】従来の1回のフォトリソグラフィ工程による配線形成過程を示す積層工程図である。
【図7】従来の2回のフォトリソグラフィ工程による配線形成過程を示す積層工程図である。
【図8】従来のリフトオフ法による配線形成過程を示す積層工程図である。
【符号の説明】
10 ガラス基板
11 金属配線
12 配線保護膜
13 フォトレジスト
14 下地金属
15 梨子地表面
16 マージン

Claims (6)

  1. ガラス基板上に、所定の金属材料で金属配線を形成するとともに、該金属配線を配線保護膜で被覆する、表示装置の配線形成方法において、
    前記ガラス基板上に、前記金属配線のパターンが開口部となるようにパターニングしたフォトレジストを形成するフォトレジスト形成ステップと、
    前記開口部に向けた前記金属材料のスパッタリングによって前記金属配線を形成する金属配線形成ステップと、
    前記フォトレジストの前記金属配線側に位置する側面を、前記金属配線から離れる方向に所定幅だけ後退させるフォトレジスト後退ステップと、
    前記開口部に向けた所定の配線保護膜材料のスパッタ粒子のスパッタリングによって前記金属配線を被覆する前記配線保護膜を形成する配線保護膜形成ステップと、
    前記フォトレジストと、該フォトレジスト上に堆積した前記金属材料と前記配線保護膜材料とを除去するフォトレジスト除去ステップと、
    を含み、
    前記フォトレジスト後退ステップは、ガス流量50〜2000sccm、パワー密度0.3〜0.9W/cm 、圧力10〜40Paの条件で、O またはO に0〜5%のSF もしくはCF を添加し、
    前記フォトレジスト後退ステップの前記所定幅は、100nm〜600nmの値を有し、前記配線保護膜形成ステップにおいて前記スパッタ粒子を前記金属配線の上面部および側面部に到達させて前記上面部および前記側面部を被覆することができる大きさであることを特徴とする表示装置の配線形成方法。
  2. 前記フォトレジスト後退ステップは、前記フォトレジストを所定時間および所定温度で加熱することにより前記フォトレジストを後退させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置の配線形成方法。
  3. 前記フォトレジスト後退ステップは、前記フォトレジストに対してアッシングまたはエッチング処理を施すことにより前記フォトレジストを後退させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置の配線形成方法。
  4. 前記フォトレジスト後退ステップは、前記フォトレジストに対して追加現像処理を施すことにより前記フォトレジストを後退させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置の配線形成方法。
  5. 前記配線保護膜形成ステップは、前記配線保護膜材料として、前記金属とは異なる金属材料を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の表示装置の配線形成方法。
  6. 前記配線保護膜形成ステップは、前記配線保護膜材料として、無機材料を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の表示装置の配線形成方法。
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