本発明は、画像読取装置に関し、詳細には、キャリッジを正確にホームポジションに位置させて、読取画像を安価に向上させる画像読取装置に関する。
複写機やスキャナ等の画像読取装置においては、コンタクトガラス上の原稿を圧板で押さえ、コンタクトガラスの下方に副走査方向に移動可能に配設されたキャリッジに搭載された画像読取部を、基準位置(ホームポジション)に待機させ、当該ホームポジションから所定距離副走査方向に離れた原稿読取開始位置(すなわち、原稿先端位置)から原稿に沿って副走査方向に移動させながら原稿の画像を読み取る。
このような画像読取装置に対しては、従来、結露を防止する技術(特許文献1参照)やキャリッジを第1の位置から第2の位置へと移動させるにあたり、駆動モータの励磁電流を適宜切り換えて、より少ない励磁電流でキャリッジを第2の位置に確実に停止させる技術(特許文献2参照)が提案されている。
そして、画像読取装置で原稿を高精度に読み取るには、まず、キャリッジをホームポジションに移動させる動作(ホーミング)が行われるが、このホームポジション位置にキャリッジが正確に位置していることが必要である。
特開平8−110597号公報
特開2001−346004号公報
しかしながら、画像読取装置が小型で低コストの画像読取装置の場合、キャリッジの駆動に使用するモータも、小型で安価なものにならざるを得ないが、このような安価で小型のモータは、ディテントトルク(モータに励磁電流を印加していない場合のトルク)が低い。
したがって、励磁電流を印加していないときは、モータ軸が回りやすくなっており、キャリッジがホームポジションから外れることが多く、画像品質を向上させる上で、改良の必要があった。
そこで、本発明は、キャリッジをホームポジションで待機させる待機状態においても、キャリッジの駆動モータに励磁電流である固定停止電流を印加して、キャリッジがホームポジションから外れないようにし、外れると、再度ホーミングを行うことにより、キャリッジを正確にホームポジションに位置させて、その後の原稿の読み取りを正確に行わせ、読取画像の画像品質を安価に向上させる画像読取装置を提供することを目的としている。
請求項1記載の発明は、待機状態で、予め設定された給電停止待ち時間が経過すると、駆動モータへの固定停止電流の印加を停止し、その後、読取開始指示があると、ホーミング動作を行って、キャリッジをホームポジションに移動させた後、原稿の読み取りを行うことにより、例えば、省エネルギーモード移行待ち時間が長い場合、この省エネルギーモード移行待ち時間よりも短い給電停止待ち時間を設定することで、先に、駆動モータに供給している固定停止電流を停止して消費電力を削減するとともに、原稿の読み取りに際してホーミングを行ってキャリッジを正確にホームポジションに位置させ、消費電力をより一層削減しつつ、読取画像の画像品質を安価に向上させる画像読取装置を提供することを目的としている。
請求項2記載の発明は、読取開始指示があったときに、駆動モータへの固定停止電流の印加を停止していると、原稿の読み取りを完了した後、ホーミング動作を行うことにより、ホーミング動作を後回しにして、読取開始までの時間を短縮し、利用性を向上させつつ、読取画像の画像品質を安価に向上させる画像読取装置を提供することを目的としている。
請求項1記載の発明は、少なくとも読取光学系を搭載し駆動モータの回転動作によって副走査方向に移動されるキャリッジを、ホームポジションの近くに配設されているホームポジションセンサの検出結果に基づいて当該ホームポジションに移動させるホーミング動作を行った後、当該ホームポジションに位置させた状態で読取開始指示があるまで待機し、読取開始指示があると、前記駆動モータを駆動させて前記キャリッジを前記ホームポジションから副走査方向に既定距離だけ離れ原稿先端の位置する原稿読取開始位置に移動させて、当該原稿読取開始位置から前記読取光学系を用いて原稿の読み取りを行う画像読取装置において、主要各部への電源の供給の削減または電源の供給の停止を行ってエネルギーの消費を削減する省エネルギーモードを備え、前記ホーミング動作を行った後、固定停止電流を前記駆動モータに印加して当該駆動モータの回転を固定させて前記キャリッジを前記ホームポジションに固定させた前記待機状態で、前記読取開始指示がなくかつ所定の省エネルギーモード移行待ち時間が経過する前に、予め設定された給電停止待ち時間が経過すると、前記駆動モータへの前記固定停止電流の印加を停止し、その後、読取開始指示があると、前記ホーミング動作を行って、前記キャリッジを前記ホームポジションに移動させた後、前記原稿の読み取りを行うことを特徴とする画像読取装置である。
請求項2の発明は、少なくとも読取光学系を搭載し駆動モータの回転動作によって副走査方向に移動されるキャリッジを、ホームポジションの近くに配設されているホームポジションセンサの検出結果に基づいて当該ホームポジションに移動させるホーミング動作を行った後、当該ホームポジションに位置させた状態で読取開始指示があるまで待機し、読取開始指示があると、前記駆動モータを駆動させて前記キャリッジを前記ホームポジションから副走査方向に既定距離だけ離れ原稿先端の位置する原稿読取開始位置に移動させて、当該原稿読取開始位置から前記読取光学系を用いて原稿の読み取りを行う画像読取装置において、主要各部への電源の供給の削減または電源の供給の停止を行ってエネルギーの消費を削減する省エネルギーモードを備え、前記ホーミング動作を行った後、固定停止電流を前記駆動モータに印加して当該駆動モータの回転を固定させて前記キャリッジを前記ホームポジションに固定させた前記待機状態で、前記読取開始指示がなくかつ所定の省エネルギーモード移行待ち時間が経過する前に、予め設定された給電停止待ち時間が経過すると、前記駆動モータへの前記固定停止電流の印加を停止し、その後、読取開始指示があると、前記原稿の読み取りを完了した後、前記ホーミング動作を行うことを特徴とする画像読取装置である。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載された画像読取装置において、前記画像読取装置は、キャリッジのホームポジションでの位置ずれが発生していると判断したときは、前記ホーミング動作を行った後、次の原稿読取を行うことを特徴とする画像読取装置である。
請求項1によれば、待機状態で、予め設定された給電停止待ち時間が経過すると、駆動モータへの固定停止電流の印加を停止し、その後、読取開始指示があると、ホーミング動作を行って、キャリッジをホームポジションに移動させた後、原稿の読み取りを行うので、例えば、省エネルギーモード移行待ち時間が長い場合、この省エネルギーモード移行待ち時間よりも短い給電停止待ち時間を設定することで、先に、駆動モータに供給している固定停止電流を停止して消費電力を削減することができるとともに、原稿の読み取りに際してホーミングを行ってキャリッジを正確にホームポジションに位置させることができ、消費電力をより一層削減することができるとともに、読取画像の画像品質を安価に向上させることができる。
請求項2によれば、読取開始指示があったときに、駆動モータへの固定停止電流の印加を停止していると、原稿の読み取りを完了した後、ホーミング動作を行うので、ホーミング動作を後回しにして、読取開始までの時間を短縮することができ、利用性を向上させることができるとともに、読取画像の画像品質を安価に向上させることができる。
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1〜図4は、本発明の画像読取装置の第1実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像読取装置の第1実施例を適用した画像読取装置1の制御ブロック構成図である。
図1において、画像読取装置1は、システム制御部2、操作・表示部3及び読取制御部4等を備え、各部は、バス5で接続されている。
システム制御部2は、CPU(Central Processing Unit )、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、CPUが、ROM内のプログラムに基づいて、RAMをワークメモリとして利用しつつ、画像読取装置1の各部を制御して、画像読取装置1としての基本処理を実行するとともに、後述するホームポジション制御を伴う読取制御処理を実行する。
操作・表示部3は、テンキーやスタートキー等の画像読取装置1に必要な動作を行わせるための各種操作キーを備えるとともに、ディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)を備え、操作キーからは、読取動作の各種命令操作が行われ、ディスプレイには、操作キーから入力された命令内容や画像読取装置1からオペレータに通知する各種情報が表示される。
読取制御部4には、読取部10(図2、図3参照)が接続され、読取制御部4は、システム制御部2の制御下で、読取部10の動作を制御して、原稿G(図2参照)の画像を読み取らせる。また、読取制御部4は、読取部10の読み取った原稿Gのアナログの画像データをデジタル変換して図示しない画像メモリに蓄積する。
読取部10は、図2に示すように、コンタクトガラス等で形成された原稿台11の下方に読取光学系を搭載するキャリッジ12が、副走査方向(図2及び図3の左右方向)に移動可能に配設されており、キャリッジ12は、主走査方向(図2及び図3の上下方向)に最大読取原稿幅よりも多少長く配設されている。
キャリッジ12は、図示しないステッピングモータ(駆動モータ)により駆動されて、副走査方向に移動し、画像読取装置1の待機状態では、原稿台11の副走査方向の一方側端部を読取開始位置(原稿読取開始位置)YSとして、当該読取開始位置YSから所定距離だけ原稿台11よりも副走査方向に離れたホームポジションHPに停止する。このステッピングモータは、励磁電流が与えられて、当該励磁電流のパターンが順に切り換えられることで、モータ軸が回転し、同じパターンの励磁電流(固定停止電流)が印加し続けられると、モータ軸が固定される。
画像読取装置1は、原稿Gの読取時、キャリッジ12を、ホームポジションHPからホームポジションHPと読取開始位置YSの距離分だけステッピングモータを回転させて移動し、当該距離分だけキャリッジ12を移動すると、キャリッジ12を一定の速度で移動させつつ、キャリッジ12に搭載されている読取光学系の光源から原稿台11上の原稿Gに読取光を照射して、当該原稿Gで反射された反射光を光電変換することで、キャリッジ12の位置の原稿Gの画像を順次読み取る。
そして、読取部10には、図3に示すように、ホームポジションHPと読取開始位置YSとの間であって、ホームポジションHPから読取開始位置YS側に予め設定された既定の距離だけ離れた位置に、ホームポジションセンサ13が配設されており、ホームポジションセンサ13は、キャリッジ12がホームポジションセンサ13よりもホームポジションHP側に位置するときに、オン(ON)し、キャリッジ12がホームポジションセンサ13よりも読取開始位置YS側に位置するときに、オフ(OFF)する。
次に、本実施例の作用を説明する。画像読取装置1は、待機時に、ホームポジションHPにキャリッジ12を位置させ、原稿Gの読取開始の指示があると、ホームポジションHPから読取開始位置YSに当該ホームポジションHPと読取開始位置YSの距離だけステッピングモータを駆動させて移動させる。この当該読取開始位置YSまでの距離だけステッピングモータを回転駆動させると、キャリッジ12が読取開始位置YSに移動したと判断して、キャリッジ12に搭載する読取光学系を動作させて、キャリッジ12の位置の原稿Gの画像を読み取る。
そして、ステッピングモータは、上述のように、励磁電流が与えられて、当該励磁電流のパターンが順に切り換えられることで、モータ軸が回転し、同じパターンの励磁電流が印加し続けられると、モータ軸が固定される。
したがって、キャリッジ12は、ホームポジションHPに位置するときに、正確にホームポジションHPに位置している必要があり、位置ずれがあると、キャリッジ12が読取開始位置YSから外れた位置から原稿Gの読み取りを開始することとなり、読取画像が悪化する。
そこで、本実施例の画像読取装置1は、図4に示すように、画像読取装置1の電源がオンされると、まず、ホーミング処理を行う(ステップS101)。
画像読取装置1は、このホーミング処理を、図3に示したように行う。すなわち、画像読取装置1は、ステッピングモータでキャリッジ12をホームポジションセンサ13の付近で副走査方向に往復移動させ、ホームポジションセンサ13のオン/オフの境界を検出すると、当該ホームポジションセンサ13のオン/オフの境界位置がホームポジションセンサ13の位置であり、当該ホームポジションセンサ13の位置からホームポジションHPまでの距離は、既定の距離であるため、当該既定の距離だけステッピングモータを回転駆動させて、キャリッジ12をホームポジションHPに移動させて、当該ホームポジションHPで停止させる。画像読取装置1は、キャリッジ12をホームポジションHPで停止させると、ステッピングモータに励磁電流を印加したままとして、キャリッジ12をホームポジションHPに固定させる。
画像読取装置1は、この状態で、図4に示すように、原稿台11上に原稿がセットされて、操作・表示部3のスタートキーが押下されて読取開始の指示が行われたかチェックし(ステップS102)、読取開始の指示があると、ステッピングモータを回転駆動させて、ホームポジションHPから読取開始位置YSまでの既定の距離だけキャリッジ12を移動させ、キャリッジ12をホームポジションHPから読取開始位置YSの距離まで移動させると、キャリッジ12をステッピングモータで所定速度で副走査方向に移動させつつ、キャリッジ12の搭載する読取光学系を動作させて、原稿Gの読み取りを開始する(ステップS103)。
画像読取装置1は、図2に示したように、キャリッジ12を原稿Gの後端まで移動させて、原稿Gの読み取りを終了すると(ステップS104)、キャリッジ12をホームポジションHPに戻して、ホームポジションセンサ13のオン/オフをチェックして、キャリッジ12の位置ずれの有無をチェックする(ステップS105)。すなわち、キャリッジ12をホームポジションHPに戻したとき、ホームポジションセンサ13がオフしていると位置ずれが発生しており、ホームポジションセンサ13がオンしていると、位置ずれが発生していないと判断する。
画像読取装置1は、ステップS105で、位置ずれが発生していないときには、ステップS102に戻って、次の原稿Gの読み取りを上記同様に行い(ステップS102〜S105)、ステップS105で、位置ずれが発生していると、ステップS101に戻って、上記ホーミング処理を行った後、次の原稿Gの読み取りを上記同様に行う(ステップS101〜S105)。
このように、本実施例の画像読取装置1は、少なくとも読取光学系を搭載し駆動モータであるステッピングモータの回転動作によって副走査方向に移動されるキャリッジ12を、ホームポジションHPの近くに配設されているホームポジションセンサ13の検出結果に基づいてホームポジションHPに移動させるホーミング動作処理を行った後、ホームポジションHPに位置させた状態で読取開始指示があるまで待機し、読取開始指示があると、ステッピングモータを駆動させてキャリッジ12をホームポジションHPから副走査方向に既定距離だけ離れ原稿Gの先端の位置する読取開始位置YSに移動させて、読取開始位置YSから読取光学系を用いて原稿Gの読み取りを行うに際して、ホーミング動作処理を行った後、固定停止電流である励磁電流をステッピングモータに印加してステッピングモータの回転を固定させてキャリッジ12をホームポジションHPに固定させた状態で、読取開始指示があるまで待機させている。
したがって、キャリッジ12を正確にホームポジションHPに位置させることができるとともに、キャリッジ12が、何らかの衝撃でホームポジションHPから外れても再度ホーミング動作処理を行って正確にホームポジションHPに位置させることができ、原稿Gの先端から正確に原稿Gの読み取りを行えるようにして、読取画像の画像品質を安価に向上させることができる。
図5は、本発明の画像読取装置の第2実施例を適用した画像読取装置による読取制御処理を示すフローチャートである。
なお、本実施例は、上記第1実施例の画像読取装置1と同様の画像読取装置に適用したものであり、本実施例の説明においては、必要に応じて、上記第1実施例の画像読取装置1の説明で用いた符号をそのまま用いて説明する。
本実施例の画像読取装置1は、消費電力を削減する省エネルギーモードを備えており、待機状態が所定の省エネルギーモード移行待ち時間である省エネ設定時間が経過すると、省エネルギーモードに移行するが、この省エネルギーモードでは、キャリッジ12をホームポジションHPで停止させておくためのステッピングモータへの励磁電流をも停止する。画像読取装置1は、その後、省エネルギーモードから復帰すると、まず、ホーミング処理を行って、待機状態に復帰する。
すなわち、画像読取装置1は、図5に示すように、画像読取装置1の電源がオンされると、上記同様のホーミング処理を行い(ステップS201)、読取開始の指示が行われたかチェックする(ステップS202)。
ステップS202で、読取開始の指示があると、画像読取装置1は、ステッピングモータを回転駆動させて、ホームポジションHPから読取開始位置YSまでの既定の距離だけキャリッジ12を移動させ、キャリッジ12をホームポジションHPから読取開始位置YSの距離まで移動させると、キャリッジ12をステッピングモータで所定速度で副走査方向に移動させつつ、キャリッジ12の搭載する読取光学系を動作させて、原稿Gの読み取りを開始する(ステップS203)。
画像読取装置1は、図2に示したように、キャリッジ12を原稿Gの後端まで移動させて、原稿Gの読み取りを終了すると(ステップS204)、キャリッジ12をホームポジションHPに戻して、次の原稿Gの読み取り開始の指示があるかチェックする(ステップS202)。
なお、このとき、上記第1実施例の場合と同様に、ホームポジションセンサ13のオン/オフをチェックして、キャリッジ12の位置ずれの有無をチェックし、位置ずれがあると、ホーミング処理を行うようにしてもよい。
ステップS202で、読取開始の指示がないときには、待機状態での経過時間である待機時間を計測して(ステップS205)、待機時間が予め設定されている省エネルギーモード移行までの待ち時間である省エネ設定時間が経過したかチェックし(ステップS106)、省エネ設定時間が経過していないときには、ステップS202に戻って、上記同様に処理する(ステップS202〜S206)。
ステップS206で、読取開始が指示されることなく、省エネ設定時間が経過すると、画像読取装置1は、省エネルギーモードに移行し(ステップS207)、省エネルギーモードからの復帰の条件(復帰条件)が満たされたかチェックする(ステップS208)。
ステップS208で、復帰条件が満たされないときには、画像形成装置1は、省エネルギーモードを継続し(ステップS207、S208)、復帰条件が満たされると、ステップS201に戻って、ホーミング処理を行った後(ステップS201)、待機状態に復帰して、次の原稿Gの読み取りを上記同様に行う(ステップS202〜S208)。
このように、本実施例の画像読取装置1は、待機状態で所定の省エネルギーモード移行待ち時間である省エネ設定時間が経過すると、省エネルギーモードに移行するとともに、ステッピングモータへの励磁電流の印加を停止し、省エネルギーモードから復帰すると、ホーミング動作を行っている。
したがって、省エネルギー効果を向上させつつ、原稿Gの読み取りに際してホーミング処理を行ってキャリッジ12を正確にホームポジションHPに位置させることができ、消費電力を削減することができるとともに、読取画像の画像品質を安価に向上させることができる。
図6は、本発明の画像読取装置の第3実施例を適用した画像読取装置による読取制御処理を示すフローチャートである。
なお、本実施例は、上記第1実施例の画像読取装置1と同様の画像読取装置に適用したものであり、本実施例の説明においては、必要に応じて、上記第1実施例の画像読取装置1の説明で用いた符号をそのまま用いて説明する。
本実施例の画像読取装置1は、消費電力を削減する省エネルギーモードを備えているか否かに関わらず、待機状態が所定時間経過すると、キャリッジ12をホームポジションHPで固定させておくための励磁電流の印加を停止し、その後、読み取りを開始するときには、ホーミング処理を行った後、読み取りを開始する。
すなわち、画像読取装置1は、図6に示すように、画像読取装置1の電源がオンされると、上記同様のホーミング処理を行い(ステップS301)、読取開始の指示が行われたかチェックする(ステップS302)。
ステップS302で、読取開始の指示があると、画像読取装置1は、ステッピングモータの励磁がオフとなっているかチェックし(ステップS303)、励磁がオフになっていると、ステッピングモータへの励磁を開始して、上述のように、ホーミング処理を行う(ステップS304)。
画像読取装置1は、ホーミング処理を行うと、ホームポジションHPから読取開始位置YSまでの既定の距離だけキャリッジ12を移動させ、キャリッジ12をホームポジションHPから読取開始位置YSの距離まで移動させると、キャリッジ12をステッピングモータで所定速度で副走査方向に移動させつつ、キャリッジ12の搭載する読取光学系を動作させて、原稿Gの読み取りを開始する(ステップS305)。
画像読取装置1は、図2に示したように、キャリッジ12を原稿Gの後端まで移動させて、原稿Gの読み取りを終了すると(ステップS306)、キャリッジ12をホームポジションHPに戻して、次の原稿Gの読み取り開始の指示があるかチェックする(ステップS302)。
なお、このとき、上記第1実施例の場合と同様に、ホームポジションセンサ13のオン/オフをチェックして、キャリッジ12の位置ずれの有無をチェックし、位置ずれがあると、ホーミング処理を行うようにしてもよい。
ステップS302で、読取開始の指示がないときには、待機状態での経過時間である待機時間を計測して(ステップS307)、待機時間が予め設定されているキャリッジ12をホームポジションHPに固定させておくための励磁電流の印加を停止させるまでの待ち時間である励磁オフ設定時間(給電停止待ち時間)が経過したかチェックし(ステップS308)、励磁オフ設定時間が経過していないときには、ステップS302に戻って、上記同様に処理する(ステップS302〜S308)。
ステップS308で、読取開始が指示されることなく、励磁オフ設定時間が経過すると、画像読取装置1は、ステッピングモータへの励磁電流をオフにし(ステップS309)、読取開始指示があるかチェックする(ステップS302)。ステップS302で、読取開始指示がないときには、画像読取装置1は、ステッピングモータへの励磁を停止した状態で待機状態を継続する(ステップS302、S307〜S309)。なお、このとき、画像読取装置1が、上記第2実施例と同様に、省エネルギーモードを備えており、励磁電流をオフにした状態の待機状態が継続して、省エネルギーモードへ移行するまでの待ち時間である省エネ設定時間が経過すると、省エネルギーモードに移行するようにしてもよい。
そして、ステップS302で、読取開始の指示があると、画像読取装置1は、ステッピングモータの励磁がオフとなっているかチェックし(ステップS303)、いま、励磁がオフになっているので、ステッピングモータへの励磁を開始して、上述のように、ホーミング処理を行う(ステップS304)。
画像読取装置1は、ホーミング処理を行うと、ホームポジションHPから読取開始位置YSまでの既定の距離だけキャリッジ12を移動させて原稿Gの読み取りを開始し(ステップS305)、原稿Gの読み取りを終了すると(ステップS306)、ステップS302に戻って、次の原稿Gの読み取りの開始の有無のチェックから上記同様に処理する(ステップS302〜S309)。
このように、本実施例の画像読取装置1は、待機状態で、予め設定された給電停止待ち時間である励磁オフ設定時間が経過すると、ステッピングモータへの励磁電流の印加を停止し、その後、読取開始指示があると、ホーミング動作を行って、キャリッジ12をホームポジションHPに移動させた後、原稿Gの読み取りを行っている。
したがって、例えば、省エネルギーモード移行待ち時間が長い場合、この省エネルギーモード移行待ち時間である省エネ設定時間よりも短い励磁オフ設定時間を設定することで、先に、ステッピングモータに供給している励磁電流を停止して消費電力を削減することができるとともに、原稿の読み取りに際してホーミングを行ってキャリッジ12を正確にホームポジションHPに位置させることができ、消費電力をより一層削減することができるとともに、読取画像の画像品質を安価に向上させることができる。
図7は、本発明の画像読取装置の第4実施例を適用した画像読取装置による読取制御処理を示すフローチャートである。
なお、本実施例は、上記第1実施例の画像読取装置1と同様の画像読取装置に適用したものであり、本実施例の説明においては、必要に応じて、上記第1実施例の画像読取装置1の説明で用いた符号をそのまま用いて説明する。
本実施例の画像読取装置1は、キャリッジ12をホームポジションHPで固定させておくための励磁電流の印加を、消費電力を削減する省エネルギーモードへの移行に伴って停止したり、待機時間が所定の励磁オフ設定時間を経過することで停止すると、読取開始の指示があったときに、当該励磁電流の印加を停止したかチェックしておき、原稿Gの読み取りが完了した時点で、当該励磁電流の停止の有無のチェック結果に基づいて、ホーミング処理を実施するか否かを決定している。
すなわち、本実施例の画像読取装置1は、図7に示すように、画像読取装置1の電源がオンされると、上記同様のホーミング処理を行い(ステップS401)、読取開始の指示が行われたかチェックする(ステップS402)。
ステップS402で、読取開始の指示があると、画像読取装置1は、ステッピングモータの励磁がオフとなっているかチェックして、チェック結果を内部メモリに記憶し(ステップS403)、ホームポジションHPから読取開始位置YSまでの既定の距離だけキャリッジ12を移動させて、キャリッジ12をホームポジションHPから読取開始位置YSの距離まで移動させると、キャリッジ12をステッピングモータで所定速度で副走査方向に移動させつつ、キャリッジ12の搭載する読取光学系を動作させて、原稿Gの読み取りを開始する(ステップS404)。
画像読取装置1は、図2に示したように、キャリッジ12を原稿Gの後端まで移動させて、原稿Gの読み取りを終了すると(ステップS405)、キャリッジ12をホームポジションHPに戻すが、このとき、上記内部メモリに保存したステッピングモータの励磁のチェック結果を調べ(ステップS406)、励磁がオフになっていると、ステップS401に戻って、上述のように、ホーミング処理を行った後(ステップS401)、読取開始の指示があるかのチェックから上記同様に処理する(ステップS402〜S406)。
ステップS406で、ステッピングモータへの励磁がオンのときには、画像読取装置1は、キャリッジ12をホームポジションHPに戻して、ステップS402に戻って、読取開始の指示があるかのチェックから上記同様に処理する(ステップS402〜S406)。
なお、原稿Gの読み取りを終了して、キャリッジ12をホームポジションHPに戻したときに、上記第1実施例の場合と同様に、ホームポジションセンサ13のオン/オフをチェックして、キャリッジ12の位置ずれの有無をチェックし、位置ずれがあると、ホーミング処理を行うようにしてもよい。
ステップS402で、読取開始の指示がないときには、待機状態での経過時間である待機時間を計測して(ステップS407)、待機時間が上記励磁オフ設定時間経過したかチェックし(ステップS408)、励磁オフ設定時間が経過していないときには、ステップS402に戻って、上記同様に処理する(ステップS402〜S408)。
ステップS408で、読取開始が指示されることなく、励磁オフ設定時間が経過すると、画像読取装置1は、ステッピングモータへの励磁電流をオフにし(ステップS409)、読取開始指示があるかチェックする(ステップS402)。ステップS402で、読取開始指示がないときには、画像読取装置1は、ステッピングモータへの励磁を停止した状態で待機状態を継続する(ステップS402、S407〜S409)。なお、このとき、画像読取装置1が、上記第2実施例と同様に、省エネルギーモードを備えており、励磁電流をオフにした状態の待機状態が継続して、省エネルギーモードへ移行するまでの待ち時間である省エネ設定時間が経過すると、省エネルギーモードに移行するようにしてもよい。
そして、ステップS402で、読取開始の指示があると、画像読取装置1は、ステッピングモータの励磁がオフとなっているかチェックして、チェック結果を内部メモリに記憶し(ステップS403)、ホームポジションHPから読取開始位置YSまでの既定の距離だけキャリッジ12を移動させて、キャリッジ12をホームポジションHPから読取開始位置YSの距離まで移動させると、キャリッジ12をステッピングモータで所定速度で副走査方向に移動させつつ、キャリッジ12の搭載する読取光学系を動作させて、原稿Gの読み取りを開始する(ステップS404)。画像読取装置1は、キャリッジ12を原稿Gの後端まで移動させて、原稿Gの読み取りを終了すると(ステップS405)、キャリッジ12をホームポジションHPに戻すが、いま、内部メモリには、励磁がオフであった旨のチェック結果が保存されているので、ステップS406で、励磁チェックがオフであったと判断して、ステップS401に戻って、上述のように、ホーミング処理を行った後、読み取りの開始の有無のチェックから上記同様に処理する(ステップS401〜S409)。
このように、本実施例の画像読取装置1は、読取開始指示があったときに、ステッピングモータへの励磁電流の印加を停止していると、原稿Gの読み取りを完了した後で、ホーミング動作を行っている。
したがって、ホーミング動作を後回しにして、読取開始までの時間を短縮することができ、スタートキーを押したのにすぐに読み取りを開始しないという、ユーザのストレスを抑えて、利用性を向上させることができるとともに、読取画像の画像品質を安価に向上させることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
待機時に、読取光学系を搭載するキャリッジをホームポジションに位置させて、読取開始の指示があると、キャリッジをホームポジションから読取開始位置までの規定距離だけ移動させて、原稿の読み取りを行う画像読取装置に適用することができる。
本発明の画像読取装置の第1実施例を適用した画像読取装置の制御ブロック構成図。
図1の画像読取装置の読取部の概略構成平面図。
図1の画像読取装置の読取部の概略構成正面図。
図1の画像読取装置によるホームポジション制御を伴う読取制御処理を示すフローチャート。
本発明の画像読取装置の第2実施例を適用した画像読取装置によるホームポジション制御を伴う読取制御処理を示すフローチャート。
本発明の画像読取装置の第3実施例を適用した画像読取装置によるホームポジション制御を伴う読取制御処理を示すフローチャート。
本発明の画像読取装置の第4実施例を適用した画像読取装置によるホームポジション制御を伴う読取制御処理を示すフローチャート。
符号の説明
1 画像読取装置
2 システム制御部
3 操作・表示部
4 読取制御部
5 バス
10 読取部
11 原稿台
12 キャリッジ
13 ホームポジションセンサ
G 原稿
HP ホームポジション
YS 読取開始位置