JP4500766B2 - ダイカストマシン - Google Patents

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Description

本発明は、射出プランジャの前進によって金属溶湯を金型内に射出・充填するダイカストマシンに関する。
溶融金属材料を金型のキャビティ内に射出・充填して製品を得るダイカストマシンはよく知られており、このダイカストマシンにおいては、溶解炉で溶融した金属材料(例えば、Al合金、Mg合金など)を1ショット毎にラドルで計量して汲み上げ、汲み上げた金属溶湯(溶融金属材料)を射出スリーブ内に注ぎ込んで、これを射出プランジャの前進動作によって金型のキャビティ内に射出・充填するようにしている。
ダイカストマシンの射出工程は、低速射出工程と高速射出工程とからなっており、高速射出工程においては、プラスチック射出成形機の射出速度よりも1桁程度速い、高速の射出速度で、金型内に金属溶湯を射出・充填する必要がある。このため、射出の駆動源としては、従来は一般的に、比較的に大型の油圧駆動源が用いられており、このように射出駆動源を油圧駆動源としていることから、型開閉やエジェクトの駆動源も油圧駆動源とした、油圧式のダイカストマシンが、従来はダイカストマシンの主流となっていた。
しかしながら、油圧式のダイカストマシンは、油による汚損の虞があるため、クリーンな電動式のダイカストマシンへの要望が、近時は高まりつつあり、このような電動式のダイカストマシンとして、例えば、特開2000−84654号公報(特許文献1)、特開2001−1126号公報(特許文献2)に記載された技術が知られている。これらの特許文献に示された技術においては、射出用電動サーボモータと、昇圧・保圧工程で用いる油圧駆動源としてのアキュームレータとを備え、射出工程の低速射出工程と高速射出工程は射出用電動サーボモータの駆動力のみによって実行し、昇圧工程は射出用電動サーボモータとアキュームレータの駆動力を足し合わせて実行し、昇圧工程に続く保圧工程はアキュームレータの駆動力のみで実行するか、もしくは、昇圧・保圧工程はアキュームレータの駆動力のみで実行するようになっている。
上記の特許文献1、2に示された技術では、射出工程(低速射出工程および高速射出工程)の駆動源を電動サーボモータとして、昇圧・保圧工程のみに油圧駆動源の力を利用するようにしているので、油圧システムを小型化できて、比較的にクリーンなダイカストマシンを実現でき、また、昇圧時には大きな圧力が容易に出力可能となる。しかしながら、特許文献1、2に示された技術は、高速射出工程における高速の射出速度を、電動サーボモータのパワーのみで得るようにしているため、射出速度を高速化するためには一定の限界があり、かつ、射出速度を確保するために電動サーボモータも比較的に大型のモータを必要とする。
ところで、射出プランジャの前後進用の駆動源を電動サーボモータとしたダイカストマシンにおいては、電動サーボモータの出力のみでは達成困難であるのは、増圧(昇圧)の圧力ではなく、高速射出工程における高速の射出速度である。そこで、射出プランジャの主たる駆動源としての電動サーボモータと、射出プランジャの前進方向の副駆動源としての油圧駆動源(油圧シリンダ)とをもつダイカストマシンにおいて、射出工程中の高速射出工程において、油圧駆動源のパワーを一挙に放出させて、射出プランジャを高速度で前進させるようにした技術を、本願出願人は、特願2005−141344として提案した。
特開2000−84654号公報 特開2001−1126号公報
上記した特願2005−141344において提案したようなダイカストマシンでは、油圧シリンダの駆動を閉回路(油圧閉回路)構成で行うようにすると、作動油の有効利用が図れ、また、油圧回路の省エネ化も図れ、環境への負荷も少ないマシンを実現できる。しかしながら、閉回路中において何等かの動作異常により過大な圧力(異常圧力)が立った場合には、閉回路中の制御弁などが破損する虞がある。
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、射出プランジャの主たる駆動源としての電動サーボモータと、射出プランジャの前進方向の副駆動源としての油圧シリンダとをもつダイカストマシンにおいて、油圧シリンダの駆動を閉回路構成で行うようにしても、閉回路中の制御弁などが破損することがないようにすることにある。
本発明は、上記した目的を達成するため、電動サーボモータの駆動力により前後進駆動される移動ユニットと、該移動ユニットに搭載されると共に射出プランジャとなるピストン体をもつ油圧シリンダと、該油圧シリンダの第1油室に圧油を供給して前記射出プランジャを前進させるためのアキュームレータと、該アキュームレータと前記第1油室との間の連通/遮断を制御する第1の制御弁と、前記第1油室と前記油圧シリンダの第2油室とを接続する油室間接続油路と、該油室間接続油路上に配置され前記第1油室と前記第2油室との間の連通/遮断を制御する第2の制御弁とを備え、
前記射出プランジャをシリンダ筒に対して前進させる際には、前記アキュームレータからの圧油を前記第1制御弁を通じて前記第1油室に送り込むと共に、差動圧により第2油室内の圧油を前記第2の制御弁を通じて前記第1油室に送り込み、前記射出プランジャを前記シリンダ筒に対して後退させる際には、前記射出プランジャの先端が固化した金属材料に当接していて前記射出プランジャが前進不能な状態で、前記電動サーボモータの駆動力により前記移動ユニットを前進駆動することで、前記射出プランジャを後退させると共に、前記第1油室内の圧油を前記第1の制御弁を通じて前記アキュームレータに戻すようにした構成をとるダイカストマシンにおいて、
前記油室間接続油路における前記第2油室と前記第2の制御弁とを接続する油路に、設定圧力を超える圧力が発生した場合に、圧油の一部をタンクに逃がすためのリリーフ弁を設けると共に、前記各油圧回路構成要素は前記移動ユニットに搭載されており、前記タンクは前記移動ユニットに搭載されたサブタンクであり、該サブタンクで減圧された油が前記移動ユニット外のメインタンクに戻されるように、構成される。
本発明によれば、射出プランジャ(油圧シリンダのピストン体)をシリンダ筒に対して前進させる際には、アキュームレータからの圧油を第1制御弁を通じて油圧シリンダの第1油室に送り込むと共に、差動圧により油圧シリンダの第2油室内の圧油を第2の制御弁を通じて第1油室に送り込み、射出プランジャをシリンダ筒に対して後退させる際には、第1油室内の油をアキュームレータへと戻すようにして、油(作動油)を閉回路内で循環させることで、油の有効利用を図るようにした構成において、第1油室と第2油室とを接続する油室間接続油路における第2油室と第2の制御弁とを接続する油路に、設定圧力を超える圧力が発生した場合に、圧油の一部をタンクに逃がすためのリリーフ弁を設けているので、何等かの動作異常によって、第2油室と第2の制御弁とを接続する油路に、リリーフ弁の設定圧力値を超える圧力が立った場合には、リリーフ弁が作動油の一部をサブタンクに逃がすように作用し、したがって、閉回路構成をとっても、第2の制御弁などが破損する虞はなくなる。
しかも、油を一旦、移動ユニットに搭載されたサブタンクに入れて、このサブタンクで圧力を低下させた後、移動ユニット外のメインタンクに戻すようにしているので、移動ユニット側からメインタンクに戻される経路での油漏れの虞を可及的に低減でき、メインタンクへの戻りのためのホースなども簡略化できる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態(以下、本実施形態と記す)に係るダイカストマシンの射出系メカニズムを示す要部斜視図、図2は、本実施形態に係るダイカストマシンの射出系メカニズムを示す、図1とは別の角度から見た要部斜視図である。
図1、図2において、1は、マシンの図示せぬ主ベース盤上に配置された射出系保持ベース、2は、射出系保持ベース1上に配置され、鋳造運転時には固定状態を維持される第1の保持ブロック、3は、その端部を図示せぬ固定ダイプレート(主ベース盤上に固設されて図示せぬ固定側金型を取り付けた図示せぬ固定ダイプレート)に固定された、Cフレームと称される第2の保持ブロック、4は、その両端を第1の保持ブロック2および第2の保持ブロック3にそれぞれ固定され、第1の保持ブロック2と第2の保持ブロック3とを一体に連結する4本の連結軸、5は、第1の保持ブロック2と第2の保持ブロック3との間に配置され、その下部の直動ガイド6が射出系保持ベース1上のレール部材7に係合されることで、レール部材7に案内されて前後進可能な移動ユニットである。
また、8は、第1の保持ブロックに搭載された1対の射出用の電動サーボモータ、10は、第1の保持ブロック2に回転可能に保持され、対応する電動サーボモータ8の回転をプーリ、ベルトよりなる回転伝達系を介して伝達される1対のネジ軸(ボールネジ軸)、11は、対応するネジ軸10とでそれぞれボールネジ機構9を構成し、対応するネジ軸10に螺合されると共に、移動ユニット5にその端部を固定された1対のナット体、12は、移動ユニット5に搭載され、移動ユニット5と共に移動する1対のアキュームレータ(以下、ACCと記す)、13は、移動ユニット5に搭載され、射出プランジャ14となるピストン体が前後進可能な油圧シリンダである(実際には、油圧シリンダのピストンロッドの先端に、先端にプランジャチップをもつプランジャロッドが連結・一体化されて、ピストン体兼射出プランジャとして、射出プランジャ14が構成されている)。図2に示すように、射出プランジャ14は、第2の保持ブロック3の中心に穿設された貫通穴に嵌合された摺動ブッシュ15に前後進可能に挿通されており、射出プランジャ14の先端側は、図示せぬ固定ダイプレートに取り付けられた図示せぬ射出スリーブ内で前後進可能とされている。そして、射出スリーブの上面の注入口から射出スリーブ内に図示せぬラドルにより注ぎ込まれた金属溶湯が、射出プランジャ14の前進によって、型締め状態にある図示せぬ金型内に射出・充填されるようになっている。なお、射出スリーブや、ラドルによる金属溶湯の給湯や、射出プランジャによる金属溶湯の射出・充填などは、コールドチャンバー式のダイカストマシンにおいては、普く公知である。
また、16は、移動ユニット5の端面に、第2の保持ブロック3に向けて水平に植設・固定された1対のスリーブ体で、該スリーブ体16は、機械的に堅牢であるように肉厚の構造をとり、その端部は閉塞されている。このスリーブ体16の内部には、1対のボールネジ機構9のネジ軸10の一部がそれぞれ収納されていて、スリーブ16はネジ軸10に対して相対的に前後進可能となっている。17は、第2の保持ブロック3に穿設された1対の有底の穴(図1参照)で、この穴17内をスリーブ体16の端部が出没可能となっている。そして、移動ユニット5が、制御回路系の誤動作などにより、万一、後記する鋳造運転時の前進限位置(原点)を超えて前進した際には、スリーブ体16の端面が穴の底面に当接することで、移動ユニット5のそれ以上の前進は、確実に阻止されるようになっている。
なお、1対の電動サーボモータ8によって前後進駆動される移動ユニット5には、図3を用いて後記するような、油圧シリンダ13やACC12を含む油圧回路構成要素が搭載されていて、これらの油圧回路構成要素は移動ユニット5と一体となって移動するようになっている。
本実施形態では、1対の電動サーボモータ8の回転力を、プーリ、ベルトよりなる回転伝達系を介して、1対のボールネジ機構9のネジ軸10に伝達してネジ軸10を回転させ、これにより、ネジ軸10に螺合したボールネジ機構9のナット体11を軸方向に前後進させることで、移動ユニット5と共に油圧シリンダ13を移動させて、射出プランジャ14を前後進させるようになっている。また、1対のACC12に蓄圧された作動油(圧油)を、制御弁を介して油圧シリンダ13の前進用油室に送り込むことで、射出プランジャ14に前進方向の力を付与するようになっている。そして、本実施形態では、電動サーボモータ8とボールネジ機構9を2つ設けて、2つの電動サーボモータ8の出力を足し合わせて移動ユニット5(射出プランジャ14)を軸方向に移動させるようにしているので、大きな推力を得ることができるようになっている。
次に、本実施形態のダイカストマシンの射出系メカニズムの油圧系の構成と、射出系メカニズムの動作を、図3を用いて説明する。図3は、本実施形態のダイカストマシンの射出系メカニズムの機能構成を簡略化して示す図であり、図3において、図1、図2の構成要素と同一の構成要素には同一符号を付してある。
図3において、20は、電動サーボモータ8の回転をボールネジ機構9のネジ軸10に伝達するプーリ、ベルトよりなる回転伝達系、21は、2つのACC12と油圧シリンダ13の第1油室13aとを接続する油路22上に配設され、ACC12と第1油室13aとの間の連通/遮断を制御する切替制御弁(第1の制御弁)、23は、油圧シリンダ13の第2油室13bと上記の油路22とを接続する油路24上に配設され、第1油室13aと第2油室13bとの間の連通/遮断を制御する機能と流量制御機能とを備えたサーボ弁(サーボロジック弁(第2の制御弁))、25は、上記の油路24中における第2油室13bとサーボ弁23との間の油路24aと、サブタンク26とを、接続する油路27上に配設されたリリーフ弁、28は、サブタンク26と接続されたメインタンク、29は、メインタンク28から汲み上げてポンプアップした圧油を、逆止弁30を介して上記の油路24aへ供給可能な油圧ポンプである。なお、13cは、油圧シリンダ13のシリンダ筒である。
リリーフ弁25は、油路24aに異常な圧力が立った際に、サーボ弁23が破損されることを防止するために設けられており、このリリーフ弁25の設定圧力値は、サーボ弁23の許容圧力値と同等の圧力値、または、サーボ弁23の許容圧力値よりも若干小さい圧力値に設定されている。そして、リリーフ弁25の設定圧力値を超える圧力値が油路24aに立った場合には、リリーフ弁25は作動油の一部をサブタンク26に逃がして、油路24aの圧力値が設定圧力値以上に上昇することを防止するようになっている。
本実施形態では、図3に示した油圧回路構成要素のうち、メインタンク28と油圧ポンプ29を除く他の油圧回路構成要素は、総て移動ユニット5に搭載されている。このような構成とする所以は、ACC12と油圧シリンダ13との間の油路長を短くして、油圧駆動の応答性を良くし、管路損出を可及的に低減させるためと、移動ユニット5に油圧回路構成要素を一体に組み込むことで、移動ユニット5に対して油圧回路構成要素を別体とする構成よりも、全体として構造を大幅に簡素化できるためである。
射出前の状態では、油圧シリンダ13内で射出プランジャ14は最後退位置にあり、切替制御弁21は遮断位置(図示上位置)にあり、ACC12の油室内には所定量・所定圧の圧油が貯えられており、このときACC12のガス室内のガスは、油の圧力により圧縮・昇圧されている。また、射出前の状態を含め、作動油を逆止弁30を介して油路24aへ送り込んで補充するとき以外には、油圧ポンプ29は停止状態におかれている。また、射出前の状態では、ナット体11(すなわち移動ユニット5)は、最も後退した位置におかれている。
このような状態において、射出工程の開始タイミングに至ると、マシン全体の制御を司る図示せぬシステムコントローラからの指令に基づいて、電動サーボモータ8が、所定方向に、かつ、低速射出工程に設定された速度で回転駆動され、これによって、ボールネジ機構9のナット体11と共に、移動ユニット5、油圧シリンダ13、射出プランジャ14が低速で前進駆動される。つまり、低速射出工程では、位置軸に沿った速度フィードバック制御によって電動サーボモータ8が駆動制御され、これによって、低速射出工程が実行されて、図示せぬ射出スリープ内の金属溶湯が金型のランナ部まで充填され、また、金型のキャビティ内の空気抜きが行われる。そして、システムコントローラは、電動サーボモータ8に付加されたエンコーダからの出力により、移動ユニット5の前進位置を認知して、低速射出工程に設定された距離だけ前進したタイミングで、射出工程を高速射出工程に切り替える。
高速射出工程の開始タイミングとなると、システムコントローラは、電動サーボモータ8に対しては低速射出工程と同様の動作をとらせつつ、切替制御弁21を連通位置(図示下位置)に切り替える。これによって、ACC12に貯えられた圧油は、圧縮・昇圧されていたガス圧によって、切替制御弁21を通じて油圧シリンダ13の第1油室(前進用油室)13aに急速に送り込まれ、射出プランジャ14はシリンダ筒13cに対して(すなわち移動ユニット5に対して)高速で前進駆動される。このとき、油圧シリンダ13の第2油室13b内の油は、油路24(24a)、サーボ弁23を通じて、油圧シリンダ13の第1油室13a側に送り込まれ、サーボ弁23の開弁率をシステムコントローラが適宜に制御することで、ピストンロッド14の前進速度が精緻にコントロールされるようになっている。この高速射出工程では、電動サーボモータ8が、低速射出工程と同様に移動ユニット5を前進駆動しているので、高速射出工程では、射出プランジャ14は、電動サーボモータ8による移動ユニット5の前進速度と、油圧による射出プランジャ14の前進速度とを足し合わせた、非常に高速の前進速度で駆動され(この高速の前進速度の大部分は、油圧による射出プランジャ14の前進速度が寄与している)、これによって、金属溶湯が金型のキャビティ内に急速に射出・充填される。そして、システムコントローラは、電動サーボモータ8に付加されたエンコーダからの出力により、移動ユニット5の前進位置を認知して、高速射出工程に設定された距離だけ前進したタイミングで、高速射出工程を完了させ、工程を増圧工程に切り替える。
増圧工程に入ると、システムコントローラは、電動サーボモータ8を射出工程での位置軸に沿った速度フィードバック制御から、時間軸に沿った圧力フィードバック制御に切り替える。なお、本明細書でいう増圧工程とは、前記した特許文献1、2における昇圧・保圧工程に相当するものを指し、プラスチック射出成形における保圧工程に相当するものである。この増圧工程では、システムコントローラは、切替制御弁21に図示で下位置の状態を維持させつつ、電動サーボモータ8を圧力フィードバック制御して、電動サーボモータ8に増圧工程で設定されている増圧圧力に一致する圧力を出力させる。この増圧工程によって、射出プランジャ14から公知のビスケット(図3では、符号31がビスケット部分を示している)を介して金型内の固化し始めた金属に大きな圧力が付与され、金属の固化・収縮に伴って、射出プランジャ14は微量だけ微速前進する。そして、システムコントローラは、時間監視に基づいて、増圧工程の完了タイミングを認知すると、工程を冷却工程に切り替える。
なお、本実施形態では、上記の増圧工程は、圧力設定を多段にした、多段の圧力フィードバック制御で実行するようになっており、これによって、精緻で、良品鋳造に大いに貢献できる増圧動作を実現できるようにしている。なおまた、本実施形態では、射出系をツイン電動モータ方式としているため、個々の射出用の電動サーボモータ8を大容量のものにしなくても、容易に要求される増圧工程の圧力を得ることができるようになっている。さらに、電動サーボモータ8の回転を直線運動に変換するボールネジ機構9も大型化しなくて済むので、慣性力が高まることがなく、したがって、過渡応答性にも優れたものとなっている。
冷却工程では、システムコントローラは、切替制御弁21が図示で下位置をとった状態において、電動サーボモータ8を、位置軸に沿った速度フィードバック制御によって前進方向に駆動制御し、移動ユニット5を前進させる。この移動ユニット5の前進によって射出プランジャ14は前進方向の力を受けるが、射出プランジャ14の先端には図示せぬビスケットが当接しているため射出プランジャ14は前進することができず、反対に油圧に抗してシリンダ筒13cに対して後退する。これによって、油圧シリンダ13の第1油室13a内の油が切替制御弁21を通じて、ACC12の油室内へと戻され、これに伴ってACC12のガス室内のガスが圧縮・昇圧される(この際、油圧シリンダ13の第1油室13a内の油の一部は、サーボ弁23を通じて第2油室13bに導入される)。そして、ACC12の油室内に所定量・所定圧の圧油が貯えられた(前記した高速射出工程に必要な油が貯えられた)タイミングで、システムコントローラは、切替制御弁21を図示で上位置に切り替えると共に、サーボ弁23を遮断位置に切り替える。そして、油圧シリンダ13内で射出プランジャ14が最後退位置に至ったタイミングで、システムコントローラは、電動サーボモータ8を停止させて、冷却工程の終了タイミングを待つ。
冷却工程が終了すると、システムコントローラは、型開き工程を実行させ、この型開き動作と同期して、電動サーボモータ8を、位置軸に沿った速度フィードバック制御によって前進方向に駆動制御して、移動ユニット5を前進させる。そして、これによって、射出プランジャ14によって図示せぬビスケットを押し出すビスケット押出工程を、型開きと同期させて実行させる。
ビスケット押出工程が完了した後の適宜のタイミングで、システムコントローラは、射出プランジャ14を後退させる工程をとり、電動サーボモータ8を、位置軸に沿った速度フィードバック制御によって後退方向に駆動制御して、移動ユニット5を後退させる。そして、移動ユニット5が最後退位置まで後退したタイミングで、システムコントローラは、電動サーボモータ8を停止させる。
上述したように、図3に示す本実施形態の構成においては、高速射出工程では、油圧シリンダ13の第2油室13b内の油を差動圧により油圧シリンダ13の第2油室13aに戻し、冷却工程では、油圧シリンダ13の第1油室13a内の油をACC12の油室内へと戻すようにして、油(作動油)を閉回路内で循環させることで、油の有効利用を図るようにしている。このような閉回路構成をとると、油(作動油)の有効利用が図れ、また、油圧回路の省エネ化も図れ、環境負荷の少ないマシンを実現できる。しかし、高速射出工程において、油路24aに何等かの動作異常によって異常圧力が立った場合には、サーボ弁23などを破損する危険性が生じる。そこで、本実施形態では、この異常圧力に対処するため、前記したリリーフ弁25を設けている。すなわち、高速射出工程において、油路24a(油圧シリンダ13の第2油室13b側)に、何等かの動作異常によって、リリーフ弁25の前記した設定圧力値を超える圧力が立った場合には、先にも述べたように、リリーフ弁25が作動油の一部をサブタンク26に逃がすようになっていて、これにより、油路24aの圧力値が、設定圧力値以上に上昇することを確実に防止できるようになっている。したがって、閉回路構成をとっても、サーボ弁23が破損する虞はなくなり、しかも、油を一旦、移動ユニット5に搭載されたサブタンク26に入れて、このサブタンク26で圧力を低下させた後、メインタンク28に戻すようにしているので、移動ユニット5側からメインタンク28に戻される経路での油漏れの虞を可及的に低減でき、メインタンク28への戻りのためのホースなども簡略化できる。
ここで、リリーフ弁25を通じてサブタンク26に油が逃がされた場合には、その逃がした油量に相当するだけの油が、システムコントローラの制御の下に、油圧ポンプ29から逆止弁30を通じて、油路24a(油圧シリンダ13の第2油室13b側)に送り込まれる。このため、リリーフ弁25とサブタンク26との間に、図示していないが流量計が設けてあり、この流量計による計測情報がシステムコントローラに出力されるようになっている。
図4は、本実施形態における、移動ユニット5に植設・固定した前記のスリーブ体16と、第2の保持ブロック3に穿設した前記の穴17との関係を示す図である。鋳造運転時の移動ユニット5の前進限位置(原点)Poは、スリーブ体16の先端面16aが穴17の底面17aと当接する所定量だけ手前の位置、すなわち、穴17の底面17aからスリーブ体16の先端面16aが距離L(例えば5mm)だけ離間した位置に、設定される。この前進限位置である原点を設定する際(原点出しをする際)には、電動サーボモータ8を低トルクかつ低速で駆動することにより、移動ユニット5を微速で前進させ、スリーブ体16の先端面16aが穴17の底面17aと当接したことが確認された時点で、電動サーボモータ8を停止させる。そして、この移動ユニット5の位置を仮の基準点として、この仮の基準点から所定距離L(ここでは5mm)だけ移動ユニット5が後退した位置を、鋳造運転時の移動ユニット5の前進限位置である原点として、システムコントローラは認知して、システムコントローラは、仮の基準点から所定距離Lだけ移動ユニット5を微速で後退させ、この位置を原点として設定する(この位置に対応するエンコーダ出力値を原点として設定する)。
本実施形態においては、正常な鋳造運転が実行されている際には、1鋳造サイクル毎に、移動ユニット5は、スリーブ体16の先端面16aが穴17の底面17aと当接する所定量だけ手前の位置(前進限位置(原点)Po)まで前進駆動される。したがって、鋳造運転時の移動ユニット5の前進限位置を、第2の保持ブロック3の穴17内にスリーブ体16が所定量だけ入り込んだ位置とすることができ、穴17内にスリーブ体16が所定量だけ入り込む分だけ、移動ユニット5の前進ストロークを稼ぐことができ、マシンを大型化することなく、移動ユニット5の前進ストロークを増やすことができる。
また、本実施形態においては、制御回路系の誤動作などにより、万一、移動ユニット5が前進限位置(原点)Poを超えて前進しても、穴17の底面17aにスリーブ体16の先端面16aが当接することで、移動ユニット5のそれ以上の前進が確実に阻止されるようにしているので、脆弱な部品が破損する虞がなく、安全性に優れたものとなる。さらに、ボールネジ機構9のネジ軸10の一部を収納するスリーブ体16をストッパーとして利用しているので、ストッパーとしてのスリーブ体16がネジ軸10の一部を覆う密閉カバーとしても機能し、スリーブ体16に覆われたネジ軸部分にバリや霧状液が付着することを防止できて、その分だけボールネジ機構9の寿命を延命化することが可能となる。さらにまた、ストッパーとしてのスリーブ体16を移動ユニット5の原点出しにも利用でき、したがって、移動ユニット5の前進を阻止するためのメカストッパー構造および移動ユニット5の原点出しを行うための構造を、効率よく好適に構築することができる。
本発明の一実施形態に係るダイカストマシンの射出系メカニズムを示す要部斜視図である。 本発明の一実施形態に係るダイカストマシンの射出系メカニズムを示す、図1とは別の角度から見た要部斜視図である。 本発明の一実施形態に係るダイカストマシンの射出系メカニズムの機能構成を簡略化して示す説明図である。 本発明の一実施形態に係るダイカストマシンにおける、移動ユニットに植設・固定したスリーブ体と、第2の保持ブロックに穿設した穴との関係を示す説明図である。
符号の説明
1 射出系保持ベース
2 第1の保持ブロック
3 第2の保持ブロック
4 連結軸
5 移動ユニット
6 直動ガイド
7 レール部材
8 電動サーボモータ
9 ボールネジ機構
10 ネジ軸
11 ナット体
12 ACC(アキュームレータ)
13 油圧シリンダ
13a 第1油室
13b 第2油室
13c シリンダ筒
14 射出プランジャ
15 摺動ブッシュ
16 スリーブ体
16a スリーブ体の先端面
17 穴
17a 穴の底面
20 回転伝達系
21 切替制御弁
22 油路
23 サーボ弁
24 油路
24a 油路
25 リリーフ弁
26 サブタンク
27 油路
28 メインタンク
29 油圧ポンプ
30 逆止弁

Claims (1)

  1. 電動サーボモータの駆動力により前後進駆動される移動ユニットと、該移動ユニットに搭載されると共に射出プランジャとなるピストン体をもつ油圧シリンダと、該油圧シリンダの第1油室に圧油を供給して前記射出プランジャを前進させるためのアキュームレータと、該アキュームレータと前記第1油室との間の連通/遮断を制御する第1の制御弁と、前記第1油室と前記油圧シリンダの第2油室とを接続する油室間接続油路と、該油室間接続油路上に配置され前記第1油室と前記第2油室との間の連通/遮断を制御する第2の制御弁とを備え、
    前記射出プランジャをシリンダ筒に対して前進させる際には、前記アキュームレータからの圧油を前記第1制御弁を通じて前記第1油室に送り込むと共に、差動圧により第2油室内の圧油を前記第2の制御弁を通じて前記第1油室に送り込み、前記射出プランジャを前記シリンダ筒に対して後退させる際には、前記射出プランジャの先端が固化した金属材料に当接していて前記射出プランジャが前進不能な状態で、前記電動サーボモータの駆動力により前記移動ユニットを前進駆動することで、前記射出プランジャを後退させると共に、前記第1油室内の圧油を前記第1の制御弁を通じて前記アキュームレータに戻すようにした構成をとるダイカストマシンにおいて
    前記油室間接続油路における前記第2油室と前記第2の制御弁とを接続する油路に、設定圧力を超える圧力が発生した場合に、圧油の一部をタンクに逃がすためのリリーフ弁を設けると共に、前記各油圧回路構成要素は前記移動ユニットに搭載されており、前記タンクは前記移動ユニットに搭載されたサブタンクであり、該サブタンクで減圧された油が前記移動ユニット外のメインタンクに戻されることを特徴とするダイカストマシン。
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