JP4500380B2 - ヒュームドシリカスラリーの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無機酸化物スラリー(以下、高濃度無機酸化物スラリー、或いは単に高濃度スラリーともいう。)の新規な製造方法に関する。詳しくは、無機酸化物粉体が溶媒中に高度に微分散した高濃度無機酸化物スラリーを生産性良く製造する方法である。
【0002】
【従来の技術】
無機酸化物を溶媒中に分散する方法としては、溶媒中に無機酸化物粉体を予備的に分散せしめた分散液(以下、予備分散液という)を調製し、これを、例えば、ボールミル、ビーズミル、振動ミル、ピンミル、アトマイザー、コロイドミル、マスコロイダー(商品名)、ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザーと呼ばれる破砕機により処理して微分散させる方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、無機酸化物粉体が高度に微分散したスラリーを調製しようとした場合、上記の予備分散液を破砕処理する方法では、多量の溶媒に分散した無機酸化物粉体を高エネルギーの破砕機で処理する必要があったり、或いは何度も繰り返し破砕を行うことが必要であった。
【0004】
そのため、生産効率が低下したり、破砕機からの汚染物質が不純物として混入する確率が高くなるという問題を有する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記問題を解決すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、無機酸化物粉体を分散液とすることなく、特定量の溶媒を含んだ状態の粉体として使用し、これを特定の方法により破砕することによって、極めて分散性に優れた高濃度スラリーが生産性良く得られ、更に、これを溶媒で希釈することにより、上記分散性を損なうことなく、任意の濃度の無機酸化物スラリー(以下、単にスラリーともいう。)が得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明は、ヒュームドシリカと溶媒とよりなり、ヒュームドシリカの濃度C(重量%)が下記(1)式を満足する含溶媒ヒュームドシリカ粉体に、間隙をあけて相対的に高速移動する破砕面間を通過させることにより、該粉体に剪断力を与えて破砕するヒュームドシリカスラリーの製造方法である。
【0007】
(46.9−0.098×S) < C < (64.4−0.134×S) (1)
(ここで、Sは無機酸化物の比表面積(単位:m2/g))である。
【0008】
また、本発明は、上記方法によって前記含溶媒無機酸化物粉体を破砕して得られた高濃度スラリーを溶媒で希釈することを特徴とする無機酸化物スラリーの製造方法をも提供する。
【0009】
【発明の実施形態】
本発明に用いる無機酸化物粉体としては特に制限はなく、公知のものが使用できる。具体的には、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化スズ、酸化鉄、酸化インジウム、酸化亜鉛等の金属酸化物粉体;ケイ酸カルシウム、シリカ−アルミナ、シリカ−チタニア、シリカ−ジルコニア、チタン酸バリウム等の複合酸化物粉体等が好適に採用できる。
【0010】
上記の無機酸化物粉体の中でも、ヒュームドシリカ、ヒュームドアルミナ、ヒュームドチタニア等の気相法によって製造された無機酸化物粉体が本発明の方法において効果が極めて顕著であり、好適に使用することができる。その理由は明らかでないが、気相法による製法により、表面の水酸基の量が少なく、後記の破砕によるスラリー化を容易にしているものと推定される。
【0011】
また、上記無機酸化物粉体の比表面積は特に限定されないが、好適な範囲を例示すると、1〜500m2/gの範囲、好ましくは30〜250m2/gである。
【0012】
本発明に用いる溶媒は水、有機溶媒のいずれであっても良い。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、ケトン類、エーテル類、塩素系溶剤など特に制限はない。それらの溶媒の中でも、特に、水が好適に使用される。
【0013】
なお、本発明においては、得られる高濃度スラリーの用途に応じて、上記溶媒中に各種の添加剤を添加しても良い。
【0014】
例えば、溶媒として水を使用し、得られた高濃度スラリーを用いて研磨剤を調製する場合には、塩酸やシュウ酸等の酸、KOHやアミン等のアルカリ、KClやセチルトリメチルアンモニウムクロリド等の塩類、ポバール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、セルロース類、糖類等の水溶性高分子類、さらに界面活性剤等を添加しても良い。
【0015】
勿論、上記各種添加剤は、高濃度スラリーを得た後、更に溶媒を加えて任意の濃度に調製する際に添加しても良い。
【0016】
本発明においては、破砕に供される含溶媒無機酸化物粉体は、無機酸化物粉体の濃度Cが下記(1)式を満足するように溶媒を含有することが極めて重要である。
【0017】
(46.9−0.098×S)<C<(64.4−0.134×S) (1)
(ここで、Sは無機酸化物の比表面積(単位:m2/g)を示す。)
含溶媒無機酸化物粉体において、無機酸化物粉体の濃度Cが(1)式の下限値より低い場合、後で詳述する破砕における剪断力が十分作用しなくなり、溶媒中に無機酸化物粉体を高度に分散した高濃度スラリーを得ることが困難となる。また、上記濃度Cが(1)式の上限値を超える場合、溶媒の量が不足することにより、スラリー化が困難となる。
【0018】
即ち、無機酸化物粉体の濃度が上記(1)式を満足する範囲でスラリーを製造することによって、無機酸化物粉体の分散性が極めて高い高濃度スラリーを得ることが可能となる。
【0019】
本発明において、含溶媒無機酸化物粉体は、これに剪断力を与えて破砕することにより高濃度無機酸化物スラリーが得られる。
【0020】
上記破砕は、剪断力を利用して被破砕物を破砕し得る公知の破砕機が使用される。これらの破砕機は、含溶媒無機酸化物粉体(以下、原料もしくは原料粉体ともいう)を、間隙をあけて相対的に高速移動する破砕面間を通過させることにより、該粉体に剪断力を与えて破砕するものである。
【0021】
上記の破砕機の代表例を更に具体的に例示すると、石臼の原理を応用した摩砕機として知られているスーパーマスコロイダー(商品名:増幸産業社製)やセレンディピター(商品名:増幸産業社製)、同様な石臼式粉砕機として知られているグローミル(商品名:グローエンジニアリング製)、ディスクミルと呼ばれているプレマックス(商品名:中央化工機商事社製)、更にコロイドミル(日鉄鉱業社製)などを挙げることができる。
【0022】
スーパーマスコロイダーやセレンディピターの場合は、上下動により破砕面の間隔を調製できる二枚の砥石を有し、上部砥石を固定、下部砥石を高速で回転するようにしたものが一般的であり、上方より投入された原料粉体が遠心力によって上下砥石の間隙に送り込まれ、その間隙を通過する際に、主として剪断力による作用を受けて無機酸化物粉体が破砕される仕組みになっている。
【0023】
一方、コロイドミルの場合は、上記の砥石の代わりに特殊な溝を形成した破砕面を有する金属製のローター(高速回転)とステーター(固定)を用いるものである。動作原理はスーパーマスコロイダーと同様に、上方より投入された原料が遠心力によって破砕面間となるローターとステーターの間隙に送り込まれ、その間隙を通過する際に、主として剪断力による作用を受けて無機酸化物粉体が破砕される仕組みになっている。
【0024】
上記の破砕面を構成する部材の材質としては、鉄鋼材料、非鉄金属材料、焼結材料、セラミックス、無機有機複合材などが採用できる。具体的には、鉄鋼材料ならば炭素鋼、工具鋼、ステンレス鋼などが採用できる。非鉄金属材料ならばニッケル、アルミニウム、チタン、金属シリコンおよびそれらの合金などが採用できる。焼結材料ならば超硬合金、サーメットなどが採用できる。セラミックスならばアルミナ、ジルコニア、窒化珪素、炭化珪素、窒化アルミニウムなどが採用できる。無機有機複合材ならば炭化珪素等の硬度の高い粒子を樹脂で固めた砥石などが好適に採用できる。
【0025】
なお、市販のスーパーマスコロイダーやセレンディピターとコロイドミルを比較した場合には、スーパーマスコロイダーやセレンディピターの方が、破砕面にセラミックスや無機有機複合材などを使用できるため、製造したスラリーへの汚染物質の混入が極めて少なく、好適である。
【0026】
本発明において、破砕の条件は、含粋無機酸化物粉体がスラリーとなる条件であれば特に制限されない。好適な条件を例示すれば、上記のように、破砕面が相対的に回転する粉砕機では、その回転数は、500〜10000rpmの範囲、好ましくは1000〜5000rpmの範囲で高速回転させることが望ましい。即ち、500rpm未満では得られる高濃度スラリー中の無機酸化物粉体の分散性能が低かったり、生産性が低かったりする場合がある。また、上記回転数が10000rpmを超えると装置の安定性等に問題が出る場合がある。
【0027】
この場合、破砕面の間隙は1〜1000μmの範囲、好ましくは10〜300μmの範囲、さらに好ましくは20〜100μmの範囲が好ましい。1μm以下では間隙が狭すぎて原料である含溶媒無機酸化物粉体が通過し難くなり、生産性が大幅に低下する場合がある。一方、上記間隙が1000μmを超えると分散性能が低下する場合が多い。
【0028】
尚、破砕面の間隙は両者が接触したときをゼロとしたときの数値である。
【0029】
本発明においては、上記破砕処理により、含溶媒無機酸化物粉体に含まれる溶媒に破砕された無機酸化物粉体が高度に分散した高濃度スラリーが調製される。得られる高濃度スラリーの濃度は、含溶媒無機酸化物粉体中に含まれる溶媒の量、破砕の程度によって異なるが、おおよそ25〜60重量%、特に、30〜55重量%の濃度を有する。
【0030】
上記したように、本発明の方法により、無機酸化物粉体が溶媒中に高度に微分散した高濃度無機酸化物スラリーを生産性良く製造することができるが、得られた高濃度スラリーおよびそれを溶媒で希釈したスラリーは、更に公知の破砕機によって処理しても良い。上記二次破砕の破砕機としては、具体的には、高圧ホモジナイザー、より具体的には、ナノマイザー(株)製のナノマイザー、スギノマシン製のアルティマイザー等の高効率な破砕機が好適に使用される。
【0031】
本発明の方法によって得られた高濃度スラリーは、そのまま使用することもできるが、高濃度であるが故に、特に、比表面積が大きい場合には数時間或いは数日でゲル化する場合もある。また、目的によっては、より低濃度のスラリーが要求される。
【0032】
従って、本発明は、前記方法で得られた高濃度スラリーを溶媒で希釈することを特徴とする無機酸化物スラリーの製造方法をも提供する。
【0033】
そして、上記のように溶媒で希釈後のスラリーも、高濃度スラリーの有する分散性を維持するものであり、かかる製造方法により、無機酸化物粉体が溶媒に高度に微分散したスラリーを極めて生産性良く得ることが可能である。
【0034】
上記溶媒による希釈の時期は、高濃度スラリーがゲル化する以前であればいつでも良いが、高濃度スラリーを製造後、10分以内、好ましくは1分以内、更に好ましくは処理後連続して希釈するのが良い。
【0035】
希釈する溶媒の種類については特に制限はなく、前述した溶媒が好適に採用できる。原料に用いたのと同じ溶媒を使っても良いし、異なる溶媒、あるいはスラリーの使用目的に応じて、必要な添加剤を加えた溶媒を用いても良い。かかる使用目的に応じて添加剤を添加する態様としては、上記希釈溶媒中にpH調整剤や界面活性剤などの分散助剤を添加する態様等が挙げられる。
【0036】
高濃度スラリーの希釈倍率については、使用目的に応じて適宜決定すれば良い。但し、比表面積が100m2/g以上の大きな無機酸化物粉体はゲル化し易い傾向にあるため、そのような場合には、一般に、1.5倍以上、好ましくは2倍以上、更に好ましくは3倍以上に希釈することが、長期間安定なスラリーを得るために好ましい。
【0037】
なお、本発明の方法によって製造されたスラリーは、必要に応じてろ過して使用することができる。ろ過に使用するフィルターの孔径は1〜200μmの範囲の中から選べばよい。分散機の中にはディスクが摩耗してその材料の一部が混入する可能性のあるものもあるが、そのような場合にはろ過することが好ましい場合がある。
【0038】
【発明の効果】
本発明はによれば、無機酸化物粉体の濃度を特定の範囲内に調製した無機酸化物と溶媒よりなる含溶媒無機酸化物粉体を破砕することによって、分散性に優れた高濃度のスラリーを生産性良く製造することができる。
【0039】
また、破砕機の破砕面を構成する部材の材質を選択することによって、コンタミの少ないスラリーを容易に得ることができる。
【0040】
【実施例】
以下、本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(予備分散処理)
無機酸化物粉体と溶媒とを所定の比率で混合した後、十分に攪拌することによって含溶媒無機酸化物粉体の予備分散処理を行った。無機酸化物粉体の濃度が高いために液状にならないものについても、粉状のまま均一になるまで十分に混練した。
(光散乱指数:n値)
スラリー中の無機酸化物粒子の分散状態を光散乱指数(n値)によって評価した。n値が大きいほど分散状態が高く、n値が小さいほど分散状態が低いことを示している。n値が3以上であれば分散性が極めて高く、スラリーの保存安定も良好である。
【0041】
具体的には、スラリーのスペクトルを分光光度計(日本分光製、Ubest−35型)を用いて測定し、以下のようにしてn値を求めた。
【0042】
まず、光路長10mmのセルを用い、参照セルと試料セルにそれぞれイオン交換水を満たし、全波長範囲にわたってゼロ点校正を行った。次に、シリカ分散液の濃度が1.5重量%になるように無機酸化物スラリーをイオン交換水で希釈し、試料セルに該希釈液を入れて波長(λ)460〜700nmの範囲の吸光度(τ)を1nm毎に241点測定した。log(λ)とlog(τ)をプロットし、下記の式(2)を用いて直線の傾き(−n)を最小二乗法で求めた。この時のnを光散乱指数とした。
【0043】
τ=αλ-n (2) (但し、αは定数。)
(不純物元素の分析)
スラリー中の不純物元素の分析は、Na、Kについては原子吸光法、その他の金属元素についてはICP発光法を用いて行った。
(保存安定性)
スラリーを密閉容器に保存しておき、スラリーがゲル化して流動性がなくなるまでの時間を調べた。
実施例1及び比較例1
分散機として、スーパーマスコロイダー(増幸産業製)を使用して各種の無機酸化物スラリーを調製し、該スラリーの性能を評価した。
【0044】
破砕面の直径は250mm、破砕面の間隙は200μmで、破砕面の回転数は1800rpmの条件で試験した。なお、破砕面を構成する部材には46メッシュのSiC粉末を樹脂バインダーで固めた無機有機複合材よりなる砥石を使用した。
【0045】
無機酸化物粉体としては比表面積が200m2/gのヒュームドシリカを用い、溶媒には純水を使用した。ヒュームドシリカと純水の混合比率を種々変えて含溶媒無機酸化物粉体を調製した。
【0046】
無機酸化物スラリーの性能評価結果を表1に示した。なお、No.1、2、5は比較例である。
【0047】
上記含溶媒無機酸化物粉体は、無機酸化物粉体の濃度が25重量%までは予備分散した原料は容易に液状となったが、25重量%を越えると液状にはならず、原料は粉状のままであった。
【0048】
無機酸化物粉体の濃度が15重量%以下ではn値が相対的に低く、分散性が悪かった。25重量%以上ではn値が3を越え、分散性が相対的に良くなることがわかった。また、30重量%以上において、原料は粉状であるにもかかわらず、スーパーマスコロイダーで処理すると良好な液状のスラリーが得られ、しかも、n値がより高く、分散性が極めて良いことがわかった。
【0049】
一方、40重量%以上ではスーパーマスコロイダーを用いてもスラリー化できないことがわかった。
【0050】
尚、従来法では、無機酸化物粉体の予備分散液を使用していたため、無機酸化物粉体の濃度が最大でも20重量%程度までしか処理できなかったのに対して、本発明の方法では35重量%の濃度で処理できるため、原料の容積は約半分になり、また生産性が大幅に向上した。
【0051】
【表1】
Figure 0004500380
実施例2及び比較例2
無機酸化物粉体として比表面積が90m2/gのヒュームドシリカを用いた以外は実施例1と同様にしてスラリーを調製し、評価した。
【0052】
評価結果を表2に示した。尚、No.1、2、5は比較例である。
【0053】
上記含溶媒無機酸化物粉体は、無機酸化物粉体の濃度が35重量%までは予備分散した原料は容易に液状となったが、35重量%を越えると液状にはならず、原料は粉状のままであった。
【0054】
無機酸化物粉体の濃度が30重量%以下ではn値が相対的に低く、分散性が悪かった。35重量%以上ではn値が3を越え、分散性が相対的に良くなることがわかった。また、40重量%以上において、原料は粉状であるにもかかわらず、スーパーマスコロイダーで処理すると良好な液状のスラリーが得られ、しかも、n値がより高く、分散性が極めて良いことがわかった。
【0055】
一方、55重量%以上ではスーパーマスコロイダーを用いてもスラリー化できないことがわかった。
【0056】
尚、従来法では、無機酸化物粉体の予備分散液を使用していたため、無機酸化物粉体の濃度が最大でも30重量%程度でしか処理できなかったのに対して、本発明では最大50重量%で処理できるため、原料の容積は約半分になり、また生産性も大幅に向上した。
【0057】
【表2】
Figure 0004500380
実施例3及び比較例3
無機酸化物粉体として比表面積が50m2/gのヒュームドシリカを用いた以外は実施例1と同様にしてスラリーを調製し、評価した。
【0058】
評価結果を表3に示した。尚、No.1、2、5は比較例である。
【0059】
上記含溶媒無機酸化物粉体は、無機酸化物粉体の濃度が40重量%までは予備分散した原料は容易に液状となったが、40重量%を越えると液状にはならず、原料は粉状のままであった。
【0060】
無機酸化物粉体の濃度が40重量%以下ではn値が相対的に低く、分散性が悪かった。45重量%以上ではn値が3を越え、分散性が相対的に良くなることがわかった。また、45重量%以上では、原料は粉状であるにもかかわらず、スーパーマスコロイダーで処理すると良好な液状のスラリーが得られ、しかも、n値がより高く、分散性が極めて良いことがわかった。
【0061】
一方、60重量%以上ではスーパーマスコロイダーを用いてもスラリー化できないことがわかった。
【0062】
なお、従来法では、無機酸化物粉体の予備分散液を使用していたため、無機酸化物粉体の濃度が最大でも35重量%程度でしか処理できなかったのに対して、本発明では最大55重量%で処理できるため、原料の容積が半分近くまで減り、また生産性も大幅に向上した。
【0063】
【表3】
Figure 0004500380
実施例4
分散機として、スーパーマスコロイダーの代わりにコロイドミル(日鉄鉱業製)を使用した以外は実施例1と同様にしてスラリーを調製し、評価した。ディスクの直径は60mm、ディスクとディスクの間隙は40μm、ディスクの回転数は3600rpmの条件で試験した。なお、ディスクにはステンレス製のステーターとローターを使用した。
【0064】
評価結果を表4に示した。なお、No.1、2、5は比較例である。
【0065】
上記含溶媒無機酸化物粉体は、無機酸化物粉体の濃度が25重量%までは予備分散した原料は容易に液状となったが、25重量%を超えると液状にはならず、原料は粉状のままであった。
【0066】
無機酸化物粉体の濃度が15重量%以下ではn値が相対的に低く、分散性が悪かった。25重量%以上ではn値が3を越え、分散性が相対的に良くなることがわかった。また、30重量%以上では、原料は粉状であるにもかかわらず、コロイドミルで処理すると良好な液状のスラリーが得られ、しかも、n値がより高く、分散性が極めて良いことがわかった。一方、40重量%以上では、コロイドミルを用いてもスラリー化できないことがわかった。
【0067】
【表4】
Figure 0004500380
実施例5及び比較例4
本発明の方法によるコンタミ量について検討した。
【0068】
実施例1のNo.4及び実施例4のNo.4の各スラリーについて、不純物元素の分析を行った。また、比較のために処理前の原料の分析も行った。
【0069】
結果を表5に示した。
【0070】
上記結果より、ディスクに無機有機複合材を用いたスーパーマスコロイダーは全くコンタミが発生していないことがわかった。ディスクにステンレス製のローターとステーターを使用したコロイドミルはステンレス由来のFeやCrのコンタミが若干見られた。
【0071】
【表5】
Figure 0004500380
実施例6
本発明の方法でスラリーを調製した後、溶媒で希釈する態様について検討した。
【0072】
無機粉体として比表面積が200m2/g、90m2/g、50m2/gの三種類のヒュームドシリカをそれぞれ使用して実施例1〜3で得られた高濃度スラリーを、溶媒として純水を使用して無機酸化物粉体の濃度がそれぞれ35、50、55重量%の条件で無機酸化物スラリーを調製した。該スラリーを破砕直後に純水で希釈し、そのときの希釈倍率(希釈後における無機酸化物粉体の濃度)とスラリーがゲル化するまでの時間(ゲル化時間)を測定した。
【0073】
結果を表6に示す。希釈倍率が大きいほどゲル化時間が長くなり、スラリーの保存安定性が良くなることがわかった。
【0074】
【表6】
Figure 0004500380

Claims (3)

  1. ヒュームドシリカと溶媒とよりなり、ヒュームドシリカの濃度C(重量%)が下記(1)式を満足する含溶媒ヒュームドシリカ粉体に、間隙をあけて相対的に高速移動する破砕面間を通過させることにより、該粉体に剪断力を与えて破砕するヒュームドシリカスラリーの製造方法。
    (46.9−0.098×S)< C <(64.4−0.134×S) (1)
    (ここで、Sは無機酸化物粉体の比表面積(単位:m2/g)を示す。)
  2. 溶媒が水である請求項1記載のヒュームドシリカスラリーの製造方法。
  3. 請求項1記載の方法によって得られたヒュームドシリカスラリーを溶媒で希釈するヒュームドシリカスラリーの製造方法。
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