JP4500084B2 - 車両のペダル支持構造 - Google Patents

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本発明は、車両のペダル支持構造に係り、特に、ダッシュパネルに固定されたペダルブラケットにペダル装置を揺動可能に支持する車両のペダル支持構造に関する。
車両の正面衝突時等に車両前部に大きな負荷が加わると、エンジンが車両後方に移動し、それに伴いダッシュロアパネル等に取り付けられたブレーキペダルやクラッチペダルが車室側に後退して、運転者の脚部等に干渉し或いは運転者のフットスペースが縮小する。
従来、このような干渉等を防止するために、例えば、特許文献1には、ダッシュパネルに接合されたペダルブラケットと、ピラー間を結ぶメンバーとにそれぞれ回動自在に連結された回動リンクにフットペダルを取り付け、このペダルブラケットの後退に伴って回動リンクを回動させることにより、フットペダルを車体前方側に退避するようにしたフットペダルの退避構造が開示されている。
また、特許文献2には、フットペダルと、このフットペダルに連結されたサポート手段とをストッパ手段が一体的に係止し、車体の前方から大きな負荷が加わった場合に、ペダルブラケットの変形によりストッパ手段を回動させてフットペダルとサポート手段との係止状態を解除し、フットペダルがばねの力によって車体の前方側に退避するようにしたフットペダルの退避構造が開示されている。
特開2001−47986号公報 特開2002−274432号公報
しかしながら、特許文献1のフットペダルの退避構造においては、退避構造がユニット化されておらず、また、回動リンクがペダルブラケットと、ピラー間を結ぶメンバーとの両方に連結されているので、部品精度のばらつきや、ダッシュパネルの変形状態によりダルブラケットの後退方向が車幅方向や上下方向にずれることにより、回動リンクが作動しにくくなり、さらに、ピラー間を結ぶメンバーからの振動がペダルに伝達されて踏み心地が悪化する等の問題がある。また、ダッシュパネルとピラー間を結ぶメンバーとの両方に連結されているので、車体へ組み付けにくいという問題もある。
一方、特許文献2のフットペダルの退避構造においては、ペダルブラケットの変形を利用してストッパ手段を回動させ、その回動によりフットペダルとサポート手段との係止状態を解除するようにしているので、ブラケットの変形状態により退避構造が作動しないおそれがあるという問題がある。
本発明は、従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、ペダルを車両前方へ確実に強制的に変位させることが出来る車両のペダル支持構造を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明は、ダッシュパネルが車室内前方に配置され、このダッシュパネルに固定されたペダルブラケットにペダル装置を揺動可能に支持する車両のペダル支持構造であって、ペダルブラケットより車体後方側に車幅方向に延びるように配置された車体側補強部材と、ペダルブラケットに揺動可能に支持された上部ペダル部材と、この上部ペダル部材に揺動可能に支持されその下端部にペダルを備えた下部ペダル部材と、上部ペダル部材に揺動可能に支持され、通常時に車体側補強部材と当接せず、衝突時に車体後方に移動し車体側補強部材と当接する当接部を備えた当接部材と、上部ペダル部材を揺動可能に支持する第1の揺動軸と、当接部材を揺動可能に支持する上部ペダル部材に設けられた第2の揺動軸と、下部ペダル部材を揺動可能に支持する上部ペダル部材に設けられた第3の揺動軸と、当接部材の第2の揺動軸より前方に位置する当接部材の前方部分と、この当接部材の前方部分の端部に設けられたピン手段と、下部ペダル部材の第3の揺動軸よりも下方に位置する下部ペダル部材の下方部分と、下部ペダル部材の第3の揺動軸よりも上方に位置する下部ペダル部材の上方部分と、を有し、この上方部分には、ピン手段が挿入されると共にその中を移動するようになっている連結用長孔が形成され、上部ペダル部材には、ピン手段が挿入されると共にピン手段が連結用長孔内を移動するときピン手段の移動をガイドするガイド用長孔が形成され、上部ペダル部材と下部ペダル部材とは、第3の揺動軸及びピン手段を介して連結され、上部ペダル部材に揺動可能に取り付けられた当接部材が第2の揺動軸を中心に揺動すると、ピン手段が連結用長孔内を移動して、下部ペダル部材の下方部分を車両前方側に変位させるようになっており、ガイド用長孔には、ピン手段を通常時の位置に保持する保持部が形成され、下部ペダル部材の下方部分は、通常時には、ピン手段がガイド用長孔の保持部により保持されることにより上部ペダル部材に対し相対変位しないようにされ、衝突時には、当接部材の当接部が車体側補強部材と当接して揺動することによりピン手段がガイド用長孔の保持部を破壊して移動することにより上部ペダル部材に対し車体前方側に強制的に変位するようになっていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、上部ペダル部材がペダルブラケットに揺動可能に支持され、この上部ペダル部材に下部ペダル部材及び当接部材がそれぞれ揺動可能に支持され、さらに、通常時(非衝突時)には、当接部材と下部ペダル部材とがそれらが相対変位しないように連結されているので、運転者がペダルを踏むことにより、上部ペダル部材及び下部ペダル部材が一体で揺動して通常のペダル操作を行うことが出来る。一方、衝突時には、当接部材の当接部が車体後方に移動し車体側補強部材に当接して揺動するので、上部ペダル部材に対し下部ペダル部材のその揺動軸より下方部分を車体前方側に強制的に変位させることが出来る。
また、当接部材の当接部は、通常時に車体側補強部材と当接せず、衝突時に車体後方に移動し車体側補強部材と当接するようにして下部ペダル部材の下方部分を車両前方に強制変位させるようになっているので、当接部材、上部ペダル部材及び下部ペダル部材を、車体側補強部材と連結せずにユニット化することが出来る。
さらに、このように構成された本発明においては、ガイド用長孔はピン手段を保持する保持部を備えているので、通常時には、下部ペダル部材が踏まれてもピン手段を連結用長孔の摩擦力により保持して上部ペダル部材に対し下部ペダル部材が相対変位しないようにすることが出来る。一方、衝突時には、当接部材の当接部が車体側補強部材と当接して揺動することにより保持部それ自体が破壊され上部ペダル部材に対し下部ペダル部材の下方部分を車体前方側に強制的に変位させることが出来る。
上記の目的を達成するために本発明は、ダッシュパネルが車室内前方に配置され、このダッシュパネルに固定されたペダルブラケットにペダル装置を揺動可能に支持する車両のペダル支持構造であって、ペダルブラケットより車体後方側に車幅方向に延びるように配置された車体側補強部材と、ペダルブラケットに揺動可能に支持された上部ペダル部材と、この上部ペダル部材に揺動可能に支持されその下端部にペダルを備えた下部ペダル部材と、上部ペダル部材に揺動可能に支持され、通常時に車体側補強部材と当接せず、衝突時に車体後方に移動し車体側補強部材と当接する当接部を備えた当接部材と、上部ペダル部材を揺動可能に支持する第1の揺動軸と、当接部材を揺動可能に支持する上部ペダル部材に設けられた第2の揺動軸と、下部ペダル部材を揺動可能に支持する上部ペダル部材に設けられた第3の揺動軸と、当接部材の第2の揺動軸より前方に位置する当接部材の前方部分と、この当接部材の前方部分の端部に設けられたピン手段と、下部ペダル部材の第3の揺動軸よりも下方に位置する下部ペダル部材の下方部分と、下部ペダル部材の第3の揺動軸よりも上方に位置する下部ペダル部材の上方部分と、を有し、この上方部分には、ピン手段が挿入されると共にその中を移動するようになっている連結用長孔が形成され、上部ペダル部材には、ピン手段が挿入されると共にピン手段が連結用長孔内を移動するときピン手段の移動をガイドするガイド用長孔が形成され、上部ペダル部材と下部ペダル部材とは、第3の揺動軸及びピン手段を介して連結され、上部ペダル部材に揺動可能に取り付けられた当接部材が第2の揺動軸を中心に揺動すると、ピン手段が連結用長孔内を移動して、下部ペダル部材の下方部分を車両前方側に変位させるようになっており、上部ペダル部材、第2の揺動軸及びピン手段は、ピン手段の通常時の位置でのガイド用長孔の延びる方向が、第2の揺動軸とピン手段とを結ぶ線が延びる方向に対して直交するように設けられ、これにより、下部ペダル部材の下方部分は、通常時には、下部ペダル部材が踏まれてもピン手段がガイド用長孔の摩擦力により保持されて上部ペダル部材に対し相対変位しないようにされ、衝突時には、当接部材の当接部が車体側補強部材と当接して揺動することによりピン手段がガイド用長孔との摩擦力に打ち勝ち移動して上部ペダル部材に対し車体前方側に強制的に変位するようになっていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、上部ペダル部材がペダルブラケットに揺動可能に支持され、この上部ペダル部材に下部ペダル部材及び当接部材がそれぞれ揺動可能に支持され、さらに、通常時(非衝突時)には、当接部材と下部ペダル部材とがそれらが相対変位しないように連結されているので、運転者がペダルを踏むことにより、上部ペダル部材及び下部ペダル部材が一体で揺動して通常のペダル操作を行うことが出来る。一方、衝突時には、当接部材の当接部が車体後方に移動し車体側補強部材に当接して揺動するので、上部ペダル部材に対し下部ペダル部材のその揺動軸より下方部分を車体前方側に強制的に変位させることが出来る。
また、当接部材の当接部は、通常時に車体側補強部材と当接せず、衝突時に車体後方に移動し車体側補強部材と当接するようにして下部ペダル部材の下方部分を車両前方に強制変位させるようになっているので、当接部材、上部ペダル部材及び下部ペダル部材を、車体側補強部材と連結せずにユニット化することが出来る。
このように構成された本発明においては、ピン手段の通常時の位置でのガイド用長孔の延びる方向が、第2の揺動軸とピン手段とを結ぶ線が延びる方向に対して直交しているので、通常時のブレーキ操作時には、ピン手段と連結用長孔との間にはガイド用長孔にほぼ直交する方向の力が作用し、この力は第2の揺動軸とピン手段とを結ぶ線が延びる方向(当接手段の前方部分が延びる方向)と一致する。従って、通常時のブレーキ操作時には、ピン手段がガイド用長孔に沿って移動しないようにすることが出来ると共に摩擦力によりガイド用長孔とピン手段とをその位置で互いにロックさせることが出来、その結果、上部ペダル部材と下部ペダル部材との相対変位が抑制され、通常のブレーキ操作を行うことが出来る。
一方、衝突時に当接部材が揺動し始めるとき、当接部材の当接部が車体側補強部材と当接して揺動することによりピン部材には大きな力が加わってピン手段がガイド用長孔との摩擦力に打ち勝ち移動して上部ペダル部材に対し下部ペダル部材の下方部分を車体前方側に強制的に変位させることが出来る。
上記の目的を達成するために本発明は、ダッシュパネルが車室内前方に配置され、このダッシュパネルに固定されたペダルブラケットにペダル装置を揺動可能に支持する車両のペダル支持構造であって、ペダルブラケットより車体後方側に車幅方向に延びるように配置された車体側補強部材と、ペダルブラケットに揺動可能に支持された上部ペダル部材と、この上部ペダル部材に揺動可能に支持されその下端部にペダルを備えた下部ペダル部材と、上部ペダル部材に揺動可能に支持され、通常時に車体側補強部材と当接せず、衝突時に車体後方に移動し車体側補強部材と当接する当接部を備えた当接部材と、上部ペダル部材を揺動可能に支持する第1の揺動軸と、当接部材を揺動可能に支持する上部ペダル部材に設けられた第2の揺動軸と、下部ペダル部材を揺動可能に支持する上部ペダル部材に設けられた第3の揺動軸と、当接部材の第2の揺動軸より前方に位置する当接部材の前方部分と、この当接部材の前方部分の端部に設けられたピン手段と、下部ペダル部材の第3の揺動軸よりも下方に位置する下部ペダル部材の下方部分と、下部ペダル部材の第3の揺動軸よりも上方に位置する下部ペダル部材の上方部分と、を有し、この上方部分には、ピン手段が挿入されると共にその中を移動するようになっている連結用長孔が形成され、上部ペダル部材と下部ペダル部材とは、第3の揺動軸及びピン手段を介して連結され、上部ペダル部材に揺動可能に取り付けられた当接部材が第2の揺動軸を中心に揺動すると、ピン手段が連結用長孔内を移動して、下部ペダル部材の下方部分を車両前方側に変位させるようになっており、下部ペダル部材、第2の揺動軸、第3の揺動軸及びピン手段は、連結用長孔が、下部ペダル部材の第3の揺動軸の半径方向に沿って延びると共に、その延びる方向が第2の揺動軸とピン手段とを結ぶ線が延びる方向に対して直交するように設けられ、これにより、下部ペダル部材の下方部分は、通常時には、下部ペダル部材が踏まれてもピン手段が連結用長孔の摩擦力により保持されて上部ペダル部材に対し相対変位しないようにされ、衝突時には、当接部材の当接部が車体側補強部材と当接して揺動することによりピン手段が連結用長孔との摩擦力に打ち勝ち移動して上部ペダル部材に対し車体前方側に強制的に変位するようになっていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、上部ペダル部材がペダルブラケットに揺動可能に支持され、この上部ペダル部材に下部ペダル部材及び当接部材がそれぞれ揺動可能に支持され、さらに、通常時(非衝突時)には、当接部材と下部ペダル部材とがそれらが相対変位しないように連結されているので、運転者がペダルを踏むことにより、上部ペダル部材及び下部ペダル部材が一体で揺動して通常のペダル操作を行うことが出来る。一方、衝突時には、当接部材の当接部が車体後方に移動し車体側補強部材に当接して揺動するので、上部ペダル部材に対し下部ペダル部材のその揺動軸より下方部分を車体前方側に強制的に変位させることが出来る。
また、当接部材の当接部は、通常時に車体側補強部材と当接せず、衝突時に車体後方に移動し車体側補強部材と当接するようにして下部ペダル部材の下方部分を車両前方に強制変位させるようになっているので、当接部材、上部ペダル部材及び下部ペダル部材を、車体側補強部材と連結せずにユニット化することが出来る。
このように構成された本発明においては、連結用長孔が、下部ペダル部材の第3の揺動軸の半径方向に沿って延びると共に、その延びる方向が第2の揺動軸とピン手段とを結ぶ線が延びる方向に対して直交しているので、通常時のブレーキ操作時には、ピン手段と連結用長孔との間には連結用長孔にほぼ直交する方向の力が作用し、この力は第2の揺動軸とピン手段とを結ぶ線が延びる方向(当接手段の前方部分が延びる方向)と一致する。従って、通常時のブレーキ操作時には、ピン手段が連結用長孔に沿って移動しないようにすることが出来ると共に摩擦力により連結用長孔とピン手段とをその位置で互いにロックさせることが出来、その結果、上部ペダル部材と下部ペダル部材との相対変位が抑制され、通常のブレーキ操作を行うことが出来る。
一方、衝突時に当接部材が揺動し始めるとき、当接部材の当接部が車体側補強部材と当接して揺動することによりピン部材には大きな力が加わってピン手段が連結用長孔との摩擦力に打ち勝ち移動して上部ペダル部材に対し下部ペダル部材の下方部分を車体前方側に強制的に変位させることが出来る。
上記の目的を達成するために本発明は、ダッシュパネルが車室内前方に配置され、このダッシュパネルに固定されたペダルブラケットにペダル装置を揺動可能に支持する車両のペダル支持構造であって、ペダルブラケットより車体後方側に車幅方向に延びるように配置された車体側補強部材と、ペダルブラケットに揺動可能に支持された上部ペダル部材及び下端部にペダルを備えた下部ペダル部材と、これらの上部ペダル部材及び下部ペダル部材を車体前後方向に係合可能な係合部材と、通常時に車体側補強部材と当接せずに係合部材による上部ペダル部材及び下部ペダル部材の車体前後方向の係合を保持するようにし、衝突時に車体後方に移動して車体側補強部材と当接し揺動することで係合部材による上部ペダル部材及び下部ペダル部材の車体前後方向の係合を解放するようにする係合保持部が形成された当接部材と、衝突時に当接部材と当接して揺動し下部ペダル部材の下方部分を車体前方側に強制的に変位させるカム部材と、上部ペダル部材、下部ペダル部材及び当接部材を揺動可能に支持する第1の揺動軸と、カム部材を揺動可能に支持する、第1の揺動軸とは異なる位置に設けられた第2の揺動軸と、を有し、カム部材は、第2の揺動軸を挟んで、その一端が当接部材が揺動した際に当接部材と当接する位置に配置され、他端が衝突時の回転により下部ペダル部材の下方部分が車体前方側に変位するよう下部ペダル部材の第1の揺動軸より上方部分に当接する位置に配置され、下部ペダル部材の下方部分は、通常時には、係合保持部により係合部材による上部ペダル部材及び下部ペダル部材の車体前後方向の係合が解放されずに上部ペダル部材に対し相対変位しないようにされ、衝突時には、当接部材の当接部が車体側補強部材と当接して揺動することによりカム部材が下部ペダル部材の第1の揺動軸より上方の部分に当接して係合保持部により係合部材の係合を解放することにより上部ペダル部材に対し車体前方側に強制的に変位するようになっていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、通常時に車体側補強部材と当接せずに係合部材による上部ペダル部材及び下部ペダル部材の車体前後方向の係合を保持するようにし、衝突時に車体後方に移動して車体側補強部材と当接し揺動することで係合部材による上部ペダル部材及び下部ペダル部材の車体前後方向の係合を解放するようにする係合保持部を有する当接部材と、衝突時に当接部材と当接して揺動し下部ペダル部材の下方部分を車体前方側に強制的に変位させるカム部材とを有するので、通常時には、係合部材により、上部ペダル部材と下部ペダル部材とを一体的に連結してペダル操作を行うことができ、一方、衝突時には、係合部材により上部ペダル部材と下部ペダル部材との連結を解き、さらに、カム部材により、この連結が解かれた下部ペダル部材の下方部分を車体前方側に強制的に変位させることができる。
また、本発明において、好ましくは、当接部材の揺動軸より前方に位置する前方部分が、通常時に、下部ペダル部材の連結用長孔にほぼ直交する方向に設けられている。
このように構成された本発明においては、当接部材の揺動軸より前方に位置する前方部分が、通常時に、下部ペダル部材の連結用長孔にほぼ直交する方向に設けられているので、衝突時に当接部材が揺動し始めるとき、ピン手段の移動方向は連結用長孔の長手方向とほぼ一致し、ピン手段がその通常時の位置から移動し易い。さらに、ピン手段の移動方向は連結用長孔の長手方向に対し直交する方向に向けて徐々にずれるので、下部ペダル部材の上方部分を後方に向けて揺動させることが出来る。これらの結果、下部ペダル部材の下方部分を車両前方へ確実に強制的に変位させることが出来る。
また、本発明において、好ましくは、連結用長孔が、下部ペダル部材の揺動軸の半径方向に沿って延びている。
このように構成された本発明においては、連結用長孔が、下部ペダル部材の揺動軸の半径方向に沿って延びているので、通常時のブレーキ操作時には、ピン手段と連結用長孔との間には連結用長孔にほぼ直交する方向の力が作用し、この力は当接手段の前方部分が延びる方向と一致する。従って、通常時のブレーキ操作時には、ピン手段が連結用長孔に沿って移動しないようにすることが出来ると共に摩擦力により連結用長孔とピン手段とをその位置で互いにロックさせることが出来、その結果、当接部材と下部ペダル部材との相対変位が抑制され、通常のブレーキ操作を行うことが出来る。
また、本発明において、好ましくは、上部ペダル部材、下部ペダル部材及び当接部材は、それぞれの揺動軸が平面視で所定の同一空間内に位置するように配置されている。
このように構成された本発明においては、上部ペダル部材、下部ペダル部材及び当接部材は、それぞれの揺動軸が平面視で所定の同一空間内に位置するように配置されているので、上部ペダル部材、下部ペダル部材及び当接部材が、車体側補強部材から受ける力により曲げ変形しにくくなる。その結果、上部ペダル部材、下部ペダル部材及び当接部材が互いに接触して相対的に揺動しにくくなることが防止されると共に連結用長孔とピン手段との相対位置もずれにくくなり、連結機構をより確実に作動させることが出来る。
本発明において好ましくは、当接部材及び上記連結機構は、衝突時、上記下部ペダル部材の強制変位量が、衝突初期よりも衝突後期の方が大きくなるように、上記当接部材の揺動特性及び連結用長孔の揺動特性が構成されている。
このように構成された本発明においては、当接部材及び連結機構は、衝突時、下部ペダル部材の強制変位量が、衝突初期よりも衝突後期の方が大きくなるように構成されているので、下部ペダル部材の下方部分が車室側に後退するのを効果的に防止することが出来る。特に、運転者がペダルを操作しているとき、運転者が受ける衝突後期の大きな衝撃力が緩和される。
また、本発明において、好ましくは、ピン手段は、連結用長孔に挿入されると共に当接部材を貫通する本体部及びこの本体部を当接部材に固定する固定部で構成され、ペダルブラケットは、連結機構のピン手段の頭部側を覆い且つピン手段が連結用長孔及び当接部材から抜けない位置に近接して配置されている。
このように構成された本発明においては、ピン手段は、連結用長孔に挿入されると共に当接部材を貫通する本体部(例えば、ボルト)及びこの本体部を当接部材に固定する固定部(例えば、ナット)で構成され、ペダルブラケットは、連結機構のピン手段の頭部側を覆い且つピン手段が連結用長孔及び当接部材から抜けない位置に近接して配置されているので、万一、ピン手段の本体部を当接部材に固定する固定部が緩んでも、ピン手段の本体部は連結用長孔及び当接部材から抜けることがなく、通常時のブレーキ操作が保証される。
本発明によれば、ペダルを車両前方へ確実に強制的に変位させることが出来る。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
先ず、図1乃至図17により、本発明の第1実施形態による車両のペダル支持構造を説明する。この第1実施形態は、本発明の車両のペダル支持構造をブレーキペダル装置に適用したものである。図1は、第1実施形態による車両のペダル支持構造を備えた車両の前方部分の概略を示す斜視図であり、図2は、第1実施形態による車両のペダル支持構造を備えた車両の前方部分の概略を示す側面図である。
図1に示すように、車両1は、車室2とエンジンルーム4を仕切るダッシュロアパネル(ダッシュパネル)6と、車室の床部分を構成するフロアパネル8とを備えている。ダッシュロアパネル6の車幅方向両端部は、それぞれ、フロントピラー(Aピラー)10に接合されている。これらのフロントピラー10には、取り付け部材12によりインパネメンバ(車体側補強部材)14が取り付けられている。
このインパネメンバ14は、筒状の丸パイプで形成され、ダッシュロアパネル6の車両後方側に取り付けられたインストルメントパネル(図示せず)の内部を通って車幅方向に延び、両側のフロントピラー10を結合している。インパネメンバ14にはステアリングシャフト等(図示せず)が取り付けられる。
車両1は、さらに、アクセルペダル装置26、クラッチペダル装置28及び本実施形態が適用されたブレーキペダル装置34を備えている。
図2に示すように、ダッシュロアパネル6の上方部分のエンジンルーム4側には、マスタバッグ16、マスタシリンダ18及びリザーバタンク20が取り付けられている。マスタバッグ16及びマスタシリンダ18の前方には、エンジン22が、配置されている。
ブレーキペダル装置34は、インパネメンバ14の前方の斜め下方に位置し、ダッシュロアパネル6の傾斜した上方部分の車室側に、ブラケット(ペダルブラケット)38により、取り付けられている。ブレーキペダル装置34には、ピストンロッド36の一端が連結され、このピストンロッド36の他端は、マスタバッグ16に連結されている。このブレーキペダル装置34に加えられた運転者の踏力は、ピストンロッド36を介してマスタバッグ16に伝達され、マスタバッグ16により倍力されてマスタシリンダ18に伝達される。
また、ブレーキペダル装置34の車体後方側には、上述したインパネメンバ(車体側補強部材)14が車幅方向に延びるように配置され、このインパネメンバ14に、ブレーキペダル装置34に対向して前方にやや下方に向いて車体側当接部材32が取り付けられている。
次に、図3乃至図6により、本実施形態の車両のペダル支持構造を説明する。図3は、ブレーキペダル支持構造を左側後方から見た斜視図であり、図4は、ブレーキペダル支持構造を右側後方から見た斜視図であり、図5は、ブレーキペダル支持構造装置のペダルユニットを左側前方から見た斜視図であり、図6は、ブレーキペダル装置のペダルユニットを右側前方から見た斜視図である。なお、図3及び図4では、インパネメンバ14は省略されている。
先ず、図3及び図4に示すように、ブレーキペダル支持構造30は、ユニット化されたブレーキペダル装置34と、このブレーキペダル装置34を揺動自在に支持する上述したブラケット38と、インパネメンバ(車体側補強部材)14(図2参照)とを備えている。
ブラケット38は、ダッシュロアパネル6に平行に延びる基部ブラケット38aと、この基部ブラケット38aから後方に向かって延びる左側支持ブラケット38b及び右側支持ブラケット38cと、で構成されている。各支持ブラケット38b、38cは、基部ブラケット38aを介してボルト孔38dを貫通するボルト(図示せず)によりダッシュロアパネル6に取り付けられる。
ブレーキペダル装置34は、各支持ブラケット38b、38cの間に配置され、これらの支持ブラケット38b、38cによりブレーキハブ40を介して揺動自在に支持されている。また、左側支持ブラケット38bには、ストッパ部材42が設けられており、このストッパ部材42には、ブレーキ操作の状態を検知するブレーキスイッチ(図示せず)が付いている。
次に、図5及び図6に示すように、ブレーキペダル装置34は、ブレーキハブ40、第1上部ペダル部材44、第2上部ペダル部材46、下部ペダル部材48及びウイングカム(当接部材)50を備えている。
第1上部ペダル部材44及び第2上部ペダル部材46は、第1乃至第3ピン52、54、56によって所定の離間した位置に互いに固定され、この各上部ペダル部材44、46に筒状のブレーキハブ40が固定されている。各上部ペダル部材44、46の間には、下部ペダル部材48が配置され、第3ピン56によって各上部ペダル部材44、46に揺動可能に取り付けられている。また、第2上部ペダル部材46の車幅方向右側にはウイングカム(当接部材)50が配置され、第2ピン54によって各上部ペダル部材44、46に揺動可能に取り付けられている。なお、後述するように、これらのウイングカム50及び下部ペダル部材48は連結機構60により連結されている。
第1上部ペダル部材44の下端部の前方側には、ピストンロッド36が回動可能に連結されるための孔44aが形成されている(図2参照)。
次に、図7乃至図12により、ブレーキペダル装置34を含むブレーキペダル支持構造を具体的に説明する。図7は、ブレーキペダル支持構造の主要部品の部品展開図であり、図8は、第1上部ペダル部材、下部ペダル部材48及び第2上部ペダル部材をそれぞれ左側から見た側面図であり、図9は、ブレーキペダル支持構造を後方から見た正面図であり、図10は、各ペダル部材及びウイングカムの互いの寸法関係及び連結状態を説明するためのブレーキペダル装置の部分拡大正面図であり、図11は、ブレーキペダル支持構造を左側から見た側面図であり、図12は、ブレーキペダル支持構造を右側から見た側面図である。
先ず、図7及び図10により、第1上部ペダル部材44と第2上部ペダル部材46との組み付け構造について説明する。
図7及び図9に示すように、第1上部ペダル部材44及び第2上部ペダル部材46は、それぞれ、板厚が全面にわたりほぼ一定である平板から作られ、第2上部ペダル部材46の板厚は、第1上部ペダル部材44の板厚より小さくなっている。
図7及び図8に示すように、第1上部ペダル部材44には、各ピン52、54、56がそれぞれ嵌め合わされる3つの孔44b、44c、44dが形成され、第2上部ペダル部材46にも、各ピン52、54、56がそれぞれ嵌め合わされる3つの孔46b、46c、46dが形成されている。
図7に示すように、第1乃至第3ピン52、54、56は、いずれも、大径部52a、54a、56aと、その両側に形成された小径部52b、54b、56bとを有し、これらの小径部52b、54b、56bが、それぞれ、各上部ペダル部材44、46の各孔44b〜d、46b〜dに、大径部52a、54a、56aの両端縁部と各上部ペダル部材44、46の側面とが当接するまで嵌め込まれて(図5、図6、図9参照)、各上部ペダル部材44、46が互いに固定される。
図10に示すように、各ピン52、54、56の大径部52a、54a、56aの幅はいずれも同一の幅W1にされており、これらの3つのピン52、54、56によって、各上部ペダル部材44、46間の距離が一定に即ち距離W1に保たれている。
次に、図7、図8及び図10により、下部ペダル部材48の構造、及び、下部ペダル部材48と各上部ペダル部材44、46との組み付け構造について説明する。
図7及び図8(b)に示すように、下部ペダル部材48は、上方部分48a及び下方部分48bを有し、下方部分48bの下端部にはペダル48cが取り付けられている。また、上方部分48aと下方部分48bとの境界部には孔48dが形成され、この孔48dが第3ピン56の大径部56aに嵌められて、下部ペダル部材48が第3ピン(第3揺動軸)56を中心に揺動するようになっている。
また、図10に示すように、下部ペダル部材48の板厚W2は、各ピンの大径部52a、54a、56aの幅W1即ち各上部ペダル部材44、46間の距離W1より若干小さくなっているので、下部ペダル部材48が、各上部ペダル部材44、46に対して抵抗無く摺動することができるようになっている。
次に、図7、図9及び図10により、ウイングカム(当接部材)50の構造、及び、ウイングカム50と各上部ペダル部材44、46との組み付け構造について説明する。
図7に示すように、ウイングカム50は、ほぼ直線状に延びる第1部分(前方部分)50aと、この第1部分50aに対して所定の角度で延びる第2部分(上方部分)50bとを有する。第1部分50aと第2部分50bとの境界部には孔50cが形成されている。
図9及び図10に示すように、この孔50cは、第2上部ペダル部材46から所定量突出した第2ピン54の小径部54bに嵌められており、ウイングカム50がこの第2ピン(第2揺動軸)54を中心に揺動するようになっている。
次に、図7乃至図9により、各上部ペダル部材44、46とブレーキハブ40との組み付け構造を説明する。
図7及び図8に示すように、各上部ペダル部材44、46の上端部の中央付近には、それぞれ、ブレーキハブ40が嵌め込まれる孔44e、46eが形成されている。ブレーキハブ40は、各上部ペダル部材44、46の孔44e、46eに嵌め込まれて固定され、このブレーキハブ40の中空部40aには、ブレーキハブ40より長手方向に若干長いハブスペーサ58が挿入される。
図9に示すように、これらのブレーキハブ40及びハブスペーサ58は、左側支持ブラケット38bと右側支持ブラケット38cとの間に車幅方向に延びるように配置され、ハブスペーサ58が、各支持ブラケット38b、38cにより挟み込まれるように外側からボルト64a及びナット64b(図3及び図4参照)により締め付けられて、各支持ブラケット38b、38cに固定されている。
ブレーキハブ40の内径は、ハブスペーサ58の外径より若干大きくなっており、ハブスペーサ58に対してがたつきなく揺動するようになっている。このようにして、ブレーキハブ40が第1揺動軸40となっている。
次に、図7乃至9、図11及び図12により、ストッパ部材42について説明する。
図7及び図9に示すように、左側支持ブラケット38bの後方端には、ストッパ部材42が、左側支持ブラケット38bを折り曲げ加工して形成されている。このストッパ部材42は、車両の衝突時、万一、後述する連結機構60が作動しなかった場合に、下部ペダル部材48の強制変位を確実に行わせるためのものである。
図11及び図12に示すように、ストッパ部材42は、下部ペダル部材48の揺動軸(第3揺動軸)56の近傍且つ後方に、下部ペダル部材48とは当接しない程度の若干の間隔をおいて配置され、車両前方に向けて斜め上方に延びると共に下部ペダル部材48の揺動軸56付近の部分を後方から見て覆い隠すように車幅方向に延びている(図3及び図5参照)。
一方、図8及び図11に示すように、下部ペダル部材48の後方側面部には、第3揺動軸56の近傍の付近からその下方にわたり曲面で構成された当接部48eが形成されており、後述するように、所定の条件下においてこの当接部48eとストッパ部材42とが当接して、連結機構60を作動させて下部ペダル部材48を確実に強制変位させるようになっている。
次に、図7乃至図12により、連結機構60について説明する。この連結機構60は、ウイングカム50と下部ペダル部材48をピンボルト66と連結長孔68で連結してリンク機構を構成し、ウイングカム50と下部ペダル部材48との所定の相対的な揺動位置を規定している。
図7及び図8に示すように、下部ペダル部材48の上方部分48aには、孔48dに対して半径方向に直線状に延びる連結長孔68が形成され、第1上部ペダル部材44及び第2上部ペダル部材46には、それぞれ、ピンボルト66の移動をガイドするための円弧状に延びるガイド長孔70、72が形成されている。また、図7に示すように、ウイングカム50の第1部分50aの先端部には、ピンボルト66をウイングカム50に固定するための孔50fが形成されている。
図7及び図10に示すように、ピンボルト66は、ヘッド部66a、リンク部66b及びねじ部66cを有し、リンク部66bが、第1上部ペダル部材44のガイド長孔70、下部ペダル部材48の連結長孔68及び第2上部ペダル部材46のガイド長孔72に挿入され、さらに、ねじ部66cがウイングカム50の孔50fを貫通している。
具体的には、図10に示すように、リンク部66bは、ウイングカム50の孔50fの内径よりも大きい外径を有しており、その縁部66dはウイングカム50に当接している。ウイングカム50がこのリンク部66bの縁部66dとナット74(ピン手段の固定部)とにより挟み込まれると共にナット74で締め付けられて、ピンボルト66(ピン手段の本体部)がウイングカム50に固定される。なお、ナット74をウイングカム50やピンボルト66に溶接により固定するようにしても良く、ナット以外の固定具を用いても良い。
ここで、ピンボルト66のリンク部66bの長さW3は、各上部ペダル部材44、46のそれぞれの幅W4及びW5と各上部ペダル部材44、46間の距離W1とを加算した幅W6よりも大きくなっている。このように、各上部ペダル部材44、46をウイングカム50とピンボルト66のヘッド部66aとにより締め付けないようにして、ウイングカム50及びピンボルト66と、各上部ペダル部材44、46とが相対的に抵抗無く揺動できるようにしている。
また、図9に示すように、ブレーキペダル装置34は、第1上部ペダル部材44が左側支持ブラケット38bの近傍に位置するように配置されている。後述するように、ピンボルト66は、通常時(非衝突時)には第1揺動軸(ブレーキハブ)40を中心に揺動し、衝突時にはガイド長孔70、72に沿って移動するが、左側支持ブラケット38bは、このようなピンボルト66の稼働範囲にわたってピンボルト66のヘッド部66aに近接して延びるように形成されている。
以上説明したように、ウイングカム50と下部ペダル部材48が、ピンボルト66と下部ペダル部材48の連結長孔68とにより連結されており、第2揺動軸54、ウイングカム50の第1部分50a、ピンボルト66、連結長孔68、下部ペダル部材48の上方部分48a及び第3揺動軸56により、リンク機構が構成される。
図11に示すように、通常時(非衝突時)では、ウイングカム50の第1部分(前方部分)50aが車両前方に斜め下方に延び、且つ、下部ペダル部材48の連結長孔68がこの第1部分50aに対してほぼ直交する方向に延びるような位置関係にある。このとき、ピンボルト66は、連結長孔68の最上部(通常位置68a)に位置している。
詳細は後述するように、ウイングカム50が第2揺動軸(第2ピン)54を中心に図中Aで示す方向に揺動すると、ピンボルト66が第2揺動軸54を中心に図中Bで示す方向に円弧状の軌跡を描いて移動する。そして、移動するピンボルト66は、連結長孔68を介して下部ペダル部材48の上方部分48aを後方に押し、下部ペダル部材48を図9中Cで示す方向に第3揺動軸56を中心に揺動させる。このとき、ピンボルト66は連結長孔68内を最上部68aから最下部に向けて移動する。
次に、図8(b)に示すように、下部ペダル部材48の連結長孔68は、その全長即ち通常位置68a及び摺動範囲68bにわたって、ピンボルト66が、がたつきなく移動出来るように、その幅が一定であり且つピンボルト66に対してタイトに即ちピンボルト66との隙間が小さくなるように形成されている。
次に、図8(a)、図8(c)及び図11に示すように、各上部ペダル部材44、46のガイド長孔70、72は、第2ピン(第2揺動軸)54を中心に円弧状に延び、その半径Rは、ウイングカム50の第2揺動軸54からピンボルト66までの距離Rと同一になっている。ガイド長孔70、72により、移動するピンボルト66がガイドされるので、ピンボルト66が下部ペダル部材48の連結長孔68に沿って確実に移動出来、それにより、連結機構60が確実に作動するようになっている。これらのガイド長孔70、72は、その摺動範囲70b、72bにわたって、ピンボルト66の移動を大きく拘束しないように、その幅が一定であり且つピンボルト66に対して比較的ルーズに即ちピンボルト66との隙間が若干大きくなるように形成されている。
一方、ピンボルト66がその通常位置68a、70a、72aに保持され、通常のブレーキ作動が行われるようになっている。
具体的には、図8(a)及び図8(c)に示すように、各ガイド長孔70、72の通常位置70a、72aの幅は、ピンボルト66がその位置70a、72aから動き出しにくいように、ピンボルト66に対してタイトに即ちピンボルト66との隙間が小さくなっている。
また、図8(c)に示すように、第2上部ペダル部材46のガイド長孔72には、その通常位置72aと摺動範囲72bとの境界部に、ピンボルト66がその通常位置72aから移動しないように、ノッチ72cが設けられている。このノッチ72cは、後述するように、車両の衝突時等に車体側当接部材32からピンボルト66に加わる力により破壊される程度の強度になっている。
ここで、図9に示すように、第1上部ペダル部材44は、運転者の踏力をピストンロッド36に確実に伝達するために必要な剛性を得るため板厚が比較的大きくなっている。一方、第2上部ペダル部材46は、ピストンロッド36に連結されていないため、第1上部ペダル部材44よりも板厚が小さくされている。この第2上部ペダル部材46は、第1上部ペダル部材44と共にピンボルト66をガイドすると共にブレーキペダル装置34全体の剛性を高めるように、第1上部ペダル部材44の補助部材としての役割を果たしている。
なお、ウイングカム50に連結長孔を形成し、下部ペダル部材48にピンボルト66を設けて、上述したような連結機構を構成してもよい。
次に、図13及び図14により、連結機構60により下部ペダル部材48の強制変位を行わせるためのウイングカム(当接部材)50及びインパネメンバ14の車体側当接部材32の構造について説明する。図14は、図13のA−A線に沿って見たウイングカム及びインパネメンバの車体側当接部材の部分断面図である。
先ず、ウイングカム50の構造について説明する。図13に示すように、ウイングカム50の第2部分(上方部分)50bは、車体側当接部材32の前方で車体上方に延び、その車両後方側の側面部に、先端に向かうにつれて車体前方側に湾曲するような曲面で構成された当接部(第1当接部)50gを有する。この当接部50gは、車体側当接部材32と当接(衝突)する部分であり、その当接(衝突)によりウイングカム50を揺動させる役割を果たす。また、ウイングカム50は、当接部50gから先端部に至る部分に、後述する延長部(第2当接部)50hを有している。
図13及び図14に示すように、ウイングカム50の第2部分50bは、車体側当接部材32の車幅方向の幅に対し、ほぼ中央に位置し且つ対向するように配置されている。
ここで、ブレーキペダル装置34は、ブレーキの非操作時には図13(a)に示す位置にあり、ブレーキの操作時には図13(b)に示すような位置にある。当接部50gは、このようなブレーキの非操作時及び操作時のいずれの位置においても、車体側当接部材32に対向する所定の範囲に延び、ブレーキペダル装置34が後退すると、このウイングカム50の当接部50gのいずれかの部分が車体側当接部材32に衝突するようになっている。
なお、後述するように、ブレーキペダル装置34は、車両の衝突により概ね水平に若干斜め上方に向けて後退する。この後退の際、車両の衝突の態様によりその後退方向がずれることがあるが、本実施形態では、そのようなずれが生じても車体側当接部材32と衝突すると考えられる範囲に当接部50gを形成して、ウイングカム50と車体側当接部材32とが確実に衝突するようにしている。
図13に示すように、当接部50gは、ブレーキ操作時に車体側当接部材32に衝突する部分(例えば、J点)までの第1揺動軸40からの距離R2が、ブレーキ非操作時に衝突する部分(例えば、H点)までの第1揺動軸40からの距離R1より大きくなるように、第1揺動軸40からの距離Rが第2部分50bの先端に向かうにつれて徐々に大きくなるような曲面で形成されている。このようにして、ブレーキペダル装置34がブレーキ操作により第1揺動軸40を中心に揺動すると、当接部50gと車体側当接部材32との相対距離が、ブレーキ非操作時の距離D1よりブレーキ操作時の距離D2の方が短くなるようになっている。
次に、車体側当接部材32について説明する。この車体側当接部材32は、ウイングカム50がこの車体側当接部材32に衝突したときウイングカム50を揺動させる役割を果たすものである。図13に示すように、車体側当接部材32は、インパネメンバ14の車両前方側の下方に、その被当接面32aがウイングカム50に対向するようにインパネメンバ14に取り付けられている。
図14に示すように、この車体側当接部材32の被当接面32aは、ウイングカム50側に向けて凸となるように車幅方向に湾曲した曲面で構成されている。この曲面により、例えばウイングカム50が車幅方向にずれながらその被当接面32aに衝突しても、そのずれを拘束しないようになっている。また、車体側当接部材32の車幅方向の幅はウイングカム50の板厚より十分大きく、ウイングカム50が車幅方向にずれながら後退しても、ウイングカム50と車体側当接部材32とが確実に当接(衝突)するようになっている。さらに、車体側当接部材32は、ウイングカム50の当接(衝突)により変形してウイングカム50が食い込まないように強度が高められている。なお、この被当接面32aは、平面状であっても良い。また、ウイングカム50の当接部50gの車体側当接部材32側の側面を同様に曲面で構成してもよい。
次に、図13により、上述した本実施形態のブレーキペダル支持構造における通常時(非衝突時)の作用を説明する。図13は、通常時(非衝突時)におけるブレーキ非操作時(a)及びブレーキ操作時(b)での、ブレーキペダル装置の位置を示す側面図である。
先ず、図13(a)に示すように、ブレーキ非操作時には、ピンボルト66は、通常位置68aに位置し、ウイングカム50の第1部分50aの長手方向即ち第2揺動軸54とピンボルト66とを結んだ線の延びる方向と、下部ペダル部材48の連結長孔68の長手方向とが、ほぼ直交している。
この状態で運転者がペダル48cを踏むと、下部ペダル部材48が第3揺動軸56を中心に揺動しようとするので、ピンボルト66は連結長孔68から力F1を受ける。しかしながら、連結長孔68は、第3揺動軸56を中心に半径方向に延びているので、力F1の方向は、連結長孔68の長手方向とほぼ直交している。また、力F1の方向は、ウイングカム50の第1部分50aの長手方向とほぼ一致し、又、各上部ペダル部材44、46のガイド長孔70、72の通常位置70a、72aにおいて延びる方向即ちピンボルト66が移動し始める位置での移動方向とも直交している。
このため、力F1は、ウイングカム50の第1部分50aを介して第2ピン(第2揺動軸)54で受け止められると共に各上部ペダル部材44、46のガイド長孔70、72でも受け止められるので、ピンボルト66は、第2揺動軸54を中心に円周方向に移動するような力をほとんど受けない。また、このとき、連結長孔68の側面とピンボルト66との間に摩擦力が生じる。
この結果、通常時には、連結長孔68とピンボルト66はその通常位置68aで互いにロックされて、下部ペダル部材48とウイングカム50とが相対変位しないようになっている。さらに、上述したように、各ガイド長孔70、72の通常位置70a、72aはタイトになっており、又、ガイド長孔72にはノッチ72cも形成されているので、ピンボルト66は通常位置70a、72aに保持される。
従って、図13(b)に示すように、運転者がペダルを踏むと、各上部ペダル部材44、46、下部ペダル部材48及びウイングカム50が相対変位しないので、ウイングカム50及び下部ペダル部材48がそれぞれの第2揺動軸54及び第3揺動軸56を中心に揺動することなく、ブレーキペダル装置34は一体的に第1揺動軸40を中心に揺動する。
なお、運転者がペダル48cの踏力を緩め或いはペダルから足を離すと、下部ペダル部材48は、上述した各部材の位置関係を保ったまま、ばね(図示せず)により、図13(a)に示す位置に戻るようになっている。
次に、図2、図13及び図15により、衝突時のブレーキペダル支持構造30の作用について説明する。図15は、ブレーキ非操作時(a)及び操作時(b)における、ブレーキペダル装置の後退によるブレーキペダル支持構造の動作状態の一例を示す側面図である。図15において、通常時の状態を2点鎖線で示し、後退後(ウイングカム50の揺動終了後)の状態を実線で示し、さらに、ウイングカム50及び連結機構60を設けない場合の後退時の下部ペダル部材48の状態を1点鎖線で示す。
ここで、先ず、ブレーキペダル装置34の後退動作を説明する。図2に示すように、マスタシリンダ18は、ダッシュロアパネル6の比較的上方に取り付けられており、車両が前方の障害物等に衝突し、エンジン22が後退すると、マスタシリンダ18を斜め下方から若干突き上げるようにマスタシリンダ18に衝突する。その後、エンジン22は下に落ちる。図15に示すように、マスタシリンダ18に押されたダッシュロアパネル6は、主にその上方部分が車室側に突出するように変形し、この変形に伴い、ブレーキペダル装置34は、ほぼ水平に若干斜め上方(図15中Gに示すような方向)の方向に後退する。また、正面衝突やオフセット衝突等、衝突の態様によっては、後退方向がずれることもある。
次に、図15(a)及び(b)に示すように、車両の衝突により、ブレーキペダル装置34が図中Gで示すような方向に後退すると、ウイングカム50の当接部50gは、ブレーキ非操作時にはH点で車体側当接部材32に衝突し、ブレーキ操作時にはJ点で、車体側当接部材32に衝突する。
ウイングカム50が車体側当接部材32に衝突すると、ウイングカム50の第2部分50bは、第2揺動軸54と衝突点(例えば、H点、J点)とを結ぶ方向に対しほぼ直交する方向の力を車体側当接部材32から受け、第2揺動軸54を中心に揺動する。このウイングカム50の揺動により、ピンボルト66は、連結長孔68及び各ガイド長孔70、72との摩擦に打ち勝ち且つ第2上部ペダル部材46のノッチ72cを破壊する。ここで、通常位置68a、70a、72aでは、ピンボルト66の移動方向は下部ペダル部材48の連結長孔68の長手方向とほぼ一致し、又、各ガイド長孔70、72にガイドされるので、ピンボルト66はその通常位置68a、70a、72aから移動し易くなっている。
その後、ウイングカム50は、第2揺動軸54を中心に車体前方に倒れ込むようにさらに揺動する。このウイングカム50の揺動により、ピンボルト66は、第2揺動軸54を中心に円弧を描いて移動するので、ピンボルト66の移動方向は、連結長孔68の長手方向に対し直交する方向に向けて徐々にずれる。従って、ピンボルト66は、連結長孔68内を移動しつつ、連結長孔68の長手方向と直交する方向の力を下部ペダル部材48の上方部分48aに与える。この力により、下部ペダル部材48の上方部分48aが後方に向けて第3揺動軸56を中心に揺動する。その結果、下部ペダル部材48の下方部分48bが車両前方に向けて強制的に変位する。
次に、図15に実線で示すように、ウイングカム50は、ピンボルト66が、連結長孔68の端部及びガイド長孔70、72の端部に当接するまで揺動する。このとき、ウイングカム50は、車体側当接部材32に対し滑りながら揺動し、その当接位置は、ブレーキ非操作時にはH点からI点まで、ブレーキ操作時にはJ点からK点まで変化する。ウイングカム50は、揺動終了位置では、当接部50gが車両前方に斜め上方に延び、延長部50hがほぼ水平或いは車両前方に向けて斜め上方に延びるような水平位置となる。
次に、図15に1点鎖線で示すように、ウイングカム50及び連結機構60を設けない場合には、下部ペダル部材48は車室側に大きく後退するので、これから、本実施形態のブレーキペダル支持構造30により、このような後退を防止することが出来ることが理解できる。
ここで、下部ペダル部材48を強制的に変位させても、第1上部ペダル部材44にはピストンロッド36が連結されたままである。従って、ブレーキ操作時には、踏力が、強制変位が終了した下部ペダル部材48及び各上部ペダル部材44、46を介してピストンロッド36に伝達され、制動力は確保される。また、運転者は、ペダル48cを踏みつつ踏ん張って、車両の衝突により前方に投げ出されようとする自身の体を支えることも可能である。
ここで、ブレーキ操作時に車両が衝突した場合、運転者の脚部等に加わる衝撃は非常に大きい。本実施形態では、図13に示すように、ウインングカム50をブレーキ操作時における当接部50gと車体側当接部材32との距離D2が、ブレーキ非操作時における距離D1より短くなるように配置しているので、ブレーキ操作時には、ブレーキ非操作時に比べ、ウイングカム50の当接部50gを車体側当接部材32に早く衝突させることが出来る。従って、ブレーキ操作時には、より早期に下部ペダル部材48を強制変位させて、より効果的に運転者に加わる衝撃力を緩和することが出来る。
また、本実施形態によるブレーキペダル支持構造30では、ウイングカム50とインパネメンバ14とを連結せず、ウイングカム50の当接部50gの第1揺動軸40からの距離R(図13参照)を調整して、ウイングカム50の当接部50gと車体側当接部材32とが所定の距離D1,D2だけ離れるように設定しているので、ブレーキ非操作時及び操作時のいずれの場合も、所望の特性を得ることが出来る。また、ブレーキペダル装置34は、下部ペダル部材48及びウイングカム(当接部材)50が連結機構60により連結されると共に各上部ペダル部材44、46とユニット化されており、ブレーキペダル装置34を比較的コンパクトに構成することが出来る。さらに、ユニット化されたブレーキペダル装置34をインパネメンバ14に連結していないので、ブレーキペダル装置34の車体への組み付け性が向上すると共にブレーキペダル装置34とインパネメンバ14間の相対位置を規定するために部品精度を大きく高める必要もない。
また、連結機構60により、下部ペダル部材48を強制変位させるようにしているので、ブレーキペダル装置34を比較的コンパクトに且つ軽くすることが出来る。
次に、図15及び図16により、ウイングカム50の揺動特性、連結機構60による連結長孔68の揺動特性、及び、これらの特性から得られる下部ペダル部材48の強制変位特性について説明する。図16は、ウイングカムの揺動速度特性(図16(a))、連結機構による長孔の揺動特性(図16(b))及び下部ペダル部材の強制変位速度特性(図16(c))を示す線図である。
本実施形態では、ウイングカム50の揺動特性(図16(a))及び連結機構60による連結長孔68の揺動特性(図16(b))を適当に設定することにより、図16(c)に示すような下部ペダル部材48の強制変位特性(強制揺動特性)を得るようにしている。即ち、図16(c)に示すように、車体側当接部材32と衝突して揺動を始める衝突初期と、衝突による後退量が大きくなる衝突後期とで、それぞれ強制変位速度が大きく、又、その変位速度が衝突初期より衝突後期の方が大きくなるようにしている。
先ず、ウイングカム50の揺動特性について説明する。図15(a)及び(b)に2点鎖線で示すように、ウイングカム50の第2部分50bは、通常時に、第2揺動軸54に対して上方に延びているので、衝突初期には、ブレーキペダル装置34の後退する方向(ほぼ水平方向)と、ウイングカム50の揺動方向(第2揺動軸54を中心にした円周方向)とがほぼ一致する。従って、衝突初期には、ウイングカム50の揺動量はブレーキペダル装置34の後退量とほぼ一致し、ブレーキペダル装置34の後退量は高い効率でウイングカム50の揺動量に変換される。
一方、ウイングカム50の第2部分50bは、第2揺動軸54を中心に車体前方に倒れ込みながら水平位置まで揺動するので、ウイングカム50の揺動方向は、揺動が進むにつれて、ブレーキペダル装置34の後退方向に対し徐々にずれてくる。従って、揺動が進むと、ブレーキペダル装置34の後退量がウイングカム50の揺動量に変換される効率が徐々に低下する。
ここで、ブレーキペダル装置34の後退速度が一定であるとすると、衝突初期にはウイングカム50の揺動速度は大きく、揺動が進むにつれて揺動速度が小さくなる。従って、ウイングカム50の特性をこの揺動速度で表すと、図16(a)に示すようになる。
また、衝突初期にウイングカム50の揺動速度が大きくなるので、連結長孔68に対するピンボルト66の相対速度も大きくなる。従って、通常位置68a、70a、72aに保持されているピンボルト66は、連結長孔68との摩擦に打ち勝ち且つノッチ72cを破壊して、この通常位置68a、70a、72aから移動することができる。
次に、図15(b)に示すように、ブレーキ操作時には、第2揺動軸54が第1揺動軸(ブレーキハブ)40よりも若干下方に位置し、又、ウイングカム50の第2部分50bが非操作時に比べて車両後方に若干傾いた位置にあり、ほぼ真上方向から若干後方に傾いている。従って、ウイングカム50の第2部分50bは、車体側当接部材32との衝突により、先ず、その位置からほぼ真上方向に立つように揺動し、その後車両前方に向けて倒れる。
従って、図16(a)に示すように、ブレーキ操作時には、ウイングカム50の揺動速度は、ウイングカム50の第2部分50bがほぼ真上方向に延びる位置に至るまで増加し、その後ウイングカム50の第2部分50bが車両前方へ倒れ込むことによって減少する。
また、ウイングカム50の第2部分50bは車両後方に傾いた位置から揺動するので、ブレーキペダル装置34の後退量がウイングカム50の揺動量に変換される効率がより高い範囲、即ち、ウイングカム50の第2部分50bがより真上方向に近い位置で揺動する範囲が、ブレーキ非操作時より多くなる。この結果、ブレーキ操作時において、ほぼ全域にわたって、ブレーキ非操作時よりウイングカム50の揺動速度が高まることになる。
次に、連結機構60による連結長孔68の揺動特性について説明する。ここで、衝突後期には、運転者に加わる衝撃力が大きくなるので、運転者をより確実に保護するために、下部ペダル部材48を短時間で大きく変位させたいという要請がある。しかし、上述したウイングカム50の特性のみでは、衝突後期に下部ペダル部材48を短時間で大きく変位させることは難しいので、本実施形態では、連結機構60により衝突後期の下部ペダル部材48の強制変位量が大きくなるようにしている。
先ず、図15(a)及び(b)に2点鎖線で示すように、通常時に、ウイングカム50の第1部分50aは車両前方に斜め下方に延びているので、ウイングカム50の揺動が進むにつれ、ピンボルト66の車両前後方向の移動量が徐々に増大する。
一方、下部ペダル部材48の連結長孔68は、この第1部分50aに対して直交する方向に延びているので、ピンボルト66の移動に伴い、連結長孔68の向きが上方に向けて立つように連結長孔68(下部ペダル部材48の上方部分48a)が揺動する。また、ピンボルト66の移動方向が徐々に連結長孔68の長手方向に直交するようになる。
従って、ウイングカム50が揺動するにつれ、ウイングカム50の揺動量が連結長孔68の揺動量に変換される効率が徐々に上昇する。
ここで、ウイングカム50の揺動速度が一定の場合には、下部ペダル部材48の揺動速度は、初期に小さく、ウイングカム50が揺動するにつれて徐々に大きくなる。このような連結機構60による連結長孔68の揺動特性を連結長孔68(上方部分48a)の揺動速度で表すと、図16(b)に示すようになる。
図16(b)に示すように、連結機構60による連結長孔68の揺動特性によれば、ウイングカム50の揺動速度が一定の場合、ウイングカム50が揺動する程連結長孔68の揺動速度が大きくなる。その結果、連結機構60により衝突後期の下部ペダル部材48の強制変位速度を大きくすることが出来る。
従って、ウイングカム50の揺動特性(図16(a))と連結機構60による連結長孔68の揺動特性(図16(b))とを加算することにより、図16(c)に示す下部ペダル部材48の強制変位特性を得ることができる。
本実施形態では、図16(c)に示すように、衝突後期の下部ペダル部材48の強制変位速度が衝突初期より大きくなるように、ウイングカム50については、その第2部分50bの延びる角度や第2揺動軸54からピンボルト66までの長さ等、下部ペダル部材48については、その上方部分48aの延びる角度やその上方部分48aにおける連結長孔68の半径方向の位置等を調整している。
従って、図16(c)に示すように、ウイングカム50と連結機構60とにより、衝突初期と衝突後期において、下部ペダル部材48の強制変位速度を大きくすることが出来、又、その変位速度を衝突初期より衝突後期の方が大きくすることが出来る。
以上説明したように、本実施形態によれば、ウイングカム50の当接部50gが車体側当接部材32に当接(衝突)した衝突初期で下部ペダル部材48は短時間で大きく変位するので、下部ペダル部材48が車室側に後退するのを効果的に防止することが出来る。特に、運転者がブレーキペダルを操作しているとき、運転者が受ける初期の急激に立ち上がる衝撃力が低減される。
また、衝突後期にも下部ペダル部材48は短時間で大きく変位するので、下部ペダル部材48が車室側に後退するのを効果的に防止することが出来る。さらに、衝突後期の下部ペダル部材48の強制変位速度が、衝突初期より大きくなるようにしているので、より効果的に後退を防止することが出来る。特に、運転者がブレーキペダル48cを操作しているとき、運転者が受ける衝突後期の大きな衝撃力が低減される。
また、ブレーキ操作時には、下部ペダル部材48の強制変位速度が、ほぼ全域にわたって、ブレーキ非操作時より大きいので、ブレーキ操作時に運転者への衝撃力をより低減することが出来る。
また、ウイングカム50の第2部分50bを第2揺動軸54に対し上方に延びるように形成し、さらに、連結機構60により連結長孔68の揺動速度を設定しているので、ウイングカム50の当接部50gを車体側当接部材32に確実に衝突させると共に衝突後期に下部ペダル部材48を大きく変位させることが出来る。
以上説明したように、本実施形態においては、ウイングカム50の揺動特性により、衝突後期にブレーキペダル装置34の後退量が下部ペダル部材48の強制変位量に変換される効率が低下するが、連結機構60による連結長孔68の揺動特性により、衝突後期にブレーキペダル装置34の後退量が下部ペダル部材48の強制変位量に変換される効率を高めることが出来る。従って、ウイングカム50の特性により、衝突初期にブレーキペダル装置34の後退量に対する下部ペダル部材48の強制変位量の効率を高めることができ、さらに、連結機構60の特性により、衝突後期にブレーキペダル装置34の後退量に対する下部ペダル部材48の強制変位量の効率を高めることが出来る。
次に、図15により、下部ペダル部材48の強制変位終了後におけるブレーキペダル支持構造30の作用について説明する。
図15(a)及び(b)に示すように、下部ペダル部材48の強制変位が終了すると、ウイングカム50は、その当接部50g(図13参照)が車両前方に斜め上方に延び、延長部50h(図13参照)がほぼ水平或いは車両前方に向けて斜め上方に延びる状態で止まる。また、ウイングカム50の当接部50g及び延長部50hは、インパネメンバ14の比較的下方に位置すると共に、車体側当接部材32の下方部分に当接するようになっている。
強制変位終了後の状態からブレーキペダル装置34がさらに後退すると、ウイングカム50は、車体側当接部材32に対して、当接位置を、当接部(第1当接部)50g(I点又はK点)から延長部(第2当接部)50hに移行させながら移動する。このとき、ウイングカム50は車体側当接部材32から車両前方斜め下方に押付力を受け、この押付力が、ウイングカム50から各上部ペダル部材44、46及びブレーキハブ40を介して左側支持ブラケット38b及び右側支持ブラケット38cに伝わる。本実施形態では、この押付力により各支持ブラケット38b、38cが変形し、ブレーキペダル装置34が前方に向けて下方に変位するようになっている。
本実施形態では、ウイングカム50の揺動終了後、当接部(第1当接部)50gが車両前方に斜め上方に延び、延長部(第2当接部)50hがほぼ水平或いは車両前方に向けて斜め上方に延びるようにしているので、車体側当接部材32からの力を有効に各支持ブラケット38b、38cに伝達し、各支持ブラケット38b、38cを確実に変形させることが出来る。
特に、ウイングカム50の延長部(第2当接部)50hは、ほぼ水平或いは車両前方に向けて斜め上方に延びた状態で車体側当接部材32に当接するようになっているので、ブレーキペダル装置34をさらに下方に押しつけることが出来る。
従って、ブレーキペダル装置34が後退すると、車体側当接部材32からの力により各支持ブラケット38b、38cが変形しながら、ブレーキペダル装置34がインパネメンバ14の下方に潜り込むように変位する。
このように、本実施形態では、連結機構60による下部ペダル部材48の強制変位に加え、さらに、各支持ブラケット38b、38cの変形によりブレーキペダル装置34を前方に向けて下方に強制変位させるようにしているので、下部ペダル部材48の車室への後退をより効果的に防止することが出来る。また、このように各支持ブラケット38b、38cの変形も利用して、下部ペダル部材48に車室側への後退を防止しているので、連結機構60の可動範囲を小さくすることが出来、その結果、ブレーキペダル装置34を比較的コンパクトに且つ軽くすることが出来る。
次に、本実施形態のブレーキペダル支持構造30による通常時のブレーキ作動を保証するための作用を説明する。
先ず、図9及び図11に示すように、左側支持ブラケット38bが、ピンボルト66の稼働範囲にわたってピンボルト66のヘッド部66aに近接して延びるように形成されているので、万一、ピンボルト66を固定するナット74が緩んでもピンボルト66が連結長孔68及びウイングカム50の孔50fから抜けないようになっている。
次に、図13に示すように、通常時のブレーキ操作時に、ピンボルト66は連結長孔68から、その長手方向とほぼ直交する方向の力F1を受けるので、万一、ナット74が緩んでも、ピンボルト66はウイングカム50の第1部分50a及び各ガイド長孔70、72に押しつけられ、ピンボルト66は摩擦力により抜けにくくなっている。
特に、図8に示すように、各ガイド長孔70、72の通常位置70a、72aはピンボルト66に対しタイトに形成され、又、第2上部ペダル部材46のガイド長孔72にはノッチ72cが形成されているので、万一、ナット74が緩んでも、ピンボルト66はその通常位置70a、72aから移動しにくく、且つ、通常位置70a、72aに保持されるようになっている。ここで、第2上部ペダル部材46は板厚が小さくされているので、成型性が高く、ノッチ72cを形成し易い。
次に、通常時(非衝突時)において、下部ペダル部材48の連結長孔68と、各上部ペダル部材44、46のガイド長孔70、72とは、その通常位置70a、72aから離れるにつれて徐々に相対位置がずれるように配置されている(図11参照)。従って、万一、ナット74が緩んでも、ピンボルト66は連結長孔68又はガイド長孔70、72のいずれにも沿って移動しにくくなっている。
次に、本実施形態のブレーキペダル支持構造30による下部ペダル部材48の強制変位を確実に行わせるための作用を説明する。
先ず、図14に示すように、車体側当接部材32の被当接面32aは車幅方向に湾曲した曲面で形成され、ウイングカム50の動きが車体側当接部材32により拘束され難くなっているので、ウイングカム50にこじり力が作用することなく、そのため、こじり力により生じるねじれ変形等を防止することが出来、さらに、こじり力によりピンボルト66と下部ペダル部材48の連結長孔68との間に大きな摩擦力が発生して連結機構60が作動しにくくなることを防止することが出来る。その結果、連結機構60がより確実に作動する。また逆に、連結機構60が確実に作動すれば、ウイングカム50が車体側当接部材32から受ける力に対する反力が連結機構60で大きく生じないので、ウイングカム50の変形が防止される。
次に、ウイングカム50は、第2上部ペダル部材46の外側に設けられているので、その一側面が開放され、2つの部材で挟み込まれて大きな摩擦力が生じるようなことがない。
また、第2上部ペダル部材46とウイングカム50とは、ピンボルト66のヘッド部66aとナット74とにより互いに密着するように押さえつけられていないので、ウイングカム50の車幅方向の傾きが許容される。従って、ウイングカム50が車体側当接部材32と衝突して車幅方向に傾くことがあっても、第2上部ペダル部材46との間で大きな摩擦力が生じないようにすることが出来る。一方、第2上部ペダル部材46がウイングカム50のガイドの役割を果たすので、ウイングカム50が車幅方向に大きく傾くことを防止できる。
このように、本実施形態によれば、ウイングカム50が揺動し易くなるので、車体側当接部材32から受ける力が確実にピンボルト66に伝達される。その結果、ピンボルト66と連結長孔68との間の摩擦力が多少大きくなっても、ピンボルト66を連結長孔68に対して確実に移動させることが出来る。
次に、ガイド長孔70、72の摺動範囲70b、72bがピンボルト66に対し比較的ルーズに形成されているので、例えばウイングカム50が車体側当接部材32から受ける力により車幅方向に傾こうとしても、ピンボルト66の動きを大きく拘束することなくガイドすることが出来る。一方、下部ペダル部材48の連結長孔68はピンボルト66に対しタイトに形成されているので、連結機構60を、がた付きなく且つ確実に作動させるようにすることが出来る。
また、ガイド長孔70、72は、通常位置70a、72aにおいてピンボルト66に対しタイトに形成されているので、ウイングカム50が車体側当接部材32に衝突したときの衝撃力により車幅方向に傾こうとし、それに伴いピンボルト66が傾こうとしても、ピンボルト66はそれらのガイド長孔70、72に通常位置70a、72aで支持される。従って、ピンボルト66が下部ペダル部材48の連結長孔68に対し傾かないようにすることが出来るので、ピンボルト66と連結長孔68との摩擦力が大きくならず、ピンボルト66が連結長孔68の通常位置68aから容易に動き出すことが出来る。
次に、ガイド長孔70、72は、車幅方向に離間した各上部ペダル部材44、46にそれぞれ形成されているので、例えば車体側当接部材32から受ける力によりウイングカム50が車幅方向に傾こうとしたとき、ピンボルト66は車幅方向に離間した2カ所で支持される。従って、ピンボルト66をより確実にガイドすることが出来る。
ここで、第1乃至第3揺動軸40、54、56は、ウイングカム50を介して車体側当接部材32から力を受けて反力を生じ、これらの反力及びウイングカム50からの力は、各上部ペダル部材44、46を変形させる力になり得る。
本実施形態では、各上部ペダル部材44、46は下部ペダル部材48の両側に設けられているので、車体側当接部材32から受ける力に対するブレーキペダル装置34全体の剛性を高めることが出来る。従って、車体側当接部材32からウイングカム50を介してブレーキペダル装置34に力が伝わっても、ブレーキペダル装置34の変形が生じにくくなるので、ブレーキペダル装置34の各部材が相対的に動きにくくなることが防止される。特に、本実施形態では、ピンボルト66と連結長孔68とをタイトに形成してがたつきなく作動するようになっているが、この連結機構60に大きな摩擦力が生じないようにして、連結機構60を確実に作動させるようにすることが出来る。
さらに、第1乃至第3揺動軸となるブレーキハブ40及び各ピン56が、各上部ペダル部材44、46に対し同一面上に揃うように配置され、車幅方向にオフセットされていないので(図5、図6及び図9参照)、各上部ペダル部材44、46を曲げるようなモーメント力が生じ難くなっている。従って、各上部ペダル部材44、46が曲げ変形し、その変形により、各上部ペダル部材44、46と下部ペダル部材48やウイングカム50とが接触して摩擦力が大きくなり、互いに揺動しにくくなることを防止することが出来る。また、同様に、連結長孔68、各ガイド長孔70、72及びピンボルト66の相対位置もずれ難くなるので、連結機構60をより確実に作動させることが出来る。
次に、図17により、本実施形態のブレーキペダル支持構造におけるストッパ部材42の作用について説明する。
図17は、ストッパ部材の作用を説明するためのブレーキペダル装置を左側から見た側面図である。図17は、ブレーキペダル装置34が後退し、ウイングカム50が車体側当接部材32に衝突したとき、連結機構60が作動せず、ブレーキペダル装置34が一体で後方に揺動し、下部ペダル部材48がストッパ部材42に当接した状態を示す。
上述したように、連結機構60は、より確実に作動するようになっているが、ピンボルト66が、連結長孔68及び各ガイド長孔70、72との摩擦力に打ち勝てず、或いは、ノッチ72cが破壊されない等、連結機構60が作動しない状況が考えられる。
ここで、衝突時に運転者がブレーキを踏んでいれば、その踏力が各上部ペダル部材44、46及び下部ペダル部材48の一体での後方への回動を妨げるように働くので、これらの部材44、46、48に対しウイングカム50が相対的に揺動し、連結機構60が作動し易くなる。一方、運転者の踏力によっては、ピンボルト66と下部ペダル部材48との摩擦力が大きくなったり、上述したようにピンボルト66はその通常位置に保持されるようになっている等、いくつかの要因により、連結機構60の作動が妨げられる可能性もある。
また、ブレーキ非操作時においては、衝突等によりピストンロッド36が折れていなければ、ピストンロッド36により上部ペダル部材を前方に引っ張ろうとする力が加わるので、ウイングカム50が各部材44、46、48に対し揺動し易くなるが、車両の衝突によりピストンロッド36が折れる場合もある。
そこで、本実施形態では、万一連結機構60が作動しなかったとしても、ストッパ部材42により、連結機構60をより確実に作動させるようにしている。
図17に示すように、ウイングカム50が車体側当接部材32に衝突しても連結機構60が作動しない場合、ブレーキペダル装置34は一体で、即ち、ウイングカム50と下部ペダル部材48が、通常時の相対角度及び相対位置を保持したまま、第1揺動軸40を中心に後方に向けて揺動する。
このようにブレーキペダル装置34が一体で揺動した場合、下部ペダル部材48の当接部48eは、図中Lで示すような位置でストッパ部材42と当接する。この当接により、下部ペダル部材48の下方部分に図中F3で示すような方向の力が働き、この力と、ウイングカム50が車体側当接部材32から受ける力とにより、連結機構60を作動させることが出来る。
このとき、ピンボルト66と連結長孔68との間に力F3に起因する摩擦力が発生する。ここで、ストッパ部材42は第3揺動軸56の近傍に配置されているので、下部ペダル部材48に大きなモーメント力を与えず、一方、連結機構60が作動出来る程度の力を与えることが出来る。従って、ピンボルト66と連結長孔68との間に力F3に起因する摩擦力が発生しても、この摩擦力は小さいものとなるので、ピンボルト66の連結長孔68に沿った移動を妨げないようにすることが出来る。
また、下部ペダル部材48の当接部48eは曲面で構成されているので、ストッパ部材42に対し滑らかに且つ確実に滑ることが出来る。
さらに、ストッパ部材42は、ブレーキ非操作時において下部ペダル部材48の近傍に位置しているので、ブレーキ非操作時に連結機構60を迅速に作動させることが出来る。また、通常のブレーキ操作を妨げることもない。
以上述べたように、本実施形態では、連結機構60をより確実に作動させて下部ペダル部材48を強制変位させるようになっており、下部ペダル部材48の車室側への後退をより確実に防止することが出来る。
次に、図18により、本発明の第2の実施形態によるブレーキペダル支持構造を説明する。図18は、本実施形態によるブレーキペダル装置を左側から見た側面図である。この第2実施形態の基本構成は、第1実施形態と同じであるので、ここでは、異なる構成のみ説明する。本実施形態によるブレーキペダル支持構造は、ウイングカムの形状を変更したものであり、その他の構成は第1実施形態と同様である。
図18に示すように、ウイングカム80の当接部80gは、第1揺動軸40から当接部80gまでの距離Rが一定の円弧状に形成されている。
ブレーキペダル装置34が後退すると、例えば、ブレーキ非操作時には図18中M点で当接(衝突)し、鎖線で示すブレーキ操作時には、N点で当接(衝突)する。当接部50gは半径Rが一定の円弧状に形成されているので、第1揺動軸40からこれらのM点及びN点までの距離も同一となる。従って、ブレーキ非操作時及び操作時のいずれにおいても、当接部80gとインパネメンバ14の被衝突部材との相対距離が、同一の距離Dとなる。
本実施形態では、ブレーキ非操作時及び操作時のいずれも、ウイングカム80と車体側当接部材32との衝突タイミングが同一となるので、ブレーキの操作の有無にかかわらず、運転者の脚部等を同等に保護することが出来る。
次に、図19により、本発明の第3の実施形態によるブレーキペダル支持構造を説明する。図19は、本実施形態によるブレーキペダル支持構造を左側から見た側面図である。この第3実施形態の基本構成は、第1実施形態と同じであるので、ここでは、異なる構成のみ説明する。本実施形態によるブレーキペダル支持構造は、ウイングカムの形状を変更したものであり、その他の構成は第1実施形態と同様である。
図19に示すように、本実施形態のウイングカム90は、その第2部分90bが、ほぼ直線状に延び、その先端付近に曲面で構成された当接部90gが形成されている。
一方、インパネメンバ14には、第1車体側当接部材92及び第2車体側当接部材94が形成されている。各車体側当接部材92、94は、ブレーキ非操作時に当接部90gが第1車体側当接部材92に当接(衝突)し、ブレーキ操作時(一点鎖線で示す)に当接部90gが第2車体側当接部材94に当接(衝突)するように、それぞれ配置されている。
これらの車体側当接部材92、94は、それらの被当接面92a、94aが、当接部90gに対し、ブレーキ非操作時には距離D1の位置にあるように設けられ、ブレーキ操作時には距離D1より短い距離D2の位置にあるようにそれぞれ設けられている。
従って、ブレーキ非操作時に比べ、ブレーキ操作時にウイングカム90を被衝突部材94に早く衝突させることが出来、その結果、車両の衝突後、より早く下部ペダル部材48を強制変位させて、運転者の脚部等を保護することが出来る。
また、第1車体側当接部材92と第2車体側当接部材94とを別々に設けているので、ブレーキ非操作時と操作時との両方において、適切に、ウイングカム90と車体側当接部材92、94とを衝突させることが出来る。
なお、第3実施形態においては、これらの車体側当接部材92、94の被当接面92a、94aを、ブレーキ非操作時及び操作時のいずれにおいても、当接部90gとインパネメンバ14の車体側当接部材92、94との相対距離が同一の距離となる位置に配置しても良い。例えば、図19に二点鎖線で示すように、第2車体側当接部材94の被当接面94aを、ブレーキ非操作時の当接部90gから距離D1離れる位置に形成しても良い。
この場合、ブレーキ非操作時及び操作時のいずれも、ウイングカム90とこれらの車体側当接部材92、94との衝突タイミングが同一となるので、ブレーキの操作の有無にかかわらず、運転者の脚部等を保護することが出来る。
さらに、第3実施形態においては、図20に示すように、第1車体側当接部材及び第2車体側当接部材を一体で構成して、ウイングカム90がそれらの衝突面に確実に衝突するようにしても良い。この例では、車体側当接部材96が、その被当接面96aの車幅方向から見た断面が後方に凹となるような曲面で構成されている。
この被当接面96aは、ブレーキ操作時に当接部90gが当接(衝突)する部分Qまでの第1揺動軸40からの距離R2が、ブレーキ非操作時に当接部90gが衝突する部分Pまでの第1揺動軸40からの距離R1より短くなるような曲面で形成されている。従って、当接部90gと車体側当接部材96との相対距離が、ブレーキ非操作時の距離D1に対し、ブレーキ操作時には距離D1より短い距離D2となり、上述したようにブレーキ非操作時に比べ、ウイングカム90を被衝突部材96に早く衝突させることが出来る。
なお、この被当接面96aを、第1揺動軸40からの距離Rが一定となるような円弧状に形成しても良い。この場合は、上述したようにウイングカム90と車体側当接部材との衝突タイミングを同一にすることが出来る。
また、車体側当接部材を複数の部材で形成して、ウイングカム90がそれらの被当接面に確実に当接(衝突)させるようにしても良い。この場合には、それらの各部材の被当接面を平面で形成し、各部材間でこれらの面が連続するようにして、当接部90gが一方の被当接面から他方の被当接面に滑らかに移動出来るようにしても良く、又は、各部材の被当接面を曲面で構成して、各部材間でこれらの面が連続するようにして、全体的に円弧状や曲率が変化するような曲面状にしても良い。
次に、図21乃至図26により、本発明の第4実施形態による車両のブレーキペダル支持構造を説明する。
図21は、第4実施形態による車両のブレーキペダル支持構造を左側から見た側面図であり、図22は、図21のB−B線に沿って見たペダルユニットの断面図であり、図23は、ペダルユニットの主要部品の部品展開図である。
先ず、図21に示すように、車両1は、第1実施形態と同様に、車室2とエンジンルーム4を仕切るダッシュロアパネル6と、インパネメンバ14とを備えている。ダッシュロアパネル6の傾斜した上方部分のエンジンルーム側には、マスタバッグ16及びマスタシリンダ18が取り付けられ、その車室側には、ブレーキペダル支持構造100が取り付けられている。
ブレーキペダル支持構造100は、ユニット化されたブレーキペダル装置102と、ブラケット(ペダルブラケット)104とを備えている。このブラケット104は、ダッシュロアパネル6に取り付けられ、ブレーキペダル装置102は、このブラケット104に取り付けられたピン軸106を介して揺動可能に支持されている。
次に、図21及び図22に示すように、ブレーキペダル装置102は、上部ペダル部材110、下部ペダル部材112、カム部材114、レバー部材(当接部材)116及び係合部材118を備え、下部ペダル部材112の下方端部にはペダル112aが取り付けられている。また、上部ペダル部材110には、孔110aを介してピストンロッド36の一端が連結され、このピストンロッド36の他端は、マスタバッグ16に連結されている。
上部ペダル部材110、上部ペダル部材110及びレバー部材116は、いすれもピン軸(第1揺動軸)106に取り付けられ、ピン軸106を中心に揺動するようになっている。通常時(非衝突時)、上部ペダル部材110、下部ペダル部材112及びレバー部材は一体でピン軸106を中心に揺動するようになっている。また、下部ペダル部材112は、上部ペダル部材110に対して車幅方向に移動出来るようにピン軸106に取り付けられている。
次に、カム部材114は、下部ペダル部材112より上方に突出した上部ペダル部材110の上方端部に、ピン軸(第2揺動軸)120を介して取り付けられ、ピン軸120を中心に回転するようになっている。このカム部材114は、通常時(非衝突時)、その下方部分の下部後方側面114bが、下部ペダル部材112の上端部に形成された前方に向けて斜め下方に延びる前方側面112bと当接している。このカム部材114は、その回転により第2ペダル部材112を強制的に車両前方側に向けて揺動させるようになっており、その板厚即ち車幅方向の幅は、下部ペダル部材112が車幅方向に移動しても、その前方側面112bと当接する大きさに形成されている。なお、カム部材114が下部ペダル部材112と一緒に車幅方向に移動するようにしても良い。
次に、図23に示すように、ピン軸106は、上部ペダル部材110、下部ペダル部材112及びレバー部材116にそれぞれ形成された孔110c、112c、116cに嵌め合わされ、このピン軸106の両端部がブラケット104に取り付けられる。また、ピン軸120は、カム部材114及び上部ペダル部材110の上端部110bにそれぞれ形成された孔114d、110dに嵌め合わされる。
また、上部ペダル部材110及び下部ペダル部材112には、それぞれ孔110c、112cから同じ距離だけ隔てた下方の位置に、球状に形成された係合部材118が嵌め合わされる嵌合孔部122、124が形成されている。これらの嵌合孔部122、124は、各ペダル部材110、112を車幅方向に貫通すると共に互いに対向する側に係合部材118の外面の曲率と同一の曲率に形成された還状の凹部122a、124aを有する。
図22に示すように、通常時には、各ペダル部材110、112は互いに重ね合わされ、嵌合孔部122、124は、このように重ね合わせたときに凹部122a、124aが互いに対向する位置に設けられ、これらの凹部122a、124aにより係合部材を車幅方向に挟み込むようになっている。
次に、図23に示すように、レバー部材116には、孔116cより下方の位置に、各ペダル部材110、112を保持するための係合保持部126が形成されている。図22及び図23に示すように、この係合保持部126は、側面部126a、折り曲げ部126b及び後面部126cを有し、側面部126aは、各ペダル部材110、112を車幅方向両側から挟み込んで相対的に車幅方向離れないように保持し、折り曲げ部126b及び後面部126cは、各ペダル部材110、112を前後方向に挟み込んで相対的に前後方向に揺動しないように保持している。
一方、係合保持部126の折り曲げ部126bは、衝突時にレバー部材116がインパネメンバ14に衝突すると、その衝撃力により変形して、係合保持部126と各ペダル部材110、112との係合を外すと共に下部ペダル部材112を上部ペダル部材110に対して車幅方向にずらして係合部材118が外れるように形成されている。
また、各ペダル部材110、112は、ブレーキ操作時に各ペダル部材110、112が確実に一体で揺動するように、係合部材118により前後方向に係合され、運転者のブレーキ操作即ちペダル112aに加えられる踏力によっても折り曲げ部126bに大きな力が加わって変形しないようにしている。
次に、図21及び図23に示すように、レバー部材116には、ピン軸106(孔116c)より上方の後面に第1当接部130が形成されている。この第1当接部130は、インパネメンバ14に対向してその前方で上下方向に延び、衝突によりブレーキペダル支持構造100が後退すると、インパネメンバ14に確実に衝突するようになっている。
また、レバー部材116には、ピン軸106(孔116c)より上方の前方側に、車幅方向に折り曲げたフランジ部(第2当接部)132が形成されている。この第2当接部132は、レバー部材116が各ペダル部材に対して相対的に揺動したときに、カム部材114の上方部分の後方側面114に衝突し、カム部材114を回転させるようになっている。
次に、図21、図22、図24及び図25により、本実施形態の作用を説明する。
本実施形態のブレーキペダル支持構造100は、通常時には、各ペダル部材110、112が係合保持部126及び係合部材118によりピン軸106を中心に一体的に揺動するようになっており、ペダル112aに加えられた踏力が、第1ペダル部材110に連結されたピストンロッド36に伝達される。
次に、図24に示すように、衝突時にブレーキペダル装置102が後退すると、レバー部材116の第1当接部130がインパネメンバ14に衝突し、レバー部材116は、ピン軸106を中心に図中Rで示す方向に揺動しようとする力を受ける。
このとき、係合保持部126の折り曲げ部126bは、第1当接部の衝突による衝撃力により、図22に示す状態から車両前後方向に真っ直ぐに延びるように変形し、その結果、重ね合わされている各ペダル部材110、112への前後方向の係合力が失われ、レバー部材116は各ペダル部材110、112に対して相対的に図中Rで示す方向に揺動する。
また、折り曲げ部126bは、このような変形と同時に、上部ペダル部材110及び下部ペダル部材112に図22中F4で示すような力を与え、上部ペダル部材110及び下部ペダル部材112は、それぞれ後方に移動しようとする。このとき、ブレーキ非操作時には、上部ペダル部材110は、ピストンロッド36に連結されているので、上部ペダル部材110がその場に留まろうとし、ブレーキ操作時には、下部ペダル部材112が踏力によりその場に留まろうとする。一方、上部ペダル部材110及び下部ペダル部材112は係合部材118で係合されているので、ブレーキ操作時及び非操作時のいずれにおいても、各ペダル部材110、112は後方に移動しにくくなっている。
このような状態において、係合部材118は球状に形成されているので、力F4を受けた各ペダル部材110、112は、この係合部材118を支点にするように、互いに車幅方向に広がろうとする。さらに、折り曲げ部126bが変形する際には、各ペダル部材との摩擦力により、図22中F5で示すような力を各ペダル部材110、112に与え、各ペダル部材110、112は互いに車幅方向に広がろうとする。
このとき、上部ペダル部材110はピストンロッド36に連結され車幅方向の移動が拘束されている一方、下部ペダル部材112は車幅方向に移動出来るようになっているので、下部ペダル部材112が上部ペダル部材110から離れるように車幅方向に移動する。
このようにして、重ね合わされている各ペダル部材110、112への前後方向の係合力及び車幅方向の係合力は失われると共に下部ペダル部材112が上部ペダル部材110から車幅方向に離れる。その結果、図25に示すように、係合部材118が嵌合孔部122、124から外れ、各ペダル部材は相対的に前後方向に揺動することが出来るようになる。
一方、図24に示すように、レバー部材116が図中Rで示す方向に揺動すると、第2当接部132がカム部材114の上方部分の上部後方側面114eに衝突し、カム部材114を図中Sで示す方向に回転させようとする。このとき、上述したように下部ペダル部材112は、上部ペダル部材110に対して相対的に前後方向に揺動することが出来るようになっているので、図25に示すように、カム部材114の下方部分の下部後方側面114bが、当接している下部ペダル部材112の上端部に形成された前方側面112bを後方に押し、その結果、下部ペダル部材112を、図中仮想線で示す状態から、図中実線で示す状態へと、図中Tで示す方向に強制的に揺動させることが出来る。
以上述べたように、本実施形態では、レバー部材116及びカム部材114により下部ペダル部材112を確実に強制変位させるようになっており、下部ペダル部材112の車室側への後退を防止することが出来る。
なお、本実施形態において、レバー部材(当接部材)116の第1当接部130を、上述した第1乃至第3実施形態のウイングカム(当接部材)50、80、90の当接部50g、50h、80g、90gのように形成し、また、レバー部材(当接部材)116の第2当接部132とカム部材114の上部後方側面114eとの距離を調整して、第1乃至第3実施形態で述べたような効果と同等の効果を得られるようにしても良い。
また、インパネメンバ(車体側補強部材)14に上述したような第1乃至第3実施形態の車体側当接部材32、92、94、96を設けることにより、第1乃至第3実施形態で述べたような効果と同等の効果を得られるようにしても良い。
さらに、レバー部材(当接部材)116の形状や延びる方向、及び、カム部材114の外径形状(プロファイル)や配置により、第1実施形態で述べたような、ウイングカム50の揺動特性と同等の特性、及び、連結機構60による連結長孔68の揺動特性と同等の特性を得て、これらの特性を加算することにより上述したような下部ペダル部材48の強制変位特性と同等の特性を得ることが出来る。
上述した本発明の第1乃至第4実施形態によるペダル支持構造は、ブレーキペダル装置に適用したものであるが、本発明は、その他、クラッチペダル装置やアクセルペダル装置等のその他のペダル装置にも適用できる。
以上、本発明の第1乃至第4実施形態によるペダル支持構造によれば、ペダル装置をコンパクトにユニット化すると共にペダルを車両前方へ確実に強制的に変位させることが出来る。
本発明の第1実施形態による車両のブレーキペダル支持構造を備えた車両の前方部分の概略を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態によるブレーキペダル支持構造を備えた車両の前方部分の概略を示す側面図である。 本発明の第1実施形態によるブレーキペダル支持構造を左側後方から見た斜視図である。 本発明の第1実施形態によるブレーキペダル支持構造を右側後方から見た斜視図である。 本発明の第1実施形態による車両のブレーキペダル支持構造のユニット化されたブレーキペダル装置を左側前方から見た斜視図である。 本発明の第1実施形態によるブレーキペダル装置を右側前方から見た斜視図である。 本発明の第1実施形態によるブレーキペダル支持構造の主要部品展開図である。 本発明の第1実施形態によるブレーキペダル支持構造の第1上部ペダル部材、下部ペダル部材及び第2上部ペダル部材をそれぞれ左側から見た側面図である。 本発明の第1実施形態によるブレーキペダル支持構造を後方から見た正面図である。 各ペダル部材及びウイングカムの互いの寸法関係及び連結状態を説明するための図9のブレーキペダル装置の部分拡大正面図である。 本発明の第1実施形態によるブレーキペダル支持構造を左側から見た側面図である。 本発明の第1実施形態によるブレーキペダル支持構造を右側から見た側面図である。 本発明の第1実施形態によるブレーキペダル支持構造の通常時におけるブレーキ非操作時(a)及びブレーキ操作時(b)での位置を示す側面図である。 図13のA−A線に沿って見たウイングカム及びインパネメンバの被衝突部材の部分断面図である。 本発明の第1実施形態によるブレーキ非操作時(a)及び操作時(b)におけるブレーキペダル装置の後退時の作用を説明するためのブレーキペダル装置の状態の一例を示す側面図である。 本発明の第1実施形態によるウイングカムの揺動速度特性(a)、連結機構による長孔の揺動特性(b)及び下部ペダル部材の強制変位速度特性(c)を示す線図である。 本発明の第1実施形態によるストッパ部材の作用を説明するためのブレーキペダル装置を左側から見た側面図である。 本発明の第2実施形態によるブレーキペダル支持構造を左側から見た側面図である。 本発明の第3の実施形態によるブレーキペダル支持構造を左側から見た側面図である。 本発明の第3の実施形態における車体側当接部材の変形例を示す側面図である。 本発明の第4実施形態による車両のブレーキペダル支持構造を左側から見た側面図である。 図21のB−B線に沿って見たブレーキペダル装置の断面図である。 本発明の第4実施形態によるブレーキペダル支持構造のブレーキペダル装置の主要部品展開図である。 本発明の第4実施形態によるブレーキペダル支持構造の後退時の作用を説明するためのブレーキペダル支持構造の側面図である。 本発明の第4実施形態によるブレーキペダル支持構造の後退時の作用を説明するためのブレーキペダル支持構造の側面図である。
符号の説明
1 車両
2 車室
6 ダッシュロアパネル(ダッシュパネル)
14 インパネメンバ(車体側補強部材)
30 ブレーキペダル支持構造
32、92、94、96 車体側当接部材
32a、92a、94a、96a 車体側当接部材の当接面
34 ブレーキペダル装置
38 ペダルブラケット
40 ブレーキハブ(第1揺動軸)
42 ストッパ部材
44 第1上部ペダル部材
46 第2上部ペダル部材
48 下部ペダル部材
48a 下部ペダル部材の上方部分
48b 下部ペダル部材の下方部分
48c ペダル
50、80、90 ウイングカム(当接部材)
50a ウイングカムの第1部分(前方部分)
50b ウイングカムの第2部分(上方部分)
50g、80g、90g 当接部(第1当接部)
50h 延長部(第2当接部)
52 第1ピン
54 第2ピン(第2揺動軸)
56 第3ピン(第3揺動軸)
60 連結機構
66 ピンボルト(ピン手段の本体部)
66a ピンボルトのヘッド部
66b ピンボルトのリンク部
66c ピンボルトのねじ部
68 連結長孔
68a、70a、72a 通常位置
68b、70b、72b 摺動範囲
70、72 ガイド長孔
74 ナット(ピン手段の固定部)
100 ブレーキペダル支持構造
102 ブレーキペダル装置
104 ブラケット
106 ピン軸(第1揺動軸)
110 上部ペダル部材
112 下部ペダル部材
112a ペダル
112b 前方側面
114 カム部材
114b 下部後方側面
114e 上部後方側面
116 レバー部材(当接部材)
118 係合部材
120 ピン軸(第2揺動軸)
122、124 係合孔部
122a、124a 環状の凹部
126 係合保持部
126a 側面部
126b 折り曲げ部
126c 後面部
130 第1当接部
132 フランジ部(第2当接部)

Claims (9)

  1. ダッシュパネルが車室内前方に配置され、このダッシュパネルに固定されたペダルブラケットにペダル装置を揺動可能に支持する車両のペダル支持構造であって、
    上記ペダルブラケットより車体後方側に車幅方向に延びるように配置された車体側補強部材と、
    上記ペダルブラケットに揺動可能に支持された上部ペダル部材と、
    この上部ペダル部材に揺動可能に支持されその下端部にペダルを備えた下部ペダル部材と、
    上記上部ペダル部材に揺動可能に支持され、通常時に上記車体側補強部材と当接せず、衝突時に車体後方に移動し上記車体側補強部材と当接する当接部を備えた当接部材と、
    上記上部ペダル部材を揺動可能に支持する第1の揺動軸と、
    上記当接部材を揺動可能に支持する上記上部ペダル部材に設けられた第2の揺動軸と、
    上記下部ペダル部材を揺動可能に支持する上記上部ペダル部材に設けられた第3の揺動軸と、
    上記当接部材の上記第2の揺動軸より前方に位置する上記当接部材の前方部分と、
    この当接部材の前方部分の端部に設けられたピン手段と、
    上記下部ペダル部材の上記第3の揺動軸よりも下方に位置する下部ペダル部材の下方部分と、
    上記下部ペダル部材の上記第3の揺動軸よりも上方に位置する下部ペダル部材の上方部分と、を有し、
    この上方部分には、上記ピン手段が挿入されると共にその中を移動するようになっている連結用長孔が形成され、
    上記上部ペダル部材には、上記ピン手段が挿入されると共に上記ピン手段が上記連結用長孔内を移動するとき上記ピン手段の移動をガイドするガイド用長孔が形成され、
    上記上部ペダル部材と上記下部ペダル部材とは、上記第3の揺動軸及び上記ピン手段を介して連結され、上記上部ペダル部材に揺動可能に取り付けられた上記当接部材が上記第2の揺動軸を中心に揺動すると、上記ピン手段が上記連結用長孔内を移動して、上記下部ペダル部材の上記下方部分を車両前方側に変位させるようになっており、
    上記ガイド用長孔には、上記ピン手段を通常時の位置に保持する保持部が形成され、
    上記下部ペダル部材の上記下方部分は、通常時には、上記ピン手段が上記ガイド用長孔の上記保持部により保持されることにより上記上部ペダル部材に対し相対変位しないようにされ、衝突時には、上記当接部材の当接部が上記車体側補強部材と当接して揺動することにより上記ピン手段が上記ガイド用長孔の上記保持部を破壊して移動することにより上記上部ペダル部材に対し車体前方側に強制的に変位するようになっていることを特徴とする車両のペダル支持構造。
  2. ダッシュパネルが車室内前方に配置され、このダッシュパネルに固定されたペダルブラケットにペダル装置を揺動可能に支持する車両のペダル支持構造であって、
    上記ペダルブラケットより車体後方側に車幅方向に延びるように配置された車体側補強部材と、
    上記ペダルブラケットに揺動可能に支持された上部ペダル部材と、
    この上部ペダル部材に揺動可能に支持されその下端部にペダルを備えた下部ペダル部材と、
    上記上部ペダル部材に揺動可能に支持され、通常時に上記車体側補強部材と当接せず、衝突時に車体後方に移動し上記車体側補強部材と当接する当接部を備えた当接部材と、
    上記上部ペダル部材を揺動可能に支持する第1の揺動軸と、
    上記当接部材を揺動可能に支持する上記上部ペダル部材に設けられた第2の揺動軸と、
    上記下部ペダル部材を揺動可能に支持する上記上部ペダル部材に設けられた第3の揺動軸と、
    上記当接部材の上記第2の揺動軸より前方に位置する当接部材の前方部分と、
    この当接部材の前方部分の端部に設けられたピン手段と、
    上記下部ペダル部材の上記第3の揺動軸よりも下方に位置する下部ペダル部材の下方部分と、
    上記下部ペダル部材の上記第3の揺動軸よりも上方に位置する下部ペダル部材の上方部分と、を有し、
    この上方部分には、上記ピン手段が挿入されると共にその中を移動するようになっている連結用長孔が形成され、
    上記上部ペダル部材には、上記ピン手段が挿入されると共に上記ピン手段が上記連結用長孔内を移動するとき上記ピン手段の移動をガイドするガイド用長孔が形成され、
    上記上部ペダル部材と上記下部ペダル部材とは、上記第3の揺動軸及び上記ピン手段を介して連結され、上記上部ペダル部材に揺動可能に取り付けられた上記当接部材が上記第2の揺動軸を中心に揺動すると、上記ピン手段が上記連結用長孔内を移動して、上記下部ペダル部材の上記下方部分を車両前方側に変位させるようになっており、
    上記上部ペダル部材、上記第2の揺動軸及び上記ピン手段は、上記ピン手段の通常時の位置での上記ガイド用長孔の延びる方向が、上記第2の揺動軸と上記ピン手段とを結ぶ線が延びる方向に対して直交するように設けられ、これにより、上記下部ペダル部材の上記下方部分は、通常時には、上記下部ペダル部材が踏まれても上記ピン手段が上記ガイド用長孔の摩擦力により保持されて上記上部ペダル部材に対し相対変位しないようにされ、衝突時には、上記当接部材の当接部が上記車体側補強部材と当接して揺動することにより上記ピン手段が上記ガイド用長孔との摩擦力に打ち勝ち移動して上記上部ペダル部材に対し車体前方側に強制的に変位するようになっていることを特徴とする車両のペダル支持構造。
  3. ダッシュパネルが車室内前方に配置され、このダッシュパネルに固定されたペダルブラケットにペダル装置を揺動可能に支持する車両のペダル支持構造であって、
    上記ペダルブラケットより車体後方側に車幅方向に延びるように配置された車体側補強部材と、
    上記ペダルブラケットに揺動可能に支持された上部ペダル部材と、
    この上部ペダル部材に揺動可能に支持されその下端部にペダルを備えた下部ペダル部材と、
    上記上部ペダル部材に揺動可能に支持され、通常時に上記車体側補強部材と当接せず、衝突時に車体後方に移動し上記車体側補強部材と当接する当接部を備えた当接部材と、
    上記上部ペダル部材を揺動可能に支持する第1の揺動軸と、
    上記当接部材を揺動可能に支持する上記上部ペダル部材に設けられた第2の揺動軸と、
    上記下部ペダル部材を揺動可能に支持する上記上部ペダル部材に設けられた第3の揺動軸と、
    上記当接部材の上記第2の揺動軸より前方に位置する当接部材の前方部分と、
    この当接部材の前方部分の端部に設けられたピン手段と、
    上記下部ペダル部材の上記第3の揺動軸よりも下方に位置する下部ペダル部材の下方部分と、
    上記下部ペダル部材の上記第3の揺動軸よりも上方に位置する下部ペダル部材の上方部分と、を有し、
    この上方部分には、上記ピン手段が挿入されると共にその中を移動するようになっている連結用長孔が形成され、
    上記上部ペダル部材と上記下部ペダル部材とは、上記第3の揺動軸及び上記ピン手段を介して連結され、上記上部ペダル部材に揺動可能に取り付けられた上記当接部材が上記第2の揺動軸を中心に揺動すると、上記ピン手段が上記連結用長孔内を移動して、上記下部ペダル部材の上記下方部分を車両前方側に変位させるようになっており、
    上記下部ペダル部材、上記第2の揺動軸、上記第3の揺動軸及び上記ピン手段は、上記連結用長孔が、上記下部ペダル部材の上記第3の揺動軸の半径方向に沿って延びると共に、その延びる方向が上記第2の揺動軸と上記ピン手段とを結ぶ線が延びる方向に対して直交するように設けられ、これにより、上記下部ペダル部材の上記下方部分は、通常時には、上記下部ペダル部材が踏まれても上記ピン手段が上記連結用長孔の摩擦力により保持されて上記上部ペダル部材に対し相対変位しないようにされ、衝突時には、上記当接部材の当接部が上記車体側補強部材と当接して揺動することにより上記ピン手段が上記連結用長孔との摩擦力に打ち勝ち移動して上記上部ペダル部材に対し車体前方側に強制的に変位するようになっていることを特徴とする車両のペダル支持構造。
  4. ダッシュパネルが車室内前方に配置され、このダッシュパネルに固定されたペダルブラケットにペダル装置を揺動可能に支持する車両のペダル支持構造であって、
    上記ペダルブラケットより車体後方側に車幅方向に延びるように配置された車体側補強部材と、
    上記ペダルブラケットに揺動可能に支持された上部ペダル部材及び下端部にペダルを備えた下部ペダル部材と、
    これらの上部ペダル部材及び下部ペダル部材を車体前後方向に係合可能な係合部材と、
    通常時に上記車体側補強部材と当接せずに上記係合部材による上記上部ペダル部材及び上記下部ペダル部材の車体前後方向の係合を保持するようにし、衝突時に車体後方に移動して上記車体側補強部材と当接し揺動することで上記係合部材による上記上部ペダル部材及び上記下部ペダル部材の車体前後方向の係合を解放するようにする係合保持部が形成された当接部材と、
    衝突時に上記当接部材と当接して揺動し上記下部ペダル部材の下方部分を車体前方側に強制的に変位させるカム部材と、
    上記上部ペダル部材、上記下部ペダル部材及び上記当接部材を揺動可能に支持する第1の揺動軸と、
    上記カム部材を揺動可能に支持する、上記第1の揺動軸とは異なる位置に設けられた第2の揺動軸と、を有し、
    上記カム部材は、上記第2の揺動軸を挟んで、その一端が上記当接部材が揺動した際に上記当接部材と当接する位置に配置され、他端が衝突時の回転により上記下部ペダル部材の下方部分が車体前方側に変位するよう上記下部ペダル部材の上記第1の揺動軸より上方部分に当接する位置に配置され、
    上記下部ペダル部材の下方部分は、通常時には、上記係合保持部により上記係合部材による上記上部ペダル部材及び上記下部ペダル部材の車体前後方向の係合が解放されずに上記上部ペダル部材に対し相対変位しないようにされ、衝突時には、上記当接部材の当接部が上記車体側補強部材と当接して揺動することにより上記カム部材が上記下部ペダル部材の第1の揺動軸より上方の部分に当接して上記係合保持部により上記係合部材の係合を解放することにより上記上部ペダル部材に対し車体前方側に強制的に変位するようになっていることを特徴とする車両のペダル支持構造。
  5. 上記当接部材の揺動軸より前方に位置する前方部分が、通常時に、上記下部ペダル部材の連結用長孔にほぼ直交する方向に設けられている請求項記載の車両のペダル支持構造。
  6. 上記連結用長孔が、下部ペダル部材の揺動軸の半径方向に沿って延びている請求項記載の車両のペダル支持構造。
  7. 上記上部ペダル部材、上記下部ペダル部材及び上記当接部材は、それぞれの揺動軸が平面視で所定の同一空間内に位置するように配置されている請求項1乃至6の何れか1項に記載の車両のペダル支持構造。
  8. 上記当接部材及び上記連結機構は、衝突時、上記下部ペダル部材の強制変位量が、衝突初期よりも衝突後期の方が大きくなるように、上記当接部材の揺動特性及び連結用長孔の揺動特性が構成されている請求項1乃至4の何れか1項に記載の車両のペダル支持構造。
  9. 上記ピン手段は、上記連結用長孔に挿入されると共に上記当接部材を貫通する本体部及びこの本体部を上記当接部材に固定する固定部で構成され、上記ペダルブラケットは、上記連結機構のピン手段の頭部側を覆い且つ上記ピン手段が上記連結用長孔及び上記当接部材から抜けない位置に近接して配置されている請求項1乃至3の何れか1項に記載の車両のペダル支持構造。
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