JP4029808B2 - 自動車のペダル支持構造 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車のダッシュパネル後方に配置される操作ペダルの支持構造に関するものである。
一般に、自動車の衝突(前突)時には、その衝突を回避するためにドライバがブレーキペダルを踏んで自動車を制動しているにもかかわらず、自動車が停止せずに衝突してしまうというブレーキペダルの踏み込み状態での衝突が多い。
その場合、衝突に伴って車体前部が衝突エネルギーを吸収しながら潰れ、エンジンルーム内に配置されているエンジンが、その後側に位置するエンジンルームと車室とを仕切るダッシュパネルを押しながら後退する。ダッシュパネルの車体前側には、マスタシリンダが設けられ、このマスタシリンダに対し、ダッシュパネル後方に位置するブレーキペダルがオペレーティングロッドを介して連結されている。このため、ダッシュパネル(マスタシリンダ)の後退移動に伴いオペレーティングロッドを介してプレーキペダルも押されて後退することとなる。その結果、衝突直前までブレーキペダルのペダル部(踏み込み部)を踏んでいるドライバの足にステアリングホイルを支持するステアリングコラム等が干渉し易い状態となる。
従って、ドライバの足に作用する衝撃を緩和するためには、ダッシュパネルに上記のような変形が生じた際に、フットスペースを確保する必要がある。つまり、ブレーキペダルのペダル部が車体後方へ移動するのを抑制することができれば、ダッシュパネルの変形にかかわらず、運転席の足下に大きなスペースを維持することができる。
そこで、ダッシュパネルに車室側へ向かう変形が生じた際に、ブレーキペダル等の操作ペダルのペダル部を車体前方へ相対移動させる自動車のペダル支持構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この自動車のペダル支持構造では、ダッシュパネルに固定されたペダルブラケットに操作ペダルが前後に揺動するように支持されているとともに、このペダルブラケットが車体後方へ相対移動するとき、上記操作ペダルのペダル部を車体前方へ相対移動させるガイド機構を備えている。このガイド機構は、強度メンバとしてのインパネメンバに固定されて車体後方に向かうほど低くなるように傾斜したガイド面を有するガイド部材と、ペダルブラケットにガイド面と当接するように形成した1つの板状の当接部とを備えている。
特許第3267145号公報
ところで、自動車の衝突直後には、ガイド部材を支えるインパネメンバの損傷を防止するために、該インパネメンバへの荷重を軽減する必要がある。このため、ペダルブラケットを車両後方へ押圧する力の成分の大部分を当接部がガイド部材のガイド面に沿って移動する方向に向けさせなけらばならない。よって、ガイド部材のガイド面の傾斜角は当接部の当接直後は小さい方がよい。
一方、操作ペダルのペダル部が車体後方へ移動するのを抑制するためには、後方へ移動しているダッシュパネル側を支点としてペダルブラケットを後回りに大きく回転させる必要がある。そのためには、上記ガイド面の長さを長くすることでペダルブラケットの回転量を稼がなければならない。
しかし、ガイド部材が設けられるインストルメントパネル内は、メータ等の内装品が多数あり、ガイド部材の設置スペースを大きく取ることはできない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ガイド機構の構成に工夫を加えることにより、ガイド部材を小型化しても確実に操作ペダルのペダル部が車体後方へ移動するのを抑制することにある。
また、本発明の目的とするところは、ガイド機構の構成に工夫を加えることにより、ガイド部材を小型化してもインパネメンバへの衝撃荷重を軽減させることにある。
さらに、本発明の目的とするところは、ガイド機構の構成に工夫を加えることにより、当接部とガイド面との接触面積を小さくして摩擦抵抗を軽減することにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、複数の当接部をペダルブラケットに設けるようにした。
具体的には、第1の発明では、ダッシュパネルに固定されたペダルブラケットに操作ペダルが前後に揺動するように支持されているとともに、自動車の衝突時に上記ペダルブラケットが車体後方へ移動したとき、上記操作ペダルのペダル部が車体後方へ移動するのを抑制するように上記ペダルブラケットの姿勢を変化させるガイド機構を備えている自動車のペダル支持構造を対象とする。
そして、上記ガイド機構は、インストルメントパネル内を車体左右方向に延びる強度メンバに固定され、車体後方へ向かうほど低くなるように傾斜したガイド面を有するガイド部材と、上記ペダルブラケットに設けられ、該ペダルブラケットの車体後方への移動に伴って上記ガイド面に順次当接して該ガイド面を摺動することによってペダルブラケットの姿勢を変化させる複数の当接部とを備え
上記複数の当接部として、操作ペダルを支持する円柱状又は円筒状の支軸によって構成された第1当接部と、円柱状又は円筒状のピン部材によって構成された第2当接部とを備え、
上記第2当接部は第1当接部よりも車体前方側に設けられ、
上記第2当接部がガイド部材のガイド面に当接した後に、第1当接部が該ガイド面から離脱するように構成されている。
上記の構成によると、自動車が衝突したときにダッシュパネルが後方移動すると、ペダルブラケットは、ダッシュパネル側のみが固定された状態で車体後方へ移動する。この状態で、ペダルブラケットに設けられた複数の当接部が強度メンバに設けられたガイド部材のガイド面に順次当接するので、ペダルブラケットはガイド面に誘導されてその姿勢を変化させながら移動する。つまり、ペダルブラケットのダッシュパネル側を支点としてペダルブラケットが後回りに回転されるので、このペダルブラケットに揺動可能に支持された操作ペダルのペダル部が車体後方へ移動するのを確実に抑制する。このため、ドライバの足下に大きなスペースが確保される。
このとき、本発明では、当接部を複数設けてペダルブラケットのダッシュパネル側の支点と、ガイド部材のガイド面と摺動している当接部との距離を変化させてペダルブラケットの姿勢の変化する度合いをコントロールしているので、ガイド部材のガイド面の長さを短くしても操作ペダルのペダル部が車体後方へ移動するのを抑制することができる。従って、ガイド部材を小型化することができる。
また、当接部の位置を調整することで、最初の当接時にガイド面に伝わる荷重を水平方向へ向けることができるので、ガイド部材を小型化しても強度メンバへの衝撃荷重を軽減させることができる。
また、上記の構成によると、当接部が2段階で当接することによって、ペダルブラケットを、その姿勢を変化させながら移動させることができる。また、第1当接部と第2当接部とが同時にガイド部材のガイド面に当接するときがあるので、その間、第1当接部と第2当接部とでその負荷を分担することができる。よって、第2当接部に係る荷重を軽減することができる。
また、上記の構成によると、当接部がガイド部材のガイド面に対して線接触することができるので、従来のような板状の1つの当接部とガイド面との面同士の接触に比べてその摩擦抵抗をより軽減することができる。また、当接部の断面が円形であるため、当接部間の間隔を小さくすることができ、レイアウト上有利である。さらに、操作ペダルを支持する支軸は剛性が高く、その支軸を第1当接部として利用できるので、別途第1当接部を設ける必要はない。従って、コスト面及びレイアウト面で有利である。
第2の発明では、第1当接部の離脱後に第2当接部がガイド部材のガイド面を摺接しているとき、第1当接部がガイド部材のガイド面を摺動しているときよりも大きくペダルブラケットがダッシュパネル側を中心に後回りに回転され、操作ペダルのペダル部が車体後方へ移動するのを抑制するように、第1当接部及び第2当接部が配置されている。
上記の構成によると、第1当接部がガイド部材のガイド面を摺動しているときには、ペダルブラケットが緩やかにダッシュパネル側を中心に回転されるので、ペダルブラケットを車両後方へ押圧する力の成分のうち、その大部分を当接部がガイド部材のガイド面に沿って摺動する方向に向けることができる。従って、ペダルブラケットが容易にガイド機構によって後方に変位されるので、ガイド部材を支える強度メンバへの荷重を軽減することができる。
一方、第2当接部がガイド部材のガイド面を摺動しているときには、ダッシュパネル側の支点とガイド面を摺動する第2当接部との距離が上記第1当接部がガイド面を摺動しているときに比べて短くなり、ダッシュパネル側を支点としてペダルブラケットがより一層大きく後回りに回転されるので、ペダルブラケットに支持される操作ペダルのペダル部が車体後方へ移動するのを抑制することができる。
第3の発明では、操作ペダルはブレーキペダルとする。
上記の構成によると、自動車の衝突時には、その衝突を回避するためにドライバがブレーキペダルを踏んで自動車を制動しているので、ドライバの足に負担がかかり易いが、本発明によると、運転席の足下に大きなスペースを維持することができるため、本発明の作用効果がさらに顕著に発揮される。
以上説明したように、上記第1の発明の自動車のペダル支持構造では、衝突時のペダルブラケットの移動に伴って順次複数の当接部をガイド部材のガイド面に当接させている。このため、ガイド部材を小型化しても確実に操作ペダルのペダル部が車体後方へ移動するのを抑制して、運転席の足下に大きなスペースを維持することができる。また、ガイド部材を小型化しても強度メンバへの衝撃荷重を軽減させることができる。
また、第2当接部をガイド部材のガイド面に当接させた後に、第1当接部をガイド面から離脱させている。このため、第2当接部の軽量化が行える。
また、操作ペダルの支軸によって第1当接部を構成し、第2当接部を円柱状又は円筒状のピン部材で構成している。このため、コスト面及びレイアウト面で有利な自動車のペダル支持構造が得られる。
上記第2の発明では、第1当接部の離脱後に第2当接部がガイド部材のガイド面を摺接しているとき、ペダルブラケットをダッシュパネル側を中心に大きく後回りに回転させている。このため、本発明の作用効果が顕著に発揮される自動車のペダル支持構造が得られる。
上記第3の発明では、操作ペダルをブレーキペダルとしている。このため、本発明の効果がさらに顕著に発揮される。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
図1は自動車のペダル支持構造が設けられた左ハンドル車の前部車室内を示す。図2にも示すように、1は自動車の車体の一部を構成するダッシュパネルで、その前側にはエンジン2が収容されるエンジンルーム3が、また後側には車室5がそれぞれ区画形成されている。このダッシュパネル1の上部後方における車室5の前端部のインストルメントパネル(図示せず)内には、左右方向に延びるインパネメンバ9が設けられている。
インパネメンバ9は、車体左右のフロントピラー7,7間に接続され、自動車の衝突時に車室5内の乗員のスペースを確保するための強度メンバとして構成されており、このインパネメンバ9にはステアリングシャフト11が固定されている。このステアリングシャフト11を挟むように、その右側にアクセルペダル13が配設され、左側にブレーキペダル15が配設されている。このアクセルペダル13及びブレーキペダル15は、運転席(図示せず)に着座したドライバによって踏み込み操作される。上記アクセルペダル13及びブレーキペダル15は、細長い板状のもので、その下端部にはドライバが足を載せて踏み込むペダル部14,16が設けられている。
上記ダッシュパネル1の上部4の後面にはブレーキペダル15を支持するペダルブラケット17がボルト部材により固定されている。このボルト部材はマスタバック33をダッシュパネル1の前面に取り付けることにも兼用されており、ダッシュパネル1を貫通してその後面に突出している。
ペダルブラケット17の後端部にブレーキペダル15が車体左右方向に延びるペダル軸41によって前後に揺動できるように支持されている。ペダル軸41は円柱体の丸棒からなる。ブレーキペダル15は、リターンスプリング(図示せず)によって車体後方側へ戻るように付勢されている。ブレーキペダル15の中間部にはオペレーティングロッド31(シリンダ側のロッド)が連結されている。このオペレーティングロッド31は、ペダルブラケット17及びダッシュパネル1の上部4を貫通してエンジンルーム3の後端部のマスタシリンダ(図示せず)にマスタバック33(倍力装置)を介して連結されている。
上記ブレーキペダル15のペダル部16を踏み込んでブレーキペダル15を図2で時計回り方向に回動させると、オペレーティングロッド31に押されてマスタバック33が作動し、そのマスタバック33によりマスタシリンダに対する押圧力が増大し、該マスタシリンダからの油圧により車輪にブレーキがかけられる。
次に、自動車の衝突時にペダルブラケット17の姿勢を変化させてブレーキペダル15のペダル部16が車体後方へ移動するのを抑制するために採用した構造を説明する。
図2に示すように、インパネメンバ9には前側に向かって斜め下方に延びるブラケット51が固定され、このブラケット51の下部の前面にガイド部材53が固定されている。
図3に示すように、ペダルブラケット17とガイド部材53とは、ペダルブラケット17の車体後方への離脱を可能とする締結機構40によって締結されている。また、ペダルブラケット17には当接ピン42が設けられており、ペダルブラケット17のペダル軸41、当接ピン42及びガイド部材53は、ペダルブラケット17が車体後方へ移動するとき、ブレーキペダル15のペダル部16が車体後方へ移動するのを抑制するようにペダルブラケット17の姿勢を変化させるガイド機構を構成している。
図4に示すように、ペダルブラケット17は、ダッシュパネル1の上部4に取り付けられた矩形板状の固定部19と、この固定部19から後側に向かって斜め上方へ延びる支持部21とを備えている。支持部21は下側が開口したチャンネル形に形成されている。支持部21の基端(前端)の上端には、該支持部21の両側壁の上部に切欠き21aが設けられて下方へ折れ曲がり易い脆弱部、すなわち、ペダルブラケット17が姿勢変化をするときの折曲げ起点22が形成されている。
まず、締結機構40について説明すると、図3に示すように、ペダルブラケット17の支持部21の後端上部23には、左右に並んで前後方向に平行に延びる2本のスロット25,25が形成されている。この両スロット25,25の前端は支持部21に形成された開放部27に連通している。
一方、ガイド部材53は、下側が開口したチャンネル形のものであって車体前後方向に延び、その前部がペダルブラケット17の支持部21の後端部に上から外嵌めされている。そうして、各スロット25,25に通したボルト61,61にナット(図示省略)を適用して、当該ペダルブラケット17とガイド部材53とが締結されている。
従って、ペダルブラケット17は、その前端がダッシュパネル1に結合され、その後端上部23が上記締結機構40によってインパネメンバ9側のガイド部材53に結合されているので、自動車の非衝突時にはブレーキペダル15を強固に支持する剛性メンバとして機能する。一方、ペダルブラケット17は、自動車の衝突に伴って車体後方へ強く押されると、ボルト61,61がスロット25,25の前端開口から抜けることによってガイド部材53との締結が外れ、後方へ離脱することになる。
次にガイド機構について説明する。図3に示すように、ペダルブラケット17のペダル軸41は、支持部21の左右の側壁を貫通してその両外側に突出しており、この両突出部43が自動車の衝突(前突)時にインパネメンバ9側のガイド部材53に当接するようになっている。すなわち、本例のペダル軸41の突出部43はガイド機構の第1当接部を構成している。
当接ピン42は、ペダル軸41よりも車体前方側に配置されていて、車体左右方向に延びてペダルブラケット17の左右の側壁に支持されているとともに、両端部47がこの左右の側壁を貫通してその両外側に突出している。この当接ピン42の両端突出部47は、ガイド部材53に当接する第2当接部を構成している。当接ピン42も円柱体の丸棒からなる。図4に示すように、ペダルブラケット17の折曲げ起点22から当接ピン(第2当接部)42までの長さは、該折曲げ起点22からペダル軸(第1当接部)41までの長さよりも短くなっている。
ガイド部材53は、左右側壁部55の下端に外側に張り出したフランジを備え、このフランジの下面はペダル軸41の両突出部43及び当接ピン42の両突出部47が当接して摺動するガイド面57に形成されている。このガイド面57は図4にも示すように車体後方へ向かうほど低くなるように傾斜している。
そして、上記ペダル軸41及び当接ピン42は、ペダルブラケット17の車体後方への移動に伴って上記ガイド面57に順次当接し、このガイド面57を摺動することによってペダルブラケット17の姿勢を変化させるようになっている。
−作用−
次に、上記実施形態に係る自動車のペダル支持構造の作用について説明する。ドライバがブレーキペダル15を踏み込んだ制動状態のまま自動車が衝突(前突)すると、車体前部が潰れながら後退するため、エンジンルーム3内のエンジン2が後退し、このエンジン2に押されてマスタシリンダ、マスタバック33及びオペレーティングロッド31が後退移動し、このオペレーティングロッド31に連結されているブレーキペダル15も後退し始める。
このとき、図3及び図4に示す状態から、ダッシュパネル1が後方に移動してペダルブラケット17も後方に移動する。そして、ガイド部材53の前端上部59のボルト61,61がペダルブラケット17の後端上部23のスロット25,25から開放部27へ抜け出し、ペダルブラケット17がガイド部材53から後方へ離脱する。このことで、ペダルブラケット17は、ダッシュパネル1側のみが固定された片持ち状態になり、この状態で変形されながら車体後方へ移動する。
次いで、図5に示すように、上記ペダルブラケット17の後部に設けられたペダル軸41がガイド部材53のガイド面57に当接する。このとき、自動車の衝突前にはガイド部材53のガイド面57と非接触状態にあるペダル軸41が、ダッシュパネル1の移動に伴って加速されてからガイド面57に当接する。なお、図5及び図6では、ダッシュパネル1を省略している。
次に、ペダルブラケット17の前部がダッシュパネル1に押圧されながら、ペダル軸41の両端部43,43はガイド部材53のガイド面57を摺動する。このとき、ペダルブラケット17は、基端側の折曲げ起点22で折れ曲がることにより、この折曲げ起点22とガイド面57を摺動するペダル軸41との位置関係からペダルブラケット17が緩やかに折曲げ起点22を中心に後回りに(ペダルブラケット17の前部が上方に且つ後部が下方に向かうように)回転する。このため、ペダルブラケット17を車両後方へ押圧する力の成分のうち、その大部分はペダル軸41がガイド部材53のガイド面57に沿って摺動する方向に向けられ、ペダル軸41はガイド面57を滑らかに摺動する。
次いで、図6に示すように、当接ピン42がガイド面57に当接した後、ペダル軸41がガイド部材53のガイド面57から離脱する
次に、当接ピン42がガイド部材53のガイド面57を摺動しているときには、折曲げ起点22とガイド面57を摺動する当接ピン42との距離が上記ペダル軸41がガイド面57を摺動しているときに比べて短くなり、折曲げ起点22を中心にペダルブラケット17がより一層大きく後回りに回転する。このため、ペダルブラケット17に支持されるブレーキペダル15のペダル部16の車体後方への移動が抑制される。
−実施形態の効果−
本実施形態の自動車のペダル支持構造は、衝突時のペダルブラケット17の移動に伴って、ペダル軸41と当接ピン42とをガイド部材53のガイド面57に順次当接させている。また、ペダル軸41の離脱後に当接ピン42がガイド部材53のガイド面57を摺接しているとき、ペダルブラケット17を折曲げ起点22を中心に大きく後回りに回転させている。このため、ガイド部材53を小型化しても確実にブレーキペダル15のペダル部16が車体後方へ移動するのを抑制して、運転席の足下に大きなスペースを維持することができる。また、ガイド部材53を小型化してもインパネメンバ9への衝撃荷重を軽減させることができる。
また、本実施形態では、当接ピン42がガイド部材53のガイド面57に当接した後に、ペダル軸41がガイド面57から離脱するように構成している。このことで、ペダル軸41と当接ピン42とが同時にガイド部材53のガイド面57に当接するときがあるので、その間、ペダル軸41と当接ピン42とでその負荷を分担することができ、当接ピン42に係る荷重を軽減することができる。よって、当接ピン42の軽量化が行える。
本実施形態では、ペダル軸41と当接ピン42とを円柱状のピン部材としている。このため、ペダル軸41と当接ピン42とがガイド部材53のガイド面57に対して線接触することができるので、従来のような面同士の接触に比べてガイド面57との摩擦抵抗を軽減することができる。また、レイアウト上有利であり、ペダル軸41と当接ピン42との位置関係の調整が容易でペダルブラケット17の姿勢の変化の度合いを調整し易い。
本実施形態では、ブレーキペダル15を支持するペダル軸41を第1当接部としている。このため、別途第1当接部を設ける必要はないので、コスト面及びレイアウト面で有利である。
本実施形態では、ブレーキペダル15に本発明を適用している。自動車の衝突時には、その衝突を回避するためにドライバがブレーキペダル15を踏んで自動車を制動しているので、ドライバの足に負担がかかり易いが、本実施形態によると、運転席の足下に大きなスペースを維持することができるため、ドライバの足を保護することができる。
次に、具体的にペダル軸41と当接ピン42の位置を検討した例について図7〜図9を用いて説明する。なお、本実施例では、自動車の衝突時にダッシュパネル1が水平方向後側へ変位すると仮定している。
比較例として、上記実施形態に係る自動車のペダル支持構造とは、ペダルブラケット17に当接ピン42を設けずにペダル軸41のみを設けた点で異なるものを使用した。この比較例において、自動車の衝突時のペダルブラケット17が折曲げ起点22を中心に回転されながら移動する様子を図7に示す。破線はペダル軸41の動きを示す。ペダル軸41はガイド面57に平行にしか移動していないことが判る。
運転席の足下に大きなスペースを維持するために、ペダル軸41を下方へ落ち込み量hだけ移動させてペダルブラケット17を後回りに回転させる場合を考えると、ガイド部材53のガイド面57を図の太線の長さにまで延ばす必要がある。このようにガイド面57が長くなるとインストルメントパネル内のレイアウト面で問題があった。
次に、実施例1として上記実施形態に係る自動車のペダル支持構造を使用した。図8は、実施例1におけるペダルブラケット17の移動する様子を解析した結果を示すものである。上記比較例と同じ落ち込み量hだけペダル軸41を下方に移動させるためのガイド面57の長さは、明らかに比較例よりも短くできることが判った。
まず、ペダル軸41の両端部43,43がガイド部材53のガイド面57を摺動しながら、ペダルブラケット17が緩やかに折曲げ起点22を中心に後回りに回転する。次に、当接ピン42がガイド部材53のガイド面57に当接して摺動しているときに、同図で一点鎖線で示すように、ペダル軸41はガイド面57から離れていくことが判った。このとき、ダッシュパネル1側を折曲げ起点22としてペダルブラケット17がより一層大きく後回りに回転するので、ペダル軸41の下方への移動量を大きく稼ぐことができることが判った。
次いで、実施例2として、上記実施例1における当接ピン42の位置よりも前側且つ若干下側に当接ピン42を設けたものを使用した。図9は、実施例2におけるペダルブラケット17の移動する様子を解析した結果を示すものである。ペダルブラケット17の後端が実施例1と同じ位置まで来たときのペダル軸41の下方への落ち込み量h’は上記実施例1の落ち込み量hよりも小さくなっている。つまり、当接ピン42をペダル軸41よりも前方に離すほど折曲げ起点22を中心にペダルブラケット17の回転する度合いが大きくなるタイミングが遅れ、そのことで落ち込み量h’が減ることが判った。また、当接ピン42をペダル軸41よりも下方に配置するとペダルブラケット17が回転する度合いが小さくなり、落ち込み量h’が減ることが判った。
よって、当接ピン42を、インパネメンバ9に大きな荷重がかからない程度にペダル軸41に近いペダル軸41前方に、且つ当接ピン42がガイド面57に当接せずにガイド部材53の前端上部59に引っ掛からない程度にペダル軸41の上方に位置付けると、落ち込み量hを大きく稼ぐことができることが判った。このように、ペダル軸41と当接ピン42との位置関係を調整することでペダルブラケット17の姿勢の変化の度合いを容易にコントロールできることが判った。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。上記実施形態では、操作ペダルをブレーキペダル15としているが、本発明は、その他の自動車のダッシュパネル後方に配置される操作ペダルの支持構造についても適用することができる。例えば、クラッチペダルやパーキングブレーキに適用できる。
上記実施形態では、当接部を2つ設けたが、3つ以上設けてもよい。こうすることで、ペダルブラケット17の姿勢の変化の度合いをさらにコントロールし易くなる。
また、ペダル軸41や当接ピン42の形状を円柱体ではなく、中空の円筒体としてもよい。このような円柱体又は円筒体であれば、レイアウト上有利で、当接部の位置関係を調整し易く、一層ペダルブラケット17の姿勢の変化の度合いをコントロールし易い。
さらに、上記実施形態では、ペダルブラケット17の後端上部23をインパネメンバ9に設けたガイド部材53に離脱可能に連結したが、カウルメンバ側に離脱可能に連結してもよい。
以上説明したように、本発明は、自動車のダッシュパネル後方に配置される操作ペダルの支持構造について有用である。
本発明の実施形態に係る自動車のペダル支持構造が設けられた前部車室内を示す斜視図である。 自動車のペダル支持構造が設けられた車体前部を示す側面図である。 ガイド機構を示す斜視図である。 自動車の非衝突時におけるペダル支持構造の全体構成を示す側面図である。 ペダル軸が当接したときの図4相当図である。 当接ピンが当接したときの図4相当図である。 比較例に係る自動車のペダル支持構造におけるペダルブラケット後部の変位する様子を解析した結果を示す側面図である。 実施例1に係る自動車のペダル支持構造の図7相当図である。 実施例2に係る自動車のペダル支持構造の図7相当図である。
符号の説明
1 ダッシュパネル
9 インパネメンバ(強度メンバ)
15 ブレーキペダル(操作ペダル)
16 ペダル部
17 ペダルブラケット
40 ガイド機構
41 ペダル軸(第1当接部)
42 当接ピン(第2当接部)
53 ガイド部材
57 ガイド面

Claims (3)

  1. ダッシュパネルに固定されたペダルブラケットに操作ペダルが前後に揺動するように支持されているとともに、自動車の衝突時に上記ペダルブラケットが車体後方へ移動したとき、上記操作ペダルのペダル部が車体後方へ移動するのを抑制するように上記ペダルブラケットの姿勢を変化させるガイド機構を備えている自動車のペダル支持構造であって、
    上記ガイド機構は、インストルメントパネル内を車体左右方向に延びる強度メンバに固定され、車体後方へ向かうほど低くなるように傾斜したガイド面を有するガイド部材と、上記ペダルブラケットに設けられ、該ペダルブラケットの車体後方への移動に伴って上記ガイド面に順次当接して該ガイド面を摺動することによってペダルブラケットの姿勢を変化させる複数の当接部とを備え、
    上記複数の当接部として、操作ペダルを支持する円柱状又は円筒状の支軸によって構成された第1当接部と、円柱状又は円筒状のピン部材によって構成された第2当接部とを備え、
    上記第2当接部は第1当接部よりも車体前方側に設けられ、
    上記第2当接部がガイド部材のガイド面に当接した後に、第1当接部が該ガイド面から離脱するように構成されていることを特徴とする自動車のペダル支持構造。
  2. 請求項1の自動車のペダル支持構造において、
    第1当接部の離脱後に第2当接部がガイド部材のガイド面を摺接しているとき、第1当接部が上記ガイド面を摺動しているときよりも大きくペダルブラケットがダッシュパネル側を中心に後回りに回転され、操作ペダルのペダル部が車体後方へ移動するのを抑制するように、上記第1当接部及び第2当接部が配置されていることを特徴とする自動車のペダル支持構造。
  3. 請求項1又は2の自動車のペダル支持構造において、
    操作ペダルはブレーキペダルであることを特徴とする自動車のペダル支持構造。
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