JP4029806B2 - 自動車のペダル支持構造 - Google Patents

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本発明は、自動車のダッシュパネル後方に配置される操作ペダルの支持構造に関するものである。
一般に、自動車の衝突(前突)時には、その衝突を回避するためにドライバがブレーキペダルを踏んで自動車を制動しているにもかかわらず、自動車が停止せずに衝突してしまうというブレーキペダルの踏み込み状態での衝突が多い。
その場合、衝突に伴って車体前部が衝突エネルギーを吸収しながら潰れ、エンジンルーム内に配置されているエンジンが、その後側に位置するエンジンルームと車室とを仕切るダッシュパネルを押しながら後退する。ダッシュパネルの車体前側には、マスタシリンダが設けられ、このマスタシリンダに対し、ダッシュパネル後方に位置するブレーキペダルがオペレーティングロッドを介して連結されている。このため、ダッシュパネル(マスタシリンダ)の後退移動に伴いオペレーティングロッドを介してプレーキペダルも押されて後退することとなる。その結果、衝突直前までブレーキペダルのペダル部(踏み込み部)を踏んでいるドライバの足にステアリングホイルを支持するステアリングコラム等が干渉しやすい状態となる。
したがって、ドライバの足に作用する衝撃を緩和するためには、ダッシュパネルに上記のような変形が生じた際に、フットスペースを確保する必要がある。つまり、ブレーキペダルのペダル部の車体後方への移動を抑制することができれば、ダッシュパネルの変形にかかわらず、運転席の足下に大きなスペースを維持することができる。
そこで、ダッシュパネルに車室側へ向かう変形が生じた際に、ブレーキペダル等の操作ペダルのペダル部を車体前方へ相対移動させる自動車のペダル支持構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この自動車のペダル支持構造では、ダッシュパネルに固定されたペダルブラケットに操作ペダルが前後に揺動するように支持されているとともに、このペダルブラケットが車体後方へ相対移動するとき、上記操作ペダルのペダル部を車体前方へ相対移動させるガイド機構を備えている。このガイド機構は、強度メンバとしてのインパネメンバに固定され、車体後方に向かうほど低くなるように傾斜したガイド面を有するガイド部材と、ペダルブラケットにガイド面と当接するように形成した1つの板状の当接部とを備えている。
特許第3267145号公報
ところで、従来の自動車のペダル支持構造では、ペダルブラケットの所定位置に脆弱部を設け、この脆弱部が自動車の衝突時に積極的に壊れるようになっており、所定の位置を支点としてペダルブラケットの姿勢が変化されて操作ペダルのペダル部の車体後方への移動が抑制される。自動車の非衝突時に操作ペダルにかかる荷重によってペダルブラケットの脆弱部等が変形したり、操作ペダルが振動したりしないように、ペダルブラケットはガイド部材に連結されている。一方、自動車の衝突後には、この連結状態を解除しなければペダルブラケットの移動が阻害され、インパネメンバに大きな荷重がかかって損傷するおそれがある。よって、従来の自動車のペダル支持構造には、ペダルブラケットをガイド部材に離脱可能に連結する連結機構が設けられている。
上記ガイド部材は、ペダルブラケットの当接部からの荷重を受け、ペダルブラケットの脆弱部を壊して当接部をガイド面に沿って強制的に摺動させるため、ある程度の強度が必要となる。このため、ガイド部材の板厚は大きくなり、上記連結機構を設けるためにガイド部材側に開放部等を設けると、加工費が高くなる。また、開放部等を設けることでガイド部材の強度が低下して破損しやすくなり、ペダルブラケットの当接部をガイド面に沿って摺動させることができなくなるという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、連結機構の構成に工夫を加えることにより、自動車の衝突時にペダルブラケットをガイド部材から離脱しやすくし、操作ペダルのペダル部の車体後方への移動を確実に抑制することができる安価な自動車のペダル支持構造を提供することにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、連結機構の形状に工夫を加えた。
具体的には、第1の発明では、ダッシュパネルに固定されたペダルブラケットに操作ペダルが前後に揺動するように支持されているとともに、自動車の衝突時に該ペダルブラケットが車体後方へ移動したとき、上記操作ペダルのペダル部が車体後方へ移動するのを抑制するように上記ペダルブラケットの姿勢を変化させるガイド機構を備えている自動車のペダル支持構造を対象とする。
そして、上記ガイド機構は、インストルメントパネル内を車体左右方向に延びる強度メンバに固定され、車体後方へ向かうほど低くなるように傾斜したガイド面を有するガイド部材と、上記ペダルブラケットに設けられ、該ペダルブラケットの車体後方への移動に伴って上記ガイド面に当接して該ガイド面を摺動する円柱状又は円筒状の当接部とを備えており、上記ペダルブラケットの両側が上側を開放して後方へ延長されるとともに、該延長された一対の延長部間をつなぐように上記当接部が配置され、当接部よりも上方においてペダルブラケットの延長部からそれぞれ左右方向外側へ延びるように取付部が突設され、上記ガイド部材の上部には、左右方向外側に延び、各取付部に対応する位置に後方へ開放された開放部を有する連結板が取り付けられ、上記ペダルブラケットの延長部間にガイド部材の前端部が挿入され、上記連結板の開放部に締結部材を挿通してペダルブラケットの取付部に締め付けることで、ペダルブラケットとガイド部材とが該ペダルブラケットが車体後方へ移動するときに離脱するように、離脱可能に連結され、連結板は、2つの開放部間の中央部でガイド部材の前端上部に回動可能に取り付けられている。
上記の構成によると、自動車の非衝突時には、ペダルブラケットとガイド部材とが連結されているので、操作ペダルに荷重がかかってもペダルブラケットが振動したり、変形したりすることはない。そして、ガイド部材とは別体の連結板がペダルブラケットの各取付部と連結されているので、強度を要するガイド部材側に開放部等を設ける必要はなく、加工費が安い。また、ペダルブラケットの延長部間にガイド部材の前端部が挿入されているので、ガイド部材がペダルブラケットを外側から覆う場合に比べて、ガイド部材を小型化することができる。また、ペダルブラケットの延長部間をつなぐ当接部の上方に取付部が設けられているので、延長部が口開きせず、延長部の剛性が確保されている。
一方、自動車の衝突時には、延長部の剛性が確保されているので、ペダルブラケットを後方へ押圧する力が取付部に伝わり、上記連結板の開放部に挿通された締結部材が連結板の開放部から容易に後方へ抜け出し、ペダルブラケットがガイド部材から離脱する。そして、ダッシュパネルが後方移動すると、ペダルブラケットは、ダッシュパネル側のみが固定された状態で車体後方へ移動する。この状態で、ペダルブラケットに設けた当接部が強度メンバに設けたガイド部材のガイド面を摺動するので、ペダルブラケットはガイド面に誘導されてその姿勢を変化させながら移動する。このとき、ガイド部材は、締結部材が離脱するための開放部等が設けられていないために剛性が高く破損し難いので、ペダルブラケットのダッシュパネル側を支点としてペダルブラケットが後回りに回転される。よって、このペダルブラケットに揺動可能に支持された操作ペダルのペダル部の車体後方へ移動が抑制され、ドライバの足下に大きなスペースが確保される。
このとき、曲面状の外周面を有する当接部がガイド部材のガイド面に対して線接触しているので、当接部を従来のような板状の当接部とガイド面との面同士の接触に比べて摺動部分の接触面積を小さくすることができる。よって、当接部とガイド面との摩擦抵抗をより軽減することができる。さらに、ペダルブラケットの延長部間をつなぐ当接部がガイド面に当接しているので、ペダルブラケットからその両外側へ突出させる場合に比べ、当接部の長さが短くでき、剛性が確保できる。
また、ペダルブラケットの取付部と連結板の開放部との製造誤差や自動車の衝突時の荷重方向等により、ペダルブラケットが移動するときに締結部材が連結板の開放部から抜け出し難いような場合であっても、中央部を中心に連結板が回転されるので、締結部材の引っ掛かりがなくなって締結部材が連結板の開放部から容易に離脱することができる。
したがって、自動車の衝突時にペダルブラケットをガイド部材から離脱しやすくし、操作ペダルのペダル部の車体後方への移動を確実に抑制することができる安価な自動車のペダル支持構造が得られる。
第2の発明では、当接部は操作ペダルを支持する支軸からなるものとしている。
上記の構成によると、剛性の高い操作ペダルの支軸を当接部として利用できるので、別途当接部を設ける必要はなく、コスト面及びレイアウト面で有利である。
第3の発明では、ガイド部材は下側が開口したチャンネル形に形成され、その左右側壁部の下端部がガイド面を構成している。
上記の構成によると、操作ペダルがガイド部材に干渉することなく、当接部がガイド面に当接して摺動することができる。
第4の発明では、ペダルブラケットがガイド部材から離脱後に、当接部がガイド部材のガイド面に当接している。
上記の構成によると、ペダルブラケットがガイド部材から離脱して加速された後に当接部がガイド部材のガイド面に当接するので、自動車の非衝突時から当接部がガイド面に当接している場合に比べて摩擦抵抗が軽減され、強度メンバへの荷重が軽減される。
第5の発明では、操作ペダルはブレーキペダルとしている。
上記の構成によると、自動車の衝突時には、その衝突を回避するためにドライバがブレーキペダルを踏んで自動車を制動しているので、ドライバの足に負担がかかりやすいが、本発明によると、運転席の足下に大きなスペースを維持することができるため、ドライバの足が保護される。
以上説明したように、上記第1の発明の自動車のペダル支持構造では、ペダルブラケットの延長部間に当接部を設け、この当接部よりも上方の取付部と、ガイド部材の上部に取り付けた連結板とを締結してペダルブラケットが車体後方へ移動するときに離脱するようにペダルブラケットとガイド部材とを離脱可能に連結している。このため、自動車の衝突時にペダルブラケットをガイド部材から離脱しやすくし、操作ペダルのペダル部の車体後方への移動を確実に抑制する安価な自動車のペダル支持構造が得られる。
また、連結板を2つの開放部間の中央部でガイド部材の前端上部に回転可能に取り付けている。このため、締結部材が連結板の開放部から容易に離脱することができ、強度メンバにかかる荷重が軽減される。
第2の発明によると、当接部を操作ペダルを支持する支軸としている。このため、コスト面及びレイアウト面で有利である。
第3の発明によると、ガイド部材の左右側壁部の下端部にガイド面を設けている。このため、操作ペダルがガイド部材に干渉することなく支軸がガイド面に当接して摺動することができる。
第4の発明によると、ペダルブラケットがガイド部材から離脱後に当接部をガイド部材のガイド面に当接させている。このため、摩擦抵抗が軽減され、強度メンバへの荷重が軽減される。
の発明では、操作ペダルをブレーキペダルとしている。このため、本発明の作用効果がさらに顕著に発揮される。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
図1は自動車のペダル支持構造が設けられた左ハンドル車の前部車室内を示す。1は自動車の車体の一部を構成するダッシュパネルで、その前側にはエンジン2が収容されるエンジンルーム3が、また後側には車室5がそれぞれ区画形成されている。このダッシュパネル1の上部後方における車室5の前端部のインストルメントパネル(図示せず)内には、左右方向に延びるインパネメンバ9が設けられている。
インパネメンバ9は、車体左右のフロントピラー7,7間に接続され、自動車の衝突時に車室5内の乗員のスペースを確保するための強度メンバとして構成されており、このインパネメンバ9にはステアリングシャフト11が固定されている。このステアリングシャフト11を挟むように、その右側にアクセルペダル13が配設され、左側にブレーキペダル15が配設されている。このアクセルペダル13及びブレーキペダル15は、運転席(図示せず)に着座したドライバによって踏み込み操作される。上記アクセルペダル13及びブレーキペダル15は、細長い板状のもので、その下端部にはドライバが足を載せて踏み込むペダル部14,16が設けられている。
上記ダッシュパネル1の上部4の後面にはブレーキペダル15を支持するペダルブラケット17がボルト部材により固定されている。このボルト部材はマスタバック33をダッシュパネル1の前面に取付けることにも兼用されており、ダッシュパネル1を貫通してその後面に突出している。
ペダルブラケット17の後端部にブレーキペダル15が車体左右方向に延びるペダル軸41によって前後に揺動できるように支持されている。ペダル軸41は円柱体のピン部材からなる。ブレーキペダル15は、リターンスプリング(図示せず)によって車体後方側へ戻るように付勢されている。ブレーキペダル15の中間部にはオペレーティングロッド31(シリンダ側のロッド)が連結されている。このオペレーティングロッド31は、ペダルブラケット17及びダッシュパネル1の上部4を貫通してエンジンルーム3の後端部のマスタシリンダ(図示せず)にマスタバック33(倍力装置)を介して連結されている。
上記ブレーキペダル15のペダル部16を踏み込んでブレーキペダル15を図2で時計回り方向に回動させると、オペレーティングロッド31に押されてマスタバック33が作動し、そのマスタバック33によりマスタシリンダに対する押圧力が増大し、該マスタシリンダからの油圧により車輪にブレーキがかけられる。
次に、自動車の衝突時にペダルブラケット17の姿勢を変化させてブレーキペダル15のペダル部16が車体後方へ移動するのを抑制するために採用した構造を説明する。
図2に示すように、インパネメンバ9には前側に向かって斜め下方に延びるブラケット51が固定され、このブラケット51の下部の前面にガイド部材53が固定されている。
図3に示すように、ペダルブラケット17とガイド部材53とは、ペダルブラケット17の車体後方への離脱を可能とする締結機構40によって締結されている。ペダルブラケット17のペダル軸41及びガイド部材53は、ペダルブラケット17が車体後方へ移動するとき、ブレーキペダル15のペダル部16が車体後方へ移動するのを抑制するようにペダルブラケット17の姿勢を変化させるガイド機構を構成している。
図4に示すように、ペダルブラケット17は、ダッシュパネル1の上部4に取り付けられた矩形板状の固定部19と、この固定部19から後側に向かって斜め上方へ延びる支持部21とを備えている。この支持部21には、上側を開放して延長された一対の延長部29,29が形成されている。支持部21の基端(前端)の上端には、該支持部21の両側壁の上部に切欠き21aが設けられて下方へ折れ曲がりやすい脆弱部、すなわち、ペダルブラケット17が姿勢変化をするときの折曲げ起点22が形成されている。
まず、締結機構40について説明すると、図3に示すように、ペダルブラケット17の延長部29,29の上面からそれぞれ左右方向外側へ延びるように取付部73,73が折曲げて形成されている。
一方、ガイド部材53は、下側が開口したチャンネル形のものであって車体前後方向に延び、その前部がペダルブラケット17の支持部21の延長部29,29間に挿入されている。ガイド部材53の前端上部59には、左右方向外側に水平に延び、上記各取付部73,73に対応する位置に後方へ開放された開放部83,83を有する矩形板状の連結板81が取り付けられている。開放部83は、例えば後方に向かって徐々にその幅が拡がっているものとすればよい。この連結板81は、2つの開放部83,83間の中央部にビス挿通孔(図示せず)を有し、このビス挿通孔にビス82を挿通してガイド部材53の前端上部59に締結することで、連結板81がビス82を中心に回動可能に取り付けられている。
図4に示すように、上記ペダルブラケット17の各取付部73には、開放部83に対応する位置にボルト挿入孔75が貫通形成されている。
そして、上記ペダルブラケット17の延長部29,29間にガイド部材53の前端部が挿入され、上記連結板81の開放部83,83及びペダルブラケット17の取付部73,73のボルト挿入孔75,75にボルト61,61を挿通してナット(図示せず)で下側から締め付けることで、ペダルブラケット17とガイド部材53とが離脱可能に連結されている。
このようにして、ペダルブラケット17の取付部73,73と、ガイド部材53の前端上部59に取り付けられた連結板81とに締結機構40を形成し、この締結機構40によって、ペダルブラケット17をガイド部材53に離脱可能に連結している。
したがって、ペダルブラケット17は、その前端がダッシュパネル1に結合され、その後端上部23が上記締結機構40によってインパネメンバ9側のガイド部材53に結合されているので、自動車の非衝突時にはブレーキペダル15を強固に支持する剛性メンバとして機能する。一方、ペダルブラケット17は、自動車の衝突に伴って車体後方へ強く押されると、ボルト61,61が連結板81の開放部83,83から抜けることによってガイド部材53との締結が外れ、後方へ離脱することになる。
次にガイド機構について説明する。図3に示すように、上記ペダルブラケット17の取付部73,73の下方にペダル軸41が掛け渡されている。このペダル軸41は、当接部材を構成し、延長部29,29間をつなぐように左右方向に水平に設けられている。このペダル軸41が自動車の衝突(前突)時にインパネメンバ9側のガイド部材53に当接するようになっている。
ガイド部材53は、左右の側壁の下面はペダル軸41が当接して摺動するガイド面57に形成されている。このガイド面57は図5にも示すように車体後方へ向かうほど低くなるように傾斜している。
−作用−
次に、上記実施形態に係る自動車のペダル支持構造の作用について説明する。ドライバがブレーキペダル15を踏み込んだ制動状態のまま自動車が衝突(前突)すると、車体前部が潰れながら後退するため、エンジンルーム3内のエンジン2が後退し、このエンジン2に押されてマスタシリンダ、マスタバック33及びオペレーティングロッド31が後退移動し、このオペレーティングロッド31に連結されているブレーキペダル15も後退し始める。
このとき、図3及び図5に示す状態から、ダッシュパネル1が後方に移動してペダルブラケット17も後方に移動する。そして、ペダルブラケット17の取付部73,73のボルト61,61が連結板81の開放部83,83から抜け出し、ペダルブラケット17がガイド部材53から後方へ離脱する。このことで、ペダルブラケット17は、ダッシュパネル1側のみが固定された片持ち状態になり、この状態で変形されながら車体後方へ移動する。
次いで、図6に示すように、上記ペダルブラケット17の後部に設けたペダル軸41がガイド部材53のガイド面57に当接する。このとき、自動車の衝突前にはガイド部材53のガイド面57と非接触状態にあるペダル軸41が、ダッシュパネル1の移動に伴って加速されてからガイド面57に当接する。なお、図6及び図7では、ダッシュパネル1を省略している。
次に、図6及び図7に示すように、ペダルブラケット17の前部がダッシュパネル1に押圧されながら、ペダル軸41はガイド部材53のガイド面57を摺動する。この押圧力による反力をガイド面57より受けて、ペダルブラケット17はダッシュパネル1側の折曲げ起点22を中心に積極的に破壊され、その折曲げ起点22とガイド面57を摺動するペダル軸41との位置関係からペダルブラケット17がダッシュパネル1側を中心に後回りに(ペダルブラケット17の後部が下方に向かうように)回転する。このため、ペダルブラケット17を車両後方へ押圧する力の成分のうち、その大部分はペダル軸41がガイド部材53のガイド面57に沿って摺動する方向に向けられ、ペダル軸41はガイド面57を滑らかに摺動する。これに伴い、ペダルブラケット17に支持されるブレーキペダル15のペダル部16の車体後方への移動が抑制される。
−実施形態の効果−
本実施形態の自動車のペダル支持構造は、ペダルブラケット17の延長部29,29間にペダル軸41を設け、このペダル軸41よりも上方に設けた取付部73,73と、ガイド部材53の上壁部に取り付けた連結板81とを締結してペダルブラケット17とガイド部材53とを離脱可能に連結している。このため、自動車の衝突時にペダルブラケット17をガイド部材53から離脱しやすくし、ブレーキペダル15のペダル部16の車体後方への移動を確実に抑制する安価な自動車のペダル支持構造が得られる。
本実施形態では、ブレーキペダル15を支持するペダル軸41をガイド部材53のガイド面57に当接させている。このため、別途ガイド部材53に当接する当接部を設ける必要はなく、コスト面及びレイアウト面で有利である。
本実施形態では、ガイド部材53の左右側壁部55,55の下端部にガイド面57を設けている。このため、ブレーキペダル15がガイド部材53に干渉することなくペダル軸41がガイド面57に当接して摺動することができる。
本実施形態では、ペダルブラケット17がガイド部材53から離脱後にペダル軸41をガイド面57に当接させている。このため、摩擦抵抗が軽減され、インパネメンバ9への荷重が軽減される。
本実施形態では、連結板81を2つの開放部83,83間の中央部でガイド部材53の前端上部59に回転可能に取り付けている。このため、ボルト61,61が連結板81の開放部83,83から容易に離脱することができ、インパネメンバ9にかかる荷重が軽減される。
本実施形態では、ブレーキペダル15に本発明を適用している。自動車の衝突時には、その衝突を回避するためにドライバがブレーキペダル15を踏んで自動車を制動しているので、ドライバの足に負担がかかりやすいが、本実施形態によると、運転席の足下に大きなスペースを維持することができるため、ドライバの足を保護することができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。すなわち、上記実施形態では、操作ペダルをブレーキペダル15としているが、本発明は、その他の自動車のダッシュパネル後方に配置される操作ペダルの支持構造についても適用することができる。例えば、クラッチペダルやパーキングブレーキに適用できる。
また、ペダル軸41の形状を円柱体ではなく、中空の円筒体としてもよい。
上記実施形態では、当接部を1つだけ設けたが、2つ以上設けてもよい。こうすることで、ペダルブラケット17の姿勢の変化の度合いをさらにコントロールしやすくなる。
以上説明したように、本発明は、自動車のダッシュパネル後方に配置される操作ペダルの支持構造について有用である。
本発明の実施形態に係る自動車のペダル支持構造が設けられた前部車室内を示す斜視図である。 自動車のペダル支持構造が設けられた車体前部を示す側面図である。 ガイド機構を示す斜視図である。 ペダルブラケットの後端部を示す斜視図である。 自動車の非衝突時におけるペダル支持構造の全体構成を示す側面図である。 ペダル軸がガイド面に当接したときの図5相当図である。 ペダル軸がガイド面を離脱前の図5相当図である。
符号の説明
1 ダッシュパネル
9 インパネメンバ(強度メンバ)
15 ブレーキペダル(操作ペダル)
16 ペダル部
17 ペダルブラケット
29 延長部
40 ガイド機構
41 ペダル軸(当接部)
53 ガイド部材
55 左右側壁部
57 ガイド面
59 前端上部(上壁部)
61 ボルト(締結部材)
73 取付部
81 連結板
83 開放部

Claims (5)

  1. ダッシュパネルに固定されたペダルブラケットに操作ペダルが前後に揺動するように支持されているとともに、自動車の衝突時に該ペダルブラケットが車体後方へ移動したとき、上記操作ペダルのペダル部が車体後方へ移動するのを抑制するように上記ペダルブラケットの姿勢を変化させるガイド機構を備えている自動車のペダル支持構造であって、
    上記ガイド機構は、インストルメントパネル内を車体左右方向に延びる強度メンバに固定され、車体後方へ向かうほど低くなるように傾斜したガイド面を有するガイド部材と、上記ペダルブラケットに設けられ、該ペダルブラケットの車体後方への移動に伴って上記ガイド面に当接して該ガイド面を摺動する円柱状又は円筒状の当接部とを備えており、
    上記ペダルブラケットの両側が上側を開放して後方へ延長されるとともに、該延長された一対の延長部間をつなぐように上記当接部が配置され、
    上記当接部よりも上方において上記ペダルブラケットの延長部からそれぞれ左右方向外側へ延びるように取付部が突設され、
    上記ガイド部材の上部には、左右方向外側に延び、上記各取付部に対応する位置に後方へ開放された開放部を有する連結板が取り付けられ、
    上記ペダルブラケットの延長部間にガイド部材の前端部が挿入され、上記連結板の開放部に締結部材を挿通してペダルブラケットの取付部に締め付けることで、ペダルブラケットとガイド部材とが該ペダルブラケットが車体後方へ移動するときに離脱するように、離脱可能に連結され、
    上記連結板は、2つの開放部間の中央部でガイド部材の前端上部に回動可能に取り付けられていることを特徴とする自動車のペダル支持構造。
  2. 請求項1の自動車のペダル支持構造において、
    当接部は操作ペダルを支持する支軸からなることを特徴とする自動車のペダル支持構造。
  3. 請求項2の自動車のペダル支持構造において、
    ガイド部材は下側が開口したチャンネル形に形成され、その左右側壁部の下端部がガイド面を構成していることを特徴とする自動車のペダル支持構造。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つの自動車のペダル支持構造において、
    ペダルブラケットがガイド部材から離脱後に、当接部がガイド部材のガイド面に当接することを特徴とする自動車のペダル支持構造。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つの自動車のペダル支持構造において、
    操作ペダルはブレーキペダルであることを特徴とする自動車のペダル支持構造。
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