JP4499975B2 - 容器を形成するための方法及び装置 - Google Patents

Description

【０００１】
（技術分野）
本発明は、プラスチックボトルの製造に関する。
【０００２】
（背景技術）
本発明の方法に関しては、請求項１の前文に記述されている。この種の方法は、例えば公報ＥＰ０７１９６３０に開示されており、それには、溶接継目に沿って外部突出部がないプラスチックボトルを作る方法が記述されている。
【０００３】
しかしながら、この方法にはいくつかの問題点がある。第一に、ボトルの内部圧力（例えば、形成工程で形成流体を吹き込むための圧力、或いは中身を出すためのユーザによる押し潰し圧力）が、溶接域における相互接合舌部を互いに離し、その結果、該舌部が分離し溶接帯域に穴が明く危険性がある。第二に、形成後に切断され部分が外側に向いた２つの切断部となり、ボトルを持っているユーザを痛めたり傷つけたりすることがある。第三に、溶接帯域に沿ってボトルの内部に突き出た可成りボリュームのある継目が有るために、ボトル容量が減少する。
【０００４】
本発明の主目的は、上記先行技術の問題点を解決可能な、溶接継目に突出部がない容器を作る方法を提供することである。
【０００５】
本発明により、比較的速く且つ経済的な方法が可能になる。更なる利点として、容器が比較的大きな機械的強度を有し、両側壁及び底部の溶接域による容量減少が小さく、ユーザを切りやすい外側部分が無く、溶接域で容器の内部に突き出て容器容量の減少が小さいことである。
【０００６】
本発明の更なる目的は、構造的に単純、経済的、且つ本発明の方法が提供可能な装置を提供することである。
【０００７】
これらの目的及び利点等は、請求項に記述された本発明によって達成される。
【０００８】
（発明の開示）
本発明の更なる特徴及び利点を好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【０００９】
図において、１は熱溶接可能材料で容器を形成するための装置を示す。
【００１０】
装置１は、少なくとも１つの供給ラインを備え、それに沿って２枚の細片Ａ、ＢがＦ方向に進む。細片Ａ、Ｂは互いに向き合い、そして熱溶接可能プラスチックで作られている。
【００１１】
少なくとも１つの溶接加工装置３が供給ライン２に沿って配置されており、そこでフィルム状の２枚の細片Ａ、Ｂが所定の溶接帯域を溶接され、少なくとも１つの開口５を有するセル４が形成される。溶接は、指令により方向Ｇ１に相互に可動な少なくとも２つの対向した判型３１、３２によって成される。溶接加工装置３は、複数対の対向した判型を備え、細片Ａ、Ｂの前進毎に複数のセル４が区画される。複数対の半型は、２枚のフィルム状の細片Ａ、Ｂの前進方角Ｆに沿って並んで配置される。単純化のために、図にはただ１対の半型３１、３２が示されている。セル４の開口５は、細片の長手端（上端）に配設されている。図２で、フィルム状の細片の溶接部は点線で表されている。
【００１２】
装置１は、溶接加工装置３の供給ライン２に沿って配置された少なくとも１つの切断・折り曲げ加工装置６を備え、セル４を囲む溶接帯域の少なくとも一部が該切断・折り曲げ加工装置６によって切断され折り曲げられる。図２において、切断され折り曲げられた部分は点線で表されている。
【００１３】
切断・折り曲げ加工装置６は、少なくとも１つの押断具６１を備え、該押断具６１は指令により前進方角Ｆに直角な方向Ｇ２に可動である。押断具６１は、少なくとも１つのセル４の少なくとも一部を囲む溶接帯域を切断し折り曲げるために、反対側の底型６２と協働する。押断具６１は、溶接帯域の内側の端部から所定の距離においてフィルム状の細片を溶接帯域内で切断する切断刃を有し、細片の外側端部はセル４の外形を形成する。底型６２は、押断具６１による押断操作の間に、細片を圧搾するために相型６３と協働する。型６２と相型６３は指令により相互に接離可能である。
【００１４】
切断・折り曲げ加工装置６は、複数のセル４の周囲にある溶接帯域を一操作で同時に切断・折り曲げ可能な複数の押断具・型組合体を備えている。
【００１５】
切断・折り曲げ加工装置６はまた予熱加工装置として機能する。押断具・型組合体６１−６２と関連し、該予熱加工装置は、指令によりＧ２方向に相互に可動で且つ少なくとも１つのセル４を加熱可能な一対の対向配置された加熱半型６４を備えている。一対の半型６４は押断具・型組合体６１−６２の内部に位置する。加熱半型６４は、押断具６１の切断・折り曲げ作業中に細片を固定する作用を成す。少なくとも１つのばね６５が、押断具６１と少なくとも１つの加熱半型６４の間で作用する。
【００１６】
供給ライン２に沿って、溶接加工装置３の下流に少なくとも１つの形成加工装置７が設けられる。形成加工装置７内において、開口５からセル４に形成流体が注入され、それぞれの形成空洞７１の内部においてセル４が膨張する。それぞれの形成空洞７１は、指令により互いにＧ３方角に可動な少なくとも２つの対向半型７２で作られている。形成加工装置７には流体注入装置が備えられ、該流体注入装置が加圧された流体を注入する。流体注入装置には、指令により前進方角Ｆに交差する方向Ｈに可動な少なくとも１つのノズル７３が設けられている。形成加工装置７は、好ましくは複数対の対向する半型７２及び複数のノズル７３を備える。それぞれのノズル７３がセル４の対応する開口５に挿入される。
【００１７】
以下に記述された装置は、熱溶接可能材料による容器を形成する方法を提供する。該方法によれば、２枚の細片が前進方角Ｆに供給され、所定の溶接帯域が溶接され、セル４が作られる。各セル４が、予熱後にそれぞれの形成空洞７１に挿入され、形成空洞７１を画定する一対の半型７２の内壁に対応して熱変形される。熱変形は、セル４を膨張させる形成流体を開口５を通してセル４に注入することで成される。
【００１８】
形成流体を注入する前に、セル４を囲む溶接帯域の少なくとも一部が切断され、折り曲げられ、そしてセル４が形成空洞７１に挿入される。該切断及び折り曲げ工程は、押断具６１を進めることによって成される。セル４とそれに隣接した先行するセル間に少なくとも一接続点を残すように、セル４を取り巻いている溶接帯域の少なくとも一部が切断されないように押断具６１は操作される。特に、開口５自体の両側に二接続点８、９が残され、該開口の反対側に少なくとも一接続点１０が残される。セル４が予熱される加工装置で、セル４を取り巻いている溶接帯域の少なくとも一部分が切断され折り曲げられる。
【００１９】
図２の如く、溶接され、切断され、折り曲げられた、セルを取り巻いている舌部１１が形成空洞７１の中にある状態で、形成空洞７１を画定する２枚の半型７２は閉じられている。形成流体がセル４の中に吹き込まれると、熱溶接可能材料は半型７２の内壁側に押圧され、溶接され、切断され、折り曲げられた舌部１１は他の部分と一体化し、溶接部１３が側壁内部及び底壁内部に収まり、外部突出部が生じない容器が作られる。
【００２０】
形成後、それぞれが開口５を有し、全てが接続点８、９、１０により細片上に並べられた複数の容器１２が得られる。上記複数の空の容器は、容器を満たす装置で使用可能である。或いは、接続点８、９、１０は個々に分離した容器を得るために切断可能である。
【００２１】
本発明の方法と装置により作られた容器は、少なくとも１つの横壁、少なくとも１つの胴体、少なくとも横壁及び底の内部に少なくとも部分的に存在する少なくとも１つの溶接継目を備える。該溶接継目は容器の壁の外側に突出していない。溶接継目は、熱溶接可能材料の２枚のフィルムである２枚の重ねられた舌部の結合によって作られる。結合した舌部は、容器の壁（特に横壁及び底壁）の接線方向の平面内で互いに重ね合わさっている。溶接部の上記平面（図６）は、例えば半径方向の平面に対して、溶接継目によって占められるスペースの減少を可能にし、容器容量を改善する。
【００２２】
更なる実施形態（不図示）によれば、セル４を取り巻いている溶接帯域の第１部分が一方に折り曲げられ、第２部分が他方に折り曲げられる。特に、好適には、溶接帯域の第１部分が、容器の底の切断されていない接続点１０と開口５の第１の側の接続点８の間に設けられ、そして、溶接帯域の第２部分が、該接続点１０と開口５の第２の側に位置する接続点９の間に設けられている。この場合、切断・折り曲げ加工装置は互いに反対の方角に作用する２つの押断具を備え、１つが溶接帯域の第１部分に作用し、他の１つが溶接帯域の第２部分に作用する。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の装置の図式的部分側面図である。
【図２】 図１のII-II断面である。
【図３】 ３ａは切断工程を示す断面図、３ｂは折り曲げ工程を示す断面図である。
【図４】 形成流体を注入した後の図２の形成加工装置を示す。
【図５】 本発明の装置で製造した容器を示す。
【図６】 図５のＶＩ-ＶＩ断面である。

Claims (10)

1. 溶接可能材料製の容器を形成する方法であって、少なくとも２枚の互いに向き合った、溶接可能材料の細片（Ａ、Ｂ）を前進方向（Ｆ）に供給し、複数のセル（４）を作るために、所定の溶接帯域で該細片を溶接し、各セル（４）を形成空洞（７１）に挿入し、該形成空洞（７１）の内部でセル（４）を膨張させる、工程を備え、該セル（４）を膨張させる前に、少なくとも１つのセル（４）の端部における該溶接帯域の少なくとも一部が切断されて折り曲げられ、該セルが該形成空洞（７１）に挿入されることを特徴とする容器を形成する方法。
2. 請求項１記載の容器を形成する方法であって、該セル（４）の端部における該溶接帯域の少なくとも一部が切断されず、少なくとも１つの接続点（８、９、１０）がセル（４）と隣接セル（４）の間に残されることを特徴とする容器を形成する方法。
3. 請求項２記載の容器を形成する方法であって、各セル（４）が、前記形成空洞（７１）内のセル（４）を膨張させるために形成流体が注入される少なくとも１つの開口（５）を有し、少なくとも２つの接続点（８、９）がセル（４）の該開口（５）上に対向して残されていることを特徴とする容器を形成する方法。
4. 請求項２又は３記載の容器を形成する方法であって、各セル（４）が、前記形成空洞（７１）内のセル（４）を膨張させるために形成流体が注入される少なくとも１つの開口（５）を有し、少なくとも１つの接続点（１０）が該セル（４）の該開口（５）の側の反対側に残されていることを特徴とする容器を形成する方法。
5. 請求項１−４の何れかに記載の容器を形成する方法であって、セル（４）の端部における溶接帯域の少なくとも第１部分が一方向に折り曲げられ、該溶接帯域の少なくとも第２部分が該一方向の反対方向に折り曲げられることを特徴とする容器を形成する方法。
6. 請求項１−５の何れかに記載の容器を形成する方法であって、セル（４）の端部における溶接帯域の少なくとも一部分が、該セル（４）を予熱する加工装置において切断され折り曲げられることを特徴とする容器を形成する方法。
7. 溶接可能材料製の容器を形成する装置であって、少なくとも２枚の互いに向き合った、溶接可能材料の細片（Ａ、Ｂ）を前進方向（Ｆ）に前進させる少なくとも１つの供給ライン（２）、複数のセル（４）を作るために、所定の溶接帯域で該細片（Ａ、Ｂ）を溶接する少なくとも１つの溶接加工装置（３）、およびセル（４）を形成空洞（７１）の内部で膨張させる少なくとも１つの形成加工装置（７）、を備え、該形成加工装置の上流に、該複数のセル（４）の端部における該溶接帯域の少なくとも一部が切断されて折り曲げられる少なくとも１つの切断・折り曲げ加工装置（６）を備えることを特徴とする容器を形成する装置。
8. 請求項７記載の容器を形成する装置であって、該切断・折り曲げ加工装置（６）は、指令により前記前進方向に交差する方向（Ｇ２）に可動で、セル（４）の端部に少なくとも部分的に設けられた溶接帯域を切断し折り曲げる対向して配置された底型（６２）と協働する少なくとも１つの押断具（６１）を備えることを特徴とする容器を形成する装置。
9. 請求項８記載の容器を形成する装置であって、少なくとも１つのセル（４）を加熱し、押断具・型組合体（６１、６２）の内部に配設された少なくとも一対の予熱半型（６４）を備えることを特徴とする容器を形成する装置。
10. 横壁と底壁とを有する２枚の熱溶接可能なフィルム材料で構成された容器であって、
    （イ）前記横壁及び／又は底壁の内側には、少なくとも部分的に伸びた少なくとも１つの溶接継目が設けられ、
    （ロ）前記溶接継目が、前記横壁及び／又は前記底壁の接線方向の平面内で互いに重ね合わされた前記２枚の熱溶接可能なフィルム材料で形成された２枚の舌部で構成され、
    （ハ）前記２枚の舌部が、溶接されて結合されていることを特徴とする容器。

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