JP4499319B2 - 運転支援装置、運転支援方法および運転ガイドデータ作成方法 - Google Patents
運転支援装置、運転支援方法および運転ガイドデータ作成方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の周囲の画像を表示装置に表示して、運転を支援する装置に関するものであり、特に、駐車動作等の複雑な運転操作の助けとなるガイドパターンを、画像に重畳して表示する技術に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用の運転支援装置としては、例えば、車両の周囲を撮影するカメラを設置し、カメラで撮影した画像を運転席近くに設置したモニタに表示させるものが一般的である。この装置により、運転者は、車両後方のような、目視やミラーでは安全確認が困難な場所を、モニタで確認することができる。
【0003】
しかしながら、運転操作の中でも難しい操作の一つといわれる駐車は、ハンドル操作にかなりの熟練を要するため、モニタ確認だけでは必ずしも不十分である。このため、駐車動作を対象として、誰もが駐車時のハンドル操作を容易にできるようなガイドを画像に加える工夫を行った運転支援装置が、特開2000−168475号公報に開示されている。
【0004】
この従来技術では、駐車は、その開始位置さえ見つけられれば、あとはハンドル舵角を固定して(例えば左への末切り状態)後退するだけで完了できる場合が多々あり、駐車において難しいのは、スムーズな駐車ができるような開始位置を見つけることにある点に着目している。そして、駐車開始位置を容易に見つけることができるように、ハンドルを所定の舵角に固定して後進したとき到達する予定のスペースを、カメラ画像にガイドとして重ね合わせて示すようにしている。
【0005】
図23は従来技術における画面表示の具体例を示した模式図である。上述の公報の記載内容とは若干異なるが、技術的ポイントは同様である。同図中、(a)は自車両のおおよその大きさを示す矩形RGを含む斜線領域からなるガイドGDである。
【0006】
運転者は、画像にガイドGDが表示されると、(b)に示すように、ガイドGDの線分L1が駐車スペースを示す2本の白線の入り口側の端を結ぶ直線に合い、かつ、線分L2が2本の白線のうち自車両に近い方に合うように、車両を移動させる。このときの位置が、適切な駐車開始位置となる。そして次に、ハンドルを左にいっぱい切ってから後退することによって、矩形RGで示された領域に自車を誘導させることができる。すなわち、運転者は、表示されたガイドGDが駐車スペースと一致するように車を移動させれば、後は、ハンドルを末切りして後退するだけで、駐車が可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術には、次のような問題がある。
【0008】
実際の駐車場では、様々な環境がある。例えば、駐車スペースの前に段差があったり、駐車スペース前の道に大きな勾配があったりする。このため、いつも同一のガイドを表示するだけでは、運転操作に支障をきたすおそれがある。
【0009】
いま、図23(a)のガイドGDは、運転操作の開始位置と駐車スペースとが同一平面上にあるという前提条件において、作成されているものとする。この場合に、例えば図23(c)に示すように、路面に対して縁石分の段差がある駐車スペースに車を停める場合を考える。
【0010】
この場合、表示されたガイドGDが駐車スペースと一致するように車を移動させた後に、ハンドルを末切りして後退したとすると、駐車スペースの入り口にあるポールPLに当たる可能性がある。なぜなら、ガイドGDでは、駐車スペースが路面に対して縁石分だけ高くなっていることが考慮されていないため、ガイドGDが駐車スペースと一致する位置は、正しい駐車開始位置よりも幾分(縁石の高さに応じて)駐車スペースに近くなってしまうからである。
【0011】
しかしながら、従来技術では、このような運転操作環境の違いによる問題については、全く考慮されていない。
【0012】
前記の問題に鑑み、本発明は、運転支援装置として、それぞれの運転操作環境の違いを考慮して、適切なガイドパターンを提示可能にすることを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1の発明が講じた解決手段は、車両の運転を支援する装置として、所定の運転操作を支援するための運転ガイドデータを、指定するガイド指定部と、前記ガイド指定部によって指定された運転ガイドデータに含まれており、前記所定の運転操作の終了時または中途時における当該車両の位置を表すガイドパターンを車両の周囲を映す周囲画像に合成し、表示装置に出力する画像処理部とを備え、前記運転ガイドデータは、当該運転ガイドデータが用いられる特定の運転操作場所を示す場所情報を含んでおり、前記ガイドパターンは、前記場所情報が示す特定の運転操作場所における、前記所定の運転操作の開始位置と前記ガイドパターンが表す車両の位置との間の高低差を加味して、前記周囲画像における位置が設定されているものである。
【0014】
請求項1の発明によると、特定の運転操作場所に対応した運転ガイドデータが準備されており、かつ、この運転ガイドデータに含まれたガイドパターンは、特定の運転操作場所における、所定の運転操作の開始位置とガイドパターンが表す車両の位置との高低差を加味して、車両の周囲の画像における位置が設定されている。このため、運転操作環境の違いが反映された、適切なガイドパターンを提示することができる。
【0015】
そして、請求項2の発明では、前記請求項1の運転支援装置における所定の運転操作は、駐車動作であり、前記運転操作場所は、駐車場であるものとする。
【0016】
さらに、請求項3の発明では、前記請求項2の運転支援装置において、前記ガイドパターンが表す車両の位置は駐車場内にあり、前記開始位置は前記駐車場前の路面であり、前記高低差は、駐車場と駐車場前の路面との間の段差を含むものとする。
【0017】
また、請求項4の発明では、前記請求項1の運転支援装置におけるガイド指定部は、複数の運転ガイドデータを記憶するガイドデータ記憶部と、前記ガイドデータ記憶部に記憶された複数の運転ガイドデータの中から、前記場所情報を参照して、車両の現在位置に対応する運転ガイドデータを選択するガイドデータ選択部とを備え、前記ガイドデータ選択部によって選択された運転ガイドデータを前記画像処理部に指定するものとする。
【0018】
請求項4の発明によると、ガイドデータ選択部が、場所情報を参照して、車両の現在位置に対応する、表示すべきガイドパターンに係る運転ガイドデータを選択する。このため、利用者は、様々な運転操作場所についてそれぞれの環境に応じた運転ガイドデータを登録しておけば、場所に応じて選択する手間を省くこともでき、また誤って選択することも回避することができる。
【0019】
また、請求項5の発明では、前記請求項4の運転支援装置におけるガイド指定部は、運転ガイドデータを、当該車両の利用者からの指示に応じて、新たに作成する運転ガイド作成手段を備えたものとする。
【0020】
請求項5の発明によると、例えば、頻繁に利用する運転操作場所に係る運転ガイドデータがまだ登録されていない場合、運転ガイド作成手段によって、運転ガイドデータを新たに作成することができる。すなわち、利用者の車両の利用形態に応じて、自由に運転ガイドデータを構築し利用することが可能となる。
【0021】
そして、請求項6の発明では、前記請求項5の運転支援装置における運転ガイド作成手段は、当該車両が所定の位置にあるときの車両周囲の画像に対して、画像中のエッジを抽出するエッジ抽出処理を施し、前記エッジ抽出処理によって作成されたエッジ強調画像を基にして、ガイドパターンを作成するものとする。
【0022】
また、請求項7の発明では、前記請求項4の運転支援装置におけるガイド指定部は、前記ガイドデータ記憶部に記憶された運転ガイドデータを、当該車両の利用者からの指示に従って修正し、新たな運転ガイドデータとして作成する運転ガイド修正手段を備えたものとする。
【0023】
また、請求項8の発明では、前記請求項1の運転支援装置において、前記ガイドパターンの前記周囲画像における位置は、前記開始位置と前記ガイドパターンが表す車両の位置との間に高低差がない場合における位置から、ずらされているものとする。
【0024】
また、請求項9の発明では、前記請求項8の運転支援装置において、前記ガイドパターンが表す車両の位置は、前記開始位置よりも高く、前記ガイドパターンの前記周囲画像における位置は、前記開始位置と前記ガイドパターンが表す車両の位置との間に高低差がない場合における位置から、前記開始位置に近づく方向に、ずらされているものとする。
【0025】
請求項10の発明では、前記請求項8の運転支援装置において、前記周囲画像は、当該車両に設置されたカメラによって撮像された画像であり、前記ガイドパターンの前記周囲画像における位置は、前記開始位置と前記ガイドパターンが表す車両の位置との間に高低差がない場合における位置と、前記カメラの位置および高さとから、求められるものとする。
【0026】
また、請求項11の発明が講じた解決手段は、車両の運転を支援する方法として、所定の運転操作を支援するための運転ガイドデータを、指定するガイド指定ステップと、前記ガイド指定ステップにおいて指定された運転ガイドデータに含まれており、前記所定の運転操作の終了時または中途時における当該車両の位置を表すガイドパターンを、車両の周囲を映す周囲画像に合成し、表示装置に出力する画像処理ステップとを備え、前記運転ガイドデータは、当該運転ガイドデータが用いられる特定の運転操作場所を示す場所情報を含んでおり、前記ガイドパターンは、前記場所情報が示す特定の運転操作場所における、前記所定の運転操作の開始位置と、前記ガイドパターンが表す車両の位置との間の高低差を加味して、前記周囲画像における位置が設定されているものである。
【0027】
また、請求項12の発明が講じた解決手段は、車両の運転を支援する装置において用いられる,所定の運転操作を支援するための運転ガイドデータを作成する方法として、前記運転ガイドデータは、前記所定の運転操作の終了時または中途時における当該車両の位置を表すガイドパターンと、当該運転ガイドデータが用いられる特定の運転操作場所を示す場所情報を含んでおり、前記ガイドパターンは、車両の周囲を映す周囲画像に合成されるものであり、かつ、前記場所情報が示す特定の運転操作場所における、前記所定の運転操作の開始位置と、前記ガイドパターンが表す車両の位置との間の高低差を加味して、前記周囲画像における位置が設定されており、当該車両を、前記場所情報が示す特定の運転操作場所における、前記所定の運転操作における所定の位置に配置し、前記所定の位置において、当該車両および当該車両の周囲を映す画像を生成し、生成した画像における当該車両の位置を表すように、前記ガイドパターンを作成するものである。
【0028】
請求項12の発明によると、車両が特定の運転操作場所における、所定の運転操作における所定の位置に配置された状態で、当該車両および当該車両の周囲を映す画像を生成し、この画像からガイドパターンを生成する。すなわち、実際の位置に配置された車両の周囲画像からガイドパターンが生成されるので、ガイドパターンが表す位置との高低差が必然的に加味されることになり、したがって、運転操作環境の違いが反映された適切なガイドパターンを、複雑な処理を施すことなく、容易に作成することができる。
【0029】
そして、請求項13の発明では、前記請求項12の運転ガイドデータ作成方法は、前記所定の運転操作を単純な運転操作からなる複数のプロセスに分解し、分解された各プロセス毎にガイドパターンを作成することによって、複数のガイドパターンを含む運転ガイドデータを作成するものとする。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0031】
本発明に係る運転支援装置は、車両の運転者が運転支援を望んだ場合に、所定の運転操作を支援するための最適な運転ガイドデータを、例えば当該車両の位置や速度から、指定する。そして、指定された運転ガイドデータに従って、所定の運転操作の終了時または中途時における当該車両の位置を表すガイドパターンを、車両の周囲を映すカメラ画像または合成画像に合わせて表示する。
【0032】
図1は本発明に係るガイドパターンの表示の一例であり、駐車動作の場合を例にとったものである。同図中、(a)はオリジナルのガイドパターンであり、段差があり、路面と同一平面上にない構造の自宅駐車場に向けて車両を誘導するためのものである。また、(b)は典型的なガイドパターンであり、通常の駐車場において並列駐車(左用)を行うためのものである。
【0033】
例えば、運転者が、自宅駐車場に近づいたので車両の速度を落とした場合、その現在位置や速度から、図1(a)に示すガイドパターンが優先して選択され、自動的に画面に表示される。一方、適切なガイドデータがない場合は、図1(b)に示すような典型的なガイドパターンを表示したり、または、運転ガイドデータのリストを表示して、運転者が特定の運転ガイドデータを選択できるようにする。
【0034】
そして、運転者は、画面上でガイドパターンが駐車場の位置に合うように、車両を移動させる。その後は、例えばハンドルを左いっぱいに切った状態で後退する、といった単純な運転操作によって、容易に駐車動作を完了することができる。
【0035】
このように、本発明に係る運転支援装置によると、利用者は、様々な駐車場についてそれぞれの構造に合った運転ガイドデータを予め登録しておくことによって、どこの駐車場に駐車する際でも、最適なガイドパターンが画面に表示されるので、駐車動作を容易に行うことができる。
【0036】
なお、本発明に係る運転支援装置は、典型的には駐車動作を支援するものであるが、例えば狭い駐車場からの車出し動作など、駐車動作以外の様々な運転操作にももちろん応用可能である。
【0037】
さて、駐車をはじめとした一見複雑そうに見える運転操作は、実はそのほとんどは、いくつかの単純なプロセスに分解することができる。そして、各プロセスは、ハンドルを所定角度に固定した状態で前進または後退を行うという非常に単純な運転操作によって、実行できる。
【0038】
例えば左に曲がりながら後退する平行駐車の場合、駐車動作の開始位置を適切にとることによって、1回または2回のプロセスで駐車を完了することができる。すなわち、1プロセスの場合は、左いっぱいにハンドルを切って後退するだけでよい。また、2プロセスの場合は、(1)駐車開始位置から駐車スペースの延長線上までハンドルを切った状態で後退し、(2)次にハンドルを真っ直ぐにもどして後退する、という運転操作になる。
【0039】
したがって、本発明に係る「ガイドパターン」とは、駐車動作のような運転操作の終了時における車両の位置を表すものだけでなく、その中途時、例えば分解した各プロセスの終了時における車両の位置を表すものも含む。
【0040】
(第1の実施形態)−運転ガイドデータの選択−
図2は本発明の第1の実施形態に係る運転支援装置の構成を示すブロック図である。図2に示す運転支援装置において、画像処理部20は、撮影手段10から出力された複数のカメラ画像を入力とし、これらを変形・合成して新たな画像を生成する。この合成画像は表示装置30によって表示される。表示装置30は、典型的には液晶ディスプレイであるが、プラズマディスプレイ等の他の表示デバイスを用いることもできる。また、このディスプレイは、車両搭載型のGPS端末ディスプレイ(いわゆるカーナビゲーションシステムのディスプレイ)と共用であってもよいし、これとは別に設けられたものでもよい。
【0041】
撮影手段10は複数のカメラ11を含む。カメラ11は典型的にはCCD,CMOSデバイス等の固体撮像素子を持つカラーまたはモノクロのデジタルカメラである。また撮影手段10は、例えばレンズと、プリズムまたはミラーとの組み合わせを備え、レンズおよびプリズムまたはミラーへの入射光が、所定光路を通って撮影手段10から離れた位置にある撮像素子に伝達されるように構成されていてもよい。
【0042】
図3は本実施形態におけるカメラの車両への設置例を示す概念図である。図3の例では、2台のペアカメラ11L,11Rが車両1のリアトランク2の中央部に、左右後外向きに配置されている。図3に示すカメラ配置は、車両1の後方に180度視野の画像を得るためであり、現状のカメラでは、単体で、解像度を保ちつつ180度の視野を確保することが難しいため、便宜的に2台のカメラ11L,11Rをペアにして実質的に180度の視野を得るようにしたものである。もちろん、十分な解像度が得られる場合には、魚眼レンズを利用してもかまわないし、そもそも後方180度の視野角が不要であれば、図3のようなカメラ配置でなくてもかまわない。カメラ台数も、2台に限らず、必要に応じて増やしてもかまわない。
【0043】
画像処理部20は、撮影手段10から出力された各カメラ画像を切り出し・変形し、合成画像を作成する。合成画像とは、カメラ画像に何らかの加工が行われている画像のことを指し、例えば、2台のカメラの画像から運転支援に必要な部分をそれぞれ矩形に切り出して左右に並べた画像や、車両後方を180度見渡した画像のことをいう。画素合成手段22は、撮影手段10から出力された各カメラ画像を入力し、合成画像を生成する。合成画像の生成のためには、画像変形処理や、変形された画像の必要部分を切り取った部分画像の合成処理、または境界部分のスムージングなどの処理(境界処理)が必要になる。図2の構成では、そのためにマッピングテーブル参照手段21を備えており、マッピングテーブルMPTを利用して合成画像の生成を一工程で行う。
【0044】
マッピングテーブルMPTは、カメラ画像の画素座標を、合成画像の画素座標に変換する処理を高速に行うためのテーブルである。カメラ画像の画素座標と合成画像の画素座標とは、1対1に対応するときもあるし、複数対1に対応するときもある。カメラ画像の画素座標と合成画像の画素座標とが、1対1に対応するか、または複数対1に対応するかは、カメラ11の設置位置や生成する合成画像の種類などに依存する。例えば、カメラ画像の境界部分において境界処理が行われる場合には、カメラ画像の画素座標と合成画像の画素座標とは1対1に対応しないことがある。
【0045】
図4はマッピングテーブルの一例を示す図である。図4において、第1のマッピングデータMD1は、合成画像の座標(i1,j1)が、カメラ1の画像における座標(12,45)の画素に対応することを表している。また、必要度は、画像合成の際におけるカメラ画像の重み付けを表す値であり、必要度「1」はカメラ画像をそのまま合成画像に用いることを表す。すなわち、合成画像の座標(i1,j1)には、カメラ1の画像の座標(12,45)の画素データが、そのままコピーされて用いられる。
【0046】
一方、第2のマッピングデータMD2は、合成画像の座標(i2,j2)が、カメラ1の画像における座標(10,10)の画素と、カメラ2の画像における座標(56,80)の画素とに対応することを表している。すなわち、合成画像の座標(i2,j2)は、カメラ1の画像とカメラ2の画像とが重なっている部分に相当する画素である。そして、必要度として、「0.3」と「0.5」とがそれぞれ設定されている。この場合、合成画像の座標(i2,j2)の画素値は、例えば、
画素値={(カメラ1の座標(10,10)の画素値)×0.3
+(カメラ2の座標(56,80)の画素値)×0.5}
/(0.3+0.5)
のように決めることができる。
【0047】
このような画素の対応関係を表したマッピングテーブルを予め準備しておくことによって、合成画像を高速に生成することができる。マッピングテーブルは、計算や手作業によって作成することができる。そして、利用するマッピングテーブルによって、運転支援装置の表示モードが決定される。この表示モードは、手動によりまたは自動的に切り替えることができる。
【0048】
マッピングテーブルは、具体的には、例えばROM(EEPROM等の書き込み・消去可能なROMを含む)またはRAMに書き込まれている。マッピングテーブルは、画像処理部20内のプロセッサが、マッピングテーブル・データを計算してRAMまたはROMに書き込むこともできるし、例えば、ファームウェアとして提供されるマッピングテーブル・データを、通信回線やディスクドライブ等のデータ転送手段を用いて、RAMまたはROMに書き込むこともできる。
【0049】
そして、本実施形態の特徴として、図2の構成では、複数の運転ガイドデータを記憶するガイドデータ記憶部41、ガイドデータ選択部42およびガイドメッセージ参照手段43が設けられている。また、画像処理部20はガイドパターン参照手段44をさらに有している。ガイドデータ記憶部41およびガイドデータ選択部42によって、所定の運転操作を支援するための運転ガイドデータを画像処理部20に指定するガイド指定部40が構成されている。
【0050】
図5は運転ガイドデータの例を一覧形式で示す図である。図5では、4種類の運転ガイドデータが示されている。図5において、項目「場所」は、他の運転ガイドデータと区別するための名称である。例えば運転ガイドデータNO.1の「会社」は、会社の駐車場に用いるものであり、運転ガイドデータNO.4の「平行駐車(左)」は、左後方への平行駐車に用いるものである。
【0051】
これらの運転ガイドデータは、当該車両の利用者の指示により選択され、選択された運転ガイドデータに応じたガイドがなされる。ただし、日常的に利用するような場所での運転操作、例えば自宅の駐車場への車庫入れなどで、車両の位置、または位置と速度の組合せによって、運転操作を行う場所が特定できる場合は、運転ガイドデータの選択を自動化することも可能である。
【0052】
以下では、運転ガイドデータの記述内容の詳細と、これらの記述内容を用いて自動で運転ガイドデータを選択し、これに基づいて運転操作を支援する仕組みを説明する。
【0053】
項目「位置」および「速度」は、運転ガイドデータの選択のための条件である。「位置」は緯度(lat_A),経度(lnt_A)によって規定され、「速度」は車両の時速によって規定されている。4種類の運転ガイドデータのうち、運転ガイドデータNO.1,2は車両の位置および速度の条件が示されており、この条件に従って、ガイドデータ選択部42が当該運転ガイドデータを優先的に表示すべきか否かを判断する。このような運転ガイドデータを「特殊運転ガイドデータ」と称する。「特殊運転ガイドデータ」は、会社の駐車場などのような特定の運転操作場所に対応している。これに対して、運転ガイドデータNO.3,4は、車両の位置および速度の条件が示されておらず、利用者の操作によってのみ選択され表示される。このような運転ガイドデータを「一般運転ガイドデータ」と称する。
【0054】
また、項目「基本ガイドデータ」は、各プロセスについて利用者に表示すべきガイドを表すデータである。図6は基本ガイドデータの具体内容を示す図である。図6から分かるように、1個の基本ガイドデータは、
・車両周囲の画像を合成するためのマッピングテーブル
・画像に重畳して表示するガイドパターン
・運転操作を文字や音声などで指示するガイドメッセージ
の3つの要素からなる。マッピングテーブルmap1,map2などはマッピング参照手段21に格納されており、ガイドパターンpat_A1,pat_A2などはガイドパターン参照手段44に格納されており、ガイドメッセージmes_0,mes_Lなどはガイドメッセージ参照手段43に格納されている。図7はガイドメッセージの一例を一覧形式で示す図である。図7において、例えばmes_Bは「ハンドルを真っ直ぐにしてバックして下さい。」というガイドメッセージを表す。
【0055】
一種類の運転ガイドデータに含まれる基本ガイドデータの個数は、運転操作を分解したプロセスの数に相当し、運転操作が1つのプロセスですむ場合は1個、複数のプロセスからなる場合はこれに相当する個数となる。基本ガイドデータが複数の場合、各基本ガイドデータはプロセスの順番に従って列挙される。
【0056】
「特殊運転ガイドデータ」では、駐車などの運転操作の開始位置と、ガイドパターンが表す位置との高低差が、加味されている。
【0057】
ガイドデータ選択部42は、ガイドデータ記憶部41に格納された運転ガイドデータの中から、適切な運転ガイドデータを、例えば当該車両の現在位置や速度等に応じて、自動で選択する。もし、表示すべき運転ガイドデータが現在の走行位置や速度から得られなかった場合は、例えば、運転ガイドデータのリストを提示し、運転者に表示すべき運転ガイドデータを選択させる。
【0058】
もちろん、現在位置や速度に応じて自動で選択することはせずに、最初から車両の利用者によって手動で選択させてもよいし、また、現在位置の条件のみで運転ガイドデータを選択してもかまわない。
【0059】
図8は本実施形態に係る運転ガイドデータの選択とガイドパターン表示の処理の流れを示すフローチャートであり、運転ガイドデータを車両の位置および速度の組合せによって自動で選択するものである。図8では、第1の工程S10において運転ガイドデータの選択が行われ、第2の工程S20においてガイドパターン表示が行われる。
【0060】
まず、利用者の表示モード切替操作によって、画面表示モードを運転支援モードにする(SS1)。
【0061】
次に、第1の工程S10において、ガイドデータ選択部42が、ガイドデータ記憶部41に格納された特殊運転ガイドデータのうち、自車の位置や速度の条件を満たすものがあるか否かを調べる(S11)。
【0062】
まず、車両の現在位置が、項目「位置」に規定された条件を満たすような特殊運転ガイドデータが、ガイドデータ記憶部41に準備されているか否かを調べる。車両の現在位置の検知は、例えば、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)を位置センサとして用いてもよいし、路面に埋め込まれた磁気ネイルを利用してもよい。なお、位置条件を満たすか否かは、例えばGPSを利用する場合、現在位置と規定された条件値との差がGPSの誤差の所定倍の範囲内にあるときは一致した、とする判断基準を用いればよい。もちろん、他の位置情報のデータを併せて用いる場合には、判断基準をそれに合わせて変えてもよい。
【0063】
位置条件を満たす特殊運転ガイドデータが見つかったとき、ガイドデータ選択部42は、次に、車両の走行速度が、この特殊運転ガイドデータの項目「速度」に規定された条件を満たすか否かを判断する。具体的には、車両の現在速度が規定された条件値よりも小さいとき、速度条件を満たしたと判断する。
【0064】
ここで、速度条件を設けた理由は、特殊運転ガイドデータが登録されているような場所(図5の例では「会社」や「○×スーパー」)の近辺を車両が高速で通過する場合には、たとえ位置条件を満たしたとしても、この特殊運転ガイドデータを選択しないようにするためである。
【0065】
このようにして、位置および速度の条件を満たす特殊運転ガイドデータが見つかり(S11でYes)、かつ1個であるとき(S12でNo)は、第2の工程S20に進む。もし複数個見つかったときは(S12でYes)、特殊運転ガイドデータのリストを利用者に提示し、いずれか1つを選択させる(S13)。もし所定時間待っても選択操作がないときは、選択がなされなかったものとして(S15でNo)、再度第1の工程S10の当初にもどって処理を繰り返す。
【0066】
一方、位置および速度の条件を満たす特殊運転ガイドデータが見つからなかったときは(S11でNo)、すでに登録されている運転ガイドデータのうち一般運転ガイドデータのリストを利用者に提示し、いずれか1つを選択させる(S14)。もし所定時間待っても選択操作がないときは、選択がなされなかったものとして(S15でNo)、再度第1の工程S10の当初にもどって処理を繰り返す。
【0067】
次に、第2の工程S20において、ガイドデータ選択部42が、第1の工程S10で選択された運転ガイドデータを読み込み(S21)、続いて最初の基本ガイドデータを読み込む(S22)。そして、ステップS23において、読み込んだ基本ガイドデータの内容に従って、マッピングテーブル、ガイドパターンおよびガイドメッセージの指示を行う。
【0068】
まず、ガイドデータ選択部42は、マッピングテーブル参照手段21にマッピングテーブルの指示を行う。これを受けて、マッピングテーブル参照手段21は、指示されたマッピングテーブルを参照してマッピングデータを画素合成手段22に送る。
【0069】
また、ガイドデータ選択部42は、用いるガイドパターンをガイドパターン参照手段44に指示し、これを受けてガイドパターン参照手段44は指示されたガイドパターンを映像信号生成手段23に送る。さらに、提示するガイドメッセージをガイドメッセージ参照手段43に指示し、これを受けてガイドメッセージ参照手段43は、ガイドメッセージを映像信号生成手段23に送る。
【0070】
次にステップS24において、映像信号生成手段23は、ガイドパターン参照手段44から送られたガイドパターンを合成画像に重ね合わせて表示するとともに、ガイドメッセージ参照手段43から送られたガイドメッセージを併せて提示する。ガイドメッセージの提示の方法としては、表示装置30の画面の画像表示エリア外に表示してもよいし、音声合成によって提示してもかまわない。
【0071】
上述した処理によって、1個の基本ガイドデータによるガイド表示は完了する。しかしながら、すでに述べたように、運転操作の内容や駐車スペースの周囲の状況によっては、運転操作に必要なプロセスが複数あり、基本ガイドデータが複数個準備されている場合がある。このため、複数のプロセスを経て完了する運転操作の場合、一つのプロセスのガイド表示を終えると、その次のプロセスに係る基本ガイドデータを読み込んで(S26)、同様の処理によってガイド表示を行う。
【0072】
全てのプロセスについてガイド表示がなされ、一連の運転操作が完了すると、利用者が運転ガイドデータ表示終了を指示し(S27)、運転支援モードを終了する(SE1)。
【0073】
図8に示す処理の流れを、画面表示例を示しながら具体的に説明する。ここでは、図5に示す運転ガイドデータが、ガイドデータ記憶部41に登録されているものとする。ここで、基本ガイドデータの各データは次のようなものとする。
・マッピングテーブル
map1…図3のカメラ11Lの画像をそのまま提示するマッピングテーブル
map2…図3のカメラ11Lとカメラ11Rの画像について、車両1の長手方向の中心線に近い側の半分の画像を切り出し、左右に並べて表示するマッピングテーブル
map3…図3のカメラ11Rの画像をそのまま提示するマッピングテーブル
・ガイドパターン
pat_A1…図9(a)に示すガイドパターン
pat_A2…図9(b)に示すガイドパターン
・ガイドメッセージ
mes_0,mes_L,mes_R…図7に示すガイドメッセージ
また、利用者が運転する車両は、自分の会社の駐車場に十分近い所を時速5kmで走行中であるものとする。
【0074】
利用者の操作によって運転支援モードになると(SS1)、第1の工程S10において、ガイドデータ選択部42が、図5に示す運転ガイドデータの中で、位置条件を満たすものがあるか否かを調べる。いま、車両は会社の駐車場に十分近い所を走行しているので、特殊運転ガイドデータNO.1が位置条件を満たすことが分かる。他に位置条件を満たす特殊運転ガイドデータはない。
【0075】
次に、特殊運転ガイドデータNO.1が速度条件を満たすか否かを調べる。項目「速度」には10kmと規定されており、現在速度は5kmであるので、速度条件を満たすことが分かる。これにより、第1の工程S10は終了する。
【0076】
次に第2の工程S20において、ガイドデータ選択部42は、第1の工程S10で選択された運転ガイドデータNO.1の最初の基本ガイドデータ(map1,pat_A1,mes_0)を読み込む。そして、その内容に従って、まず、マッピングテーブルをmap1に切り替える旨をマッピングテーブル参照手段21に伝え、これを受けてマッピングテーブル参照手段21は、画像合成を行うマッピングテーブルをmap1に切り替えて画素合成手段22にマッピングデータを送る。
【0077】
また、ガイドデータ選択部42は、ガイドパターンをpat_A1にする旨をガイドパターン参照手段44に指示し、これを受けてガイドパターン参照手段44は、図9(a)に示すガイドパターンpat_A1を映像信号生成手段23に送る。さらに、ガイドデータ選択部42は、ガイドメッセージをmes_0にする旨をガイドメッセージ参照手段43に指示し、これを受けてガイドメッセージ参照手段43は、mes_0すなわち「ガイドと駐車位置が合うように車を移動して下さい。」というガイドメッセージを映像信号生成手段23に送る。
【0078】
映像信号生成手段23は、ガイドパターンpat_A1を合成画像に重ね合わせて表示するとともに、ガイドメッセージmes_0を表示する。
【0079】
図10はこのとき利用者に提示されたモニタ画面とこれに対応する運転操作を示す図である。同図中、(a)はガイドパターンpat_A1を提示した当初の画面であり、自車を駐車開始位置まで誘導しはじめた段階である。また(b)は画面に表示されたガイドパターンpat_A1を見ながら、自車の駐車開始位置への誘導を完了した画面である。図10(b)では、ガイドパターンpat_A1が駐車場の位置にぴったり一致していることが分かる。
【0080】
駐車開始位置への誘導を完了したので、利用者は、スイッチ操作などによって、次のプロセスに移るための指示を行う。この指示を受けて、ガイドデータ選択部42は次の基本ガイドデータ(map2,pat_A2,mes_L)を読み込む。そして先と同様の処理によって、その内容に従って、まず、マッピングテーブルをmap2に切り替える旨をマッピングテーブル参照手段21に伝え、これを受けてマッピングテーブル参照手段21は、画像合成を行うマッピングテーブルをmap2に切り替えて画素合成手段22にマッピングデータを送る。
【0081】
また、ガイドデータ選択部42は、ガイドパターンをpat_A2にする旨をガイドパターン参照手段44に伝え、これを受けてガイドパターン参照手段44は図9(b)に示すガイドパターンpat_A2を映像信号生成手段23に送る。さらに、ガイドデータ選択部42は、ガイドメッセージをmes_Lにする旨をガイドメッセージ参照手段43に伝え、これを受けてガイドメッセージ参照手段43は、mes_Lすなわち「ハンドルを左にいっぱいきってバックして下さい。」というガイドメッセージを映像信号生成手段23に送る。
【0082】
映像信号生成手段23は、ガイドパターンpat_A2を合成画像に重ね合わせて表示するとともに、ガイドメッセージmes_Lを表示する。。
【0083】
図11はこのとき利用者に提示されたモニタ画面とこれに対応する運転操作を示す図である。同図中、(a)はガイドパターンpat_A2を提示した当初の画面であり、車両が駐車開始位置にある段階である。また(b)は(a)の状態からガイドメッセージに従って、ハンドルを左一杯にきってバックした結果、自車の駐車位置への誘導を完了した画面である。図11(b)では、ガイドパターンpat_A2が駐車場の枠にぴったり一致していることが分かる。
【0084】
このようにして、2プロセスで、会社の駐車場への駐車操作が完了したので、利用者の指示によって運転支援モードが終了する(SE1)。
【0085】
なお、ここでは、運転操作が2プロセスで完了するものとしたが、プロセスが1つまたは3つ以上の場合であっても同様の処理で運転操作を支援することが可能になる。また、一般運転ガイドデータを用いた場合でも、運転操作を支援することは可能である。
【0086】
以上のように本実施形態によると、日常的に利用するような駐車場について、これに適した運転ガイドデータを予め登録しておけば、駐車時にその運転ガイドデータが優先して選択されるので、運転ガイドデータの選択の間違いや煩わしさを省くことができ、駐車動作が簡単に行えるようになる。また、位置を計測できない等の場合でも運転ガイドデータが利用できるように、これら運転ガイドデータは、当該車両の利用者によって選択されるようにしてもかまわない。もちろん、駐車に限らず他の運転操作についても同様の効果が期待できる。
【0087】
(第2の実施形態)−運転ガイドデータの作成
上述の第1の実施形態では、運転ガイドデータはすでに準備されているものとして説明を行った。本発明の第2の実施形態では、運転ガイドデータの新規作成について説明を行う。
【0088】
図12は本発明の第2の実施形態に係る運転支援装置の構成を示すブロック図であり、図2と共通の構成要素には、図2と同一の符号を付している。図2と対比すると、図12の構成では、運転ガイドデータを当該車両の利用者からの指示に応じて新たに作成する運転ガイド作成手段50が、ガイド指定部40Aに設けられている点が異なる。そして、基本的には図2の構成と同様に動作するが、運転ガイドデータを新たに作成する際に、運転ガイド作成手段50からマッピングテーブル参照手段21にマッピングテーブルMPTの切り替えが伝えられる点、また運転ガイドデータが新たに作成されたとき、新たな運転ガイドデータに関するデータが、ガイドデータ記憶部41、ガイドメッセージ参照手段43およびガイドパターン参照手段44にそれぞれに付加される点が異なる。なお、新たに運転ガイドデータが作成された場合に、これに用いるガイドメッセージとしてすでに登録済みのものがあれば、それを再利用することも可能である。
【0089】
図13は本実施形態に係る運転ガイドデータの作成処理の流れを示すフローチャートである。運転ガイドデータの作成手法としては、様々なものが考えられるが、ここでは、所定の運転操作と逆の操作を行うこと、例えば駐車の場合は駐車場から車両を道路に出す操作を行うことによって、運転ガイドデータを作成する方法について説明する。
【0090】
図13において、運転ガイドデータの作成を開始すると(SS2)、まず準備工程S30において、運転ガイドデータを作成する対象となる所定の運転操作を、単純なプロセスに分解し、各プロセスの順番を入れ替える(S31)。そして、最初のプロセスの完了時点(すなわち運転操作完了時)の状態まで車両を移動させる(S32)。
【0091】
ここで、プロセスへの分解を考える際のポイントは、各プロセスの運転操作において、ハンドルの位置決めが誰でも行えるようにすることである。なぜなら、ハンドルは自由に動くので、決められた切り角にハンドルを正確に合わせることは通常の運転者にとって困難だからである。誰でも容易に固定できる切り角とは、具体的には例えば、ハンドルを真っ直ぐにした位置、左いっぱいに切った位置、右いっぱいに切った位置などである。これに対して、例えば真っ直ぐと左いっぱいの中間の切り角などは正確に位置決めするのはきわめて難しい。ただし、車両に舵角センサが設置されている場合は、ハンドルの位置決めは舵角センサを参照して容易にできるので、各プロセスにおけるハンドルの切り角は自由に設定してかまわない。
【0092】
次に、ガイド作成工程S40において、ステップS31で分解され並び替えられた各プロセス毎に、次の4つのステップS41〜S44を行う。
【0093】
S41:マッピングテーブル切り替えをマッピングテーブル参照手段21に伝え、合成画像を見ながら、当該プロセスの終了時点の最適な画像を表示するためのマッピングテーブルを選択する。
【0094】
S42:ステップS41で選択したマッピングテーブルによる合成画像を参照して、自動的に、または、手作業によって当該プロセスに係るガイドパターンを作成する。そして、作成したガイドパターンを、名前を付けた上でガイドパターン参照手段44に登録する。ここで、ガイドパターンの自動作成は、例えば、合成画像にエッジ抽出処理を施し、さらに2値化閾値処理を行うなどの方法を用いればよい(後の例で詳述する)。また手作業で作成する場合は、例えば、表示装置30としてタッチパネル式のモニタを採用し、ガイドパターンになる部分を手でトレースして作成するなどの方法を用いればよい。さらには、実写画像(またはその一部を切り出した画像)を半透明処理したものを、ガイドデータとして用いてももちろんかまわない。この処理によって、駐車開始位置と、ガイドパターンが表す位置との間の高低差が、運転ガイドデータに加味されることになる。
【0095】
S43:当該プロセスに係るガイドメッセージを、新たに作成するか、または既存のガイドメッセージの中から選択する。新たに作成した場合は、そのガイドメッセージをガイドメッセージ参照手段43に登録する。
【0096】
S44:このようにして得られた、マッピングテーブル、ガイドパターンおよびガイドメッセージからなる基本ガイドデータを、一時的に保存する。
【0097】
そして、あるプロセスについて上述の4つのステップS41〜S44が終了したとき、ガイドメッセージに示された所定のハンドル状態を保ちながら車両を逆方向に移動させ(S46)、次のプロセスについて、ステップS41〜S44を引き続き行う。全てのプロセスについて処理が終了したとき、ガイド登録工程S50に進む(S45)。
【0098】
次に、登録工程S50において、ステップS51では、必要であれば、運転ガイドデータの名称および位置・速度条件を入力し、またステップS44で保存された基本ガイドデータを順序を逆にして保存する。そして、ステップS51で作成された運転ガイドデータをガイドデータ記憶部41に登録して(S52)、運転ガイドデータ作成処理を完了する(SE2)。
【0099】
図13に示す運転ガイドデータ作成処理の流れを、画面表示例を示しながら具体的に説明する。ここでは、自宅の駐車場に、左側から進入して駐車する場合の運転ガイドデータを作成するものとする。また、基本ガイドデータの各データは、第1の実施形態と同様である。ここで初めて用いるものを以下に示す。
・ガイドパターン
pat_C1…図16に示すガイドパターン
pat_C2…図15に示すガイドパターン
pat_C3…図14に示すガイドパターン
・ガイドメッセージ
mes_B…図7に示すガイドメッセージ
まず準備工程S30において、自宅駐車場へ車両を誘導する運転操作を、次の3つのプロセスに分解する(S31)。
PR1:駐車開始位置への誘導
PR2:駐車開始位置からハンドルを切った状態で駐車スペースに平行になる状態まで移動
PR3:ハンドルを真っ直ぐにもどして後退し駐車を完了
次にこれらのプロセスPR1,PR2,PR3の順序を入れ替える。その後、入れ替えた後の最初のプロセスすなわち第3のプロセスPR3の完了時、すなわち駐車完了時の状態に車両を移動させる(S32)。
【0100】
次にガイド作成工程S40において、第3のプロセスPR3に関し、図14に示すように、次の4つの処理S41〜S44を行う。
S41…プロセスPR3の表示画像に対応するマッピングテーブルmap2に切り替えるよう、マッピングテーブル参照手段21に伝え、その合成画像IM31を表示する。
S42…合成画像IM31に対してエッジ抽出処理を行い、エッジ強調画像IM32を作成する。そして所定の値よりも黒いか白いかの2値化閾値処理を行ってガイドパターンIM33を作成し、作成したガイドパターンIM33を名前「pat_C3」を付けてガイドパターン参照手段44に登録する。
S43…図7に示す既存のガイドメッセージの中から、mes_B「ハンドルを真っ直ぐにしてバックして下さい。」を選択する。
S44…このようにして作成された基本ガイドデータ(map2,pat_C3,mes_B)を一時的に保存する。
【0101】
第3のプロセスPR3に係る処理を終了したので、ガイドメッセージmes_Bが指示するハンドル状態で逆方向の移動、すなわちハンドルを真っ直ぐにして車両を前進させる。この移動は、次の第2のプロセスPR2の終了地点まで行う。
【0102】
続いて第2のプロセスPR2に関し、図15に示すように、次の4つの処理S41〜S44を行う。
S41…第2のプロセスPR2の表示画像は第3のプロセスPR3と同一のマッピングテーブルを用いるので、そのままマッピングテーブルmap2を用いて、合成画像IM21を表示する。
S42…合成画像IM21に対してエッジ抽出処理を行い、エッジ強調画像IM22を作成する。そして所定の値よりも黒いか白いかの2値化閾値処理を行ってガイドパターンIM23を作成し、作成したガイドパターンIM23を名前「pat_C2」を付けてガイドパターン参照手段44に登録する。
S43…図7に示す既存のガイドメッセージの中から、mes_L「ハンドルを左にいっぱいにきってバックして下さい。」を選択する。
S44…このようにして作成された基本ガイドデータ(map2,pat_C2,mes_L)を、作成済みの基本ガイドデータと合わせて一時的に保存する。
【0103】
第2のプロセスPR2の処理を終了したので、ガイドメッセージmes_Lが指示するハンドル状態で逆方向の移動、すなわちハンドルを左にいっぱいきって車両を前進させる。この移動は、次の第1のプロセスPR1の終了地点まで行う。
【0104】
続いて第1のプロセスPR1に関し、図16に示すように、次の4つの処理S41〜S44を行う。
S41…第1のプロセスPR1の表示画像に対応するマッピングテーブルmap1に切り替えるよう、マッピングテーブル参照手段21に伝え、その合成画像IM11を表示する。
S42…合成画像IM11に対してエッジ抽出処理を行い、エッジ強調画像IM12を作成する。そして所定の値よりも黒いか白いかの2値化閾値処理を行ってガイドパターンIM13を作成し、作成したガイドパターンIM13を名前「pat_C1」を付けてガイドパターン参照手段44に登録する。
S43…図7に示す既存のガイドメッセージの中から、mes_0「ガイドと駐車位置が合うように車を移動して下さい」を選択する。
S44…このようにして作成された基本ガイドデータ(map1,pat_C1,mes_0)を、作成済みの基本データと合わせて一時的に保存する。
【0105】
第1のプロセスPR1の処理を終了し、残りのプロセスはないので、運転操作の全てのプロセスについての基本ガイドパターンの作成が完了する(S45でYes)。
【0106】
そしてガイド登録工程S50において、次のような運転ガイドデータを作成する(S51)。
名称:自宅(駐車)
位置:(lat_C,lnt_C)
速度:10km
基本ガイドデータ:(map1,pat_C1,mes_0),(map2,pat_C2,mes_L),(map2,pat_C3,mes_B)
【0107】
なお、位置情報は、自車の位置センサ(GPSなど)から緯度経度情報を取得して用いるなどすればよい。また、ガイド作成工程S40で保存された各基本ガイドデータは、再度順序を逆にして保存する。これは、運転ガイドデータ作成時と運転ガイドデータ利用時とで、車の動きがおおむね逆になることからも明らかである。
【0108】
以上説明した運転ガイドデータ作成処理においては、ハンドルを真っ直ぐ以外の状態で固定したまま、ある場所から後退して停止し、ハンドルはそのままで、後退した距離だけ前進した場合に、車両のタイヤが前進時と後退時とで全く同じ軌跡上を通ることを前提としている。しかしながら、実際には、前進時と後退時とで、軌跡に、車種やハンドル切り角に応じたずれが生じる場合がある。このような場合には、このずれの影響を微調整して吸収しながら、運転ガイドデータを作成すればよい。
【0109】
そして、作成された運転ガイドデータをガイドデータ記憶部41に登録して(S52)、運転ガイドデータ作成処理を完了する(SE2)。この結果、ガイドデータ記憶部41の内容は図17のようになる。図17において、運転ガイドデータNO.3が、今回新たに生成された運転ガイドデータに当たる。
【0110】
以上のように本実施形態によると、例えば、頻繁に利用する運転操作場所に係る運転ガイドデータがまだ登録されていない場合、運転ガイドデータ作成手段によって、運転ガイドデータを新たに作成することができる。そして、運転操作の開始位置と、ガイドパターンが表す位置との間の高低差が、運転ガイドデータに加味される。すなわち、利用者の車両の利用形態に応じて、自由に運転ガイドデータを構築し利用することが可能となる。
【0111】
(第3の実施形態)−運転ガイドデータの修正
上述の第2の実施形態に従うと、どのような運転状況に対しても、原理的には運転ガイドデータを作成することができる。しかしながら、登録された運転ガイドデータの個数が多すぎると、運転ガイドデータの選択に時間がかかったり、誤って選択する頻度が増える、といった問題も生じる。したがって、運転ガイドデータの個数が過度に増えないように、すでに登録されたものに類似する運転ガイドデータについては、新たに作成せずに、既存のものを少し修正して利用するのが好ましい。本発明の第3の実施形態は、運転ガイドデータの修正を行うものである。
【0112】
図18は本発明の第3の実施形態に係る運転支援装置の構成を示すブロック図である。図18では、図2と共通の構成要素には、図2と同一の符号を付しており、ここではその詳細な説明を省略する。図2と対比すると、図18の構成では、ガイドデータ記憶部41に記憶された運転ガイドデータを、当該車両の利用者からの指示に従って修正する運転ガイド修正手段60が、ガイド指定部40Bに設けられている点が異なる。そして、基本的には図2の構成と同様に動作するが、運転ガイドデータを修正する際に、ガイドデータ記憶部41に対して登録済みの運転ガイドデータを参照する点と、修正されたガイドパターンをガイドパターン参照手段44に蓄える点が異なる。
【0113】
運転ガイド修正手段60は、ある運転操作について、これに対応した運転ガイドデータは登録されていないが、登録済みの運転ガイドデータを少し修正するだけで良い場合に、修正によって必要な運転ガイドデータを一時的に作成するというものである。
【0114】
例をあげると、駐車動作の支援において、駐車開始位置と駐車スペースとの間に段差がない場合の運転ガイドデータと、駐車開始位置と駐車スペースは平行で途中の段差が20cmある場合の運転ガイドデータが登録されているものとする。このような場合に、例えば駐車開始位置と駐車スペースは平行で途中の段差が10cmある場合の駐車を支援するために、登録済みの運転ガイドデータを修正して利用する。
【0115】
図19を用いて、本実施形態に係る運転ガイドデータの修正処理を具体的に説明する。同図中、(a)は段差がない場合の駐車支援のための第1のガイドパターンGP_0(P1−P2−P3−P4)と、駐車開始位置と駐車スペースが平行で段差が20cmある場合の第2のガイドパターンGP_20(P1’−P2’−P3’−P4’)とを示す図である。P1とP1’,P2とP2’,P3とP3’,そしてP4とP4’がそれぞれ対応している。また(b)は(a)に示す各点P1,P2,P3,P4およびP1’,P2’,P3’,P4’の画面上の座標値を示す図である。
【0116】
このような場合に、Ncmの段差(0≦N≦20)がある場合の第3のガイドパターンGP_Nは、第1のガイドパターンGP_0と第2のガイドパターンGP_20との補間によって擬似的に作成することが可能である。
【0117】
この補間のために、まず、第1および第2のガイドパターンGP_0,GP_20の相互の関係を、次式に示す2次元射影変換で近似的に表すことにする。
【数1】
上式において、(x,y)は第1のガイドパターンGP_0を構成する点、(x’,y’)は第2のガイドパターンGP_20を構成する点であり、係数ak(k=1…8)は変換パラメータである。この変換パラメータakを求めるためには、未知数が8つであるから、第1のガイドパターンGP_0と第2のガイドパターンGP_20との間で4つの点の対応関係(本例では図19(b)の座標値)を式(1)に代入して8つの連立方程式を立て、これを解けばよい。
【0118】
式(1)の変換パラメータakが求まると、第3のガイドパターンGP_Nは、第1のガイドパターンGP_0の全ての点について、次の3つのステップを行うことによって、作成できる。
・第1のガイドパターンGP_0の点(x,y)について、これに対応する第2のガイドパターンGP_20の点(x’,y’)を式(1)を用いて求める。
・(x,y)と(x’,y’)とから、次式を用いて、第1のガイドパターンGP_0の点(x,y)に対応する第3のガイドパターンGP_Nの点(u,v)を得る。
【数2】
・第3のガイドパターンGP_Nの点(u,v)に、第1のガイドパターンGP_0の点(x,y)の値をコピーする。
【0119】
図19(c)はこのようにして作成された第3のガイドパターンGP_Nの一例である。
【0120】
図20は運転ガイドデータの修正を行う際の画面表示の一例を示す図である。図8のフローチャートにおける運転ガイド選択時(S15)において、まず図20(a)のような画面が表示され、(2)の平行駐車(左)を選択したとする。続いて、図20(b)のように段差修正の要否を問い合わせてきたとき、「はい」を選択する。最後に、図20(c)のように段差の指定を要求されたとき、その値を例えば「10」cmのように入力する。これにより、先に説明した処理によって10cmの段差のガイドパターンが作成され、利用者に提示される。なお、段差の値については、利用者が手入力する代わりに、超音波やレーザー等による距離センサを用いて自動的に計測することも可能である。
【0121】
また、このようにして修正により作成した運転ガイドデータが、用いられる頻度が高い場合には、新たな運転ガイドデータとしてガイドデータ記憶部41に登録しておいてもよい。
【0122】
(サービスへの応用)
本発明に係る運転支援装置が、将来、広く普及すると、運転ガイドデータの作成をサービスビジネスとして展開することが可能となる。例えば、新車の納車時に、自宅駐車場用の運転ガイドデータをその場で作成するサービスを行い、顧客からその対価を受け取ったり、または、サービスを無料で行うことによって他社との差別化を図り、多くの顧客を集めることができるという効果が期待できる。
【0123】
なお、本発明は例示の実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲の個々の請求項に記載の事項の範囲内で、具体的な構成を変更して実施可能である。
【0124】
なお、本発明において、車両とは、普通自動車、軽自動車、貨物自動車またはバス等を含む。また、本発明の技術思想が適用されうるものであれば、クレーン車、シャベルカー等の特殊車両も本発明の車両とすることができる。
【0125】
また、高低差のある場所での駐車以外でも、例えば、大型のトレーラーにおける連結操作の補助など、様々な運転操作の支援として本技術は利用可能である。連結操作の補助の場合には、連結部は通常見えないので、連結した状態においてトレーラー部の様子を駆動車から撮影した画像を、運転ガイドデータとして用いればよい。
【0126】
<補足説明>
従来の運転支援装置では、駐車開始から終了まで全て同一平面上を動くことを前提にしてガイドを提示している。このため、すでに課題の項で述べたように、路面と駐車スペースとの間に段差がある場合、ガイドと駐車スペースとが合うような場所から駐車を開始すると、車両が駐車スペースから大きくはずれてしまうという問題が生じる。
【0127】
このような段差の影響について、図21および図22を参照して、補足説明を行う。
【0128】
図21は段差の影響を説明するための概念図であり、同図中、(a)はガイドパターンの一例、(b)は段差のない駐車スペースにガイドを合わせた画面、(c)は段差のある駐車スペースにガイドを合わせた画面、(d)は(b)と(c)における自車位置と駐車スペースとの位置関係を上方から見下ろして表した図である。(d)では自車位置を基準にして、自車位置と駐車スペースとの位置関係を表している。また、WL1,WL2はそれぞれの駐車スペースを区切るための白線である。
【0129】
図21(d)から明らかなように、画面上でガイドを駐車スペースに合わせたとき、自車と駐車スペースとの位置関係は、段差の有無によって大きくずれる。すなわち、この場合のガイドは、段差のない駐車スペースを前提に作成されているので、もしこれを段差のある駐車スペースに用いると、本来の駐車スペースは白線WL2の位置にあるにもかかわらず、白線WL1の位置に車両が誘導されてしまう。すなわち、所望の駐車スペースから大きく離れた場所に車両が誘導されてしまうことが直感的に理解できる。
【0130】
そこで図22を用いて、段差がどの程度の位置ずれを実際に引き起こすかを定量的に説明する。図22では、車両後部の高さchの位置にカメラが設置されている。そして、路面上で車の進行方向後向きにY軸、路面上でY軸に直交する方向にX軸を設定する。
【0131】
いま、カメラの所定の画素が、段差のない路面上の(x1,y1)の位置を映しているものとする。そして、路面に対して段差dhを持つ駐車スペースにおいて、その画素は(x2,y2)を映すものとする。ただし、
ここで、X軸方向のずれdx、Y軸方向のずれdyは、次式でそれぞれ求められる。
【数3】
【0132】
例えば、カメラ位置の高さchが1m、X軸方向の距離x2が4m、段差dhが20cmとすると、車が駐車開始から完了にいたるまでの実際のX方向移動距離x1は、上式から5mとなり、ずれdxは1mとなる。このことは、20cmの段差がある駐車スペースにガイドを合わせて駐車をさせると、実際の駐車スペースよりも1mも後ろに車両が停まることを意味する。Y軸方向のずれに関しても全く同様である。
【0133】
以上のことから、従来の運転支援装置で提供される駐車ガイドを用いて、段差のある駐車スペースに自車を誘導しようとすると、上述したような位置ずれが生じるために、場合によって事故につながりかねない。したがって、本発明は、確実に車両を誘導できるという点で、きわめて有効である。
【0134】
【発明の効果】
以上のように本発明によると、車両の運転を支援する装置において、特定の運転操作場所に対応した運転ガイドデータが準備されており、かつ、この運転ガイドデータでは、所定の運転操作の開始位置とガイドパターンが表す位置との高低差が加味されている。このため、運転操作環境の違いが反映された、適切なガイドパターンを提示することができ、利用者の運転操作をより的確に、きめ細かく支援することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るガイドデータ表示の一例を示す図である。
【図2】 本発明の第1の実施形態に係る運転支援装置の構成を示すブロック図である。
【図3】 車両におけるカメラの配置例を示す図である。
【図4】 マッピングテーブルを概念的に示す図である。
【図5】 運転ガイドデータの一例を一覧形式で示した図である。
【図6】 基本ガイドデータの具体内容を示す図である。
【図7】 ガイドメッセージの一例を一覧形式で示した図である。
【図8】 本発明の第1の実施形態に係る運転ガイドデータの選択とガイドパターン表示の処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】 ガイドパターンの一例を示す図である。
【図10】 ガイドパターンの表示画面とこれに対応する運転操作を示す図である。
【図11】 ガイドパターンの表示画面とこれに対応する運転操作を示す図である。
【図12】 本発明の第2の実施形態に係る運転支援装置の構成を示すブロック図である。
【図13】 運転操作ガイドの作成を行う処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】 運転ガイドデータの作成処理を説明するための図である。
【図15】 運転ガイドデータの作成処理を説明するための図である。
【図16】 運転ガイドデータの作成処理を説明するための図である。
【図17】 運転ガイドデータの一例であって、新たな運転ガードデータが追加された結果を示す図である。
【図18】 本発明の第3の実施形態に係る運転支援装置の構成を示すブロック図である。
【図19】 第3の実施形態に係る運転操作ガイドの修正処理を説明するための図である。
【図20】 運転ガイドデータの修正を行う際の画面表示の一例を示す図である。
【図21】 段差の影響について補足説明するための図である。
【図22】 段差の影響について補足説明するための図である。
【図23】 従来の運転支援装置と、その問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
20 画像処理部
40,40A,40B ガイド指定部
41 ガイドデータ記憶部
42 ガイドデータ選択部
50 運転ガイド作成手段
60 運転ガイド修正手段
Claims (13)
- 車両の運転を支援する装置であって、
所定の運転操作を支援するための運転ガイドデータを、指定するガイド指定部と、
前記ガイド指定部によって指定された運転ガイドデータに含まれており、前記所定の運転操作の終了時または中途時における当該車両の位置を表すガイドパターンを、車両の周囲を映す周囲画像に合成し、表示装置に出力する画像処理部とを備え、
前記運転ガイドデータは、当該運転ガイドデータが用いられる特定の運転操作場所を示す場所情報を含んでおり、
前記ガイドパターンは、前記場所情報が示す特定の運転操作場所における、前記所定の運転操作の開始位置と、前記ガイドパターンが表す車両の位置との間の高低差を加味して、前記周囲画像における位置が設定されている
ことを特徴とする運転支援装置。 - 請求項1記載の運転支援装置において、
前記所定の運転操作は、駐車動作であり、
前記運転操作場所は、駐車場である
ことを特徴とする運転支援装置。 - 請求項2記載の運転支援装置において、
前記ガイドパターンが表す車両の位置は、駐車場内にあり、
前記開始位置は、前記駐車場前の路面であり、
前記高低差は、駐車場と、駐車場前の路面との間の段差を含むものである
ことを特徴とする運転支援装置。 - 請求項1記載の運転支援装置において、
前記ガイド指定部は、
複数の運転ガイドデータを記憶するガイドデータ記憶部と、
前記ガイドデータ記憶部に記憶された複数の運転ガイドデータの中から、前記場所情報を参照して、車両の現在位置に対応する運転ガイドデータを選択するガイドデータ選択部とを備え、
前記ガイドデータ選択部によって選択された運転ガイドデータを、前記画像処理部に指定するものである
ことを特徴とする運転支援装置。 - 請求項4記載の運転支援装置において、
前記ガイド指定部は、
運転ガイドデータを、当該車両の利用者からの指示に応じて、新たに作成する運転ガイド作成手段を備えたものである
ことを特徴とする運転支援装置。 - 請求項5記載の運転支援装置において、
前記運転ガイド作成手段は、
当該車両が所定の位置にあるときの車両周囲の画像に対して、画像中のエッジを抽出するエッジ抽出処理を施し、
前記エッジ抽出処理によって作成されたエッジ強調画像を基にして、ガイドパターンを作成するものである
ことを特徴とする運転支援装置。 - 請求項4記載の運転支援装置において、
前記ガイド指定部は、
前記ガイドデータ記憶部に記憶された運転ガイドデータを、当該車両の利用者からの指示に従って修正し、新たな運転ガイドデータとして作成する運転ガイド修正手段を備えたものである
ことを特徴とする運転支援装置。 - 請求項1記載の運転支援装置において、
前記ガイドパターンの前記周囲画像における位置は、前記開始位置と前記ガイドパターンが表す車両の位置との間に高低差がない場合における位置から、ずらされている
ことを特徴とする運転支援装置。 - 請求項8記載の運転支援装置において、
前記ガイドパターンが表す車両の位置は、前記開始位置よりも高く、
前記ガイドパターンの前記周囲画像における位置は、前記開始位置と前記ガイドパターンが表す車両の位置との間に高低差がない場合における位置から、前記開始位置に近づく方向に、ずらされている
ことを特徴とする運転支援装置。 - 請求項8記載の運転支援装置において、
前記周囲画像は、当該車両に設置されたカメラによって撮像された画像であり、
前記ガイドパターンの前記周囲画像における位置は、前記開始位置と前記ガイドパターンが表す車両の位置との間に高低差がない場合における位置と、前記カメラの位置および高さとから、求められる
ことを特徴とする運転支援装置。 - 車両の運転を支援する方法であって、
所定の運転操作を支援するための運転ガイドデータを、指定するガイド指定ステップと、
前記ガイド指定ステップにおいて指定された運転ガイドデータに含まれており、前記所定の運転操作の終了時または中途時における当該車両の位置を表すガイドパターンを、車両の周囲を映す周囲画像に合成し、表示装置に出力する画像処理ステップとを備え、
前記運転ガイドデータは、当該運転ガイドデータが用いられる特定の運転操作場所を示す場所情報を含んでおり、
前記ガイドパターンは、前記場所情報が示す特定の運転操作場所における、前記所定の運転操作の開始位置と、前記ガイドパターンが表す車両の位置との間の高低差を加味して、前記周囲画像における位置が設定されている
ことを特徴とする運転支援方法。 - 車両の運転を支援する装置において用いられる,所定の運転操作を支援するための運転ガイドデータを作成する方法であって、
前記運転ガイドデータは、前記所定の運転操作の終了時または中途時における当該車両の位置を表すガイドパターンと、当該運転ガイドデータが用いられる特定の運転操作場所を示す場所情報を含んでおり、
前記ガイドパターンは、車両の周囲を映す周囲画像に合成されるものであり、かつ、前記場所情報が示す特定の運転操作場所における、前記所定の運転操作の開始位置と、前記ガイドパターンが表す車両の位置との間の高低差を加味して、前記周囲画像における位置が設定されており、
当該車両を、前記場所情報が示す特定の運転操作場所における、前記所定の運転操作における所定の位置に配置し、
前記所定の位置において、当該車両および当該車両の周囲を映す画像を生成し、
生成した画像における当該車両の位置を表すように、前記ガイドパターンを作成する
ことを特徴とする運転ガイドデータ作成方法。 - 請求項12記載の運転ガイドデータ作成方法において、
前記所定の運転操作を、単純な運転操作からなる複数のプロセスに分解し、
分解された各プロセス毎に、ガイドパターンを作成することによって、複数のガイドパターンを含む運転ガイドデータを作成する
ことを特徴とする運転ガイドデータ作成方法。
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