JP4499221B2 - 金型装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばタレットパンチプレスなどのごときパンチプレスに装着して使用される金型装置に係り、さらに詳細には、工具を用いることなしにハイト調整を容易に行うことのできる金型装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の金型装置としての例えばパンチ金型は、タレットパンチプレスなどのパンチプレスにおけるパンチホルダ(上部タレット)に上下動自在に装着されるパンチガイド内にパンチボディを上下動自在に内装し、上記パンチガイドの上部に装着したリテーナカラーと前記パンチボディの上端部に上下動調節可能に螺着したパンチヘッドとの間に強力なストリッパースプリングを弾装した構成が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述のごとき構成において、パンチボディの先端部を再研磨してパンチヘッドの上面からパンチボディの先端部までの寸法を調整すべく、パンチボディに対してパンチヘッドを相対的に回動する場合、リテーナカラーとパンチヘッドとの間に弾装したストリッパースプリングが強力であるので、治具を必要とするものであり、前述のごとき調整が厄介であった。
【0004】
そこで、ストリッパースプリングの付勢力に影響されることなくハイト調整を行うことのできる金型が開発されており、その先行例として、例えば特開平10−244327号公報がある。この先行例においては、ストリッパースプリングを内装したスプリングカラー内にパンチヘッドが埋設された態様であって、ハイト調整時には前記スプリングカラーからパンチヘッドを大きく突出せしめる必要があり、ハイト調整の操作が厄介であると共に、全体的構成が比較的複雑であるという問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述のごとき従来の問題に鑑みてなされたもので、下端部にパンチ刃部(7)を備えたパンチボディ(9)を上下動自在に内装したパンチガイド(3)の上部に、円筒形状のスプリングカラー(11)を着脱可能かつ回転不能に装着して設け、このスプリングカラー(11)内にリング状の昇降部材(15)を上下動自在に内装すると共に、この昇降部材(15)と前記スプリングカラー(11)の底部との間に強力な弾性部材(17)を弾装して設け、前記昇降部材(15)と当接して上方向への移動を規制自在なロック部材(21)を前記スプリングカラー(11)の上部に螺着固定して設け、前記昇降部材(15)と下端部が当接自在のパンチヘッド(23)を、前記ロック部材(21)に上下動自在かつ所定角度回動調節自在に設けると共に、前記ロック部材(21)から上方向に突出した前記パンチヘッド(23)の上端部にフランジ部を設け、前記スプリングカラー(11)及び前記昇降部材(15)を貫通して前記パンチボディ(9)の上端部を前記パンチヘッド(23)に下側から調節自在に螺着してあることを特徴とするものである。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の金型装置において、ロック部材とパンチヘッドとの間に、当該ロック部材に対して前記パンチヘッドを回動不能に固定自在のロック装置を設けた構成である。
【0007】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の金型装置において、ロック装置は、パンチヘッドに形成した係合凹部に対して係脱自在のロック片と、当該ロック片を上記係合凹部に対して係脱するための操作部材とを備えた構成である。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1を参照するに、本発明の一実施の形態に係る金型装置1は、例えばタレットパンチプレス等のごときパンチプレスにおけるパンチホルダ(上部タレット、図示省略)に上下動自在に支持される円筒形状のパンチガイド3を備えており、このパンチガイド3内には、上記パンチガイド3の下端部に備えたストリッパープレート5を貫通する下端部にパンチ刃部7を備えたパンチボディ9が上下動自在に内装支持されている。
【0009】
上記パンチガイド3の上部には円筒形状のスプリングカラー11が着脱可能かつピン13を介して相対的に回転不能に装着してある。上記スプリングカラー11内に上下動自在に内装したリング状の昇降部材15と上記スプリングカラー11の底部との間には、付勢手段として強力なストリッパースプリング等のごとき弾性部材17が弾装してある。
【0010】
そして、上記昇降部材15と当接して上方向への移動を規制自在の下面を昇降規制部19として備えたロック部材21が上記スプリングカラー11の上部に螺着固定してあり、このロック部材21には、下端部が前記昇降部材15と当接自在のパンチヘッド23が上下動自在かつ所定角度回動調節自在に設けてある。なお、前記パンチヘッド23の下端部付近には、ロック部材21からパンチヘッド23が抜け出ることを防止するためのストッパリング25が取付けてあると共に、上記ロック部材21の下面には上記ストッパリング25が出入自在の適宜深さの凹部27が形成されている。上記ロック部材21から上方向に突出したパンチヘッド23の上端部には大径のフランジ部が設けられている。
【0011】
そして、前記パンチヘッド23には、前記スプリングカラー11及び昇降部材15を貫通した前記パンチボディ9の上端部が上下調節可能に螺着してある。なお、パンチガイド3とパンチボディ9は、通常の構成と同様にキー29によって回転しないように保持されている。
【0012】
したがって、常態においては、弾性部材17の作用によって昇降部材15が上昇されてロック部材21の下面19に当接し、パンチヘッド23に設けたストッパリング25は凹部27内に位置し、パンチヘッド23の下端部はパンチボディ9の重量によって昇降部材15の上面に当接支持された状態にある。そして、パンチボディ9の下端部に備えたパンチ刃部7はストリッパープレート5の下面より上方位置に位置するものである。なお、図1には、パンチボディ9が最下降された状態が図示されている。
【0013】
前記ロック部材21に対して前記パンチヘッド23を回動不能に固定自在かつ固定を解除したときに回動を許容自在のロック装置31が設けられている。より詳細には、前記パンチヘッド23の胴部の外周面には、図2,図3に示すように、複数の係合凹部33が適宜間隔に設けてある。この係合凹部33はパンチヘッド23の軸心と平行な上下方向の長溝によって形成してある。
【0014】
そして、前記ロック部材21の内周面に形成した径方向の収納凹部35内には、前記係合凹部33に対して係合離脱自在のボール,ピン等のごときロック片37が収納されており、かつロック部材21には、前記係合凹部33に対して前記ロック片37を係脱するための操作部材39が設けられている。
【0015】
より詳細には、ロック部材21には前記パンチヘッド23の軸心に対して直交する水平な方向の収納孔41が設けてあり、この収納孔41内に前記操作部材39が摺動自在に嵌入されている。この操作部材39は、収納孔41の底部との間に弾装したコイルスプリングのごとき弾性部材43の作用によって抜け出す方向へ付勢されているが、上記操作部材39に設けた長孔45を貫通したピン47によって抜け止めされている。
【0016】
そして、上記操作部材39が前記ロック片37に対応した位置には、前記ロック片37を前記パンチヘッド23の係合凹部33側へ押圧する小凹部49Sとロック片37が前記収納凹部35内へ入り込むことを許容する大凹部49Lを連続して備えた操作凹部49が形成してある。
【0017】
上記構成により、常態においては、図2に示すように、弾性部材43の作用によって操作部材39は突出される方向へ移動され、操作凹部49の小凹部49Sがロック片37を係合凹部33に係合保持した状態にあって、ロック部材21に対してパンチヘッド23は回転しないように固定された状態にある。なお、ロック片37が係合凹部33に係合した状態であっても係合凹部33は上下方向に長い溝状に形成してあるので、パンチヘッド23はロック部材21に対して上下動自在である。
【0018】
以上のごとき構成において、パンチボディ9を上下調節してパンチヘッド23の上面からパンチボディ9のパンチ刃部7までの寸法を調節してハイト調整を行うには、先ず、図2に示す状態において操作部材39を弾性部材43の付勢力に抗して収納孔41内に押し込み、上記操作部材39に形成した操作凹部49の大凹部49Lをロック片37に対向せしめる。
【0019】
上述のごとく大凹部49Lをロック片37に対向せしめると、ロック片37は大凹部49L内に受け入れられて収納凹部35側へ移動してパンチヘッド23の係合凹部33から離脱し、ロック部材21に対してパンチヘッド23を回動可能な状態となる。
【0020】
したがって、ロック片37を係合凹部33から離脱した状態においてロック部材21に対してパンチヘッド23のフランジ部を保持して回動すると、パンチボディ9に対して、パンチヘッド23を回動することとなり、図1においてパンチヘッド23に対してパンチボディ9を上下調節することができるものである。
【0021】
上述のごとくパンチヘッド23を回動するとき、昇降部材15はロック部材21の昇降規制部としての下面19に当接し、強力な弾性部材17の付勢力はロック部材21によって受けるので、パンチヘッド23の下端部と昇降部材15との当接部分にはパンチボディ9の重量が作用しているにすぎないものであるから、前述のごときパンチヘッド23の回動操作を軽く行うことができるものである。
【0022】
その後に、所望の係合凹部33にロック片37を係合せしめ、操作部材39の押し込みを解除すると、操作凹部49の小凹部49Sが上記ロック片37を係合凹部33側へ押圧し係合した状態を保持するものである。
【0023】
なお、パンチボディ9のパンチ刃部7の再研磨を行う場合は、前述したようにパンチヘッド23を回動してパンチヘッド23とパンチボディ9の上端部との螺合状態を解除することにより、パンチボディ9をパンチガイド3から下方向へ抜き出すことができ、前記パンチ刃部7の再研磨を行うことができるものである。
【0024】
【発明の効果】
以上のごとき説明より理解されるように、本発明によれば、工具を用いることなしにパンチヘッドを固定状態,回動可能な状態に操作できることは勿論のこと、パンチヘッドを回動するに際してパンチヘッド等を上下方向に移動せしめる操作が不要であり、かつ回動可能な状態においてパンチヘッドを回動することにより、当該パンチヘッドと螺合したパンチボディを上下に調節できるものであり、そのハイト調整の操作が容易であると共に、上下動する必要がないので、構成がより簡単になるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る金型装置の断面説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る金型装置の主要部分を示す拡大平断面説明図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る金型装置の主要部分を示す拡大平断面説明図である。
【符号の説明】
1 金型装置
3 パンチガイド
7 パンチ刃部
9 パンチボディ
11 スプリングカラー
15 昇降部材
17,43 弾性部材
19 昇降規制部(下面)
21 ロック部材
23 パンチヘッド
31 ロック装置
33 係合凹部
35 収納凹部
37 ロック片
39 操作部材
49 操作凹部
Claims (3)
- 下端部にパンチ刃部(7)を備えたパンチボディ(9)を上下動自在に内装したパンチガイド(3)の上部に、円筒形状のスプリングカラー(11)を着脱可能かつ回転不能に装着して設け、このスプリングカラー(11)内にリング状の昇降部材(15)を上下動自在に内装すると共に、この昇降部材(15)と前記スプリングカラー(11)の底部との間に強力な弾性部材(17)を弾装して設け、前記昇降部材(15)と当接して上方向への移動を規制自在なロック部材(21)を前記スプリングカラー(11)の上部に螺着固定して設け、前記昇降部材(15)と下端部が当接自在のパンチヘッド(23)を、前記ロック部材(21)に上下動自在かつ所定角度回動調節自在に設けると共に、前記ロック部材(21)から上方向に突出した前記パンチヘッド(23)の上端部にフランジ部を設け、前記スプリングカラー(11)及び前記昇降部材(15)を貫通して前記パンチボディ(9)の上端部を前記パンチヘッド(23)に下側から調節自在に螺着してあることを特徴とする金型装置。
- 請求項1に記載の金型装置において、ロック部材とパンチヘッドとの間に、当該ロック部材に対して前記パンチヘッドを回動不能に固定自在のロック装置を設けたことを特徴とする金型装置。
- 請求項2に記載の金型装置において、ロック装置は、パンチヘッドに形成した係合凹部に対して係脱自在のロック片と、当該ロック片を上記係合凹部に対して係脱するための操作部材とを備えたことを特徴とする金型装置。
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