JP4498584B2 - セメント組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、都市ゴミ焼却灰や下水汚泥焼却灰等の廃棄物を原料として製造してなる水硬性組成物と強度増進剤を含むセメント組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
わが国では、経済成長、人口の都市部への集中化に伴い、産業・生活廃棄物が急増している。従来から、かかる廃棄物の大半は、焼却によって十分の一程度に減容後、埋め立て処分されている。しかし、最近では埋め立て処分場の残余容量が逼迫していることから、新しい廃棄物処理方法の確立が緊急課題となっている。その方法の一つとして、本出願人は、都市ゴミ焼却灰等を原料としてセメントを製造する方法を提案した(特開平7−165446号公報等)。しかし、この方法により製造されたセメントは、焼却灰等から主に由来する塩素(Cl)を0.8〜1.2重量%程度含有するため、鉄筋コンクリートに使用すると鉄筋の腐食が懸念され、セメント板、無筋ブロック等の無筋の建設資材分野で利用されるに過ぎなかった。
【0003】
しかし、日々、多量に発生する廃棄物を使用して製造されるセメントの需給バランスを考慮すると、かかるセメントは多量に消費できるものでなければならず、セメントの使用量の大きな鉄筋コンクリート分野にも適用可能なセメントであることが望ましい。
【0004】
そのため、本出願人は、さらに特願平11−90271号において都市ゴミ焼却灰等を原料として製造され、かつ塩素含有量の少ないセメントを提案した。しかし、このセメントはC3SおよびC2S量が少ないために、初期強度発現が遅く、全体的な強度もやや低いという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、廃棄物を原料として製造された水硬性組成物の強度発現性を改善したセメント組成物の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、廃棄物を原料として製造された水硬性組成物に特定の添加剤を添加することによって、当該水硬性組成物の他の物性に悪影響を及ぼすことなく、強度発現性を改善したセメント組成物を提供できることを見いだし本発明を完成した。
【0007】
即ち、本発明は、以下の態様からなるセメント組成物である。
〔1〕都市ゴミ焼却灰、下水汚泥焼却灰の1種以上を原料として製造された水硬性組成物および強度増進剤を含むセメント組成物であって、前記水硬性組成物が、C2SまたはC3Sの1種または2種と、C3Aを10〜25重量%、C4AFを10〜20重量%かつC3AとC4AFの合計量が20〜35重量%、塩素を0.1重量%未満、および石膏を1.5〜6重量%(SO3換算)含有するものであり、石膏として、ニ水石膏、半水石膏または無水石膏の1種または2種以上を含有し、水硬性組成物100重量部に対して、強度増進剤として、アルカノールアミン0.01〜0.5重量部を含み、
更に、下記の一般式(1)
R1O−(AO1)a−(EO)b−(AO2)c−R2 (1)
(式中、R1は炭化水素基又はアシル基を表わし、R2は水素原子、炭化水素基又はアシル基を表わし、AO1及びAO2は炭素数3以上のオキシアルキレン基を表わし、EOはオキシエチレン基を表わし、a、b及びcは1以上の数を表わす。)で表わされるポリオキシアルキレンブロック共重合体系消泡剤を0.01〜0.5重量部を含むことを特徴とするセメント組成物。
〔2〕前記原料に、下水汚泥に生石灰を添加した下水汚泥乾粉、貝殻の生活・産業廃棄物を10重量%以上含有することを特徴とする、〔1〕記載のセメント組成物。
〔3〕前記原料に、前記水硬性組成物中の焼成物中のアルカリ量が1〜2重量%、塩素量が0.1重量%以下になるように、原料にアルカリ源または塩素源を添加して調整することを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載のセメント組成物。
〔4〕前記アルカノールアミンが、トリイソプロパノールアミンまたはトリエタノールアミンの1種または2種である〔1〕乃至〔3〕のいずれかに記載のセメント組成物。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に係る水硬性組成物を構成する焼成物(クリンカ)の原料は、都市ゴミ焼却灰および/または下水汚泥焼却灰等の焼却灰と、必要に応じて、下水汚泥に生石灰を添加した下水汚泥乾粉、貝殻等の生活・産業廃棄物を10重量%以上含有し、更に、石灰石粉、粘土、珪石、アルミ灰、ボーキサイト、鉄等の普通ポルトランドセメントの製造に使われている原料を適量混合して調整したものである。
【0009】
更に、かかる廃棄物から主に由来する塩素およびナトリウム、カリウム等のアルカリを、焼成工程で蒸気圧の低いアルカリ塩化物に変換して揮発させて除去するため、焼成物の原料調整において、アルカリ塩化物を生成するのに十分な量のアルカリ源または塩素源を添加する。即ち、アルカリ量に比べ塩素量が過剰な原料に対してはアルカリ源を添加し、一方、塩素量に比べアルカリ量が過剰な場合は塩素源を添加する。具体的には、焼成工程でのアルカリの損失を考慮して、焼成物中のアルカリ量が1〜2重量%、好ましくは1〜1.5重量%になるように、原料にアルカリ源または塩素源を添加して調整すると、焼成物中の塩素量は0.1重量%未満になる。ここでアルカリ量とは、ナトリウムはNa2Oに換算し、カリウムはK2Oに換算した場合の、両者の合計重量%をいう。焼成物中のアルカリ量が1重量%未満では、塩素が揮発せずに残る場合があり、かかる残存塩素によりカルシウムクロロアルミネートが生成・混在し、できた焼成物の凝結性状が変動しやすくなる。また、焼成物中のアルカリ量が2重量%を超えると、これをコンクリートに使用した場合、アルカリ骨材反応等によりコンクリートの耐久性が低下する恐れがある。
【0010】
本発明で使用できるアルカリ源として、例えば、炭酸ナトリウムまたはアルカリ含有廃棄物が使用でき、また、塩素源としては、例えば、塩化カルシウムまたは塩化ビニル樹脂等の塩素含有廃棄物が使用できる。
かかる成分調整した原料を1200〜1450℃で焼成するのが好ましい。焼成温度が1200℃未満では、できた焼成物の水和活性が低くなる他、アルカリ塩化物の揮発が十分でなく、アルカリまたは塩素が残存する場合がある。一方、焼成温度が1450℃を超えると、キルン内に溶融物が付着し安定操業ができなくなる。
【0011】
水硬性組成物は、C2SまたはC3Sの1種または2種と、C3Aを10〜25重量%、C4AFを10〜20重量%かつC3AとC4AFの合計量が20〜35重量%、塩素を0.1重量%未満、および石膏を1.5〜6重量%(SO3換算)含有するものが好ましい。C2SおよびC3Sは水硬性組成物の中長期の強度発現に寄与し、C3AおよびC4AFは初期の強度発現に寄与し、石膏は水硬性組成物の凝結調整機能を担う。
【0012】
水硬性組成物中のアルミニウム源は焼却灰等の廃棄物から主に由来するため、C3AまたはC4AFが10重量%未満では、原料中の廃棄物の使用量が少なくなり廃棄物の有効利用や再資源化の観点から好ましくなく、C3AとC4AFの合計量が35重量%を超えると、水硬性組成物の硬化体に膨張によるひび割れが生じる場合がある。
【0013】
また、石膏は二水石膏、半水石膏または無水石膏の1種または2種以上が使用できる。石膏の配合量はSO3換算で1.5重量%未満では、水硬性組成物を水と混練した際に凝結異常を起こす場合があり、6重量%を超えると水硬性組成物の硬化体が長期にわたって膨張し、耐久性および寸法安定性が低下する場合がある。
【0014】
本発明に係るセメント組成物の製造方法として、例えば、焼成物を単独で粉砕した後に石膏および強度増進剤を混合するか、焼成物を石膏と共に粉砕した後に強度増進剤を混合するか、または、焼成物、石膏および強度増進剤を混合した後に同時に粉砕する態様を挙げることができる。セメント組成物の粉末度は、ブレーン比表面積で3500〜6000cm2/gが好ましい。ブレーン比表面積が3500cm2/g未満では、水硬性が十分ではなく、短期および長期の強度発現性が低くなる傾向になる。また、6000cm2/gを超えると流動性が低下するのみならず、長期の強度発現性の更なる向上は少ない。
【0015】
強度増進剤は、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルイソプロパノールアミン、メチルジエタノールアミン、メチルジイソプロパノールアミン等のアルカノールアミンが挙げられるが、好ましくはトリイソプロパノールアミンまたはトリエタノールアミンの1種または2種を挙げることができる。
【0016】
また、強度増進剤の使用量は、セメント100重量部に対し、アルカノールアミンとして0.001重量部以上が好ましく、0.001〜0.5重量部がより好ましい。使用量があまりにも少ないと、強度増進効果が十分では無く、あまりにも多いと使用量に見合っただけの効果が無く技術的に意味が無いからである。尚、強度増進剤は、セメント組成物を用いてコンクリート等を混練する際に、その混練水に溶解して使用することもできる。
【0017】
セメント組成物の混練時に混練物中の空気量が過大になる場合は、強度増進剤に消泡剤を含めるとよい。当該消泡剤としては、一般式(1)
R1O−(AO1)a−(EO)b−(AO2)c−R2 (1)
(式中、R1は炭化水素基又はアシル基を表わし、R2は水素原子、炭化水素基またはアシル基を表わし、AO1およびAO2は炭素数3以上のオキシアルキレン基を表わし、EOはオキシエチレン基を表わし、a、b及びcは1以上の数を表わす。)
で表わされるポリオキシアルキレンブロック共重合体系消泡剤が好ましい。
一般式(1)において、R1は炭化水素基またはアシル基を表わし、R2は水素原子、炭化水素基またはアシル基を表わす。
【0018】
炭化水素基としては例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等が挙げられる。アルキル基としては例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2級ブチル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチル、2級ペンチル、ネオペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、2級ヘキシル、ヘプチル、2級ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2級オクチル、ノニル、2級ノニル、デシル、2級デシル、ウンデシル、2級ウンデシル、ドデシル、2級ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、2級トリデシル、テトラデシル、2級テトラデシル、ヘキサデシル、2級ヘキサデシル、ステアリル、イコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル、2−ブチルオクチル、2−ブチルデシル、2−ヘキシルオクチル、2−ヘキシルデシル、2−オクチルデシル、2−ヘキシルドデシル、2−オクチルドデシル、2−デシルテトラデシル、2−ドデシルヘキサデシル、2−ヘキサデシルオクタデシル、2−テトラデシルオクタデシル、モノメチル分枝−イソステアリル等が挙げられる。
【0019】
アルケニル基としては例えば、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、オレイル等が挙げられる。
【0020】
アルキルアリール基としては例えば、フェニル、トルイル、キシリル、クメニル、メシチル、ベンジル、フェネチル、スチリル、シンナミル、ベンズヒドリル、トリチル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、デシルフェニル、ウンデシルフェニル、ドデシルフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル基等が挙げられる。
【0021】
シクロアルキル基、シクロアルケニル基としては例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニル基等が挙げられる。
【0022】
アシル基としては例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバリル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、アクリロイル、プロピオロイル、メタクロイル、クロトノイル、オレイロイル、ベンゾイル、フタロイル、スクシニル等が挙げられる。
これらの中でも、優れた消泡性を発揮させるためには、R1は炭素数8〜36のアルキル基、アルケニル基またはアシル基が好ましい。R2は水素原子が好ましい。
【0023】
また、一般式(1)において、AO1及びAO2は炭素数3以上のオキシアルキレン基を表わす。炭素数3以上のオキシアルキレン基としては、例えば、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシへキシレン基、オキシオクチレン基、オキシスチレン基等が挙げられる。なかでも、オキシプロピレン基またはオキシブチレン基が好ましい。EOはオキシエチレン基を表わす。一般式(1)における(AO1)a−(EO)b−(AO2)cの部分は、炭素数3以上のアルキレンオキサイドおよびエチレンオキサイドのブロック重合で構成される。
【0024】
重合度a、bおよびcは1以上の数を表わす。なかでも、優れた消泡性および分散性を発揮させるためには、aは1〜300の範囲が好ましく、5〜100の範囲が更に好ましい。同様に、bは1〜100の範囲が好ましく、1〜50の範囲がより好ましく、2〜30の範囲が最も好ましい。cは1〜300の範囲が好ましく、1〜100の範囲がより好ましく、1〜50の範囲が最も好ましい。
【0025】
また、一般式(1)で表わされる化合物中にオキシエチレン基が占める割合は、好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下である。また、一般式(1)で表される化合物の分子量は500〜20,000の範囲が好ましく、1,000〜5,000の範囲が最も好ましい。
【0026】
一般式(1)で表わされるポリオキシアルキレンブロック共重合体系消泡剤は、ポリエチレングリコール鎖を中心として、その両端にポリプロピレングリコール鎖等のポリアルキレングリコール鎖が結合した構造を特徴とし、AE剤やAE減水剤等の空気連行性に影響を与えることなく、トリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミンの空気連行性のみを選択的に低減しうる性質を有する。また、この構造上の特徴を有する消泡剤は、コンクリート等中のセメント、骨材等の固相表面に吸着しにくく、液相中に高い割合で分散するため、他の構造の消泡剤に比べて消泡効果が高い。
【0027】
一般式(1)で表わされる消泡剤と、アルカノールアミンの配合割合は、アルカノールアミン100重量部に対し、消泡剤5重量部以上が好ましく、5〜300重量部がより好ましい。これは、あまりにも消泡剤の使用量が少ないと、アルカノールアミンの空気連行性を低減する効果が十分でなく、あまりにも多いと、添加量に見合っただけの効果が無く技術的に意味が無いからである。
【0028】
また、強度増進剤には、更に、他の公知の消泡剤、例えば鉱油、植物油、脂肪族アルコール、脂肪酸または高級アルコール、脂肪酸若しくはアルキルフェノール等のアルキレンオキサイド付加物等を含めてもよい。
【0029】
また、本発明に係るセメント組成物は、AE剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、防錆剤、凝結遅延剤、収縮低減剤等の混和剤や、石灰石粉末、スラグ、フライアッシュ、石炭灰等の混和材を併用してモルタル、コンクリート等を製造することができる。
【0030】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を示すが、これらは例示であり、本発明を限定するものではない。尚、消泡剤の構造式中、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基、BOはオキシブチレン基を表わす。
【0031】
1.水硬性組成物の製造
表1に示す化学成分を有する、乾燥した都市ゴミ焼却灰32.0重量%、石灰石粉64.2重量%、粘土2.4重量%、ソーダ灰(炭酸ナトリウム99.6重量%含有;セントラル硝子社製)1.4重量%を配合して成分調整した原料を、ロータリーキルンを用いて1300〜1450℃で焼成した。得られた焼成物は、縦型ミルでブレーン比表面積が4000cm2/gになるように粉砕し、ブレーン比表面積が4000cm2/gの半水石膏を混合して水硬性組成物を製造した。当該水硬性組成物の鉱物組成を表2に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
2.セメント組成物の製造
次に、当該水硬性組成物100重量部に対し、表3に示す重量部のトリイソプロパノールアミン(TIPA)を混合してセメント組成物(A〜F)を製造した。
【0035】
【表3】
【0036】
3.コンクリートの空気量および圧縮強度の測定
表4に示す配合に従いコンクリートを製造し、練り混ぜ直後の空気量、並びに材齢7日及び28日の圧縮強度を測定した。この測定結果を表5に示す。また、比較のためセメント組成物に代えて、強度増進剤を含まない水硬性組成物を使用したコンクリートも製造して上記の物性を測定した。
尚、コンクリートの目標空気量は、(強度増進剤を含まない水硬性組成物コンクリートの空気量)±1.5%の範囲である。
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】
表5から分かるように、TIPAと消泡剤を0.001〜0.5重量部含有するセメント組成物(A〜E)を用いて製造したコンクリートの場合、空気量は全て上記の目標空気量4.6±1.5%、即ち、3.1〜6.1%を満たし、また、圧縮強度は材齢7日、28日何れにおいてもTIPAの含有量とともに増加した。
強度増進剤を含有しない水硬性組成物を用いたコンクリートに比べ、材齢7日で最大約20%、材齢28日で最大約19%程向上している。
【0040】
【発明の効果】
本発明のセメント組成物は、都市ごみ焼却灰等の廃棄物を原料として使用でき、強度発現性が良好である。したがって本発明に係る水硬性組成物の製造を通じて、廃棄物の資源化および有効利用を促進できると共に、有効な廃棄物処理方法を提案するという効果も有する。
Claims (4)
- 都市ゴミ焼却灰、下水汚泥焼却灰の1種以上を原料として製造された水硬性組成物および強度増進剤を含むセメント組成物であって、
前記水硬性組成物が、C2SまたはC3Sの1種または2種と、C3Aを10〜25重量%、C4AFを10〜20重量%かつC3AとC4AFの合計量が20〜35重量%、塩素を0.1重量%未満、および石膏を1.5〜6重量%(SO3換算)含有するものであり、石膏として、ニ水石膏、半水石膏または無水石膏の1種または2種以上を含有し、水硬性組成物100重量部に対して、強度増進剤として、アルカノールアミン0.01〜0.5重量部を含み、
更に、下記の一般式(1)
R1O−(AO1)a−(EO)b−(AO2)c−R2 (1)
(式中、R1は炭化水素基又はアシル基を表わし、R2は水素原子、炭化水素基又はアシル基を表わし、AO1及びAO2は炭素数3以上のオキシアルキレン基を表わし、EOはオキシエチレン基を表わし、a、b及びcは1以上の数を表わす。)で表わされるポリオキシアルキレンブロック共重合体系消泡剤を0.01〜0.5重量部を含むことを特徴とするセメント組成物。 - 前記原料に、下水汚泥に生石灰を添加した下水汚泥乾粉、貝殻の生活・産業廃棄物を10重量%以上含有することを特徴とする、請求項1記載のセメント組成物。
- 前記原料に、前記水硬性組成物中の焼成物中のアルカリ量が1〜2重量%、塩素量が0.1重量%以下になるように、原料にアルカリ源または塩素源を添加して調整することを特徴とする請求項1又は2記載のセメント組成物。
- 前記アルカノールアミンが、トリイソプロパノールアミンまたはトリエタノールアミンの1種または2種である請求項1乃至3のいずれかに記載のセメント組成物。
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