JP4498560B2 - セメント急結剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、セメントコンクリートと混合して凝結や強度発現を促進するセメント急結剤に関する。
本発明におけるセメントコンクリートとは、モルタルやコンクリートを総称するものである。
また、本発明の部や%は特に規定しない限り質量基準である。
【0002】
【従来の技術とその課題】
従来より、セメントコンクリートの急結剤として、(1)アルミン酸塩を含有したセメント急結剤、(2)アルカリ金属アルミン酸塩と炭酸塩を含有した二成分系のセメント急結剤や、アルミン酸塩、カルシウムアルミネート、及び炭酸塩を含有した三成分系のセメント急結剤が知られている((1)特開昭61-247648号公報や特開平01-294554号公報など、並びに、(2)特公昭56-027457号公報、特公昭60-004149号公報、及び特公平07-025577号公報等)。これらのセメント急結剤は、法面、トンネル掘削面、及び切羽等に吹付け施工され、吹付け面の崩落を防止するとともに、支保構造物又は丘陵や法面などの表面保護工などとして機能し、コンクリート構造の補修や補強などにも広く使用されている。しかしながら、これらのセメント急結剤は通常粉体であって、吹付け工法の特性上、セメントコンクリートを吹付け後、瞬時に急結させる必要があり、リバウンドと称される材料ロスや吹付け時の粉塵が多いものであった。
【0003】
そして、粉体のセメント急結剤の課題を解消すべくアルミン酸アルカリ塩を主体とする液体急結剤や硫酸アルミニウムを主体とするスラリー急結剤が提案された(特開平09-019910号公報、特開平09-012350号公報、特開平09-165246号公報、及び特開平10-087358号公報等)。しかしながら、液体急結剤は強アルカリ性であり、吹付け作業従事者が取り扱いを誤ると失明したり、皮膚に薬傷を負うなどの労働災害を生じたり、液体急結剤に含まれるナトリウムやカリウムなどのアルカリによってセメント硬化体の強度増進が阻害されたり、アルカリ骨材反応によってひび割れが発生したりして吹付けた構造物の長期耐久性が低下する場合があるなどの課題があった。また、スラリー急結剤は、初期強度発現性が緩やかであり、リバウンドや粉塵の発生が少なく、特に、鋼繊維等を添加した繊維補強吹付けセメントコンクリートに使用すると、長期耐久性や曲げタフネスが向上するなどといった優れた特徴を有するもので、ノルウェーなど欧米諸国を中心にNATMやTBMをはじめとするトンネル吹付けセメントコンクリートに使用されている。しかしながら、我が国の山岳トンネルは地山状況が複雑であり、初期強度発現性が緩やかであるスラリー急結剤は使用されにくく、初期凝結が遅いため、湧水部分や地山状況が悪い部分では崩落を生じる場合があり、掘削作業は危険性を伴うものであるという課題があった。
【0004】
最近、第二東名名神高速道路をはじめとする大断面トンネルや、地下石油備蓄基地等の大型地下構造物の建設などでは、リバウンド低減等によるコスト低減が要求されており、リバウンドが少なく、従来の粉体急結剤と同等以上の初期強度発現性を有するセメント急結剤の開発が望まれていた。
【0005】
本発明者は、前記課題を解消すべく種々検討を重ねた結果、特定のセメント急結剤を使用することによって、前記課題が解消できるという知見を得て本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、アルカリ金属アルミン酸塩、カルシウムアルミネート、及び硫酸塩を配合してなり、かつ、アルカリ金属アルミン酸塩、カルシウムアルミネート、及び硫酸塩から選ばれた一種又は二種以上の粒子の表面に、(RCOO)nX(Rは飽和又は不飽和の炭化水素、nは1又は2、Xは水素、アルカリ金属、又はアルカリ土類金属)で示される脂肪酸類を被覆してなる吹付け用セメント急結剤であり、該脂肪酸類が、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、及びオレイン酸又はそれらの塩の一種又は二種以上である該吹付け用セメント急結剤であり、セメントと該セメント急結剤とを含有してなるセメント組成物であり、補強材を含有してなる該吹付け用セメント組成物であり、減水剤を含有してなる該吹付け用セメント組成物であり、細骨材率が55〜80%である該吹付け用セメント組成物であり、セメントコンクリートと、該セメント急結剤とを含有してなる吹付け工法であり、セメントコンクリートが補強材を含有してなる該吹付け工法であり、セメントコンクリートが減水剤を含有してなる該吹付け工法であり、細骨材率が55〜80%で該吹付け工法であり、セメントコンクリートとセメント急結剤を混合する混合管から吹付けノズル先端までの長さが1〜4mである該吹付け工法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
本発明で使用する脂肪酸類は、(RCOO)nX(Rは飽和又は不飽和の炭化水素、nは1又は2、Xは水素、アルカリ金属、又はアルカリ土類金属)で示される脂肪酸及び/又はその塩であって、具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、及びベヘン酸等の飽和脂肪酸やオレイン酸等の不飽和脂肪酸、又は、これらのナトリウム塩、カリウム塩、及びカルシウム塩等のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩の一種又は二種以上である。
脂肪酸類は水に溶けにくいため急結成分の粒子表面に撥水性皮膜を形成し、一時的に水和活性を低下させるため、セメントコンクリートと混合した直後の初期反応を瞬間的に抑制でき、その後は正常な硬化特性を付与するものである。
【0009】
脂肪酸類は、牛脂、オリーブ油、米糠油、及び動植物脂肪油等を原料とし、精製、硬化、分解、蒸留、及び分留等の工程を経て製造され、一般的には蒸留塔の操作条件等によって、高圧分解法とトイッチェル分解法に分けられる。
本発明の脂肪酸類はこれらいずれの分解法によっても製造可能である。また、その他工業生産されているものも使用可能であって、特にこれら脂肪酸類の中でもパルミチン酸やステアリン酸又はこれらの塩類が、取り扱いが安全で、セメント急結剤の急結成分に使用した際の効果も良好である面から好ましい。
【0010】
脂肪酸類の粒度は混合粉砕する場合は特に限定されるものではないが、ミキサ等の混合機で急結成分と混合、攪拌して被覆する場合は、急結成分の平均粒度以下の微粉とすることが好ましく、90μm以下が急結性向上の面から好ましく、45μm以下がより好ましい。
【0011】
脂肪酸類の使用量は、急結成分100部に対して、5部以下が好ましく、0.005〜1.0部がより好ましく、0.01〜0.1部が最も好ましい。脂肪酸類の使用量が5部を超えると急結性が低下する場合があり、少なすぎると均一に被覆することが難しく、リバウンドが多くなる場合がある。
【0012】
脂肪酸類が所定の割合で混合され、急結成分に被覆されているかについては、EPMA、SEM、ESCA、FT−IR、及びGC−MAS等の表面分析装置で測定可能である。
また、アルコール、エーテル、クロロホルム、ベンゼン、石油エーテル、及び脂肪油等の有機溶媒を用いて抽出後、分離精製してガスクロマトグラフ等の有機物分析によって定量可能である。
【0013】
本発明において脂肪酸類でその粒子表面を被覆される急結成分とは、アルカリ金属アルミン酸塩、カルシウムアルミネート、及び硫酸塩から選ばれた一種又は二種以上である。
【0014】
アルカリ金属アルミン酸塩(以下、アルミン酸アルカリという)とは、アルカリ水溶液とアルミナ含有鉱物を混合し、加熱、反応し、必要に応じてさらに乾燥及び/又は脱水処理することで得られるものであって、結晶水を含んだ含水化合物でも、加熱や乾燥した無水化合物でも使用可能である。
アルミン酸アルカリとしては、リチウム塩、ナトリウム塩、及びカリウム塩があるが、付着水分を保持しにくく、セメント急結剤として急結性に優れる面から、また、価格や取り扱いやすさの面から、ナトリウム塩の使用が好ましい。
アルミン酸アルカリ中のR2O/Al2O3(Rはリチウム、ナトリウム、及びカリウムより選ばれた少なくとも一種)のモル比は0.9〜1.5であることが好ましい。
また、硫酸塩として石膏を配合した場合は、アルミン酸アルカリと石膏との加水分解反応によってアルミン酸アルカリがアルカリ金属水酸化物やアルミネート水和物などの水和物質に分解するため、この分解反応を加速する付着水分量が少ないものが好ましく、付着水分量に相当する105℃の温度雰囲気での質量減少が0.5%以下であることが好ましい。
【0015】
本発明において、付着水分が0.5%を超えると、付着水によってアルミン酸アルカリが分解して水和物質を生じたり、付着水分が急結成分と反応して水和物質を生じたりして、セメント急結剤として使用した際の急結性や初期の強度発現性を遅延させ、剥落や崩落を生じる場合がある。特に好ましい付着水の許容限度量はアルミン酸アルカリ単独では0.4%以下であり、0.2%以下がより好ましい。
付着水分量が少ないアルミン酸アルカリを得るには、例えば、棚型乾燥機、通気式乾燥機、回転型乾燥機、及びドラム型乾燥機等の乾燥機によって、105℃以上で付着水分を除去することが好ましく、250℃以上で付着水分を除去することがより好ましい。
この際の乾燥処理温度により、アルミン酸アルカリが無水化合物となったり、乾燥時の蒸発水が再吸着したりする。
【0016】
アルミン酸アルカリの中では付着水分を保持しにくく、セメント急結剤としての急結性に優れるアルミン酸ナトリウムが最も好ましく、特にアルミン酸ナトリウムを構成する主要成分のNa2O/Al2O3モル比が0.9〜1.5のものが、付着水分を保持しにくいため好ましく、また、モル比が大きいと空気中の水分を吸着しやすくなるため、モル比は1.0〜1.25がより好ましく、1.01〜1.15が最も好ましい。モル比が0.9より小さいとセメント急結剤としての急結力が不足する場合があり、1.5を超えると著しく潮解しやすくなる場合がある。
特に付着水分はアルミン酸ナトリウム粒子の粒度やOH基などの反応基の有無に大きく作用されるため、45μm以下の微粒子の割合が20%以上であることが、反応性向上の面から好ましく、40%以上がより好ましい。
特に、モル比が1.01〜1.15であって、粒度が45μm以下が40%以上、45〜90μmが40〜70%、150μm上が20%以下のものがセメント急結剤としての貯蔵安定性と使用時の急結力に優れるため好ましい。
【0017】
アルミン酸アルカリの平均粒度は、急結成分としての反応が良好な300μm以下程度が好ましく、150μm以下がより好ましい。アルミン酸アルカリの粒度が粗いと所定の急結力を得るためのセメント急結剤の使用量が多くなる場合があり、逆に小さすぎると貯蔵安定性が悪くなり、結果としてセメント硬化体の強度が低下する場合がある。特に好ましくは40〜100μmであり、カルシウムアルミネートや硫酸塩の平均粒度と同等か、細かい方が急結力に優れるため好ましい。
【0018】
カルシウムアルミネート(以下、CAという)とは、カルシアを含む原料とアルミナを含む原料を混合してキルンでの焼成や電気炉での溶融などの熱処理をして得られる、CaOとAl2O3を主たる成分とし水和活性を有する物質の総称であり、CaO及び/又はAl2O3の一部が、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化鉄、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属硫酸塩、及びアルカリ土類金属硫酸塩等と置換した化合物、あるいは、CaOとAl2O3を主たる成分とするものに、これらが少量固溶した物質である。
鉱物形態としては、結晶質、非晶質いずれであっても良い。特に好ましくは12CaO・7Al2O3に相当する非晶質のCAであって、電気炉で溶融したクリンカーを圧縮空気や水に接触させ、急冷することで得られる。
粉末度はブレーン法による比表面積(以下、ブレーン値という)で3,000cm2/g以上が好ましく、5,000cm2/g以上がより好ましい。ブレーン値が3,000cm2/g未満、即ち、CAの粒度が粗いとセメント急結剤としての反応性が低下し、初期強度発現性も低下する場合がある。
CAに含まれる酸化ケイ素等の不純物は少ない方が好ましく、特に酸化マグネシウムや酸化鉄はセメント硬化体に膨張性等の有害特性を与えるため、各々3%以下にすることが好ましい。特に本発明においては酸化ケイ素、酸化チタン、及び酸化鉄等のCaOやAl2O3を除く成分が少ない方が好ましく、特に酸化ケイ素、酸化チタン、及び酸化鉄の合計量が10%以下のものが好ましい。不純物が多くなるとCAの水和活性が低下する場合がある。
本発明においては、105℃の温度雰囲気で測定した重量減少として測定できるCAの付着水分量は、2.0%以下が好ましく、0.5%以下がより好ましい。この付着水分量が多いとアルミン酸アルカリと反応し、アルミネート水和物等を形成して、セメント急結剤の反応活性を低下させる場合がある。
また、粉砕してからセメント急結剤として配合する期間において水分が増加するため、吸湿を避けるため密閉容器内で保管したり、乾燥機等を用いて付着水を除去することが好ましい。
【0019】
硫酸塩とは、アルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩、及び硫酸アルミニウム等であって、そのうち、アルカリ土類金属硫酸塩の硫酸カルシウムが最も好ましい。
代表的な硫酸カルシウムは石膏であり、無水石膏、半水石膏、及び二水石膏があり、これらの一種又は二種以上を使用することが可能である。これらのうちセメント成分やCAとの反応性から無水石膏が最も好ましく、弗酸副生石膏や天然石膏等が使用可能である。
硫酸塩の粒度は、ブレーン値で3,000cm2/g以上が好ましく、5,000cm2/g以上がより好ましい。粒度がより細かい方がセメント急結剤としての凝結特性に優れ、セメント硬化体の強度発現性が優れるため好ましい。硫酸塩の粒度が粗いと、特に低温施工時の急結力が低下する場合がある。
硫酸塩の平均粒度は、アルミン酸アルカリと同等かそれ以下が、急結性向上の面から好ましい。
硫酸塩として石膏を使用する場合は、石膏の結晶形態や粒度のほか、水溶液に浸積した際のpHが8以下の弱アルカリ性〜酸性のものが好ましい。pHが高いと石膏成分の溶解度が高くなり、初期強度発現性を阻害する場合があり、pH3〜7がより好ましい。
ここでいうpHとは石膏/イオン交換水=1g/100gの20℃における希釈スラリーのpHをイオン交換電極等を用いて測定したものである。
さらに硫酸塩の付着水分が多いとセメント急結剤としての貯蔵安定性が悪くなり、アルミン酸アルカリやCAの反応活性を低下させる場合がある。特に、本発明においては、付着水分量は、2.0%以下が好ましく、0.5%以下がより好ましい。付着水分量が多いとアルミン酸アルカリと反応し、アルミネート水和物等を形成して、セメント急結剤の反応活性を低下させる場合がある。
【0020】
また、粉砕してからセメント急結剤として配合する間で含有水分が増加するため、粉砕時に加熱したり、粉砕熱が高くなりやすい振動ミル等の粉砕機を用いて高温粉砕したり、吸湿を避けるため密閉容器内で保管したり、乾燥機等を用いて付着水を除去することなどが好ましい。
【0021】
脂肪酸類でセメント急結剤の急結成分を被覆するには、アルカリ金属アルミン酸塩、カルシウムアルミネート、及び硫酸塩等の急結成分を、単独に、また、混合して、振動ミル、チューブミル、ロッドミル、及びボールミル等の粉砕機で所定粒度まで粉砕する際に、脂肪酸類と混合して、同時に混合粉砕しても良く、粉砕した急結成分を、ナウタミキサ、オムニミキサ、V型混合機、及び二軸ミキサ等の混合機で混合、攪拌する際に、脂肪酸類と混合することも可能である。なかでも粉砕時に急結成分と脂肪酸類とを混合する方法が脂肪酸類を均一に被覆できる面から好ましい。
【0022】
本発明では、アルミン酸アルカリと硫酸塩、CAと硫酸塩、並びに、アルミン酸アルカリ、CA、及び硫酸塩を配合してセメント急結剤とする。
本発明において、アルミン酸アルカリはセメントの初期凝結を促進し、吹付け時の急結力を大きくする機能を有する。また、CAや硫酸塩はセメントの初期凝結を助長する一方、強度増進にも大きく寄与し、セメント硬化体の強度発現性を大きくする機能を有している。このため、これら材料の成分組成、鉱物組成、及び粒径等の特性のほか、配合割合が重要である。
本発明のセメント急結剤におけるアルミン酸アルカリ、CA、及び硫酸塩の配合割合は、CA30〜70部と硫酸塩70〜30部からなる混合物100部に対して、アルミン酸アルカリ1〜30部が好ましく、CA40〜60部と硫酸塩60〜40部からなる混合物100部に対して、アルミン酸アルカリ3〜15部がより好ましい。この範囲外では急結性が低下する場合がある。
【0023】
また、本発明のセメント急結剤中の付着水分量は2.0%以下が好ましい。2.0%を超えると貯蔵時の品質が劣化する場合がある。特に好ましい付着水分量は1.0%以下で、0.6%以下が最も好ましい。
セメント急結剤の使用量は、所用の急結力が得られる範囲であることが必要でセメント100部に対して、2〜20部が好ましく、6〜12部が急結力とセメント硬化体の強度発現性の面でより好ましい。セメント急結剤の使用量が多くなるとセメント硬化体の長期強度発現性が阻害される場合がある。
【0024】
ここで使用するセメントとしては、JIS R 5310に規定されている各種ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、及びフライアッシュセメントの他、白色ポルトランドセメントやアルミナセメント等のセメントが挙げられる。そのうち、ポルトランドセメントを使用するのが汎用的で、アルカリ骨材反応が予測されるものにおいては低アルカリ形のセメントや高炉セメントを使用することが好ましい。
【0025】
本発明のセメント急結剤は、あらかじめ粉砕した成分を計量、混合して製造でき、ペレット状や塊状の成分を計量、配合した後、所定の粒度になるように混合粉砕して製造することも可能である。
さらに、袋詰めによって製品化する際には、脱水空気等を用いて袋内への水分の流入を積極的に防止し、紙袋を使用する場合には、ピンチシール袋、ラミネート袋、及びポリ内袋を有する防湿袋等を使用することが好ましい。特に、本発明においては袋詰めした後、外部より侵入する水分量より、セメント急結剤製造時に含有される付着水分量が、品質安定性に大きく影響するため、所用の付着水分量以下にすることが好ましい。完全に付着水分量を除去することは困難であるが、できるだけゼロに近い方が好ましい。
【0026】
さらに、本発明では、セメント急結剤に、必要に応じて生石灰、消石灰、及びアルカリ金属炭酸塩等を適量添加することが可能である。
これらを配合することで低温施工時の急結性を向上したり、トンネル湧水部への吹付け施工などがはかれる。
【0027】
また、本発明のセメント急結剤には、吹付け時の粉塵を低減する目的で汎用の粉塵低減剤を配合することが可能である。
粉塵低減剤は、セメントコンクリートに粘性を与え、吹付け時の粉塵低減効果を有し、付着時のダレやリバウンドを減じる効果を有するものである。具体的にはメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシエチルメチルセルロース等のセルロース類、アルギン酸、アルギン酸塩、ビニル重合体、アクリル酸類、メタクリル酸類、ビニルアルコール類、酢酸ビニル類、並びに、グルカン類等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を混和することが可能である。
使用に当たっては凝結特性を充分試験した後、種類、組合せ、及び使用量を決めることが好ましい。特に、本発明においては、凝結時間への影響が少なく、粉塵低減効果の大きいセルロース類を使用することが好ましい。
粉塵低減剤の使用量は、通常、セメント急結剤100部に対して、5部以下が好ましく、3部以下がより好ましく、できるだけ少量添加が好ましい。セメントコンクリートの混練り物においては、あらかじめ水溶液化して添加することも可能である。
【0028】
本発明のセメントコンクリートに使用する骨材は細骨材や粗骨材であって、モルタルには細骨材を使用し、コンクリートには細骨材と粗骨材を併用するものである。
モルタルにおいては、セメントと砂の質量比は1:0.5〜5程度が好ましい。
また、コンクリートにおいては、単位セメント量は、通常、200〜600kg/m3程度であり、吹付けコンクリートでは300〜500kg/m3程度が一般的である。セメント量が多くなると単位水量も多くなる傾向にあり、経済性を考慮し、施工に必要な最低限の単位セメント量を使用することが好ましい。
これら骨材の品質は、施工後のポップアウトやひび割れの原因ともなる有害鉱物を含有しておらず、実績率の大きい耐久性に優れた品質のものが好ましい。軽量骨材や高炉スラグ骨材を使用する場合は、混練り前にあらかじめ吸水するなどの対策が必要である。
骨材の粒度は、粗粒率や篩い分け試験によって管理することが好ましい。通常、細骨材の場合、5mm下品を使用し、微粒分を多く含まないものが好ましい。0.15mm以下程度の微粒分が多すぎると混練り後の流動性保持力が低下したり、施工機械での圧送性が低下したりする場合がある。
粗骨材は吹付けコンクリートとしての施工性を加味し、5〜15mmのものが使用可能である。
吹付けコンクリートにおいては、細骨材率(s/a)55〜80%程度が吹付け時の跳ね返りが少なく好ましい。
最大粗骨材径が15mmより大きかったり、細骨材率が小さかったりするとコンクリート輸送配管内で詰まったり、吹付け時に脈動したりして施工性が悪くなり、跳ね返りも大きくなる場合がある。本発明においては経済性などを加味し、調達可能な骨材を使用してあらかじめセメントコンクリートの配合を決めることが好ましい。
【0029】
さらに本発明では、セメントコンクリートに添加可能な混和材料として、化学混和剤や混和材の使用が可能である。
【0030】
化学混和剤としては、AE剤、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、及び高性能AE減水剤等が使用可能であって、これら化学混和剤を適量使用することで水セメント比を小さくでき、密実なセメントコンクリートが施工でき、強度確保や耐久性の面で好ましい。
これらの中でもナフタレン系、メラミン系、ポリカルボン酸系、及びアミノスルホン酸系等の高性能減水剤や高性能AE減水剤は、高い減水性とスランプ保持性能に優れており、これらを適量混和することでフレッシュ性状を大幅に改善でき、高温下での施工や低水セメント比での施工が可能となる。これらの化学混和剤には粉末のものと液状のものがあり、本発明ではいずれも使用可能である。
【0031】
また、混和材としては、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、及びシリカフューム等やエトリンガイト系の粉体の混和材が使用可能である。これらの混和材を目的に応じて必要量混和することで、セメントコンクリートを高強度化したり、膨張特性を付与したりすることが可能である。
これら混和材は単独添加では単位水量が増加しやすいため、化学混和剤との併用が好ましい。いずれの混和材もあらかじめ試験練りを行って最適配合を決定することが好ましい。
【0032】
高炉スラグ微粉末とは、高炉スラグを急冷し、ブレーン値で3,000cm2/g以上に微粉砕したものであって、JIS A 6206に規定されるものであることが好ましい。塩基度が低すぎたり、粒度が粗いと水和活性が低下し、充分な水硬性が得られない場合がある。
高炉スラグ微粉末はあらかじめセメントに混和しておいても良く、この場合、高炉セメントとして使用可能である。高炉スラグ微粉末を単独で混和する場合は、セメントの50%以下での置換が好ましく、高炉セメントとして使用する際は、JIS R 5211の規定のように5〜70%の範囲で混和することが好ましい。
【0033】
フライアッシュは、石炭火力発電所等において、微粉炭を燃焼する際に溶融した灰分を冷却し、球状となったものを電気集塵機等で捕集した副産物である。フライアッシュの品質は燃焼条件や捕集方法によってかなり異なるため、単独でフライアッシュを混和する場合は、JIS A 6201に規定される品質のものが好ましい。特に、比重2.0〜2.2程度、ブレーン値3,000〜5,000cm2/g、平均粒径10〜100μm程度のものが単位水量を減じることができ、潜在水硬性も大きいため好ましい。
フライアッシュは、あらかじめフライアッシュがセメントに5〜30%混和されたJIS R 5213に規定するフライアッシュセメントを使用することも可能である。
【0034】
シリカフュームは、フェロシリコンやフェロシリコン合金を製造する際、原料としての珪石、石英、鉄屑、及び還元剤としてのカーボン電極や石炭を、電気炉で2,000℃近くまで熱したとき、中間生成物としてのSiOがガス化して排気ダクトや集塵装置の中で酸化されてSiO2となった副産物であり、大部分が非晶質の球形であって、平均粒径は約0.1μm、BET比表面積は約200,000cm2/g程度の超微粒子で、比重は2.1〜2.2程度のものである。
シリカフュームは超微粒子であることから単独で添加するとセメントコンクリートの単位水量が増加するため、高性能減水剤や高性能AE減水剤と併用することが好ましい。
単位量当たりのシリカフュームの混和量が100kg/m3を超えると流動性が著しく悪化する場合があり、適量添加することで吹付け時の粘着性を向上でき、リバウンドや遊離粉塵を低減することが可能である。また、ポゾランであるため、長期強度を増進させる効果もあり好ましい。
【0035】
その他、混和材として、水和によってエトリンガイトを形成する石膏系のセメント混和材であるエトリンガイト系混和材も使用することが可能である。
エトリンガイト系混和材は、膨張特性、急結特性、及び高強度特性等、幅広い特性を付与できるが、その銘柄が多岐にわたっているため、目的に応じた品種を選定することが好ましい。銘柄によってはセメントコンクリートのフレッシュ性状を大幅に劣化させたり、ひび割れが発生して耐久性を低下させたりするため、事前試験でその品質や添加量を確認することが好ましい。
【0036】
本発明では、さらに、タフネスや引張強度を向上させる目的で補強材を配合することも可能である。
本発明のセメント急結剤は、特に、繊維補強セメントコンクリートに適用した際、リバウンド低減効果が大きく発揮でき、中でもリバウンド中の繊維の跳ね返り量を従来のセメント急結剤に比べて大幅に低減することが可能である。
この補強材としては、一般のセメントコンクリートに使用される鋼繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、及びガラス繊維等が使用可能である。
補強材の使用量は、その決定にあたっては、あらかじめ試験により使用量を決定する必要があり、セメントコンクリート単位量当たり、0.3〜1.0容積%になるように配合することが好ましい。0.3容積%より少ないと繊維補強効果が少なく、1.0容積%を超えると施工性が悪くなる場合がある。
繊維の長さは吹付け施工性を加味し、30mm以下のものが好ましい。これより長いと吹付け時に圧送配管が閉塞しやすくなる場合がある。
【0037】
さらに本発明のセメント急結剤には、必要に応じて増粘剤、発泡剤、及び気泡剤を併用することが可能である。
【0038】
本発明のセメント急結剤は常用されている湿式工法や乾式工法などのいずれにも使用可能である。
湿式工法は、例えば、あらかじめ混練りしたセメントコンクリートをポンプ等の圧送装置で施工面に吹付け、圧送配管の途中よりセメント急結剤をセメントコンクリートに混合して急結させるものである。
また、乾式工法は、例えば、あらかじめセメント急結剤と水を除くセメントコンクリート材料を混合したり、輸送配管中で混合し、吹付け直前で水を添加し、施工するものである。
そのうち強度発現性や耐久性への影響度の大きい水セメント比を管理しやすい面で湿式工法が優れている。
本発明においても湿式工法での施工が好ましく、通常、バッチャプラントで混練りされたセメントコンクリートを、スクイズ式、ポンプ式、及び空気圧送式等の吹付け機械で圧送し、セメント急結剤は圧送配管の途中より加圧式供給機を用いて混合管より添加して施工面に吹付けることが可能である。
吹付けセメントコンクリートの圧送量は約10〜20m3/h程度であり、吹付け圧力は約2〜7MPaである。
混合管から吹付けノズル先端までの長さはセメントコンクリートの粘性によって適正な長さとする必要があり、一般的には約1〜4mである。
【0039】
本発明のセメント急結剤は、吹付け直後の急結性や急硬性が要求される、道路、鉄道、及び導水路等のトンネルや、石油備蓄や発電所などの地下構造物の建設、コンクリート構造物の吹付け補修や表面保護工等をはじめとする土木建築分野に広く使用できる。
さらには水理構造物であるダム導水路をはじめ、シングルシェルライニングとしても長期耐久性に優れた構造物が得られる。また、高温多湿といったトンネル掘削環境下では坑内貯蔵時に急結剤成分が風化し、初期凝結の低下等の問題を生じる場合があり、本発明のセメント急結剤はこの問題も解決できる。
【0040】
【実施例】
以下、実験例に基づいて本発明をさらに説明する。
【0041】
実験例1
アルミン酸アルカリ10部、CA45部、及び硫酸塩45部からなる急結成分100部に、表1に示す脂肪酸類を添加した後、オムニミキサで20分間混合して脂肪酸類を急結成分に被覆し、本発明のセメント急結剤を製造した。最大骨材径10mm、細骨材率(s/a)70%、水セメント比40%、単位セメント量500kg/m3、単位補強材量80kg/m3、及び高性能減水剤を配合し、スランプが20cmになるような繊維補強コンクリートを作製し、その2m3をKBC社製ポンプ式吹付けロボットにて圧送し、セメント急結剤を電気化学工業社製粉体急結剤供給装置で圧送し、吹付けノズルの手前2mの部分から混合管であるY字管より、コンクリートのセメント100部に対し、6部になるように添加して模擬トンネル内に吹き付けた。その吹付け状態を判定し、リバウンド率、鋼繊維リバウンド率、及び圧縮強度を測定した。結果を表1に併記する。
【0042】
<使用材料>
セメント :普通ポルトランドセメント、市販品
細骨材 :新潟県姫川産、FM2.73
粗骨材 :新潟県姫川産、最大粗骨材径13mm
脂肪酸類A:ラウリン酸、市販の試薬
脂肪酸類B:ミリスチン酸、試薬
脂肪酸類C:パルミチン酸、試薬
脂肪酸類D:ステアリン酸、試薬
脂肪酸類E:アラキン酸、試薬
脂肪酸類F:ベヘン酸、試薬
脂肪酸類G:オレイン酸、試薬
脂肪酸類H:ステアリン酸ナトリウム、試薬
脂肪酸類J:ステアリン酸カリウム、試薬
脂肪酸類K:ステアリン酸カルシウム、試薬
アルミン酸アルカリ:急結成分α、無水アルミン酸ナトリウム、市販品
CA :急結成分β、12CaO・7Al2O3に相当する非晶質のCA、ブレーン値6,200cm2/g
硫酸塩 :急結成分γ、天然無水石膏をボールミル粉砕、ブレーン値6,000cm2/g
市販急結剤:スラリー急結剤、アルカリフリー急結剤、市販品、圧送には液体ポンプを使用
化学混和剤:高性能減水剤、ポリカルボン酸系、市販品
補強材 :鋼繊維、市販品、長さ30mm、アスペクト比70
【0043】
<測定方法>
吹付け状態:良好○>△>×不良で判断
リバウンド率:吹き付けたコンクリート量と添加したセメント急結剤量の合計に対する跳ね返り量の割合
鋼繊維リバウンド率:吹き付けたコンクリート中の鋼繊維量に対する跳ね返りコンクリート中の鋼繊維量の割合
圧縮強度 :プルアウト試験による3時間の初期強度
【0044】
【表1】
【0045】
本発明の脂肪酸類を被覆したセメント急結剤は、被覆しないセメント急結剤と比較してリバウンドが少なく、鋼繊維の跳ね返り量も少ない結果となった。また、市販のスラリー急結剤と比較して、本発明のセメント急結剤は良好な初期強度発現性を示した。
【0046】
実験例2
表2に示す被覆する急結成分100部に対して、脂肪酸類Hを0.01部配合し、混合粉砕して脂肪酸類を被覆した急結成分を調製した。
調製した急結成分を用い、アルミン酸アルカリ10部、CA45部、及び硫酸塩45部となるようにオムニミキサで混合してセメント急結剤を製造したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表2に併記する。
【0047】
【表2】
【0048】
本発明のセメント急結剤を用いると跳ね返りが少なく、鋼繊維の跳ね返りロスの少ない吹付け施工が可能となることが判明した。
【0049】
【発明の効果】
本発明のセメント急結剤を使用することにより、従来のセメント急結剤に比べ、吹付けセメントコンクリートの跳ね返りを低減でき、繊維補強吹付けセメントコンクリートにおいては、鋼繊維の跳ね返り量を低減できる。このため、リバウンドによるコンクリートロスが少なく、トンネル掘削時の材料ロスの低減が図れ、建設期間の短縮など、大幅にトンネル建設コストを低減できる。
また、本発明のセメント急結剤は、吹付け直後の急結性や急硬性が良好で、NATMにおける吹付けコンクリートの支保効果を向上させるため使用される繊維補強吹付けコンクリートに使用した際、繊維の跳ね返りが少なく、高価な繊維を有効に活用でき、硬化体の曲げタフネスの向上や掘削断面の低減に大きく寄与するものである。
そして、従来のセメント急結剤に比べて、セメントコンクリートに添加した際の初期凝結が適度に緩やかであり、吹付け直後の凝結が適度であり、跳ね返りや粉塵発生の低減が図れる。特に、有機繊維や鋼繊維などの繊維を配合した繊維補強セメントコンクリートに使用すると、吹付け時に発生する繊維の跳ね返り量を低減でき、硬化体の曲げタフネスや靱性を向上できるものである。
さらに長期間製品貯蔵した場合でも、セメント急結剤成分の風化が少なく、安定した品質を維持することができ、トンネル坑内等、高温多湿環境下での品質保持特性に優れたセメント急結剤が得られる。
Claims (11)
- アルカリ金属アルミン酸塩、カルシウムアルミネート、及び硫酸塩を配合してなり、かつ、アルカリ金属アルミン酸塩、カルシウムアルミネート、及び硫酸塩から選ばれた一種又は二種以上の粒子の表面に、(RCOO)nX(Rは飽和又は不飽和の炭化水素、nは1又は2、Xは水素、アルカリ金属、又はアルカリ土類金属)で示される脂肪酸類を被覆してなる吹付け用セメント急結剤。
- 脂肪酸類が、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、及びオレイン酸又はそれらの塩の一種又は二種以上であることを特徴とする請求項1記載の吹付け用セメント急結剤。
- セメントと、請求項1又は2記載のセメント急結剤とを含有してなる吹付け用セメント組成物。
- 補強材を含有してなる請求項3記載の吹付け用セメント組成物。
- 減水剤を含有してなる請求項3又は請求項4記載の吹付け用セメント組成物。
- 細骨材率が55〜80%である請求項3〜5のうちの一項記載の吹付け用セメント組成物。
- セメントコンクリートと、請求項1〜3のうちの一項記載のセメント急結剤とを含有してなる吹付け工法。
- セメントコンクリートが補強材を含有してなる請求項7記載の吹付け工法。
- セメントコンクリートが減水剤を含有してなる請求項7又は8記載の吹付け工法。
- 細骨材率が55〜80%である請求項7〜9のうちの一項記載の吹付け工法。
- セメントコンクリートとセメント急結剤を混合する混合管から吹付けノズル先端までの長さが1〜4mである請求項7〜10のうちの一項記載の吹付け工法。
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