JP4498346B2 - リソグラフィ装置 - Google Patents

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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

[0001] 本発明はリソグラフィ装置およびデバイス製造方法に関する。
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板の目標部分に適用する機器である。リソグラフィ装置は例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスクまたはレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェハ)上の目標部分(例えば1つまたは幾つかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射線感光材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターン化されるネットワーク状の隣接目標部分を含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体を目標部分に1回で露光することによって各目標部分が照射される、いわゆるステッパと、所定の方向(「走査」方向)に放射線ビームでパターンを走査し、これと同時に基板をこの方向と平行に、あるいは反平行に走査することにより、各目標部分が照射される、いわゆるスキャナとを具備している。パターンを基板にインプリントすることによって、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することも可能である。
[0003] リソグラフィ装置の様々な構成部品の相対運動を制御するために、フィードフォワードによる制御システムを使用してもよい。例えば、このようなシステムを使用して、投影システム(例えば雑音励起のせいで振動することがある)の加速度測定のフィードフォワードに基づいて基板テーブルの動作を制御することができる。さらなる例として、フィードフォワード制御システムを使用して、レチクルと基板テーブルとの相対運動を制御することができる。このようなシステムの性能は、フィードフォワードの分岐における遅延、またはさらに一般的に、制御された構成部品のフィードフォワードに対する反応と、基準信号の対応する変化との間の時間差により制限されることがある。
[0004] リソグラフィ装置のために改善された制御システムを提供することが望ましい。
[0005] 本発明の実施形態によれば、第一可動構成部品と、第二構成部品に対して第一構成部品を移動することができるアクチュエータと、第二構成部品の特性である位置、速度、加速度、および位置のより高次の時間導関数(time derivative)のうち少なくとも1つを測定するように配置構成された測定システムと、測定システムからの出力に従ってアクチュエータを制御するように構成された制御システムとを備え、制御システムが、複数のフィルタ分岐(filter branches)を有し、各分岐が測定システムからの出力に作用してそこから測定システムの出力の第一解析式の所定の複数の独立変数のうち異なる変数の特性パラメータを決定するように構成され、かつ、複数のフィルタ分岐によって決定された特性パラメータおよび第一解析式を使用して、測定システムによる第二構成部品の特性の測定値と、その測定値が制御システムによって制御されたアクチュエータの動作に対して与える影響との間の遅延を少なくとも部分的に補償するために時間がシフトされた出力のバージョンを提供するように構成された予測ユニットを含むリソグラフィ装置が提供される。
[0006] 本発明のさらなる実施形態によれば、第一可動構成部品を提供し、第二構成部品に対して第一構成部品を移動するアクチュエータを提供し、第二構成部品の特性である位置、速度、加速度および位置のより高次の時間導関数のうち少なくとも1つを測定する測定システムを提供し、測定システムからの出力に従ってアクチュエータを制御する制御システムを提供し、その制御システムが、複数のフィルタ分岐を有し、各分岐が測定システムからの出力に作用してそこから測定システムの出力の第一解析式の所定の複数の独立変数のうち異なる変数の特性パラメータを決定し、かつ、複数のフィルタ分岐によって決定された特性パラメータおよび第一解析式を使用して、測定システムによる第二構成部品の特性の測定値と、その測定値が制御システムによって制御されたアクチュエータの動作に対して与える影響との間の遅延を少なくとも部分的に補償するために時間がシフトされた出力のバージョンを提供する予測ユニットを有するデバイス製造方法が提供される。
[0007] 次に、本発明の実施形態を添付の略図を参照しながら、例としてのみ説明する。図面では対応する参照記号は対応する部品を示している。
[0025] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示したものである。この装置は、
[0026] − 放射線ビームB(例えばUV放射線またはDUV放射線)を調整するように構成された照明システム(照明装置)ILと、
[0027] − パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構築され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第一位置決め装置PMに接続された支持構造体(例えばマスクテーブル)MTと、
[0028] − 基板(例えばレジスト塗布したウェハ)Wを保持するように構築され、特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第二位置決め装置PWに接続された基板テーブル(例えばウェハテーブル)WTと、
[0029] − パターニングデバイスMAによって放射線ビームBに与えられたパターンを基板Wの目標部分C(例えば1つまたは複数のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSとを含む。
[0030] 照明システムは、放射線の誘導、成形、または制御を行うための、屈折、反射、磁気、電磁気、静電気型等の光学部品、またはその任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学部品を含んでいてもよい。
[0031] 支持構造体は、パターニングデバイスを支持、つまりその重量を負担している。その支持構造体は、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。この支持構造体は、パターニングデバイスを保持するために、機械的、真空、静電気等の締め付け技術を使用することができる。支持構造体は、例えばフレームまたはテーブルでよく、必要に応じて固定式または可動式でよい。支持構造体は、パターニングデバイスが例えば投影システムに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」または「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
[0032] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板の目標部分にパターンを生成するように、放射線ビームの断面にパターンを与えるために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射線ビームに与えられるパターンは、例えばパターンが位相シフト特徴(特徴形体、特徴形状;feature)またはいわゆるアシスト特徴(特徴形体、特徴形状;feature)を含む場合、基板の目標部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射線ビームに与えられるパターンは、集積回路などの目標部分に生成されるデバイスの特別な機能層に相当する。
[0033] パターニングデバイスは透過性または反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、およびプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソンマスク、減衰位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小さなミラーのマトリクスアレイを使用し、そのミラーは各々、入射する放射線ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射線ビームにパターンを与える。
[0034] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射線、または浸漬液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システムおよび静電気光学システム、またはその任意の組合せを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なされる。
[0035] ここで示すように、本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、または反射マスクを使用する)。
[0036] リソグラフィ装置は2つ(デュアルステージ)またはそれ以上の基板テーブル(および/または2つ以上のマスクテーブル)を有するタイプでよい。このような「多段」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つまたは複数の他のテーブルを露光に使用している間に1つまたは複数のテーブルで予備工程を実行することができる。
[0037] リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部を水などの比較的高い屈折率を有する液体で覆うことができるタイプでもよい。浸漬液(immersion liquid)は、例えばマスクと投影システムの間など、リソグラフィ装置の他の空間に使用してもよい。液浸(immersion)技術は、投影システムの開口数を増加させるための技術として周知である。本明細書で使用する「液浸」という用語は、基板などの構造体を液体に浸さなければならないという意味ではなく、露光中に投影システムと基板の間に液体を配置するというだけの意味である。
[0038] 図1を参照すると、照明装置ILは放射線ソースSOから放射線ビームを受け取る。ソースとリソグラフィ装置とは、例えばソースがエキシマレーザである場合に、それぞれ別々の構成要素であってもよい。このような場合、ソースはリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射線ビームは、例えば適切な配向ミラーおよび/またはビーム拡大器などを含むビーム送出システムBDを用いて、ソースSOから照明装置ILへと渡される。他の事例では、例えばソースが水銀ランプの場合は、ソースがリソグラフィ装置の一体部品であってもよい。ソースSOおよび照明装置ILは、必要に応じてビーム送出システムBDとともに放射線システムと呼ぶことができる。
[0039] 照明装置ILは、放射線ビームの角度強度分布を調節する調節装置ADを含んでいてもよい。通常、照明装置の瞳面における強度分布の外部および/または内部放射範囲(一般にそれぞれ、シグマアウターおよびシグマインナーと呼ばれる)を調節することができる。また、照明装置ILは、積分器INおよびコンデンサCOなどの他の種々の構成部品を含んでいてもよい。また、照明装置を用いて放射線ビームを調整し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
[0040] 放射線ビームBは、支持構造体(例えばマスクテーブルMT)上に保持されたパターニングデバイス(例えばマスクMA)に入射し、パターニングデバイスによってパターン形成される。放射線ビームBはマスクMAを通り抜けて、基板Wの目標部分C上にビームを集束する投影システムPSを通過する。第二位置決め装置PWおよび位置センサIF(例えば干渉計デバイス、リニアエンコーダまたは容量センサ)を使用して、基板テーブルWTを、例えば放射線ビームBの経路において様々な目標部分Cに位置決めするように正確に移動できる。同様に、第一位置決め装置PMおよび別の位置センサ(図1には明示されていない)を使用して、例えばマスクライブラリから機械的に検索した後に、または走査中に、放射線ビームBの経路に対してマスクMAを正確に位置決めすることができる。一般的に、マスクテーブルMTの移動は、第一位置決め装置PMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)およびショートストロークモジュール(微動位置決め)を用いて実現できる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第二位置決め装置PWの部分を形成するロングストロークモジュールおよびショートストロークモジュールを使用して実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、マスクテーブルMTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、固定してもよい。マスクMAおよび基板Wは、マスクアラインメントマークM1、M2および基板アラインメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アラインメントマークは、専用の目標位置を占有するが、目標部分の間の空間に配置してもよい(スクライブレーンアラインメントマークと呼ばれる)。同様に、マスクMA上に複数のダイを設ける状況では、マスクアラインメントマークをダイ間に配置してもよい。
[0041] 図示の装置は以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
[0042] 1.ステップモードにおいては、マスクテーブルMTおよび基板テーブルWTを、基本的に静止状態に維持する一方、放射線ビームに与えたパターン全体が1回で目標部分Cに投影される(すなわち1回の静止露光)。次に、別の目標部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向および/またはY方向にシフトされる。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、1回の静止露光で像が形成される目標部分Cのサイズが制限される。
[0043] 2.走査モードにおいては、マスクテーブルMTおよび基板テーブルWTを同期走査する一方、放射線ビームに与えられたパターンを目標部分Cに投影する(つまり1回の動的露光)。マスクテーブルMTに対する基板テーブルWTの速度および方向は、投影システムPSの拡大(縮小)および像反転特性によって求めることができる。走査モードでは、露光フィールドの最大サイズによって、1回の動的露光における目標部分の(非走査方向における)幅が制限され、走査動作の長さによって目標部分の(走査方向における)高さが決まる。
[0044] 3.別のモードでは、マスクテーブルMTを基本的に静止状態に維持して、プログラマブルパターニングデバイスを保持し、基板テーブルWTを移動または走査させながら、放射線ビームに与えられたパターンを目標部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射線ソースを使用して、基板テーブルWTを移動させる毎に、または走査中に連続する放射線パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクなしリソグラフィに容易に利用できる。
[0045] 上述した使用モードの組合せおよび/または変形、または全く異なる使用モードも利用できる。
[0046] フィードフォワード(feedforward)制御システムは、様々な状況において、可動構成部品が基準構成部品の位置、速度および/または加速度の変化に従うように、可動構成部品に加えられる力を制御することができる。例えば、このような制御システムは、投影システムの構成部品の測定された位置を参照することにより、基板テーブルWTの動作を制御するように配置構成することができる。代替的または追加的に、フィードフォワードシステムは、基板テーブル位置の測定誤差を参照することにより、パターニングデバイスMAの支持体MTの動作を制御するか、その逆を実行するように配置構成することができる。
[0047] 外部信号のフィードフォワードに依拠する制御システムには、フィードフォワード分岐および/または他の箇所での遅延による問題が発生することがある。これは複数の理由により生じるが、測定した信号を力駆動システムに入力する前の必要な処理によるものであることが多い。具体的な例として、フィードフォワード信号は、アナログアンチエイリアスフィルタによってフィルタリングしなければならないことがある。さらに、もしくはこれに対して、フィードフォワード信号は、ゼロ次ホールドシステム(例えばディジタル−アナログ変換器)を通過しなければならないことがあり、これは例えば反応を引き起こす前に0.5サンプルの平均遅延を伴うことがある。さらに別のフィルタが設けられていることもあり、同様に遅延の一因になることがある。
[0048] フィードフォワード分岐への信号が、生成された設定値(set-point)点である場合、フィードフォワード遅延つまり「時間遅れ」は容易に回避される。というのは設定値信号が、予想された時間遅れに従い、基準に対して時間を容易にシフトできるからである。例えば、フィードフォワードへの反応は、基準の変化に可能な限り近づくようにシフトさせることができる。しかし、フィードフォワード分岐への入力が測定値から生じた場合、信号は時間の順方向に容易にシフトすることができない。それには、測定中の物理的パラメータを予測する必要があるからである。
レンズ加速度のフィードフォワード補償
[0049] 図2および図3は、測定されたレンズ1の状態を参照することにより基板テーブルWTの動作を制御する本発明の実施形態によるフィードフォワードシステムを示している。
[0050] 図2に示された配置構成は、レンズ1の状態(加速度、速度、位置および/または位置のより高次の導関数)を測定するように構成された測定システム14を含む。本実施形態では、測定システム14はレンズの位置および加速度を測定するように構成され、個々の出力がデータ線16および18として図示されている。力アクチュエータ13を介して基板テーブルWTの動作を制御するために、フィードフォワード制御システム2が設けられている。制御システム2は複数のフィルタ分岐10および予測ユニット11を含み、これについては以下でさらに詳細に説明する。制御システム2内の接続が図3に示されている。複数のフィルタ分岐10および予測ユニット11は、レンズ1の状態の測定値と、その測定値が力アクチュエータ13の動作に対して与える影響との間の遅延(つまり、制御システムがアクチュエータ13をその測定値に反応させるのにかかる時間)を少なくとも部分的に補償するように構成されている。基板テーブルの位置は、例えば干渉計9を使用して測定することができる。フィルタ4の機能について、以下に説明する。
[0051] 図3は、本実施形態において、制御システム2が基板テーブルの位置制御を実行するために如何に構成されているのか、さらに詳しく示したものである。この配置構成では、基板テーブルの力アクチュエータ13が制御装置8によって制御される。ループ内には余剰フィルタ12(例えばノッチフィルタ)も存在する。フィルタ12は、全ての周波数に対して安定した制御ループを生成するために使用され、例えば、フィルタ12を調整して基板テーブル伝達関数の動特性を補償することができる。基準20は、初期設定値の位置として作用するように設けられている。レンズ1の位置および加速度が、測定システム14によって測定され、上述したようにそれぞれデータ伝達路16および18を介して制御システム2に入力される。また、レンズ位置16が制御ループ基準20に追加される。このように、いずれのレンズ動作も基板テーブル位置制御ループに入力され、したがって基板テーブル制御ループの帯域内の周波数の場合、基板テーブルWTがレンズ動作に追随する。これにより、投影レンズPLによって基板W上に投影されている像が、基板Wに対して確実に同じ位置のまま保たれる。レンズ加速度信号18はフィルタ4を通過し、次に複数のフィルタ分岐10および予測ユニット11を通過して、ステージ6で基板テーブルの質量で乗算され、制御装置8からの出力に加算される。フィルタ4は、加速度計信号のアナログフィルタリングを一部担うこともでき、またさらに、フィードフォワードを正確に成形する想定可能なディジタルフィルタを含んでいてもよい。したがって、フィルタ4は実際に、運動制御コンピュータ内においてディジタルフィルタに加えてアナログフィルタを含んでいてもよい。レンズ16の位置は干渉計ビームを使用して測定することができ、レンズ18の加速度は加速度計で測定することができる。これらの測定デバイスは別々のユニットまたは一体ユニットとして実現することができ、まとめて測定システム14と呼ばれる。予測装置11の出力と基板テーブルの質量との乗算は、必要な加速度を得るために力アクチュエータ13によって提供される力を計算するうえで必要である。アクチュエータ13は、ローレンツモータのような物理的アクチュエータを表すばかりでなく、基板テーブルWT、および増幅器、ディジタル−アナログ変換器などの関連する電子構成部品のあらゆる特徴をも含むものである。図3の制御システムにおいて、ブロック13は、フィルタ12の出力に対する所望の力の、基板テーブル位置測定17への完全な伝達関数を表している。
[0052] フィードフォワードシステムの目的は、フィードバックループ19を介して制御装置8の入力に供給される基板テーブルWTの測定位置17が、レンズ16の測定位置に対して定められた目標位置と一致するように(例えば、レンズと基板テーブルWTの間の一定の配置を維持するように)、レンズ1の測定加速度18に対して基板テーブルWTを応動させることにある。つまり、目的は、基板テーブルWTが完全にレンズに従い、基板テーブル制御装置8が決してこの動作に妨害されないことである。これは、レンズ20に対する基板テーブルの所望の位置を規定する設定値位置がゼロである間のレンズ動作を考察することによって最もよく説明することができる。レンズ動作位置は、例えば図3の分岐16で表す干渉計などによって検出される。それと同時に、レンズ動作加速度が、例えば分岐18で示すような加速度計などで検出される。測定したレンズ位置16に従って基板テーブルWTを移動させるのに必要な力は、レンズの加速度18に基板テーブルの質量を掛けた値に等しい。分岐18、フィルタ12およびアクチュエータ13を介してこの力を基板テーブルWTに加えることにより、レンズ動作位置16と一致する基板テーブルの動作17が発生する。測定した基板テーブル位置17は、減算器内でレンズ動作位置16から差し引かれるので、サーボ誤差22はレンズの動作による影響を受けず、ゼロのままである。これは、レンズの動作に対して基板テーブル位置が完全に追随していることを意味している。
[0053] 上述したように、フィルタ4および/又は6による加速度計の出力18のアナログフィルタリングは、信号に位相遅れ(時間遅れ)をもたらすことがあり、フィルタ12もこの影響の一因となる。また、ディジタルシステムでは、例えばゼロ次ホールド関数、計算遅延等の実行用に設けることがあるディジタル−アナログ変換器などにより、多少の遅延が存在する。これらの遅延が生じた結果、複数のフィルタ分岐10および予測ユニット11がないと、フィードフォワードに応答した基板テーブルWTの位置17がレンズ1の位置に対して遅れ、したがってサーボ誤差22が発生する。
[0054] この問題に対処するうえで、優位なレンズ周波数において「位相アドバンテージ」を導入するように、フィルタ4に複数のリードラグフィルタを追加する方法がある。しかし、これらのフィルタは、比較的高い周波数で余分な利得をもたらし、高周波雑音を増幅させることがある。一般に使用されるリードラグフィルタの伝達関数は、次式に示すとおりである。
[0055] この式では、ωZは「ゼロ周波数」、ωPは「極周波数」であり(いずれもラジアン毎秒)、dZおよびdPはそれぞれゼロ減衰および極減衰である。ωZ<ωPを選択することにより、ωZとωPとの間の領域は正の相挙動を示し、したがってこの周波数領域でフィードフォワード分岐の遅延を部分的に補償することが可能な「位相進み」が発生する。しかし、上式において、高い周波数ではフィルタ利得が1よりも大きいωP 2/ωZ 2に等しいことが分かる。したがって、高い周波数では、このようなリードラグフィルタが生成するフィードフォワード信号の増幅が大きすぎる。したがって、信号遅延を補償するためにリードラグフィルタを使用することに伴う性能コストが存在する。本発明の実施形態によれば、複数のフィルタ分岐10と予測ユニット11とを組み合わせることによって性能が改善され、その動作について、以下にさらに詳細に説明する。
パターニングデバイスの支持体に従う基板テーブルのフィードフォワード制御
[0056] 図4および図5は、基板テーブルWTの測定状態を参照することによってパターニングデバイスMAの支持体MTの動作を制御する本発明の実施形態によるフィードフォワードシステムを示したものである。
[0057] 図4に示す配置構成は、基板テーブルWTの状態(例えば位置、速度、加速度および/または位置のさらなる時間導関数)を測定するように構成された測定システム114を含む。フィードフォワード制御システム2は、力アクチュエータ113を介して支持体MTの動作を制御するために設けられている。制御システム2は複数のフィルタ分岐10および予測ユニット11を含み、これについては以下でさらに詳細に説明する。制御システム2内の接続が、図5に図示されている。パターニングデバイス支持体の位置は、例えば干渉計109を使用して測定できる。
[0058] 図5は、図4の装置のフィードフォワード配置構成を示したものである。この配置構成において、該装置は、2つの信号分岐39および41によって基板テーブル制御ループ56からの誤差30(外部設定値42と基板テーブル52の測定位置との差と定義される)をパターニングデバイス支持体制御ループ58に供給するように構成されている。分岐39は、ステージ38で誤差30に係数Kを掛けるように構成され、この係数は、基板テーブルWTの4倍大きい支持体MTの動作を発生するために、レンズ倍率(この場合は4X)に等しくなるようにしてもよい。また、同じくステージ38で、フィルタ1/Dにより低域フィルタリングが適用される。第二分岐41は、必要なパターニングデバイス支持体MTの加速度を発生するために、ステージ40で基板テーブルの制御誤差30を二重に微分する(doubly differentiate)ように構成される。次に、ステージ40では、この加速度にパターニングデバイス支持体の質量Mおよびレンズ倍率Kを掛け、最後に分岐39のステージ38で適用したものと同じ低域フィルタリング1/Dを適用する。前述したレンズ加速度のフィードフォワード補償と同様に、フィードフォワード分岐41に対する反応としてのデバイス支持体MTの動作が、制御ループの入力、つまりブロック38の出力への追加と一致するような動作になるよう設計されている。
[0059] 入力部42を介して外部設定値が提供され、これは(ステージ46で倍率を掛けた後に)パターニングデバイス支持体の制御ループ58の入力に、および(上述したように)基板テーブルの制御ループ56の入力に供給される。制御ループ56および58はそれぞれ、制御装置32、34および力アクチュエータシステム33、35を含み、フィードバックループ37、39が、基板テーブル位置52およびパターニングデバイス位置50の測定値を個々の制御ループ56および58の入力部にフィードバックする。この場合も、力アクチュエータ33および35は、制御装置によって発生した力からオブジェクトの実際の動作への伝達関数の全態様を含む。
[0060] 第二分岐41は、基準設定値に追加された第一分岐39からの信号に従って動作するように、パターニングデバイス支持体MTにかかる必要な力を計算するように構成されている。この配置構成の目的は、パターニングデバイス支持体の制御誤差54が確実にゼロのまま維持されることにある。図2および図3に関して上記で検討したレンズのフィードフォワードの場合と同様に、実際の測定変位50へのフィードフォワードパスに、多少の遅延が生じることがある。この配置構成では、この遅延は主に二重微分(double differentiation)ステップ40によって引き起こされ、ディジタル方式で実行した場合、1サンプル遅延が導入される。また、ステージ40の低域フィルタリングのステップ、ブロック35内のゼロ次ホールド回路、および完全に剛性の塊のように挙動しないことがあるブロック35の機械的伝達関数によって、さらに遅延が導入される。最終的には、パターニングデバイス支持体の制御誤差54がゼロではなくなり、したがってループの感度が全体的性能に影響し始めるという結果となる。これは、第一分岐38に遅延を余分に導入することによって一部は解決できるが、この方法を用いた場合、支持体MTがもはや基板テーブルWTに正確には追随しないことになる。分岐38に遅延を含めることにより、制御ループ58への追加の設定値は、フィードフォワード分岐41の既存の遅延に従って遅延する。つまり、サーボ誤差54はゼロになるかもしれないが、支持体MTの位置50が実際に基板テーブルWTの位置52と比較して遅延し、したがって相対的位置誤差44が実際にはさらに大きくなる。レンズ位置に対する基板テーブルWT位置の制御に関して上記で述べたように、1つ考えられる方法は、基板テーブル制御ループ誤差30の主要周波数の周囲にリードラグフィルタを導入し、位相アドバンテージを発生させることである。しかし、この場合も不必要な高周波利得につながる。本発明の実施形態によれば、この例では誤差信号30の時間をシフトするように構成される複数のフィルタ分岐10および予測ユニット11(以下でさらに詳細に説明)を使用して、予想される遅延を補償することによって問題を解決できる。ただし、複数のフィルタ分岐10および予測ユニット11は、図5で示す位置ではなく分岐41に挿入してもよい。分岐41内の遅延を補償することにより、分岐41のフィードフォワードに対する支持体MTの反応時間が早くなり、したがって分岐38の位置設定値によりよく一致する。予測ユニット11は、フィルタ分岐10の入力の加速度を直接予測するので、ブロック40に二重微分ユニットを配置する必要がなくなる。
複数のフィルタ分岐10および予測ユニット11
[0061] 本発明の実施形態によれば、制御システム2は1(または複数)サンプル期間前のフィードフォワード値の予測に基づいて、時間遅延を少なくとも部分的に補償する。このような予測は、フィードフォワード信号が完全にランダムであるか、強力なランダム成分を含む場合、困難になることがある。しかし多くの場合、および上述した両方の場合に、信号は周波数領域に幾つかの強力なピークを有し、したがって、信号を正弦曲線(シヌソイド;sinusoid)の合計によって適切に記述することができる。
[0062] これは、測定中の構成部品に固有振動周波数が存在するか、駆動周波数があるために問題が生じる事例である。係数aiおよびbiが分かっている場合、Δtが遅延間隔(またはその分数)であれば、上式にt+Δtを挿入することによってx(t+Δt)を予測することができる。1つの考えられる予測方法は、測定データの以前の幾つかのサンプルに基づいて係数を推測し、次に外挿を実行することである。このタイプの予測アルゴリズムは、十分に多数のサンプルをとれば、選択した周波数において高精度で予測することができ、有限インパルス応答(FIR)フィルタ構造を使用して実現することができる。しかし、比較的高い周波数では、不必要な高周波利得が存在し、予測周波数の数が大きくなると、特にその傾向は強くなる。
[0063] 外挿法を使用する簡単な予測器の例により、この現象について説明する。予測器で現在の入力x(k)、および以前の入力x(k−1)を使用するものとし、将来の1サンプルの値x(k+1)を予測する。考えられる予測においては、現在の値x(k)を使用して、現在のサンプルと以前のサンプルとの差を追加し、したがってx(k+1)とx(k)との間に同じ差が存在するものとする。
[0064] サンプリング期間Tsを使用すると、連続時間で見た値は次式のようになる。
[0065] 低い周波数では、予測器の出力の大きさ|1+jωTs|が約1となり、比較的高い周波数では、周波数に比例して増加することが分かる。予測器で過去からのさらに多くの入力サンプル、例えばx(k−2)、x(k−3)などを使用すると、その影響がさらに大きくなる。
[0066] フィルタの挙動を説明するのに便利な方法として、伝達関数H(z)を参照するものがあり、この方法では、(複素)周波数領域の時間に独立な線形離散時間フィルタの代数的表現が示される。H(z)は、この場合、Y(z)/X(z)と定義され、ここでY(z)はフィルタ出力信号y(n)のz変換を表し、Z(z)はフィルタ入力信号x(n)のz変換を表す。
[0067] 本発明の実施形態によれば、周波数サンプリングフィルタ(FSF)の設計に基づいて複数のフィルタ分岐10が設けられている。FSFの設計は、複数(N)の等間隔の周波数において所望のフィルタ挙動を指定して行われる(k=0・・・N−1の場合はωk=k・ω0、例えば基本振動周波数およびその高調波)。次に、この方法では、これらの周波数で所望の伝達関数に正確に一致するFIRフィルタを生成する。他の周波数において、挙動は原則的に定義されないが、実際にはこれらの周波数の間に、通常、「滑らかな」伝達挙動が生じる。k番目の周波数における指定の周波数応答をH(k)と定義し(H(k)は複素数)、説明を簡単にするためサンプリング期間を1秒とすると、次式のようになる。
[0068] これは、フィルタの通常周波数応答H(ω)と伝達関数H(z)の挙動が単位円z=exp(iω)上で直接対応することによるものである。
[0069] フィルタ伝達関数H(z)は次式のようにH(k)により記述できる。
[0070] つまり、フィルタ伝達関数H(z)は、所望の周波数応答ポイントH(k)によってN個のフィルタの合計として直接表すことができる。これらのフィルタの動作は、この式を次のように書き直すことによって最もよく説明できる。
[0071] 全てのフィルタに共通である分子多項式の根zN−1は全て、単位円上でH(k)が定義されている同じ等間隔の周波数にある(上記で示したように、単位円上のH(z)と周波数応答H(k)との間には直接的な対応がある)。フィルタの各分母極k=0・・・N−1にも同じことが当てはまる。次に、等間隔の周波数の組合せを含む入力信号が、N個のフィルタ全部を通過する。k番目のフィルタは、k番目の周波数を除き、(分子多項式zN−1により)等間隔の全周波数上にゼロを有するが、(分子多項式zN−1のk番目のゼロを打ち消す分母z−ej(2π/N)kにより)k番目の周波数上では応答がH(k)に等しい。したがって、k番目の周波数はk番目のフィルタのみを通過し、他のフィルタ内で応答を引き起こすことはない。k番目のフィルタは応答H(k)を有するので、全体的応答もH(k)となる。
[0072] したがって、各Hk(z)について、極はこのゼロを打ち消すk番目のゼロ上に位置する。その結果、ω=(2π/N)kの場合、フィルタ伝達関数が1になる。所望の周波数応答H(k)を掛けると、等間隔の各周波数で適正なフィルタ伝達結果が確実に得られる。上述したように、その結果フィルタは、等間隔の周波数で所望の応答に正確に一致する。また、各周波数の間では、応答は未定義のままである。ただし、上式の分母では、z=ej(2π/N)kに1つの複素極しか存在しない。一般に、H(k)およびH(N−k−1)は共役複素数であるので、フィルタHk(z)とHN-k-1(z)の合計は共役複素数の極を有する。その場合、フィルタH(z)の出力は、入力が実数である場合に実数となる。
FSF配置構成の動作例
[0073] 上述した構成は、制御誤差が(ある種の駆動周波数またはシステムの固有振動周波数から導き出された)1つの基本周波数およびその高い高調波(したがって等間隔)にある場合に、最も実現が容易である。このシナリオの基本方針は以下の通りである。
[0074] まず初めに、この用途の要素となる基本周波数を決定する。次に、高い高調波が、フィルタ設計の基になる「等間隔の」周波数として自動的に決まる。場合によっては、制御装置のサンプリング期間を調節する。
[0075] これらN個の周波数(基本および高い高調波)のそれぞれに対し、問題の周波数(ω=(2π/N)k)においてH(k)が1と等しいフィルタを設計する。H(z)の複素数プロット(つまり、zの実数および虚数成分を表す軸線を有するプロット)では、フィルタは特定のフィルタの設計対象となる高調波を除き、基本周波数および全ての高調波に対応する位置で単位円上に均一に分布したゼロを有する。したがって、このフィルタは、他の高調波を通過せずに、フィルタの設計対象である高調波のみ通過する、したがって、k番目のフィルタは次式のようになる。
[0076] フィルタのH(z)は、+1および−1にもゼロを有する(ω=0およびπrad/秒に対応する)。k=1および2それぞれについての例が図6および図7に示されており、ゼロは円で、極は十字でマークされるとともに、横軸および縦軸はそれぞれ実数成分および虚数成分を表している。ω=2π/N(図6)およびω=2(2π/N)(図7)において「ゼロがない」点に注意されたい。
[0077] ω=2π/Nの周波数の正弦曲線を図6のフィルタに入力した場合、フィルタの出力は複素数である。これは、1つの複素数ゼロがあり、これに対応する複素共役がないせいである。つまり、FIRフィルタの係数は複素数である。したがって、入力が実数でもフィルタの出力は複素数である。フィルタ出力の実数および複素数部分を使用して、以下の方法で入力信号の実際の位相を求めることができる。ただし、等間隔の周波数成分を有する入力信号を前述したように仮定する。
[0078] この信号をk番目のフィルタに入力すると、k番目の高調波を除く全ての周波数が、フィルタのゼロによって除去される。残りの正弦曲線(したがってi=k)の結果、複素数のフィルタ出力になる。
[0079] 実数および複素数のフィルタ出力は、次式によって元の入力に関連づけられる。
[0080] つまり、上式を実数および複素数のフィルタ出力部分に適用することにより、元の正弦曲線入力を表す係数akおよびbkが現れる。
[0081] 入力パラメータが分かっている場合、入力のスペクトル成分は次式によって再構築することができる。
[0082] これで、分析フォームが導き出されたので、tをt+ΔTで置換することによって入力信号の予測が可能となる。
[0083] 図8に、複数のフィルタ分岐10(個々の分岐60を含む)および予測ユニット11(この場合は複数の計算ユニット64から構成される)の機能ユニットをまとめて示している。フィルタ分岐60は、それぞれが測定システム14からの出力62から導出した入力に作用し、そこから所定の複数の周波数成分のうち1つの振幅および位相を決定する。周波数成分の展開は、フィルタ分岐60から抽出した振幅および位相に基づいて導出した周波数成分に関する分析フォームを使用して、計算ユニット64によって行われる。本実施形態では、入力信号は等間隔の周波数の正弦曲線で構成されるものとする。i番目のフィルタはωiのみを通過させる。フィルタの複素数出力(ボックス68を参照)から、この特定の正弦曲線のaおよびb係数を決定することができる。次に、これらのパラメータが分かった状態で、この特定の周波数を再構築することができ、信号の予測が可能である。次に、再構築/予測した全ての信号を出力70で合計することにより、最終出力が生成される。本実施形態によれば、計算ユニット64を出力70(周波数成分を組合わせるように作用する)と組み合わせることにより、予測ステップが実行される。
任意の周波数の場合はフィードフォワード予測用にFSFを変更する
[0084] 上述した技術を予測目的に使用することができる。係数akおよびbkが決定されると、未来の時点を信号の再構築部分に挿入することによって、入力信号を予測することができる。
[0085] しかし、入力信号の主要周波数成分が等間隔でないことから、記述されたレンズのフィードフォワード(図2および図3)およびMTフィードスルーを支持する基板テーブルWT(図4および図5)への適用が妨げられる。例えば、レンズ加速度信号では、95Hz、210Hzおよび270Hzが1つの特定の配置構成で主要成分であることが判明している。以下に、この方法をどのようにして等間隔の周波数ではなく任意の周波数に拡張できるか説明する。この拡張により、制御システム2の時間遅れ補償機能の融通性が増大する。
[0086] 任意の周波数に必要な変更について説明するために、周波数領域におけるこの方法の効果を分析する。
[0087] 上記のH(z)をH(k)に関連づける式
[0088] は、等間隔の周波数の場合のみ有効である。というのはH(k)が離散的フーリエ変換の成分と対応し、これは定義により等間隔の周波数を使用するからである。したがって、任意の周波数で同じ公式を適用しても、直ちに有用な結果につながらない。特に、元の式の等間隔の周波数2π/Nを任意の周波数ωkで置き換えた場合、
[0089]となり、したがって、次のような結果となる。
[0090] このフィルタでは、ω=ωkで応答はもはや1ではなく、特定の利得Kおよび位相φが存在する。第一に、これはフィルタ出力をKで割って、利得を1に補正しなければならないことを意味する。第二に、式
[0091]を使用した上述のアプローチでは、係数akおよびbkがもはや求められない。計算の結果、ω=ωkの場合、akおよびbkは一定であるように見えるが、これは、実際の入力信号係数を示しているわけではない。上式のakおよびbkは、実際の係数に対して−φだけ回転し、したがって+φの角度回転すると、適正な係数ak’およびbk’になることが分かる。
[0092] 上記した等間隔の周波数ではなく入力信号の任意の周波数に対処する本発明の実施形態によれば、以下の変更が行われる。
[0093] 同じフィルタ構造を使用し、等間隔の周波数を任意の周波数に置き換える。
[0094] その周波数で、(z=ejωTとすることにより)各フィルタの利得および位相を決定する。
[0095] フィルタ利得(見方によって、もはや1でもNでもない)で割ることにより、フィルタ出力を補正する。
[0096] 計算したサイン係数の出力(akおよびbk)をフィルタの位相角度にわたって回転する。
[0097] 図9は、任意の周波数成分がある入力信号を処理する図8の配置構成を示している。各フィルタ分岐60に2つの追加成分が設けられている。つまり、所定の周波数成分の振幅を、その周波数成分の周波数におけるフィルタユニット66の利得で割るように構成された規格化ユニット72、およびその周波数成分の周波数においてフィルタユニットによって導入された位相オフセットを補正するために、所定の周波数成分の位相を回転するように構成された位相回転ユニット74である。
等間隔ではない周波数成分がある入力信号の例
[0098] 一例として、フィードフォワード信号に95Hz、210Hz、270Hzおよび500Hzの周波数が存在すると仮定する。5kHzのサンプル周波数を使用し、Ts=2e−4秒とする。図10は、これらの周波数に対応する全てのゼロ、および+1および−1に追加されたゼロを示している。10の極は全てz=0にある。
[0099] フィードフォワード信号には4つの周波数が存在するので、4つのFIRフィルタを設計し、それぞれに図10のゼロの1つが欠けている。これらの4つのフィルタを、図11a(95Hz)、図11b(210Hz)、図11c(270Hz)および図11d(500Hz)に示している。4つのフィルタに対し、4つの正弦曲線の組合せで、それぞれ1、1/2、1/3および1/4の振幅を有する信号を入力する。また、このことは、信号が、予測する必要のあることを示している。
[0100] フィルタの複素数出力をフィルタの利得で割り、係数akおよびbkを決定し、これらを角度ψkにわたって回転させ、上述したようにak’およびbk’を生成する。最後に、次式を使用して1−サンプル予測を実行する。
[0101] まず初めに、ak’およびbk’係数の推定を図12aから図12dに示す。各上側の図の縦軸はak’を表し、各下側の図の縦軸はbk’を表している。横軸は時間を秒で表している。最初の10サンプルの後、全ての係数が一貫して求められることが理解できる。また、最初の9個のサンプルからのデータは有用でないことも明らかである。図12aは、第一フィルタによって判明した係数を示し、図12bは第二フィルタによって判明した係数を示し、図12cは第三フィルタによって判明した係数を示し、図12dは第四フィルタによって判明した係数を示したものである。
[0102] 図13は、その結果の予測信号と実際の信号とを比較して、10番目以降のサンプルでは密接に一致することを示し、実線は入力信号を、破線は予測された信号(出力)を示している。
周波数応答および設定挙動
[0103] 予測器は、予想された正弦曲線成分のみを含む信号については正確であるが、予測器が他の周波数でいかに挙動するかという点についても知っておくことが望ましい。一般に、予測器の「微分(differentiating)」性により、予測器は高い周波数で高めの利得を呈する傾向があることが分かる。上記のフィルタの実施形態では、予測周波数で伝達関数の完璧な利得および位相挙動が見られた。しかし、その代わりに、高い方の(予測されない)周波数で利得が過剰になる。この高周波挙動は、前のパラグラフで示した望ましくない設定挙動(つまり最初の9個のサンプルの挙動)を生成する同じフィルタ特性によるものである。
[0104] フィルタの設定性能、さらに予測周波数以外の周波数におけるその応答は、フィルタ伝達関数内で極位置の選択を応用することによって改善できる。上記のフィルタ実施形態では、全ての極が原点に位置していることから、FIRフィルタとなっている。極を実数軸の右側にシフトさせることにより、各フィルタに低域特性が発生する(これによりFIRではなくなる)。この低域特性によって導入された位相遅れは、ak’およびbk’の計算における実際の位相遅れにより、再び補償される。したがって、指定周波数において、予測はなお正確である。しかし、この方法で極をシフトさせたことの効果により、高い周波数で見られた余剰利得は劇的に低下する。例えば、全ての極をz=0からz=0.75にシフトすることにより、指定周波数における予測はなお正確であるが、高い周波数では余剰利得が(極がz=0の場合の100dB超から)7dB未満まで減少する。さらに、設定挙動が大幅に改善される。最終的な値に到達するために必要なサンプル数は増加するが、始動挙動が以前よりはるかに滑らかになり、したがって入力信号の特性変化に対するフィルタの感度が低下する。この挙動は、極がz=0.75にある場合に図14aから図14dに示したak’およびbk’係数の推定から分かる。プロットは、図12aから図12dに示したプロットに対応し、同じ軸を有している。つまり、図14aは第一フィルタによって判明した係数を示し、図14bは第二フィルタによって判明した係数を示し、図14cは第三フィルタによって判明した係数を示し、図14dは第四フィルタによって判明した係数を示したものである。図15は、図13に対応する入力信号(実線)および予測信号(破線)を示すが、新しい極の位置に関連した予測器の挙動を示している。第一サンプル間は、それほど極端でない挙動が存在することを示している。
[0105] 図16は、理想的な周波数応答(破線)と比較した予測器の周波数応答(実線)を示しており、95Hz、210Hz、270Hzおよび500Hzの設計周波数(十字で示す)において、実際の挙動は大きさ(上のウィンドウ)と位相(下のウィンドウ)の両方で所望の挙動と正確に一致していることが分かる。しかし、特に高い方の周波数では、予測器の大きさは、理想的な値よりもはるかに大きい。図17に、z=0.75として、上述したような変更後の極位置について、実際の予測器挙動と所望の予測器挙動が示されている。予測器応答の大きさは、ここで、設計周波数以外の周波数の理想的な線にかなり近くなることが分かる。設計周波数では、挙動は依然として正確である。つまり、実際の予測器の挙動が理想的挙動と正確に一致している。
加速度予測
[0106] 場合によっては、予測器を信号または二重微分器などの他のファンクションと組み合わせることが有用である。例えば、パターニングデバイスMAのフィードスルーのMTを支持する基板テーブルWTでは、基板テーブルWTの位置誤差が2回微分され、その結果、1サンプル遅延となる(図5のステージ40参照)。基板テーブルWTの位置誤差が、幾つかの正弦曲線で構成されると仮定し、これらの正弦曲線の係数を上記したように複数のフィルタ分岐で求めることができる場合、フィルタの単微分または二重微分した入力を直接計算することが可能である。例えば、二重微分で、時間シフトがTである場合は、次のような関係が成り立つ。
[0107] 時間をシフトするステップがなくても(つまりT=0でも)、この配置構成は既に、二重微分用の別個のフィルタを有することに伴う時間遅延を回避するという利点を有し、これはそのまま、1サンプル利益となるが、このことは遅延ゼロの二重微分信号が生成されることによるものである。時間のシフトを追加すると、残留遅延が全て補償され、性能がさらに改善する。
[0108] 低周波挙動を強制的に、正確な二重微分器の挙動を記述する+2の傾きにするために、低周波(例えば10Hz)を既存の周波数に追加することができる。この方法で、予測器の応答は低周波にも「二重微分」挙動を示し、少なくとも最大10Hzまで+2の傾きからの大きい偏差が回避される。低い周波数では、二重微分挙動は一般的にそれほど重要でない。というのは、いかなる偏差も制御装置自体で適切に対処できるからである。つまり、フィードフォワードが正確であることは、位置制御装置自体が外乱に適切に対処できない周波数領域において、最も価値のあるものである。また、極を(例えばz=0.65に)シフトさせることによって、さらに良好な周波数応答が得られる。このように獲得された加速度予測器の周波数応答は、特に大きいzの場合に、所望通りの予測周波数から離れた中位の高周波利得を有し、予測は常に、ちょうど選択された周波数にあり、全体的な周波数応答は滑らかとなる。極の実数部分の値が比較的小さい場合、高周波利得は大きくなるが、(設計周波数以外の)低い方の周波数で、理想的挙動との一致がさらに良好になる。したがって、極の位置を調整して、高周波と設計にない周波数のフィルタ挙動との間で所望の妥協点に到達することができる。
[0109] 図18は、予測器の実際の周波数応答を示し、その入力の二重導関数(実線)および理想的挙動(破線)を予測したものである。設計周波数(十字によって図示)にて、大きさと位相の挙動は両方とも、理想的挙動に正確に一致する。これらの周波数以外でも、予測器の挙動はまだ理想的事例に近く、高い方の周波数では理想線にわたる最大利得が制限されている。
[0110] この方法を使用して、高周波領域の利得を少ししか増加させずに、正弦曲線の組合せで構成された信号を予測することができる。その意味で、この予測方法は、先行技術により実現された挙動より優れた挙動を提供する。
[0111] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることは言うまでもない。例えば、これは、集積光学装置、磁気ドメインメモリ用誘導および検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどである。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェハ」または「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」または「目標部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことは、当業者に明らかである。本明細書に述べている基板は、露光前または露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、計測ツールおよび/または検査ツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上およびその他の基板処理ツールに適用することができる。さらに、基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
[0112] 以上では光学リソグラフィとの関連で本発明の実施形態の使用に特に言及しているが、本発明は、インプリントリソグラフィなどの他の用途においても使用可能であり、状況が許せば、光学リソグラフィに限定されないことが理解される。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイスの微細構成によって、基板上に生成されるパターンが画定される。パターニングデバイスの微細構成を基板に供給されたレジストの層に押しつけ、その後に電磁放射線、熱、圧力またはその組み合わせにより、レジストを硬化する。パターニングデバイスをレジストから離し、レジストを硬化した後にパターンを残す。
[0113] 本明細書で使用する「放射線」および「ビーム」という用語は、イオンビームあるいは電子ビームといったような粒子ビームのみならず、紫外線(UV)放射線(例えば、365nm、355nm、248nm、193nm、157nmまたは126nmの波長を有する)および超紫外線(EUV)放射線(例えば、5nm〜20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射線を網羅する。
[0114] 「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折、反射、磁気、電磁気および静電気光学部品を含む様々なタイプの光学部品のいずれか、またはその組み合わせを指す。
[0115] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。例えば、本発明は、上記で開示したような方法を述べる機器読み取り可能指令の1つまたは複数のシーケンスを含むコンピュータプログラム、またはその内部に記憶されたこのようなコンピュータプログラムを有するデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気または光ディスク)の形態をとることができる。また、この方法を説明された正弦曲線以外の他の信号記述とともに使用することができ、例えば予測すべき信号を、一連の指数関数または他の解析関数で記述することができ、その特性パラメータは、予測される入力バージョンを生成するために予測ユニットが使用する前に、複数のフィルタによって抽出される。このような場合、所定の周波数を、別の独立した所定の変数で置き換えることができる。
[0116] 上記の説明は例示的であり、限定的ではない。したがって、請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には自明である。
本発明の実施形態によるリソグラフィ装置を示す。 レンズ加速度に対して基板テーブルの動作をフィードフォワード制御する制御システムを含むリソグラフィ装置を示す。 図2の制御システムの詳細図を示す。 基板テーブルに対してパターニングデバイス支持体の動作をフィードフォワード制御する制御システムを含むリソグラフィ装置を示す。 図4の制御システムの詳細図を示す。 フィルタk=1およびK=2の伝達関数H(z)のz面プロットを示す。 フィルタk=1およびK=2の伝達関数H(z)のz面プロットを示す。 等間隔の周波数を含む信号を予測する複数のフィルタ分岐を示す。 等間隔でない周波数を含む信号を予測する複数のフィルタ分岐を示す。 等間隔でない周波数のゼロおよび極位置のz面プロットを示す。 図11aから図11dは、図10の等間隔でない周波数のうち様々な周波数をフィルタリングするような構成であるフィルタの伝達関数H(z)のz面プロットを示す。 図12aから図12dは、フィルタ伝達関数の極がz=0である場合に入力正弦曲線信号のaおよびb係数に対するフィルタ収束のグラフを示す。 フィルタ伝達関数の極がz=0である場合に、複数のフィルタ分岐および入力信号自体による入力信号の予測の収束を示す。 図14aから図14dは、フィルタ伝達関数の極がz>0である場合に入力正弦曲線信号のaおよびb係数に対するフィルタ収束のグラフを示す。 フィルタ伝達関数の極がz>0である場合に、複数のフィルタ分岐および入力信号自体による入力信号の予測の収束を示す。 理想的な周波数応答と比較した複数のフィルタ分岐の周波数応答を示す。 変更した極位置の理想的な周波数応答と比較した複数のフィルタ分岐の周波数応答を示す。 入力の二重時間導関数を予測するように構成された複数のフィルタ分岐の周波数応答を示す。

Claims (11)

  1. 第一可動構成部品と、
    第二構成部品に対して前記第一可動構成部品を移動するように構成されたアクチュエータと、
    前記第二構成部品の特性である位置、速度、加速度、および位置のより高次の時間導関数のうち少なくとも1つを測定するように構築かつ配置構成された測定システムと、
    前記測定システムからの出力に従って前記アクチュエータを制御するように構成された制御システムとを備え、
    前記制御システムが、
    複数のフィルタを有し、各フィルタが前記測定システムの出力から所定の周波数成分を抽出するフィルタユニットと、抽出した周波数成分を下記第一式で示される正弦曲線と仮定した場合における係数a i ,b i を決定する演算ユニットとを有し、かつ、
    前記複数のフィルタによって決定された前記係数a i ,b i に基づいて各周波数成分における前記正弦曲線を再構築し、再構築された前記正弦曲線に基づいて所定の時間後の出力の予想値を提供する予測ユニットを有する、
    リソグラフィ装置。

    (上記式において、iはフィルタの番号を示す整数であり、ω i はi番目のフィルタにより抽出される周波数成分の周波数を示し、tは時間を示す。)
  2. 前記予測ユニットによって提供された各周波数成分における出力の予想値を合計する加算ユニットをさらに有する、
    請求項1記載のリソグラフィ装置。
  3. 前記各フィルタが、
    定の周波数成分の振幅を、前記周波数成分の周波数における前記フィルタのフィルタユニットの利得で割るように構成された規格化ユニットと、
    複素面でフィルタ出力の位相を回転して、前記周波数成分の周波数で前記フィルタユニットによって導入された位相オフセットを補正するように構成された位相回転ユニットと
    を有する、
    請求項記載のリソグラフィ装置。
  4. 前記各フィルタが、伝達関数H(z)によってz面で画定された前記フィルタユニットを有し、前記伝達関数H(z)が、前記所定の周波数成分の各成分に対応する|z|=1の単位円上の位置に、ゼロの複素共役対を有するが、前記フィルタがその振幅および位相を求めるように構成された周波数成分を除き、該H(z)は前記単位円上のゼロの複素共役対のうち1つしか有さない、
    請求項記載のリソグラフィ装置。
  5. 前記各フィルタユニットの伝達関数H(z)が、z=0に少なくとも1つの極を有する、請求項4に記載のリソグラフィ装置。
  6. 前記各フィルタユニットの伝達関数H(z)が、z=pに少なくとも1つの極を有し、pの実数部分が正であり、かつ、ゼロではない、
    請求項記載のリソグラフィ装置。
  7. 前記第一可動構成部品が、基板を支持するように構成された基板テーブルであり、
    前記第二構成部品が、変調したビームを前記基板上に投影するように構成された投影システムの少なくとも一部である、
    請求項1記載のリソグラフィ装置。
  8. 前記第一可動構成部品が、前記基板上に投影すべき放射線ビームを変調するパターニングデバイスを支持するように構築された支持体であり、
    前記第二構成部品が、基板を保持するように構築された基板テーブルである、
    請求項1記載のリソグラフィ装置。
  9. 前記制御システムが、前記測定システムの前記出力の時間微分に従い前記アクチュエータを制御するように構成され、
    前記予測ユニットが、前記第一式を微分することによって、前記時間微分出力を表す第二式を使用するように構成され、
    前記予測ユニットが、前記第二式を使用して、所定の時間後の前記時間微分出力の予想値を提供するように構成される、請求項1記載のリソグラフィ装置。
  10. 前記制御システムが、前記測定システムの前記システムの時間微分の2倍に従って前記アクチュエータを制御するように構成され、
    前記予測ユニットが、前記第一式を2回微分することによって、前記2倍の時間微分出力を表す第二式を使用するように構成され、
    前記予測ユニットが、前記第二式を使用して、所定の時間後の前記時間微分出力の予想値を提供するように構成される、
    請求項1記載のリソグラフィ装置。
  11. アクチュエータで、第二構成部品に対して第一構成部品を移動し、
    前記第二構成部品の特性である位置、速度、加速度および位置のより高次の時間導関数のうち少なくとも1つを、測定システムで測定し、
    前記測定システムの出力に従って制御システムで前記アクチュエータを制御し、
    前記制御システムが、
    複数のフィルタを有し、各フィルタが前記測定システムの出力から所定の周波数成分を抽出するフィルタユニットと、抽出した周波数成分を下記第一式で示される正弦曲線と仮定した場合における係数a i ,b i を決定する演算ユニットとを有し、かつ、
    前記複数のフィルタによって決定された前記係数a i ,b i に基づいて各周波数成分における前記正弦曲線を再構築し、再構築された前記正弦曲線に基づいて所定の時間後の出力の予想値を提供する予測ユニットを有する、
    リソグラフィ装置。

    (上記式において、iはフィルタの番号を示す整数であり、ω i はi番目のフィルタにより抽出される周波数成分の周波数を示し、tは時間を示す。)
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