JP4497535B2 - 多光軸光電センサの支持金具、多光軸光電センサの取付構造 - Google Patents

多光軸光電センサの支持金具、多光軸光電センサの取付構造 Download PDF

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Description

本発明は、多光軸光電センサの支持金具、多光軸光電センサの取付構造に関する。
従来より、収納ケース内に複数の投光素子が配列された投光器と、それらの複数の投光素子とそれぞれと対をなす複数の受光素子が配列された受光器とを備え、これら投光並びに受光器を所定の検出領域を挟んで対向した状態で配置して、検出領域内を通過する物体を検出する多光軸光電センサが知られている(特許文献1)。このものは投光並びに受光側の各収納ケースを、その両端に設けられた断面L字状の1対の取付板によって、所要の取付部に固定するようになっている。
ところで、検出領域の拡大に伴って(投光・受光素子のチャンネル数の増加に伴って)、収納ケースの全長が長くなるから、両端の取付具のみでは十分に収納ケースを保持することができない場合がある。そこで、近年においては、収納ケースの全長が長くても、収納ケースの支持が安定するように、長手方向に中間金具を配置したものがある。このような中間金具の構成としては収納ケースの左右両側面を挟み込む一対の保持片2、3を備えて構成され、両保持片の対向間隔を収納ケース側方からの操作によって調整するようことで、収納ケースの側面を締め付けるようにいる。例えば、一方側の保持片3の側方に横向きにねじ5を配置しておき、このねじ5を側方から閉めこむことで保持片の対向間隔を狭めてゆくなどである(図17参照)。
特開平10−74433号公報
しかし、上記構造では、中間金具の取り付けを収納ケースの側方より行わざるを得ないが、取り付け箇所によっては収納ケースの側方に十分は作業スペースを確保できない場合もあり、改善の余地があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、取り付け作業性に優れる多光軸光電センサの支持金具等を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、長尺状の本体ケース内に複数の光電素子を前記本体ケースの長手方向に沿って配列してなる多光軸光電センサに対し、前記本体ケースの両端部に固定される端部保持具とともに使用されて同多光軸光電センサを所要の取付箇所に取り付けるための支持金具において、前記取付箇所に固定されるベース部と、このベース部に保持されて前記本体ケースを前記長手方向と直交する両側面から挟持する一対の挟持部を有する挟持ユニットを備え、これらの挟持部の少なくとも一方が前記長手方向と直交する方向に移動可能に保持されて前記本体ケースを他方側の挟持部との間に挟持可能とされたものであって、前記挟持ユニットにおける移動可能な挟持部は前記本体ケースの前面側から操作可能で奥方側に進出変位可能な固定部材により前記ベース部側に固定されると共に、その固定部材の進出変位に基づき前記移動可能な挟持部を前記本体ケースを挟持する挟持方向に移動させる連係機構を備え、前記連係機構は、前記固定部材の奥方への進出動作を前記挟持方向への移動動作に変換して前記移動可能な挟持部を挟持方向に移動させるような案内斜面を有する斜面機構であるところに特徴を有する。
尚、ここでいう前記本体ケースの前面側から操作可能とは取付箇所に直交する方向からの操作に限定されるものではなく、取り付け作業を行うに際し、工具等と本体ケース側方空間に配置された干渉物との干渉が回避可能で取り付け作業性を低下させない範囲内であれば、直交に近い斜め方向からの操作も含まれるものである。
請求項の発明は、請求項に記載のものにおいて、前記挟持部と前記本体ケースとの対向面間には、前記挟持方向と直交する方向(光電素子が投受光する光軸方向)に関する前記本体ケースの移動を規制可能な規制部が設けられているところに特徴を有する。
請求項の発明は、請求項1又は請求項2に記載のものにおいて、前記挟持ユニットと前記ベース部とには、前記挟持ユニットを前記ベース部に対し弧状に摺動させることで前記挟持ユニットを前記本体ケースの軸線を中心に回動可能に保持する弧状摺動機構が設けられ、前記挟持ユニットには、前記他方側の挟持部に対して前記一方側の挟持部を直線的にスライドさせることにより互いの対向距離を調節可能に保持する直線スライド機構が設けられてところに特徴を有する。
請求項の発明は、請求項に記載のものにおいて、前記斜面機構は前記一方側の挟持部に設けた前記案内斜面を有するねじ受け座を備えると共に、前記他方側の挟持部には前記ねじ受け座に形成したねじ挿通孔を通したねじが螺合される雌ねじ部を有し、前記雌ねじ部は、前記案内斜面と直交する方向に沿って延びるように形成されているところに特徴を有する。
請求項の発明は、長尺状をなす本体ケース内に複数の光電素子を同本体ケースの長手方向に沿って配列してなる多光軸光電センサを、前記本体ケースの両端部に固定される端部保持具と、請求項ないし請求項のいずれかに記載の支持金具によって、所要の取付箇所に装着するようにしたところに特徴を有する。
<請求項1、請求項5の発明>
請求項1、請求項5の発明によれば、固定部材を本体ケースの前面側より奥方側に進出させることで一方の挟持部をベース部側に固定すると、その挟持部は連係機構によって本体ケースの長手方向と直交する方向に移動し、もって本体ケースを他方側の挟持部との間に挟み付けることが出来る。このように、本体ケースの締め付け動作を本体ケースの前面側より行うことが出来るから取り付け作業性に優れる。
また、連係機構が斜面機構により構成されているから、例えば、連係機構を複数のギヤによって構成する場合に比べて構造が単純である。
<請求項の発明>
挟持部は本体ケースを挟持するものであるから、挟み方向に沿う方向への保持力は高いが、挟み方向と直交する方向に関する保持力は低くなりがちである。この点に関し、請求項の発明によれば、挟み方向と直交する方向への移動を規制部が規制するから挟み方向のみならず、これと直交する方向に関しても高い保持力が得られる。
<請求項の発明>
請求項によれば、挟持ユニットはベース部に回動可能な状態で連結されているから本体ケースを両挟持部で挟持した状態であっても、本体ケースを回動(光軸調整)させることが出来る。
<請求項の発明>
請求項の発明によれば、ねじ(固定部材)の締め込み方向と案内面とは直交するから保持が安定する。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図13によって説明する。
図1に示す10は多光軸光電センサであって投光器12、受光器13を主体として構成されている。これら、投光器12並びに受光器13は天井壁とともに作業エリアを囲む左右の縦壁(本発明の取付箇所に相当する)Wの前端部において縦向きに対向配置される。そのため、両間に物体が存在すると、その物体により投光器12から出射され受光器13に向う光が遮られるため、物体が存在しないときに比べて受光器13での受光量レベルが低下する。従って、受光器13での受光量レベルを測定することで検出領域内を通過する物体(作業者の手等)の有無について検出することが可能になる。以下、これらの構成について投光器12側を例に挙げて説明する。
投光器12は、例えば8つの投光素子(本発明の光電素子に相当する)11が一列状に配された投光ユニット15を断面コの字状をなす長尺の本体ケース14内に収容してなる。図2に示すように、投光ユニット15は一側面に投光窓(透光部材によって封鎖されている)16Aが開口された収容ケース16を備えてなる。収容ケース16内には投光窓16Aに投光先を向けた状態で投光素子11が収容されている。そして、投光ユニット15の一端部(図2における下側の端部)には光軸調整用の表示灯19が設けられている。この表示灯19は受光素子の全てが、対応する各投光素子からの光を受光したときにON(点灯)し、それ以外では各受光素子の受光状態に応じてOFF(消灯)或いは点灯するようになっている。
また、上記本体ケース14の上下両開放端には1対のキャップ部材17A、17Bが嵌着されている。このキャップ部材17A、17Bはブロック状をなすとともに、その端面には次述する端部保持具20がそれぞれ取り付けられるようになっている。尚、以下の説明において本体ケース14の長手方向に沿った中心軸を軸線Lとする(図2参照)。
次に、投光器12を縦壁Wに取り付けるための金具について説明する。投光器12は本体ケース14の上下両端部を保持する端部保持具20と、本体ケース14の長手方向に関する中間部分の側面を保持する側面支持金具(本発明の支持金具に相当する)50によって保持されている。
まず、端部保持具20について説明する。
図3に示すように、端部保持具20は縦壁Wに対して固定される板状のベースプレート21と、キャップ部材17A、17Bに対して固定されるブロック状の連結ブロック30とを主体として構成される。尚、上下のキャップ部材17A、17Bに対する端部保持具20の取り付け構造は同じであるため、以下、キャップ部材17Bを例にとって説明する。
ベースプレート21には板面を上下に貫通するように3個の貫通孔21A、21Bが形成されている。これら貫通孔21A、21Bのうちベースプレート21のキャップ部材17B側に形成される一対の貫通孔21Aは、本体ケース14の軸線Lに沿う長孔とされており、これは縦壁Wに対する取り付け用の孔である。ベースプレート21の上面奥端部には、連結ブロック30に向かって突出する受け部22が形成されている。この受け部22のうち連結ブロック30に対する対向面は緩やかな曲率をもって湾曲する凹面23とされている。
連結ブロック30は、図3における上面側に本体ケース14の軸線Lに沿って貫通する挿通溝31を設けている。この挿通溝31はキャップ部材17Bから引き出された信号ケーブル18が嵌合されるようになっている。また、連結ブロック30には挿通溝31の左右両側に挿通溝31と平行にねじ孔32が一対形成されている。一方、キャップ部材17Bの端面のうち、ねじ孔32と対向する部分には同じくねじ孔19Aが形成されている。そのため、両ねじ孔19A、32を整合させた状態から取付ねじ27によって共締めしてやることで、連結ブロック30をキャップ部材17Bに対して固定することができる。
連結ブロック30のうちベースプレート21の受け部22と対向する位置には、受け部22の曲率に倣った弧状をなす摺動片33が突設されている。この摺動片33の内周側には断面が半円形の押圧ブロック35が嵌合されるようになっている。押圧ブロック35の上端面、受け部22の凹面23にはそれぞれ一対の取り付け孔35A、23Aが設けられるとともに、摺動片33にはこれら取り付け孔35A、23Aと対応する位置に、凹面23の周方向(軸線Lを中心とする周方向)に沿った長孔33Aが形成されている。そのため、各孔23A、33A、35Aを貫くように取付ねじ38を締めこむことで、受け部22と押圧ブロック35とによって摺動片33を挟持することができる。これにより、ベースプレート21と連結ブロック30が固定されるから、本体ケース14の上下両端部を縦壁Wに対して固定することができる。
尚、取付ねじ38の締め込みを緩めてやれば、受け部22と押圧ブロック35による挟持状態が解かれるため、この状態から本体ケース14を軸線Lを中心に回動方向に押してやれば、受け部22と摺動片33とのあわせ面並びに、摺動片33と押圧ブロック35とのあわせ面が摺接面となって、本体ケース14は滑らかに回動する。
次に、本体ケース14の左右両側面14A、14Bを挟み込んで保持する側面支持金具50について説明する。側面支持金具50は縦壁Wに装着されるベースブラケット51と、このベースブラケット51に対して弧状摺動機構Rによって軸線Lを中心とする回動方向に摺動可能な状態で連結された挟持ユニット60から構成される。
ベースブラケット51は図5に示すように、中央に開口部54を有する枠状の基板部52と、この基板部52の一端部(同図における左奥側の端部)から図示上方に起立形成される起立壁53とを備えてなる。起立壁53は基板部52の全長(軸線Lに沿う方向の全長)に亘って形成されている。
基板部52並びに起立壁53の両端寄りの位置にはそれぞれ一対の取付孔52A、53Aが開口しており、このうちの基板部52に開口される取付孔52Aが縦壁Wに対するものである。一方、起立壁53に設けられる取付孔53Aは本実施形態においては使用されないが、例えば、投光器12を壁同士が交わるコーナ部に装着する際に使用されるものである。
開口部54のうち軸線Lと直交する両口縁部からは支持片55が起立形成されている。この支持片55は基板部52の全幅(同図におけるC方向の全幅)に亘って形成されるとともに、その奥端は起立壁53に連続している。支持片55の形状は同図における奥端寄りの部分はやや直線的に傾斜しているのに対して、そこから手前側の端部にかけては弧状をなす湾曲部55Aとされ、その上端からはやはり弧状(本体ケース14の軸線Lを中心とするような弧状)に形成されたガイド片56が内向きに向かい合うように突設されている。このガイド片56は、次述する挟持ユニット60に形成される摺動動作案内溝75に嵌め合わされるようになっている。
挟持ユニット60は固定側挟持部61と移動側挟持部81とからなる。固定側挟持部61は図6に示すように連結ベース62の一端部(同図における左奥側の端部)に第1挟持片71を設けてなる。第1挟持片71は連結ベース62の全長に亘って形成されている。連結ベース62はその中央部に、次述する移動側挟持部81のスライドベース82が図示上方から収容される収容凹部63が形成されている。収容凹部63の横壁からは一対の抜止め突起64A、64Bが内向きに突設されるとともに、前端中央部にはねじ孔(本発明の雌ねじ部に相当する)78を有する締め込み座77が同図における右手前側に突設されている。
両抜け止め突起64A、64Bのうち同図において左奥側に形成される奥側抜け止め突起64Aの全長に比べ、同図における右手前側に形成される前側抜け止め突起64Bの全長はやや短く設定されている。そして、これら両突起64A、64B間に位置して凹み部65が形成されるとともに、これら抜止め突起64A、64Bは収容凹部63の底壁63Aとの間にスライド動作案内溝67を形成している。
移動側挟持部81は前記収容凹部63に収容される略矩形のスライドベース82と、このスライドベース82の一端部に起立形成される第2挟持片91とから構成されている。スライドベース82の左右の側面の下部には前記スライド動作案内溝67に嵌まるガイド片83A、83Bが軸線Lと直交する向きに設けられている。
そして、前側抜け止め突起64Bと対向する位置(両ガイド片83A、83B間)には切り欠き部84が形成されている。この切り欠き部84はスライドベース82を図6における上側から収容凹部63内に収容させる際に、前側抜け止め突起64Bとの干渉を回避するための逃がしであり、また、先に述べた凹み部65は奥側のガイド片83Aとの干渉を回避するため逃がしである。
スライドベース82を収容凹部63に収容させた状態においては連結ベース62の上面とスライドベース82の上面同士が面一となるとともに、スライドベース82はガイド片83A、83Bとスライド動作案内溝67との凹凸嵌合による案内作用により、軸線Lと直交する方向に滑らかに進退する。これにより、第1挟持片71と第2挟持片91との対向間隔(図8参照)Dを自由に調整することができる。尚、ガイド片83A、83Bとスライド動作案内溝67が本発明の直線スライド機構に相当するものである。
また、移動側挟持部81における第2挟持片91の外側面(図6における右手前側の面)であって、前記締め込み座77と対応する位置にはねじ受け座95が突設されている。このねじ受け座95にはねじ挿通孔97が上下に貫通されるとともに、組み付け状態において、締め込み座77の上面に重ね合わされるようになっている。そのため、固定ねじ(本発明の固定部材に相当する)99を本体ケース14の前面14F側からねじ受け座95のねじ挿通孔97に挿通させ、その状態からねじ孔78に締め込むことで移動側挟持部81を固定側挟持部61に固定できるようになっている。尚、この固定ねじ99による本体ケース14の前面14F側からの締め付け動作が、本発明における前記本体ケースの前面側から操作可能で奥方側に進出変位するに相当する動作である。また、図6における符号99Aはワッシャーである。
ところで、このねじ受け座95の上面(固定ねじ99のねじ頭と対向する側の面)は案内斜面96とされており、移動側挟持部81のスライド方向(図8における水平方向)に対して角度θ傾斜している。これにより、移動側挟持部81は固定ねじ99による締め込み動作と連係して両挟持片71、91間の対向間隔を狭くする方向(以下、挟持方向とする)にスライドする。より具体的に説明すると、図9に示すように、案内斜面96に対して下向きに力を加えると、移動側挟持部81には斜面に直交する力f1が作用する。そして、移動側挟持部81と固定側挟持部61との境界部分では、この斜面に直交する力f1によって水平方向の力f2が生ずる。これにより、移動側挟持部81が挟持方向にスライドする。
また、本実施形態では、ねじ孔78はその軸線が案内斜面96と直交する方向に延びる設定とされ、固定ねじ99が案内斜面96と直交する方向からねじ込まれるようになっている。このような設定とすることで、図9の(B)に示すように、締め込み力がロスなく移動側挟持部81に伝達されるから、その分挟持方向への力が強くなる。従って、固定ねじ99が案内斜面96に対して斜めに傾いた状態で締めこまれる場合に比べて、本体ケース14に対する挟持力が高まる。
尚、本実施形態では、固定ねじ99を案内斜面96と直交する方向からねじ込むために、ねじ挿通孔77を挟持方向に沿った長孔としてある。
加えて、本実施形態では案内斜面96の角度を約60度に設定してある。このような設定とすることで、本体ケース挟持方向への力と移動側挟持部81を固定側挟持部61に対して保持するために必要な下向きの力とのバランスをとった上で、固定ねじ99の締め込み操作を本体ケース14の前面14F側から行うことが可能となるから本体ケース14の側方に十分な作業スペースを確保することが困難な状況下であっても組み付けを容易に行うことが出来る。
尚、ねじ受け座95、案内斜面96が本発明の斜面機構に相当するものである。
次に、弧状摺動機構Rについて説明する。図5に示すように、挟持ユニット60の連結ベース62における軸線L方向の両端部にはベースブラケット51側に弧状をなして張り出す連結片74が形成されている。この連結片74の外周面側には、本体ケース14の軸線Lを中心とする弧状の摺動動作案内溝75が形成されている。この摺動動作案内溝75に対してベースブラケット51のガイド片56が嵌合されるようになっている。以上のことから、挟持ユニット60はベースブラケット51に対し本体ケース14の軸線Lを中心として回動可能に連結される(図12、図13参照)。
次に、本体ケース14を両挟持片71、91によって挟み込んだ際に、光軸方向(投光素子の投光方向であって、図7における上方向)Lcに関する本体ケース14の移動を規制するための規制部Kについて説明する。本体ケース14の左右両側面14A、14Bには、軸線Lに沿って複数本の嵌合溝14Cが形成されている。一方、両挟持片71、91における本体ケース14の対向面には嵌合溝14Cに対する嵌合突起72、92が本体ケース14の軸線Lに沿って、当該挟持片71、91の全長に亘って形成されている。これら嵌合溝14Cと嵌合突起72、92は図11に示すように、両挟持片71、91によって本体ケース14を挟み込んだ際に、凹凸嵌合するようになっている。これにより、本体ケース14の光軸Lc方向に関する移動規制が図られる。
続いて、本実施形態の作用・効果について説明する。
投光器12を縦壁Wに取り付けるには、予め、側面支持金具50を縦壁Wに対して取り付け、更に、両対向片71、91を開いた状態(対向間隔Dが広くなった状態)にセットしておく。そして、本体ケース14を両挟持片71、91間に宛がうとともに、その状態から取付ねじ38の締めこみ作業を行ってやる。この取り付け作業を本体ケース14の上下両端部に対して行うことで、投光器12における上下両端が縦壁Wに対して端部保持具20により固定される。
その後、長手方向に関する中央部の固定を行うべく、固定ねじ99を本体ケース14の前面14F側から移動側挟持部81に形成されるねじ挿通孔97に挿通させつつ、固定側挟持部61のねじ孔78に締めこんでやる。すると、案内斜面96の案内作用を受けて移動側挟持部81は固定ねじ99によって斜め(案内斜面96と直交する方向)に押し込まれる。これにより、移動側挟持部81は両挟持片71、91の対向間隔を狭める方向にスライドしつつ、除々に締めこまれてゆく。
やがて、両挟持片71、91によって本体ケース14の左右両側面14A、14Bが挟み付けされる。これにより、本体ケース14は両挟持片71、91により保持される。また、この状態においては、本体ケース14の嵌合溝14Cと挟持片71、91の嵌合突起72、92が凹凸嵌合するから、本体ケース14は光軸Lc方向に関する移動が規制された状態となる。その後、上記動作と同じく本体ケース14の前面14F側から固定ねじ99を締めこんで、2つの目の側面支持金具50の取り付けを行う。これにより、投光器12は上下両端が端部保持具20によって固定されるとともに、長手方向の中央部分が側面支持金具50によって保持される。
このように、本実施形態によれば、側面支持金具50の取り付け作業を、本体ケース14の前面14F側より行うことが出来るから取り付け作業性に優れる。
また、側面支持金具50による本体ケース14の支持を解いてやる場合には、固定ねじ99を緩めてやればよく、例えば本体ケース14を弾性的に保持する構成のものに比べて取り外しを簡単に行うことが出来る。
加えて、固定ねじ99の締め込み動作に連係して移動側挟持部81を挟持方向に移動させる機構を案内斜面96によって形成しているから(すなわち、既存の構造部材に斜面を設けた構造である)、部品点数が増加することがない。また、挟持ユニット60とベースブラケット51が弧状摺動機構Rによって連結されている。そのため、本体ケース14を側面支持金具50によって支持したままの状態であっても、同本体ケース14を軸線Lを中心として回動させることが出来るから、光軸調整が簡単にできる。
<参考例>
次に、参考例を図14を参照して説明する。
実施形態1では、固定ねじ99に締め込み動作に連係して移動側挟持部81を挟持方向に移動させる機構を斜面機構により構成したが、参考例においては、これを歯車によって行っている。本参考例において固定側挟持部61の連結ベース62には、実施形態1の締め込み座77に変えてラック103が設けられている。このラック103は挟持方向(同図における左右方向)に沿って設けられている。一方、固定ねじ108には、同固定ねじ108と一体的に回動するピ二オンギヤ105が設けられており、これがラック103に対して噛合するようになっている。
そのため、固定ねじ108を回動させると、ピ二オンギヤ105がラック103に沿って進退し、これと一体的に固定ねじ108、ひいては移動側挟持部81がラック103に沿って進退する。このようにラック103とピ二オンギヤ105とによって固定ねじ108の軸周りの回動動作を直線方向の動作に変換してやれば実施形態1と同様に本体ケース14の前面14F側から側面支持金具の取り付けができるので、実施形態1と同様の作用効果が得られる。尚、この参考例において、移動側挟持部81のねじ受け座101の上面には案内斜面は形成されておらず、そこは平らな平面とされている。その他の構成については、実施形態1と同一であるため同じ部品には同一の符号を付し重複した説明を省略するものとする。
<実施形態
次に、本発明の実施形態を図15を参照して説明する。
実施形態1では移動側挟持部81のねじ受け座95の上面に案内斜面96を設けたが、実施形態においては固定ピン131に設けられた押圧ブロック132の下面に案内斜面132Aを形成するとともに、この案内斜面132Aによって第2挟持片91の外面に形成される当接突起121を斜め下向きに押し込むようになっている。このように、移動側挟持部81と固定側挟持部61とを固定する部材(固定ピン)に案内斜面132Aを設けても、実施形態1と同様に固定ピン131の取り付け動作に基づいて移動側挟持部81を挟持方向に移動させることができる。
また、実施形態1では、移動側挟持部81と固定側挟持部61との固定をねじ締め、すなわちねじ軸を中心とする回動動作によって行ったが、実施形態においては、これを図15の上下方向に沿った押し込み動作によって行っている。具体的には、固定ピン131には、その軸方向に沿って複数個のロック歯135が形成される一方、連結ベース62には締め込み座77に変えてロック受け部141が形成されている。
このロック受け部141の内部には、ロック方向に付勢された係止ピン145が収容されている。そのため、固定ピン131を上側から下側に押し込むと、係止ピン145がロック歯135に選択的に係止する。これにより、移動側挟持部81は固定側挟持部61に押し込まれて固定される。尚、同図における符号146は係止ピン145のロック動作を案内するための案内突条、符号148はロックばねである。その他の構成については、実施形態1と同一であるため同じ部品には同一の符号を付し重複した説明を省略するものとする。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)実施形態1では、ベースブラケットと挟持ユニットとの間に弧状摺動機構を設けたが、弧状摺動機構を廃止するとともに、ベースブラケットを固定側挟持部と一体的に形成してもよい。
(2)実施形態1ではねじ孔78を案内斜面96と直交する方向に沿って延びるように形成したが、例えば、図16に示すように上下方向(挟持方向と直交する向きに)設けてもよい。
(3)実施形態1では規制部を凹凸嵌合構造としたが、本体ケースを挟持片によって挟み込んだ際に光軸Lc方向に関する保持力が高くなるのであればよく、例えば、本体ケースの側面並びに挟持片の対向面のうち少なくいずれか一方側の側面を粗面としておく(投光方向に本体ケースを移動させる際の摩擦力が高まる構造)等であってもよい。
実施形態1における多光軸光電センサの取り付け状態を示す斜視図 投光器の正面図 端部保持具の分解斜視図 端部保持具の斜視図 側面支持金具の分解斜視図 挟持ユニットの分解斜視図 側面支持金具並びに本体ケースの斜視図 本体ケースを装着する前の状態を示す側面支持金具の断面図 ねじ受け座に対する力の作用方向を示す図 本体ケースが側面支持金具によって挟持される過程を示す断面図 本体ケースが側面支持金具によって挟持された状態を示す断面図 挟持ユニットの回動動作を示す断面図 挟持ユニットとベースブラケットの連結構造を示す断面図 参考例に係る側面支持金具の断面図 実施形態に係る側面支持金具の断面図 他の実施形態の断面図 従来例を示す図
14...本体ケース
50...側面支持金具
51...ベースブラケット(ベース部)
60...挟持ユニット
61...固定側挟持部
81...移動側挟持部
96...案内斜面
99...固定ねじ(固定部材)

Claims (5)

  1. 長尺状の本体ケース内に複数の光電素子を前記本体ケースの長手方向に沿って配列してなる多光軸光電センサに対し、前記本体ケースの両端部に固定される端部保持具とともに使用されて同多光軸光電センサを所要の取付箇所に取り付けるための多光軸光電センサの支持金具において、
    前記取付箇所に固定されるベース部と、このベース部に保持されて前記本体ケースを前記長手方向と直交する両側面から挟持する一対の挟持部を有する挟持ユニットを備え、これらの挟持部の少なくとも一方が前記長手方向と直交する方向に移動可能に保持されて前記本体ケースを他方側の挟持部との間に挟持可能とされたものであって、
    前記挟持ユニットにおける移動可能な挟持部は前記本体ケースの前面側から操作可能で奥方側に進出変位可能な固定部材により前記ベース部側に固定されると共に、その固定部材の進出変位に基づき前記移動可能な挟持部を前記本体ケースを挟持する挟持方向に移動させる連係機構を備え、
    前記連係機構は、前記固定部材の奥方への進出動作を前記挟持方向への移動動作に変換して前記移動可能な挟持部を挟持方向に移動させるような案内斜面を有する斜面機構であることを特徴とする多光軸光電センサの支持金具。
  2. 前記挟持部と前記本体ケースとの対向面間には、前記挟持方向と直交する方向に関する前記本体ケースの移動を規制可能な規制部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の多光軸光電センサの支持金具。
  3. 前記挟持ユニットと前記ベース部とには、前記挟持ユニットを前記ベース部に対し弧状に摺動させることで前記挟持ユニットを前記本体ケースの軸線を中心に回動可能に保持する弧状摺動機構が設けられ、
    前記挟持ユニットには、前記他方側の挟持部に対して前記一方側の挟持部を直線的にスライドさせることにより互いの対向距離を調節可能に保持する直線スライド機構が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の多光軸光電センサの支持金具。
  4. 前記斜面機構は前記一方側の挟持部に設けた前記案内斜面を有するねじ受け座を備えると共に、前記他方側の挟持部には前記ねじ受け座に形成したねじ挿通孔を通したねじが螺合される雌ねじ部を有し、前記雌ねじ部は、前記案内斜面と直交する方向に沿って延びるように形成されていることを特徴とする請求項3に記載の多光軸光電センサの支持金具。
  5. 長尺状をなす本体ケース内に複数の光電素子を同本体ケースの長手方向に沿って配列してなる多光軸光電センサを、前記本体ケースの両端部に固定される端部保持具と、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の支持金具によって、所要の取付箇所に装着するようにしたことを特徴とする多光軸光電センサの取付構造。
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