JP6143718B2 - ヒンジ - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1〜3等の隠し蝶番は、扉枠側の取付部材と、扉側の取付部材とを含み、これら取付部材どうしが連結機構を介して回転可能に連結されている。扉枠の側面には凹部が形成されており、この凹部に扉枠側の取付部材が収容されて固定されている。また、扉の端面にも凹部が形成されており、この凹部に扉側の取付部材が収容されて固定されている。扉を閉じると、扉枠の側面(対向面)と扉の端面(対向面)とが合わさるとともに、隠し蝶番の全体が扉枠及び扉の上記凹部の内部に収まることで外部から見えなくなる。
本発明は、上記事情に鑑み、扉枠等の第1部材と扉等の第2部材と対向面どうしの間に設けられた隠し蝶番などのヒンジにおいて、3方向の位置調整や位置固定を簡易かつ確実に行うことができる構造を提供することを目的とする。
前記両対向面のうちいずれか一方に固定された第1取付部材と、
前記両対向面のうち他方に固定され、前記閉位置のとき前記第1取付部材と対面する第2取付部材と、
前記第1取付部材に第1方向へ移動可能に設けられた第1可動部材と、
前記第1可動部材の前記第1取付部材に対する前記第1方向の位置を調整又は/及び固定する軸形状の第1軸状部材と、
前記第1可動部材に前記第1方向と直交する第2方向へ移動可能に設けられた第2可動部材と、
前記第2可動部材の前記第1可動部材に対する前記第2方向の位置を調整又は/及び固定する軸形状の第2軸状部材と、
前記第2可動部材に前記第1、第2方向と直交する第3方向へ移動可能に設けられた第3可動部材と、
前記第3可動部材の前記第2可動部材に対する前記第3方向の位置を調整又は/及び固定する軸形状の第3軸状部材と、
前記第2取付部材と前記第3可動部材とを前記回転軸線のまわりに回転可能に連結する連結手段と、
を備え、前記第1〜第3方向のうち何れか1つが、前記対向方向に沿っており、前記第1〜第3軸状部材の軸線が、互いに平行かつ前記対向方向に沿っていることを特徴とする。
前記の特徴によれば、第1〜第3の軸状部材が、共に、連結手段よりも第1取付部材の側に設けられており、第1〜第3軸状部材の何れに対しても、ドライバー等の工具を同じ方向(前記対向方向)に向けて操作できる。したがって、3つの方向の位置調整作業や位置固定作業を簡易かつ確実に行うことができる。
これによって、ヒンジをコンパクトにできる。
これによって、第2軸状部材と第3軸状部材とが互いに協働して第3可動部材を二箇所で係止することで、第3可動部材が第1方向(前記対向方向)に撓み変形するのを防止できる。したがって、第3軸状部材の数は1本で済み、ヒンジを一層コンパクト化できるとともに、部品点数を減らすことができる。
前記第2軸状部材が、前記第3可動部材に係止される頭部と、前記挿通長穴内に配置される胴部と、前記第2可動部材を貫通して前記第1可動部材と連結されるねじ部とを一体に有する雄ねじ部材にて構成され、前記胴部と前記ねじ部との間には、前記第2可動部材に引っ掛かる段差が形成されており、
前記胴部の前記第1方向に沿う軸さが、前記挿通長穴の前記第1方向に沿う長さより僅かに大きいことが好ましい。
前記第2軸状部材の締め付けによって、前記第2可動部材を前記段差と前記第1可動部材との間に挟み付けて第2方向の位置を固定できる。一方、第2軸状部材を締め付けても、頭部と第3可動部材との間に遊びを形成できる。したがって、第3可動部材の第3方向への変位を確実に許容することができ、しかも第3可動部材が第1方向へ撓み変位するのを前記頭部によって確実に規制することができる。
前記第2軸状部材の頭部及び胴部によって前記係合部が構成される。
前記第2軸状部材が、前記第2可動部材を通して前記スライド部材にねじ込まれるねじ部を有し、かつ、前記スライド部材における前記第2軸状部材から前記第2方向へ離間した部位が、前記第2可動部材と嵌合されていることが好ましい。
これによって、第2軸状部材が1本だけであっても、第2可動部材を第2方向に離間した二箇所で係止することで、第2可動部材が第1方向(前記対向方向)に撓み変形ないしは変位するのを防止できる。
これによって、閉時の美観を確保できる。
前記第1〜第3軸状部材の少なくとも1つが、偏心カム部を有していてもよい。
これによって、ヒンジを、隠し蝶番として用いることができる。
前記閉位置のとき、第1部材及び第2部材のうち一方の対向面の一部と他方の端面とが対向し、前記端面が前記他方の部材の対向面を構成していてもよい。この場合、前記回転軸線が前記端面の長手方向に沿うことが好ましい。
前記開位置のとき、第1部材及び第2部材のうち少なくとも一方の部材の対向面の縁が他方の部材に近接し、かつ前記一方の部材の対向面上を前記縁から遠ざかるにしたがって前記他方の部材から離間することが好ましい。この場合、前記回転軸線が前記縁の延び方向に沿うことが好ましい。
図1〜図14は、本発明の第1実施形態を示したものである。図1に示すように、扉装置Mは、扉枠1(第1部材)と、扉2(第2部材)と、ヒンジ3を備えている。扉枠1の側面1a(対向面)と、扉2の端面2e(対向面)との間にヒンジ3が設けられている。側面1a及び端面2eには、ヒンジ3を収容する収容凹部1b,2bがそれぞれ形成されている。図7(a)〜(d)に示すように、ヒンジ3によって、扉枠1及び扉2どうしが、鉛直な回転軸線L(図3)の周りに閉位置と開位置との間で回転可能に連結されている。これによって、扉2が開閉される。図7(a)に示すように、閉位置では、扉枠1の側面1aと扉2の端面2eとが、左右方向x(対向方向)に近接して対面されることで、ヒンジ3のほぼ全体が収容凹部1b及び2bの間に隠れ、外部からは殆ど見えなくなる。扉枠1の側面1aは、上記対向方向(左右方向x)に対して直交している。閉位置における扉2は、幅方向を左右方向x(対向方向に沿う第1方向)に向け、長手方向を上下方向z(第1方向と直交する第2方向)に向け、厚み方向を前後方向y(第1、第2方向と直交する第3方向)に向けている。図7(d)に示すように、開位置(全開位置)では、扉枠1の側面1aと扉2の端面2eとが例えば約90度の角度をなして離開される。回転軸線Lは、上記対向方向(左右方向x)に対して直交している。また、回転軸線Lは、扉2の端面2eの長手方向(上下方向z)に沿っている。
以下詳述する。
なお、カバー6は省略してもよい。
図5に示すように、背板部4aには、後述するスライド部材44のための逃がし穴4bが上下方向zへ延びるように形成されている。
軸柱部35の下側部から凸板部33が側方へ突設されている。凸板部33には、挿通長穴33aが形成されている。挿通長穴33aの長軸は、前後方向yへ向けられている。図5に示すように、凸板部33の裏面(第2可動部材20を向く面)には、係合凸部33bが形成されている。
図8(a)〜(c)に示すように、扉2を左右方向xへ位置調整する際は、ドライバーなどのねじ回し工具(図示省略)によって、第1軸状部材41の第1雌ねじ穴4cへのねじ込み深さを調節する。図9に示すように、係止溝41dと係止凸部14dとの係合によって第1軸状部材41が第1可動部材10に対して左右方向xへ位置固定されているから、第1軸状部材41のねじ込み量に応じて、第1可動部材10が第1取付部材4に対して左右方向xへ位置調整される。これに伴って、第1可動部材10に重ねられた第2可動部材20、第3可動部材30、及び第2取付部材5も第1可動部材10と一体になって左右方向xへ変位される。ひいては、扉2を扉枠1に対して左右方向xへ位置調整できる。
第1軸状部材41のねじ込み調整の終了後は、第1可動部材10が、第1軸状部材41を介して第1取付部材4に位置固定された状態になる。したがって、第1軸状部材41は、第1可動部材10の第1取付部材4に対する左右方向xの位置を調整する第1調整部と、第1可動部材10の第1取付部材4に対する左右方向xの位置を固定する第1固定部とを兼備している。
第2軸状部材42は、第2可動部材20の第1可動部材10に対する上下方向zの位置を固定する第2固定部として機能している。
第3軸状部材43は、第3可動部材30の第2可動部材20に対する前後方向yの位置を固定する第3固定部として機能している。
第2軸状部材42及び第3軸状部材43をそれぞれ1本だけで構成することによって、部品点数を削減できるとともに、ヒンジ3をコンパクトにできる。
さらに、第1可動部材10の係止部14をU字形状ないしは半円形状にすることで、第1可動部材10の上下方向zの長さを短くでき、ヒンジ3を一層コンパクトにすることができる。
図15〜図18は、本発明の第2実施形態を示したものである。図17に示すように、第2実施形態における第3軸状部材45は、頭部45aと、偏心カム部45b(第3調整部)と、軸部45cを有している。頭部45aに偏心カム部45bが一体に連なっている。偏心カム部45bは、頭部45aよりも小径かつ軸部45cよりも大径の円柱状に形成され、頭部45aに対して偏心されている。
例えば、ヒンジ3が、扉枠1の端面と扉2の側面との間に設けられていてもよく、この場合、扉2の側面が「対向面」を構成する。或いは、ヒンジ3が、扉枠1の端面と扉2の端面との間に設けられていてもよく、この場合、扉枠1及び扉2のうち何れか一方の端面が「対向面」を構成する。
扉枠1の収容凹部1b及び扉2の収容凹部2bの一方又は両方を省略してもよい。第1、第2取付部材4,5が側面1a上や端面2e上に設置されていてもよい。
扉2等の第2部材に第1取付部材4が取り付けられ、扉枠1等の第1部材に第2取付部材5が取り付けられていてもよい。
第2取付部材5が、第2収容部を有していてもよい。つまり、第1、第2取付部材4,5が共に収容部を有していてもよい。扉2等の第2部材が閉位置のときは、第1取付部材4の収容部4a(第1収容部)と第2取付部材5の第2収容部とが互いに合わさることによって、略閉じたヒンジ内空間3aが画成されるようにしてもよい。
第1〜第3可動部材10,20,30のうち少なくとも第1可動部材10が第1取付部材4の収容部4sに収容されていればよい。第2、第3可動部材20,30は、収容部4sに収容されていなくてもよく、閉位置のとき、第2取付部材5の第2収容部に収容されるようになっていてもよい。
第1取付部材4が、収容部4aを有していなくてもよく、例えば平板形状であってもよい。第1、第2取付部材4,5が共に収容部を有していなくてもよく、第1取付部材4と第2取付部材5の取付板5aとが共に平板形状であってもよい。
第1軸状部材41が、第1可動部材10の第1取付部材4に対する左右方向xの位置を固定する第1固定部の機能だけを有していてもよい。例えば、扉2を左右方向xへ直接位置調整することで、第1可動部材10が第1取付部材4に対して左右方向xへ位置調整されるようにし、その後、第1軸状部材41によって第1可動部材10を第1取付部材4に対して位置固定するようにしてもよい。
第1軸状部材41が第1偏心カム部(第1調整部)を有し、この第1偏心カム部のカム作用によって、第1可動部材10が第1取付部材4に対して左右方向xへ位置調整されるようにしてもよい。また、上記第1偏心カム部(第1固定部)の摩擦抵抗によって、第1可動部材10の第1取付部材4に対する左右方向xの位置を固定可能にしてもよい。
第2軸状部材42が偏心カム部(第2調整部)を有し、この偏心カム部のカム作用によって、第2可動部材20が第1可動部材10に対して上下方向zへ位置調整されるようにしてもよい。また、上記第2偏心カム部(第2固定部)の摩擦抵抗によって、第2可動部材20の第1可動部材10に対する上下方向yの位置を固定可能にしてもよい。
第2実施形態において、第3軸状部材45の偏心カム部45b(第3固定部)の摩擦抵抗によって、第1可動部材10の第1取付部材4に対する左右方向xの位置を固定可能にしてもよい。
つまり、第1可動部材10の可動方向(第1方向)が、回転軸線Lに沿っていてもよく、又は回転軸線L及び上記対向方向と直交していてもよい。
また、第2可動部材20の可動方向(第2方向)が、上記対向方向に沿っていてもよく、又は回転軸線L及び上記対向方向と直交していてもよい。
第3可動部材30,30Bの可動方向(第3方向)が、回転軸線L又は上記対向方向に沿っていてもよい。
第2実施形態において、前後位置調整後の第3可動部材30Bを第2可動部材20に対して位置固定するねじ等の部材を別途設けてもよい。
連結手段50が、互いに平行かつ端面2eの長手方向に沿う複数の回転軸にて連結された1又は複数のリンクを含んでいてもよい。複数のリンクのうちの1つが連結アーム5cによって構成されていてもよい。上記複数の回転軸の一部が、端面2eの長手方向と交差する向きにスライド可能であってもよい。扉枠1と扉2の開閉時の瞬間中心(回転軸線L)が、扉2の開度に応じて変動してもよい。
第2部材は、扉2に限られず、窓部や蓋等であってもよい。
ヒンジ3は、第1、第2部材における閉位置のとき互いに対向する対向面どうし間に設けられていればよく、第1部材及び第2部材のうち一方の部材の側面と他方の部材の端面との間に限られず、両方の部材の側面(正面、背面、上面、底面を含む)どうしの間に設けられていてもよい。つまり、閉位置のとき、第1、第2部材の側面どうしが対向するようになっていてもよい。
扉装置Mは、建物や家具の他、産業機器、家電機器などの開閉装置に適用できる。
z 上下方向(第2方向)
y 前後方向(第3方向)
L 回転軸線
1 扉枠(第1部材)
1a 側面(対向面)
1b 収容凹部
2 扉(第2部材)
2e 端面(対向面)
2b 収容凹部
3 ヒンジ
3a ヒンジ内空間
4 第1取付部材
4s 収容部
5 第2取付部材
10 第1可動部材
20 第2可動部材
30,30B 第3可動部材
33a 挿通長穴
41 第1軸状部材
42c ねじ部
42 第2軸状部材
42a 頭部
42b 胴部
42c ねじ部
42d 段差
42f 係合部
43 第3軸状部材
44c ねじ部
44 スライド部材
45 第3軸状部材
45b 偏心カム部
50 連結手段
Claims (9)
- 第1部材及び第2部材の対向面どうしの間に設けられ、前記第1、第2部材どうしを、前記両対向面が対向方向に対面する閉位置と、前記両対向面が離開する開位置との間で、前記対向方向と直交する回転軸線の周りに回転可能に連結するヒンジであって、
前記両対向面のうちいずれか一方に固定された第1取付部材と、
前記両対向面のうち他方に固定され、前記閉位置のとき前記第1取付部材と対面する第2取付部材と、
前記第1取付部材に第1方向へ移動可能に設けられた第1可動部材と、
前記第1可動部材の前記第1取付部材に対する前記第1方向の位置を調整又は/及び固定する軸形状の第1軸状部材と、
前記第1可動部材に前記第1方向と直交する第2方向へ移動可能に設けられた第2可動部材と、
前記第2可動部材の前記第1可動部材に対する前記第2方向の位置を調整又は/及び固定する軸形状の第2軸状部材と、
前記第2可動部材に前記第1、第2方向と直交する第3方向へ移動可能に設けられた第3可動部材と、
前記第3可動部材の前記第2可動部材に対する前記第3方向の位置を調整又は/及び固定する軸形状の第3軸状部材と、
前記第2取付部材と前記第3可動部材とを前記回転軸線のまわりに回転可能に連結する連結手段と、
を備え、前記第1〜第3方向のうち何れか1つが、前記対向方向に沿っており、前記第1〜第3軸状部材の軸線が、互いに平行かつ前記対向方向に沿っていることを特徴とするヒンジ。 - 前記第1方向が、前記対向方向に沿い、かつ前記第2方向が、前記回転軸線に沿っており、前記第1〜第3軸状部材の軸線が、前記第1方向に沿っていることを特徴とする請求項1に記載のヒンジ。
- 前記第2軸状部材が、前記第3可動部材との係合部を有し、前記係合部が、前記第3可動部材の前記第3方向への変位を許容しつつ前記第3可動部材の前記第1方向への変位を規制することを特徴とする請求項2に記載のヒンジ。
- 前記第3可動部材には、長軸を第3方向へ向けた挿通長穴が形成されており、
前記第2軸状部材が、前記第3可動部材に係止される頭部と、前記挿通長穴内に配置される胴部と、前記第2可動部材を貫通して前記第1可動部材と連結されるねじ部とを一体に有する雄ねじ部材にて構成され、前記胴部と前記ねじ部との間には、前記第2可動部材に引っ掛かる段差が形成されており、
前記胴部の前記第1方向に沿う長さが、前記挿通長穴の前記第1方向に沿う長さより僅かに大きいことを特徴とする請求項2又は3に記載のヒンジ。 - 前記第1可動部材には、スライド部材が前記第2方向へスライド可能かつ前記第1、第3方向へ移動不能に設けられており、
前記第2軸状部材が、前記第2可動部材を通して前記スライド部材にねじ込まれるねじ部を有し、かつ、前記スライド部材における前記第2軸状部材から前記第2方向へ離間した部位が、前記第2可動部材と嵌合されていることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載のヒンジ。 - 前記第1取付部材が収容部を有し、前記第1〜第3可動部材のうち少なくとも第1可動部材が前記収容部内に設けられており、
前記閉位置のとき、前記第1取付部材の前記収容部と前記第2取付部材とによって略閉られたヒンジ内空間が画成され、前記ヒンジ内空間に前記連結手段が収容されることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のヒンジ。 - 前記第1〜第3軸状部材の少なくとも1つが、ねじ部を有していることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のヒンジ。
- 前記第1〜第3軸状部材の少なくとも1つが、偏心カム部を有していることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のヒンジ。
- 前記閉位置のとき、ほぼ全体が、前記第1部材の対向面及び前記第2部材の対向面の少なくとも一方に形成された収容凹部の内部に収容されることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のヒンジ。
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