JP4496536B2 - 光記録媒体の記録再生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、トラッキングエラー検出方式として3ビームによる差動プッシュプル方式を用いる光記録媒体の記録再生装置に関する。
最近になり、記録機能を有するDVD記録再生装置が製品化されるようになってきた。
DVDプレーヤに用いられるトラッキングエラー検出方式としては、3ビームを用いたDPP(Differential Push-Pull=差動プッシュプル)方式が用いられるケースが多くなった。その3ビーム法ではレーザ光源からビームを回折格子によりメインビーム(非回折光)と2つのサブビーム(1次回折光)とに分ける。一般的な3ビーム法ではメインビームの反射光を受光するための4分割したPD(Photo Detector)としてA〜Dと、サブビームの反射光を受光するためのPDとしてE,Fと合計6個のPDを用いている。サブビーム用のE,Fはトラッキング方向に対しトラックピッチの約1/2(CDでは0.8μm)だけずらして照射される。
特許文献1には、3ビームによる差動プッシュプル信号によるトラックエラー信号とトラッククロス信号との演算に必要な定数Kの最適値を予め求めておき、それを用いることにより安定したトラッキングサーボ特性を有する3ビームによる差動プッシュプル方式において、トラックエラー信号TEを演算生成するための定数K値に関してトラックエラー信号TE用の定数Kteとして設定手段によりゲイン可変アンプに対して各々個別に設定可能とし、メインビームとサブビームとの間にクロストークがある場合であっても、安定したトラッキングサーボを有するようにした光ディスク装置が開示されている。
特開2003−67948号公報
しかしながら、新たなディスクが装着された場合に上記の定数Kの最適値を求めるためには、一旦トラッキングエラーの平均値を求め、求められたトラッキングエラーに対してレンズシフトさせた際のトラッキングエラーの平均値を計測し、計測されたトラッキングエラーの平均値を計測し、計測された値の差をオフセットとして検出する。その差を基に、オフセットが最小になるようにサブビームの光量比を電気的に可変して調整を行っていた。各測定時に、ディスクの偏芯や面振れ等からの影響をなくし、精度良く調整するためには、ディスク一回転分の測定を行う必要がある。或いはレンズをシフトさせた際に信号が安定するまでの待ち時間を設けて計測する必要があるなど、短時間で定数Kの最適値を求めることはできなかった。
また、特許文献1に開示される光ディスク装置では、光ディスク装置の製造段階でトラックエラー信号の演算に必要な定数Kの最適値を求めるようにしている。その場合では、平均的な光ディスクに対しては定数Kの粗い設定が可能であるものの、定数Kの最適値はディスクの偏芯や面振れ等により異なった値となるため、上記と同様にディスクを交換する度に最適定数K値の計測を行う必要がある。上記と同様な計測時間が必要である。短時間で定数Kの最適値を求めることができなかった。
そこで、本発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、トラックエラー信号TEを演算生成するための定数K値に関して、トラックエラー信号TE用の定数Kteとして利得可変アンプの利得設定を行うに際し、ディスクの偏芯や面振れ等からの影響をなくすためにディスク一回転分の測定をしたり、レンズをシフトさせた際に信号が安定するまでの待ち時間を設けて計測をしたりすることなしに、精度の高い調整が出来、メインビームとサブビームとの間にクロストークの影響を受けることがなく、安定したトラッキングサーボを短時間で得ることが出来る光記録媒体の記録再生装置を提供することを目的とする。
本願発明は、光ピックアップから出射されたビームを回折格子で回折させて、1つのメインビームと前記1つのメインビームに対して点対称な対角方向に2つのサブビームを生成し、前記1つのメインビームは、光記録媒体のトラックに照射させ、前記2つのサブビームは、前記トラックを挟み対角方向に照射させ、前記光記録媒体で反射された前記1つのメインビームと前記2つのサブビームの戻り光を光検出器で光電変換を行って電気信号を生成し、前記電気信号の演算を行って得られたトラッキングエラー信号により制御を行いながら情報の記録再生を行う光記録媒体の記録再生装置において、前記1つのメインビームに対する前記2つのサブビームのゲイン比を変化させるゲインコントロール回路(31)と、三角波または正弦波の信号を発振する発振回路(22)と、前記発振回路より出力された三角波または正弦波の信号に前記トラッキングエラー信号の交流成分を重畳して第1の重畳信号を出力する演算器(32)と前記第1の重畳信号をデジタル信号に変換して第2の重畳信号を出力するA/D変換器(33)と、前記第2の重畳信号の高周波成分を取り除いて前記第3の重畳信号を出力するローパスフィルタ回路(34)と、前記第3の重畳信号における所定期間の信号を除去するための除去期間信号を生成する除去期間設定器(23)と、前記除去期間信号に基づいて、前記第3の重畳信号から所定期間の信号を除去して第4の重畳信号を出力する波形除去器(35)と、前記第4の重畳信号を一定値にするように前記ゲインコントロール回路を制御する制御回路(37)とを備えたことを特徴とする光記録媒体の記録再生装置を提供する。

本発明によれば、光ピックアップを光ディスクのトラック方向と直交する方向に移動させる信号を出力する発振回路と、1つのメインビームに対する2つのサブビームのゲイン比を変化させるゲインコントロール回路と、前記発振回路から出力された信号によって前記光ピックアップを駆動することにより生じトラッキングエラー信号に重畳する高周波成分を取り除くローパスフィルタ回路と、前記ローパスフィルタで高周波成分が削除された高周波除去トラッキングエラー信号を一定値にするように前記ゲインコントロール回路を制御する制御回路とを有しているので、トラックエラー信号TEを演算生成するための定数K値に関して、トラックエラー信号TE用の定数Kteとして利得可変アンプの利得設定を行い、ディスクの偏芯や面振れ等からの影響をなくすためにディスク一回転分の測定をしたり、レンズをシフトさせた際に信号が安定するまでの待ち時間を設けて計測をしたりすることなしに、精度の高い調整が出来、メインビームとサブビームとの間にクロストークの影響を受けることがなく、安定したトラッキングサーボ特性を短時間で得ることが出来る光記録媒体の記録再生装置を実現できる。
以下に本発明の各実施例に係る光記録媒体の記録再生装置について図1〜図4を用いて説明する。
図1は、本発明の実施に係る光記録媒体の記録再生装置の構成例を示すブロック図である。
図2は、3ビームによる差動プッシュプル動作を説明するための図である。
図3は、本発明の実施に係る光記録媒体の記録再生装置の動作波形例を示す図である。
図4は、本発明の実施に係る光ピックアップの共振特性を示す図である。
その光記録媒体の記録再生装置は、トラックエラー信号TEを演算生成するための定数K値に関して、トラックエラー信号TE用の定数Kteとして利得可変アンプの利得設定を行うに際し、ディスクの偏芯や面振れ等からの影響をなくすためにディスク一回転分の測定をしたり、レンズをシフトさせた際に信号が安定するまでの待ち時間を設けて計測をしたりすることなしに、精度の高い調整が出来、メインビームとサブビームとの間にクロストークの影響を受けることがなく、安定したトラッキングサーボ特性を短時間で得るという目的を、光ピックアップを光ディスクのトラック方向と直交する方向に移動させる信号を出力する発振回路と、1つのメインビームに対する2つのサブビームのゲイン比を変化させるゲインコントロール回路と、前記発振回路から出力された信号によって前記光ピックアップを駆動することにより生じ前記トラッキングエラー信号に重畳する高周波成分を取り除くローパスフィルタ回路と、前記ローパスフィルタで高周波成分が削除された高周波除去トラッキングエラー信号を一定値にするように前記ゲインコントロール回路を制御する制御回路とを備えるようにして実現した。
光記録媒体の記録再生装置の構成について述べる。
図1に示す光記録媒体の記録再生装置は、光ピックアップ12、対物レンズ13及びトラッキングコイル14を有するピックアップユニット10と、アクチュエータドライバ21、三角波発振器22、除去期間設定器23、SPP(Sub beam push pull)増幅器31、演算器32、A/D変換器33、LPF34、波形除去器35、波形比較器36、及び設定値検出器37よりなる本体部20とで構成されている。ピックアップユニット10はDVD51にレーザビームを照射し、反射光を電気信号に変換する。
光記録媒体の記録再生装置の動作について述べる。
まず、光記録媒体の記録再生装置の図示しないターンテーブルに新たなDVD51が載置されたことを検出した図示しない制御部は、対物レンズ13を介してDVD51に照射されるレーザ光の焦点調整及びトラッキングを行わせる。
図2はDVDに照射されるメインビームとサブビームの関係を示している。これらの3ビームの反射光成分は光ピックアップの内部に設けられる図示しないホログラム素子により回折されて、半導体レーザから出射された光と分離されて図示しない受光素子に集光され、電気信号に変換される。その電気信号への変換は、メインビームは4分割された受光領域A、B、C、及びDとして、またサブビームのうちの一方はトラッキング方向に2分割された受光領域E1、F1と、他方のサブビームはトラッキング方向に2分割された受光領域E2、F2とにより受光される。なお、メインビームとサブビームとはトラック距離の1/2の位置に配置されている。
メインのプッシュプル信号MPPは上記の分割された受光素子で受光される信号に対して、次式で与えられる。
MPP=(A+D)−(B+C)
サブのプッシュプル信号SPPは次式で与えられる。
SPP=(E1+E2)−(F1+F2
トラッキング信号DPPは
DPP=MPP−K*SPP
で得られる。
ここで、トラッキング方向にピックアップユニット10を移動させると、MPPとSPPとには、同一極性の直流電圧が生じる。そこで、SPPをK倍に増幅しMPPから減じると直流電圧成分は減算されて打ち消されると共に、トラッキングエラー信号はほぼ2倍の信号として得られる。
なお、DVDに記録されるマーク信号RFは、RF=A+B+C+Dで得られる。
また、フォーカスエラー信号FEは、FE=(A+C)−(B+D)で得られる。
DVD51に対してピックアップユニット10のフォーカスサーボ及びトラッキングサーボが掛けられたことを識別した図示しない制御回路は三角波発振器22に対して三角波の信号を発振させる。図3の(A)が発振された信号の波形である。その発振された三角波信号はアクチュエータドライバ21で増幅され、増幅された三角波信号はピックアップユニット10のトラッキングコイル14に供給される。ピックアップユニット10はトラッキング方向での往復運動を行う。その往復運動は約400本のトラックを横切りながら行う。
図3の(B)は演算器32で得られる往復運動時における上記のDPP信号波形を模式的に示した波形図である。三角波にトラッキングエラーに係る交流成分が重畳された信号として出力されている。交流成分の信号は1トラックを横切る毎に1サイクルの交流成分が生じている。実際には400本×2=800本のトラックを跨っているため、三角波の1辺には800サイクルの信号が生じている。図に示されているよりは更に周波数の高い交流成分が重畳されていることになる。
その信号波形はA/D変換器33でディジタル信号に変換された後、LPF34により高周波信号成分が除去される。図3の(C)は高周波信号成分が除去された信号波形である。三角波の直線部分では高周波信号成分が除去されている。三角波の変曲点の近傍では光ピックアップ12がトラックを跨ぐ速度が減少するため、そこでは低域成分を含む交流信号が重畳される。交流成分はLPF34により十分に除去されなく、残留している。
除去期間設定器23は交流成分が十分に除去されない期間に係る除去期間信号を生成する。図3の(D)が除去期間信号であり、三角波発振器22で発生される信号の絶対値が所定のレベルを超えた部分が変曲点に係る部分であるとして識別され、除去期間信号が生成される。
波形除去器35では、LPF34から出力された信号のうち、三角波の変曲点の近傍の信号を除去する。図3(E)が変曲点の近傍の信号が除去されたトラッキング信号の波形である。
波形比較器36では、図3(E)の信号波形と図3(A)の信号波形を比較し、同位相の関係にあるか、又は逆位相の関係にあるかを識別する。
次に、SPP増幅器31の利得を例えば減少させて同様の計測を行い、図3(E)の信号波形のレベルが上昇したか又は減少したかを調べる。増加した場合にはSPP増幅器31の利得を増加させ、減少した場合にはSPP増幅器31の利得を更に減少させる。図3(E)の信号波形のレベルがほぼ「0」になったときのSPP増幅器31の利得が、最適なK値を与える利得である。
ここで、図3(A)の波形から図3(F)の期間の波形信号を生成し、aの期間における図3(E)の電圧値と、bの期間における図3(E)の電圧値とを比較しつつ、それぞれの電圧が等しくなるように調整することにより、図3(E)の電圧値を減衰させるようにしてSPP増幅器31の最適利得を求めるようにしても良い。
図3の(G)は、K値が最適にされた場合でのLPF34の出力信号波形である。
ところで、以上述べたK値の最適化は三角波発振器22で発振する三角波と、演算器32から得られるトラッキング信号とを関連付けることにより図3の(E)に示す波形を得てSPP増幅器31の利得を調整した。
次に、三角波とトラッキング信号の波形との対応関係について述べる。
図4は、光ピックアップ12をトラッキング方向に加振した場合の共振特性である。振幅特性を実線で示し、位相特性を破線により示す。
45Hzに共振周波数を有し、それ以上の周波数で振幅は−12dB/オクターブで減衰している。位相特性は45Hzで90度、90Hz以上では約180度位相遅れが生じている。
トラッキングコイル14に流す三角波の信号と、加振されたピックアップユニット10から得られるトラッキング信号とは図3に示したように同一の時間関係で出力されることが望ましい。そこで、三角波発振器22の発振周波数は80〜180Hz程度を選択する。発振周波数が低ければ小さな駆動電力でピックアップユニット10を加振することは出来る。反面、三角波の信号とトラッキング信号との間に位相差が生じてしまう。三角波信号の周波数を高くすると三角波信号とトラッキング信号との間に位相差は生じないが、加振するための駆動電力は大きくなる。電力効率が低下する。従って、発振周波数は出力されるトラッキング信号との位相差を基に、共振周波数の2〜3倍程度の周波数を選択して用いる。
また、三角波発振器22の出力を正弦波としても良い。その場合には図3の(D)で示した除去期間は大きくなる。
本実施例で示した光記録媒体の記録再生装置によれば、光ピックアップ10を光ディスク51のトラック方向と直交する方向に移動させる信号を出力する三角波発振回路22と、1つのメインビームに対する2つのサブビームのゲイン比を変化させるゲインコントロール回路31と、前記発振回路から出力された信号によって前記光ピックアップを駆動することにより生じトラッキングエラー信号に重畳する高周波成分を取り除くローパスフィルタ回路34と、前記ローパスフィルタで高周波成分が削除された高周波除去トラッキングエラー信号を一定値にするように前記ゲインコントロール回路を制御する制御回路37とを有しているので、トラックエラー信号TEを演算生成するための定数K値に関して、トラックエラー信号TE用の定数Kteとして利得可変アンプ31の利得設定を行い、ディスクの偏芯や面振れ等からの影響をなくすためにディスク一回転分の測定をしたり、レンズをシフトさせた際に信号が安定するまでの待ち時間を設けて計測をしたりすることなしに、精度の高い調整が出来、メインビームとサブビームとの間にクロストークの影響を受けることがなく、安定したトラッキングサーボ特性を短時間で得ることが出来る光記録媒体の記録再生装置を実現できる。
そして、この状態に調整されたトラッキング回路は、ランダムアクセスにより数百トラック以上離れたトラックを検索して再生を行う場合であっても、ピックアップユニット10を移動させた直後からトラッキング動作を行うことが出来るためランダムアクセスをスムーズに行いながらDVD51の再生を行うことが出来る。
トラッキングエラー検出方式として3ビームによる差動プッシュプル方式を用いる光記録媒体の記録再生装置に適用できる。
本発明の実施に係る光記録媒体の記録再生装置の構成例を示すブロック図である。 3ビームによる差動プッシュプル動作を説明するための図である。 本発明の実施に係る光記録媒体の記録再生装置の動作波形例を示す図である。 本発明の実施に係る光ピックアップの共振特性を示す図である。
符号の説明
10 ピックアップユニット
12 光ピックアップ
13 対物レンズ
14 トラッキングコイル
20 本体部
21 アクチュエータドライバ
22 三角波発振器
23 除去期間設定器
31 SPP増幅器
32 演算器
33 A/D変換器
34 LPF
35 波形除去器
36 波形比較器
37 設定値検出器
51 DVD

Claims (1)

  1. 光ピックアップから出射されたビームを回折格子で回折させて、1つのメインビームと前記1つのメインビームに対して点対称な対角方向に2つのサブビームを生成し、前記1つのメインビームは、光記録媒体のトラックに照射させ、前記2つのサブビームは、前記トラックを挟み対角方向に照射させ、前記光記録媒体で反射された前記1つのメインビームと前記2つのサブビームの戻り光を光検出器で光電変換を行って電気信号を生成し、前記電気信号の演算を行って得られたトラッキングエラー信号により制御を行いながら情報の記録再生を行う光記録媒体の記録再生装置において
    記1つのメインビームに対する前記2つのサブビームのゲイン比を変化させるゲインコントロール回路と、
    三角波または正弦波の信号を発振する発振回路と、
    前記発振回路より出力された三角波または正弦波の信号に前記トラッキングエラー信号の交流成分を重畳して第1の重畳信号を出力する演算器と
    前記第1の重畳信号をデジタル信号に変換して第2の重畳信号を出力するA/D変換器と、
    前記第2の重畳信号の高周波成分を取り除いて前記第3の重畳信号を出力するローパスフィルタ回路と、
    前記第3の重畳信号における所定期間の信号を除去するための除去期間信号を生成する除去期間設定器と、
    前記除去期間信号に基づいて、前記第3の重畳信号から所定期間の信号を除去して第4の重畳信号を出力する波形除去器と、
    前記第4の重畳信号を一定値にするように前記ゲインコントロール回路を制御する制御回路と、
    を備えたことを特徴とする光記録媒体の記録再生装置。
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