JP4495790B2 - 排版回収装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は排版回収装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
孔版印刷装置やオフセット印刷装置で印刷に用いられるマスタは、使用後「使用済みマスタ」として廃棄される。使用済みマスタは通常、1枚ずつ廃棄されるのではなく、排版回収装置の回収容器である「排版ボックス」にある程度の枚数が収容され、回収容器内が満杯になると、排版ボックスが取り出され、回収された使用済みマスタ(即ち「排版」)が廃棄される。
排版ボックスから使用済みマスタを排出する作業は、簡単であることが好ましいことは当然であるが、排版ボックスを印刷装置本体等から取外して行うので、手作業で行わねばならない。排版ボックス内が使用済みマスタで満杯になったことはセンサにより検知されるが、同じ満杯状態でも、排版ボックスからの排版の排出が楽に行われる場合と、容易に排出できず、排出に一苦労するような場合がある。
使用済みマスタを排版ボックスから容易に排出できない場合を調べてみると、排版ボックス内に使用済みマスタが「過剰に詰め込まれた状態」となっていることがわかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、使用済みマスタの排版ボックスからの排出を容易にするために、排版ボックスである排版ボックス内に、過剰の使用済みマスタが詰め込まれないような排版回収装置の実現を課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明の排版回収装置は「印刷に使用された使用済みのマスタを回収する装置」である。上記印刷は「マスタを用いる印刷形態のもの」であり、例えば、孔版印刷やオフセット印刷等であり、従って、この発明の排版回収装置は、孔版印刷装置やオフセット印刷装置に適用できる。また排版回収装置は、印刷装置の内部に設けられても良いし、印刷装置本体に外付けされるようにしてもよい。
この発明の排版回収装置は、排版ボックスと、圧縮板と、圧縮板変位手段と、制御手段とを有する。
「排版ボックス」は、回収容器として、厚さが同じでサイズの異なる使用済みマスタを収容可能である。
「圧縮板」は、排版ボックス内に収容された厚さが同じでサイズの異なる使用済みマスタを圧縮する。
「圧縮板変位手段」は、圧縮板に所定の圧縮力を作用させつつ、排版ボックス内で変位させる。
「制御手段」は、圧縮板変位手段による圧縮板の動作を制御する手段であり、マイクロコンピュータ等として構成できる。
制御手段による「圧縮板の動作の制御」は、排版ボックスにおける厚さが同じでサイズの異なる使用済みマスタの内訳情報に応じて、排版ボックス内に過剰の使用済みマスタが詰め込まれないように行われる。
【0005】
印刷装置に用いられるマスタは、そのサイズや厚み、材料等に、色々な種類がある。例えば、使用済みマスタが「薄いマスタ」の場合、「厚いマスタ」に比して、圧縮板による圧縮力を受けたとき、圧縮され易い。
また、排版ボックス内のスペースは大きさが定まっているから、上記スペース内が、A4サイズの使用済みマスタで一杯になる場合と、A3サイズの使用済みマスタで一杯になる場合とでは、収容枚数に差がある。
1例を挙げると、A3サイズの使用済みマスタが72枚で、排版ボックスが満杯になる場合、A4サイズの使用済みマスタでは136枚で満杯になる。このとき、排版ボックスを満たす「72枚のA3サイズの使用済みマスタ」は、およそ2.3kgの排出力で排版ボックスから排出できるのに対し、「136枚のA4サイズの使用済みマスタ」を排出させるには、およそ6.6kgという大きな排出力を必要とする。この違いがどこから来るかというと、排版ボックスを満杯にするA4サイズの使用済みマスタは、A3サイズの使用済みマスタの場合に比して、排版ボックス内に多量に詰め込まれているのである。
即ち、A4サイズの使用済みマスタが排版ボックスを満杯にするまでには、A3サイズの使用済みマスタが満杯になる場合に比して、圧縮板による圧縮力の作用を受ける回数が多い。このため、A4サイズの使用済みマスタは、圧縮力の作用を繰返し受ける間に次第に圧縮が進み、排版ボックスが満杯になるまでに、過剰の使用済みマスタが「ぎゅうぎゅう詰め」の状態に詰め込まれてしまうわけである。
【0006】
請求項1記載の排版回収装置において「使用済みマスタの内訳情報」は、使用済みマスタのサイズに関する情報に厚さに関する情報を加えることもできる。
「使用済みマスタの内訳情報」は、排版ボックスが満杯になるまでの間に、使用済みマスタが「圧縮され易いかどうか」の目安となる情報である。
例えば上記「薄いマスタ」は容易に圧縮されるから、ある時点における排版ボックス内に存在する「使用済みマスタの内訳」で、薄いマスタの数が多ければ、このとき排版ボックス内にある使用済みマスタは容易に圧縮されやすい。
従って、このような内訳の使用済みマスタに、強い圧縮力を作用させたり、あるいは圧縮力を繰返し作用させれば、上述の「ぎゅうぎゅう詰め」の状態になり易い。従って、このような場合は、圧縮板による圧縮の回数を減らしたり、圧縮力そのものを小さく設定するように「圧縮板の動作を制御」することにより、使用済みマスタの排版ボックス内への過剰な詰め込みを防止することができる。
なお、上記内訳情報としては「使用済みマスタの材質」等に関連した情報も用いることができる。
使用済みマスタの内訳情報は「排版ボックスにおける」ものであり、従って、排版ボックス内に収容されている使用済みマスタに関するもの(例えば、排版ボックス内の薄いマスタの枚数)であってもよいが、これとは別に「排版ボックスに収容されることになる使用済みマスタ」のサイズや厚さが予め知られる場合、例えば、当分の間、A4サイズのマスタが使用されることが分かっている場合等には、このような予め知られた情報を「排版ボックスにおける使用済みマスタの内訳情報」とすることができる。
上記請求項1記載の排版回収装置において「使用済みマスタの内訳情報が、排版ボックスへの使用済みマスタの収容に応じて、制御手段の記憶部に記憶される」ようにすることができる。例えば、上記のように、当分の間、A4サイズのマスタが使用されることが分かっており、この予め知られた情報を「排版ボックスにおける使用済みマスタの内訳情報」とする場合には、これを、例えば印刷装置本体の操作パネルからの入力で上記記憶部に記憶させることができる。
また、使用されるマスタの厚さやサイズが、その時々で異なる場合、マスタのサイズや厚さを検知したり入力したりすることを、マスタが交換されるたびに行い、記憶部内に「サイズ・厚さで種分けされたマスタ枚数」を、排版ボックス内の内訳情報として記憶更新させていくようにすることができる。
【0007】
即ち、請求項1記載の排版回収装置では、「圧縮板の動作の制御」を、排版ボックスにおける使用済みマスタのサイズに関する情報を内訳情報として「厚さが同じでサイズの異なる使用済みマスタの内訳情報に応じて、圧縮力が所定の値を超えない圧縮板の、最大変位量を異ならせる」ように行う。
請求項2記載の排版回収装置では、「圧縮板の動作の制御」を、「厚さが同じでサイズの異なる使用済みマスタの内訳情報に応じて、圧縮板に作用させる最大圧縮力を使用済マスタのサイズに応じて、異ならせる」ように行う。
請求項1の場合には、排版ボックスが満杯になるまでの間に「厚さが同じでサイズの異なる使用済みマスタに作用される圧縮力の作用回数」が変化することになる。
圧縮板の変位は、例えば平行移動的な変位であってもよいが、請求項3記載のように「圧縮板の1側縁部に沿う回転軸の回りの回転」による変位でも良い。即ち、圧縮板の変位として、平行移動的な変位や回転変位が可能である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を説明する。
先ず、図4と図5を参照して、以下の実施の形態において、この発明を適用する排版回収装置の排版回収につき、あらましを説明する。
図4は、排版回収装置の機械的な要部の横断面を示している。排版ボックス10は、図に示すような断面形状を図面に直交する方向(以下、ボックス長手方向という)に一様に有し、筒状に形成されている。押出し部材12は板状で、図示の如き形状を有し、排版ボックス10内において、ボックス長手方向の最奥部に設けられている。排版ボックス10には、ボックス長手方向にわたって溝10aが形成され、押出し部材12の一部は、溝10aを通して排版ボックス10の外に突出し、その先端部に握り12Aを形成されている。この握り12Aをつかんで、溝10aに沿って移動させることにより、押出し部材12を、ボックス長手方向に移動させることができ、この移動により排版ボックス10内に溜った使用済みマスタを、排版ボックス10外に排出できる。勿論、このとき、排版ボックス10のボックス長手方向の、押出し側端部は開放される。
排版ボックス10の、符号10Aで示す棚状部分の上部は開口部10Bとなっている。圧縮板14は、ボックス長手方向に設けられた回転軸14aに、長手方向側縁部を固定され、回転軸14aの回りに揺動可能となっている。圧縮板14の「基準位置」は図4に示すように、棚状部分10Aの上位の位置である。
印刷装置から使用済みマスタMを回収するとき、圧縮板14は、図4に示す基準位置にあり、使用済みマスタMは、回収ローラ20により排版ボックス10の開口部10Bから送りこまれ、圧縮板14上に排出される。このように使用済みマスタMが送りこまれると、圧縮板14は、図1の態位から回転し、受け入れた使用済みマスタMを排版ボックス10内に収容する。
【0009】
圧縮板14の回転角(基準位置から反時計回りの回転角)は当初、略270度に設定されている。従って、使用済みマスタの収容開始当初、圧縮板14は、図5(a)に示すように、基準位置から反時計回りに略270度回転し、使用済みマスタMは、排版ボックス10の部分10A,10C,10Dで囲まれた、最奥部100に収容されることになる。
使用済みマスタMの収容が繰り返されるに従い、上記最奥部100に次第に使用済みマスタMが蓄積される。そして、最奥部100が一杯になると、新たな使用マスタが収容されるとき、蓄積された使用済みマスタMに対し圧縮板14により圧縮力が作用するようになる。
圧縮板14の回転動作は、図示されないステッピングモータにより行われるが、ステッピングモータから圧縮板14の回転軸14aに伝達されるトルクは、トルクリミッタにより制限されており、トルクが設定された臨界値を越えると、回転軸14aが駆動側に対して滑るようになっている。
従って、圧縮板14が「蓄積された使用済みマスタ」に作用させる圧縮力は、所定の圧縮力(トルクリミッタに設定されたよるトルクの臨界値で定まる)を越えることがない。圧縮力が上記所定の値になったことは、圧縮板の回転軸14aの滑りにより検出され、この状態になると、制御部は「蓄積された使用済みマスタが十分に圧縮された」と判断して、圧縮板14の回転角を当初の略270度から所定角(例えば30度)だけ小さく設定する。従って、次回からは、圧縮板14の回転角は240度になる。
圧縮板14による圧縮力が所定の値に達するたびに、上記と同様のことが繰り返され、排版ボックス10内の、使用済みマスタMの蓄積量が次第に増える。圧縮板14の回転角は、最後に最小の回転角として例えば90度を設定される。そしてこの状態で圧縮力が所定の大きさになると、図5(b)に示すように、排版ボックス10内は、使用済みマスタMにより「満杯状態」となるので、この状態をもって「排版ボックス内が満杯になったので、回収された使用済みマスタを廃棄すべき旨の表示」が、例えば、印刷装置の操作パネルに表示される。
この表示に基づき、ユーザは排版ボックス10を印刷装置等から取外し、前述した押出し出し部材12A(図4参照)の操作により、回収した使用済みマスタを排版ボックス10から排出して廃棄する。
ところで、従来、圧縮板14の当初の回転角(前記略270度)と最小回転角(前記略90度)は、一義的に定められており、このため、排版ボックス内に収容される使用済みマスタが、例えば、A3サイズとA4サイズのものとで、排版ボックス内への詰め込み状態に差が生じ、A4サイズの使用済みマスタは「詰まり過ぎ」の状態となって、排版ボックスからの排出に苦労するという問題があったのである。なお、このタイプの排版ボックスでは、特に、図5(b)に示した最奥部100の部分に詰め込まれた使用済みマスタの圧縮が著しく、この部分で詰め込みの過剰が生じ易い。
【0010】
図1には、この発明を、図4に即して説明した排版ボックスを用いる排版回収装置に適用した実施の1形態を要部のみ示す。煩雑を避けるため、混同の虞れが無いと思われるものに就いては、図4におけるのと同一の符号を用いた。
図1に示す実施の形態では、図示されない印刷装置は「孔版印刷装置」で、排版回収装置は印刷装置内に設けられている。この孔版印刷装置は、マスタを巻き付ける版胴ドラムの交換により、使用マスタのサイズを、A3サイズとA4サイズに切り替えることができるようになっている。版胴ドラムの交換が行われると「使用されるマスタのサイズ」が一義的に定まる。このことは、排版回収装置により回収される使用済みマスタのサイズが定まることを意味する。
制御部30はマイクロコンピュータにより構成されている。制御部30は「孔版印刷装置の制御部」が兼ることができる。
版胴ドラムの交換に伴い、上記の如く使用済みマスタのサイズが定まり、このサイズ情報は「使用済みマスタ情報」として、制御部30に取り込まれる。制御部30は取り込んだサイズ情報を記憶し、この実施の形態においては、このサイズ情報を「排版ボックスにおける使用済みマスタの内訳情報」として、排版回収装置の圧縮板の動作の制御に用いる。
圧縮板14は機械的な駆動部34により回転駆動される。回転駆動の動力は、トルクリミッタ32を介してステッピングモータ31の回転により与えられる。即ち、ステッピングモータ31の回転が、トルクリミッタ32を介して駆動部34へ伝えられ、圧縮板14が正逆回転されるのである。
【0011】
この実施の形態では、使用済みマスタのサイズ情報を「排版ボックスにおける使用済みマスタの内訳情報」として用い、圧縮板14の最大回転角(排版ボックスが空の状態のときに、最初に設定される回転角、前述の説明における略270度)を使用済みマスタのサイズにより切り替えるのである。
即ち、図1において、角:θ1はA3サイズの使用済みマスタの回収のときの最大回転角、角:θ2はA4サイズの使用済みマスタの回収のときの最大回転角、角:θ3は最小回転角を示している。
圧縮板14による圧縮力が、トルクリミッタ32で設定された所定の値以上になったか否かは、適宜の検出器33で検出され、その結果は制御部30に取り込まれる。制御部30は、取り込んだ情報に基づき、圧縮板14の回転角を、例えば30度ずつ、逐次減少させる。
A3サイズの使用済みマスタが排版ボックス10を満杯にする間に、収容された使用済みマスタが圧縮力の作用を受ける回数は、角:θ1−θ3に比例する。また、A4サイズの使用済みマスタが排版ボックス10を満杯にする間に、収容された使用済みマスタが圧縮力の作用を受ける回数は、角:θ2−θ3に比例する。前述したように、A3サイズの使用済みマスタはサイズが大きいので、比較的小数枚で排版ボックスを満杯にするので、圧縮力の作用を受ける回数は少なく、従って、圧縮の程度も少なくて「ぎゅうぎゅう詰め」の状態には成り難い。一方、A4サイズの使用済みマスタは、サイズが小さいため、排版ボックスを満杯にするのに時間がかかり、圧縮力の作用を受ける回数も多く、その結果、使用済みマスタの圧縮が進み、排版ボックスが満杯になるまでに、多数の使用済みマスタが「ぎゅうぎゅう詰め」に詰め込まれることになりやすい。
この実施の形態のように、使用済みマスタのサイズ情報(排版ボックスにおける使用済みマスタの内分情報)に基づき、圧縮板14の最大回転角を異ならせ、θ2<θ1とすることにより、収容されたS4サイズの使用済みマスタに圧縮力が作用する回数を減少させることにより、排版ボックス内に過剰の使用済みマスタが詰め込まれないようできる。角:θ1,θ2は、実験的に適当な大きさを定めるのである。
【0012】
即ち、図1に実施の形態を示す排版回収装置は、印刷に使用された使用済みのマスタを回収する装置であって、使用済みマスタを収容する排版ボックス10と、排版ボックス内に収容された使用済みマスタを圧縮する圧縮板14と、圧縮板14に所定の圧縮力を作用させつつ、排版ボックス内で変位させる圧縮板変位手段31,32,33,34と、圧縮板変位手段による圧縮板14の動作を制御する制御手段30とを有し、排版ボックスにおける使用済みマスタの内訳情報に応じて、圧縮板10の動作を制御し、排版ボックス内に過剰の使用済みマスタが詰め込まれないようにした排版回収装置である。
「使用済みマスタの内訳情報」は、使用済みマスタのサイズに関する情報であり、圧縮板14の変位が、圧縮板の1側縁部に沿う回転軸14aの回りの回転により行われ、使用済みマスタの内訳情報に応じて、圧縮板14の最大変位量(上記「最大回転角」)を異ならせるように、圧縮板14の動作が制御される。
【0013】
図2に実施の別形態を示す。排版ボックスおよび圧縮板に関しては、図1の実施の形態と同様である。印刷装置は孔版印刷装置で、版胴ドラムの交換によりマスタのサイズをA3サイズとA4サイズに切り替えることができる。
この実施の形態では、制御部30は「厚さが同じでサイズの異なる使用済みマスタの内訳情報(使用済みマスタ情報として与えられる)」に応じて、トルクリミッタ32における「最大伝達トルク」を変化させる。これにより、圧縮板14により、厚さが同じでサイズの異なる使用済みマスタに作用させる最大圧縮力が変化されることになる。即ち、圧縮板の動作は「圧縮板に作用させる最大圧縮力を異ならせる」ように行われる。
【0014】
使用済みマスタがA4サイズのときには、A3サイズの場合に比して上記最大伝達トルクを小さく設定すれば、圧縮力の作用する回数は多くとも、1回に作用される圧縮力が小さくなることにより、A4サイズの使用済みマスタの「過剰な圧縮」を防止し、排版ボックス内への過剰な詰め込みを防止することができる。上記最大伝達トルクは、実験的に適当な値を設定すればよい。
【0015】
上には、使用済みマスタがA3サイズとA4サイズの2種で、使用済みマスタの内訳情報が予め与えられる場合を説明した。
もう少し一般的な場合として、印刷装置に使用されるマスタの厚さやサイズが、その時々で異なる場合を簡単に説明する。
例えば、使用されるマスタがA3サイズとA4サイズで、それぞれに厚いものと薄いものとがある場合を想定してみる。これらのマスタは、ユーザが適宜に選択使用できるが、ここでは、使用するマスタに関する情報(マスタのサイズおよび厚薄)をユーザが操作パネル等から入力するものとする。
入力された情報は、制御部に蓄えられる。例えば、ある時点において、制御部の記憶部に、排版ボックス内に収容された使用済みマスタの内訳情報として「A4・厚:3枚、A4・薄:10枚、A3・厚:2枚、A3・薄:4枚」という情報が蓄積されているものとすると、このような内訳情報に従えば、排版ボックス内に収容されている使用済みマスタには、相対的に圧縮されやすいものが相対的に多く、収容されている使用済みマスタは、平均的に見て「圧縮されやすい」ということができる。内訳情報に応じ、排版ボックス内の使用済みマスタが全体として「圧縮されやすいか、圧縮されにくいか」が把握されるので、このような内訳情報に応じて、例えば、最大圧縮力を最適化することにより、排版ボックス内の使用済みマスタの内訳に拘らず、排版ボックス内の過剰な詰め込みが生じないようにすることができる。
【0016】
【実施例】
以下、具体的な実施例として、図1に即して説明した例(排版ボックス内の内訳情報に従い、圧縮板の最大回転角を異ならせる場合)をあげる。
図1に示す如き排版ボックスを用い、圧縮板14の最大回転角を270度、最小回転角を90度としたところ、A3サイズの使用済みマスタは、72枚で排版ボックスを満杯にした。この条件では、A4サイズの使用済みマスタは136枚で排版ボックスを満杯にした。
A3サイズのマスタの長さは525mm、A4サイズのマスタの長さは330mmであるので、排版ボックスを満杯にした使用済みマスタは、A3サイズでは37.8m、A4サイズでは44.88mであり、A4サイズの使用済みマスタは、明らかに過剰に詰め込まれている。このため、排版ボックスから、押出し部材で使用済みマスタを排出するのに要する排出力は、A3サイズの2.3kgに対して、A4サイズでは6.6kgと、倍以上の排出力が必要となる。
そこで、圧縮板14の最大回転角を、A3サイズの使用済みマスタに対しては270度に保ちつつ、A4サイズの使用済みマスタに対しては230度前後に設定した。トルクリミッタに於ける最大伝達トルクは、上記の場合と同じである。
A4サイズの使用済みマスタとして114版と116版を用いた所、排版ボックスを満杯にする使用済みマスタ量は、114版が37.62m、116版が38.28mで、排出力は、114版に対して1.7kg、116版に対して2.3kgとなり、A3サイズの使用済みマスタの場合と同程度に軽減された。
【0017】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明によれば新規な排版回収装置を実現できる。この発明の排版回収装置は、排版ボックス内に回収される使用済みマスタの種類やサイズによらず、詰め込み過剰が軽減されて、排版ボックスから排出する廃棄作業が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の1形態を説明するための図である。
【図2】この発明の実施の別形態を説明するための図である。
【図3】図2の実施の形態におけるトルクリミッタの1例を示す図である。
【図4】排版回収装置の排版ボックスを説明するための図である。
【図5】排版ボックスへの使用済みマスタの収容を説明するための図である。
【符号の説明】
10 排版ボックス
12 押出し部材
14 圧縮板
Claims (3)
- 印刷に使用された使用済みのマスタを回収する装置において、
厚さが同じでサイズの異なる使用済みマスタを収容可能な排版ボックスと、
該排版ボックス内に収容された厚さが同じでサイズの異なる使用済みマスタを圧縮する圧縮板と、
該圧縮板に所定の圧縮力を作用させつつ、上記排版ボックス内で変位させる圧縮板変位手段と、
該圧縮板変位手段による上記圧縮板の動作を制御する制御手段とを有し、
排版ボックスにおける厚さが同じでサイズの異なる使用済みマスタのサイズに関する情報を内訳情報とし、
厚さが同じでサイズの異なる使用済みマスタの内訳情報に応じて、上記排版ボックス内に厚さが同じでサイズの異なる過剰の使用済みマスタが詰め込まれないように、圧縮力が所定の値を超えない圧縮板の、最大変位量を異ならせるように、上記圧縮板の動作が制御されることを特徴とする排版回収装置。 - 印刷に使用された使用済みのマスタを回収する装置において、
厚さが同じでサイズの異なる使用済みマスタを収容可能な排版ボックスと、
該排版ボックス内に収容された使用済みマスタを圧縮する圧縮板と、
該圧縮板に所定の圧縮力を作用させつつ、上記排版ボックス内で変位させる圧縮板変位手段と、
該圧縮板変位手段による上記圧縮板の動作を制御する制御手段とを有し、
排版ボックスにおける厚さが同じでサイズの異なる使用済みマスタのサイズに関する情報を内訳情報とし、
厚さが同じでサイズの異なる使用済みマスタの内訳情報に応じて、上記排版ボックス内に過剰の厚さが同じでサイズの異なる使用済みマスタが詰め込まれないように、厚さが同じでサイズの異なる使用済みマスタのサイズに応じて、圧縮板に作用させる最大圧縮力を異ならせるように、上記圧縮板の動作が制御されることを特徴とする排版回収装置。 - 請求項1または2記載の排版回収装置において、
圧縮板の変位が、該圧縮板の1側縁部に沿う回転軸の回りの回転により行われることを特徴とする排版回収装置。
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