JP4494593B2 - 保温機能付きステッピングモータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、寒冷地等で使用するバルブの開閉や位置決め制御などに用いて好適な、保温機能付きステッピングモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ステッピングモータを用いて、バルブの開閉や位置決め制御などを行っている。図12はステッピングモータを用いた電子バルブの要部を示す一部破断側断面図である。電子バルブは空気バルブに比べ、空気源が不要であり、メンテナンス費用の削減やシステムの大幅なコストダウンを図ることが可能となる。図12において、1はステッピングモータ、2はステッピングモータ1を駆動するための電子回路が構築された回路基板、3はステッピングモータ1や回路基板2を覆うカバーである。
【0003】
この電子バルブ100は、各種の用途に使用され、その使用環境は様々である。例えば、雰囲気温度が0℃以下となる環境で使用されることがある。この場合、ステッピングモータ1が凍結して動作しなくなる虞れがある。そこで、従来は、カバー3の内部にスペースヒータ4を設け、内部空間を電気的に暖めることによってステッピングモータ1の凍結を防止していた。スペースヒータ4は、常時通電、あるいはサーモスタットによりオン/オフさせる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような電子バルブ100によると、カバー3の内部にスペースヒータ4を設けることによって部品点数が多くなり、コストがアップする。また、カバー3の内部にスペースヒータ4の設置空間を確保しなければならず、小型化を促進することができない。また、スペースヒータ4を常時通電、あるいはサーモスタットによりオン/オフさせるというラフな温度制御を行っているので、消費電力が大きい。また、スペースヒータ4によってカバー3の内部空間を暖め、外側からステッピングモータ1へ熱を加えるようにしているので、加熱効率が悪い。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、寒冷地等で使用する電子バルブなどのステッピングモータを用いた機器からスペースヒータをなくし、電子制御による加熱保護を行うことにより、部品点数を削減してコストダウンや小型化を促進することが可能な、また正確な温度制御や加熱効率を高めて消費電力を低減することの可能な保温機能付きステッピングモータを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、請求項1に係る発明において、位置決め制御部は、、駆動コイルの全てを非通電状態としてステッピングモータが静止状態にある場合、温度検知・処理部からの加熱指令を受けて、モータドライバにおける第1〜第Nのパルス信号のうちいずれかひとつのパルス信号のレベルのみをラッチして直流電源に与え、第1〜第Nの駆動コイルのうち所定の駆動コイルのみに非駆動加熱電流を供給するようにしたものである。
この発明によれば、温度センサの検出温度が所定温度(例えば、0℃)以下となると、その駆動コイルの全てを非通電状態として静止状態にあるステッピングモータの第1〜第Nの駆動コイルのうち所定の駆動コイルのみに、このモータの回転角度に変化を与えない非駆動加熱電流が供給される。これにより、ステッピングモータが静止したままの状態で、所定の駆動コイルのみがジュール熱により発熱する。
特に、この請求項1に係る発明において、位置決め制御部は、モータドライバにおける第1〜第Nのパルス信号のうちいずれかひとつのパルス信号のレベルのみをラッチして直流電源に与え、第1〜第Nの駆動コイルのうち所定の駆動コイルのみに非駆動加熱電流を供給するので、ステッピングモータが直前に停止したときの励磁位相がどの位相であっても、加熱動作の開始時点ではステッピングモータを回転させる力が発生せず、ステッピングモータの回転角度が1ステップ変化してしまうことはない。すなわち、ステッピングモータの回転角度が変化せず、停止したままの状態で所定の駆動コイルのみがジュール熱により発熱する。なお、モータが回転中であれば、停止するまで待って、加熱動作に入る(モータが回転中はモータ発熱があるので、加熱のための通電は不要)。
請求項2に係る発明において、位置決め制御部は、駆動コイルの全てを非通電状態としてステッピングモータが静止状態にある場合、温度検知・処理部からの加熱指令を受けて、モータドライバにおける第1〜第Nのパルス信号のうちいずれかひとつのパルス信号のみをデユーティ比50%のパルスにして直流電源に与え、第1〜第Nの駆動コイルのうち所定の駆動コイルのみに非駆動加熱電流を供給するようにしたものである。
この発明によれば、温度センサの検出温度が所定温度(例えば、0℃)以下となると、その駆動コイルの全てを非通電状態として静止状態にあるステッピングモータの第1〜第Nの駆動コイルのうち所定の駆動コイルのみに、このモータの回転角度に変化を与えない非駆動加熱電流が供給される。これにより、ステッピングモータが静止したままの状態で、所定の駆動コイルのみがジュール熱により発熱する。
特に、この請求項2に係る発明において、位置決め制御部は、モータドライバにおける第1〜第Nのパルス信号のうちいずれかひとつのパルス信号のみをデユーティ比50%のパルスにして直流電源に与え、第1〜第Nの駆動コイルのうち所定の駆動コイルのみに非駆動加熱電流を供給するので、ステッピングモータが直前に停止したときの励磁位相がどの位相であっても、加熱動作の開始時点ではステッピングモータを回転させる力が発生せず、ステッピングモータの回転角度が1ステップ変化してしまうことはない。すなわち、ステッピングモータの回転角度が変化せず、停止したままの状態で所定の駆動コイルのみがジュール熱により発熱する。なお、モータが回転中であれば、停止するまで待って、加熱動作に入る(モータが回転中はモータ発熱があるので、加熱のための通電は不要)。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施の形態に基づき詳細に説明する。図2は本発明に係る保温機能付きステッピングモータを使用した電子バルブの要部を示すブロック図である。同図において、1はステッピングモータ、5はステッピングモータ1の回転軸に連結されたギア機構、6は弁体に機械的に接続される出力軸、7はステッピングモータ1に取り付けられた温度センサ、8は位置決め制御部、9はモータドライバ、10は直流電源、11は温度検知・処理部、12は出力軸6の回転角位置を検出する位置検出部である。
【0009】
一般に、ステッピングモータは、2つ以上の駆動コイルを有している。図3にバイポーラ型ステッピングモータの原理図を示す。図3において、1−1,1−2は駆動コイルであり、駆動コイル1−1,1−2に流れる電流の方向を予め定めた順序で変化させることにより、ロータ1−3を1ステップずつ回転させる。説明を簡単にするために、本実施の形態におけるステッピングモータ1は、このタイプのステッピングモータとする。
【0010】
図4にステッピングモータ1を2相励磁方式で回転させる場合の励磁位相とコイル極性との関係を示す。▲1▼〜▲4▼は励磁位相であり、AおよびBは駆動コイル1−1の一端および他端、CおよびDは駆動コイル1−2の一端および他端を示す。励磁位相▲1▼では、駆動コイル1−1のAの極性を「+」、Bの極性を「−」、駆動コイル1−2のCの極性を「+」、Dの極性を「−」とする。励磁位相▲2▼では、駆動コイル1−1のAの極性を「+」、Bの極性を「−」、駆動コイル1−2のCの極性を「−」、Dの極性を「+」とする。励磁位相▲3▼では、駆動コイル1−1のAの極性を「−」、Bの極性を「+」、駆動コイル1−2のCの極性を「−」、Dの極性を「+」とする。励磁位相▲4▼では、駆動コイル1−1のAの極性を「−」、Bの極性を「+」、駆動コイル1−2のCの極性を「+」、Dの極性を「−」とする。
【0011】
ステッピングモータ1の回転方向はコイル極性の切換順序で制御する。回転速度はコイル極性の切換速度で制御する。正転させるときは、▲1▼,▲2▼,▲3▼,▲4▼,▲1▼,▲2▼・・・・という具合に、逆転させるときは▲4▼,▲3▼,▲2▼,▲1▼,▲4▼,▲3▼・・・・という具合に、コイル極性を切り換えて行く。
【0012】
ステッピングモータ1を正転させる場合、AとCの極性に注目すれば、図5に示すようなタイムチャートとなる。ステッピングモータ1を逆転させる場合、AとCの極性に注目すれば、図6に示すようなタイムチャートとなる。
【0013】
ここで、励磁コイル1−1への電流をI1,励磁コイル1−2への電流をI2とすると、正転時には図7に示すような電流I1,I2が励磁コイル1−1および1−2へ流れる。I1はI2よりも位相が90゜遅れている。逆転時には図8に示すような電流I1,I2が励磁コイル1−1および1−2へ流れる。I1はI2よりも位相が90゜進んでいる。停止時には、励磁コイル1−1および1−2への電流I1,I2は遮断され、非通電状態とされる。ステッピングモータ1は、励磁コイル1−1および1−2への電流I1,I2が遮断されると、そのときの磁気的安定点で静止する。安定点からずらそうとする外力に対しては強い反抗力を示す。
【0014】
図9に回転(正転,逆転)・停止(静止)が繰り返される場合の励磁コイル1−1および1−2への電流I1,I2の供給例を示す。この例では、期間T1において「逆転」、期間T2において「静止」、期間T3において「正転」、期間T4において「静止」、期間T5において「逆転」させている。この図からも分かるように、通常、「静止」状態では、励磁コイル1−1および1−2への電流が遮断され、非通電状態とされる。
【0015】
本実施の形態では、このような基本原理に従って動作するステッピングモータ1に対し、温度センサ7を取り付けている。温度センサ7はステッピングモータ1の周囲温度としてその表面温度を検出する。また、温度検知・処理部11を設け、温度センサ7の検出温度を与えるようにしている。温度検知・処理部11は、温度センサ7からの検出温度が0℃以下となった場合、位置決め制御部8へ加熱指令を送る。
【0016】
図1に温度検知・処理部11から位置決め制御部8へ加熱指令が送られた場合の励磁コイル1−1および1−2への電流I1,I2の供給例(参考例)を示す。この供給例では期間T4内のt0点で加熱動作が始まっている。
【0017】
期間T1において、位置決め制御部8は上位装置からの設定入力と位置検出部12からの検出入力との偏差を求め、この偏差を零とするような位置決め制御信号を生成し、モータドライバ9へ送る。モータドライバ9は、位置決め制御部8からの位置決め制御信号を受けて、位相が90゜ずれたデューティ比50%のパルス信号S1,S2を直流電源10へ送る。
【0018】
モータドライバ9はパルス信号S1,S2を常に生成している。パルス信号S1はパルス信号S2よりも位相が90゜進んでいる。期間T1では、ステッピングモータ1を逆転させるべく、出力端子9−1,9−2からパルス信号S1,S2を出力する。このパルス信号S1,S2を受けて、直流電源10からパルス信号S1と同位相・同波形の電流I1が励磁コイル1−1へ供給され、パルス信号S2と同位相・同波形の電流I2が励磁コイル1−2へ供給される。これにより、▲4▼,▲3▼,▲2▼,▲1▼という順序でコイル極性が切り換えられ、ステッピングモータ1が逆転する。
【0019】
期間T2において、位置決め制御部8は上位装置からの設定入力と位置検出部12からの検出入力との偏差が零となったことを確認し、モータドライバ9へ停止指令を送る。これにより、モータドライバ9は、直流電源10へのパルス信号S1,S2の送出を中断し、直流電源10からステッピングモータ1への電流I1,I2を遮断する。これにより、ステッピングモータ1は、そのときの磁気的安定点で静止する。
【0020】
期間T3において、位置決め制御部8は上位装置からの設定入力と位置検出部12からの検出入力との偏差を求め、この偏差を零とするような位置決め制御信号を生成し、モータドライバ9へ送る。モータドライバ9は、位置決め制御部8からの位置決め制御信号を受けて、パルス信号S1,S2を直流電源10へ送る。期間T3では、ステッピングモータ1を正転させるべく、出力モードを切り換えて、出力端子9−1,9−2からパルス信号S2,S1を出力する。このパルス信号S2,S1を受けて、直流電源10からパルス信号S2と同位相・同波形の電流I1が励磁コイル1−1へ供給され、パルス信号S1と同位相・同波形の電流I2が励磁コイル1−2へ供給される。これにより、▲1▼,▲2▼,▲3▼,▲4▼という順序でコイル極性が切り換えられ、ステッピングモータ1が正転する。
【0021】
期間T4において、位置決め制御部8は上位装置からの設定入力と位置検出部12からの検出入力との偏差が零となったことを確認し、モータドライバ9へ停止指令を送る。これにより、モータドライバ9は、直流電源10へのパルス信号S1,S2の送出を中断し、直流電源10からステッピングモータ1への電流I1,I2を遮断する。これにより、ステッピングモータ1は、そのときの磁気的安定点で静止する。
【0022】
図1では期間T4内のt0点で加熱動作が始まっている。温度検知・処理部11は、温度センサ7からの検出温度を入力とし、ステッピングモータ1の周囲温度(表面温度)を監視している。ステッピングモータ1の表面温度が0℃以下となると、温度検知・処理部11は位置決め制御部8へ加熱指令を送る。
【0023】
この加熱指令を受けて、位置決め制御部8は、ステッピングモータ1の静止状態において、すなわち励磁コイル1−1,1−2への電流I1,I2を遮断している状態において、モータドライバ9において常時発生しているパルス信号S1,S2のその時のレベルをラッチし、このラッチした信号S1′,S2′を直流電源10へ与える。図1のt0点では、パルス信号S1が「H」レベル、パルス信号S2が「L」レベルの時点でそのレベルラッチし、「H」レベルの信号S1′を出力端子9−1を介して直流電源10へ与え、「L」レベルの信号S2′を出力端子9−2を介して直流電源10へ与えている。これによって、ステッピングモータ1の駆動コイル1−1へAB方向への電流I1が流れ、駆動コイル1−2へDC方向への電流I2が流れる。
【0024】
これにより、ステッピングモータ1が静止したままの状態で、駆動コイル1−1,1−2がジュール熱により発熱し、すなわち駆動コイル1−1,1−2に上記電流I1,I2が非駆動加熱電流として供給され、加熱動作が始まる。なお、ステッピングモータ1が最後に停止したときの励磁位相と加熱動作に入る時の励磁位相との関係で、ステッピングモータ1の回転角度が1ステップ変化することがある。しかし、1ステップ回転しても、すなわちステッピングモータ1の回転軸が1ステップ回転しても、ギア機構5を介し、ギヤダウンしてその回転力が出力軸6へ伝達されるので、出力軸6の回転角度変化は極僅かであり問題はない。1ステップ回転後、非駆動加熱電流の供給中は、ステッピングモータ1の回転角度に変化は生じない。
【0025】
期間T5において、位置決め制御部8は上位装置からの設定入力と位置検出部12からの検出入力との偏差を求め、この偏差を零とするような位置決め制御信号を生成し、モータドライバ9へ送る。この場合、位置決め制御部8は先に温度検知・処理部11からの加熱指令を受けて加熱動作を行わせているが、位置決め制御信号に基づく回転制御を優先させる。すなわち、モータが回転中はモータ発熱があるので、加熱のための通電は不要と判断して加熱動作を中断し、位置決め制御信号に基づく回転制御を行わせる。
【0026】
また、図1のタイムチャートでは示していないが、ステッピングモータ1の回転中に温度センサ7の検出温度が万一0℃以下となった場合でも、加熱のための通電は不要と判断する。この場合、ステッピングモータ1の回転が停止するまで待って、加熱動作に入る。
また、加熱動作中、温度センサ7の検出温度がもしある程度以上(例えば、20℃以上)になれば、温度検知・処理部11は位置決め制御部8へ加熱停止指令を送り、これにより、駆動コイル1−1,1−2への非駆動加熱電流の供給が遮断され、加熱動作が停止する。
【0027】
〔実施の形態1〕
なお、図1では、参考例として、加熱指令が出された時のパルス信号S1,S2のレベルをラッチし、このラッチした信号S1′,S2′を直流電源10へ与えるようにしたが、実施の形態1では、パルス信号S1のレベルのみをラッチして直流電源10へ与えるようにする。すなわち、図10に示すように、駆動コイル1−2へは電流を供給せずに、駆動コイル1−1側のみに非駆動加熱電流を供給するようにする。この逆、すなわち駆動コイル1−1へは電流を供給せずに、駆動コイル1−2側のみに非駆動加熱電流を供給するようにしてもよいことは勿論である。
【0028】
〔実施の形態2〕
また、実施の形態2では、パルス信号S1(又はS2)のみを直流電源10へ与えるようにする。すなわち、図11に示すように、駆動コイル1−2(又は2−1)へは電流を供給せずに、駆動コイル1−1(又は1−2)側のみにデューティ比50%のパルス状の非駆動加熱電流を供給するようにする。実際には、検出温度を0℃とし、加熱時の駆動コイルへの電圧を24V、電流を2A程度とし、デューティ比を50%程度で通電すると、環境温度が−5℃の時、モータ表面はほゞ10℃まで加熱される。
【0029】
図10や図11のような非駆動加熱電流の供給方法とした場合、ステッピングモータ1が直前に停止したときの励磁位相がどの位相であっても、加熱動作の開始時点t0ではステッピングモータ1を回転させる力が発生せず、ステッピングモータ1の回転角度が1ステップ変化してしまうということはない。すなわち、ステッピングモータ1の回転角度が変化せず、停止したままの状態で駆動コイル1−1,1−2がジュール熱により発熱する。
【0030】
なお、本実施の形態では、温度センサ7をステッピングモータ1に取り付け、ステッピングモータ1の周囲温度として表面温度を検出するようにしたが、ステッピングモータ1から離れた内部空間の温度を検出するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、ステッピングモータ1の駆動コイルを2つとしたが、2つ以上の駆動コイルを有するステッピングモータについても同様にして適用することができる。
【0031】
また、温度検知・処理部11に過熱保護機能を付加してもよい。すなわち、予め過熱保護温度を例えば100℃として定めておき、温度センサ7の検出温度がこの過熱保護温度を超えた場合、例えモータが回転中であっても温度検知・処理部11より位置決め制御部8へ給電停止指令を送り、ステッピングモータ1の駆動コイル1−1,1−2への電流I1,I2の供給を遮断あるいは制限するようにしてもよい。これにより、駆動コイル1−1,1−2の焼損等の故障を回避することができる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように本発明によれば、温度センサの検出温度が所定温度以下となると、その駆動コイルの全てを非通電状態として静止状態にあるステッピングモータの第1〜第Nの駆動コイルのうち所定の駆動コイルのみに、このモータの回転角度に変化を与えない非駆動加熱電流が供給されるものとなり、ステッピングモータが静止した状態で所定の駆動コイルのみがジュール熱により発熱する。これにより、電子バルブなどのステッピングモータを用いた機器からスペースヒータをなくし、部品点数を削減してコストダウンや小型化を促進するとが可能となり、また正確な温度制御や加熱効率を高めて消費電力を低減することが可能となる。また、ステッピングモータが直前に停止したときの励磁位相がどの位相であっても、加熱動作の開始時点ではステッピングモータを回転させる力が発生せず、ステッピングモータの回転角度が1ステップ変化してしまうことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 温度検知・処理部から位置決め制御部へ加熱指令が送られた場合のステッピングモータへの非駆動加熱電流の供給例(参考例)を示す図である。
【図2】 本発明に係る保温機能付きステッピングモータを使用した電子バルブの要部を示すブロック図である。
【図3】 バイポーラ型ステッピングモータの原理図である。
【図4】 このステッピングモータを2相励磁方式で回転させる場合の励磁位相とコイル極性との関係を示す図である。
【図5】 このステッピングモータを正転させる場合の駆動コイルのAとCの極性に注目したタイムチャートである。
【図6】 このステッピングモータを逆転させる場合の駆動コイルのAとCの極性に注目したタイムチャートである。
【図7】 正転時にステッピングモータに供給される励磁電流I1,I2を示す図である。
【図8】 逆転時にステッピングモータに供給される励磁電流I1,I2を示す図である。
【図9】 回転(正転,逆転)・停止(静止)が繰り返される場合のステッピングモータへの電流I1,I2の供給例を示す図である。
【図10】 温度検知・処理部から位置決め制御部へ加熱指令が送られた場合のステッピングモータへの非駆動加熱電流の他の供給例(実施の形態1)を示す図である。
【図11】 温度検知・処理部から位置決め制御部へ加熱指令が送られた場合のステッピングモータへの非駆動加熱電流の別の供給例(実施の形態2)を示す図である。
【図12】 ステッピングモータを用いた電子バルブの要部を示す一部破断側断面図である。
【符号の説明】
1…ステッピングモータ、1−1,1−2…駆動コイル、1−3…ロータ、2…回路基板、3…カバー、5…ギア機構、6…出力軸、7…温度センサ、8…位置決め制御部、9…モータドライバ、9−1,9−2…出力端子、10…直流電源、11…温度検知・処理部、12…位置検出部、100…電子バルブ。
Claims (2)
- 第1〜第N(N≧2)の駆動コイルを備えたステッピングモータと、
このステッピングモータの周囲温度を検出する温度センサと、
前記ステッピングモータの出力軸の回転角位置を検出する位置検出部と、
上位装置からの設定入力と前記位置検出部からの検出入力との偏差を求め、この偏差を零とするような位置決め制御信号を生成する位置決め制御部と、
前記位置決め制御部からの位置決め制御信号を受け、その位置決め制御信号に応じた第1〜第Nのパルス信号を第1〜第Nの出力端子から出力するモータドライバと、
前記モータドライバから出力された第1〜第Nのパルス信号を受けてそのパルス信号と同位相・同波形の第1〜第Nの電流を前記第1〜第Nの駆動コイルに供給する直流電源と、
前記温度センサからの検出温度を入力とし、その検出温度が所定の温度以下になると加熱指令を前記位置決め制御部に送る温度検知・処理部とを備え、
前記位置決め制御部は、前記駆動コイルの全てを非通電状態として前記ステッピングモータが静止状態にある場合、前記温度検知・処理部からの加熱指令を受けて、前記モータドライバにおける前記第1〜第Nのパルス信号のうちいずれかひとつのパルス信号のレベルのみをラッチして前記直流電源に与え、前記第1〜第Nの駆動コイルのうち所定の駆動コイルのみに非駆動加熱電流を供給する
ことを特徴とする保温機能付きステッピングモータ。 - 第1〜第N(N≧2)の駆動コイルを備えたステッピングモータと、
このステッピングモータの周囲温度を検出する温度センサと、
前記ステッピングモータの出力軸の回転角位置を検出する位置検出部と、
上位装置からの設定入力と前記位置検出部からの検出入力との偏差を求め、この偏差を零とするような位置決め制御信号を生成する位置決め制御部と、
前記位置決め制御部からの位置決め制御信号を受け、その位置決め制御信号に応じた第1〜第Nのパルス信号を第1〜第Nの出力端子から出力するモータドライバと、
前記モータドライバから出力された第1〜第Nのパルス信号を受けてそのパルス信号と同位相・同波形の第1〜第Nの電流を前記第1〜第Nの駆動コイルに供給する直流電源と、
前記温度センサからの検出温度を入力とし、その検出温度が所定の温度以下になると加熱指令を前記位置決め制御部に送る温度検知・処理部とを備え、
前記位置決め制御部は、前記駆動コイルの全てを非通電状態として前記ステッピングモータが静止状態にある場合、前記温度検知・処理部からの加熱指令を受けて、前記モータドライバにおける前記第1〜第Nのパルス信号のうちいずれかひとつのパルス信号のみをデユーティ比50%のパルスにして前記直流電源に与え、前記第1〜第Nの駆動コイルのうち所定の駆動コイルのみに非駆動加熱電流を供給する
ことを特徴とする保温機能付きステッピングモータ。
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