JP4494592B2 - 電動自転車用モータ駆動ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輪のハブ内にモータを装備した電動自転車用モータ駆動ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の電動自転車用モータ駆動ユニットとしては、例えば国際公開番号WO99/58394号に開示されたものがある。このモータ駆動ユニットは、車輪のハブの内側にモータと減速機とを軸線方向が車幅方向を指向する状態で組込んでいる。前記モータは、円筒の両端を閉塞した構造のモータハウジングに装着しており、モータハウジングの外周部内面に固定子を固着するとともに、軸心部に回転子を回転自在に支持させている。この回転子は、モータハウジングから一端が突出する回転軸を一体的に設けている。この回転軸から前記減速機を介してハブに動力が伝達されるようにしている。モータハウジングにおける前記回転軸が突出する端部とは反対側の端部には、車体フレームに固定するための支軸を車幅方向の外側へ向けて突設している。
【0003】
前記減速機は、前記回転軸に設けたピニオンと、ハブに設けた外周ギヤ(リングギヤ)と、この外周ギヤと前記ピニオンとの間に介装した中間ギヤなどによって構成している。前記中間ギヤは、ピニオンの周囲に複数配設しており、モータハウジングに突設した支軸にそれぞれ回転自在に支持させている。
モータハウジングの前記支軸は、中間ギヤを貫通して固定子とは反対側に露出するように形成し、この露出部分にモータハウジングと協働して車軸を構成するための支持部材を固定用ボルトによって固定している。この固定用ボルトは、前記支軸および中間ギヤと同一軸線上に配設して支軸に螺着している。
【0004】
前記支持部材は、モータハウジングに固定するための円板と、この円板の軸心部に車幅方向の外側へ向けて突設した支軸とによって形成しており、この支軸を車体フレームに固定する構造を採っている。この支持部材の支軸と、モータハウジングの支軸とにハブを回転自在に支持させている。
このように構成した電動自転車用モータ駆動ユニットは、モータの動力が回転軸から→ピニオン→中間ギヤ→外周ギヤからなる動力伝達系によってハブに伝達される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
発明者らは、上述したように構成した電動自転車用モータ駆動ユニットを小型化することを考えている。しかしながら、上述したモータ駆動ユニットの構造では、小型化するにも限界があった。これは、減速機の中間ギヤを支持する支軸に支持部材を固定するための固定用ボルトを螺着させているからである。すなわち、前記支軸と固定用ボルトとが同一軸線上に位置する構造では、支軸に中間ギヤのみを支持させる場合に較べて支軸の径が大きくなってしまい、これに伴って中間ギヤの径および外周ギヤの径が増大してしまうからである。なお、このように径方向の小型化を図る他に、軸線方向(車幅方向)にも小型化して軽量化を図ったり、後輪ハブ用のものにおいては多段式の外装変速機を装着できるようにすることも要請されている。
本発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、小型化された電動自転車用モータ駆動ユニットを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明に係る電動自転車用モータ駆動ユニットは、モータのハウジングと協働して車軸を構成する支持部材と前記ハウジングとを結合するボルトを、ハブ側の外周ギヤより径方向の内側であって、前記外周ギヤと軸心部のピニオンとの間に介装した複数の中間ギヤどうしの間に配設し、前記支持部材と前記ハウジングとを前記ボルトによって結合する結合部を、軸線方向の長さと軸線方向の位置が前記中間ギヤと略一致するように構成し、前記中間ギヤは、前記ピニオンに噛合する大径ギヤと、この大径ギヤから車幅方向の外側に突出しかつ前記外周ギヤに噛合する小径ギヤとを有しているものである。
【0007】
本発明によれば、中間ギヤを支持する支軸を必要最小限の径に形成することができ、中間ギヤおよび外周ギヤの小径化を図ることができる。また、中間ギヤどうしの間に形成されるデッドスペースを利用してハウジングに支持部材を結合させることができる。
【0008】
また、本発明によれば、モータのハウジングに支持部材を結合させる結合部が中間ギヤより軸線方向に大きく突出することがない。
さらに、この発明によれば、ピニオンに噛合する歯が外周ギヤにも噛合するように中間ギヤを一つの歯車によって形成する構造に較べて、減速比を大きくとりながら、外周ギヤの径を小さくすることができる。
【0009】
請求項2に記載した発明に係る電動自転車用モータ駆動ユニットは、請求項1に記載した発明に係る電動自転車用モータ駆動ユニットにおいて、前記大径ギヤの歯の一部と、小径ギヤの歯の一部とが軸線方向に重なる構造としたものである。
【0010】
この発明によれば、二つの歯車を軸線方向に並べる構造に較べて、軸線方向の寸法を短くすることができる。
請求項3に記載した発明に係る電動自転車用モータ駆動ユニットは、請求項1または請求項2に記載した電動自転車用モータ駆動ユニットにおいて、前記外周ギヤと前記ハブとの間に、前記外周ギヤから前記ハブのみに動力を伝達する一方向クラッチを設けたものである。
請求項4に記載した発明に係る電動自転車用モータ駆動ユニットは、請求項1ないし請求項3のうちいずれか一つに記載した電動自転車用モータ駆動ユニットにおいて、前記支持部材は、前記前記ハウジングに固定される円板と、この円板に車幅方向の外側へ向けて突設された支軸とを備え、前記円板と前記支軸との結合部を、前記複数の中間ギヤの小径ギヤどうしの間に臨むように形成したものである。
この発明によれば、前記小径ギヤどうしの間に形成されるデッドスペースを有効に利用して前記支軸の嵌合長さを長くとることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る電動自転車用モータ駆動ユニットの一実施の形態を図1ないし図7によって詳細に説明する。
図1は本発明に係る電動自転車用モータ駆動ユニットの断面図、図2は本発明に係る電動自転車用モータ駆動ユニットを車体フレームに取付けた状態を示す側面図、図3はモータ駆動ユニットの側面図で、同図においては、ハブのカバーと支持部材の一部を破断した状態で描いてある。図4はモータハウジングの右側カバーの正面図、図5は支持部材の車体外側を示す正面図、図6は図5におけるVI−VI線断面図、図7は支持部材の車体内側を示す背面図である。
【0012】
これらの図において、符号1で示すものは、この実施の形態による電動自転車用モータ駆動ユニットである。このモータ駆動ユニット1は、図示していない後輪の軸心部に装着し、図1および図2中に符号2で示す自転車用車体フレームのエンドブラケット3に車体左側(図1において左側)の支軸4と車体右側の支軸5とを固定する構造を採っている。
【0013】
前記エンドブラケット3は、図2に示すように、車体フレーム2のシートステー6とチェーンステー7の後端部に溶接している。シートステー6と、チェーンステー7およびエンドブラケット3は、いずれも車幅方向に対をなすように設けている。
【0014】
前記車体左側の支軸4は、後述するモータハウジング8の一部を構成し、車体右側の支軸5は、モータハウジング8の車体右側の端部に結合用ボルト9によって結合させた支持部材10の一部を構成している。支持部材10は、前記車体右側の支軸5と、この支軸5の基端部に固着した円板11とによって構成している。これらのモータハウジング8と支持部材10とによって後輪の車軸12を構成しており、この車軸12の両端部に軸受13,14によってハブ15を回転自在に支持させている。
【0015】
ハブ15は、車体右側に向けて開口する有底円筒状に形成したハブ本体16と、このハブ本体16の開口部に固定用ボルト17によって固定した蓋体18とによって形成している。
ハブ本体16は、図示していないスポークを係合させるためのフランジ16aを外周部に一体に形成するとともに、車体左側の端部に後輪ブレーキ19のブレーキドラム20を一体に形成している。また、ハブ本体16における車体左側の側壁16bには、ハブ15内の気圧を大気圧と一致させるために通気孔21を穿設している。この通気孔21は、前記ブレーキドラム20の内側とハブ15内とを連通しており、外側(ブレーキドラム20内側)の開口部分に水や塵埃がハブ15内に浸入するのを阻止するためにフィルタ22を設けている。
【0016】
前記後輪ブレーキ19は、前記ブレーキドラム20にブレーキシュー23を内側から押付ける拡径式のものである。ブレーキシュー23は、図1および図2中に符号24で示す支持プレートに支持させ、ブレーキレバー25(図2参照)を回動させることによって、ブレーキドラム20に対して接離するようになっている。前記支持プレート24は、図2に示すように、車体前側の端部を車体左側のチェーンステー7に固定し、後部をモータハウジング8の車体左側の支軸4に支持させている。また、この支持プレート24には、前記ブレーキドラム20の開口部分を覆うカバー26を取付けている。
【0017】
ハブ15の前記蓋体18は、車体右側の端部にチェーンスプロケット31を固定している。このチェーンスプロケット31は、チェーン32を介して図示していないペダルクランク軸のチェーンリングに連結している。ペダルクランク軸に設けたペダルを踏込むことによって、人力が前記チェーンリングからチェーン32とチェーンスプロケット31とを介してハブ15に伝達されるようになっている。なお、図示してはいないが、上述した人力駆動系の途中に、後輪からペダルへ動力が伝達されるのを阻止するために一方向クラッチを介装している。
【0018】
モータハウジング8は、図1に示すように、前記車体左側の支軸4と、この支軸4を軸心部に結合させた円板状の左側カバー33と、この左側カバー33の外周部に車体左側の一端部を接続した円筒34と、この円筒34の車体右側の端部に接続した円環板状の右側カバー35とによって形成しており、右側カバー35を貫通して左側カバー33に螺着する締結用ボルト36によって左右の両カバー33,35で円筒34を挟持するように組立てている。このモータハウジング8の内部にDCモータ41を収容している。
【0019】
また、左側カバー33は、前記ブレーキの支持プレート24に結合させ、モータ41の反力を支持プレート24で支えることができるようにしている。支持プレート24と左側カバー33の結合部は、支持プレート24に凸部24aを形成し、この凸部24aを左側カバー33の凹陥部33aに嵌入させる構造を採っている。これらの凸部24aと凹陥部33aは、図2に示すように、ハブ15の軸心を挟む2箇所に形成している。
【0020】
前記モータ41は、モータハウジング8の円筒34の内周面に固定子42を固着させるとともに、左右の両カバー33,35に軸受43,44によって回転子45を回転自在に支持させている。前記固定子42は、左側カバー33に設けたコネクタ46と、このコネクタ46からチェーンステー7に沿って延びる給電用ケーブル47とを介して図示していないコントローラに電気的に接続している。前記コネクタ46は、左側カバー33を貫通しており、給電用ケーブル47を車体左側から着脱できるように形成している。前記コントローラは、図示していないペダルを踏み込む力(人力)の大きさに略比例するようにモータ41の出力を増減させる回路を採っている。
【0021】
前記回転子45は、固定子42に対向する永久磁石48を有する磁極部材49と、左側カバー33の内側に設けた回転検出部材(図示せず)と対向する被検出部材50とを回転軸51に一体的に結合させている。回転軸51は、右側カバー35を貫通してモータハウジング8より車体右側に突出しており、突出部分に後述する減速機52を接続している。
【0022】
減速機52は、前記回転軸51の回転を減速してハブ15に伝達するためのもので、図1および図3に示すように、回転軸51に固定したピニオン53と、ハブ15に支持させた外周ギヤ54と、この外周ギヤ54と前記ピニオン53との間に介装した3個の中間ギヤ55などによって構成している。
前記ピニオン53は、モータ41の回転軸51におけるモータハウジング8から突出する端部に固着している。
【0023】
前記外周ギヤ54は、円環状の内歯歯車からなり、ハブ15における前記蓋体18の内周部に一方向クラッチ56を介して支持させている。この一方向クラッチ56は、外周ギヤ54からハブ15のみに動力が伝達されるように構成している。詳述すると、前記一方向ラッチ56は、図1に示すように、前記モータ41の軸線方向において、前記外周ギヤ54と同一位置であって、かつ前記モータ41の径方向において、前記大径ギヤ57における前記モータ41の軸心から径方向に最も離間する部位より内側に配置している。
前記中間ギヤ55は、前記ピニオン53に噛合する大径ギヤ57と、この大径ギヤ57より車体右側に位置して前記外周ギヤ54に噛合する小径ギヤ58とを同一軸線上に位置するように一体に形成し、支軸59に回転自在に支持させている。前記大径ギヤ57および小径ギヤ58は、これら両者の歯の一部どうしが軸線方向に重なるように形成している。すなわち、大径ギヤ57の車体右側の端部の位置と、小径ギヤ58の車体左側の端部の位置とが軸線方向に重なるようにしている。この実施の形態では、大径ギヤ57と小径ギヤ58とを接続する大径ギヤ57の円板部57aを略皿状に形成しており、この円板部57aの外周部を大径ギヤ57の外周部(歯を形成する円環状の部分)の軸線方向の略中央部に接続するとともに、円板部57aの軸心部分を車体右側に偏在させて小径ギヤ58の端部に接続している。
【0024】
前記支軸59は、車体左側の端部をモータハウジング8の右側カバー35に支持させるとともに、車体右側の端部を前記支持部材10の円板11に支持させている。支軸59の支持は、モータハウジング8と支持部材10とによって挟持するようにしている。すなわち、モータハウジング8に支持部材10を前記結合用ボルト9で結合させることによって、支軸59がモータハウジング8と支持部材10とによって挾持される構造を採っている。
【0025】
3個の中間ギヤ55は、図3に示すように、前記ピニオン53の周囲に周方向へ等間隔おいて位置するように配設している。これらの中間ギヤ55の大径ギヤ57は、各中間ギヤ55の大径ギヤ57どうしが接触することがない範囲で径が最大になるように形成している。これらの大径ギヤ57どうしの間であって外周ギヤ54の内側に形成される三箇所の三角形状のデッドスペースS(図3参照)に、モータハウジング8と支持部材10とを結合する結合用ボルト9を配設している。
【0026】
前記結合用ボルト9を有する結合部は、モータハウジング8の右側カバー35に突設した3個の第1の台座61(図1,3および図4参照)に、支持部材10の円板11に突設した3個の第2の台座62(図1,6および図7参照)を重ね、これら3箇所の第1および第2の台座61,62を結合用ボルト9によってそれぞれ締結させる構造を採っている。この結合部の軸線方向の長さと、軸線方向の位置は、図1に示すように、中間ギヤ55と略一致するように構成している。
【0027】
前記第1の台座61は、3個の中間ギヤ55の大径ギヤ57どうしの間に車幅方向の内側(モータ41側)から臨むことができるように、三角柱状に形成している。
この第1の台座61における大径ギヤ57と対向する側面61aは、図3および図4に示すように、大径ギヤ57の径を可及的大きく形成することができるように、湾曲させて形成している。また、この第1の台座61の突出側端部には、第2の台座62の先端面が当接する平坦面61bと、第2の台座62の外側面が嵌合するガイド61cとを形成している。前記平坦面61bに、結合用ボルト9が螺着するねじ孔61dを開口させている。
【0028】
図4において3個の第1の台座61どうしの間に形成した符号63で示すものは、中間ギヤ55の支軸59を支持するためのボスである。第1の台座61と前記ボス63より径方向の外側に形成した符号64で示すものは、前記締結用ボルト36を挿通させるための貫通穴である。
【0029】
第2の台座62は、前記三角形状のデッドスペースSに車体右側から臨むことができるように三角柱状に形成し、結合用ボルト9を貫通させるための貫通穴62aを中心部分に穿設している。この第2の台座62における前記大径ギヤ57と対向する側面62bは、第1の台座61と同様に湾曲させて形成し、外周ギヤ54と対向する外側面62cは、外周ギヤ54の径を可及的小さく形成することができるように湾曲させて形成している。
【0030】
この第2の台座62を形成する支持部材10の円板11は、結合用ボルト9の頭部が円板11から外側へ突出することがないように、第2の台座62と対応する部分に凹陥部65を形成している。図5および図7において、第2の台座62および凹陥部65に対して円板11の中心を挟んで反対側に形成した符号66で示すものは、中間歯車の支軸59を嵌合させるための貫通穴である。
【0031】
前記円板11における第2の台座62を形成する部分と、円板11の軸心部に車体右側の支軸5を取付けるためのボス67(図1および図7参照)との間には、円板11の剛性向上を図るために補強用リブ68を一体に形成している。このリブ68も3個の中間ギヤ55どうしの間に位置するように形成している。前記ボス67は、3個の中間ギヤ55の小径ギヤ58どうしの間に臨むように形成しており、小径ギヤ58の間に形成されるデッドスペースを有効に利用して支軸5の嵌合長さを長くとっている。このボス67と小径ギヤ58との間にも補強用リブ69を形成している。
【0032】
上述したように構成した電動自転車用モータ駆動ユニット1によれば、モータ41の回転軸51が回転することによって、この回転がピニオン53から中間ギヤ55の大径ギヤ57に伝達され、さらに、小径ギヤ58から外周ギヤ54と一方向クラッチ56とを介してハブ15に伝達されてハブ15が回転する。
この電動自転車用モータ駆動ユニット1は、モータハウジング8と支持部材10とを結合する結合用ボルト9を、減速機52の外周ギヤ54より径方向の内側であって、この外周ギヤ54と軸心部のピニオン53との間に介装した3個の中間ギヤ55どうしの間に配設しているから、中間ギヤ55を支持する支軸59を必要最小限の径に形成することができ、中間ギヤ55および外周ギヤ54の小径化を図ることができる。しかも、中間ギヤ55どうしの間に形成されるデッドスペースSを利用してモータハウジング8に支持部材10を結合させることができる。
【0033】
また、支持部材10とモータハウジング8とを結合用ボルト9によって結合する結合部の軸線方向の長さと軸線方向の位置が中間ギヤ55と略一致するように構成しているから、前記結合部が中間ギヤ55より軸線方向に大きく突出するのを阻止することができる。
さらに、中間ギヤ55を、ピニオン53に噛合する大径ギヤ57と、外周ギヤ54に噛合する小径ギヤ58とによって形成し、前記大径ギヤ57の歯の一部と、小径ギヤ58の歯の一部とが軸線方向に重なる構造としているから、ピニオン53に噛合する歯が外周ギヤ54にも噛合するように中間ギヤを一つの歯車によって形成する構造に較べて、減速比を大きくとりながら、外周ギヤ54の径を小さくすることができる。
【0034】
さらにまた、大径ギヤ57と小径ギヤ58が単に軸線方向に並ぶ構造に較べて、軸線方向の寸法を短くすることができる。これは、大径ギヤ57の円板部57aと小径ギヤ58の歯との接続部分に形成される丸め部分(小径ギヤ58における外周ギヤ54を噛合させることができない部分)を大径ギヤ57の径方向の内側に位置付けることができるからである。すなわち、小径ギヤ58における大径ギヤ57より車体右側に突出する部分の全域を噛合可能とすることができるから、小径ギヤ58に噛合する外周ギヤ54を大径ギヤ57に可及的接近させることができ、上述したように軸線方向の小型化を図ることができる。しかも、前記丸め部分によって円板部57aと小径ギヤ58の歯を接続することができることにより、小径ギヤ58における大径ギヤ57から突出する部分の全域を外周ギヤ54が噛合可能にするために小径ギヤ58と前記円板部57aとの間に環状凹部を形成しなくてよいから、小径ギヤ58の強度向上を図ることができるとともに、中間ギヤ55を合成樹脂によって形成する場合には金型の構造が簡単になる。
【0035】
図8は電動自転車用モータ駆動ユニットの参考となる技術を示す断面図、図9は減速機の構成を示す側面図である。これらの図において、前記図1ないし図7によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明は省略する。
図8および図9に示すモータ駆動ユニット1のモータ41は、ハブ15とは偏心させて形成している。モータ41の軸線を符号C1で示し、ハブ15の軸線を符号C2で示す。このモータ41の動力をハブ15に伝達するための減速機52は、モータ41の回転軸51の周面に添接する第1〜第3のローラ71〜73を有するウェッジローラ式減速機74と、このウェッジローラ式減速機74とハブ15との間に介装した歯車式減速機75とによって構成している。
【0036】
前記ウェッジローラ式減速機74の第1〜第3のローラ71〜73のうち、第1のローラ71は、第2および第3のローラ72,73より径が大きくなるように形成し、第2および第3のローラ72,73は、同一径になるように形成している。これらのローラ71〜73は、モータハウジング8と支持板76(図8参照)とに挟持させた支軸77に回転自在に支持させている。支持板76は、円環状に形成し、前記3個のローラ71〜73の間でモータハウジング8に結合させている。この結合部は、モータハウジング8と支持板76との間に介装した円筒78と、この円筒78を貫通する結合用ボルト79とによって形成している。
【0037】
前記歯車式減速機75は、前記第1〜第3のローラ71〜73に内周面が添接する有底円筒状のピニオン81と、ハブ本体16に固定した外周ギヤ82と、この外周ギヤ82と前記ピニオン81との間に介装した中間ギヤ83などによって構成している。前記ピニオン81は、ハブ15と同一軸線上に位置するように構成し、外側底面の軸心部に突設した支軸84を支持部材10に軸受85によって回転自在に支持させている。
【0038】
外周ギヤ82は、円環状の内歯歯車からなり、外周面をハブ本体16に直接取付けている。この参考例では、前記ウェッジローラ式減速機74が一方向クラッチの機能を有するため、外周ギヤ82とハブ15との間には一方向クラッチを介装していない。
前記中間ギヤ83は、この参考例では、ピニオン81に噛合する歯が外周ギヤ82にも噛合する円板状の歯車であり、モータハウジング8と支持部材10とが挟持する支軸59に回転自在に支持させている。この参考例においても、中間ギヤ83をピニオン81の周囲の3箇所に配設し、これらの中間ギヤ83どうしの間に、モータハウジング8と支持部材10とを結合する結合部を配設している。
【0039】
このように減速機52をウェッジローラ式減速機74と歯車式減速機75とで構成することによって、軸線方向の小型化を図ることができる。このため、車体フレーム2の二つのエンドブラケット3,3の間隔を拡げることなく、ハブ15に外装式多段変速機のフリーホイール91を装着することができる。
【0040】
上述した実施の形態および参考例では後輪用のモータ駆動ユニット1を示したが、本発明に係るモータ駆動ユニットは、前輪用としても構成することができる。また、上述した実施の形態および参考例では人力の大きさに略比例するようにモータ41の出力を増減させる例を示したが、本発明はこのような限定にとらわれることはなく、アクセル操作子の操作量に対応するようにモータ41の出力を制御する構成を採ってもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、中間ギヤを支持する支軸を必要最小限の径に形成することができ、中間ギヤおよび外周ギヤの小径化を図ることができるとともに、ピニオンに噛合する歯が外周ギヤにも噛合するように中間ギヤを一つの歯車によって形成する構造に較べて、減速比を大きくとりながら、外周ギヤの径を小さくすることができる。しかも、中間ギヤどうしの間に形成されるデッドスペースを利用してハウジングに支持部材を結合させることができる。したがって、本発明によれば、径方向に小型化された電動自転車用モータ駆動ユニットを提供することができる。
【0042】
また、本発明によれば、モータのハウジングに支持部材を結合させる結合部が中間ギヤより軸線方向に大きく突出することがないから、モータハウジングに支持部材を結合させてなる組立体を軸線方向に小型化することができる。このため、軸線方向にも小型化された電動自転車用モータ駆動ユニットを実現することができる。
【0043】
請求項2記載の発明によれば、二つの歯車を軸線方向に並べる構造に較べて、軸線方向の寸法を短くすることができる。このため、軸線方向により一層小型化された電動自転車用モータ駆動ユニットを実現することができる。
請求項4記載の発明によれば、前記複数の中間ギヤの小径ギヤどうしの間に形成されるデッドスペースを有効に利用して前記支軸の嵌合長さを長くとることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電動自転車用モータ駆動ユニットの断面図である。
【図2】 本発明に係る電動自転車用モータ駆動ユニットを車体フレームに取付けた状態を示す側面図である。
【図3】 モータ駆動ユニットの側面図である。
【図4】 モータハウジングの右側カバーの正面図である。
【図5】 支持部材の車体外側を示す正面図である。
【図6】 図5におけるVI−VI線断面図である。
【図7】 支持部材の車体内側を示す背面図である。
【図8】 電動自転車用モータ駆動ユニットの参考となる技術を示す断面図である。
【図9】 減速機の構成を示す側面図である。
【符号の説明】
8…モータハウジング、9…結合用ボルト、10…支持部材、12…車軸、15…ハブ、41…モータ、52…減速機、53,81…ピニオン、55,83…中間ギヤ、54,82…外周ギヤ、57…大径ギヤ、58…小径ギヤ。
Claims (4)
- ハブの内側に、モータと、このモータの回転を軸心部のピニオンから周囲の複数の中間ギヤを介してハブ側の外周ギヤへ伝達する減速機とを設け、前記モータのハウジングと、このハウジングの軸線方向の一端部に固定した支持部材とによって車軸を構成した電動自転車用モータ駆動ユニットにおいて、前記支持部材と前記ハウジングとを結合するボルトを、前記外周ギヤより径方向の内側であって、前記複数の中間ギヤどうしの間に配設し、
前記支持部材と前記ハウジングとを前記ボルトによって結合する結合部を、軸線方向の長さと軸線方向の位置が前記中間ギヤと略一致するように構成し、
前記中間ギヤは、前記ピニオンに噛合する大径ギヤと、この大径ギヤから車幅方向の外側に突出しかつ前記外周ギヤに噛合する小径ギヤとを有していることを特徴とする電動自転車用モータ駆動ユニット。 - 請求項1記載の電動自転車用モータ駆動ユニットにおいて、前記大径ギヤの歯の一部と、前記小径ギヤの歯の一部とが軸線方向に重なる構造を採っていることを特徴とする電動自転車用モータ駆動ユニット。
- 請求項1または請求項2記載の電動自転車用モータ駆動ユニットにおいて、前記外周ギヤと前記ハブとの間に、前記外周ギヤから前記ハブのみに動力を伝達する一方向クラッチを設けたことを特徴とする電動自転車用モータ駆動ユニット。
- 請求項1ないし請求項3のうちいずれか一つに記載の電動自転車用モータ駆動ユニットにおいて、前記支持部材は、前記前記ハウジングに固定される円板と、この円板に車幅方向の外側へ向けて突設された支軸とを備え、
前記円板と前記支軸との結合部を、前記複数の中間ギヤの小径ギヤどうしの間に臨むように形成したことを特徴とする電動自転車用モータ駆動ユニット。
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