JPH06263081A - 自転車用変速装置 - Google Patents

自転車用変速装置

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Publication number
JPH06263081A
JPH06263081A JP5226693A JP5226693A JPH06263081A JP H06263081 A JPH06263081 A JP H06263081A JP 5226693 A JP5226693 A JP 5226693A JP 5226693 A JP5226693 A JP 5226693A JP H06263081 A JPH06263081 A JP H06263081A
Authority
JP
Japan
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gear
carrier
gears
crankshaft
way clutch
Prior art date
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Pending
Application number
JP5226693A
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English (en)
Inventor
Sadao Mabuchi
貞雄 馬淵
Toru Fujikura
透 藤倉
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Bridgestone Cycle Co Ltd
Original Assignee
Bridgestone Cycle Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 クランク軸が撓むことがなく、スプロケット
の振れもなく、伝動効率がよい上に、走行し易く、かつ
耐久性のよい自転車用変速装置を提供すること。 【構成】 自転車のハンガ部に設けたギヤケース4を貫
通したクランク軸6にキャリヤ10を固定する。キャリヤ
10の同一円周上に複数列の歯車を一体に形成した遊星歯
車14を回動自在に軸着し、これら各遊星歯車のうちの少
なくとも一つと噛合する内歯歯車18とスプロケット19と
を一体的にして従動回転体20を形成する。この従動回転
体20とキャリヤ10との間に一方向クラッチ21を設け、前
記各遊星歯車14a,14b,14cと噛合する太陽歯車29,
30,31をクランク軸6を中心に設け、この太陽歯車29,
30,31の内周部と固定軸受部5との間に一方向クラッチ
32,33,34を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自転車のクランク軸部
に設ける遊星歯車機構付きの自転車用変速装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】自転車変速装置として現在多用されてい
るものは、多段のスプロケット間に掛け渡したチェーン
をディレーラーを介して掛け替える所謂外装変速機であ
る。この他に、後輪のハブ内に変速機構を内蔵した所謂
内装変速機もあり、さらに、クランク軸部に遊星歯車機
構を組み込んだ変速装置としては、例えば本出願人が先
に提案した特開昭63-74791号公報に開示されたものがあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記特開昭
63-74791号公報の変速装置と同様にクランク軸部に遊星
歯車機構を組み込む変速装置に関するものであり、前記
従来装置の問題点を解決してより優れた変速装置を提供
することを目的とするものである。
【0004】すなわち、本出願人が提案した前記特開昭
63-74791号公報の変速装置は、一般に使用されている多
段の外装変速機と異なり、いずれの変速段においてもク
ランク軸と直交する直線状の伝達経路によって伝動が行
われるので、チェーンやスプロケットに無理な力がかか
らず、効率のよい、耐久性の優れた自転車用変速装置と
してユーザーに提供されている。
【0005】しかしながら、前記従来装置には下記のよ
うな欠点があることが分かった。 (a) 従来装置のようにハンガ部外側に変速機構を取り
付けた構成にすると、該変速装置はクランク軸の片持ち
部に位置することになるから、ペダルに踏力がかかった
時にクランク軸が撓みギヤの噛み合いが悪くなったりス
プロケットが振れて効率が低下するという問題があっ
た。 (b) 変速段数を増加していくと変速装置の幅が厚くな
り、クランクアーム及びペダルの位置が外に飛び出し、
踏みづらくなったりカーブする時にペダルが地面に接触
するといった問題が出てきた。また、クランク軸が長く
なり、クランクアームの取付位置が外側に飛び出すの
で、ペダルに踏力を加えた時、さらにクランク軸が撓む
ようになり、ギヤがこじられて効率がさらに低下すると
いう問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の問題点を解決する
ため本発明においては、自転車フレームのハンガ部にハ
ンガを兼ねるギヤケースを設け、このギヤケースを貫通
して回転自在に支持したクランク軸にキャリヤを固定
し、このキャリヤの同一円周上にそれぞれ歯数の異なる
複数列の歯車を一体に形成した遊星歯車を回動自在に軸
着し、これら各遊星歯車のうちの少なくとも一つの歯車
と噛合する内歯歯車とスプロケットとを一体的に結合し
て従動回転体を形成し、この従動回転体と前記キャリヤ
との間に一方向クラッチを設け、前記各遊星歯車とそれ
ぞれ噛合する複数個の太陽歯車をクランク軸を中心とし
て設け、この太陽歯車の内周部と前記クランク軸を外包
する固定軸受部との間にそれぞれ一方向クラッチを設
け、これら各一方向クラッチの一つを選択的に接続でき
るようにして自転車用変速装置を構成する。
【0007】また、自転車フレームのハンガ部にハンガ
を兼ねるギヤケースを設け、このギヤケースを貫通して
回転自在に支持したクランク軸にキャリヤを固定し、こ
のキャリヤの同一円周上にそれぞれ歯数の異なる複数列
の歯車を一体に形成した遊星歯車を回動自在に軸着し、
これら各遊星歯車のうちの少なくとも一つの歯車と噛合
する内歯歯車とスプロケットとを一体的に結合して従動
回転体を形成し、前記各遊星歯車とそれぞれ噛合する複
数個の太陽歯車をクランク軸を中心として設け、この太
陽歯車の一つと前記従動回転体との間に一方向クラッチ
を設け、前記複数個の太陽歯車の内周部と前記クランク
軸を外包する固定軸受部との間にそれぞれ一方向クラッ
チを設け、これら各一方向クラッチの一つを選択的に接
続できるようにして自転車用変速装置を構成する。
【0008】
【作用】上述のように構成すれば、遊星歯車装置本体が
クランク軸の両持ち部分に位置する為、ペダル踏力が加
わった時にもクランク軸が撓む事なく、したがって、ギ
ヤの噛み合いが円滑で、又スプロケットの振れもなくな
り、効率的に力を伝達でき、且つ耐久性を向上させるこ
とができる。また、変速段数を増しても、クランクアー
ム及びペダルの取付位置が外方へ突出しないので、股を
開くこと無くスムーズにペダルを踏み込むことが出来、
カーブする際にもペダルが地面と接触することもない。
【0009】
【実施例】以下、図面について本発明の実施例を説明す
る。図中1は自転車フレームのメインパイプ、2は立パ
イプ、3はチェンステーであり、4は前記フレームのハ
ンガ部にフレームと一体的に形成したハンガを兼ねるギ
ヤケース、5はギヤケース4に捩じ込んでフレームと一
体的に固定したハンガワン兼用の固定軸受部、6は固定
軸受部5を貫通して回動自在に設けたクランク軸、7は
そのボールベアリング、8は玉押しリング、9はクラン
クアームである。
【0010】図1〜図7は、本発明の第1実施例を示す
もので、本実施例においては、図1に示すようにその中
心部をクランク軸6に締着した略円盤状のキャリヤ10の
同一円周上に複数個(本実施例では3個)の軸11を円周
等分位置においてクランク軸6と平行に配設する。すな
わち、キャリヤ10の内側面の3か所にそれぞれ突部10a
(図2参照)を適当な高さに突設し、これらの突部10a
に円環状のリングプレート12を当てがってボルト13によ
り固定し、このリングプレート12とキャリヤ10との間に
前記軸11をかけ渡して設ける。
【0011】また、それぞれ歯数の異なる複数個(本実
施例では3個)の遊星歯車14a,14b,14cを一体的に
形成し、この遊星歯車14をそれぞれ軸11に回動自在に嵌
合する。またこれら3個の遊星歯車14およびキャリヤ10
を外包するコップ状の本体15をハンガワン16およびボー
ルベアリング17を介してクランク軸6に回転自在に嵌装
し、前記した各遊星歯車14a,14b,14cのうちの一つ
の歯車14bと噛合する内歯歯車18を本体15の内周部に固
着すると共に、本体15の図1における右側端にスプロケ
ット19を固着して従動回転体20を一体的に形成する。
【0012】また、前記キャリヤ10の外周部とこれと対
向する従動回転体20の本体15の内周部との間に一方向ク
ラッチ21を介挿して、従動回転体20をキャリヤ10に対し
て一方向にのみ回転自在にする。すなわち図1,2に示
すように、21aは従動回転体20の本体15の円筒部の内周
に形成した一方向クラッチ21のラチェット、21bはキャ
リヤ10側に起伏自在に枢支した爪、21cはこの爪21bを
ラチェット21aと噛合する方向に付勢するばねである。
この一方向クラッチ21は他の形式のものでも勿論差し支
えない。
【0013】また従動回転体20の本体15の内側を支承す
るために、キャリヤ10とリングプレート12の同一円周上
の複数箇所(本実施例では6箇所)において、クランク
軸6と平行な軸22をキャリヤ10とリングプレート12の間
にかけ渡して設け、これらの軸22にそれぞれ小径ローラ
23と大径ローラ24を前記内歯歯車18の両側に回動自在に
設け、これらのローラ23,24を、従動回転体20の本体15
の内周と、内歯歯車18の肩部にそれぞれ接合させて従動
回転体20を支承するようにする。
【0014】また25は従動回転体20の本体15の外周面
と、ギヤケース4の内周面との間に設けたボールベアリ
ングで、26はその外側に設けたオイルシールである。
【0015】また、クランク軸6を外包する固定軸受部
5の外周に中空円筒状の爪胴27をインボリュートセレー
ション27a(図4(b),(c) 参照)を介して嵌合し、この
爪胴27の外周に変速円筒28(図4,5参照)を嵌合し、
さらにこの変速円筒28の外周に、前記遊星歯車14の各歯
車14a,14b,14cとそれぞれ噛合する太陽歯車29,30,
31を嵌合し、これら太陽歯車29, 30, 31の内周部と爪
胴27の外周部との間にそれぞれ一方向クラッチ32, 33,
34を設け、これら各一方向クラッチ32, 33, 34の一つを
選択的に接続できるように構成する。
【0016】すなわち、32a, 33a, 34a(図4参照)
は各一方向クラッチ32, 33, 34の爪で、この爪32a, 33
a, 34aはそれぞれ2個一組で、180 度の位相差をもっ
て爪胴27の外周に設けた凹欠部に起伏自在に枢支されて
いる。図4(b) は太陽歯車29に対する一方向クラッチ32
を示すものであり、図4(c) は太陽歯車30に対する一方
向クラッチ33を示すものであり、図4(d) は太陽歯車31
に対する一方向クラッチ34を示すものである。32b, 33
b, 34bは各爪を常に起すように付勢するリング状のば
ねであり、32c, 33c, 34cは太陽歯車29, 30, 31の内
周部に形成したラチェットである。
【0017】そして爪32a,33a,34aは図4(b),(c),
(d) に示すようにそれぞれ60度位相差をもって爪胴27の
外周部に枢支されている。また28a,28b,28cはそれ
ぞれ変速円筒28の胴部に設けた開口で、開口28aは爪32
aに対応し、開口28bは爪33aに対応し、開口28cは爪
34aに対応している。そしてこれらの開口28a,28b,
28cは図5(a) に示すように変速円筒28の胴部に各開口
の基準端縁(図5(a)においては時計回りの方向の端縁
a,b,c)が60度位相差をもって配置されており、か
つその開口28a,28b,28cの長さは28a<28b<28c
のように順に長くなっている。本実施例においては、そ
の開口長を角度で表せば、28aが28度、28bが41度、28
cが51度である。
【0018】また図5中の28dは変速円筒28の片側(ス
プロケット19側)に設けたフランジ、28eはその反対側
に設けた環状溝、28fはこの環状溝28e側の端縁の2か
所(180 °位相)に設けた切欠凹陥部である。
【0019】また図6は変速円筒28と一体的に結合して
変速操作をするためのシフトアーム35の詳細を示すもの
で、35aは変速円筒28の胴部に嵌合するリング部、35b
はリング部35aの内側に突設した舌片で、この2個の舌
片35bが変速円筒28の切欠凹陥部28fにそれぞれ嵌入す
るようになっている。35cはリング部35aの外側縁から
側方へ向けて突設したアーム部であり、35dはアーム部
35cと連続してフランジ状に突設したワイヤガイド部で
ある。35eはアーム部35cに設けたばね係止孔、35fは
同じくアーム部35cに設けたワイヤ係止孔である。
【0020】このシフトアーム35は、図1,3及び図4
(a) に示すように、変速円筒28の胴部に舌片35bが切欠
凹陥部28fに嵌入するようにして嵌合すると共に、環状
溝28e内に止め輪36を嵌着して変速円筒28とシフトアー
ム35とを一体的に結合する。また図3に示すように、変
速操作ワイヤ37の端部を孔35f、止めねじ38によりシフ
トアーム35に固定すると共に、孔35eとギヤケース4に
配設したばねフック39との間に戻しばね40を張設する。
【0021】図8,図9は本発明の第2実施例を示すも
ので、図中前記符号と同一の符号は同等のものを示して
いる。この第2実施例の前記第1実施例と異なる点は、
一方向クラッチ21の配設位置にある。即ち、第1実施例
における一方向クラッチ21は、キャリヤ10の外周部と従
動回転体20の本体15の内周部との間に配設したが、本実
施例においては、一方向クラッチ41を太陽歯車29とキャ
リヤ10との間に配設してある。
【0022】詳しくは、太陽歯車29のキャリヤ10側内周
部にラチェット41a(図9参照)を刻設し、それと対向
するキャリヤ10側に凹欠部を設け、そこに爪41bを爪ば
ね41cを介して起伏自在に枢支している。当然のことな
がら、この一方向クラッチは、太陽歯車29のキャリヤ10
側外周部と、それに対向するキャリヤ10の内周部との間
に設けてもよい。
【0023】次に上述のように構成した本発明装置の作
用を説明する。変速操作装置(図示せず)を操作して操
作ワイヤ37を図3の矢印Aの方向に引っ張ることによ
り、シフトアーム35を介して変速円筒28を戻しばね40に
抗して図4(b),(c),(d) において反時計方向に最大限ま
で回動させると、変速円筒28の胴部に設けた開口28a,
28b,28cと、固定軸部5に嵌合した爪胴27に設けた3
組6個の爪32a,33a,34aとの関係は図7(a) の状態
になる。すなわちこの場合、爪32a,33a,34aはすべ
て変速円筒28内にあるため、ラチェット32c,33c,34
cと係合する爪は一つもない。したがってこの場合太陽
歯車29, 30, 31はすべて自由に回転することができる。
【0024】この状態で、クランク軸6を図2の矢印B
方向に回転させるとクランク軸6に固定したキャリヤ10
が図2の矢印C方向に回転する。従って、一方向クラッ
チ21の爪21bとラチェット21aとの係合によって、従動
回転体20の本体15が同じく矢印H方向に回転する。この
ため従動回転体20及びスプロケット19も矢印Hの方向に
クランク軸6と一体的に回転する。この場合のクランク
軸6とスプロケット19との変速比は1:1である。
【0025】尚この時キャリヤ10と従動回転体20とは一
体的に回転するため、遊星歯車14もそれと噛合している
内歯歯車18と一体的に公転するから、この遊星歯車14の
各歯車14a,14b,14cとそれぞれ噛合している太陽歯
車29, 30, 31はそれぞれ歯数比によって個々に回転する
が、この回転はすべて一方向クラッチ32, 33, 34がいず
れも断の状態にあるため何等支障無く許容される。
【0026】また太陽歯車29, 30, 31は変速円筒28の外
周部に対して遊嵌されているが、本実施例においては3
個の遊星歯車に各太陽歯車が内接して噛合しているた
め、太陽歯車は中心軸によって枢支する必要はない。
【0027】つぎに前記した図7(a) の状態から操作ワ
イヤ37を図3の矢印Eの方向に一段緩めると、変速円筒
28が戻しばね40の作用によって図3において反時計方向
に回転する結果、変速円筒28の各開口が図7の(a) の状
態から、同図(b) の位置に移動する。このため開口28c
内に一対の爪34aの先端部が露出する結果、この爪34a
がばね34bの作用によって対応するラチェット34cと図
4(d) に示すように係合する。したがって太陽歯車31と
固定軸受部5との間の一方向クラッチ34が接続する。
【0028】この状態でクランク軸6を図2の矢印Bの
方向に回転させると、キャリヤ10,軸22を介して遊星歯
車14が図2の矢印Fの方向に公転する。しかしながらこ
の場合太陽歯車31のみが一方向クラッチ34によって矢印
F方向の回転を阻止されているため、この太陽歯車31と
噛合している大径の遊星歯車14cを介して遊星歯車14が
図2の矢印G方向に自転する。したがって遊星歯車14の
中径の歯車14bと噛合する内歯歯車18が矢印F方向の公
転と、矢印G方向の自転によって図2の矢印Hで示す方
向に増速されて回転する。この回転によって従動回転体
20の本体15がスプロケット19と共に回転する。この場合
のクランク軸6に対する従動回転体20の速度比は本実施
例の場合1:1.4 である。
【0029】なおこの場合他の太陽歯車29,30も遊星歯
車14の歯車14a,14bとそれぞれ噛合しているため、そ
れぞれが回転するが、これらの太陽歯車29,30はそれぞ
れ一方向クラッチ32,33がフリー状態にあるため、何等
支障はない。またこの場合は、図2においてキャリヤ10
の矢印C方向の回転より、従動回転体20の矢印H方向の
回転の方が速くなるが、この回転速度差は一方向クラッ
チ21によって許容される。
【0030】つぎに前記した図7の(b) の状態から操作
ワイヤ37を図3の矢印Eの方向にもう一段緩めると、変
速円筒がさらに回転して各開口が図7(b) の状態から同
図(c) の位置に移動する。このため開口28bからも二番
目の爪33aが露出するため、この爪33aによる一方向ク
ラッチ33も接続する。
【0031】この状態でクランク軸6を図2の矢印Bの
方向に回転させると、この場合は太陽歯車30も一方向ク
ラッチ33によって図2の矢印F方向の回転を阻止されて
いるから、遊星歯車14が図2における矢印F方向に公転
すると共に、矢印G方向に自転し、その結果内歯歯車18
が矢印H方向に回転する。しかしてこの場合の遊星歯車
14の矢印G方向の自転速度は、前記した場合の自転速度
よりも、その歯数差分だけ速くなるから、結局この場合
の増速比は前回の増速比よりも大きくなる。本実施例に
おけるこの場合の増速比は約1:1.6 である。
【0032】尚この場合、開口28c内の爪34aもラチェ
ット34cと係合する状態にあるが、この場合は太陽歯車
31のラチェット34cが爪34aを乗り越える方向に回転す
るため支障は生じない。
【0033】次に前記した図7(c) の状態から操作ワイ
ヤ37をさらにもう一段緩めると、開口28aが図7(d) ま
たは図4の(b) の状態になって、開口28aからも三番目
の爪32aが露出して図4(b) に示すように太陽歯車29の
ラチェット32cと係合する。その結果、クランク軸6が
矢印B方向に回転すると、この場合は遊星歯車14の図2
における矢印F方向の公転と、矢印G方向の自転によっ
て内歯歯車18が矢印H方向に回転する。そしてこの場合
の遊星歯車14の矢印G方向の自転速度は、前記した遊星
歯車14の自転速度よりも、その歯数差分だけ速くなるか
ら、結局この場合の増速比は前回の増速比よりもさらに
大きくなる。本実施例におけるこの場合の増速比は約
1:1.9 である。
【0034】また減速する場合には、上述した増速操作
とは逆に、操作ワイヤ37を図3の矢印A方向に引張っ
て、変速円筒28を図7(d) の状態から順次図7(c),(b),
(a) の状態にすることによって変速段を4→3→2→1
と移行させることができる。
【0035】本実施例のような開口28a,28b,28cを
有する変速円筒28による変速作用は、増速時には3組の
爪32a,33a,34aが一組ずつ開口より外方へ突出して
それぞれ対応するラチェットと順次噛合することによっ
て行なわれ、減速時には開口より外方へ突出している3
組の爪が一組ずつ開口の内方へ引き込むことによって行
なわれる。すなわち増減速共に、一組の爪を出し入れす
るだけで増減速が行なわれ、従来のように一個のクラッ
チを作動させる時に、もう一つのクラッチを同期して反
対作動させる必要がないため、変速時において空転や同
時噛み合いが生じること無く、変速の移行が滑らかに行
なわれる。しかも操作が容易で、作動が確実に行なわれ
るという利点がある。
【0036】次に、図8,9に示した第2実施例の作用
を説明すると、変速操作装置(図示せず)を操作して操
作ワイヤ37を図3の矢印Aの方向に引っ張ることによ
り、シフトアーム35を介して変速円筒28を戻しばね40に
抗して図4(b),(c),(d) において反時計方向に最大限ま
で回動させると、変速円筒28の胴部に設けた開口28a,
28b,28cと、固定軸部5に嵌合した爪胴27に設けた3
組6個の爪32a,33a,34aとの関係は図7(a) の状態
になる。すなわちこの場合、爪32a,33a,34aはすべ
て変速円筒28内にあるため、ラチェット32c,33c,34
cと係合する爪は一つもない。したがってこの場合太陽
歯車29,30,31はすべて自由に回転することができる。
【0037】この状態で、クランク軸6を図9の矢印J
方向に回転させるとクランク軸6に固定したキャリヤ10
が図9の矢印K方向に回転し、キャリヤ10に軸支されて
いる遊星歯車14も一体となって矢印L方向に公転する。
一方、遊星歯車14と噛合している太陽歯車29も一方向ク
ラッチ41の爪41bとラチェット41aとの係合によって、
キャリヤ10と一体となって矢印M方向に回転する。つま
り、クランク軸6、キャリヤ10、遊星歯車14、太陽歯車
29が一体となって回転する。これと連動して遊星歯車14
bと噛合している内歯歯車18、及びそれと一体的に形成
された従動回転体20の本体15、スプロケット19も矢印N
方向に回転する。この場合のクランク軸6とスプロケッ
ト19との変速比は1:1である。
【0038】尚、この場合、前述のように遊星歯車14は
キャリヤ10と一体的に公転するから、この遊星歯車14
b,14cとそれぞれ噛合している太陽歯車30,31もそれ
ぞれ歯数比によって個々に回転するが、この回転はすべ
て一方向クラッチ33,34がいずれも断の状態にあるため
何等支障無く許容される。続く作用は第1実施例の場合
と同じであるから説明は省略する。
【0039】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。 (a) 遊星歯車装置本体がクランク軸の両持ち部分に位
置する為、ペダル踏力が加わった時にもクランク軸が撓
む事なく、したがって、ギヤの噛み合いが円滑で又スプ
ロケットの振れもなくなり効率的に力を伝達でき且つ耐
久性を向上させることができる。 (b) 変速装置をハンガ部中央に配設したため、変速段
数を増しても、クランクアーム及びペダルの取付位置が
外方へ突出しないので、股を開くこと無くスムーズにペ
ダルを踏み込むことが出来、カーブを走行する際にもペ
ダルが地面と接触することもない。すなわち、変速段の
より多段化が可能である。 (c) ギヤケースがフレームに確実に固定されているの
で、スプロケットにチェーンテンションがかかった時で
も、円滑に回転する。 (d) スプロケットをフレームの中心寄りに配設できる
ので、足とチェーンとの干渉が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の縦断面図である。
【図2】図1におけるS1 −S1 ,S2 −S2 ,S3
3 の部分断面を示す側面図である。
【図3】図1におけるS1 −S1 断面図である。
【図4】(a) は、図1の要部の部分断面図であり、(b)
は、(a) のT−T断面図であり、(c) は、(a) のU−U
断面図であり、(d) は、(a) のV−V断面図である。
【図5】(a) は、変速円筒の正面図であり、(b) は、そ
の左側面図であり、(c) は、(a) の右側面図である。
【図6】(a) は、シフトアームの正面図であり、(b)
は、その側面図である。
【図7】(a),(b),(c),(d) は、変速円筒と爪の各種状態
における説明図である。
【図8】本発明装置の他の実施例を示す縦断面図であ
る。
【図9】図8におけるW1 −W1 ,W2 −W2 ,W3
3 の部分断面を示す側面図である。
【符号の説明】
1 メインパイプ 2 立パイプ 3 チェンステー 4 ギヤケース 5 固定軸受部 6 クランク軸 7 ボールベアリング 8 玉押しリング 9 クランクアーム 10 キャリヤ 11 軸 12 リングプレート 13 ボルト 14,14a,14b,14c 遊星歯車 15 従動回転体の本体 16 ハンガワン 17 ボールベアリング 18 内歯歯車 19 スプロケット 20 従動回転体 21 一方向クラッチ 22 軸 23 小径ローラ 24 大径ローラ 25 ボールベアリング 26 オイルシール 27 爪胴 28 変速円筒 29,30,31 太陽歯車 32,33,34 一方向クラッチ 35 シフトアーム 36 止め輪 37 変速操作ワイヤ 38 止めねじ 39 フック 40 戻しばね 41 一方向クラッチ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自転車フレームのハンガ部にハンガを兼
    ねるギヤケースを設け、このギヤケースを貫通して回転
    自在に支持したクランク軸にキャリヤを固定し、このキ
    ャリヤの同一円周上にそれぞれ歯数の異なる複数列の歯
    車を一体に形成した遊星歯車を回動自在に軸着し、これ
    ら各遊星歯車のうちの少なくとも一つの歯車と噛合する
    内歯歯車とスプロケットとを一体的に結合して従動回転
    体を形成し、この従動回転体と前記キャリヤとの間に一
    方向クラッチを設け、前記各遊星歯車とそれぞれ噛合す
    る複数個の太陽歯車をクランク軸を中心として設け、こ
    の太陽歯車の内周部と前記クランク軸を外包する固定軸
    受部との間にそれぞれ一方向クラッチを設け、これら各
    一方向クラッチの一つを選択的に接続できるようにした
    ことを特徴とする自転車用変速装置。
  2. 【請求項2】 自転車フレームのハンガ部にハンガを兼
    ねるギヤケースを設け、このギヤケースを貫通して回転
    自在に支持したクランク軸にキャリヤを固定し、このキ
    ャリヤの同一円周上にそれぞれ歯数の異なる複数列の歯
    車を一体に形成した遊星歯車を回動自在に軸着し、これ
    ら各遊星歯車のうちの少なくとも一つの歯車と噛合する
    内歯歯車とスプロケットとを一体的に結合して従動回転
    体を形成し、前記各遊星歯車とそれぞれ噛合する複数個
    の太陽歯車をクランク軸を中心として設け、この太陽歯
    車の一つと前記従動回転体との間に一方向クラッチを設
    け、前記複数個の太陽歯車の内周部と前記クランク軸を
    外包する固定軸受部との間にそれぞれ一方向クラッチを
    設け、これら各一方向クラッチの一つを選択的に接続で
    きるようにしたことを特徴とする自転車用変速装置。
JP5226693A 1993-03-12 1993-03-12 自転車用変速装置 Pending JPH06263081A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013517438A (ja) * 2010-01-20 2013-05-16 ザ ゲイツ コーポレイション 自転車用プラネタリギア機構

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