JPH06179388A - 自転車用変速装置 - Google Patents

自転車用変速装置

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Publication number
JPH06179388A
JPH06179388A JP4334227A JP33422792A JPH06179388A JP H06179388 A JPH06179388 A JP H06179388A JP 4334227 A JP4334227 A JP 4334227A JP 33422792 A JP33422792 A JP 33422792A JP H06179388 A JPH06179388 A JP H06179388A
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JP
Japan
Prior art keywords
gear
way clutch
gears
carrier
ratchet
Prior art date
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Pending
Application number
JP4334227A
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English (en)
Inventor
Sadao Mabuchi
貞雄 馬淵
Toru Fujikura
透 藤倉
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Bridgestone Cycle Co Ltd
Original Assignee
Bridgestone Cycle Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 変速操作が簡単且つ確実にでき、耐久性に優
れている上に、コンパクトな自転車用変速装置を提供す
ること。 【構成】 自転車フレームのハンガ部にハンガを兼ねる
ギヤケース4を設ける。このギヤケースを貫通したクラ
ンク軸10にキャリア15を固定し、このキャリア15の同一
円周上に、それぞれ歯数の異なる歯車16a, 16b, 16c を
一体に形成した複数個の遊星歯車16を回転自在に軸着す
る。遊星歯車16の内側に、太陽歯車9とスプロケット8
を一体的に形成した従動回転7を前記遊星歯車16a, 16
b, 16c の一つと噛合するように設け、遊星歯車16の外
側に、該遊星歯車16a, 16b, 16c とそれぞれ噛合する複
数個の内歯歯車20, 21, 22をそれぞれ独立して回転自在
に並設する。内歯歯車20, 21, 22とギヤケース4間にそ
れぞれ一方向クラッチC1を介在させて、これら各一方向
クラッチの一つを選択的に接続できるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自転車のクランク軸部
に設ける遊星歯車機構付きの自転車用変速装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】自転車用変速装置として現在多用されて
いるものは、多段のスプロケット間に掛け渡したチェン
をディレーラーを介して掛け替える所謂外装変速機であ
る。この他に、後輪のハブ内に変速機構を内蔵した所謂
内装変速機もあるが、多用されてはいない。更に、クラ
ンク軸部に遊星歯車機構を組み込んだ変速装置として
は、例えば本出願人が先に提案した特開昭62-99293号公
報に開示されたものがあり、また特開平1-266089号公報
や実開昭50-26547号公報に開示されているような遊星歯
車機構と外装変速機とを組み合わせる方式のものも提案
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記特開昭62
-99293号の変速装置と同様にクランク軸部に遊星歯車機
構を組み込む変速装置に関するものであり、前記従来装
置の問題点を解決してより優れた変速装置を提供するこ
とを目的とするものである。すなわち、本出願人が提案
した前記特開昭62-99293号の変速装置は、一般に使用さ
れている多段の外装変速機と異なり、いずれの変速段に
おいてもクランク軸と直交する直線状の伝達経路によっ
て伝動が行われるので、チェンやスプロケットに無理な
力がかからず、効率のよい、耐久性の優れた自転車用変
速装置としてユーザーに提供している。
【0004】しかしながら、前記従来装置には下記のよ
うな欠点があることが分かった。すなわち、該装置にお
ける変速用の一方向クラッチは、太陽歯車の内周部に設
ける構成としているので、軸心からの距離が非常に近い
ためにクランクアームに対するてこ比が大きくなり、そ
の結果、ペダルに踏力を加えると、これらの一方向クラ
ッチに大きな荷重がかかるため、一方向クラッチを構成
しているラチェットや爪等の耐久性を損なうという問題
があり、且つ踏力が加わっている状態で変速操作をする
場合には変速操作が重くなるということが分かった。
又、該装置は、構造上自転車の走行に適したギヤ比を得
るには装置自体の外形が大きくなり、重量および外観の
面からしても改善の余地があった。
【0005】又、特開平1-266089号公報や実開昭50-265
47号公報(前者は2枚のスプロケットが図示されている
が後者には変速方法は明示されていない)に提案されて
いるような機構のもの、すなわち遊星増速機構の出力側
に複数列のスプロケットを有し、外装変速機(ディレー
ラー)によってチェンを掛け替えて変速する機構のもの
は、外装変速機を必要としたり、複数のスプロケットを
設ける必要があるため、これが重量の増加やコストアッ
プの要因となっていた。またこれらの装置はチェンが斜
めに掛け渡される構造であるから、チェンやスプロケッ
トがこじられるという問題があり、加えて遊星歯車が片
持ち構造となっているので、これが効率や耐久性の低下
を招いていた。
【0006】また、本出願人が提案した特開昭62−9929
3 号公報の装置のように、遊星機構を組み込んだ変速装
置とスプロケットを片側に集中して設ける構造において
は、変速段数を増加していくと変速装置の幅が厚くな
り、結果的にクランク軸が長くなり、クランクの取付位
置が外側にとび出して、ペダルに踏力を加えた時、クラ
ンク軸が撓み、ギヤがこじられて効率が低下するという
問題があることが分かった。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の問題点を解決する
ため本発明においては、自転車フレームのハンガ部にハ
ンガを兼ねるギヤケースを設け、このギヤケースを貫通
して回転自在に支持したクランク軸にキャリアを固定
し、このキャリアの同一円周上に、それぞれ歯数の異な
る歯車を一体に形成した複数個の遊星歯車を回転自在に
軸着し、これら遊星歯車の内側に、太陽歯車とスプロケ
ットを一体的に形成した従動回転体を前記遊星歯車の一
つと噛合するように設け、前記遊星歯車の外側に、該遊
星歯車とそれぞれ噛合する複数個の内歯歯車をそれぞれ
独立して回転自在に並設し、前記内歯歯車とギヤケース
間にそれぞれ一方向クラッチを介在させて、これら各一
方向クラッチの一つを選択的に接続できるようにして自
転車用変速装置を構成する。
【0008】また前記した一方向クラッチとして、前記
各内歯歯車の外周にラチエット歯を刻設すると共に、前
記ギヤケースの外周に開口部を設け、そこに前記各ラチ
エット歯に対応してカムに連動する爪を回動自在に軸着
した爪台を固定し、操作ワイヤを操作することにより前
記カムを回転させて、該爪の一つを選択的に前記ラチエ
ット歯の一つに係合できるようにする。
【0009】また前記した自転車用変速装置のクランク
軸部と前記従動回転体との間に、一方向クラッチを設け
てもよい。
【0010】また前記した一方向クラッチとして、前記
従動回転体の内周にラチエット歯を刻設すると共に、前
記クランク軸の外周に爪胴を固定して設け、該従動回転
体と爪胴との間に爪を回動自在に配設し、該爪をばねに
よって前記ラチエットに係合させるようにしてもよい。
【0011】また前記した自転車用変速装置のクランク
軸に固定したキャリアと従動回転体との間に、一方向ク
ラッチを設けてもよい。
【0012】また前記した一方向クラッチとして、前記
従動回転体の外周にラチエット歯を刻設すると共に、そ
れと対向するキヤリアの内周に爪を回動自在に配設し、
該爪をばねによって前記ラチエットに係合させるように
してもよい。
【0013】
【作用】本発明装置は上述のように、自転車フレームの
ハンガ部にハンガを兼ねるギヤケースを設け、このギヤ
ケース内に遊星変速機構を組み込んだから、該遊星変速
機構をクランク軸の両持ち部(中央部)に配置すること
が出来ると共に、この遊星変速機構を支持する両支持点
の幅が広いので、ペダルに踏力がかかってもギヤ及びス
プロケットは円滑に回転することができる上に、装置自
体の外形を小さく抑えることにより、軽量かつ堅牢で大
量生産に適する自転車用変速装置を提供することができ
る。
【0014】また本発明装置は、いずれの変速段におい
てもクランク軸と直交する直線状の伝達経路によって力
の伝達が行なわれ、しかも両持ち構造であるから、各歯
車の伝達効率が優れている上に、強度的にも無理のない
構造であるから耐久性が優れている。また変速用の一方
向クラッチを装置外周部に設ける構造とした結果、軸心
から一方向クラッチまでの距離が遠くなったので、一方
向クラッチにかかる踏力によるトルクが小さくなり、こ
のため一方向クラッチを構成しているラチエットや爪の
耐久性が向上すると共に、踏力が加わっている状態での
変速操作も軽くなる。
【0015】また本発明装置は、従来多用されている外
装変速装置のように複数のスプロケットやチエンをそれ
に掛け替える為の外装変速機を必要としないのでコスト
や重量を抑えることができる。また変速操作レバーを操
作して操作ワイヤを引いたり戻したりするだけで一方向
クラッチを選択して変速操作を行なうことができるの
で、変速操作が簡単で且つ確実に変速することができ
る。
【0016】またクランク軸部と従動回転体との間、ま
たはクランク軸に固定したキヤリアと従動回転体との間
に一方向クラッチを設ければ、変速爪が壊れた時、急に
空転して事故を起こすおそれがなくなる。
【0017】
【実施例】以下、図面について本発明の一実施例を説明
する。図中1(図2参照)は自転車フレームのメインパ
イプ、2は立パイプ、3はチェンステー、4は自転車フ
レームのハンガ部に設けたハンガを兼ねるギヤケースで
ある。このギヤケース4はケース本体4aとケース蓋4bと
によって形成されており、4c, 4d, 4eはそれぞれケース
本体4aの外周部に突設したボス部であり、ボス部4c, 4
d, 4eにはメインパイプ1、立パイプ2、チエンステー
3がそれぞれ嵌入して接続されている。
【0018】また4fはケース本体4aの中心部に突設した
軸筒部であり、この軸筒部4f内には左側のハンガワン5
が嵌入して保持されるようになっており、またケース蓋
4bの中心孔4gには、ボールベアリング6を介して従動回
転体7が回転自在に設けられている。この従動回転体7
は、右側のハンガワン7aを兼ねており、その外側にはス
プロケット8が固着してあり、また内側の外周部には太
陽歯車9が一体に形成されている。
【0019】10は前記したハンガワン5,7aおよび鋼球
11を介して回転自在に枢支されたクランク軸、12, 13は
各ハンガワン5,7aとクランク軸10との間に設けたオイ
ルシールであり、14はクランク軸10の両端にそれぞれ嵌
着したクランクアームである。
【0020】またギヤケース4内のクランク軸10に略円
盤状のキヤリア15を固着する。15aはキヤリア15の中心
部を形成する軸筒で、キヤリア15と一体的に固着すると
共に、その内周部15b はクランク軸10のねじ部10a と螺
合しており、さらにその外側端部15c は前記した左側の
鋼球11の内側支承面になっている。また右側の鋼球11の
内側支承面10b はクランク軸10に形成されている。
【0021】キャリア15の右側端面には、図2に示すよ
うに3個の凹欠部15d が円周等分位置に形成されてお
り、それぞれ歯数の異なる複数個(本実施例では3個)
の歯車16a, 16b, 16c を一体的に形成した3個の遊星歯
車16を、前記した各凹欠部15d内に挿入すると共に軸17
によりキヤリア15に対して回転自在に枢支する。そして
前記歯車16a を前記太陽歯車9と噛合させる。また18は
軸17の右側端を支承するために設けたリング状の軸支承
板で、19(図1参照)はこの軸支承板18をキャリア15に
固定するためのボルトである。
【0022】また、前記遊星歯車16の各歯車16a, 16b,
16c とギヤケース4の間に、その内周に内歯をもち且つ
その外周にラチェット歯を刻設した内歯歯車20, 21, 22
を設けて、それぞれ前記遊星歯車16a, 16b, 16c と噛合
させる。また、ギヤケース4と内歯歯車20, 21, 22との
間にそれぞれ一方向クラッチC1を介在させる。
【0023】すなわち、20a, 21a, 22a は内歯歯車20,
21, 22の内周に形成した内歯で、20b, 21b, 22b は内歯
歯車20, 21, 22の外周に形成したラチェット歯である。
またギヤケース4のケース本体4aの外周に開口4hを設
け、そこに略ボックス状の爪台23を嵌着し、この爪台23
内に前記各ラチエット歯20b, 21b, 22b にそれぞれ対応
する爪24, 25, 26を軸27により爪台23に対して回動自在
に設け、これらの爪24,25, 26をそれぞれ対応するラチ
エット歯20b, 21b, 22b に係合するように附勢するばね
28を各爪の片側と爪台23との間に設けると共に、各爪の
他側とそれぞれ接触する3個のカム29, 30, 31を図3に
示すように、互に位相をずらせて爪台23を貫通する軸32
に固着し、この軸32の外方突出部にレバー33を固着し、
このレバー33の遊端部にピン34を介して操作ワイヤ35
(図2参照)を接続する。なお36(図1参照)は軸32に
嵌装したレバー33の戻しばねである。
【0024】また前記従動回転体7の内側端の内周部に
ラチエット歯7b(図2参照)を刻設すると共に、クラン
ク軸10の外周に爪胴37をねじにより固定して設け、この
爪胴37の外周部に複数個(本実施例では2個)の爪38の
基部38a を回動自在に枢着し、これらの爪38の遊端をそ
れぞればね(図示せず)によって前記ラチエット歯7bに
係合させるようにして一方向クラッチC2を構成する。な
お39(図1参照)は、キヤリア15と爪胴37との間のクラ
ンク軸10に嵌合したディスタンスカラーである。
【0025】また前記した一方向クラッチC2の代りに、
図4,5に示すようにな一方向クラッチC3を設けてもよ
い。すなわちこの一方向クラッチC3は、前記従動回転体
7の外周に太陽歯車9と隣接してラチエット歯7cを刻設
すると共に、キャリア15と軸17を介して一体的に結合さ
れているリング状の軸支承板18の板厚を厚くして、前記
ラチエット歯7cとの対向面に複数個(本実施例では2
個)の爪38の基部38a を回動自在に枢着し、これらの爪
38の遊端をそれぞればね(図示せず)によって前記ラチ
エット歯7cに係合させるようにして一方向クラッチC3
を構成する。なお図4,5中前記符号と同一の符号は同
等のものを示している。
【0026】つぎに上述のように構成した本発明装置の
作用を説明する。変速操作装置(図示せず)を操作し
て、操作ワイヤ35を図2の矢印Aの方向に最大限まで引
っ張ると、爪とラチェット歯の関係は図6 (a)の状態に
なる。すなわちこの場合、爪24, 25, 26がすべてカム2
9, 30, 31によってラチェット歯20b,21b, 22bとの係合
が解除されている。従って、図1 ,2のものでは従動回
転体7とクランク軸10との間の一方向クラッチC2だけが
接続しており、図4,5のものでは従動回転体7とキャ
リア15と一体的に結合しているリング状の軸支承板18と
の間の一方向クラッチC3だけが接続している。
【0027】この状態でクランクアーム14を図2の矢印
Bの方向に回転させると、図1,2の実施例では、クラ
ンク軸10、一方向クラッチC2を介して従動回転体7が矢
印Bの方向へ回転すると共に、スプロケット8が同方向
へ回転するから、チエン(図示せず)を介して後輪が回
転して自転車が走行する。この場合クランク軸10とスプ
ロケット8との回転比は1:1で、所謂ローの状態であ
る。
【0028】なお図4,5の実施例では、クランク軸10
の回転がキヤリア15、軸17、リング状の軸支承板18に伝
わり、この軸支承板18と従動回転体7との間に設けた一
方向クラッチC3を介してスプロケット8に1:1の回転
が伝わる。したがって作用は両実施例とも同様である。
【0029】つぎに前記した図6 (a)の状態から操作ワ
イヤ35を矢印Cの方向に一段ゆるめると、爪とラチェッ
ト歯の関係は図6 (b)の状態になる。すなわちこの場
合、爪26がカム31の回転によってラチェット歯22b と係
合して一方向クラッチC1が接続する。従って内歯歯車22
とギヤケース4との間が接続される。
【0030】この状態でクランクアーム14を図2の矢印
Bの方向に回転させると、クランク軸10、遊星キャリア
15、軸17を介して遊星歯車16が図7の矢印Dの方向に公
転するが、この場合内歯歯車22が一方向クラッチC1によ
って矢印D方向の回転を阻止されているため、この内歯
歯車22と噛合している遊星歯車16c が矢印Eの方向に自
転する。ところが遊星歯車16a, 16b, 16c は一体的に形
成されているので、遊星歯車16の回転によって内歯歯車
20, 21は矢印Fの方向に回転するが、この場合内歯歯車
20, 21とギヤケース4との間の一方向クラッチC1は接続
していないから、内歯歯車20, 21は空転するだけであ
る。すなわち、遊星歯車16の自転は歯車16c によって定
まる。従って遊星歯車16cと一体的に形成された遊星歯
車16a と噛合している太陽歯車9及びそれと一体のスプ
ロケット8が矢印G方向に増速されて回転することにな
る。本実施例における増速比は、1.87である。
【0031】また、前記した図6(b) の状態から操作ワ
イヤ35を矢印Hの方向にさらに一段ゆるめると、爪とラ
チェット歯の関係は図6(c) の状態になる。すなわちこ
の場合、爪25がカム30の回動によってラチェット歯21b
と係合して一方向クラッチC1を接続する。従って内歯歯
車21とギヤケース4の間が接続する。
【0032】この状態でクランクアーム14を図2の矢印
Bの方向に回転させると、前の場合と同様にクランク軸
10、遊星キャリア15、軸17を介して遊星歯車16が図7の
矢印Dの方向に公転するが、この場合内歯歯車21が一方
向クラッチC1によって矢印D方向の回転を阻止されてい
るため、この内歯歯車21と噛合している遊星歯車16bが
矢印Eの方向に自転する。ところが遊星歯車16a, 16b,
16c は一体的に形成されているので内歯歯車20, 22は矢
印F方向に回転させられるが、内歯歯車20, 22とギヤケ
ース4との間の一方向クラッチC1は接続していないか
ら、内歯歯車20,22は空転するだけである。すなわちこ
の場合遊星歯車16の自転は歯車16b によって定まる。従
って、遊星歯車16a と噛合している太陽歯車9およびそ
れと一体のスプロケット8が矢印G方向に前回よりさら
に増速されて回転することになる。本実施例における増
速比は、2.2 である。
【0033】また、前記した図6(c) の状態から操作ワ
イヤ35を矢印Iの方向にさらに一段ゆるめると、爪とラ
チエット歯の関係は図6(d) の状態になる。すなわちこ
の場合、爪24がカム29の回動によってラチエット歯20b
と係合して一方向クラッチC1を接続する。従って内歯歯
車20の矢印J方向の回転が阻止される。
【0034】この状態でクランクアーム14を図2の矢印
Bの方向に回転させると、前の場合と同様にクランク軸
10、遊星キャリア15、軸17を介して遊星歯車16が図7の
矢印Dの方向に公転するが、この場合内歯歯車20が一方
向クラッチC1によって矢印D方向の回転を阻止されてい
るため、この内歯歯車20と噛合している遊星歯車16aが
矢印Eの方向に自転する。ところが遊星歯車16a, 16b,
16c は一体的に形成されているので内歯歯車21, 22は矢
印F方向に回転させられるが、内歯歯車21, 22とギヤケ
ース4との間の一方向クラッチC1は接続していないか
ら、内歯歯車21,22は空転するだけである。すなわちこ
の場合遊星歯車16の自転は歯車16a によって定まる。従
って遊星歯車16a と噛合している太陽歯車9およびそれ
と一体のスプロケット8が矢印G方向に前回よりさらに
増速されて回転することになる。この状態が所謂トップ
の状態で、本実施例における増速比は、2.6 である。
【0035】逆に減速する場合は、操作ワイヤ35を図6
(d) の矢印Kの方向に引っ張る。すなわち図6において
(d) →(c) →(b) →(a) のように操作すれば良い。
【0036】
【発明の効果】本発明装置は上述のように、自転車フレ
ームのハンガ部にハンガを兼ねるギヤケース4を設け、
このギヤケース4内に遊星変速機構を組み込んだから、
該遊星変速機構をクランク軸10の両持ち部(中央部)に
配置することが出来ると共に、この遊星変速機構を支持
する両支持点の幅が広いので、ペダルに踏力がかかって
もギヤ及びスプロケットは円滑に回転することができる
上に、装置自体の外形を小さく抑えることにより、軽量
かつ堅牢で大量生産に適する自転車用変速装置を提供す
ることができるという効果が得られる。
【0037】また本発明装置は、いずれの変速段におい
てもクランク軸10と直交する直線状の伝達経路によって
力の伝達が行なわれ、しかも両持ち構造であるから、各
歯車の伝達効率が優れている上に、強度的にも無理のな
い構造であるから耐久性が優れている。また変速用の一
方向クラッチC1を装置外周部に設ける構造とした結果、
軸心から一方向クラッチC1までの距離が遠くなったの
で、一方向クラッチC1にかかる踏力によるトルクが小さ
くなり、このため一方向クラッチC1を構成しているラチ
エットや爪の耐久性が向上すると共に、踏力が加わって
いる状態での変速操作も軽くなるという効果が得られ
る。
【0038】また本発明装置は、従来多用されている外
装変速装置のように複数のスプロケットやチエンをそれ
に掛け替える為の外装変速機を必要としないのでコスト
や重量を抑えることができる。また変速操作レバーを操
作して操作ワイヤ35を引いたり戻したりするだけで一方
向クラッチC1を選択して変速操作を行なうことができる
ので、変速操作が簡単で且つ確実に変速することができ
るという効果が得られる。
【0039】またクランク軸10と従動回転体7との間、
またはクランク軸10に固定したキヤリア15と従動回転体
7との間に一方向クラッチC2, C3を設ければ、変速爪が
壊れた時、急に空転して事故を起こすおそれがなくなり
安全であるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の縦断面図である。
【図2】その一部切欠き側面図である。
【図3】位相の異なる3個のカムの斜視図である。
【図4】本発明装置の他の実施例を示す縦断面図であ
る。
【図5】その一部切欠き側面図である。
【図6】(a)(b)(c)(d)は、一方向クラッチの各作動状態
図である。
【図7】図2と対応する作動説明図である。
【符号の説明】
1 メインパイプ 2 立パイプ 3 チェンステー 4 ギヤケース 5 ハンガワン 6 ボールベアリング 7 従動回転体 8 スプロケット 9 太陽歯車 10 クランク軸 11 鋼球 12, 13 オイルシール 14 クランクアーム 15 キャリア 16, 16a, 16b, 16c 遊星歯車 17 軸 18 軸支承板 19 ボルト 20, 21, 22 内歯歯車 C1, C2, C3 一方向クラッチ 23 爪台 24, 25, 26 爪 27 軸 28 ばね 29, 30, 31 カム 32 軸 33 レバー 34 ピン 35 操作ワイヤ 36 戻しばね 37 爪胴 38 爪 39 ディスタンスカラー

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自転車フレームのハンガ部にハンガを兼
    ねるギヤケースを設け、このギヤケースを貫通して回転
    自在に支持したクランク軸にキャリアを固定し、このキ
    ャリアの同一円周上に、それぞれ歯数の異なる歯車を一
    体に形成した複数個の遊星歯車を回転自在に軸着し、こ
    れら遊星歯車の内側に、太陽歯車とスプロケットを一体
    的に形成した従動回転体を前記遊星歯車の一つと噛合す
    るように設け、前記遊星歯車の外側に、該遊星歯車とそ
    れぞれ噛合する複数個の内歯歯車をそれぞれ独立して回
    転自在に並設し、前記内歯歯車とギヤケース間にそれぞ
    れ一方向クラッチを介在させて、これら各一方向クラッ
    チの一つを選択的に接続できるようにしたことを特徴と
    する自転車用変速装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の一方向クラッチとして、
    前記各内歯歯車の外周にラチエット歯を刻設すると共
    に、前記ギヤケースの外周に開口部を設け、そこに前記
    各ラチエット歯に対応してカムに連動する爪を回動自在
    に軸着した爪台を固定し、操作ワイヤを操作することに
    より前記カムを回転させて、該爪の一つを選択的に前記
    ラチエット歯の一つに係合できるようにしたことを特徴
    とする自転車用変速装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のクランク軸部と前記従動
    回転体との間に、一方向クラッチを設けたことを特徴と
    する自転車用変速装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の一方向クラッチとして、
    前記従動回転体の内周にラチエット歯を刻設すると共
    に、前記クランク軸の外周に爪胴を固定して設け、該従
    動回転体と爪胴との間に爪を回動自在に配設し、該爪を
    ばねによって前記ラチエットに係合させるようにしたこ
    とを特徴とする請求項1記載の自転車用変速装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のクランク軸に固定したキ
    ャリアと従動回転体との間に、一方向クラッチを設けた
    ことを特徴とする自転車用変速装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の一方向クラッチとして、
    前記従動回転体の外周にラチエット歯を刻設すると共
    に、それと対向するキヤリアの内周に爪を回動自在に配
    設し、該爪をばねによって前記ラチエットに係合させる
    ようにしたことを特徴とする請求項1記載の自転車用変
    速装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2016196924A (ja) * 2015-04-03 2016-11-24 介▲隆▼興齒輪股▲ふん▼有限公司 内装変速機の制御装置の推進レバー制御システム

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