JP4494115B2 - 補強材 - Google Patents

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Description

本発明は、地盤を補強する補強材に関する。
従来、切土、自然斜面等の地山の法面や、既設の擁壁、盛土を補強するなど、地盤を補強するために、自穿孔型補強材を使用した補強土工法が用いられている。この自穿孔型補強材を使用した補強土工法としては、例えば、特許文献1に記載の補強土工法などが挙げられる。すなわち、筒部材とこの筒部材の先端に設けられたビットとを含んで補強材を構成し、前記ビットを回転させて地表から地中に向かって削孔するとともに、前記筒部材の中を通して前期ビット近傍から充填材を吐出させて孔内に注入する。前記充填材が硬化することにより前記筒部材の少なくとも先端側を地中に係止させ、かつ前記筒部材の基端側を地表に係止させて地盤を補強する、という補強土工法である。この方法によって、地盤が弛んだ場合でも、その地表面に筒部材の基端側が係止されているため、この筒部材を介して地表面が地中に支持され、地表面の崩壊を防止し、地盤を補強できる。
この特許文献1に記載の補強土工法において、補強材のセンター決めをし、かつ、補強材を地盤に強固に固定する目的のために、前記筒部材には鍔部材が取り付けられる。この鍔部材は環状体であり、2つの鍔部材片に分割可能な構造となっている。前記筒部材に鍔部材を取り付ける際は、それぞれの鍔部材片を筒部材の所望の位置に当てがい、これら鍔部材片の対向する端部同士をボルトなどの連結手段により複数箇所連結する。
また、筒部材の外周面には雄ねじが形成されており、かつ、鍔部材の内周面は筒部材の外周面に合わせて雌ねじが形成されている。このため、前記補強材を回転して地表から地中に向かって削孔しながら、補強材を地盤中に挿入していくと、補強材の回転に伴って鍔部材も連動して回転してしまい、鍔部材を筒部材の所望の位置に固定しておけなくなる。したがって、前記補強土工法においては、この鍔部材の回転を規制するために、前記筒部材上に回転規制部材を設けなければならず、あるいは、筒部材に熱間圧延加工を施して筒部材の断面形状を扁平形状にし、これに合わせて鍔状部材の取り付け部の形状も扁平形状にして鍔状部材の回転を規制するなどの工夫をしなければならなかった。
特開2003−27482号公報
しかしながら、特許文献1記載の補強材を形成する場合、前記鍔部材は2分割された構成になっており、このため、鍔部材を筒部材に取り付けるのに少なくとも2箇所の連結箇所を連結しなければならない。また、この補強材は比較的大型であるため、実際、鍔部材を筒部材に取り付ける作業には、一人の作業者が筒部材を保持し、他の作業者が分割された鍔部材片を筒部材にそれぞれ当てがい、さらに他の作業者がこれら鍔部材の対向する端部同士をボルトで複数箇所連結しなければならず、補強材の組み立て作業に時間と手間がかかる。
また、特許文献1の補強材では、前記補強材を地盤に回転しながら挿入していく過程において、筒部材の回転に伴って鍔部材が回転しないように、上述のような構成を採る必要があった。しかし、前記筒部材に回転規制部材を取り付けることによって、取り付け部品数が多くなり、また、筒部材に切削加工を施し、かつ鍔部材の取り付け部の形状も加工することにより、製造工数が多くなる、などの問題が一例として挙げられる。
ここで、本発明の目的は、地盤を強固に補強し、かつ、組み立てが容易で製造工数の少ない補強材を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の補強材は次の構成を採用する。請求項1に記載の補強材は、外周面に雄ねじが形成され、内部に充填材が充填可能とされる筒部材と、前記筒部材の先端に設けられ地盤を削孔するビットと、前記筒部材の外周に設けられる鍔部材と、を含んで構成され、前記筒部材の中に充填された充填材を前記ビット近傍から吐出させて孔内に注入し、前記充填材が硬化することにより前記筒部材の少なくとも先端側を地中に係止して地盤を補強する補強材であって、内周面が軸方向に沿って略平坦に形成され、一部に開口部が形成された略C型形状の鍔部材本体と、前記鍔部材本体の開口端同士を閉じて前記筒部材に前記鍔部材本体を連結する連結部材と、を備え、前記鍔部材本体の開口端は、互いに対向する平坦な開口面をそれぞれ有し、前記鍔部材本体の開口面付近の外周面には、前記開口面に平行な切欠面を備えた凹部を有し、前記切欠面には、軸方向が前記開口面に直交し前記連結部材が挿入される連結部材挿入孔が貫通形成され、前記鍔部材本体の開口を当接して前記連結部材で連結し前記筒状体に取り付けた際、前記鍔部材は環状体となり、前記鍔部材本体の内周面が圧接されて前記筒部材の外周面に密着することを特徴とする。
この発明によれば、前記鍔部材本体がC型形状であり、一つの連結部材で鍔部材本体の開口端同士を閉じれば鍔部材本体を筒部材の外周に連結できるので、鍔部材本体を筒部材に係合させておけば、鍔部材本体を作業員が持つことを要しないので、補強材を組み立てる際に、一人でも鍔部材を筒部材に簡単に取り付けられる。
また、前記鍔部材本体は内周面が略平坦に形成されており、前記連結部材により鍔部材本体の開口端同士を強く閉じれば、この内周面が筒部材の外周面に形成された雄ねじに圧接され、外周面に密着する。このため、前記補強材を地盤に回転しながら挿入していく過程において、筒部材の回転に伴った鍔部材の回転を規制することができ、鍔部材の回転を規制するために取り付け部品数を増やす必要がなく、筒部材に切削加工を施す等の製造工程も不要となり、補強材の製造工数が少なくて済む。補強材を地盤に回転しながら挿入していく過程では、鍔部材は、補強材のセンター決めを行う。また、鍔部材本体は開口端を当接して筒部材に取り付けるので、前記鍔部材は環状体となる。つまり、鍔部材には引っ掛かりがなく、筒部材を孔に挿入する際、円滑かつセンターが曲がることなく挿入でき、充填材は孔内を円滑に流動し、万遍なく充填することができる。
また、このとき本発明では、前記開口端は互いに対向する平坦な開口面をそれぞれ有し、前記鍔部材本体は、前記開口面付近の外周面に開口面に平行な切欠面を備えた凹部を有し、前記切欠面には、軸方向が前記開口面に直交し前記連結部材が挿入される連結部材挿入孔が貫通形成されることが好ましい。この発明によれば、前記鍔部材を前記筒部材に取り付けた状態において、前記連結部材は鍔部材本体に内包され、鍔部材の環状形を保持できるので、前述の効果をよりよく発揮することができる。
請求項に記載の補強材は、請求項1に記載の補強材において、前記鍔部材本体は、ポリエチレンからなることを特徴とする。この発明によれば、鍔部材本体は適度な弾性を有したポリエチレンから構成されるため、前記鍔部材は前記筒部材の外周表面に密着し、前記補強材を地盤に回転しながら挿入していく過程において、筒部材の回転に伴った鍔部材の回転を確実に規制することができる。また、連結部材により鍔部材本体の開口端を閉じる際、鍔部材が元の形状に戻ろうとするため連結部材に引張り力が作用し、連結部材で締め付ける最中も鍔部材が所定の位置からずれることもなく、かつ鍔部材が弛むこともない。
請求項に記載の補強材は、請求項1または請求項2に記載の補強材において、前記鍔部材の軸方向における断面は略半円形であることを特徴とする。この発明によれば、請求項1の発明に係る前述の効果をさらによく発揮することができる
請求項に記載の補強材は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の補強材において、前記連結部材にはボルトを用い、前記連結部材挿入孔は前記ボルトが挿通される孔であることを特徴とする。連結部材として従来のボルトを用いることができるので、構成が単純であり、前記鍔部材を前記筒部材に容易に取り付けられる。また、前記連結部材挿入孔は、ボルトが挿通される孔をドリル加工などにより形成するだけなので、鍔部材の製造が容易であり、製造工数が少なくて済む。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に係る補強材10が適用された法面2の断面図が示されている。法面2は、掘削重機等で地盤1を掘削することにより所望の角度で平面状に形成されたものであって、その全面に亘って所定の厚さのコンクリート層3が設けられている。コンクリート層3の水平方向および勾配方向の一定間隔置きには、法面2に略垂直でかつ地盤1の内部に向かって補強材10が設けられている。
〔補強材10の構成〕
図2には、補強材10の断面図が示されている。補強材10は、形成された孔4の内部に埋設されており、充填材5が孔4の全長に亘って孔4と補強材10との間に充填されて硬化することによって、補強材10がその全長に亘って地中に係止されるとともに、その基端部が地表のコンクリート層3に係止されている。その結果、法面2は、コンクリート層3、補強材10、および充填材5を介して地盤1の地中に支持されて補強されている。
補強材10は、所定長さを有する複数の筒部材11と、筒部材11同士を連結する複数の継手部材12と、筒部材11の先端に設けられたビット13と、筒部材11の外周に取り付けられた複数の鍔部材14とを備えている。また、補強材10の基端部には、ナット6が螺合され、このナット6に係合されかつコンクリート層3に埋設されたプレート7が設けられている。
図3には筒部材11と連結された状態の継手部材12が示されており、図3(A)は、断面図であり、図3(B)は正面図である。筒部材11は、パイプ外径28.4mm、パイプ長さ1500mm以下の筒状に形成され、その内部には充填材が充填される。筒部材11の外周面には雄ねじ11Aが形成されており、また、筒部材11の両端側は端部に向かって細くなるテーパ状に形成されている(図3(A)参照)。この筒部材11は、全長に亘って継目が無い鋼管の外周に雄ねじ11Aを形成した後、高周波加熱による焼入れ、焼き戻しをすることによって形成される。例えば、鋼管にC(炭素)0.42〜0.48%、P(リン)0.03%以下、S(硫黄)0.03%以下を含む鋼を用いて上記の熱処理を施した場合、筒部材11は、PC鋼棒B種1号と同様の機械的性質を有し、引張り強さは1080N/mm以上である。なお、焼入れおよび焼き戻しの加熱方法としては、高周波加熱に限らず、炉加熱等で行っても良い。また、筒部材11の寸法および材料も、上記のものに限らず、用途に応じて任意に変更できる。
継手部材12は、最大外径53mm、長さ142mmの略筒状体であって、その外周部には略中央から両端側に向かって下がるテーパ部120が形成され、その内周部全周には筒部材11の端部が螺合する雌ねじが形成されている。また、継手部材12の内部には、仕切り部121および連通孔122が形成されている。仕切り部121は、継手部材12の内部空間をそれぞれ一端側の開口を含む2つの空間に仕切る段差である。連通孔122は、仕切り部121の略中央に形成される空間であり、前記仕切られた2つの空間を連通する。これにより、継手部材12の両端側内周に、2つの筒部材11の一端部をそれぞれ仕切り部23に当接するまで螺合し、仕切り部121の連通孔122を介して2本の筒部材11同士を連結し、連結された筒部材11および継手部材12の内部空間を連通することができる。
また、継手部材12の外周面には、テーパ部120の最頂部に、六角レンチを使用して締め付けられるように削り出し部123が形成されており、このため、削り出し部123の形成される部位において、筒部材11の軸方向に直交する断面は六角形となっている(図3(B)参照)。この継手部材12の材質は、例えば、球状黒鉛鋳鉄FCD600−3などを用いることができる。なお、継手部材12の寸法および材質は上記のものに限らず、用途に応じて任意に変更できる。
図4には、ビット13の詳細な構造が示されており、図4(A)はビット13の側断面図であり、図4(B)はビット13の正面図である。ビット13は、最大外径65mm、長さ80mmの略円筒容器状の部材であり、補強材10の先端部に取り付けられ、地盤1を掘削して孔4を形成する。このビット13は、第1直線部材130、第2直線部材131、筒部材取り付け部132、削孔用チップ133および充填材吐出孔部134を備えており、これらは鋳造加工により一体的に形成され、その材質には球状黒鉛鋳鉄が用いられる。
第1直線部材130および第2直線部材131は、それぞれ略五角柱状のブロックであり、これらは互いに所定の角度で交差するように形成されている。
筒部材取り付け部132は、略筒状体であり、第1直線部材130および第2直線部材131の基端側に取り付けられ、その内周面には雌ねじが形成されている。この筒部材取り付け部132の内周面には、筒部材11の一端がねじこまれ、この筒部材11の先端は、筒部材取り付け部132の内周面奥側で係止するようになっている。
削孔用チップ133は、地盤1を掘削する略十字状の刃部材であり、第1直線部材130および第2直線部材131の先端側に、高周波熱処理を施すことにより形成される。ビット13を回転しながら削孔する際、この削孔用チップ133によって掘削された土塊は、第1直線部材130と第2直線部材131との間のスペースから後方に送られる。
充填材吐出孔部134は、筒部材取り付け部132の内部から運ばれてくる充填材を吐出する孔であり、第1直線部材130および第2直線部材131の基端側表面から筒部材取り付け部132の内周面までを貫通して、計4個設けられている。
なお、このビット13の寸法、形状、および材質は上記のものに限らず任意であり、また、充填材吐出孔部134の位置および個数も上記に限らず任意である。
〔鍔部材14の構成〕
次に、鍔部材14について、図5、図6に基づいて説明する。図5は、本実施形態に係る鍔部材14が示されており、図5(A)はその正面図であり、図5(B)はその側面図であり、また、図5(C)は図5(A)中C−C線に沿った断面図を示している。図6は、筒部材11に連結した状態の鍔部材14が示されており、図6(A)はその側断面図であり、図6(B)はその正面図である。
図5および図6において、鍔部材14は、補強材10のセンター決めをし、かつ、補強材10を地盤1に強固に固定する目的のために、筒部材11の長さ方向略中間に取り付けられる部材であり、鍔部材本体15および連結部材16を備えている。
鍔部材本体15は、ポリエチレンからなる弾性体であり、円孔150を有した環状体の一部に軸線Pの方向と平行な切欠きを入れて開口部151を形成したものであり、外径50mm、内径29mm、および高さ20mmの寸法を有している。鍔部材本体15の開口部151の近傍にはボルト孔152が形成されている。
また、この鍔部材本体15は、その内周面153が略平坦に形成され、その外周面154が略半円状に湾曲して形成されている。これにより、内周面153を構成する直線とこの直線の両端と接続される円弧とからなり、鍔部材本体15の軸線Pと平行な断面は略半円形状となっている(図5(C)参照)。
図5(A)に示される通り、開口部151を開いた状態において、円孔150の直径は、筒部材の軸方向と直交する断面の外径よりも大きく形成されている。したがって、筒部材11の端部を鍔部材本体15の円孔150に通し、鍔部材本体15を筒部材11の所望の位置まで移動する際、滑らかに移動できる。
図6(B)に示される通り、開口部151を閉じると、円孔150は縮小する。したがって、筒部材11の外周に鍔部材本体15を取り付ける際、開口部151を閉じると、筒部材11の外周に形成された雄ねじ11Aの略平坦な頂部が、鍔部材本体15の内周面153に圧接されるようになり、そのため鍔部材14を筒部材11の外周に密着固定することができる。
開口部151は、所定の距離をおいて互いに対向する開口端151A、151Bの間のスペースから形成されており、これら開口端151A、151Bは平坦面であり、それぞれ鍔部材本体15の軸線P方向に対して平行に形成されている。これら開口端151Aと151Bとの距離は、開口部151を閉じた際、鍔部材本体15が筒部材11の外周に密着固定できる程度に適宜調整された間隔となっている。なお、この開口部151は、従来の切削機等を用いて切欠きを入れることにより、形成することができる。
ボルト孔152は、開口端151A側のボルト孔152Aと、開口端151B側のボルト孔152Bとからなり、それぞれ開口端151A、151Bが形成された面に対して直交する方向に設けられ、かつそれぞれが同一の中心軸を有している。
ボルト孔152Aは、開口端151Aの略中心から外周面154までを貫通して、開口端151Aが形成された面に対して直交する方向に沿って形成されている。このボルト孔152Aは、孔径の異なる2つの孔が連続して形成されており、外周面154側には大きな孔が形成され、開口端151A側には比較的小さな孔が形成されている。これによりボルト孔152Aには段差部が形成される。
ボルト孔152Bは、雌ねじであり、開口端151Bの略中心から外周面154までを貫通して、開口端151Bが形成された面に対して直交する方向に沿って形成されている。
なお、これらのボルト孔152A、152Bは従来のドリル加工等により形成することができる。
連結部材16は、ボルトからなり、鍔部材本体15のボルト孔152に挿入される。連結部材16は、鍔部材本体15のボルト孔152Aの段差に当接する基端側の頭部と、鍔部材本体15のボルト孔152Bに螺合する先端側のねじ部とが一体形成されている。
〔補強作業〕
本実施形態の補強材10を用いて補強作業を行う場合について、図7に基づいて説明する。図7は本実施形態の補強土工法の作業工程を示す図であり、(A)は地盤を掘削し法面を出す工程を示す図であり、(B)は法面にコンクリート層を吹き付ける工程を示す図であり、(C)は補強材を地盤に挿入する工程を示す図である。
まず、図7(A)に示すように、掘削重機によって、地盤1の所定深さの掘削を行い、法面2の一部を露出させる。掘削した部分の底面は整地しておく。この整地した底面上に、図7(B)に示すように、吹き付け機を設置し、法面2にコンクリートの吹き付け施工を行って、法面2を仮保護する。
次に、図7(C)において、削孔機を設置し、この削孔機を法面2に垂直な方向に固定する。次に、ビット13を回転させて法面2から地中に向かって削孔して孔4を形成するとともに、筒部材11の中を通してビット13から充填材5を吐出させて孔4内に注入する。この作業は、予め鍔部材14を取り付けた筒部材11を複数本用意しておき、この筒部材11を継手部材12を用いて順次連結しながら行う。連結する筒部材11の本数は、作業条件により任意であり、本数は問わない。
なお、筒部材11への鍔部材14の取り付けは、鍔部材本体15の円孔150に筒部材11の一端を挿入し筒部材11の所定位置まで移動し、この鍔部材本体15のボルト孔152に連結部材16を通しこれをドライバーで締め付けることによって行う。
削孔作業が完了すると、補強材10は、その基端部が法面2から露出した状態となるため、この基端部にプレート7を取り付けてナット6を螺合する。その後、仮保護された法面2上にコンクリートを打設することにより、ナット6、プレート7を含むコンクリート層3を形成する。以上のような作業を繰り返すことによって、所定の深さまで補強材10を施工できる。
〔作用効果〕
したがって、本実施形態によれば以下に挙げる作用効果を達成することができる。
(1)本実施形態である補強材10は、筒部材11、ビット13および鍔部材14とを含んで構成されており、筒部材11の中に充填された充填材5は、ビット13の孔部134から吐出されて孔4内に流れ込み、この充填材5が硬化することにより、孔4の全長に亘り筒部材11が地中に係止される。これと同時に、法面2上を覆うコンクリート層3に補強材10の一端が係止されるので、コンクリート層3は充填材5および補強材10によって地盤1の地中に支持され、地盤1を確実に補強できる。
(2)筒部材11の外周上における所定の位置に鍔部材14を設けたので、鍔部材14が充填材流動時の障害物となって充填材5が迂回しようとするため、土との接触面がくぼむことになる。そのため、充填材5と土との部分の付着性が良くなり、充填材5を筒部材11の全長に亘って充填でき、地盤1を確実に補強できる。また、鍔部材14は、筒部材11を孔4に挿入する際、孔4内の壁に接触し、これにより筒部材11の中心軸が曲がることを防ぐことができる。つまり、補強材10のセンター決めを行うことができる。
(3)鍔部材14は、一部に開口部151が形成された略C型形状の鍔部材本体15と、
鍔部材本体15の開口端151A、151B同士を閉じて筒部材11に鍔部材本体15を連結する連結部材16と、を備えている。このため、一つの連結部材16で鍔部材本体15の開口端151A,151B同士を閉じれば鍔部材本体15を筒部材11の外周に連結できるので、補強材10を形成する際、一人でも鍔部材14を筒部材11に簡単に取り付けられ、作業効率が向上する。
(4)ポリエチレンからなる鍔部材本体15の内周面153は略平坦に形成されており、連結部材16により鍔部材本体15の開口部151を強く閉じれば、筒部材11の外周に形成された雄ねじ11Aの先端面が内周面153に圧接し、鍔部材14が筒部材11の外周に密着する。このため、前記補強材を地盤に回転しながら挿入していく過程において、筒部材の回転に伴った鍔部材の回転を規制することができ、これにより取り付け部品数を増やす必要がなく、また、筒部材に切削加工を施す等の製造工程も不要となり、補強材の製造工数が少なくて済む。
また、連結部材16により鍔部材本体15の開口部151を閉じる際、弾性体である鍔部材本体15が元の形状に戻ろうとするため、連結部材16に引張り力が作用し、連結部材16で締め付ける作業中においても鍔部材14が所定の位置からずれることもなく、かつ鍔部材本体15が弛むこともない。
(5)連結部材16はボルトからなり、鍔部材本体15の開口部151付近にはボルトが挿通されるボルト孔152が形成される。したがって、連結部材16には従来からあるボルトを用いたので構成が単純であり、鍔部材14を筒部材11に取り付けるのには、ドライバーで一箇所のねじを締め付けるだけで済み、作業が容易である。また、鍔部材本体15のボルト孔152は、従来あるドリル加工によって容易に形成でき、構成が単純であり、製造工数が少なくて済む。
(6)鍔部材本体15の軸線と平行な断面は、略半円形状に形成されており、このため、筒部材11を孔4に挿入する際に鍔部材14に引っ掛かりがないから、筒部材11を円滑に挿入できる。また、充填材5は、孔4内を円滑に流動し、孔4内に万遍なく行き届く。これにより、巣の発生を押えることができ、確実に補強材10を施工できる。
(7)筒部材11の外周面に形成した雄ねじ11Aは、継手部材12の雌ねじまたはビット13の筒状の取り付け部132と螺合する部位となるだけではなく、充填材5を孔4内に充填させた際に、雄ねじ11Aの凹凸面に充填材5が入り込むから、筒部材11の付着力が増大して確実に充填材5に係合されることとなり、補強材10を確実に地盤に係止することができる。
〔変形例〕
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、図8に示される通り、連結部材16は、ボルト160とナット161とを備えた構成でも良い。この場合、上記(1)〜(7)の作用効果に加え、鍔部材本体15の一部に雌ねじを形成する必要がなく、鍔部材本体15の構造を簡易なものにできる他、ボルト160およびナット161を汎用されているものを用いれば、鍔部材の製造コストを低くすることができる。また、本発明では、ナット161を鍔部材本体15の開口端151Bから本体内部に埋設した構成でも良い。要するに、本発明の連結部材16は、必ずしもボルトを用いる必要はなく、鍔部材本体15の開口部151を閉じる機構を有していれば、その具体的な構造は問わない。
前記実施形態に係る鍔部材本体15は、ポリエチレンから形成されているが、これに限らず、適度な弾性を有した材質であれば構わない。例えば、金属から鍔部材本体を形成するものでもよい。また、鍔部材本体15の全体は、弾性材料のみで形成されているが、筒部材11に当接される内周面153が弾性材料で形成され、鍔部材本体15の外周面154は金属などの剛性材料で形成して、鍔部材本体15を二層構造とした構成でも良い。これにより、外周面154が剛性を有し、かつボルト孔152が剛性を有し強化されるので、上記(1)〜(7)の作用効果に加え、補強材10を孔4に挿入した際、鍔部材14が孔4内の壁に擦り付けられ、鍔部材14が損傷する虞がなくなる。
前記実施形態に係る鍔部材本体15において、その軸線と平行な断面は略半円形として形成されているが、これに限らず、この断面形状は鍔部材本来の目的が達成される形状であればいずれでも良く、例えば、この断面形状が三角形や台形であっても良い。
また、鍔部材本体15の内周面153は、上記実施形態においては平坦面として形成されるが、この平坦面は必ずしも平滑面を意味するのではなく、表面に微小な凹凸が形成された場合や、表面に細かな魚鱗状の溝が形成された場合であっても良い。
さらには、鍔部材本体15の厚さ寸法が短い構造のものであれば、その内周面153と筒部材11の外周に形成された雄ねじ11Aの谷部分とが圧接する構造であってもよい。
本発明は、自然斜面等の地山の法面や、既設の擁壁、盛土を補強するなど、種々の補強材として利用することができる。
本発明の一実施形態に係る補強材が適用された法面を示す断面図。 前記実施形態に係る補強材を示す断面図。 前記実施形態に係る筒部材と連結された状態の継手部材を示すもので、(A)は断面図、(B)は正面図。 前記実施形態に係るビットを示すもので、(A)は側断面図、(B)は正面図。 前記実施形態に係る鍔部材を示すもので、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は図5(A)中C−C線に沿う断面図。 前記実施形態に係る筒部材に連結された状態の鍔部材を示すもので、(A)は側断面図、(B)は正面図。 前記実施形態に係る補強材を用いた補強作業工程を示すもので、(A)は第一の工程の概略図、(B)は第2の工程の概略図、(C)は第3の工程の概略図。 本発明の変形例に係る鍔部材を示す正面図。
符号の説明
1 地盤
2 法面
3 コンクリート層
4 孔
5 充填材
10 補強材
11 筒部材
12 継手部材
13 ビット
14 鍔部材
15 鍔部材本体
16 連結部材

Claims (4)

  1. 外周面に雄ねじが形成され、内部に充填材が充填可能とされる筒部材と、
    前記筒部材の先端に設けられ地盤を削孔するビットと、
    前記筒部材の外周に設けられる鍔部材と、を含んで構成され、
    前記筒部材の中に充填された充填材を前記ビット近傍から吐出させて孔内に注入し、前記充填材が硬化することにより前記筒部材の少なくとも先端側を地中に係止して地盤を補強する補強材であって、
    前記鍔部材は、内周面が軸方向に沿って略平坦に形成され、一部に開口部が形成された略C型形状の鍔部材本体と、
    前記鍔部材本体の開口端同士を閉じて前記筒部材に前記鍔部材本体を連結する連結部材と、を備え、
    前記鍔部材本体の開口端は、互いに対向する平坦な開口面をそれぞれ有し、
    前記鍔部材本体の開口面付近の外周面には、前記開口面に平行な切欠面を備えた凹部を有し、
    前記切欠面には、軸方向が前記開口面に直交し前記連結部材が挿入される連結部材挿入孔が貫通形成され、
    前記鍔部材本体の開口を当接して前記連結部材で連結し前記筒状体に取り付けた際、前記鍔部材は環状体となり、前記鍔部材本体の内周面が圧接されて前記筒部材の外周面に密着する
    ことを特徴とした補強材。
  2. 請求項に記載の補強材において、
    前記鍔部材本体は、ポリエチレンからなる
    ことを特徴とした補強材。
  3. 請求項1または請求項2に記載の補強材において、
    前記鍔部材の軸方向における断面は、略半円形である
    ことを特徴とした補強材。
  4. 請求項1から請求項のいずれかに記載の補強材において、
    前記連結部材はボルトを備え、
    前記連結部材挿入孔は前記ボルトが挿通される孔である
    ことを特徴とした補強材。
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