JP4676447B2 - 外装コンクリート管の製造方法及び外装コンクリート管製造用型枠 - Google Patents
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Description
この種の外装コンクリート管は、一般に、管体を地中に埋設する際に採用されるいわゆる「推進工法」に多く用いられる。
掘進機21と先頭管20とは、その先頭管20に設けた前記フランジ部6の貫通孔22に挿通されたボルト26等により固定され、一体に管軸方向へ移動可能である。
このとき、管本体1の直管部4外周に、予め溶接等により鉄筋7を固定しておき、管本体1とコンクリート層9との付着性能、及びそのコンクリート層9の強度を高める場合もある。
しかし、このような手法を採用すると、治具を型枠28に押し付けるため、その型枠28が凹んだり、あるいは割れや欠けが生じて損傷することがある。このため、型枠28を繰り返し使用できなくなる。型枠28は、繰り返し使用できることがコスト面から望まれる。
しかし、型枠28を強固にすると、前記治具を用いて前記隙間を押し広げた際に、その型枠28よりも相対的に弱い素材であるコンクリート層9が損傷するので好ましくない。
型枠を固定する場合、その型枠を管本体の外周面に接着固定する等の手法を採用してもよいが、例えば、前記貫通孔に挿通したボルトを介して前記フランジ部の一端側に固定することができる。貫通孔を利用して型枠をフランジ部に固定すれば、その固定作業が容易である。また、その貫通孔によって型枠が周方向、径方向、管軸方向に位置決めされるので、貫通孔の一端側開口を確実に塞ぐことができる。
すなわち、その構成は、前記管本体の外周と前記外装枠の内周との間の環状空間内に収納可能であり、前記フランジ部の一端側に配置することにより前記貫通孔の一端側開口を塞ぐものであり、前記配置状態で外径側から内径側に向かってボルト軸がねじ込み可能に設けられ、前記ボルト軸のねじ込みにより、そのボルト軸の先端が前記モルタル又はコンクリート若しくは前記管本体の外周に当接可能である外装コンクリート管製造用型枠である。
ボルト軸が周壁部よりも低ければ、ボルト軸の後端が外装枠に当たらない。このため、コンクリート打設前に予め型枠内にボルトをねじ込んでおくことができる。予めボルトをねじ込んでおけば、型枠の凹部内にモルタル等が流入しても、そのモルタル等はボルト孔内には入らないので、ボルト軸のねじ込みが阻害されない。
そのコンクリート層9内には、前記鉄筋7が所定の「被り(コンクリート層9の外周面から鉄筋7までの最小距離)」で埋め込まれているので、鉄筋7は外装コンクリート管20の外周に露出しないようになっている。
型枠15は、鉄等の金属で形成されており、前記管本体1の外周面に沿う矩形の底面部15aと、その底面部15aの周縁部から外径方向に立ち上がる側面部15b,15bと端壁部15c,15dとからなる凹状を成す。前記両側面部15b,15bと両端壁部15c,15dとは、環状に連続する周壁部を成す。
そのナット17bに、前記フランジ部6の貫通孔22に挿通したボルト17aをねじ込むことにより、その型枠15が前記フランジ部6に固定される。この型枠15により前記貫通孔22の一端側開口が塞がれて、前記環状空間と貫通孔22内とが隔てられた状態になる。
また、前記両側面部15b,15bと一端側(受口2に近い側)の端壁部15cとは、それぞれ前記底面部15aよりも内径側に伸びて、その全長に亘って管本体1の外周面に当接するとともに、前記両側面部15b,15bの他端側縁は、その全長に亘ってフランジ部6の端面に当接する。このため、底面部15aの内径側の空間A、及び前記貫通孔22の一端側開口の周囲の空間Bには、モルタル等が流入しないようになっている(図4(b)参照)。
前記底面部15aにボルト挿通孔27が形成されており、そのボルト挿通孔27と同軸心に、雌ねじ部27cを有するナット27bが固定されている。ナット27bは底面部15aに溶接固定されているので、その底面部15aに対し不動である。
ボルト軸25は、その先端25aがナット27bにねじ込まれて固定され、型枠15をフランジ部6に取り付ける際には、その後端25bが前記周壁部よりも低くなった状態にする。ボルト軸25は内径側に向かってさらにねじ込み可能であるので、そのねじ込みとともに、ボルト軸25の先端25aが底面部15aから徐々に内径側へその突出量を増し、前記管本体1の外周に当接させることが可能である。
この充填口11及び空気抜き口12の設置位置は、外装枠10と管本体1との間の空間全体に、コンクリートを行き渡らせることができる限りにおいて、自由に設定できる。
ボルト軸25の先端25aが前記管本体1の外周面に当接し、さらにボルト軸25をねじ込むと、そのボルト軸25が管本体1から受ける反力により、型枠15がコンクリート層9から離脱し外径方向へ浮き上がるので、型枠15を手にとって除去することができる。
このボルト軸25のねじ込みには大きな力は必要なく、また、従来のように型枠15周囲の隙間に治具を挿入してこじる必要がないので、コンクリート層9及び型枠15を損傷させない。
外装枠10から管本体1を取り出した後、ボルト軸25をねじ込むので、そのボルト軸25を長くすることができる。ボルト軸25が長ければ、ねじ込みのストロークを長くすることができる。なお、このとき、ボルト軸25をねじ込む部分(前記ナット27bの雌ねじ部27c、ボルト挿通孔27等)に、モルタル等が流入しないようにする措置を施しておくことが望ましい。
ブロック状の型枠15を用いる場合、ボルト軸25の後端25bが型枠15の外径側に突出すると、そのボルト軸25の後端25bが外装枠10に当たって外装枠10内に管本体1を収納できなくなるので、前述のように、外装枠10から管本体1を取り出した後、ボルト軸25をねじ込むようにすればよい。
2 受口
3 挿し口
4 直管部
5 テーパー部
6 フランジ部
6a リブ
7 鉄筋
8 封止部材
9 コンクリート層
10 外装枠
10a 上型枠
10b 下型枠
11 充填口
12 空気抜き口
13 縁部
14 補強部
15,28 型枠
15a 底面部
15b 側面部
15c,15d 端壁部
16 周面部
17,27 ボルト挿通孔
17a,26,26’ ボルト
17b,27b ナット
17c,27c 雌ねじ部
20 外装コンクリート管
21 掘進機
22 貫通孔
25 ボルト軸
25a 先端
25b 後端
Claims (5)
- 一端に受口2を他端に挿し口3を有し、その他端側に外径方向に突出するフランジ部6を設けた管本体1の外周を筒状の外装枠10で覆い、前記フランジ部6の一端側で前記管本体1の外周と前記外装枠10の内周との間の環状空間にモルタル又はコンクリートを打設してそのモルタル又はコンクリートと前記管本体1とを一体化するとともに、前記フランジ部6は、前記管本体1の管軸方向に沿って伸びる貫通孔22を有し、その貫通孔22に挿通したボルト26又は26’を介して、前記管本体1とその管本体1に隣接する他の管本体1又は掘進機21とを接続できるようにした外装コンクリート管の製造方法において、
前記モルタル又はコンクリートの打設前に、前記環状空間内に収納可能な型枠15を前記フランジ部6の一端側に配置してその型枠15により前記貫通孔22の一端側開口を塞ぎ、前記型枠15に外径側から内径側に向かってボルト軸25をねじ込み可能に設けるとともに、前記モルタル又はコンクリートの打設後、前記ボルト軸25をねじ込んでそのボルト軸25の先端25aを前記モルタル又はコンクリート若しくは前記管本体1の外周に当接させることにより、前記型枠15を前記モルタル又はコンクリートから外径方向へ離脱させることを特徴とする外装コンクリート管の製造方法。 - 前記型枠15は、前記貫通孔22に挿通したボルト17aを介して前記フランジ部6に固定することを特徴とする請求項1に記載の外装コンクリート管の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の外装コンクリート管の製造方法に使用する型枠15であって、
前記管本体1の外周と前記外装枠10の内周との間の環状空間内に収納可能であり、前記フランジ部6の一端側に配置することにより前記貫通孔22の一端側開口を塞ぐものであり、前記配置状態で外径側から内径側に向かってボルト軸25がねじ込み可能に設けられ、前記ボルト軸25のねじ込みにより、そのボルト軸25の先端25aが前記モルタル又はコンクリート若しくは前記管本体1の外周に当接可能である外装コンクリート管製造用型枠。 - 前記型枠15は、前記管本体1の外周面に沿う底面部15aと、その底面部15aの周縁部から外径方向に立ち上がる周壁部とからなる凹状を成し、前記ボルト軸25は、前記底面部15aにねじ込まれてその後端25bが前記周壁部よりも低くなっていることを特徴とする請求項3に記載の外装コンクリート管製造用型枠。
- 前記周壁部は、その全周に亘って前記外装枠10の内周に当接することを特徴とする請求項4に記載の外装コンクリート管製造用型枠。
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