JP4676447B2 - 外装コンクリート管の製造方法及び外装コンクリート管製造用型枠 - Google Patents

外装コンクリート管の製造方法及び外装コンクリート管製造用型枠 Download PDF

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Description

この発明は、上水道、下水道等に使用される外装コンクリート管の製造方法、及びその外装コンクリート管の製造方法に使用するためのコンクリート製造用型枠に関するものである。
外装コンクリート管は、ダクタイル鋳鉄管等の管体(以下、「管本体」という)の外周にモルタル又はコンクリート等を打設して、その管本体と前記コンクリート等とを一体化したものである。
この種の外装コンクリート管は、一般に、管体を地中に埋設する際に採用されるいわゆる「推進工法」に多く用いられる。
外装コンクリート管及び管本体の構成は、図5に示すように、一端に受口2を他端に挿し口3を有するダクタイル鋳鉄管の管本体1の外周にフランジ部6が設けられている。フランジ部6は挿し口3側に設けられて、全周に亘って外径方向に突出し、その周方向に沿って複数の貫通孔22が設けられている。
その管本体1の外周全周に、コンクリート層9が一体に設けられている。コンクリート層9は、前記管本体1の受口2と直管部4との間に形成されたテーパー部5と前記フランジ部6との間に設けられる。
推進工法では、例えば、地中において、先頭となる外装コンクリート管20(以下、「先頭管20」という)の前端に、地中の地盤Gを掘削しながら前進する機能を有する掘進機21が連結されている。
掘進機21と先頭管20とは、その先頭管20に設けた前記フランジ部6の貫通孔22に挿通されたボルト26等により固定され、一体に管軸方向へ移動可能である。
その先頭管20の後方に、複数の外装コンクリート管20,20が順次連結され、一つの外装コンクリート管20の挿し口3側に設けたフランジ部6に、隣り合う他の外装コンクリート管20の受口2の端面が当接した状態で、そのフランジ部6を介して図5の矢印の方向(図示しない発進側縦坑から到達側縦抗へ向かう方向)へ推進力が伝達されるようになっている。
このとき、前記管本体1の周囲に設けられたコンクリート層9は、その外径が、前記管本体1の受口2の外周面とほぼ同径となるように形成されている。このため、連結された複数の外装コンクリート管20の表面に凹凸が少なくなり、スムースな推進施工が可能となる。
また、隣り合う外装コンクリート管20,20同士を連結する場合もある。この場合、外装コンクリート管20の前記フランジ部6の貫通孔22にボルト26’を挿通し、そのボルト26’を隣接する外装コンクリート管20の受口2に形成したボルト穴にねじ込むことにより、両外装コンクリート管20,20を連結する。
外装コンクリート管20を製造する際は、例えば、本発明の実施形態の説明図である図2に基づいて説明すると、管本体1の外周を筒状のコンクリート打込み枠(以下、「外装枠」という)10で覆い、その管本体1の外周面と外装枠10の内周面との間の環状空間に、未硬化のセメントモルタル、コンクリート等の充填材を供給して硬化させる手法が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
このとき、管本体1の直管部4外周に、予め溶接等により鉄筋7を固定しておき、管本体1とコンクリート層9との付着性能、及びそのコンクリート層9の強度を高める場合もある。
特開平3−224705号公報
上記外装コンクリート管の製造方法によると、コンクリート層9の挿し口3側の端部は、推進の際の推進力の作用点として機能するフランジ部6が溶接等により固定されており、このフランジ部6は外装枠10の内周面に接して型枠の一部として機能する。
このため、このフランジ部6の貫通孔22を介して掘進機21や隣り合う外装コンクリート管20を接続しようとすると、例えば、図6に示すように、チッパー29等を用いてコンクリート層9の一部を削らなければならない。貫通孔22の一端側開口(受口2側の開口)が、モルタル又はコンクリートにより埋没しているため、このままでは前記ボルト26,26’を挿通できないからである。
コンクリート層9を削る作業を回避するために、例えば、図7(a)に示すように、前記モルタル又はコンクリートの打設前に、「入れ子」と呼ばれるブロック状の型枠28を、前記環状空間内に収納しておく方法もある。型枠28は、図7(b)に示すように、前記フランジ部6の一端側に配置されて、前記貫通孔22の一端側開口を塞ぐとともに、その貫通孔22に挿通したボルト28a、及びその型枠28に回転不能に埋め込まれたナット28bを介して、前記フランジ部6に固定される。
モルタル又はコンクリートが硬化した後、ボルト28aを緩めて型枠28を除去すれば、前記貫通孔22の一端側開口が露出する。このため、掘進機21や隣り合う外装コンクリート管20を接続するに際し、コンクリート層9を削ることなく前記ボルト26,26’を容易に挿通することができる。
この型枠28は、硬化した前記モルタル又はコンクリート内に埋め込まれた状態で固着しているため、その取外しが困難であるといえる。
例えば、マイナスドライバのような、鋭利な先端を有する治具を、型枠28とコンクリート層9との間に押し込み、その治具をこじるようにして型枠28とコンクリート層9との間の隙間を押し広げながら型枠28を除去するする手法が一般的である。
しかし、このような手法を採用すると、治具を型枠28に押し付けるため、その型枠28が凹んだり、あるいは割れや欠けが生じて損傷することがある。このため、型枠28を繰り返し使用できなくなる。型枠28は、繰り返し使用できることがコスト面から望まれる。
また、型枠28の損傷を避けるために、その素材を強固な金属製にする手法も考えられる。
しかし、型枠28を強固にすると、前記治具を用いて前記隙間を押し広げた際に、その型枠28よりも相対的に弱い素材であるコンクリート層9が損傷するので好ましくない。
そこで、この発明は、コンクリート層に埋め込まれる型枠を、容易に除去できるようにすることを課題とする。
上記の課題を解決するために、この発明は、コンクリート層に埋め込まれる型枠にボルト軸をねじ込み可能に設け、コンクリート層が硬化した後、そのボルト軸を内径方向に向かってねじ込んで、その反力で、前記型枠を前記コンクリート層から外径方向へ離脱させるようにしたものである。
内径方向にねじ込んだボルト軸の反力で型枠をコンクリート層から離脱させるので、固着した型枠を容易に除去することができる。また、その型枠周囲のコンクリート層を損傷させることがない。
この発明は、コンクリート層に埋め込まれる型枠にボルト軸をねじ込み可能に設け、コンクリート層が硬化した後、そのボルト軸を内径方向に向かってねじ込んで、その反力で、前記型枠を前記コンクリート層から外径方向へ離脱させるようにしたので、コンクリート層に埋め込まれる型枠を、容易に除去することができる。
この発明の実施形態として、一端に受口を他端に挿し口を有し、その他端側に外径方向に突出するフランジ部を設けた管本体の外周を筒状の外装枠で覆い、前記フランジ部の一端側で前記管本体の外周と前記外装枠の内周との間の環状空間にモルタル又はコンクリートを打設してそのモルタル又はコンクリートと前記管本体とを一体化するとともに、前記フランジ部は、前記管本体の管軸方向に沿って伸びる貫通孔を有し、その貫通孔に挿通したボルトを介して、前記管本体とその管本体に隣接する他の管本体又は掘進機とを接続できるようにした外装コンクリート管の製造方法において、前記モルタル又はコンクリートの打設前に、前記環状空間内に収納可能な型枠を前記フランジ部の一端側に配置してその型枠により前記貫通孔の一端側開口を塞ぎ、前記型枠に外径側から内径側に向かってボルト軸をねじ込み可能に設けるとともに、前記モルタル又はコンクリートの打設後、前記ボルト軸をねじ込んでそのボルト軸の先端を前記モルタル又はコンクリート若しくは前記管本体の外周に当接させることにより、前記型枠を前記モルタル又はコンクリートから外径方向へ離脱させる構成を採用した。
なお、モルタル又はコンクリートの打設時において、そのモルタルやコンクリートの注入の圧力や浮力によって型枠が移動することがある。このため、前記型枠は、管本体又は外装枠に対して移動しないように固定しておくことが望ましい。
型枠を固定する場合、その型枠を管本体の外周面に接着固定する等の手法を採用してもよいが、例えば、前記貫通孔に挿通したボルトを介して前記フランジ部の一端側に固定することができる。貫通孔を利用して型枠をフランジ部に固定すれば、その固定作業が容易である。また、その貫通孔によって型枠が周方向、径方向、管軸方向に位置決めされるので、貫通孔の一端側開口を確実に塞ぐことができる。
これらの外装コンクリート管の製造方法に使用する型枠として、以下の構成を採用することができる。
すなわち、その構成は、前記管本体の外周と前記外装枠の内周との間の環状空間内に収納可能であり、前記フランジ部の一端側に配置することにより前記貫通孔の一端側開口を塞ぐものであり、前記配置状態で外径側から内径側に向かってボルト軸がねじ込み可能に設けられ、前記ボルト軸のねじ込みにより、そのボルト軸の先端が前記モルタル又はコンクリート若しくは前記管本体の外周に当接可能である外装コンクリート管製造用型枠である。
前記外装コンクリート管製造用型枠において、その型枠が、前記管本体の外周面に沿う底面部と、その底面部の周縁部から外径方向に立ち上がる周壁部とからなる凹状を成し、前記ボルト軸は、前記底面部にねじ込まれてその後端が前記周壁部よりも低くなっている構成を採用することができる。
ボルト軸が周壁部よりも低ければ、ボルト軸の後端が外装枠に当たらない。このため、コンクリート打設前に予め型枠内にボルトをねじ込んでおくことができる。予めボルトをねじ込んでおけば、型枠の凹部内にモルタル等が流入しても、そのモルタル等はボルト孔内には入らないので、ボルト軸のねじ込みが阻害されない。
また、前記周壁部が、その全周に亘って前記外装枠の内周に当接する構成とすれば、その型枠の凹部内(周壁部の内側)にモルタル等が流入することを、より確実に防止し得る。
一実施例を図面に基づいて説明する。この実施例は、一端に受口2、他端に挿し口3を有するダクタイル鋳鉄管の管本体1の外周に、コンクリート層9を一体に設けた外装コンクリート管20の製造に関するものである。
この外装コンクリート管20は、従来例と同様、「推進工法」に用いられるものであり、先頭管(外装コンクリート管)20に連結された掘進機21で地盤Gを掘削しながら、その先頭管20の後方に外装コンクリート管20を順次連結し、その外装コンクリート管20の連結体を地盤G内に推進させるものである(図5参照)。
外装コンクリート管20を構成する管本体1は、前記受口2と前記挿し口3との間に一定の外径で連続する直管部4を有するとともに、前記直管部4と前記受口2との間にその受口2側に向かって徐々に拡径するテーパー部5を有している。また、前記直管部4の外径と前記挿し口3の外径とは、同一の径となっている。
その管本体1の直管部4の外周に、鉄筋7が周方向及び管軸方向へ格子状に配置されている。その鉄筋7は、適宜の位置で内径方向に延びて、その先端が管本体1の外周に溶接固定されている。この溶接固定により、格子状の前記鉄筋7が管本体1に対し不動に固定される。
また、前記管本体1は、その他端側に外径方向に突出するフランジ部6が全周に亘って設けられている。フランジ部6は、リブ6aを介して前記管本体1の外周に溶接固定されている。このフランジ部6は、図5に示す連結状態において、隣り合う外装コンクリート管20の受口2の端面が当接して、前記推進状態における推進力の伝達部材として機能する。
前記コンクリート層9は、前記フランジ部6の一端側の縁から前記テーパー部5に至る範囲に全周に亘って設けられ、その外径が、前記受口2の外周面及び前記フランジ部6外周面とほぼ同径となるように形成されている。また、そのコンクリート層9の受口2側の端部は、他端側から一端側へ向かって徐々に縮径するテーパ状に形成されて、前記テーパー部5の外周に取り付けられている。
そのコンクリート層9内には、前記鉄筋7が所定の「被り(コンクリート層9の外周面から鉄筋7までの最小距離)」で埋め込まれているので、鉄筋7は外装コンクリート管20の外周に露出しないようになっている。
また、前記管本体1のフランジ部6には、周方向に沿って複数の貫通孔22が等間隔に設けられている。推進時において、前記掘進機21と先頭管20とは、その先頭管20に設けた前記フランジ部6の貫通孔22に挿通されたボルト26等により固定され、一体に管軸方向へ移動可能である。
さらに、その先頭管20の後方に連結される複数の外装コンクリート管20,20は、それぞれ前記フランジ部6の貫通孔22に挿通されたボルト26’により固定される場合があり、その場合は、一体に管軸方向へ移動可能である。
この外装コンクリート管20を製造する際に使用する外装枠10は、図1に示すように、上下に2分割された上型枠10aと下型枠10bとから構成される。上型枠10aと下型枠10bにはそれぞれ弧状の周面部16,16が設けられて、その両周面部16,16が、前記上型枠10aと下型枠10bとを連結した状態で筒状に形成される。
周面部16の管軸方向両端には、周方向に沿ってフランジ状に伸びる補強部14,14が設けられ、また、前記各周面部16,16の周方向縁には、同じくフランジ状の縁部13,13が設けられて、前記補強部14,14及び縁部13,13は、それぞれ前記合体状態で周方向に対向するようになっている。その対向する縁部13,13同士を締付けて連結すれば、上下両型枠10a,10b同士が離れないように固定される。
なお、上型枠10aには、封止部材8よりも他端側、前記フランジ部6よりも一端側に、コンクリートの充填口11及び空気抜き口12がそれぞれ設けられている。
コンクリート打設の際の手順を説明すると、まず、図2(a)に示すように、水平に配置した下型枠10b上に、鉄筋7を固定した管本体1を載置する。つぎに、図2(b)に示すように、その管本体1上に上型枠10aを載置する。上下両型枠10a,10bは、対向する前記縁部13,13同士を締付ける等して筒状に一体化される。
このとき、上下両型枠10a,10b同士を一体化することにより、前記管本体1の前記フランジ部6の外周縁が、前記外装枠10の内周全周に当接する。また、前記管本体1のテーパー部5外周全周に封止部材8が固定されているので、その封止部材8は、外装枠10の内周面に密着する。このフランジ部6及び封止部材8により、管本体1の外周と外装枠10の内周との間の環状空間が、管軸方向両側において閉塞される。
また、その管本体1には、前記環状空間内に収納可能な型枠15が、前記フランジ部6の一端側に周方向に沿って複数配置されている。この型枠15は、前記貫通孔22毎に一つずつ配置される。
型枠15は、鉄等の金属で形成されており、前記管本体1の外周面に沿う矩形の底面部15aと、その底面部15aの周縁部から外径方向に立ち上がる側面部15b,15bと端壁部15c,15dとからなる凹状を成す。前記両側面部15b,15bと両端壁部15c,15dとは、環状に連続する周壁部を成す。
他端側(フランジ部6に近い側)の端壁部15dにはボルト挿通孔17が形成されており、そのボルト挿通孔17と同軸心に、雌ねじ部17cを有するナット17bが固定されている。ナット17bは端壁部15dに溶接固定されているので、その端壁部15dに対し不動である。
そのナット17bに、前記フランジ部6の貫通孔22に挿通したボルト17aをねじ込むことにより、その型枠15が前記フランジ部6に固定される。この型枠15により前記貫通孔22の一端側開口が塞がれて、前記環状空間と貫通孔22内とが隔てられた状態になる。
管本体1の周囲を前記外装枠10で覆った状態において、前記型枠15の両側面部15b,15bと両端壁部15c,15dとからなる周壁部は、その全周に亘って前記外装枠10の内周に当接するようになっている。
また、前記両側面部15b,15bと一端側(受口2に近い側)の端壁部15cとは、それぞれ前記底面部15aよりも内径側に伸びて、その全長に亘って管本体1の外周面に当接するとともに、前記両側面部15b,15bの他端側縁は、その全長に亘ってフランジ部6の端面に当接する。このため、底面部15aの内径側の空間A、及び前記貫通孔22の一端側開口の周囲の空間Bには、モルタル等が流入しないようになっている(図4(b)参照)。
さらに、型枠15には、前記のようにフランジ部6に固定した状態で、外径側から内径側に向かってボルト軸25がねじ込み可能に設けられている。
前記底面部15aにボルト挿通孔27が形成されており、そのボルト挿通孔27と同軸心に、雌ねじ部27cを有するナット27bが固定されている。ナット27bは底面部15aに溶接固定されているので、その底面部15aに対し不動である。
ボルト軸25は、その先端25aがナット27bにねじ込まれて固定され、型枠15をフランジ部6に取り付ける際には、その後端25bが前記周壁部よりも低くなった状態にする。ボルト軸25は内径側に向かってさらにねじ込み可能であるので、そのねじ込みとともに、ボルト軸25の先端25aが底面部15aから徐々に内径側へその突出量を増し、前記管本体1の外周に当接させることが可能である。
つぎに、図2(b)に示す管本体1の外周と前記外装枠10の内周との間の空間に未硬化のコンクリートを注入する。注入は前記充填口11を通じて行う。外装枠10内にコンクリートが注入されると、その外装枠10内の空気が空気抜き口12から適宜排出される。このため、コンクリートが外装枠10と管本体1との間の空間全体に行き渡りやすいようになっている。
この充填口11及び空気抜き口12の設置位置は、外装枠10と管本体1との間の空間全体に、コンクリートを行き渡らせることができる限りにおいて、自由に設定できる。
また、前記フランジ部6の外周縁が前記外装枠10の内周全周に当接しているので、そのフランジ部6により、前記コンクリートがそのフランジ部6よりも他端側に流入することが阻止される。さらに、前記封止部材8が前記テーパー部5の外周全周に当接しているので、その封止部材8により、前記コンクリートがその封止部材8よりも一端側に流入することが阻止される。
コンクリートが硬化した後、外装枠10から管本体1を取り出す。このとき、型枠15は、前記コンクリート層9と一体に固着している。ボルト17aを緩めてナット17bから抜き取り、その後、前記型枠15にねじ込まれたボルト軸25を、外径側から内径側に向かってねじ込む。
ボルト軸25の先端25aが前記管本体1の外周面に当接し、さらにボルト軸25をねじ込むと、そのボルト軸25が管本体1から受ける反力により、型枠15がコンクリート層9から離脱し外径方向へ浮き上がるので、型枠15を手にとって除去することができる。
このボルト軸25のねじ込みには大きな力は必要なく、また、従来のように型枠15周囲の隙間に治具を挿入してこじる必要がないので、コンクリート層9及び型枠15を損傷させない。
なお、型枠15の両側面部15b,15b及び一端側の端壁部15cには、図4(a)(b)に示すように、内径側から外径側に向かうに従って徐々に拡がる抜き勾配が設けられているので、型枠15の離脱がスムースである。また、予め型枠15の外周に離形剤を塗布しておけば、さらにその離脱をスムースにし得る。
また、前記底面部15aの内径側の空間Aにコンクリート又はモルタルが流入して固化した場合において、ボルト軸25をねじ込むことにより、その先端25aが固化したコンクリート、モルタルを適宜破砕しながら前記突出量を増す。このため、その流入したコンクリート又はモルタルが前記ボルト軸25に生じる反力を阻害させることなく、型枠15の離脱には支障しない。
なお、前記外装枠10内に注入するコンクリートに代えて、モルタルのみを注入する場合もあり、また、必要に応じて鉄筋7の設置を省略する場合も考えられる。
この実施例では、フランジ部6に型枠15を固定するに際し、型枠15にナット17bを固定し、貫通孔22に挿通したボルト17aをそのナット17bにねじ込んだが、端壁部15dのボルト挿通孔17にボルト17aを挿通し、そのボルト17aを別途容易したナット17bで型枠15側から締付けて固定してもよい。また、ボルト挿通孔17の内周に直接雌ねじ部17cを形成してもよい。
また、この実施例では、前記底面部15aに、ボルト挿通孔27と同軸心のナット27bを固定したが、ボルト挿通孔27の内周に直接雌ねじ部27cを形成してもよい。また、ボルト軸25として周知のタッピングネジを使用して、そのタッピングネジを前記ボルト挿通孔27にねじ込んでいく構成を採用してもよい。
また、この実施例では、前記ボルト軸25は、コンクリート打設前に予め型枠15にねじ込んで固定したが、他の実施例として、例えば、ボルト軸25を取り付けていない型枠15を用いてコンクリートを打設し、コンクリートが硬化した後、型枠15にボルト軸25をねじ込むようにしても良い。
外装枠10から管本体1を取り出した後、ボルト軸25をねじ込むので、そのボルト軸25を長くすることができる。ボルト軸25が長ければ、ねじ込みのストロークを長くすることができる。なお、このとき、ボルト軸25をねじ込む部分(前記ナット27bの雌ねじ部27c、ボルト挿通孔27等)に、モルタル等が流入しないようにする措置を施しておくことが望ましい。
また、型枠15の態様は、上記のような底面部15aと周壁部とからなる凹状のものに限定されず、例えば、従来例の入れ子と呼ばれるブロック状の型枠15を用いても良い。
ブロック状の型枠15を用いる場合、ボルト軸25の後端25bが型枠15の外径側に突出すると、そのボルト軸25の後端25bが外装枠10に当たって外装枠10内に管本体1を収納できなくなるので、前述のように、外装枠10から管本体1を取り出した後、ボルト軸25をねじ込むようにすればよい。
また、型枠15の材質は、鉄などの金属に限定されることなく、例えば、エンジニアリングプラスチックス等の各種樹脂や繊維強化プラスチック、あるいは木材、石材等を採用してもよい。特に、樹脂を用いれば、軽量であるとともに、ボルト17aやボルト軸25をねじ込むための前記雌ねじ部17c,27cを一体成型できるというメリットがある。
一実施例の分解斜視図 同実施例を示し、(a)は下型枠上に管本体を載置した状態、(b)は上型枠を被せた状態、(c)は型枠を取り外す前の外装コンクリート管を示す正面断面図 型枠の詳細を示し、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は左側面図、(d)は正面図、(e)は断面図 型枠をフランジ部に取り付けた状態を示し、(a)は平面図、(b)は断面図 推進工法を示す説明図 従来例の斜視図 従来例を示し、(a)は斜視図、(b)は型枠の詳細を示す要部拡大図
符号の説明
1 管本体
2 受口
3 挿し口
4 直管部
5 テーパー部
6 フランジ部
6a リブ
7 鉄筋
8 封止部材
9 コンクリート層
10 外装枠
10a 上型枠
10b 下型枠
11 充填口
12 空気抜き口
13 縁部
14 補強部
15,28 型枠
15a 底面部
15b 側面部
15c,15d 端壁部
16 周面部
17,27 ボルト挿通孔
17a,26,26’ ボルト
17b,27b ナット
17c,27c 雌ねじ部
20 外装コンクリート管
21 掘進機
22 貫通孔
25 ボルト軸
25a 先端
25b 後端

Claims (5)

  1. 一端に受口2を他端に挿し口3を有し、その他端側に外径方向に突出するフランジ部6を設けた管本体1の外周を筒状の外装枠10で覆い、前記フランジ部6の一端側で前記管本体1の外周と前記外装枠10の内周との間の環状空間にモルタル又はコンクリートを打設してそのモルタル又はコンクリートと前記管本体1とを一体化するとともに、前記フランジ部6は、前記管本体1の管軸方向に沿って伸びる貫通孔22を有し、その貫通孔22に挿通したボルト26又は26’を介して、前記管本体1とその管本体1に隣接する他の管本体1又は掘進機21とを接続できるようにした外装コンクリート管の製造方法において、
    前記モルタル又はコンクリートの打設前に、前記環状空間内に収納可能な型枠15を前記フランジ部6の一端側に配置してその型枠15により前記貫通孔22の一端側開口を塞ぎ、前記型枠15に外径側から内径側に向かってボルト軸25をねじ込み可能に設けるとともに、前記モルタル又はコンクリートの打設後、前記ボルト軸25をねじ込んでそのボルト軸25の先端25aを前記モルタル又はコンクリート若しくは前記管本体1の外周に当接させることにより、前記型枠15を前記モルタル又はコンクリートから外径方向へ離脱させることを特徴とする外装コンクリート管の製造方法。
  2. 前記型枠15は、前記貫通孔22に挿通したボルト17aを介して前記フランジ部6に固定することを特徴とする請求項1に記載の外装コンクリート管の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の外装コンクリート管の製造方法に使用する型枠15であって、
    前記管本体1の外周と前記外装枠10の内周との間の環状空間内に収納可能であり、前記フランジ部6の一端側に配置することにより前記貫通孔22の一端側開口を塞ぐものであり、前記配置状態で外径側から内径側に向かってボルト軸25がねじ込み可能に設けられ、前記ボルト軸25のねじ込みにより、そのボルト軸25の先端25aが前記モルタル又はコンクリート若しくは前記管本体1の外周に当接可能である外装コンクリート管製造用型枠。
  4. 前記型枠15は、前記管本体1の外周面に沿う底面部15aと、その底面部15aの周縁部から外径方向に立ち上がる周壁部とからなる凹状を成し、前記ボルト軸25は、前記底面部15aにねじ込まれてその後端25bが前記周壁部よりも低くなっていることを特徴とする請求項3に記載の外装コンクリート管製造用型枠。
  5. 前記周壁部は、その全周に亘って前記外装枠10の内周に当接することを特徴とする請求項4に記載の外装コンクリート管製造用型枠。
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