JP4033335B2 - 既設管路の補修部材および補修構造 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、下水道管路等の既設管路の補修部材および補修構造に関し、更に詳しくは、特に劣化の進んだ大口径の既設管路を更生すべく、その管路内に搬入した補強部材を用いて管路内面を補修する補修部材および補修構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
老朽化した下水道管路等の既設管路の補修方法として、既設管路の内面を内張り材(内面部材)で全面的に覆う方法が知られている。このような補修方法として、特に管路内に人が入って作業可能な大口径管の補修に関し、本出願人らは既に、特開2001−311387号において、既設管を充分に補強でき、また補修時に支保工を必要としない補修方法並びにその方法により得られる管路の補修構造について提案している。また、その既設管路補修に用いる内張り材(内面部材)に関して、特願2001−108940号において、管路の補修長が長く、内面部材の必要長が長い場合でも、その製造上の問題や輸送上の問題を解決することのできる管路の内張り構造について提案を行っている。
【0003】
図5から図10は、特開2001−311387号の提案に係る従来の既設管路の補修方法とその構造を示した模式図である。この既設管路の補修方法は、高剛性材料(例えば鋼等)からなる中空骨組み状の補強体を既設管路内において組み立て、この補強体の内側に樹脂あるいは金属等からなる内張り材(内面部材)を取り付けた後、これら内張り材と管路内面とで形成される空間に硬化性充填材(裏込め材)を充填するものである。
【0004】
図5は、既設管の径方向に沿って切断した断面図(以下、この方向への断面図を横断面図と称する)であり、図6は、既設管の筒長方向に沿って切断した断面図(以下、この方向への断面図を縦断面図と称する)である。図5に示すように、この補修方法は、先ず既設管10の内部に、管路内面10aに略沿った形状のリング状補強部材1を組み立てる。このリング状補強部材1は、マンホール等から搬入した複数の分割補強部材2(この例においては、3個の分割補強部材)を結合部材3によって相互に結合して、全体として管路内面10aに略沿ったリング状に組み立てられる。この分割補強部材2の径方向内側には、後述する嵌合部材21を嵌め込むための複数の嵌合用凹部2aが、周方向に等間隔に形成されているとともに、その外縁には周方向に一様に連続する凹凸2bが形成されている。また、この分割補強部材2および結合部材3には、筒長方向に貫通する貫通孔2cおよび3cがそれぞれ周方向に一定の間隔で形成されており、複数のリング状補強部材1が形成された段階で、図6に示すように、パイプ材4aとボルト4bおよびナット4cからなる連結部材4によって、これらのリング状補強部材1を既設管の筒長方向に一定の間隔で連結・一体化し、全体として中空骨組み状の補強体とされる。
【0005】
次に、図7に横断面図を示すように、弧状補部材2の嵌合用凹部2aのそれぞれに、長尺の嵌合部材21を既設管10の筒長方向に沿って互いに平行に取り付ける。その後、図8に横断面図を、図9には図8のX−X線矢視断面図をそれぞれ示すように、各嵌合部材21を介してリング状補強部材1の内側に、内面部材22が取り付けられることとなる。この例における内面部材22は、既設管10の筒長方向に沿った断面略コの字状の長尺体であり、上記の嵌合部材21と同様に、例えば既設管10のマンホール〜マンホール間の長さを有している。
【0006】
次に、図10に示す横断面図のように、この内面部材22と管路内面10aとの間の空隙に硬化性充填材23が注入される。硬化性充填材23の材料としては、例えばセメントミルク、モルタル、コンクリート等のセメント系材料、あるいは不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂などが用いられる。この注入された硬化性充填材23は、リング状補強部材1ごとに筒長方向に区切られた空隙の区画を既設管の底部側から充填しながら、分割補強部材2の凹凸2bによって形成されたすき間、あるいは分割補強部材2と管路内面10aとのすき間等から、次の空隙区画へと順次流れ込んで行くこととなる。
【0007】
この既設管路の補修方法は、継ぎ目のない水密構造が得やすく、中空骨組み状補強体の強度を十分なものとできる結果、硬化性充填材(裏込め材)として、流動性が良好で安価な材料、例えば水分比率の大きいモルタル等を選択することができるという特徴を持つ。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上のような既設管路の補修構造において、硬化性充填材の注入時に、既設管10の底部近傍で、内面部材22と管路内面10aとの間に既設管内の滞留水や空気が噛み込んでしまい、硬化性充填材23の未充填部位が形成されてしまうことがあった。この未充填部位Rは、図11に既設管10底部近傍の拡大図を示すように、分割補強部材2の径方向内縁と内面部材22とが接する部位の近傍(図示網線部分)において発生する可能性があり、万一この未充填部位が形成されてしまった場合、既設管路の補修を構造上不完全なものとしてしまう恐れがある。特に、底面が直線状である馬蹄形管や矩形管(ボックスカルバート)等においては、未充填部位Rの形成が著しかった。
【0009】
本発明は、このような実情を鑑みてなされたものであり、硬化性充填材の未充填部位を形成することのない既設管路の補修部材および補修構造を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、既設管路内に複数の分割補強部材を用いて当該管路内面に沿ったリング状補強部材を組み立て、そのリング状補強部材を既設管路筒長方向に複数個配置して、前記各分割補強部材に設けられた既設管路筒長方向の貫通孔に、連結部材を挿通させて相互に一体化することにより、既設管路内面に略沿った中空骨組み状の補強体を構築するとともに、その補強体の内側に複数の内面部材を取り付けて、既設管路内面の筒長方向に沿った筒状に組み立てた後、内面部材と既設管路内面との間の空隙内に硬化性充填材を注入する既設管路の補修に使用される補修部材において、前記各分割補強部材の内縁に、前記内面部材に接するようにして既設管路筒長方向両側の空間を連通させる切り込みが形成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明は、既設管路の内面とこれを覆う内面部材との間の空隙内に設置されるリング状補強部材の内縁に、硬化性充填材を管路筒長方向に通過させる切り込みを設け、既設管内の滞留水や空気の逃げ道を確保することによって、所期の目的を達成しようとするものである。
【0012】
すなわち、請求項1に係る発明によれば、リング状補強部材の構築に用いられる分割補強部材の内縁に、該分割補強部材に設けられた貫通孔とは異なる、既設管路筒長方向両側の空間を連通させる切り込みを形成することにより、この分割補強部材と内面部材との間に管路筒長方向に連続するすき間が形成される。このすき間によって、既設管路の底部近傍に設置された分割補強部材であっても、硬化性充填材の注入によって押し出されてきた滞留水や空気の通り道が確保され、これらを管路筒長方向へ逃がすことができる。従って、本発明の既設管路の補修部材は、硬化性充填材の管路筒長方向の流動をスムーズにし、硬化性充填材の未充填部位の発生を防止することができる。
【0013】
ここで、分割補強部材の構造として、前記切り込みが、前記連結部材により前記リング状補強部材を一体化する際に用いられる「既設管路筒長方向の貫通孔」に連通している構造(請求項2)を好適に採用することができる。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、分割補強部材の切り込みを貫通孔と同時に形成することができ、分割補強部材の形状加工を簡略化することができる。特に、この形状加工にレーザー加工を用いた場合、従来、別の工程で行っていた分割補強部材の輪郭を形成する加工と、貫通孔を形成する加工とを、いわゆる一筆書きの要領で同時に行うことができるようになり、分割補強部材の加工費を削減することできる。また、この切り込みによって開環する貫通孔の開環部位の幅は、この貫通孔に挿通される連結部材が抜け落ちることがないように、連結部材の幅よりも狭く形成することが望ましい。このような構造により、リング状補強部材を組み立てる時の手間を増やすことなく、分割補強部材の加工費を削減でき、ひいては既設管路の補修構造全体としてのコストの低減を達成することが可能になる。
【0015】
一方、請求項3に記載の発明は、複数の分割補強部材を既設管路内面に沿うように組み立ててなるリング状補強部材が、既設管路筒長方向に複数個配置され、その各リング状補強部材が、前記各分割補強部材に設けられた既設管路筒長方向の貫通孔に挿通された連結部材により相互に一体化されて、中空骨組み状の補強体が構築され、その補強体の内側に取り付けられた複数の内面部材と既設管路内面との間の空隙内に、硬化性充填材が充填されてなる既設管路の補修構造であって、前記各分割補強部材の内縁に、前記内面部材に接するようにして既設管路筒長方向両側の空間を連通させる切り込みが形成され、これら切り込みにも、前記硬化性充填材が充填されていることを特徴とする
【0016】
すなわち、請求項3に係る発明によれば、リング状補強部材の組み立てに、請求項1または2に記載の「切り込み」が形成された分割補強部材を使用することによって、既設管路の底部近傍においても、硬化性充填材の注入によって押し出されてきた滞留水や空気を管路筒長方向へ逃がすことができ、硬化性充填材を空隙内にすき間無く充填することができる。また、この分割補強部材の切り込みの間に、硬化性充填材が入り込んだ状態で硬化するため、硬化性充填材とリング状補強部材とはアンカー効果により相互の結合力が大きくなり、補修構造のより安定した強度を得ることができる。
【0017】
また、前記既設管路の補修構造においては、前記分割補強部材の切り込みが、前記連結部材を挿通させる貫通孔に連通して形成され、これら切り込みと貫通孔にも、前記硬化性充填材が充填されている構成(請求項4)を好適に採用することができる。
また、前記内面部材が、前記リング状補強部材の内側に装着された複数の嵌合部材を介して、前記補強体に取り付けられている構成(請求項5)としても良い。
【0018】
請求項4に係る発明によれば、請求項2に記載の発明と同様、リング状補強部材を組み立てる時の手間を増やすことなく、分割補強部材の加工費を削減でき、ひいては既設管路の補修構造全体としてのコストの低減を達成することが可能になる。
請求項5に係る発明によれば、内面部材を剛体であるリング状補強部材に対して直接嵌合させる場合に比して、この補強部材と内面部材との嵌合部分の寸法に余裕を持たすことができ、施工性が向上する。また、内面部材の材質を管路に要求される機能に合わせて選定する自由度が向上する。更に、継ぎ目の無い水密構造を得やすいという利点もある。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は、この実施の形態における既設管路補修用のリング状補強部材が、既設管路内に組み立てられた状態を示す横断面図であり、図2は、そのP部拡大図である。また、図3は、本実施の形態における既設管路の底部近傍の補修構造を示す要部拡大図である。なお、従来例と同様の機能を有する構成部材には、同じ符号を付記する。
【0020】
この既設管路の補修方法も、基本的には従来例と同様、高剛性材料(例えば鋼等)からなる中空骨組み状の補強体を既設管路内において組み立て、この補強体の内側に樹脂あるいは金属等からなる内張り材(内面部材)を取り付けた後、これら内張り材と管路内面とで形成される空間に硬化性充填材(裏込め材)を充填したものである。図1の横断面図に示すように、この補修方法も、先ず既設管10の内部に、管路内面10aに略沿った形状のリング状補強部材1を組み立てる。このリング状補強部材1は、マンホール等から搬入した複数の分割補強部材2を結合部材3によって相互に結合して、全体として管路内面10aに略沿ったリング状に組み立てたものである。
【0021】
この分割補強部材2の径方向内側には、後述する嵌合部材21を嵌め込むための複数の嵌合用凹部2aが、周方向に等間隔に形成されているとともに、その外縁には周方向に一様に連続する凹凸2bが形成されている。また、この分割補強部材2および結合部材3には、筒長方向に貫通する貫通孔2cおよび3cがそれぞれ周方向に一定の間隔で形成されており、これらの貫通孔2c,3cを略一致させた状態でリング状補強部材1が組み立てられる。
【0022】
その後、本実施の形態におけるリング状補強部材1も、図6に示す従来例と同様の方法により、複数のリング状補強部材1が形成された段階で、パイプ材4aとボルト4bおよびナット4cからなる連結部材4によって、これらのリング状補強部材1を既設管の筒長方向に一定の間隔で連結・一体化し、全体として中空骨組み状の補強体が構築される。また、弧状補部材2の嵌合用凹部2aのそれぞれには、図7から図9に示す従来例と同様の方法で、長尺の嵌合部材21が既設管10の筒長方向に沿って互いに平行に取り付けられ、これら各嵌合部材21を介して、リング状補強部材1の内側に長尺の内面部材22が取り付けられることとなる。
【0023】
本実施の形態におけるリング状補強部材1の特徴は、図2に示すように、分割補強部材2の径方向内縁に、各貫通孔2cに連通する切り込み2d,2d,・・・が形成されている点である。これらの切り込み2dは、各貫通孔2cに挿通される各連結部材4の脱落を防止するため、それぞれの貫通孔2cの開環部位2fの幅が、連結部材4の幅より小さくなるように形成されている。この構造により、分割補強部材2に嵌合部材21と内面部材22とが取り付けられた場合でも、図3のように、内面部材22に接する分割補強部材2の内縁近傍に、既設管路筒長方向両側の空間を連通させるすき間Sが形成される。
【0024】
ここで、従来例である図10と同様に、内面部材22と管路内面10aとの間の空隙に硬化性充填材23が注入された場合、この硬化性充填材23は、上述のすき間Sおよび分割補強部材2外縁の凹凸2bによって形成されたすき間、あるいは分割補強部材2と管路内面10aとのすき間等から、リング状補強部材1ごとに筒長方向に区切られた空隙の区画を既設管の底部側から充填しながら、次の空隙区画へと順次流れ込んで行くこととなる。
【0025】
この硬化性充填材23の注入時において、特に注目すべき点は、図3のように、既設管路10の底部近傍に設置された分割補強部材2であっても、筒長方向に連続するすき間Sによって、硬化性充填材23の管路筒長方向の流動がスムーズに維持される点である。このような既設管路の補修構造は、長尺の内面部材22が、同じく長尺の嵌合部材21を介してリング状補強部材に取り付けられているため、継ぎ目の無い水密構造が特徴である。そのため、管内に残った滞留水や空気も、この内面部材22と既設管内面10aとの間に密閉された状態となってしまう。しかしながら、本実施の形態における既設管路の補修構造は、この筒長方向に連続するすき間Sによって、硬化性充填材23の注入によって押し出されてきた管内の滞留水や空気が、管路筒長方向へ容易に移動することができるため、硬化性充填材23の未充填部位の発生を未然に防止することが可能となる。
【0026】
また、この切り込み2dは、硬化性充填材23が入り込んだ状態で硬化するため、アンカー効果により硬化性充填材23とリング状補強部材1との相互の結合力を高める効果を奏することもできる。
【0027】
なお、以上の実施の形態においては、円筒状の既設管10の補修に本発明を適用した例を説明したが、本発明の分割補強部材2は、底面が直線状で底部近傍に硬化性充填材の未充填部位が生じる可能性の高い馬蹄形管や矩形管(ボックスカルバート)等の既設管の補修に採用すれば、更に高い効果を発揮でき得ることは言うまでもない。
【0028】
また、以上の実施の形態で用いた分割補強部材2の形状加工方法は、特に限定されるものではないが、この加工にレーザー加工を用いた場合、従来、別の工程で行っていた分割補強部材2の輪郭を形成する加工と、貫通孔2cを形成する加工とを、同時に行うことができるようになり、好適である。そして、分割補強部材2に形成される切り込み2dの形状も、この例に限定されることなく、図4に示すようなテーパー状の切り込み2e,2e,・・・や、その他の形状を採用しても良い。
【0029】
また更に、分割補強部材2の結合に使用される結合部材3も、既設管路10の底部近傍に設置される場合も考えられるため、分割補強部材2と同様の切り込みを形成しておくことが望ましい。
【0030】
【発明の効果】
以上詳述したように、既設管路の補修に本発明の分割補強部材を用いることにより、既設管路の底部近傍においても、硬化性充填材の注入によって押し出されてきた滞留水や空気の通り道が確保され、硬化性充填材の未充填部位の発生を防止することができる。
【0031】
また、この分割補強部材の切り込みは、補強体と硬化性充填材の相互の結合力を高め、より安定した強度の補修構造を得ることができる。
【0032】
そして、分割補強部材の構造として、この切り込みが貫通孔に連通している構造を採用することにより、従来、別の工程で行っていた補強部材の輪郭を形成する加工と、貫通孔を形成する加工とを同時に行うことができるようになり、補強部材の加工費の削減効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における既設管路の補修方法を示す説明図で、既設管10の内部にリング状補強部材1を組み立てた状態を示す横断面図である。
【図2】本発明の実施の形態における分割補強部材2の切り込み形状を示す図1のP部拡大図である。
【図3】本発明の実施の形態における既設管10の底部近傍の補修構造を示す要部拡大図である。
【図4】本発明の実施の形態における分割補強部材2の別の切り込み形状を示す要部拡大図である。
【図5】従来の既設管路の補修方法を示す説明図で、既設管10の内部にリング状補強部材1を組み立てた状態を示す横断面図である。
【図6】従来の既設管路の補修方法を示す説明図で、リング状補強部材1を連結部材4によって筒長方向に一体化した状態を示す縦断面図である。
【図7】従来の既設管路の補修方法を示す説明図で、リング状補強部材1に嵌合部材21を取り付けた状態を示す横断面図である。
【図8】従来の既設管路の補修方法を示す説明図で、嵌合部材21に内面部材22を取り付けた状態を示す横断面図である。
【図9】図8のX−X線矢視断面図である。
【図10】従来の既設管路の補修構造を示す横断面図である。
【図11】従来の既設管路の補修構造を示す既設管10底部近傍の拡大図である。
【符号の説明】
1 リング状補強部材
2 分割補強部材
2a 嵌合用凹部
2b 凹凸
2c 貫通孔
2d,2e 切り込み
2f 開環部位
3 結合部材
3c 貫通孔
4 連結部材
4a パイプ材
4b ボルト
4c ナット
10 既設管
10a 管路内面
21 嵌合部材
22 内面部材
23 硬化性充填材
R 未充填部位
S すき間
Claims (5)
- 既設管路内に複数の分割補強部材を用いて当該管路内面に沿ったリング状補強部材を組み立て、そのリング状補強部材を既設管路筒長方向に複数個配置して、前記各分割補強部材に設けられた既設管路筒長方向の貫通孔に、連結部材を挿通させて相互に一体化することにより、既設管路内面に略沿った中空骨組み状の補強体を構築するとともに、その補強体の内側に複数の内面部材を取り付けて、既設管路内面の筒長方向に沿った筒状に組み立てた後、内面部材と既設管路内面との間の空隙内に硬化性充填材を注入する既設管路の補修に使用される補修部材において、
前記各分割補強部材の内縁に、前記内面部材に接するようにして既設管路筒長方向両側の空間を連通させる切り込みが形成されていることを特徴とする既設管路の補修部材。 - 前記切り込みが、前記連結部材を挿通させる貫通孔に連通して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の既設管路の補修部材。
- 複数の分割補強部材を既設管路内面に沿うように組み立ててなるリング状補強部材が、既設管路筒長方向に複数個配置され、その各リング状補強部材が、前記各分割補強部材に設けられた既設管路筒長方向の貫通孔に挿通された連結部材により相互に一体化されて、中空骨組み状の補強体が構築され、その補強体の内側に取り付けられた複数の内面部材と既設管路内面との間の空隙内に、硬化性充填材が充填されてなる既設管路の補修構造であって、
前記各分割補強部材の内縁に、前記内面部材に接するようにして既設管路筒長方向両側の空間を連通させる切り込みが形成され、これら切り込みに前記硬化性充填材が充填されていることを特徴とする既設管路の補修構造。 - 前記分割補強部材の切り込みが、前記連結部材を挿通させる貫通孔に連通して形成されているとともに、これら切り込みと貫通孔に前記硬化性充填材が充填されていることを特徴とする請求項3に記載の既設管路の補修構造。
- 前記内面部材が、前記リング状補強部材の内側に装着された複数の嵌合部材を介して、前記補強体に取り付けられていることを特徴とする請求項3または4に記載の既設管路の補修構造。
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