JP4494102B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、アレンジボール機等、遊技球を単位ゲームにつき規定数ずつ遊技領域内に発射して、その発射された遊技球の動作に関連して所定の入賞役が成立することに基づいてその入賞役に応じた個数の遊技球を払い出すように構成された弾球遊技機に関するものである。
弾球遊技機のうち、例えばアレンジボール機では、遊技球を単位ゲームにつき規定数、例えば15個ずつ遊技領域内に発射して、それら発射された遊技球が、遊技領域の下部に配列された複数個の入賞口のうち、連続する所定の複数個の入賞口に入賞する等により所定の入賞役が成立することに基づいてその入賞役に応じた個数の遊技球を払い出し手段により払い出すように構成されている。
この種のアレンジボール機のうち、遊技媒体として遊技球を用いるものとしては、遊技者により投入された遊技球をそのまま発射用の遊技球として使用すると共に使用後は島側に回収するようにした遊技球循環式のものが一般的である(特許文献1参照)。
この遊技球循環式のアレンジボール機では、上皿に貯留された遊技球を球送り手段を介して1個ずつ発射手段側に供給しつつ発射させ、単位ゲームにつき規定数、例えば15個の遊技球が発射されることを条件に、次の単位ゲームの開始条件が満たされるまで発射動作を停止させるようになっている。また、例えば発射した規定数の遊技球のうち、遊技領域に届かなかったファール球が検出された場合には、そのファール球の個数だけ追加的に発射動作を行うようになっている。
また、遊技媒体として遊技球を用いるアレンジボール機としては、その他にも、例えば発射用の遊技球を遊技機内に所定個数封入して繰り返し使用すると共に、単位ゲーム開始毎に遊技者により投入される遊技球はそのまま島側に回収する遊技球封入式のものも考えられる。
一方、遊技媒体としてメダルを用いるアレンジボール機においては、発射用の遊技球は循環式としても封入式としてもよいが、単位ゲームの成立に必要な規定数、例えば3枚のメダルの投入が単位ゲーム開始条件の1つとなっており、単位ゲームが開始されると、その単位ゲームが終了するまでメダルの追加投入はできないようになっている。
特開2003−205074号公報
遊技媒体として遊技球を用いる従来のアレンジボール機のうち、遊技球循環式のものは、上述したように遊技球を1個ずつ投入しつつその投入された遊技球を順次発射に供するように構成されており、単位ゲームの成立に必要な規定数、例えば15個の遊技球の投入が単位ゲーム開始条件とはなっていないため、例えば手持ちの遊技球が規定数未満であっても単位ゲームが開始できる点でメダルを遊技媒体とするアレンジボール機と大きく異なっており、遊技媒体の異なる各遊技機について統一的な運用を行う上で問題があった。
また、遊技媒体として遊技球を用いる遊技球循環式のアレンジボール機において単位ゲームの成立に必要な規定数、例えば15個の遊技球の投入を単位ゲーム開始条件とすることが考えられるが、この場合、単位ゲーム中の遊技媒体の追加投入を禁止してしまうと、ファール球が検出された際に追加的に発射を行うことができないこととなり、実現は不可能である。
なお、遊技媒体として遊技球を用いる場合であっても、遊技球封入式とすれば、メダル式のアレンジボール機と同様、単位ゲームの成立に必要な規定数の遊技媒体の投入を単位ゲーム開始条件の1つとし、且つ単位ゲーム中の遊技媒体の追加投入ができない構成とすることも可能であるが、この場合、発射用の遊技球は島側の遊技球循環装置で循環させることができず、個別に洗浄等を行う必要があるため、メンテナンス作業等に多大な労力と時間とを要する問題がある。
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、遊技媒体として遊技球を用いつつ、他の遊技媒体を用いる遊技機との間で統一的な運用を行うことができ、しかもメンテナンス作業等についても他の遊技機と同様に行うことが可能な弾球遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、単位ゲームにつき規定発射数の遊技球を遊技領域24に発射する発射手段15と、該発射手段15により前記遊技領域24内に発射された遊技球の入賞により所定の入賞役が成立することに基づいてその入賞役に応じた個数の遊技球を遊技球貯留手段7側に払い出す払い出し手段57とを備え、前記遊技領域24内に発射された遊技球を島側に回収するように構成された弾球遊技機において、前記遊技球貯留手段7から遊技機内の回収経路側に遊技球を取り込む遊技球取込手段97と、該遊技球取込手段97により規定投入数の遊技球が遊技機内に取り込まれることを条件に前記単位ゲームを開始させるゲーム開始手段128aとを備え、前記払い出し手段57は、払い出し方向を前記遊技球貯留手段7側と前記発射手段15側とに切り換える払い出し切換手段70を備え、その払い出し切換手段70により払い出し方向を前記発射手段15側にセットした状態で払い出しを行うことにより前記発射手段15に発射用の遊技球を供給するように構成され、前記払い出し手段57による前記発射手段15側への払い出しと前記遊技球貯留手段7側への払い出しとの間の優先順位を切り換える優先順位切換手段136を備え、前記払い出し手段57は、前記単位ゲームの開始に際して前記規定発射数の遊技球を前記発射手段15側に払い出すと共に、単位ゲームの開始後に前記遊技領域24に到達できなかったファール球が検出される毎にその個数分の遊技球を前記発射手段15側に払い出すように構成され、前記優先順位切換手段136は、単位ゲームの開始時には前記発射手段15側への払い出しよりも前記遊技球貯留手段7側への払い出しを優先させ、単位ゲーム中に所定の優先順位切換条件が成立することに基づいて、その単位ゲームの終了まで前記遊技球貯留手段7側への払い出しよりも前記発射手段15側への払い出しを優先させるように構成されているものである。
本発明の弾球遊技機によれば、投入された遊技球の回収経路と発射用の遊技球の供給経路とが別系統となっていることにより、ファール球が検出された場合には遊技球の回収とは別に供給経路から発射用の遊技球を追加供給することができるため、単位ゲーム中の遊技媒体の追加投入にはあたらず、単位ゲームの成立に必要な規定数の遊技媒体の投入を単位ゲーム開始条件の1つとし且つ単位ゲームが開始されるとその単位ゲームが終了するまで遊技媒体の追加投入はできないこととすることができ、遊技媒体としてメダルを用いるアレンジボール機等のその他の遊技機との間で統一的な運用を行うことが可能である。
また、使用する遊技球は島側の遊技球循環装置で循環させることができるため、メンテナンス作業等についても他の弾球遊技機と同様に行うことが可能である。更に、投入された遊技球の回収経路と発射球の供給経路とが別系統となっていることにより、遊技球の取込、回収動作が発射動作に直接的に影響を与えることがないために制御の自由度が高く、また、規定投入数と規定発射数とが一致しない場合でも何ら問題は生じない。
更に、発射用の遊技球の供給を賞球等の払い出しを行う払い出し手段57により行うようになっているために機械的構成が簡単で、しかも払い出し手段57による払い出し動作は、優先順位切換手段136により発射手段15側への払い出しと遊技球貯留手段7側への払い出しとの間で優先順位が切り換えられるため、遊技状態等に応じて払い出しの優先順位を常に最適な状態に設定できる利点がある。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図20は本発明をアレンジボール機として具現化した第1の実施形態を例示している。図1及び図2において、1は外枠、2は前枠で、外枠1の前側に上下一対のヒンジ3を介して開閉自在に枢着されている。4はガラス扉、5は前面板で、それらは前枠2の窓孔6に対応して上下に配置され、前枠2に開閉自在に枢支されている。
7は発射用の遊技球を貯留する上皿(遊技球貯留手段)で、前面板5の前側に装着され、上皿カバー8により覆われている。また、9は余剰球等を貯留する下皿(貯留手段)、10は灰皿で、これらは前面板5の下側で前枠2の前側に左右に配置され、下皿カバー11により覆われている。12は遊技盤で、前枠2の窓孔6に対応するように、前枠2の裏側の遊技盤装着枠13に裏側から着脱自在に装着され、窓孔6の下部側で前枠2の裏側に装着された支持板14により下側から支持されている。
下皿9の一側で前枠2の前側には、発射手段15を操作するための発射ハンドル16が設けられている。発射手段15は、前面板5の後側に配置され且つ支持板14の前側等に装着された発射レール17、モータ等の所定の発射駆動手段18により動作する打撃槌19等を備え、遊技者が発射ハンドル16を操作したときに、発射駆動手段18により打撃槌19が作動して、例えば発射レール17の後側で支持板14に装着された球送り手段20により発射レール17上に1個ずつ供給される遊技球を遊技盤12側に向けて発射させるようになっている。
また、前枠2の裏側の所定位置、例えば発射駆動手段18の裏側には、発射制御基板21を収納する発射基板ケース22が着脱自在に装着されている。なお、発射ハンドル16には、遊技者の把持を検出する接触検出スイッチ(図示省略)が設けられている。
遊技盤12の前面には、図3に示すように、発射手段15により発射された遊技球を案内するガイドレール23が環状に装着されると共に、そのガイドレール23の内側の遊技領域24内には、その下部に入賞口手段25が配置され、また入賞口手段25の上側に図柄表示手段26、特定入賞手段27、得点増加手段28、始動手段29、作動手段30,31、普通入賞手段32,33等の各種遊技部品が配置されている。また、入賞口手段25と各遊技部品との間には、多数の遊技釘(図示省略)が設けられている。
入賞口手段25は、図3及び図6に示すように、遊技盤12の開口部12aに裏側から着脱自在に装着された入賞ケース34と、この入賞ケース34に横一列状等に形成され且つ前側から入賞した遊技球を遊技盤12の裏側へと誘導する複数個、例えば16個の入賞口35と、各入賞口35に入賞した遊技球を検出する複数個、例えば16個の入賞検出スイッチ36とを備え、遊技盤12に沿って落下する遊技球が何れかの入賞口35に入賞して、入賞検出スイッチ36がその遊技球を検出するようになっている。
また、入賞口手段25は、遊技盤12に装着された入賞口カバー37により前側から覆われており、その入賞口カバー37に、各入賞口35に対応する複数個、例えば16個の表示部38を備えた入賞表示手段39が設けられている。入賞表示手段39は、遊技球が何れかの入賞口35に入賞したときに、それに対応する表示部38が発光、その他によって入賞を表示するようになっている。各表示部38には、各入賞口35に対応して一端側から順番に番号が表示されている。
単位ゲーム中に、例えば連続する4個の表示部38が発光状態となるなど、入賞表示状態となった表示部38が予め定められた組み合わせとなって入賞役が成立した場合には、その組み合わせの難易度等に応じて所定数の遊技球が賞球として上皿7に払い出されるようになっている。
なお、入賞表示手段39は、入賞口手段25よりも上側の遊技領域24の中央部等に、表示部38を縦横に所定数(例えば4個ずつ)組み合わせて配置する等、その配置位置や配置態様は任意である。
図柄表示手段26は、1個又は複数個、例えば3個の遊技図柄26a〜26cを変動表示可能であって、各種の遊技情報等を遊技者に報知するための液晶表示手段40により兼用されている。
各遊技図柄26a〜26cは、始動手段29が遊技球を検出することを条件に所定時間変動して、「7・7・7」等の特定態様又はそれ以外の非特定態様で停止するようになっている。なお、遊技図柄26a〜26cには数字図柄、キャラクター図柄等の適宜図柄が使用されている。
特定入賞手段27は、図柄表示手段26の変動後の遊技図柄26a〜26cが特定態様で停止、確定した後に所定期間開放する開閉体27aを備えると共に、その内部が複数個(例えば3個)の通路に分割され、その1つ(例えば中央)が特定領域41となっている。特定領域41を遊技球が通過すると、作動手段30,31が有効となる。なお、特定入賞手段27には、入賞した遊技球が特定領域41を通過したことを検出する通過検出スイッチ42が設けられている。
得点増加手段28は、遊技球が入賞したときに得点を増加させるためのもので、有効状態にある作動手段30,31に遊技球が入賞することを条件に所定期間開放する開閉爪28aを備え、この得点増加手段28に遊技球が入賞したときにそのゲームで獲得した得点を増加(例えば2倍)させるようになっている。
なお、特定入賞手段27、得点増加手段28、普通入賞手段32,33等は、これらに遊技球が入賞したときに、それに対応する1個又は複数個の入賞口35への遊技球の入賞と同等に取り扱われるようになっている。例えば、特定入賞手段27は入賞口35の11番目及び14番目に、得点増加手段28は11〜13番目及び15番目に夫々対応し、それらに遊技球が入賞したときに、対応する入賞口35に遊技球が入賞したと同様に、その入賞口35に対応する表示部38が入賞を表示するようになっている。また、特定入賞手段27、得点増加手段28、始動手段29、作動手段30,31、及び普通入賞手段32,33は、入賞口手段25と同様、入賞した遊技球を遊技盤12の裏側に案内するようになっている。
遊技盤12の裏側には、図2に示すように、図柄表示手段26等の遊技部品を裏側から覆う裏カバー44が装着されている。裏カバー44の裏側には、主制御基板45を収納する主基板ケース46と、ランプ制御基板47を収納するランプ基板ケース48と、音声制御基板49を収納する音声基板ケース50とが着脱自在に装着されている。また、裏カバー44の下部には、図6に示すように集球カバー44aが一体に設けられており、入賞口手段25等に入賞して遊技盤12の裏側に案内された遊技球はこの集球カバー44aで1箇所に集められた後、排出通路44bを経て島側に回収されるようになっている。
遊技盤装着枠13は門形状であって、前枠2の窓孔6に沿って前枠2の裏側に固定され、この遊技盤装着枠13の下端部間に、前面板5の裏側に対応するように支持板14が前枠2の裏側に固定されている。遊技盤装着枠13には、遊技盤12を裏側から押圧して固定するように、裏機構板51が上下一対のヒンジ52により開閉自在に枢着され、複数の締結具53により遊技盤装着枠13に締結されている。
裏機構板51には、図2に示すように、その中央部に裏カバー44が嵌合する開口部54が形成され、この開口部54の上側に遊技球タンク55とタンクレール56が、左右一側に払い出し手段57が、下側に通路ユニット58と設置部59とが夫々設けられている。
設置部59には、払い出し制御基板60を収納する払い出し基板ケース61と、電源基板62を収納する電源基板ケース63とが裏側から着脱自在に取り付けられている。
遊技球タンク55は、島側の球補給装置から補給された遊技球を貯留するためのもので、この遊技球タンク55からタンクレール56を経て払い出し手段57に遊技球を供給するようになっている。
払い出し手段57は、図2及び図8に示すように、例えば裏機構板51の後側に配置されており、上下方向に配置された払い出しケース71と、この払い出しケース71内に回転自在に支持された回転体72と、回転体72を駆動する繰り出しモータ73と、払い出しケース71の下流側に連結された第1,第2排出路74a,74bと、払い出しケース71側から繰り出された遊技球の流下方向を第1排出路74aと第2排出路74bとの何れかに切り換える払い出し切換手段70と、第1,第2排出路74a,74bを通過する遊技球を検出する第1,第2払い出し検出スイッチ75a,75bとを備え、タンクレール56から払い出しケース71内に供給された遊技球を回転体72の回転により下流側に繰り出し、第1,第2排出路74a,74bの何れかに払い出すようになっている。
ここで、機外の球補給装置から補給された遊技球を払い出し手段57側に供給する経路、即ち遊技球タンク55からタンクレール56を経て払い出し手段57に至る経路が、遊技機外から遊技球が供給される供給経路を構成しており、後述する回収経路とは別系統となっている。
なお、払い出し切換手段70は、第2排出路74b側を閉鎖して払い出しケース71側と第1排出路74a側とを連通させる第1切換位置と、第1排出路74a側を閉鎖して払い出しケース71側と第2排出路74b側とを連通させる第2切換位置との間で揺動可能な揺動爪70aと、この揺動爪70aを揺動駆動する電磁ソレノイド等よりなる切換駆動手段(図示省略)とを備えている。
通路ユニット58は、払い出し手段57の第1排出路74aから払い出された遊技球を上皿7側に案内する上皿案内通路79と、払い出し手段57の第2排出路74bから払い出された遊技球を後述する発射待機通路81側に案内する発射球供給案内通路82と、上皿7から溢れた余剰球を下皿9側に案内する溢流案内通路(図示省略)とを備えている。
支持板14は合成樹脂製であって、その上部側には遊技盤12を下側から支持する遊技盤支持部83(図6参照)が、前側には発射手段15により発射されたにも拘わらず遊技領域24に到達できなかったファール球を島側に案内するファール球案内通路84、発射レール17等(図1参照)が、後側には球送り手段20、発射待機通路81等が夫々配置されている。
ファール球案内通路84は、発射レール17とガイドレール23との間に下向きに設けられており、その内部に落下したファール球を検出するファール球検出スイッチ(ファール球検出手段)85が設けられている。
発射レール17は、上流側端部よりも下流側端部の方が高くなるように傾斜状に配置されており、その上流端側の近傍には、図1,図6及び図8に示すように、発射レール17上の遊技球の有無等により打撃槌19の打撃による遊技球の発射を検出する発射検出スイッチ86が配置されている。
球送り手段20は、発射レール17の上流端側に対応して例えばその後側に配置されており、打撃槌19の発射動作に同期して遊技球を1個ずつ発射レール17上に供給するように構成されている。
発射待機通路81は、球送り手段20の手前で発射用の遊技球を待機させるもので、下流端側が球送り手段20の例えば後側に、上流端側が通路ユニット58の発射球供給案内通路82に夫々接続されており、払い出し手段57の第2排出路74bから通路ユニット58の発射球供給案内通路82を介して払い出された遊技球を球送り手段20の手前で例えば一列状に整列させるように構成されている。なお、発射待機通路81は、少なくとも規定発射数の遊技球が整列可能な長さに形成されている。
ここで、規定発射数とは、単位ゲームを成立させるために遊技領域24内に発射する必要がある遊技球の個数で、本実施形態では15個に設定されている。
前面板5は、図4〜図8に示すように、例えば板金製の上皿台板87を備え、その裏側にはレールカバー部材88、回収通路90等が、前側には上皿7、回収待機通路80、球抜き通路89、返却通路91、これらを前側から覆う上皿カバー8等が夫々装着されている。
上皿7は、払い出し手段57の第1排出路74aから通路ユニット58の上皿案内通路79を介して払い出し口92aより払い出された遊技球を貯留する貯留部92と、この貯留部92の遊技球を一列状に整列させながら下流側の回収待機通路80に案内する整列部93とを左右に備えている。
図4に示すように、貯留部92は前面板5の前方に大きく突出した形状となっており、この貯留部92から左右方向に離れるに従って突出量が次第に小さくなって整列部93に滑らかに接続している。また、上皿7の底壁94は、貯留部92側から整列部93側に向けて徐々に低くなるように若干傾斜して設けられており、貯留部92から整列部93を介して回収待機通路80側に遊技球が自然に移動するようになっている。
整列部93は、少なくとも単位ゲームを開始するために投入する必要がある規定投入数、例えば15個の遊技球を一列状に整列可能な長さに形成されており、その上流側端部近傍には、整列部93内の先頭(最下流側)から規定投入数番目、例えば15番目の遊技球を検出する規定数貯留検出スイッチ(規定数貯留検出手段)95が配置されている。この規定数貯留検出スイッチ95が遊技球を検出した状態が所定時間継続すれば、その整列部93上に少なくとも規定投入数(15個)の遊技球が整列しているものと判断できる。
また、整列部93の上流側端部近傍には、例えば底壁94の下側に整列部流入阻止手段95aが配置されている。この整列部流入阻止手段95aは、規定数貯留検出スイッチ95により規定投入数の遊技球の貯留が検出された状態で作動することによりその規定投入数の遊技球よりも上流側の遊技球の回収待機通路80側への流入を阻止するためのもので、整列部93側に進退可能な阻止部材95bを備えた電磁ソレノイド等により構成され、例えば作動時には、阻止部材95bが底壁94の下側から整列部93内に進出して貯留部92側から整列部93側への遊技球の流入を阻止する流入阻止状態となり、非作動時には、阻止部材95bが整列部93から待避して貯留部92側から整列部93側への遊技球の流入を許容する流入許容状態となるように構成されている。
回収待機通路80は、後述する回収通路90等と共に遊技球を機外に回収するための回収経路を構成するもので、上皿7の整列部93の下流側に接続され且つ上皿7側から取り込まれた遊技球を回収通路90の手前で例えば一列状に配列された状態で待機させるように構成されている。
回収待機通路80は、図5〜図8等に示すように、例えば整列部93の下側に整列部93とは左右方向逆向きの傾斜状に配設されており、その上流端側は整列部93の下流端側の例えば下側に、下流端側は回収通路90の上流端側に夫々接続されている。回収待機通路80は、少なくとも規定投入数(15個)の遊技球を回収通路90の手前で待機させることが可能な長さに形成されている。なお、回収待機通路80は遊技球を一列状に配列するものでなくてもよい。
整列部93と回収待機通路80とが例えば上下に連通する取込連通口96の近傍には、上皿7の整列部93から回収待機通路80側に遊技球を取り込む遊技球取込手段97と、この遊技球取込手段97の下流側近傍に配置され且つ整列部93側から回収待機通路80側に流入する遊技球を検出する取込球検出スイッチ98とが配置されている。
遊技球取込手段97は、取込連通口96を開閉可能な開閉部材99と、この開閉部材99を、取込連通口96を閉鎖する取込阻止位置と開放する取込許容位置とに切り換える電磁ソレノイド等よりなる取込駆動手段100とを備えている。取込駆動手段100は、取込連通口96の側方に例えばその駆動軸100aを略水平方向に向けた状態で上皿台板87の前側に着脱自在に固定されており、開閉部材99を取込連通口96に対して略水平に出退させるようになっている。
整列部93の下流端側には、図6,図8等に示すように、遊技球取込手段97の上流側近傍に球抜き口101を介して球抜き通路89が接続されており、更にこの球抜き口101を開閉する球抜き開閉手段102が設けられている。球抜き通路89は、その下流端側が下皿9側に接続されており、球抜き口101が開放されたとき、上皿7内の遊技球を下皿9側に案内するようになっている。なお、球抜き口101は、例えば整列部93の前側の側壁部93aに設けられており、開閉部材99の上面側は、その上流側の遊技球を球抜き口101側に案内するように前向きの傾斜状に形成されている。
球抜き開閉手段102は、球抜き口101を開放する開状態と閉鎖する閉状態との間で例えばスライド可能な開閉部材103と、この開閉部材103を閉状態に付勢するバネ部材104と、上皿カバー8にスライド可能に設けられ且つ開閉部材103を開閉操作するための操作レバー105と、操作レバー105と開閉部材103とを連動させる連動部材106と、開閉部材103が開状態となったことを検出する球抜き操作検出スイッチ107とを備え、操作レバー105を開方向に操作することにより、開閉部材103がバネ部材104に抗して開状態に移動して球抜き口101が開放され、その開放操作が球抜き操作検出スイッチ107により検出されるようになっている。なお、本実施形態では、操作レバー105、連動部材106及び開閉部材103は一体に形成されている。
回収待機通路80の下流側には、図7,図8等に示すように、回収口108を介して回収通路90が接続されており、更にその近傍には、回収待機通路80内の遊技球を回収通路90側に回収するための遊技球回収手段109と、その遊技球回収手段109により回収待機通路80から回収通路90側に流入する遊技球を検出する回収球検出スイッチ110とが設けられている。
回収通路90は、例えば回収待機通路80の下流端側から後ろ向きに配置され、その下流端側が島側への排出通路(図示省略)に接続されており、回収口108が開放されたとき、回収待機通路80内の遊技球を島側に案内するようになっている。なお、回収口108は、例えば回収待機通路80の後側の上皿台板87に設けられている。
遊技球回収手段109は、回収口108を開閉可能な開閉部材111と、この開閉部材111を、回収口108を開放する開状態と閉鎖する閉状態とに切り換える電磁ソレノイド等よりなる回収口開閉駆動手段112とを備えており、単位ゲームが開始された後に所定のタイミングで回収口108を開放する方向に作動して、回収待機通路80内の規定投入数の遊技球を島側に回収するようになっている。回収待機通路80側から回収口108を経て回収通路90側に流入した遊技球は回収球検出スイッチ110により検出される。
更に、回収待機通路80の下流側には、返却口113を介して返却通路91が接続されており、更にその近傍には、回収待機通路80内の遊技球を返却するための遊技球返却手段114と、その遊技球返却手段114により回収待機通路80から返却通路91側に流入する遊技球を検出する返却球検出スイッチ115とが設けられている。
返却通路91は、例えば回収待機通路80の下流端側から下向きに配置され、その下流端側が下皿9に接続されており、返却口113が開放されたとき、回収待機通路80内の遊技球を下皿9側に案内するようになっている。なお、返却口113は、例えば回収待機通路80の下側の底壁部80bに設けられている。
遊技球返却手段114は、返却口113を開閉可能な開閉部材116と、この開閉部材116を、返却口113を開放する開状態と閉鎖する閉状態とに切り換える電磁ソレノイド等よりなる返却口開閉駆動手段117とを備えており、単位ゲームの終了から次の単位ゲームの開始までの間に開閉部材103が球抜き口101の開放側に操作されて球抜き操作検出スイッチ107がそれを検出した場合に返却口113を開放する方向に作動するようになっている。回収待機通路80側から返却口113を経て返却通路91側に流入した遊技球は返却球検出スイッチ115により検出される。
なお、開閉部材116の上面側は、返却口113を閉鎖した状態のときにその上側の遊技球を回収口108側に案内するように後ろ向きの傾斜状に形成されている。
図9はアレンジボール機の制御系のブロック図である。本実施形態の制御系は、図9に示すように主制御基板45、払い出し制御基板60、発射制御基板21、表示制御基板121、ランプ制御基板47、音声制御基板49等を備えている。表示制御基板121は、例えば液晶表示手段40の裏側等に基板ケースに格納した状態で装着されている。
主制御基板45は、主として遊技盤12側の遊技動作の制御を行う主制御手段を構成するもので、CPU、ROM、RAM等の電子部品により構成される乱数発生手段123、遊技状態判定手段124、特別遊技状態発生手段125、入賞処理手段126、精算処理手段127、ゲーム更新手段128、遊技球回収制御手段129、発射球供給制御手段130、返却制御手段131、制御コマンド送信手段132等を備えている。
乱数発生手段123は、所定の乱数を繰り返し発生するようになっている。遊技状態判定手段124は、乱数発生手段123からの抽出乱数値に基づいて遊技者に有利な特定遊技状態と不利な非特定遊技状態との何れかを択一的に選択し判定するためのもので、始動手段29が遊技球を検出することを条件に乱数発生手段123の発生乱数値を抽出して、その抽出乱数値が特定遊技判定乱数値のときに特定遊技状態とする旨を判定するようになっている。
遊技状態判定手段124が特定遊技状態と判定したときには、図柄表示手段26の変動後の遊技図柄26a〜26cが「7・7・7」等の特定態様で停止した後に、特定入賞手段27の開閉体27aが所定期間開放するようになっている。
特別遊技状態発生手段125は、特定入賞手段27に入賞した遊技球が特定領域41を通過して、通過検出スイッチ42がその遊技球の通過を検出することを条件に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生し、その後に最大所定ゲーム数(例えば14ゲーム等の複数ゲーム)の結果が得られるまで特別遊技状態を継続させるようになっている。なお、特定入賞手段27に入賞した遊技球が再度特定領域41を通過した場合には、特別遊技状態発生手段125の作動はその時点で終了する。
特別遊技状態中は作動手段30,31が有効になり、この作動手段30,31に遊技球が入賞すれば得点増加手段28の開閉爪28aが所定期間開放し、この得点増加手段28に遊技球が入賞することを条件に、そのゲームで獲得した得点が増加(例えば2倍)するようになっている。
入賞処理手段126は、入賞口手段25の各入賞口35等に遊技球が入賞したときに、入賞検出スイッチ36等からの入賞信号に基づいて、その入賞口35等に対応する所定の入賞表示手段39の表示部38を発光させる入賞処理を行うものである。
精算処理手段127は、単位ゲーム毎に入賞役に応じて得点を付与するためのもので、入賞役の成立に必要な数(例えば4個)以上の遊技球が何れかの入賞口35に入賞したときに入賞役の成否の判定を行う機能と、入賞役が成立したときにその難易度に応じて得点を付与する機能と、特別遊技状態の発生中に得点増加手段28に遊技球が入賞したときに当該ゲームでの得点を増加(例えば2倍)させる機能等を備えている。なお、単位ゲーム当たりの得点は、最高で10点までとなっている。
ゲーム更新手段128は、単位ゲームの更新処理を行うためのもので、ゲーム開始手段128a、ゲーム終了手段128b等を備えている。
ゲーム開始手段128aは、単位ゲームの開始条件が満たされた場合に次の単位ゲームを開始させるためのもので、例えば前回の単位ゲームが終了して所定の休止時間が経過したこと、後述する取込制御手段129aの制御により規定投入数(15個)の遊技球が回収待機通路80側に取り込まれたこと、後述する発射球供給制御手段130の制御により規定発射数(15個)の遊技球が発射待機通路81内に供給されたこと、遊技者により発射ハンドル16が操作されたこと等の所定の単位ゲーム開始条件が満たされたときに、発射手段15による発射を許可して単位ゲームを開始させるようになっている。
ゲーム終了手段128bは、単位ゲームの終了条件が満たされた場合に当該ゲームを終了させるためのもので、規定発射数(15個)の遊技球の発射が終了して所定時間経過したこと、規定発射数(15個)の遊技球の全ての入賞が検出されたこと、遊技図柄26a〜26cの変動が終了したこと、賞球の払い出しが終了したこと、下皿満杯エラーや球切れエラー等の所定のエラーが発生していないこと等の所定の単位ゲーム終了条件が満たされたときに、当該単位ゲームを終了させるようになっている。
また、ゲーム終了手段128bは、発射検出スイッチ86からの発射検出信号とファール球検出スイッチ85からのファール球検出信号とに基づいて、例えば発射検出スイッチ86から発射検出信号が出力される毎に有効発射個数に1を加算し、ファール球検出スイッチ85からファール球検出信号が出力される毎に有効発射個数から1を減算することにより遊技領域24内に発射された有効発射個数を計数すると共に、その有効発射個数が規定発射数(15個)に達することに基づいて、ゲームの終了処理に先立って発射手段15による発射を終了させるようになっている。なお、ファール球検出スイッチ85により検出されたファール球は、ファール球案内通路84を介して島側に回収される。
遊技球回収制御手段129は、上皿7側から単位ゲームにつき規定投入数(15個)の遊技球を回収するための制御を行うもので、取込制御手段129a、回収制御手段129b等を備えている。
取込制御手段129aは、単位ゲームの開始に際して上皿7から回収待機通路80側に規定投入数(15個)の遊技球を取り込むための制御を行うもので、単位ゲームの開始に際し、規定数貯留検出スイッチ95からの検出信号に基づいて上皿7の整列部93上に規定投入数(15個)以上の遊技球が貯留されていると判断された場合に、整列部流入阻止手段95aを流入許容状態から流入阻止状態に作動させて、整列部93内の規定投入数番目(15個目)よりも後方の遊技球の整列部93側への流入を阻止すると共に、取込球検出スイッチ98により規定投入数(15個)の遊技球が検出されるまで、遊技球取込手段97の取込駆動手段100を作動させて取込連通口96を開放するようになっている。これにより、整列部93内の規定投入数(15個)の遊技球が取込連通口96を介して回収待機通路80内に取り込まれる。
取込球検出スイッチ98により規定投入数(15個)の遊技球が検出されると、取込制御手段129aの制御により取込駆動手段100の作動が停止されて取込連通口96が閉鎖されると共に、整列部流入阻止手段95aの作動が停止されて貯留部92内の遊技球の整列部93内への流入が許容される。なお、遊技球取込手段97は、単位ゲーム中は取込連通口96を開放する側に作動できないようになっている。
回収制御手段129bは、回収待機通路80内に取り込まれた規定投入数(15個)の遊技球を島側に回収するための制御を行うもので、例えばゲーム開始手段128aによる単位ゲームの開始後、少なくともその単位ゲームの終了までの所定のタイミングで遊技球回収手段109を作動させて、回収待機通路80内の遊技球を回収通路90を介して島側に回収させるようになっている。なお、回収制御手段129bは、回収球検出スイッチ110により規定投入数の遊技球が検出されることに基づいて遊技球回収手段109の作動を停止させる。
発射球供給制御手段130は、発射用の遊技球を発射手段15に供給するための制御を行うもので、初期供給制御手段130a、追加供給制御手段130b等を備えている。
初期供給制御手段130aは、単位ゲームの開始に際して発射手段15側に規定発射数の遊技球を供給するための制御を行うもので、前回の単位ゲームの終了後の所定のタイミング、例えば取込制御手段129aの制御による遊技球の取込処理が終了したときに、制御コマンド送信手段132を介して払い出し制御基板60側に発射球供給コマンドを送信するようになっている。
なお、発射球供給コマンドが送信されると、払い出し制御基板60の制御により、払い出し切換手段70の揺動爪70aを第2切換位置にセットした状態で払い出し手段57の繰り出しモータ73が作動して、規定発射数(ここでは15個)の遊技球が第2排出路74b側に払い出される。これにより、規定発射数(15個)の遊技球が球送り手段20の手前で発射待機通路81内に一列状に整列した状態となる。
追加供給制御手段130bは、単位ゲーム中にファール球の検出個数分の遊技球を発射手段15側に追加供給するための制御を行うもので、ファール球検出スイッチ85からファール球検出信号が出力される毎に、制御コマンド送信手段132を介して払い出し制御基板60側に追加発射球供給コマンドを送信するようになっている。
なお、追加発射球供給コマンドが送信されると、払い出し制御基板60の制御により、払い出し切換手段70の揺動爪70aを第2切換位置にセットした状態で払い出し手段57の繰り出しモータ73が作動して、1個の遊技球が第2排出路74b側に払い出される。これにより、ファール球として島側に回収された分の遊技球は発射待機通路81側に追加供給されるため、ファール球が発生した場合でも有効発射個数が規定発射数(15個)に達するまで発射を行うことができる。
返却制御手段131は、回収待機通路80内の遊技球の返却に関する制御を行うもので、返却口開閉制御手段133を備えている。この返却口開閉制御手段133は、返却口開閉駆動手段117の駆動による返却口113の開閉制御を行うもので、単位ゲームの終了後、次の単位ゲームが開始されるまでの期間中、即ち単位ゲーム中以外のときに、球抜き操作検出スイッチ107からの検出信号に基づいて球抜き開閉手段102の開閉部材103が開状態となったと判断されたときに、遊技球返却手段114を作動させて返却口113を開放させるように構成されている。
これにより、単位ゲーム中以外のときに遊技者が操作レバー105を操作すると、球抜き口101が開放されて上皿7側の遊技球が球抜き通路89を介して下皿9側に排出されると共に、返却口113が開放されて回収待機通路80内の遊技球は返却通路91を介して下皿9側に返却される。
なお、単位ゲーム中に遊技者が操作レバー105を操作した場合には、球抜き口101は開放され、上皿7側の遊技球は下皿9側に排出されるが、返却制御手段131による回収待機通路80内の遊技球の返却処理は行われない。
制御コマンド送信手段132は、サブ制御基板60,47,49,121等に制御コマンドを一方向通信により送信するためのもので、遊技状態判定手段124の判定結果に基づいて表示制御基板121に図柄制御コマンドを送信する機能、入賞処理手段126の入賞処理等に基づいて表示制御基板121に入賞表示制御コマンドを送信する機能、精算処理手段127の得点に基づいて払い出し制御基板60に賞球の払い出し制御コマンドを送信する機能、初期供給制御手段130aの制御に基づいて払い出し制御基板60に発射球供給コマンドを送信する機能、追加供給制御手段130bの制御に基づいて払い出し制御基板60に追加発射球供給コマンドを送信する機能、ゲーム更新手段128の単位ゲーム開始/終了制御に基づいて払い出し制御基板60を介して発射制御基板21側に発射許可/停止コマンドを送信する機能、特別遊技状態の発生等の遊技状態等に基づいてランプ制御基板47側にランプ表示制御コマンドを送信する機能、特別遊技状態の発生等の遊技状態等に基づいて音声制御基板49側に音声制御コマンドを送信する機能等を有する。
なお、本実施形態では、制御コマンド送信手段132により送信される賞球の払い出し制御コマンドは、精算処理手段127により得られた得点に基づいて、1点獲得する毎に1回送信されるようになっているものとする。
また、制御コマンド送信手段132は、優先順位切換手段136を備えている。この優先順位切換手段136は、払い出し手段57による発射手段15側への払い出しと上皿7側への払い出しとの間の優先順位を切り換えるためのもので、判定手段136aを備えている。
判定手段136aは、優先順位切換条件が成立したか否かを判定するためのもので、例えばその単位ゲームにおける残り発射個数、即ち規定発射個数から有効発射個数を減算した値が所定個数、例えば5個に達したときに優先順位切換条件が成立したものと判定するように構成されている。
優先順位切換手段136は、単位ゲームの開始時には発射手段15側への払い出しよりも上皿7側への払い出しを優先させることにより、例えば賞球の払い出し制御コマンドの送信タイミングと追加発射球供給コマンドの送信タイミングとが一致した場合には、賞球の払い出し制御コマンドを優先的に送信させる。また、単位ゲーム中に判定手段136aにより優先順位切換条件が成立したものと判定された場合には、払い出し制御基板60側に優先順位切換コマンドを送信すると共に、それ以降はその単位ゲームが終了するまで上皿7側への払い出しよりも発射手段15側への払い出しを優先させることにより、例えば賞球の払い出し制御コマンドの送信タイミングと追加発射球供給コマンドの送信タイミングとが一致した場合には、追加発射球供給コマンドを優先的に送信させる。
払い出し制御基板60は、払い出し手段57の制御等を行うもので、主制御基板45から発射許可/停止コマンドがあったときに発射制御基板21への電源の供給を開始/停止すると共に発射制御信号の出力を開始/停止する機能、図示しない球貸しユニット側から貸し球の払い出し要求確認信号等に基づいて、払い出し切換手段70を第1切換位置に作動させることにより払い出しケース71側と第1排出路74aとを連通させた状態で繰り出しモータ73を作動させて所定個数の遊技球を上皿7側に払い出させる機能、主制御基板45から払い出し制御コマンドがあったときに、払い出し切換手段70を第1切換位置に作動させることにより払い出しケース71側と第1排出路74aとを連通させた状態で繰り出しモータ73を作動させて所定個数の遊技球を上皿7側に払い出させる機能、主制御基板45から発射球供給コマンド、追加発射球供給コマンドがあったときに、払い出し切換手段70を第2切換位置に作動させることにより払い出しケース71側と第2排出路74bとを連通させた状態で繰り出しモータ73を作動させて所定個数の遊技球を発射待機通路81側に払い出させる機能等を備えている。
本実施形態では、払い出し制御基板60は、賞球の払い出し制御コマンドの1回の受信に対して15個、貸し球の払い出し要求確認信号のON,OFF1回に対して25個、発射球供給コマンドの1回の受信に対して15個、追加発射球供給コマンドの1回の受信に対して1個の遊技球を払い出し手段57により払い出させるべく制御するように構成され、賞球の払い出し制御コマンドによる未払い出し個数の合計値(以下、賞球払い出し残数という)、追加発射球供給コマンドによる未払い出し個数の合計値(以下、追加発射球払い出し残数という)については夫々別個に計数されるようになっている。
また、払い出し制御基板60は、払い出し手段57に対して、単位払い出し動作につき所定個数、例えば25個を上限として払い出し動作を行わせるように構成されている。従って、例えば賞球の払い出し制御コマンドを3回受信した場合には、1つ目の払い出し制御コマンドを受信した時点では賞球払い出し残数は15個であるためにまず1回目の単位払い出し動作により15個が払い出され、その1回目の単位払い出し動作が終了した時点では残り2つの払い出し制御コマンドを受信して賞球払い出し残数は30個となっているため、続く2回目の単位払い出し動作で最大払い出し個数である25個が、3回目の単位払い出し動作で残りの5個が、夫々払い出される。
また、本実施形態の払い出し制御基板60は、単位ゲームの開始時には発射手段15側への追加発射球の払い出し動作に対して上皿7側への賞球の払い出し動作を優先して行わせ、主制御基板45側から優先順位切換コマンドを受信した場合には、それ以降その単位ゲームが終了するまで、上皿7側への賞球の払い出し動作に対して発射手段15側への追加発射球の払い出し動作を優先して行わせるように構成されている。
即ち、単位ゲームの開始から優先順位切換コマンドを受信するまでは、追加発射球供給コマンドと賞球の払い出し制御コマンドの受信順序に拘わらず、追加発射球払い出し残数よりも先に賞球払い出し残数を消化するように払い出しが行われる。従って、例えば賞球について複数回の単位払い出し動作が行われている途中で追加発射球供給コマンドを受信した場合には、賞球払い出し残数が0になるまで賞球の払い出しが行われた後で追加発射球の払い出しが行われる。
一方、優先順位切換コマンドを受信した後は、その単位ゲームが終了するまで、賞球払い出し残数よりも先に追加発射球払い出し残数を消化するように払い出しが行われる。従って、例えば賞球について複数回の単位払い出し動作が行われている途中で追加発射球供給コマンドを受信した場合には、例えばその時点で行われている単位払い出し動作が終了した時点で賞球の払い出し動作が中断されて先に追加発射球の払い出し動作が行われ、その終了後に賞球についての残りの払い出し動作が行われる。
また、払い出し制御基板60は、貸し球の払い出しに関しては、図示しない球貸しユニットとの間で互いに払い出し要求確認信号の受信確認や払い出し完了の確認等を行いつつ、所定個数単位、例えば25個単位で払い出しを行うように構成されている。
即ち、払い出し制御基板60は、図17に示すように、払い出し動作が可能な状態となった場合に第1READY信号PRDYをONにし、これに対して球貸しユニットにより第2READY信号BRDYがONにされ、更に払い出し要求確認信号BRQがONにされることに基づいて、払い出し完了信号EXSをONにする。その後、球貸しユニットにより払い出し要求確認信号BRQがOFFにされることに基づいて上皿7側への遊技球の払い出しを開始させ、25個の払い出しを確認した時点で払い出し完了信号EXSをOFFにする。そして、続けて払い出し要求確認信号BRQがONにされた場合には同様の処理を繰り返し、第2READY信号BRDYがOFFにされた場合には貸し球の払い出し動作を終了する。
また、本実施形態の払い出し制御基板60は、単位ゲームの開始時には発射手段15側への追加発射球の払い出し動作に対して上皿7側への貸し球の払い出し動作を優先して行わせ、主制御基板45側から優先順位切換コマンドを受信した場合には、それ以降その単位ゲームが終了するまで、上皿7側への貸し球の払い出し動作に対して発射手段15側への追加発射球の払い出し動作を優先して行わせるように構成されている。
即ち、単位ゲームの開始から優先順位切換コマンドを受信するまでは、追加発射球払い出し残数の消化よりもよりも先に貸し球の払い出し要求に応えるように払い出しが行われる。従って、例えば貸し球についての払い出し動作が行われている途中で追加発射球供給コマンドを受信した場合には、貸し球についての払い出しが全て終了した後、即ち第2READY信号BRDYがOFFになった後で追加発射球の払い出しが行われる。
一方、優先順位切換コマンドを受信した後は、その単位ゲームが終了するまで、貸し球の払い出しよりも先に追加発射球払い出し残数を消化するように払い出しが行われる。従って、例えば貸し球についての払い出し動作が行われている途中で追加発射球供給コマンドを受信した場合には、その時点で行われている貸し球の単位払い出し動作が終了した時点で例えば第1READY信号PRDYをOFFにすることにより貸し球の払い出し動作を中断し、先に追加発射球の払い出し動作を行い、その終了後に再度第1READY信号PRDYをONにして残りの貸し球の払い出し動作を行うようになっている。
なお、貸し球の払い出しと賞球の払い出しとの間では貸し球の払い出しを優先することが望ましいが、賞球の払い出しを優先するように構成してもよい。
発射制御基板21は、払い出し制御基板60から供給される電源及び発射制御信号に基づいて発射手段15の発射制御を行う発射制御手段を構成するもので、払い出し制御基板60から発射制御信号の出力が開始され、且つ遊技者が遊技球の発射操作を行ったことを発射ハンドル16の接触検出スイッチ等からの信号に基づいて検出することを条件に発射手段15の作動を開始させ、払い出し制御基板60が発射制御信号の出力を停止することを条件に発射手段15の作動を終了させるようになっている。
表示制御基板121は、入賞表示手段39、図柄表示手段26等の表示制御を行うもので、入賞表示制御手段141、図柄表示制御手段142等を備えている。
入賞表示制御手段141は、主制御基板45からの入賞表示制御コマンドに基づいて入賞表示手段39の表示制御を行うためのもので、遊技球が何れかの入賞口35等に入賞して入賞表示制御コマンドがあったときに、その入賞口35等に対応する表示部38を発光させるようになっている。
図柄表示制御手段142は、遊技状態判定手段124の判定結果に応じて図柄表示手段26の遊技図柄26a〜26cの変動制御を行うためのもので、始動手段29による遊技球の検出により遊技図柄26a〜26cの変動を開始させ、遊技状態判定手段124の判定結果が特定遊技判定のときに「7・7・7」等の特定態様で、非特定遊技判定のときに非特定態様で夫々停止させるようになっている。
ランプ制御基板47は、主制御基板45からのランプ表示制御コマンドがあったときに、前枠2、遊技盤12等の遊技機本体の前面側に配置された表示ランプ143を所定のパターンで発光させるようになっている。音声制御基板49は、主制御基板45からの音声制御コマンドがあったときに、スピーカ等の音声出力手段144から所定の音声を出力させるようになっている。
次に上記構成のアレンジボール機における動作を説明する。遊技の開始に際し、払い出し手段57が払い出し動作可能な状態にある場合には、図17に示すように、払い出し制御基板60により第1READY信号PRDYがONにされた状態となっている。この状態のときに遊技者が所定の貸し球操作を行うと、図示しない球貸しユニットにより第2READY信号BRDYがONにされ、更に払い出し要求確認信号BRQがONにされ、これに基づいて払い出し制御基板60により払い出し完了信号EXSがONにされる。
その後、球貸しユニットにより払い出し要求確認信号BRQがOFFにされると、払い出し制御基板60は、払い出し手段57の払い出し切換手段70を第1切換位置に作動させて払い出しケース71側と第1排出路74a側とを連通させ、更に繰り出しモータ73を作動させることにより、上皿7側への貸し球の払い出しを開始させる。そして、25個の払い出しが確認された時点で払い出し完了信号EXSがOFFにされ、続けて払い出し要求確認信号BRQがONにされた場合には同様の処理が繰り返され、第2READY信号BRDYがOFFにされた場合に貸し球の払い出し動作が終了する。
払い出し手段57の第1排出路74a側から払い出し口92aを介して上皿7内に払い出された遊技球は、非作動で流入許容状態となっている整列部流入阻止手段95aを通過して貯留部92から整列部93側に順次流下し、先頭(最下流側)の遊技球が遊技球取込手段97の開閉部材99に規制された状態で、その上流側に一列状に整列する(図11 (a))。
上皿7内に規定投入数(15個)以上の遊技球が貯留されている場合には、整列部93に整列した遊技球のうち、先頭から15個目の遊技球が規定数貯留検出スイッチ95により検出された状態となる(図11(b))。
単位ゲームの開始に際し、まず取込制御手段129aは、例えば図10に示すような取込制御処理を実行する。即ち、まず単位ゲーム中か否かを判定し(S1)、単位ゲーム中でなければ(S1:No)、規定数貯留検出スイッチ95からの検出信号に基づいて上皿7内に規定投入数(15個)以上の遊技球が貯留されているか否かを判定する(S2)。
そして、規定投入数以上の遊技球が貯留されていると判定された場合には(S2:Yes)、整列部流入阻止手段95aを流入許容状態から流入阻止状態に作動させて整列部93内の規定投入数番目(15個目)よりも後方の遊技球の整列部93側への流入を阻止する(S3a)と共に、遊技球取込手段97の取込駆動手段100を作動させて取込連通口96を開放する(S3b)。これにより、整列部93内に整列した投入(15個)の遊技球が取込連通口96を介して順次回収待機通路80側に流入する。その際、取込連通口96を通過した遊技球は取込球検出スイッチ98により検出される(図11(c))。
その後、取込球検出スイッチ98による遊技球の検出数が規定投入数(15個)に達すると(S4:Yes)、遊技球取込手段97の取込駆動手段100の作動を停止させて取込連通口96を閉鎖する(S5a)と共に、整列部流入阻止手段95aの作動を停止させて流入阻止状態から流入許容状態に復帰させ(S5b)、貯留部92側から整列部93側への遊技球の流入を許容する。これにより、回収待機通路80内に規定投入数(15個)の遊技球が待機すると共に、後続の遊技球が整列部93内に順次整列する(図11(d))。
また、例えば取込制御手段129aの制御による遊技球の取込処理の終了後、発射球供給制御手段130の初期供給制御手段130aの制御により、制御コマンド送信手段132を介して払い出し制御基板60側に発射球供給コマンドが送信される。払い出し制御基板60側では、発射球供給コマンドを受信すると、払い出し手段57の払い出し切換手段70を第2切換位置に作動させて払い出しケース71側と第2排出路74b側とを連通させ、更に繰り出しモータ73を作動させることにより、規定発射数(ここでは15個)の遊技球を発射待機通路81側に払い出させる。これにより、規定発射数(15個)の遊技球が球送り手段20の手前に一列状に待機した状態となる(図12(a),(b))。
なお、取込制御手段129aによる取込制御処理と初期供給制御手段130aによる発射球供給処理とは、単位ゲームの終了から次の単位ゲームの開始までの間であればどのような順序で行ってもよく、同時並行で行ってもよい。
取込制御手段129aの取込制御処理(図10,図11)による回収待機通路80側への規定投入数(15個)の遊技球の取込が終了し、また初期供給制御手段130aの制御による発射待機通路81への遊技球の供給処理(図12)が終了すると、更に前回の単位ゲームが終了して所定の休止時間が経過したこと、遊技者により発射ハンドル16が操作されたこと等のその他の単位ゲーム開始条件が全て満たされることを条件に、ゲーム開始手段128aは次の単位ゲームを開始させる。即ち、制御コマンド送信手段132を介して払い出し制御基板60に対して発射手段15の発射許可コマンドを送信する。
なお、単位ゲームが開始されると、取込制御手段129aは、その単位ゲームが終了するまで、遊技球取込手段97により、上皿7側から回収待機通路80側への遊技球の流入を阻止した状態を継続させるように制御する。
また、単位ゲームが開始されると、その直後等の所定のタイミングで、回収制御手段129bの制御により遊技球回収手段109が作動する。これにより、回収口108が開放して、回収待機通路80内の遊技球が回収通路90を介して島側に回収される(図13)。なお、遊技球回収手段109は、回収球検出スイッチ110により規定投入数の遊技球が検出されること、即ち回収待機通路80内の全ての遊技球が島側に回収されることを条件にその作動が停止され、回収口108が閉鎖される。
払い出し制御基板60から発射制御基板21に発射制御信号が出力されると、遊技者が遊技球の発射操作を行ったことを接触検出スイッチ等からの検出信号に基づいて検出することを条件に発射手段15の作動が開始され、これによって球送り手段20から発射レール17上に順次供給される遊技球がガイドレール23を経て遊技領域24へと順次打ち込まれて行く(図14(a))。
発射手段15によって遊技球が発射されると、発射検出スイッチ86がその発射を検出し、またファール球が発生した場合にはファール球検出スイッチ85がそのファール球を検出する。そしてそれら発射検出信号とファール球検出信号とに基づいて、ゲーム終了手段128bが有効発射個数を計数すると共に、判定手段136aが、例えば規定発射数から有効発射個数を減算することによりその単位ゲームについての残り発射個数を計数する。
また、ファール球検出スイッチ85によりファール球検出信号が出力されると、発射球供給制御手段130の追加供給制御手段130bの制御により、制御コマンド送信手段132を介して払い出し制御基板60側に追加発射球供給コマンドが送信される。払い出し制御基板60側では、追加発射球供給コマンドを受信すると、追加発射球供給コマンド1回の受信につき1個を追加発射球払い出し残数に加算すると共に、払い出し手段57の払い出し切換手段70を第2切換位置に作動させて払い出しケース71側と第2排出路74b側とを連通させ、更に繰り出しモータ73を作動させることにより、追加発射球払い出し残数が0になるように単位払い出し動作を行わせる。これにより、ファール球検出スイッチ85で検出されたファール球の個数分だけ払い出し手段57から発射待機通路81側に遊技球が追加供給されるため(図14(b))、ファール球が発生した場合でも有効発射個数が規定発射数(15個)に達するまで発射を行うことができる。
発射手段15によって遊技領域24に打ち込まれた遊技球は、入賞口手段25の何れかの入賞口35に入賞するか、又は普通入賞手段32,33等に入賞して、遊技盤12の裏側へと案内されて行く。
遊技球が入賞口手段25の入賞口35等に入賞すると、入賞処理手段126の制御により、制御コマンド送信手段132から表示制御基板121側に入賞表示制御コマンドが送信され、この入賞表示制御コマンドに基づいて入賞表示制御手段141によりその入賞口35等に対応する表示部38が発光される。
またそれと並行して、入賞処理手段126の入賞処理に基づいて精算処理手段127が入賞役の成否を判定する。例えば、入賞口手段25の入賞口35の内、左側の1番目から4番目までの入賞口35に遊技球が入賞すると、それに対応して入賞表示手段39の左側の1番目から4番目までの表示部38が発光し、入賞役が成立する。そして、4個目の遊技球が入賞した時点で精算処理手段127が入賞役の成立を判定し、その入賞役に応じた得点が付与される。
一方、精算処理手段127により得点が付与されると、制御コマンド送信手段132から払い出し制御基板60側に賞球の払い出し制御コマンドが送信される。払い出し制御基板60側では、賞球の払い出し制御コマンドを受信すると、その払い出し制御コマンド1回の受信につき例えば15個を賞球払い出し残数に加算すると共に、払い出し手段57の払い出し切換手段70を第1切換位置に作動させて払い出しケース71側と第1排出路74a側とを連通させ、更に繰り出しモータ73を作動させることにより、賞球払い出し残数が0になるまで、単位払い出し動作あたり例えば25個を上限として1又は複数回の単位払い出し動作を行わせ、得点に応じた所定個数の遊技球を上皿7へと払い出す。
判定手段136aにより演算されるその単位ゲームにおける残り発射個数が所定個数、例えば5個よりも大である間、即ち優先順位切換手段136による優先順位切換前は、得点付与による賞球の払い出し要求と、ファール球の検出による追加発射球の払い出し要求とが略同時に発生した場合には、制御コマンド送信手段132から払い出し制御基板60側へのコマンド送信については、賞球の払い出し制御コマンドの送信が追加発射球供給コマンドの送信に優先して行われる。従って、払い出し制御基板60側では賞球の払い出し制御コマンドが先に受信されるため、賞球の払い出し動作が追加発射球の払い出し動作よりも先に行われる。
また、優先順位切換前に、賞球払い出し動作の途中でファール球が発生し、制御コマンド送信手段132から払い出し制御基板60側に追加発射球供給コマンドが送信された場合には、払い出し制御基板60は、賞球払い出し残数が0になるまで賞球の払い出しが行われた後で追加発射球の払い出しが行われる。
例えば、図16に示すように、賞球の払い出し制御コマンドが連続して3回送信された場合、払い出し制御基板60は1つ目の払い出し制御コマンドを受信したときにその時点での賞球払い出し残数15個に基づいてまず1回目の単位払い出し動作で15個を賞球として上皿7側に払い出させ、その1回目の単位払い出し動作が終了した時点では残り2つの払い出し制御コマンドを受信して賞球払い出し残数は30個となっているため、続く2回目の単位払い出し動作で最大払い出し個数である25個を、3回目の単位払い出し動作で残りの5個を、夫々払い出させるように払い出し手段57を制御する。ここで、例えば賞球についての2回目の単位払い出し動作中に追加発射球供給コマンドを受信した場合でも、払い出し制御基板60は、その2回目の単位払い出し動作の終了後、更に3回目の単位払い出し動作を行って賞球払い出し残数を0とした後に、追加発射球の払い出し動作を行わせて1個の遊技球を発射待機通路81側に払い出させる。
また、優先順位切換前に、遊技者が遊技の途中で所定の貸し球操作を行い、払い出し手段57により貸し球の払い出し動作が行われている途中でファール球が発生し、制御コマンド送信手段132から払い出し制御基板60側に追加発射球供給コマンドが送信された場合には、払い出し制御基板60は、貸し球についての払い出しが全て終了した後、即ち第2READY信号BRDYがOFFになった後で追加発射球の払い出しを行わせる。
例えば、図19に示すように、払い出し手段57が払い出し動作可能な状態にある状態(第1READY信号PRDYがONの状態)で例えば遊技者が200円分の貸し球の払い出し操作を行った場合、球貸しユニットにより第2READY信号BRDYがONにされ、更に払い出し要求確認信号BRQがONにされ、これに基づいて払い出し制御基板60により払い出し完了信号EXSがONにされ、その後、球貸しユニットにより払い出し要求確認信号BRQがOFFにされると、払い出し制御基板60の制御により、払い出し手段57から上皿7側にまず100円分、25個の遊技球の払い出しが行われる。
そして、その単位払い出し動作中に追加発射球供給コマンドを受信した場合でも、払い出し制御基板60は、そのまま貸し球の払い出しを継続し、合計50個の払い出しが完了して第2READY信号BRDYがOFFになった後、第1READY信号PRDYをOFFにした上で追加発射球の払い出し動作を行わせて1個の遊技球を発射待機通路81側に払い出させる。
単位ゲームが進行して、判定手段136aにより演算されるその単位ゲームにおける残り発射個数が所定個数、例えば5個に達すると、優先順位切換手段136による優先順位切換が行われ、制御コマンド送信手段132を介して払い出し制御基板60側に優先順位切換コマンドが送信されると共に、それ以降その単位ゲームの終了までの間は、得点付与による賞球の払い出し要求と、ファール球の検出による追加発射球の払い出し要求とが略同時に発生した場合には、制御コマンド送信手段132から払い出し制御基板60側へのコマンド送信については、追加発射球供給コマンドの送信が賞球の払い出し制御コマンドの送信に優先して行われる。従って、払い出し制御基板60側では追加発射球供給コマンドが先に受信されるため、追加発射球の払い出しが動作賞球の払い出し動作よりも先に行われる。
また、優先順位切換後、即ち優先順位切換コマンドが送信された後に、賞球払い出し動作の途中でファール球が発生し、制御コマンド送信手段132から払い出し制御基板60側に追加発射球供給コマンドが送信された場合には、払い出し制御基板60は、追加発射球の払い出し動作を賞球の払い出し動作に優先して行わせる。即ち、その追加発射球供給コマンドを受信した時点で行われている賞球の単位払い出し動作が終了すると、賞球払い出し残数が0でない場合であってもその賞球払い出し動作を中断して、追加発射球の払い出し動作を先に行い、その終了後に賞球についての残りの払い出し動作を行う。
例えば、図17に示すように、賞球の払い出し制御コマンドが連続して3回送信された場合、払い出し制御基板60は1つ目の払い出し制御コマンドを受信したときにその時点での賞球払い出し残数15個に基づいてまず1回目の単位払い出し動作で15個を賞球として上皿7側に払い出させ、その1回目の単位払い出し動作が終了した時点では残り2つの払い出し制御コマンドを受信して賞球払い出し残数は30個となっているため、続く2回目の単位払い出し動作で最大払い出し個数である25個を、3回目の単位払い出し動作で残りの5個を、夫々払い出させるように払い出し手段57を制御する。ここで、例えば賞球についての2回目の単位払い出し動作中に追加発射球供給コマンドを受信した場合には、払い出し制御基板60は、その2回目の単位払い出し動作が終了すると、続く3回目の単位払い出し動作を行う前に、追加発射球の払い出し動作を行わせて1個の遊技球を発射待機通路81側に払い出させた後、賞球についての3回目の単位払い出し動作を行わせる。
また、優先順位切換後、即ち優先順位切換コマンドが送信された後に、遊技者が遊技の途中で所定の貸し球操作を行い、払い出し手段57により貸し球の払い出し動作が行われている途中でファール球が発生し、制御コマンド送信手段132から払い出し制御基板60側に追加発射球供給コマンドが送信された場合には、払い出し制御基板60は、追加発射球の払い出し動作を貸し球の払い出し動作に優先して行わせる。即ち、その追加発射球供給コマンドを受信した時点で行われている貸し球の単位払い出し動作が終了すると、更に貸し球の払い出し要求が有るか否かに拘わらず追加発射球の払い出し動作を先に行い、その終了後に貸し球についての残りの払い出し動作を行う。
例えば、図20に示すように、払い出し手段57が払い出し動作可能な状態にある状態(第1READY信号PRDYがONの状態)で例えば遊技者が200円分又はそれ以上の貸し球の払い出し操作を行った場合、球貸しユニットにより第2READY信号BRDYがONにされ、更に払い出し要求確認信号BRQがONにされ、これに基づいて払い出し制御基板60により払い出し完了信号EXSがONにされ、その後、球貸しユニットにより払い出し要求確認信号BRQがOFFにされると、払い出し制御基板60の制御により、払い出し手段57から上皿7側にまず100円分、25個の遊技球の払い出しが行われる。
その単位払い出し動作中に追加発射球供給コマンドを受信した場合には、払い出し制御基板60は、その単位払い出し動作が終了すると、例えば第1READY信号PRDYをOFFにすることにより貸し球の払い出し動作を中断し、追加発射球の払い出し動作を行わせて1個の遊技球を発射待機通路81側に払い出させた後、再度第1READY信号PRDYをONにして残りの貸し球の払い出し動作を行わせる。
このように、単位ゲームが開始された当初は、上皿7側への賞球、貸し球の払い出し動作を優先して行わせ、単位ゲームがある程度進行して残り発射個数が少なくなってきた場合には、発射手段15側への追加発射球の払い出しを優先して行わせることで、遊技者の遊技意欲を高揚させるべく利益の還元等をできる限り迅速に行いつつ、発射球の供給遅れによって発射が中断することを防止できる利点がある。
始動手段29に遊技球が入賞すると、遊技状態判定手段124が乱数発生手段123の発生乱数値を抽出して、その抽出乱数値に基づいて特定遊技状態とするか否かを判定し、その判定結果に基づいて図柄表示制御手段142の制御により図柄表示手段26の遊技図柄26a〜26cが変動を開始する。遊技図柄26a〜26cは、変動開始から所定時間経過した後、遊技状態判定手段124の判定結果に基づいて、その判定結果が特定遊技判定のときに特定態様となり、非特定遊技判定のときに非特定態様となるように、図柄表示制御手段142の制御により所定の変動パターンで変動し、停止する。
遊技図柄26a〜26cが特定態様で停止し確定すると、特定入賞手段27の開閉体27aが開放して、上方から落下する遊技球を作動口内へと誘導する。特定入賞手段27に入賞した遊技球が特定領域41を通過すれば、通過検出スイッチ42がその遊技球の通過を検出し、特別遊技状態発生手段125が作動を開始して、所定ゲーム数に亘って継続的に特別遊技状態が発生する。
特別遊技状態の発生中は作動手段30,31が有効になり、この作動手段30,31に遊技球が入賞すれば、得点増加手段28が所定期間開放する。そして、得点増加手段28に遊技球が入賞すると、精算処理手段127がそのゲーム中に獲得した得点を例えば2倍に増加させる。
発射検出スイッチ86からの発射検出信号及びファール球検出スイッチ85からのファール球検出信号に基づく有効発射個数の計数値が規定発射数(15個)に達すると、ゲーム終了手段128bの制御により、制御コマンド送信手段132から払い出し制御基板60に対して発射停止コマンドが送信される。払い出し制御基板60側では、発射停止コマンドを受信すると、発射制御基板21への電源の供給を停止すると共に発射制御信号の出力を停止して、発射制御基板21は発射手段15の作動を停止させる。
その後、規定発射数の遊技球の発射が終了して所定時間経過したこと、規定発射数(15個)の遊技球の全ての入賞が検出されたこと、遊技図柄26a〜26cの変動が終了したこと、賞球の払い出しが終了したこと、所定のエラーが発生していないこと等の諸条件が満たされたときに、ゲーム終了手段128bによって当該ゲームが終了される。
単位ゲームの終了後、例えば遊技者が他の遊技機へ移るべく操作レバー105を操作すると、開閉部材103がバネ部材104に抗して開側に移動して球抜き口101が開放される。これにより、上皿7側の遊技球は球抜き口101、球抜き通路89を介して下皿9側に排出される(図15)。
また、操作レバー105が操作されると、球抜き操作検出スイッチ107から操作検出信号が出力されるが、その操作検出信号の出力されたタイミングが、単位ゲームの終了後、次の単位ゲームが開始されるまでの期間中、即ち単位ゲーム中以外であれば、返却制御手段131の制御により遊技球返却手段114が作動して返却口113が開放され、回収待機通路80内の遊技球は返却通路91を介して下皿9側に返却される。
ここで例えば遊技球取込手段97による取込動作中に操作レバー105が操作された場合には、遊技球取込手段97の作動を停止させて取込連通口96を閉鎖すると共に、回収待機通路80内に既に取り込まれた遊技球を下皿9側に返却するようにしてもよい。
また、開放された返却口113の閉鎖は、例えば返却球検出スイッチ115により検出された遊技球の個数が取込球検出スイッチ98により検出された遊技球の個数に到達した時点で行うようにすればよい。なお、返却球検出スイッチ115を省略して、例えば遊技球返却手段114による返却口113の開放から所定時間経過後に返却口113を閉鎖するように構成してもよい。
また、回収待機通路80内の全ての遊技球が返却される前に操作レバー105の操作が終了された場合には、例えばそのまま回収待機通路80内の全ての遊技球が返却されるまで、或いは所定時間、返却口113の開放状態を継続するようにすることが望ましい。操作レバー105の操作終了と同時に返却口113を閉鎖してもよいが、この場合には規定投入数未満の遊技球が回収待機通路80内に残ってしまう可能性がある。
なお、単位ゲーム中に遊技者が操作レバー105を操作した場合には、球抜き口101は開放され、上皿7側の遊技球は下皿9側に排出されるが、返却制御手段131による回収待機通路80内の遊技球の返却処理は行われない。
以上説明したように、本実施形態のアレンジボール機では、上皿7から遊技機内の回収経路側に遊技球を取り込む遊技球取込手段97と、遊技球取込手段97により規定投入数の遊技球が遊技機内に取り込まれることを条件に単位ゲームを開始させるゲーム開始手段128aとを備え、払い出し手段57は、払い出し方向を上皿7側と発射手段15側とに切り換える払い出し切換手段70を備え、その払い出し切換手段70により払い出し方向を発射手段15側にセットした状態で払い出しを行うことにより発射手段15に発射用の遊技球を供給するように構成され、払い出し手段57による発射手段15側への払い出しと上皿7側への払い出しとの間の優先順位を切り換える優先順位切換手段136を備えているため、ファール球が検出された場合には遊技球の回収とは別に払い出し手段57から発射用の遊技球を追加供給することができることにより単位ゲーム中の遊技媒体の追加投入にはあたらず、単位ゲームの成立に必要な規定数の遊技媒体の投入を単位ゲーム開始条件の1つとし且つ単位ゲームが開始されるとその単位ゲームが終了するまで遊技媒体の追加投入はできないこととすることができ、遊技媒体としてメダルを用いるアレンジボール機等のその他の遊技機との間で統一的な運用を行うことが可能である。
また、使用する遊技球は島側の遊技球循環装置で循環させることができるため、メンテナンス作業等についても他の弾球遊技機と同様に行うことが可能である。更に、投入された遊技球の回収経路と発射用の遊技球の供給経路とが別系統となっていることにより、遊技球の取込、回収動作が発射動作に直接的に影響を与えることがないために制御の自由度が高く、また、規定投入数と規定発射数とが一致しない場合でも何ら問題は生じない。
更に、発射用の遊技球の供給を賞球等の払い出しを行う払い出し手段57により行うようになっているために機械的構成が簡単で、しかも払い出し手段57による払い出し動作は、優先順位切換手段136により発射手段15側への払い出しと上皿7側への払い出しとの間で優先順位が切り換えられるため、遊技状態等に応じて払い出しの優先順位を常に最適な状態に設定できる利点がある。
優先順位切換手段136は、単位ゲームの開始時には発射手段15側への払い出しよりも上皿7側への払い出しを優先させ、単位ゲーム中に所定の優先順位切換条件が成立すること、例えばその単位ゲームにおける残り発射個数が所定個数に達することに基づいて、その単位ゲームの終了まで上皿7側への払い出しよりも発射手段15側への払い出しを優先させるように構成されているため、発射待機球に余裕がある単位ゲームの前半は賞球等の払い出しを優先させ、発射待機球が少なくなってくる単位ゲームの後半は発射手段15側への払い出しを優先させることができ、遊技者の遊技意欲を高揚させるべく利益の還元等をできる限り迅速に行いつつ、発射球の供給遅れによって発射が中断することを防止できる利点がある。
図21及び図22は本発明の第2の実施形態を例示し、単位ゲーム中、発射手段15の上流側の発射待機通路81内に待機する遊技球の個数が所定下限個数を下回ることに基づいて発射手段15側に遊技球を供給するように構成した例を示している。
本実施形態では、図21に示すように、発射待機通路81上に発射待機球検出スイッチ151が設けられている。この発射待機球検出スイッチ151は、例えばその発射待機通路81内に待機する遊技球のうち、先頭(最下流側)から所定下限個数番目(例えば10個目)の遊技球を検出する位置に配置されており、この発射待機球検出スイッチ151が遊技球を検出しない状態が所定時間継続すれば、その発射待機通路81上に待機する遊技球の個数(以下、発射待機個数という)が所定下限個数未満(10個未満)であると判断できる。
また、本実施形態の発射球供給制御手段130は、図22に示すように、発射待機個数判定手段130cと供給制御手段130dとを備えている。
発射待機個数判定手段130cは、例えば発射待機球検出スイッチ151からの検出信号に基づいて発射待機個数が所定下限個数、例えば10個を下回ったか否かを判定するように構成されている。なお、発射待機個数判定手段130cは、発射待機球検出スイッチ151からの検出信号に代えて、例えば後述する供給制御手段130dの制御による遊技球の供給個数と、発射検出スイッチ86からの発射検出信号に基づく発射個数とに基づいて発射待機個数が所定下限個数を下回ったか否かを判定するように構成してもよい。
供給制御手段130dは、発射待機個数判定手段130cの判定結果に基づいて発射手段15側に遊技球を供給するための制御を行うもので、発射待機個数判定手段130cにより発射待機個数が所定下限個数を下回ったと判定された場合に、制御コマンド送信手段132を介して払い出し制御基板60側に発射球供給コマンドを送信するようになっている。
発射球供給コマンドが送信されると、払い出し制御基板60の制御により、払い出し切換手段70の揺動爪70aを第2切換位置にセットした状態で払い出し手段57の繰り出しモータ73が作動して、所定追加個数、例えば5個の遊技球が第2排出路74b側に払い出される。これにより、発射待機個数は所定追加個数(5個)だけ増加する。
また、本実施形態のゲーム開始手段128aは、発射待機個数が所定下限個数以上であることを条件に単位ゲームを開始させるようになっている。
なお、所定下限個数、所定追加個数は夫々10個、5個に限られるものではなく、任意の値に設定可能である。所定下限個数を規定発射数と同じか又はそれ以上の値に設定すれば、例えば払い出し手段57から発射待機通路81側への払い出しが滞ったとしても単位ゲーム中に発射球が不足することはなく、少なくともその単位ゲームについては正常に終了させることが可能である。
また、得点付与による賞球の払い出し要求と、発射待機個数が所定下限個数を下回ったことによる発射球の払い出し要求とが略同時に発生した場合には、制御コマンド送信手段132から払い出し制御基板60側へのコマンド送信については、発射球供給コマンドの送信が賞球の払い出し制御コマンドの送信に優先して行われる。従って、払い出し制御基板60側では発射球供給コマンドが先に受信されるため、発射球の払い出し動作が賞球の払い出し動作よりも先に行われる。
また、賞球払い出し動作の途中でファール球が発生し、制御コマンド送信手段132から払い出し制御基板60側に発射球供給コマンドが送信された場合には、払い出し制御基板60は、発射球の払い出し動作を賞球の払い出し動作に優先して行わせる。即ち、その発射球供給コマンドを受信した時点で行われている賞球の単位払い出し動作が終了すると、賞球払い出し残数が0でない場合であってもその賞球払い出し動作を中断して、発射球の払い出し動作を先に行い、その終了後に賞球についての残りの払い出し動作を行うように構成されている。
このように、発射球供給制御手段130を、発射手段の上流側に待機する遊技球の個数を所定下限個数以上に維持すべく発射手段15側への遊技球の供給制御を行うように構成した場合についても、発射手段15側への発射球の払い出し動作を賞球の払い出し動作に優先して行わせることにより、発射球の供給遅れによって発射が中断することを防止でき、ゲーム進行の迅速化が期待できる。
図23及び図24は本発明の第3の実施形態を例示し、単位ゲームの開始前に回収待機通路80内の遊技球の返却要求があった場合に、その回収待機通路80内の遊技球を直接下皿9等に返却するのではなく、その回収待機通路80内の遊技球を島側に回収すると共に、その回収した遊技球と同数の遊技球を上皿7等に払い出させるように構成した例を示している。
本実施形態では、図23に示すように、第1の実施形態のアレンジボール機において回収待機通路80の下流側に設けられている返却通路91、及びそれに付随する遊技球返却手段114、返却球検出スイッチ115等は省略され、回収待機通路80の下流側には回収通路90のみが接続されている。
また、本実施形態の返却制御手段131は、図24に示すように、回収口開閉制御手段134、返却払い出し制御手段135等が設けられている。
回収口開閉制御手段134は、回収口開閉駆動手段112の駆動による回収口108の開閉制御を行うもので、球抜き操作検出スイッチ107からの検出信号に基づいて球抜き開閉手段102の開閉部材103が開状態となったと判断されたときに、それが単位ゲームの終了後、次の単位ゲームが開始されるまでの非ゲーム期間中であることを条件に、回収口開閉駆動手段112を作動させて回収口108を開放させるように構成されている。
返却払い出し制御手段135は、回収待機通路80から回収通路90を介して島側に回収された遊技球と同数の遊技球を払い出し手段57から払い出させるためのもので、回収口開閉制御手段134の制御により回収口108が開放され、回収待機通路80内の遊技球が回収口108を介して回収通路90側に流下したときに、回収球検出スイッチ110からの検出信号に基づいて、その検出個数分に対応する払い出し制御コマンドを制御コマンド送信手段132を介して払い出し制御基板60側に送信するように構成されている。
なお、払い出し制御コマンドが送信されると、払い出し制御基板60の制御により、払い出し手段57の払い出し切換手段70を第1切換位置に作動させて払い出しケース71側と第1排出路74a側とを連通させた状態で繰り出しモータ73が作動して、回収球検出スイッチ110による検出個数分の遊技球が第1排出路74a側に払い出される。これにより、回収待機通路80から回収通路90を介して島側に回収された分の遊技球は払い出し手段57から上皿7側に払い出されるため、結果的に回収待機通路80内の遊技球がそのまま下皿9等に返却されたのと同等となる。
図25及び図26は本発明の第4の実施形態を例示し、回収待機通路80内の遊技球を前側から視認可能な視認部を設けると共に、遊技球回収手段109により、発射手段15による遊技球の発射動作と同調して回収待機通路80内の遊技球の回収を行うように構成した例を示している。
本実施形態では、図25に示すように、回収待機通路80の前側には、その回収待機通路80内の遊技球を前側から視認可能な視認部76が設けられている。この視認部76は、例えば回収待機通路80に設けられた透視部77と、その回収待機通路80の前側を覆う上皿カバー8に設けられた視認窓78とを備えている。
透視部77は、例えば回収待機通路80の前壁部80aの少なくとも一部に設けられたスリット、透明部等により構成されている。また、視認窓78は、透視部77に対応して上皿カバー8に設けられた例えば細長状の開口部78aと、この開口部78aを塞ぐ透明なレンズ部78bとで構成されている。
遊技者は、この視認部76を介して回収待機通路80内の遊技球を目視可能となっている。なお、視認窓78は、遊技者の目の位置と透視部77とを結ぶ線上に位置するように、透視部77の前斜め上方に配置することが望ましい。
また、本実施形態の回収制御手段129bによる回収制御処理は例えば図26に示すような手順で行われる。即ち、まず単位ゲームが開始されたか否かが判定され(S11)、単位ゲームが開始されると(S11:Yes)、遊技球回収手段109の回収口開閉駆動手段112が作動して、回収待機通路80内の遊技球が1個回収される(S12)。この1個目の回収が、単位ゲーム開始後の最初の発射に対応するものである。
その後は、発射検出スイッチ86から発射検出信号が出力される毎に1個ずつ回収待機通路80内の遊技球が回収され(S14)、規定投入数分の遊技球の回収が終了した時点で(S13:Yes)回収制御処理は終了する。
なお、ファール球が検出された場合には、そのファール球の検出個数分の発射検出信号が出力されるまで回収処理を停止させるようにすればよい。例えば、ファール球検出スイッチ85がONになることに基づいてファール球カウンタに1を加算し、発射検出信号が出力されたときにファール球カウンタの値が1以上であることを条件にファール球カウンタの値を1減算するようにして、ファール球カウンタの値が0以外の場合には回収処理を行わないようにすればよい。
以上のような処理を行うことにより、実際には回収待機通路80から回収された遊技球は発射に供されていないにも拘わらず、視認部76を介してこの回収処理の様子を目視した遊技者に、あたかもその回収球を発射に供しているかのような印象を与えることができる。
図27は本発明の第5の実施形態を例示し、整列部93上の規定数貯留検出スイッチ95及び整列部流入阻止手段95aを省略した例を示している。
本実施形態の取込制御手段129aは、図27に示すように、単位ゲームの開始に際し、単位ゲーム中でないことを条件に(S1:No)、遊技球取込手段97の取込駆動手段100を作動させて取込連通口96を開放し(S3b)、その後、上皿7側から回収待機通路80側に流入した遊技球の個数、即ち取込球検出スイッチ98による遊技球の検出数が規定投入数(15個)に達したときに(S4:Yes)、遊技球取込手段97の取込駆動手段100の作動を停止させて取込連通口96を閉鎖する(S5)ように構成されている。
以上のように構成することで、例えば上皿7内の遊技球が規定投入数に満たない場合には、規定投入数に達するまで取込駆動手段100の作動状態を維持しなければならないという欠点はあるが、上皿7内の遊技球は、規定投入数に達していない状態でも回収待機通路80側に順次取り込まれるため、規定数貯留検出スイッチ95等を用いた場合と比べて次の単位ゲームの開始のタイミングを早めることができる利点がある。
以上、本発明の各実施形態について詳述したが、各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、優先順位切換条件は、単位ゲームにおける残り発射個数が所定個数に達することに限られるものではなく、その他の種々の条件に設定可能である。例えば、単位ゲームにおける残り発射個数とファール球の検出による未払い出し個数とに基づいて得られる所定の演算値が所定値に達することに基づいて優先順位切換条件の成立と判定するようにしてもよい。
この場合、所定の演算値は、残り発射個数からファール球の検出による未払い出し個数を減算した値、残り発射個数に対するファール球の検出による未払い出し個数の割合等を用いることが望ましい。
優先順位切換後に、払い出し手段57により貸し球の払い出し動作が行われている途中でファール球が発生し、制御コマンド送信手段132から払い出し制御基板60側に追加発射球供給コマンドが送信された場合には、払い出し制御基板60は、その単位払い出し動作の終了後、第1READY信号はONのままで払い出し完了信号EXSをOFFのまま継続し、その間に追加発射球の払い出しを行うように構成してもよい。もちろん、貸し球の払い出しに関する球貸しユニットと払い出し制御基板60との間の信号の送受信は実施形態に示したものに限られるものではない。
遊技球取込手段97による回収待機通路80側への遊技球の取り込み動作を、前の単位ゲーム中に開始させるように構成してもよい。但し、少なくとも前の単位ゲームに関する規定投入数の遊技球が回収待機通路80から回収された後でなければならない。
規定投入数と規定発射数とは同じである必要はなく、異なっていても何ら問題はない。
遊技球取込手段97による遊技球の取り込み動作に関する報知を行う報知手段を設けてもよい。この報知手段により、例えば遊技球取込手段97による規定投入数の遊技球の取り込みが完了したことに関する報知、所定時期までに規定数貯留検出スイッチ95による検出がない場合にこれに関する報知等を行うことができる。なお、この報知手段は、液晶表示手段40等の可変表示手段に所定の文字情報を含む画像を表示させるもの、音声出力手段144により所定の音声を出力するもの等どのようなものでもよい。
外部操作可能な押しボタン式等の取込開始操作手段を設け、単位ゲーム中以外のときにこの取込開始操作手段が操作されることに基づいて、遊技球取込手段97により上皿7側から回収待機通路80側への遊技球の流入を許容するように構成してもよい。取込開始操作手段は、上皿カバー8等、遊技者が容易に操作可能な任意の位置に設ければよい。
返却口113を開閉する遊技球返却手段114は、操作レバー105の操作に機械的に連動して開閉部材116が返却口113を開放するように構成してもよい。この場合、開閉部材116の開方向への移動を阻止する阻止位置と許容する許容位置とに切り換え可能な電磁ソレノイド等よりなる開放阻止手段を設け、単位ゲーム中はこの開放阻止手段を阻止位置で保持することにより開閉部材116の開方向への移動を阻止するように構成すればよい。
実施形態では、球抜き口101を開放するための操作レバー105が操作されることに基づいて、返却口113を開放する遊技球返却手段114、又は回収口108を開放する遊技球回収手段109を開放側に作動させるように構成したが、返却口113又は回収口108を開放するための操作手段を、球抜き口101を開放するための操作レバー105とは別に設け、単位ゲーム中以外のときにこの操作手段が操作されることに基づいて、返却口113又は回収口108を開放するように構成してもよい。
取込制御手段129a、回収制御手段129bの少なくとも一方を主制御基板45以外の基板上に設けてもよい。例えば、発射制御基板21側に取込制御手段129a、回収制御手段129bの少なくとも一方を設ける場合、この発射制御基板21に規定数貯留検出スイッチ95、取込球検出スイッチ98等の関連するスイッチを接続すると共にCPUを設け、主制御基板45側からのコマンドに基づいて取込制御手段129a、回収制御手段129bによる制御を行うように構成すればよい。
更に、実施形態ではアレンジボール機を例に挙げて説明したが、雀球遊技機等、規定数の遊技球を発射させることにより単位ゲームを行うその他の弾球遊技機であっても同様に実施可能である。
本発明の第1の実施形態を示すアレンジボール機の正面図である。 本発明の第1の実施形態を示すアレンジボール機の裏面図である。 本発明の第1の実施形態を示すアレンジボール機の遊技盤の正面図である。 本発明の第1の実施形態を示すアレンジボール機の前枠の横断面図である。 本発明の第1の実施形態を示すアレンジボール機の前面板の正面断面図である。 本発明の第1の実施形態を示すアレンジボール機の前枠要部の縦断面図である。 本発明の第1の実施形態を示すアレンジボール機の前面板要部の縦断面図である。 本発明の第1の実施形態を示すアレンジボール機の回収待機通路、発射待機通路及びその周辺の概略斜視図である。 本発明の第1の実施形態の制御系を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態の取込制御処理のフローチャートである。 本発明の第1の実施形態の取込動作の説明図である。 本発明の第1の実施形態の発射球供給動作の説明図である。 本発明の第1の実施形態の回収待機通路からの遊技球回収動作の説明図である。 本発明の第1の実施形態の発射待機通路への遊技球補充動作の説明図である。 本発明の第1の実施形態の上皿及び回収待機通路からの球抜き動作の説明図である。 本発明の第1の実施形態で優先順位切換前において賞球払い出し中に追加発射球供給コマンドが送信された場合の払い出し動作の説明図である。 本発明の第1の実施形態で優先順位切換後において賞球払い出し中に追加発射球供給コマンドが送信された場合の払い出し動作の説明図である。 本発明の第1の実施形態を示す貸し球払い出しに関する球貸しユニット側と払い出し制御基板側との間の信号送受信の説明図である。 本発明の第1の実施形態で優先順位切換前において貸し球払い出し中に追加発射球供給コマンドが送信された場合の払い出し動作の説明図である。 本発明の第1の実施形態で優先順位切換後において貸し球払い出し中に追加発射球供給コマンドが送信された場合の払い出し動作の説明図である。 本発明の第2の実施形態を示すアレンジボール機の回収待機通路、発射待機通路及びその周辺の概略斜視図である。 本発明の第2の実施形態の制御系を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態を示すアレンジボール機の前面板の正面断面図である。 本発明の第3の実施形態の制御系を示すブロック図である。 本発明の第4の実施形態を示すアレンジボール機の前面板要部の正面図及び縦断面図である。 本発明の第4の実施形態の回収制御処理のフローチャートである。 本発明の第5の実施形態の取込制御処理のフローチャートである。
符号の説明
7 上皿(遊技球貯留手段)
15 発射手段
24 遊技領域
57 払い出し手段
70 払い出し切換手段
97 遊技球取込手段
128a ゲーム開始手段
136 優先順位切換手段

Claims (4)

  1. 単位ゲームにつき規定発射数の遊技球を遊技領域(24)に発射する発射手段(15)と、該発射手段(15)により前記遊技領域(24)内に発射された遊技球の入賞により所定の入賞役が成立することに基づいてその入賞役に応じた個数の遊技球を遊技球貯留手段(7)側に払い出す払い出し手段(57)とを備え、前記遊技領域(24)内に発射された遊技球を島側に回収するように構成された弾球遊技機において、前記遊技球貯留手段(7)から遊技機内の回収経路側に遊技球を取り込む遊技球取込手段(97)と、該遊技球取込手段(97)により規定投入数の遊技球が遊技機内に取り込まれることを条件に前記単位ゲームを開始させるゲーム開始手段(128a)とを備え、前記払い出し手段(57)は、払い出し方向を前記遊技球貯留手段(7)側と前記発射手段(15)側とに切り換える払い出し切換手段(70)を備え、その払い出し切換手段(70)により払い出し方向を前記発射手段(15)側にセットした状態で払い出しを行うことにより前記発射手段(15)に発射用の遊技球を供給するように構成され、前記払い出し手段(57)による前記発射手段(15)側への払い出しと前記遊技球貯留手段(7)側への払い出しとの間の優先順位を切り換える優先順位切換手段(136)を備え、前記払い出し手段(57)は、前記単位ゲームの開始に際して前記規定発射数の遊技球を前記発射手段(15)側に払い出すと共に、単位ゲームの開始後に前記遊技領域(24)に到達できなかったファール球が検出される毎にその個数分の遊技球を前記発射手段(15)側に払い出すように構成され、前記優先順位切換手段(136)は、単位ゲームの開始時には前記発射手段(15)側への払い出しよりも前記遊技球貯留手段(7)側への払い出しを優先させ、単位ゲーム中に所定の優先順位切換条件が成立することに基づいて、その単位ゲームの終了まで前記遊技球貯留手段(7)側への払い出しよりも前記発射手段(15)側への払い出しを優先させるように構成されていることを特徴とする弾球遊技機。
  2. 前記遊技球取込手段(97)により取り込まれた遊技球を待機させる回収待機通路(80)と、前記単位ゲームの開始以降に前記回収待機通路(80)内の遊技球を回収する遊技球回収手段(109)と、前記単位ゲームの開始前に、外部操作に基づいて前記回収待機通路(80)内の遊技球を島側に回収すると共に、その回収した遊技球と同数の遊技球を前記払い出し手段(57)により前記遊技球貯留手段(7)側に払い出させる返却制御手段(131)とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
  3. 前記優先順位切換手段(136)は、その単位ゲームにおける残り発射個数が所定個数に達したときに前記優先順位切換条件が成立したものと判断するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の弾球遊技機。
  4. 前記優先順位切換手段(136)は、その単位ゲームにおける残り発射個数とファール球の検出による未払い出し個数とに基づいて得られる所定の演算値が所定値に達したときに前記優先順位切換条件が成立したものと判断するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の弾球遊技機。
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