JP4493862B2 - 抵抗溶接装置および抵抗溶接方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、抵抗溶接装置および抵抗溶接方法に関し、特に、ガンユニットを支持して案内するイコライズ機構によってワークへの溶接を正確に行うことを可能とする抵抗溶接装置および抵抗溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、抵抗溶接装置を構成するロボットとガンユニットとの間には、イコライズ機構が設けられている。このイコライズ機構は、例えば、溶接しようとするワークの高さ(厚さ)がそれぞれ不均一である場合、該ワークの高さに追従してガンユニットを移動させるために該ガンユニットを支持して案内するものである。
【0003】
イコライズ機構を有する従来の抵抗溶接装置としては、特開平10−52761号公報に開示された装置が知られている。この第1の従来技術に係る抵抗溶接装置200は、図7に示すように、ロボットハンド204を有し、該ロボットハンド204の先端に取着されたイコライズ機構206を介してガンユニット208が固着支持されている。
【0004】
イコライズ機構206は、基板210と、該基板210の上下に配された上ロッド支持部212と下ロッド支持部214を備え、該上ロッド支持部212と下ロッド支持部214との間にガイドロッド216が橋架されている。このガイドロッド216には、該ガイドロッド216の軸方向に摺動自在なスライダ218が取り付けられている。前記上ロッド支持部212と前記スライダ218との間には前記ガイドロッド216に巻回された上スプリング220が介装され、同様に、前記下ロッド支持部214と前記スライダ218との間には前記ガイドロッド216に巻回された下スプリング222が介装される。前記スライダ218には、前記ガンユニット208に固定されたベースブロック224が固着されている。
【0005】
また、他の従来技術の例としては、図8に示すような抵抗溶接装置300が知られている(特開平9−70671号公報参照)。この第2の従来技術に係る抵抗溶接装置300は、スプリングに代えて主にモータM2によりイコライズ機構を構成しており、このモータM2と他のモータM1により押圧する力を制御しながらワークを把持している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来技術においては、図9に示すようにロボットが動作すると、スプリングとガンユニットの重量による、いわゆるバネ・マス系で振動してしまう。そのため、ガンユニットの変位量zが静定するのに時間がかかり、結果として溶接作業のサイクルタイムが長くなっている。一般にこのバネ・マス系の振動は検出することができないので、実際に振動が静定する時間trよりタイマ設定により余裕をもって待ち時間tsを設けている場合が多く、不要な待ち時間ts−trも発生している。さらに、バネ・マス系の振動が大きいときには、近接する他の構造物やワークとガンユニットが干渉(接触等)してしまうおそれもある。
【0007】
また、イコライズ機構をより有効に動作させるためにはスプリングのバネ定数を小さくしてガンユニットが動きやすいようにすることが望ましいが、ガンユニットには比較的重量が大きいものもあるので、バネ定数をあまり小さくするとスプリングが縮みきって片当たりしてしまうことがある。
【0008】
さらには、近時、ロボットの移動経路をコンピュータで予め計画しておく、いわゆるオフラインティーチングが実施されているが、このオフラインティーチングにおいて溶接ポイントの位置はスプリングの縮みがゼロの状態を想定して計画されているので実際の溶接ポイントと誤差が生じてしまうことがある。
【0009】
上述の従来技術のうち、スプリングに代えてモータによりイコライズ機構を構成しているものにおいては、ワークを押圧する力を制御するためにゆっくり動作することから、サイクルタイムは長くなってしまう。また重量の大きいガンユニットを支えながら、かつ微少の振動を吸収するという動作をモータだけで実現することは実際上は非常に困難である。
【0010】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、抵抗溶接装置および抵抗溶接方法において、イコライズ機構の振動を抑えることにより溶接のサイクルタイムを短縮するとともに周辺の構造物やワークと干渉することを防止することを目的とする。
【0011】
また、本発明の他の目的は、ロボットの姿勢によらずガンユニットの位置をイコライズ機構のスプリングの縮みがない中立位置に保持することにより、オフラインティーチングで計画したガンユニットの位置に合わせることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る抵抗溶接装置は、移動機構にガンユニットを備えた抵抗溶接装置において、前記移動機構と前記ガンユニットとの接続部に介設され、少なくとも1つの弾性体により前記ガンユニットを支持するイコライズ機構と、前記ガンユニットに対して、前記弾性体が伸縮する方向に力を発生させるアクチュエータと、前記アクチュエータに接続され、前記アクチュエータの発生する力を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記弾性体が受圧する少なくとも前記ガンユニットの重量成分に対する反力を前記アクチュエータを通じて発生させる(バランス制御)ことを特徴とする。
【0013】
このようにすることで、前記ガンユニットの重量成分は相殺されるので、前記スプリングはバネ定数の小さいものを採用することができる。
【0014】
また、前記ガンユニットの傾斜角を検出する傾斜角検出手段を有し、前記制御手段は、予め記憶した前記ガンユニットの重量と、前記傾斜角から、前記弾性体が受圧する前記ガンユニットの重量成分を算出し、該重量成分に対する反力を前記アクチュエータを通じて発生させるようにすると、前記傾斜方向成分が相殺されてイコライズ機構は中立位置を保持するとともに前記弾性体には小さいバネ定数のものを採用することができる。
【0015】
またさらに、前記イコライズ機構の動作をロックするロック手段を有するようにしてもよい。この場合、例えばロボットの移動が終了して停止し、かつバランス制御を行っている期間だけガンユニットのロックを解除するという手法を採用することができるためガンユニットが振動することがない。そのため溶接工程のサイクルタイムの短縮を図ることができる。
【0016】
また、前記ガンユニットはC型溶接ガンであってもよい。
【0017】
本発明に係る抵抗溶接方法は、移動機構と、ガンユニットと、前記移動機構と前記ガンユニットの接続部に介設し、少なくとも1つの弾性体により前記ガンユニットを支持するイコライズ機構と、前記ガンユニットに対して、前記弾性体が伸縮する方向に力を発生するアクチュエータとを備える抵抗溶接装置を用いた抵抗溶接方法において、前記移動機構により前記ガンユニットを溶接箇所へ移動させる第1のステップと、前記弾性体が受圧する前記ガンユニットの重量成分に対する反力を前記アクチュエータを通じて発生させる第2のステップとを有することを特徴とする。
【0018】
また、前記弾性体が受圧する前記ガンユニットの重量成分を、前記ガンユニットの重量と、前記ガンユニットの傾斜角から算出するようにしてもよい。
【0019】
また、前記第1および第2のステップの実行中は、前記イコライズ機構の動作をロックし、前記アクチュエータが、前記重量成分に対する反力を前記アクチュエータを通じて発生させた状態で前記イコライズ機構の動作のロックを解除する第3のステップを有するようにすると前記ガンユニットが振動してしまうことがない。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る抵抗溶接装置および抵抗溶接方法の実施の形態例について、図1〜図6を参照しながら説明する。
【0021】
本実施の形態に係る抵抗溶接装置10は、図1に示すように多間接型のロボット(移動機構)12とロボット制御部(制御手段)22から構成されている。ロボット12の関節部には回転角を検出する角度センサ(傾斜角検出手段)S1、S2、S3が組み込まれておりロボット制御部22において処理する。本実施の形態ではロボット12は3軸型として説明するが、4軸以上であっても適用可能であることはもちろんである。
【0022】
ロボット12の先端部にはスプリング(弾性体)26a、26bを有するイコライズ機構18があり、該イコライズ機構18を介してガンユニット14が取り付けられている。また、イコライズ機構18には後述する電磁ブレーキ(ロック手段)42を有するサーボモータ(アクチュエータ)16が備えられている。このサーボモータ16は出力トルクを制御できるように構成されておりガンユニット14に対して押圧力および引込力を与えることができる。
【0023】
つまり、本実施の形態においては、イコライズ機構18のスプリング26a、26bが伸縮する方向に力を発生するアクチュエータを設けて、該アクチュエータによりガンユニット14の自重を相殺するように力を発生させて、コイルスプリングであるスプリング26a、26bとガンユニット14を中立位置に保持させることができる。
【0024】
ガンユニット14は、いわゆるC型溶接ガン形式であり内部モータ32により上下方向に駆動される電極チップ30aと、その対の電極チップ30bを有する略C字状のアーム38等から構成されており、この一対の電極チップ30aおよび30bによりワーク28を把持できるようになっている。
【0025】
一方、制御装置20は、主にロボット12を制御するロボット制御部22と、サーボモータ16と電磁ブレーキ42(図2参照)を制御するサーボアンプ部24を有し、このロボット制御部22とサーボアンプ部24は互いに情報を伝達しながら同期をとって動作する。
【0026】
イコライズ機構18は、図2に示すようにコ字状のアーム38と、ガンユニット14を一方向に移動させる送りネジ機構35と、アーム38のコ字状内部空間38aでガンユニット14の突出部14aを上下両端から支持する2つのスプリング26a、26bと、前記サーボモータ16とを有する。
【0027】
送りネジ機構35は、サーボモータ16により回転トルクを受けるボールネジ36と、該ボールネジ36の回転力によりボールネジ36の軸方向に駆動力を発生するボールネジナット40とを有する。
【0028】
ボールネジナット40は前記突出部14aの孔14bの内部に固定されており、ボールネジ36の回転力によりガンユニット14が軸方向(スプリング26a、26bの伸縮方向)の作用力を受ける。
【0029】
スプリング26a、26bの軸心空間部分にボールネジ36が挿通している。スプリング26bの一端はコ字状内部空間38aの上面38bに、他端は突出部14aの上面14cにそれぞれ固設されている。また、スプリング26aの一端はコ字状内部空間38aの下面38cに、他端は突出部14aの下面14dにそれぞれ固設されている。
【0030】
このように、ガンユニット14はその突出部14aとスプリング26a、26bを介してアーム38と接続されており、スプリング26a、26bのばね定数がともにkで、アーム38に対するガンユニット14の変位量をzとすれば、ガンアーム14に働く力の軸方向成分の力FZは次の(1)式で表されることになる。
【0031】
FZ=2kz …(1)
2つのスプリング26a、26bの各端部はガンユニット14およびアーム38にそれぞれ固設されているので、力FZが大きいときおよびガイドユニット14が受ける加速度が比較的大きいときでも、スプリング26a、26bのばね定数kが直線性を有する範囲内で上記(1)式は常に成立する。
【0032】
アーム38と突出部14aには、対向する三角マーク52a、52bが刻印されておりスプリング26aおよび26bが中立状態のときに該三角マーク52a、52bのそれぞれの頂部が一致するようになっている。また、アーム38の三角マーク52aを中心として目盛り54が刻印されており、ガンユニット14が自重などの力によりアーム38に対して変位しているときは変位量zをこの目盛り54と三角マーク52bとから読み取ることができる。
【0033】
サーボモータ16は該サーボモータ16を貫通しているモータ軸48を有し、該モータ軸48の下端側はカップリング44を介してボールネジ36と連結している。モータ軸48の上端側には十分な摩擦力を有する第1のクラッチ板49が設けられている。
【0034】
モータ本体16aの上方にはソレノイドである電磁ブレーキ42がモータ本体16aと軸線が一致するように設けられておりその出力軸42aは励磁により軸線方向に動作する。そして、この出力軸42aの端部には十分な摩擦力を有する第2のクラッチ板50が設けられている。第1および第2のクラッチ板49、50は、電磁ブレーキ42の発生する力により押圧されてモータ軸48の回転をロックする機能を有する。
【0035】
なお、電磁ブレーキ42は励磁状態で第2のクラッチ板50を押し出してロック動作させるものでもよいし、逆に非励磁状態でロック動作をする形式のものでもよい。この場合、サーボアンプ部24が電磁ブレーキ42の極性に応じて励磁電流を与えるようにしておく。
【0036】
次に、抵抗溶接装置10の動作について図3〜図5を参照しながら説明する。
【0037】
まず、図3のステップS1において、ロボット制御部22の指令によりロボット12を動作させてガンユニット14を所定の溶接ポイントへ移動させる。このとき、サーボアンプ部24の指令により電磁ブレーキ42はガンユニット14をアーム38に対してロックしているので、該ガンユニット14が振動することはない。
【0038】
次のステップS2において、ロボット制御部22は角度センサS1、S2、S3の信号を読み取りガンユニット14の傾斜角度θを算出する。ここで傾斜角度θは、図4に示すように、電極チップ30aおよび30bの軸線で形成されるベクトルZ0と水平方向Hとのなす角である。角度センサS1、S2、S3の値から傾斜角度θを算出する計算方法は周知の座標演算手法に従えばよい。
【0039】
さらに、予め記憶部に記憶されているガンユニット14の重量Wとからスプリング26a、26bに加わる力FZを算出する。
【0040】
この力FZの算出方法を図5を参照しながら説明する。
【0041】
図5は説明のための模式図であり、電磁ブレーキ42によるロックを解除して、かつモータ本体16aにも電流を流さないでガンユニット14の重量Wによりスプリング26aは収縮しスプリング26bは伸長させた状態を表している。ただし、本実施の形態では電磁ブレーキ42によりロックされているので変位量zはz=0となっている。
【0042】
図5において、Gはガンユニット14の重心を示しており、このポイントに重量Wが鉛直方向に働いている。この重量Wのうち2つのスプリング26a、26bに加わる力FZは、図5から明らかなように、
FZ=Wsinθ …(2)
となる。
【0043】
また、この力FZの方向に対して垂直方向の成分、つまりWcosθはガンユニット14の突出部14aの先端面14eが前記コ字状内部空間38aの内壁38dと接触する接触面により同じ大きさの反力Wcosθを受けて支えられる。
【0044】
上記(2)式においては予め記憶されてるガンユニット14の重量Wを用いている
が、この重量Wは設計値を制御装置20に入力しておけばよい。また、より正確にはガンユニット14の傾斜角度θをθ=90°としておき、さらにガンユニット14のロックとバランス制御を停止した状態でガンユニット14をバネばかりなどで直接計測してもよい。またこの状態ではW=FZであることから三角マーク52bと目盛り54から変位量zを読み取れば、上記(1)式を用いて重量Wを算出することもできる。
【0045】
次に図3に戻り、ステップS3において、ボールネジナット40とボールネジ36による送りネジ機構35が−FZの力を発生させて前記力FZを打ち消すようにモータ本体16aに電流Iを流してバランス制御を開始する。この電流Iはモータ本体16aの電流−トルク特性や送りネジ機構35の効率およびその他の摩擦力などを考慮してロボット制御部22にて算出される。そして、その結果を受けたサーボアンプ部24がモータ本体16aに対して電流フィードバック制御により電流値がIになるように制御する。
【0046】
このとき、ガンユニット14は電磁ブレーキ42によりロックされているので、電流Iが流れていても変位量zはz=0を保っている。
【0047】
次に、ステップS4において、ロボット制御部22はサーボアンプ部24を介して電磁ブレーキ42によるロックを解除する。
【0048】
ここで、ガンユニット14は上述のバランス制御により変位量zはz≒0であり中立状態をほぼ保ち、ガンユニット14が大きく変位したり振動してしまうことはない。ただし、実際には考慮できない摩擦力等があり、前記変位量zは完全には「0」になっていない。
【0049】
次に、ステップS5において、内部モータ32を加圧動作させて電極チップ30aを電極チップ30bに接近させる。
【0050】
そして、ステップS6において、接近する電極チップ30a、30bがワーク28を把持する設定加圧力に達しているか判別し、設定加圧力未満であればステップS4に戻り加圧動作を続ける。設定圧力に達したならば加圧動作を終了する。
【0051】
電極チップ30a、30bがワーク28を把持する際に、アーム38の変位量zは上記のとおり完全には0になっていないが、イコライズ機構18の働きによりワーク28をたわませたり、ワーク28の片側面だけに過大な力を加えてしまうことはない。ガンユニット14の変位によりスプリング26a、26bに加わる力FZは上述の通りバランス制御により相殺されているので、スプリング26a、26bはこの力FZを支持する必要がない分、弱いバネ定数に設定することができ、そのためワーク28に加わる力はほぼ均等になっている。
【0052】
次に、ステップS7において、ワーク28を溶接する。溶接工程は図示しないトランスから電極チップ30a、30bに電圧を印加してワーク28に電流を流すことによりなされる。
【0053】
次に、ステップS8において、電磁ブレーキ42によりガンユニット14を再びロックする。
【0054】
そして、ステップS9において、モータ本体16aへの電流Iの供給を停止してバランス制御を終了する。
【0055】
次に、ステップS10において、ガン解放動作を行う。このガン解放動作はステップS4において電極チップ30a、30bを接近させた動作の逆の動作であり、内部モータ32を逆回転させる。ガン解放動作を行うと当該溶接ポイントにおける溶接工程は終了するので、ロボット12を動作させてガンユニット14を次の溶接ポイントへ移動させる。
【0056】
このように、本実施の形態に係る抵抗溶接装置および抵抗溶接方法においては、ロボット12が溶接ポイントへ移動して、かつバランス制御を行っている期間だけガンユニット14をロックするので、ガンユニット14が振動することがなく、振動の静定時間待ちが不要となり溶接工程のサイクルタイムの短縮を図ることができる。
【0057】
また、ガンユニット14の重量Wによりスプリング26a、26bに加わる力FZはバランス制御により相殺されているので、その分、該スプリング26a、26bのバネ定数を小さく設定でき、結果としてイコライズ機構18の性能を高めることができる。
【0058】
さらに、ガンユニット14の傾斜角度θは角度センサS1、S2、S3により計算され、それに応じて前記力FZおよびモータ本体16aの電流Iを求めるので、ガンユニット14がいかなる向きに位置していても精密なバランス制御を行うことができる。特に、サーボモータ16・ボールネジ36・ボールネジナット40による送りネジ機構35はガンユニット14に対して押圧力や引込力を与えることができるのでガンユニット14の向きが重力鉛直方向に対して反転していてもバランス制御を行うことができる。
【0059】
また、溶接工程においてガンユニット14の変位量zは常にz≒0の状態を保つので、オフラインティーチングなどの計画におけるガンユニット14の位置および移動経路と整合させることができる。
【0060】
またさらに、ガンユニット14をロックしている間は、バランス制御を停止しているのでモータ本体16aの電流消費量を抑えることができる。
【0061】
なお、本実施の形態においては、イコライズ機構18は2つのスプリング26a、26bを有するものとして説明したが、どちらか一方だけで構成してもよい。
【0062】
また、ガンユニット14はC型溶接ガンを例に示したが、いわゆるX型溶接ガン(共通の支軸に軸支された一対のガンアームを備える溶接ガン)でもよく、さらに、電極チップ30a、30bを駆動する方式も電動サーボ式でも空圧式であってもよい。
【0063】
次に、本実施の形態の変形例を図6を参照しながら説明する。
【0064】
この変形例では、図6に示すように、アーム38の横側面および背面に傾斜角度センサ56、58が設けられている。傾斜角度センサ56はアーム38の前後方向の傾斜φを、傾斜角度センサ58は左右方向の傾斜ψをそれぞれ検出し、各検出値はロボット制御部22においてそれぞれ処理される。
【0065】
そして、上述の実施の形態におけるステップS2において、ガンユニット14の傾斜角度θを、傾斜角度センサ56、58からのアーム38の前後方向の傾斜φ、左右方向の傾斜ψから算出するものとする。
【0066】
このようにすることで、傾斜角度θは傾斜φおよびψの2つの値だけから算出することが可能となり、演算を簡易、かつ迅速に行うことができる。
【0067】
また、傾斜角度センサ56、58はアーム38に固設されているので傾斜角度θを求める際に誤差が少ない。つまり、上述の実施の形態のようにロボット12の各軸に角度センサS1、S2、S3を設けて演算する方法では各軸間のロボット12のたわみや、ロボット12自体の寸法精度誤差が演算結果に影響することが考えられるが、この変形例ではそのおそれがない。
【0068】
なお、この発明に係る抵抗溶接装置および抵抗溶接方法は、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る抵抗溶接装置および抵抗溶接方法によれば、ロボットの姿勢によらずガンユニットの位置をイコライズ機構のスプリングの縮みがない中立位置に保持することができ、オフラインティーチングで計画したガンユニットの位置と精度よく合わせることができる。これは溶接のサイクルタイムの短縮化にもつながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る抵抗溶接装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態に係るイコライズ機構の構成を示す拡大図である。
【図3】本実施の形態に係る抵抗溶接方法を示す工程ブロック図である。
【図4】ガンユニットの傾斜角を説明する図である。
【図5】ガンユニットの重量がスプリングに作用する力の大きさを説明する図である。
【図6】本実施の形態の変形例に係る傾斜角度センサの取り付け状態を示す図である。
【図7】第1の従来技術に係るイコライズ機構を表す図である。
【図8】第2の従来技術に係るイコライズ機構を表す図である。
【図9】従来技術に係るイコライズ機構の振動を表す図である。
【符号の説明】
10…抵抗溶接装置 12…ロボット
14…ガンユニット 16…サーボモータ
16a…モータ本体 18…イコライズ機構
20…制御装置 22…ロボット制御部
26a、26b…スプリング 42…電磁ブレーキ
FZ…ガンユニットの重量の傾斜方向成分 S1、S2、S3…角度センサ
W…ガンユニットの重量 θ…傾斜角度
Claims (7)
- 移動機構にガンユニットを備えた抵抗溶接装置において、
前記移動機構と前記ガンユニットとの接続部に介設され、少なくとも1つの弾性体により前記ガンユニットを支持するイコライズ機構を備え、
前記イコライズ機構は、前記ガンユニットに対して、前記弾性体が伸縮する方向に力を発生させるアクチュエータと、
前記アクチュエータに接続され、前記アクチュエータの発生する力を制御する制御手段とを有し、
前記アクチュエータは、前記ガンユニットを移動可能に支持するボールネジと、
前記ボールネジを回転する駆動手段と、
前記ボールネジの回転をロックするロック手段と、を含み、
前記制御手段は、前記ロック手段にて前記ボールネジの回転をロックした状態で、前記駆動手段を駆動することにより、前記弾性体が受圧する少なくとも前記ガンユニットの重量成分に対する反力を発生させることを特徴とする抵抗溶接装置。 - 請求項1記載の抵抗溶接装置において、
前記制御手段は、前記移動機構が前記ガンユニットを溶接箇所へ移動させるときに、前記ロック手段にて前記ボールネジの回転をロックした状態で、前記駆動手段の駆動を停止することを特徴とする抵抗溶接装置。 - 請求項1又は2記載の抵抗溶接装置において、
前記ガンユニットの傾斜角を検出する傾斜角検出手段を有し、
前記制御手段は、予め記憶した前記ガンユニットの重量と、前記傾斜角から、前記弾性体が受圧する前記ガンユニットの重量成分を算出し、該重量成分に対する反力を発生させることを特徴とする抵抗溶接装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の抵抗溶接装置において、
前記ガンユニットはC型溶接ガンであることを特徴とする抵抗溶接装置。 - 移動機構と、ガンユニットと、前記移動機構と前記ガンユニットの接続部に介設し、少なくとも1つの弾性体により前記ガンユニットを支持するイコライズ機構と、を備え、
前記イコライズ機構は、前記ガンユニットに対して、前記弾性体が伸縮する方向に力を発生するアクチュエータを有し、
前記アクチュエータは、前記ガンユニットを移動可能に支持するボールネジと、
前記ボールネジを回転する駆動手段と、
前記ボールネジの回転をロックするロック手段と、を含む抵抗溶接装置を用いた抵抗溶接方法であって、
前記移動機構により前記ガンユニットを溶接箇所へ移動させる第1のステップと、
前記ロック手段にて前記ボールネジの回転をロックした状態で、前記駆動手段を駆動させることにより、前記弾性体が受圧する前記ガンユニットの重量成分に対する反力を発生させる第2のステップとを有することを特徴とする抵抗溶接方法。 - 請求項5記載の抵抗溶接方法において、
前記第1ステップでは、前記移動機構が前記ガンユニットを溶接箇所へ移動させるときに、前記ロック手段にて前記ボールネジの回転をロックした状態で、前記駆動手段の駆動を停止させることを特徴とする抵抗溶接方法。 - 請求項5又は6記載の抵抗溶接方法において、
前記弾性体が受圧する前記ガンユニットの重量成分を、前記ガンユニットの重量と、前記ガンユニットの傾斜角から算出することを特徴とする抵抗溶接方法。
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- 2001-01-23 JP JP2001015041A patent/JP4493862B2/ja not_active Expired - Fee Related
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