JP4493802B2 - 筆記具等用キャップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、修正具、塗布具、あるいは筆記具からなる筆記具等用キャップの構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
筆記具には鉛筆、サインペン、羽ペン、筆、万年筆等の様々な種類があるが、この他にツインタイプのマーカがあげられる。このマーカは、図示しないが、軸の一端部である筆記先端部に拡径の第一のキャップを、他端部である筆記末端部には縮径の第二のキャップをそれぞれ着脱自在に備え、これら第一、第二のキャップが相互に嵌合する構造に成形されている。
【0003】
なお、この種の先行技術文献として、実用新案登録2596066号、2595869号、2542080号、2552154号、2542049号、2542386号、特開平9−24693号、9−39479号、9−48195号公報等があげられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の筆記具等用キャップは、以上のように構成され、諸性能を向上させるべく鋭意研究開発されているが、その研究項目の一つとして安全性がある。すなわち、ツインタイプの第一、第二のキャップが単独でも、あるいは組み合わせの状態でも通気性を発揮するようにし、空気の流通を確保するようにすれば、ある種の好ましくない事態を容易に回避することが可能である。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みなされたもので、第一、第二のキャップに単独でも、あるいは組み合わせの状態でも通気性を確保し、安全性を高めることのできる筆記具等用キャップを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、上記課題を達成するため、軸の一端部に嵌め入れられる第一のキャップと、該軸の他端部に嵌め入れられる第二のキャップとを含んでなるものであって、
上記第一のキャップの閉塞端部から縮径頭部を突出させてこれらの間の段差部外周には上記第二のキャップ用の複数のストッパリブを周方向に並べ設け、該第一のキャップの外周にクリップを支持させてその支持部には通気路を開け設け、該第一のキャップの開口端部内周に複数のリブを周方向に並べ設け、
内筒、外筒からなる上記第二のキャップの外筒の縮径部内に内筒を支持させてこれらの間の連結部には流通路を開け設けるとともに、該第二のキャップの縮径外筒の段差部外周には上記第一のキャップ用の複数のストッパリブを周方向に並べ設け、該第二のキャップの開口端部内周に複数のリブを周方向に並べ設け、
上記第一のキャップの口元における複数のリブを該第二のキャップの縮径外筒に、該第二のキャップの口元における複数のリブを該第一のキャップの縮径頭部にそれぞれ隙間を介して嵌め合い可能としたことを特徴としている。
【0007】
ここで、特許請求の範囲における筆記具等は、ツインタイプのサインペン、ボールペン、水性や油性のマーカ等の筆記具が主であるが、なんらこれに限定されるものではなく、例えばツインタイプのリップブラシやアイカラースティック等の化粧具、修正具、塗布具等でも良い。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明すると、本実施形態における筆記具等用キャップは、図1ないし図3に示すように、図示しない軸(barrel)の一端部である太い筆記先端部に拡径の第一のキャップ1を、他端部である細い筆記末端部には縮径の第二のキャップ12をそれぞれ嵌脱自在に備え、これらインクの蒸発を防止する第一、第二のキャップ1・12を相互に嵌合可能な構造に成形するようにしている。
【0009】
第一のキャップ1は、図1や図2に示すように、成形性、曲げ強さ、剛性、可滅菌性に優れるPP、ABS、PE、PET、及びその再生材等を用いて基本的には長い円筒形に成形され、その閉塞端部から閉塞面を備えた円筒形の縮径頭部2が一体的に突出成形されており、これら第一のキャップ1の閉塞端部と縮径頭部2との間の段差部外周には、第二のキャップ12に接触係止する複数のストッパリブ3が周方向に所定のピッチで一体的に並設成形されている。この複数のストッパリブ3は、各ストッパリブ3が略ブロック状に成形され、ストッパリブ3とストッパリブ3との間に通気用の隙間4を区画形成するよう機能する。
【0010】
第一のキャップ1の外周の閉塞端部側には口元、すなわち、開口端部方向に指向する棒状のクリップ5が一体的に成形支持され、このクリップ5の自由端部側の内面には略半楕球形の突部6が膨出成形されており、クリップ5の末端部側の支持部7には第一のキャップ1とクリップ5との間に位置する通気路8が閉塞端部方向、換言すれば、軸方向に向け長く穿孔成形されている。また、第一のキャップ1の開口端部は、その外周に断面半楕円形のフランジ9が半径外方向に成形され、内周が少々厚さ方向に拡径に成形されるとともに、軸方向に指向する複数のリブ10が周方向に所定のピッチで一体的に並設成形されている。この複数のリブ10は、第一のキャップ1の半径内方向に指向する各リブ10が細長い板状に成形され、リブ10とリブ10との間に通気用の隙間11を区画形成するよう機能する。
【0011】
第二のキャップ12は、図1や図3に示すように、PP、ABS、PE、PET、及びその再生材等を用いて基本的には第一のキャップ1よりも短い円筒形に成形されている。この第二のキャップ12は、外筒20と、この外筒20の縮径部内に支持される内筒21とを備え、この内筒21には閉塞面を備えた円筒形の縮径外筒13が連結リブ14を介し一体的に成形支持されており、この連結リブ14には複数の流通路15が閉塞端部方向、換言すれば、軸方向に向け長く穿孔成形されている。第二のキャップ12の縮径外筒13の段差部外周には、第一のキャップ1の開口端部に接触係止する複数のストッパリブ16が周方向に所定のピッチで一体的に並設成形されている。この複数のストッパリブ16は、各ストッパリブ16が略ブロック状に成形され、ストッパリブ16とストッパリブ16との間に流通用の隙間17を区画形成する。
【0012】
第二のキャップ12の口元、すなわち、開口端部内周は、少々厚さ方向に拡径に成形され、軸方向に指向する複数のリブ18が周方向に所定のピッチで一体的に並設成形されている。この複数のリブ18は、第二のキャップ12の半径内方向に指向する各リブ18が細長い板状に成形され、リブ18とリブ18との間に流通用の隙間19を区画形成する。
【0013】
以上のように構成された第一のキャップ1の口元における複数のリブ10は、図1に示すように、第二のキャップ12の縮径外筒13外周に隙間11を介して嵌合するよう機能する。さらに、第二のキャップ12の口元における複数のリブ18は、同図に示すように、第一のキャップ1の縮径頭部2外周に隙間19を介し嵌合する。
【0014】
上記構成において、軸から取り外された第一のキャップ1が単独の場合には、矢印で示す空気は、第一のキャップ1の開口端部側からクリップ5の通気路8を通過して第一のキャップ1の閉塞端部側に流れ出る。また、軸から取り外された第二のキャップ12が単独の場合、矢印で示す空気は、第二のキャップ12の開口端部側から複数の流通路15を流通して第二のキャップ12の閉塞端部側に流出する。
【0015】
次に、軸から取り外された第一のキャップ1の縮径頭部2に第二のキャップ12を嵌入した組み合わせ状態の場合には、矢印で示す空気は、第一のキャップ1の開口端部側からクリップ5の通気路8を通過して第一のキャップ1の閉塞端部側に流れ出る。また、第一のキャップ1の開口端部側、通気路8、複数のストッパリブ3間の隙間4、第二のキャップ12の複数のリブ18間の隙間19、及び第二のキャップ12の複数の流通路15を順次流通して第二のキャップ12の閉塞端部側に途切れることなく流出する。
【0016】
逆に、軸から取り外された第二のキャップ12の縮径外筒13に第一のキャップ1を嵌入した組み合わせ状態の場合、矢印で示す空気は、第二のキャップ12の開口端部側から複数の流通路15、第一のキャップ1の複数のリブ10間の隙間11、及び第二のキャップ12の複数のストッパリブ16間の隙間17を順次通過して第一のキャップ1の開口端部側に連続して流れ出る。さらに、第一のキャップ1の開口端部側からクリップ5の通気路8を通過して第一のキャップ1の閉塞端部側に流れ出る。
【0017】
上記構成によれば、第一、第二のキャップ1・12が単独でも、あるいは組み合わせの連結状態でも通気性を発揮するので、例えば幼児等の人間や動物の生存に必要な空気の流通を確保して呼吸を維持することができ、実に簡易な構成である種の好ましくない事態をきわめて容易に回避することができる。したがって安全性の著しい向上が大いに期待できる。
【0018】
また、支持部7に通気路8が成形されているので、この通気路8を第一のキャップ1の外側から実に視認しにくく、第一のキャップ1の外観美や機能美を損なうことが全くない。同様に、連結リブ14に複数の流通路15が成形されているので、この流通路15を第二のキャップ12の外側からきわめて把握しにくく、第二のキャップ12の外観美を維持することが可能となる。さらに、第一、第二のキャップ1・12共に比較的簡易な構成であるから、射出成形等の成形作業やその作業の円滑化、迅速化、容易化を図ることができる。
【0019】
なお、上記実施形態では円筒形の第一、第二のキャップ1・12を示したが、これら第一、第二のキャップ1・12を中空の円錐台形等に成形することもできる。また、複数のストッパリブ3・16とリブ10・18とは、2個以上であれば、数を適宜増減することができる。また、上記実施形態ではブロック状のストッパリブ3・16を示したが、なんらこれに限定されるものではない。例えば、板状、半球状、半楕球状等のストッパリブ3・16でも良い。また、リブ10・18も板状に限定されるものではなく、例えば、半球状や半楕球状等のリブ10・18でも良い。さらに、第二のキャップ12の外周にクリップ5を適宜設けることも可能である。
【0020】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、第一のキャップの閉塞端部から縮径頭部を突出させてこれらの間の段差部外周には第二のキャップ用の複数のストッパリブを周方向に並べ設け、第一のキャップの外周にクリップを支持させてその支持部には通気路を開け設け、第一のキャップの開口端部内周に複数のリブを周方向に並べ設け、内筒、外筒からなる第二のキャップの外筒の縮径部内に内筒を支持させてこれらの間の連結部には流通路を開け設けるとともに、第二のキャップの縮径外筒の段差部外周には第一のキャップ用の複数のストッパリブを周方向に並べ設け、第二のキャップの開口端部内周に複数のリブを周方向に並べ設け、第一のキャップの口元における複数のリブを第二のキャップの縮径外筒に、第二のキャップの口元における複数のリブを第一のキャップの縮径頭部にそれぞれ隙間を介して嵌め合い可能とするので、第一、第二のキャップに単独でも、あるいは組み合わせの状態でも通気性を確保し、安全性を向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る筆記具等用キャップの実施形態における第一、第二のキャップを組み合わせた状態を示す断面説明図である。
【図2】本発明に係る筆記具等用キャップの実施形態における第一のキャップを示す断面説明図である。
【図3】本発明に係る筆記具等用キャップの実施形態における第二のキャップを示す断面説明図である。
【符号の説明】
1 第一のキャップ
2 縮径頭部
3 ストッパリブ
4 隙間
5 クリップ
7 支持部
8 通気路
10 リブ
11 隙間
12 第二のキャップ
13 縮径外筒
14 連結リブ(連結部)
15 流通路
16 ストッパリブ
17 隙間
18 リブ
19 隙間
20 外筒
21 内筒
Claims (1)
- 軸の一端部に嵌め入れられる第一のキャップと、該軸の他端部に嵌め入れられる第二のキャップとを含んでなる筆記具等用キャップであって、
上記第一のキャップの閉塞端部から縮径頭部を突出させてこれらの間の段差部外周には上記第二のキャップ用の複数のストッパリブを周方向に並べ設け、該第一のキャップの外周にクリップを支持させてその支持部には通気路を開け設け、該第一のキャップの開口端部内周に複数のリブを周方向に並べ設け、
内筒、外筒からなる上記第二のキャップの外筒の縮径部内に内筒を支持させてこれらの間の連結部には流通路を開け設けるとともに、該第二のキャップの縮径外筒の段差部外周には上記第一のキャップ用の複数のストッパリブを周方向に並べ設け、該第二のキャップの開口端部内周に複数のリブを周方向に並べ設け、
上記第一のキャップの口元における複数のリブを該第二のキャップの縮径外筒に、該第二のキャップの口元における複数のリブを該第一のキャップの縮径頭部にそれぞれ隙間を介して嵌め合い可能としたことを特徴とする筆記具等用キャップ。
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