JP4493361B2 - 燃料改質器収納用容器および燃料改質装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば燃料電池システムにおいて各種燃料から吸熱触媒反応である水蒸気改質反応を利用して水素ガスを発生させる燃料改質器を用いた燃料改質装置を構成するための燃料改質器収納用容器および燃料改質装置に関するものである。
近年、電気エネルギーを効率的に、かつクリーンに生産する次世代の電源システムとして燃料電池システムが脚光を浴びており、既に自動車市場や家庭用燃料電池発電システムに代表されるコージェネレーション発電システム市場においては、低コストを目指した実用化のためのフィールドテストが盛んに行なわれている。
さらに最近では、燃料電池システムの小型化を図り、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistants),ノートパソコン,デジタルビデオカメラまたはデジタルスチルカメラ等の携帯機器の電源として使用することが検討されている。
一般に燃料電池は、例えばメタンや天然ガス(CNG)等の炭化水素ガスあるいはメタノールやエタノール等のアルコール類を燃料とし、燃料改質器を用いた燃料改質装置で水蒸気改質反応により水素ガスおよびその他のガスに改質した後、この水素ガスを発電セルと呼ばれる発電装置に供給することにより発電が行なわれる。
ここでの燃料改質器による燃料の改質とは、改質可能な燃料を水蒸気と結合させて触媒反応により水素ガスを発生させるプロセスをいう。
例えば、燃料としてメタノールを用いた場合は、次の化学反応式(1)に示すような水蒸気改質反応(式(1)中では、メタノールに水蒸気を結合させることにより、水素と二酸化炭素とに改質する反応)により、水素ガス(H)を生成するプロセスをいう。なお、この改質反応により生成される水素以外の微量の生成ガス(主にCO)は、通常は大気中に排出される。
CHOH+HO → 3H+CO・・・(1)
また、このような水蒸気改質反応は吸熱反応であることから、外部よりヒーター等で加熱して反応温度を維持する必要がある。従って、燃料改質器内で燃料を改質させるには、触媒の水蒸気改質活性が低下するのを防止するとともに、生成される水素ガス濃度を高く維持するため、例えば燃料としてメタノールを用いた場合には約200〜500℃の温度が、またメタンガスを用いた場合には300〜800℃程度の高い温度が必要になる。
特開2003−2602号公報
近年、小型の携帯機器へ燃料電池システムを搭載することが提案されている。しかしながら、携帯機器へ燃料電池システムを搭載した場合、燃料改質器で発生する熱が燃料改質器収納用容器へ伝達されて燃料改質器収納用容器の表面の温度が上昇し、その熱によって携帯機器内の他の部品が破壊されたり、また携帯機器の使用者に火傷を負わせるというおそれがあった。
また、化学反応式(1)で示すような水蒸気改質反応は吸熱反応であることから、燃料改質器で燃料を改質するためには、燃料改質器をヒーター等で加熱することによって反応温度を一定温度に維持する必要がある。しかしながら、燃料改質器に発生する熱が燃料改質器収納用容器に伝導することによって、燃料改質器の温度は低下することになる。そこで反応温度を維持するためには、ヒーターの発熱量を増加させる必要がある。ヒーターの発熱量を増加させると、燃料電池の発電セルで発電した総電気容量に占めるヒーター加熱に使用する電気容量が増えることになり、その結果、燃料電池システム全体の発電損失が増大するという問題点があった。
燃料改質器で発生する熱が燃料改質器収納用容器に伝達されるのを抑制するための方法として、燃料改質器収納用容器本体を低熱伝導のガラス材で構成する方法が考えられるが、ガラス材は強度が低いため、燃料を供給する供給管や改質ガスを排出するための排出管とを接合した際にガラス材にクラックが発生し、供給管や排出管との接合部の気密性を確保することが困難であるという問題点があった。
本発明は上記従来の技術における問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、燃料改質器へ良好に燃料を供給し、また、燃料改質器によって改質された水素ガス等の改質ガスを安全に燃料改質器収納用容器の外に排出できるとともに、燃料改質器で発生する熱が燃料改質器収納用容器へ伝達するのを有効に抑制して発電効率の高い燃料改質器収納用容器および燃料改質装置を提供することにある。
本発明の燃料改質器収納用容器は、燃料から水素ガスを含む改質ガスを発生させる、少なくとも一方の主面がガラス面とされた燃料改質器を内部に収容する凹部を上面に有する基体と、該基体の上面に前記凹部を覆って取着される蓋体と、前記燃料改質器の前記ガラス面とされた前記主面と対向する前記基体および前記蓋体の少なくとも一方を貫通して先端が前記燃料改質器の前記ガラス面に接合されるとともに前記燃料改質器を前記蓋体と前記凹部の底面との間の空間に浮かして固定する、前記燃料改質器に前記燃料を供給するための供給管と、前記燃料改質器の前記ガラス面とされた前記主面と対向する前記基体および前記蓋体の少なくとも一方を貫通して先端が前記燃料改質器の前記ガラス面に接合されるとともに前記燃料改質器を前記蓋体と前記凹部の底面との間の空間に浮かして固定する、前記改質ガスを排出するための排出管とを具備しており、前記供給管および前記排出管は、前記燃料改質器の前記ガラス面に陽極接合された貫通孔を有する板部材にロウ付けされることを特徴とする。
本発明の燃料改質器収納用容器において、好ましくは、前記板部材は、シリコンから成るとともに前記供給管または前記排出管が接合される面に金属層が被着されていることを特徴とする。
本発明の燃料改質器収納用容器において、好ましくは、前記金属層は、前記排出管が接合される面に被着されたものが一層または複数層から成るとともに前記板部材に直接接する層がクロムまたはクロム合金から成ることを特徴とする。
本発明の燃料改質器収納用容器において、好ましくは、前記クロムまたはクロム合金から成る層は、その厚みが5μm以下であることを特徴とする。
本発明の燃料改質装置は、上記本発明の燃料改質器収納用容器と、前記凹部に設置された前記燃料改質器と、前記基体の上面に前記凹部を覆って取着された前記蓋体とを具備していることを特徴とする。
本発明の燃料改質器収納用容器は、燃料から水素ガスを含む改質ガスを発生させる、少なくとも一方の主面がガラス面とされた燃料改質器を内部に収容する凹部を上面に有する基体と、基体の上面に凹部を覆って取着される蓋体と、燃料改質器のガラス面とされた主面と対向する基体および蓋体の少なくとも一方を貫通して先端が燃料改質器のガラス面に接合されるとともに燃料改質器を蓋体と凹部の底面との間の空間に浮かして固定する、燃料改質器に燃料を供給するための供給管と、燃料改質器のガラス面とされた主面と対向する基体および蓋体の少なくとも一方を貫通して先端が燃料改質器のガラス面に接合されるとともに燃料改質器を蓋体と凹部の底面との間の空間に浮かして固定する、改質ガスを排出するための排出管とを具備しており、供給管および排出管は、燃料改質器のガラス面に陽極接合された貫通孔を有する板部材にロウ付けされることから、基体や蓋体の内側に燃料改質器の裏面全体を直接、面接合する必要がなく、燃料改質器の熱が基体や蓋体に伝達されるのを有効に抑制することができる。その結果、燃料改質器を断熱して燃料改質器の温度低下を抑制することができ、燃料改質器を良好に動作させるために必要な温度を保つためのヒーターに大きな電力を供給しける必要はなく、発電効率を著しく向上させることができる。
また、燃料改質器から基体や蓋体への熱伝導を大幅に低減できるため、燃料改質器収納用容器の外壁表面の温度が上昇するのを有効に抑制することが可能となる。その結果、携帯機器内の他の部品を破壊したり、携帯機器の使用者に火傷を負わせるのを有効に防止できる。
また、供給管および排出管は、燃料改質器のガラス面に陽極接合された貫通孔を有する板部材にロウ付けされることから、燃料改質器に供給管および排出管をロウ付けする際に燃料改質器と供給管および排出管との間に生じる熱応力を板部材によって有効に緩和することができ、燃料改質器のガラス面にクラック等が生じるのを有効に防止できる。
さらに、板部材、および、板部材と供給管および排出管とを接合するロウ材により、燃料改質器、板部材、供給管および排出管の間に生じる熱膨張差に起因する応力や、燃料供給や改質ガスの排出等で生じる振動や外部の衝撃に起因する応力を有効に緩和することができ、燃料改質器と供給管および排出管との接合に対し信頼性を更に高いものとすることができる。
本発明の燃料改質器収納用容器は、上記構成において、好ましくは、板部材はシリコンから成るとともに供給管または排出管が接合される面に金属層が被着されていることから、シリコンから成る板部材は燃料改質器9のガラス面と陽極接合によりきわめて強固な接合を行なうことができるとともに、板部材に被着された金属層によって供給管および排出管ときわめて強固な接合を行なうことができる。その結果、燃料改質器と供給管および排出管との接合強度をきわめて高くすることができる。
本発明の燃料改質器収納用容器は、上記構成において、好ましくは、金属層は板部材の排出管が接合される面に被着されたものが一層または複数層から成るとともに板部材に直接接する層がクロムまたはクロム合金から成ることから、シリコンから成る板部材と金属層との密着性をきわめて高くすることができるとともに、燃料改質器によって改質された水素ガス等のガスによる腐食が少なく、板部材と排出管との接合信頼性をきわめて高くすることができる。
本発明の燃料改質器収納用容器は、上記構成において、好ましくは、クロムまたはクロム合金から成る層の厚みが5μm以下であることから、クロムまたはクロム合金から成る層を形成した後の残留応力によって、クロムまたはクロム合金から成る層が板部材から剥離するのを有効に防止することができ、板部材と排出管との接合信頼性をより向上させることができる。
本発明の燃料改質装置は、上記本発明の燃料改質器収納用容器と、凹部に設置された燃料改質器と、基体の上面に凹部を覆って取着された蓋体とを具備していることから、上記本発明の燃料改質器収納用容器の特徴を用いた、燃料改質器によって改質された水素ガス等のガスを安全に燃料改質器収納用容器の外に排出できるとともに発電損失の少ないものとなる。
本発明の燃料改質器収納用容器の実施形態を以下に詳細に説明する。
図1は本発明の燃料電池収納用容器の実施の形態の一例を示す断面図である。1は基体、2は配線としてのリード端子、3はボンディングワイヤ、4は蓋体、5aは燃料を供給する供給路としての供給管、5bは改質ガスを排出する排出路としての排出管、7は電極、8は基体1の貫通孔にリード端子2を絶縁しつつ封止固定するための絶縁封止材、9は燃料改質器であり、10は貫通孔を有する板部材であり、主にこれら基体1、蓋体4、供給管5a、排出管5bおよび板部材10で燃料改質器9を収納する燃料改質器収納用容器11が構成される。
本発明における基体1および蓋体4は、ともに燃料改質器9を収納する容器としての役割を有する。それらは、例えばFe合金,無酸素銅、SUS等の金属材料や、酸化アルミニウム(Al)質焼結体,ムライト(3Al・2SiO)質焼結体,炭化珪素(SiC)質焼結体,窒化アルミニウム(AlN)質焼結体,窒化珪素(Si)質焼結体,ガラスセラミックス等のセラミック材料や、ポリイミド等の高耐熱の樹脂材料で形成されている。
なお、基体1や蓋体4がガラスセラミックスから成る場合、基体1や蓋体4に適用可能なガラスセラミックスとしては、例えば、ガラス成分とフィラー成分とから成るものが用いられる。そのガラス成分としては、例えばSiO−B系,SiO−B−Al系,SiO−B−Al−MO系(但し、MはCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す),SiO−Al−MO−MO系(但し、MおよびMは同一または異なってCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す),SiO−B−Al−MO−MO系(但し、MおよびMは上記と同じである),SiO−B−M O系(但し、MはLi,NaまたはKを示す),SiO−B−Al−M O系(但し、Mは上記と同じである),Pb系ガラス,Bi系ガラス等が挙げられる。
また、フィラー成分としては、例えばAl,SiO,ZrOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物、TiOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物、AlおよびSiOから選ばれる少なくとも1種を含む複合酸化物(例えばスピネル,ムライト,コージェライト)等が挙げられる。
一方、基体1および蓋体4が、例えば相対密度が95%以上の緻密質の酸化アルミニウム質焼結体で形成されている場合は、例えば、まず酸化アルミニウム粉末に希土類酸化物粉末や酸化アルミニウム粉末等の焼結助剤を添加,混合して、酸化アルミニウム質焼結体の原料粉末を調製する。次いで、この原料粉末に有機バインダおよび分散媒を添加,混合してペースト化し、このペーストをドクターブレード法によって、あるいは原料粉末に有機バインダを加え、プレス成形,圧延成形等によって、所定の厚みのグリーンシートを作製する。その後、所定枚数のシート状成形体を位置合わせして積層圧着した後、この積層体を、例えば非酸化性雰囲気中、焼成最高温度が1200〜1500℃の温度で焼成して、目的とするセラミック製の基体1および蓋体4を得る。なお、基体1および蓋体4の成形は粉末成形プレス法であっても良い。
他方、基体1および蓋体4が金属材料から成る場合は、切削法,プレス法,MIM(Metal Injection Mold)法等により所定の形状に形成される。
また、基体1および蓋体4が金属材料から成る場合には、腐食を防止するためにその表面は、例えばAu,Niのめっき処理や、ポリイミド等の樹脂コーティング等の被覆コーティング処理が行なわれることが望ましい。例えばAuめっき処理の場合であれば、その厚さは0.1〜5μm程度であることが望ましい。
また、基体1および蓋体4で構成される燃料改質器収納用容器11の少なくとも内側表面をAuやAlのめっき処理膜で覆うことにより、収容された燃料改質器9で発生する輻射熱を効率良く防ぐことができ、燃料改質器収納用容器11の昇温を抑制することが可能となる。
以上のような基体1および蓋体4は、燃料改質器収納容器11の小型化,低背化を可能とするためには厚さを薄くすべきであるが、機械的強度である曲げ強度は200MPa以上であることが好ましい。
次に、本発明におけるリード端子2は、基体1および蓋体4の熱膨張係数と同一または近似した金属が用いられるのがよく、例えば、Fe−Ni合金,Fe−Ni−Co合金よりなるものが、実用時の温度変化に対して熱歪の発生を防止できる。その上、リード端子2と基体1との良好な封着性が得られるとともに、ボンディング性に優れ、実装時に必要な強度と良好なはんだ付性や溶接性を確保できる。
また、本発明の絶縁封止材8は、例えば、硼珪酸ガラス,アルカリガラス,鉛を主成分とする絶縁ガラス等から成り、基体1に形成された貫通孔でこの絶縁封止材8によって基体1とリード端子2とが電気的に絶縁されてリード端子2が封止固定されている。基体1に形成されたリード端子2が挿通される貫通孔は、基体1とリード端子2とが接触して電気的に導通することがない大きさが必要であり、具体的にはリード端子2から基体1までの間隔が0.1mm以上確保できる内径が好ましい。
絶縁封止材8は、例えば酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックスやガラス等の絶縁部材から成っていてもよい。この場合、基体1に形成された貫通に、例えば筒状の絶縁封止材8を挿入し、さらにこの絶縁封止材8にリード端子2を挿入することにより、基体1とリード端子2とを電気的に絶縁することができる。なお、このような絶縁封止材8と基体1との接合及び絶縁封止材8とリード端子2との接合は、例えばAu−Ge合金やAg−Cu合金等のロウ材を使用することができる。
そして、燃料改質器9上の電極7とリード端子2とをボンディングワイヤ3を介して電気的に接続し、さらに蓋体4を用いて基体1の凹部を封止することによって、燃料改質器収納用容器11の凹部内に収容した燃料改質器9を気密に封止した燃料改質装置が形成される。
また、本発明の燃料改質器収納用容器11に収納される燃料改質器9は、微小ケミカルデバイスとして、半導体製造技術を適用して、例えば、シリコン等の半導体,石英,ガラス,セラミックス等の無機材料の基材に、切削法,エッチング法,ブラスト法等により細い溝を形成することによって液体流路が作製され、操作中の液体の蒸発防止等を目的として、ガラス板等のカバーを陽極接合、ロウ付け等により表面に密着させて作製される。
なお、本発明の燃料改質器収納用容器11に収納される燃料改質器9は、上記の基材およびカバーの少なくとも一方がガラスから成っており、そのガラス面に、供給管5aが接続される燃料供給口や排出管5bが接続される改質ガス排出口が形成されている。
また、燃料改質器9内には、温度調節機構、例えば、抵抗層等から成る薄膜ヒーター(不図示)を形成し、表面にはこの薄膜ヒーターへ電力を供給する端子として電極7が形成される。この温度調節機構により、燃料改質条件に相当する200〜800℃程度の温度条件に調整することで、供給管5aが接続された燃料供給口から供給される燃料を水蒸気と結合させて、改質ガス排出口に接続された排出管5bから水素ガスを発生させる改質反応を良好に促進することができる。
板部材10は、燃料や改質ガスを通過させるための貫通孔が形成されており、燃料改質器9のガラス面へ陽極接合により接合される。板部材10は、燃料改質器9に供給管5aおよび排出管5bをロウ付けする際に燃料改質器9と供給管5aおよび排出管5bとの間に生じる熱応力を有効に緩和することができ、燃料改質器9のガラス面にクラック等が生じるのを有効に防止できる。
板部材10としては、例えば、Fe合金,SUS等の金属材料や、酸化アルミニウム(Al)質焼結体,炭化珪素(SiC)質焼結体,窒化アルミニウム(AlN)質焼結体,窒化珪素(Si)質焼結体等のセラミック材料、シリコン等を用いることができる。
板部材10の厚さは0.01〜10mmであるのがよい。これにより、板部材10と燃料改質器9とを陽極接合する際、板部材10の変形を抑制して接合をきわめて良好にできるとともに、燃料改質器9から板部材10を介して供給管5aや排出管5bに伝達される熱量を有効に低減して発電効率を高めることができる。
板部材10は、燃料改質器9のガラス面と接合する面を研磨加工により鏡面状態にするのがよい。好ましくは、板部材10の燃料改質器9と接合する面を算術平均粗さRaが1μm以下とするのが望ましい。算術平均粗さRaが1μmを超える場合、板部材10と燃料改質器9のガラス面との密着性が低くなりやすく、陽極接合による接合の強度が低くなりやすい。
このような板部材10は、燃料改質器9のガラス面の供給口または排出口の周囲に陽極接合によって接合される。なお、陽極接合は温度、荷電圧値、圧力等によりその接合強度が変化するため、使用する部材に応じて最適な条件で接合するのがよい。また、燃料改質器9に複数の板部材10を陽極接合によって接合する場合、複数の板部材10を同時に接合するのがよい。これにより、複数の板部材10の接合強度にばらつきが生じるのを有効に防止できる。
また、好ましくは、板部材10はシリコンから成るとともに供給管5aまたは排出管5bが接合される面に金属層が被着されているのがよい。これにより、シリコンから成る板部材10は燃料改質器9のガラス面とガラスと陽極接合によりきわめて強固な接合を行なうことができるとともに、板部材10に被着された金属層によって供給管5aおよび排出管5bときわめて強固な接合を行なうことができる。その結果、燃料改質器9と供給管5aおよび排出管5bとの接合強度をきわめて高くすることができる。
板部材10の金属層は、スパッタリング法等の薄膜形成技術、めっき法、または、金属ペーストの印刷等の厚膜形成技術を用いて形成される。なお、金属層の形成は、板部材10が燃料改質器9のガラス面に接合される前でも後でもかまわない。
板部材10の金属層は、一層または複数層から成っていてもよい。複数層から成る場合、各層が異なる金属から成っていてもよく、例えば、板部材10に直接接する層に板部材10と密着性のよい、例えば、クロムやチタン等の金属を用いるとともに、供給管5aや排出管5bが接合される層にロウ材との密着性のよい、例えば、金や白金等の金属を用い、さらに、これらの中間の層に拡散防止や密着性向上のための、例えば、ニッケル等の金属を用いてもよい。
特に、板部材10の金属層は、板部材10の排出管5bが接合される面に被着されたものが耐水素脆性の高い材料であることが好ましい。板部材10がシリコンから成る場合、好ましくは、板部材10の排出管5bが接合される面に被着された金属層が一層または複数層から成るとともに板部材10に直接接する層がクロムまたはクロム合金から成るのがよい。これにより、シリコンから成る板部材10と金属層との密着性をきわめて高くすることができるとともに、燃料改質器9によって改質された水素ガス等のガスによる腐食が少なく、板部材10と排出管5bとの接合信頼性をきわめて高くすることができる。
また、上記構成において、好ましくは、クロムまたはクロム合金から成る層の厚みが5μm以下であるのがよい。これにより、クロムまたはクロム合金から成る層を形成した後の残留応力によって、クロムまたはクロム合金から成る層が板部材10から剥離するのを有効に防止することができ、板部材10と排出管5bとの接合信頼性をより向上させることができる。
燃料改質器9は、基体1の凹部内に収容され、蓋体4をAu合金,Ag合金,Al合金等の金属ロウ材やガラス材による接合やシームウェルド法等によって基体1の上面に凹部を覆って取着することによって、燃料改質器収納容器11内に収納される。
例えば、蓋体4を基体1にAu−Snロウ材により接合する場合は、蓋体4に予めAu−Snロウ材を溶着させておくか、あるいは金型等を用いて打ち抜き加工等で枠状に形成したAu−Snロウ材を基体1と蓋体4との間に載置した後、封止炉あるいはシームウェルダーで蓋体4を基体1に接合することにより、燃料改質器収納用容器11の内部に燃料改質器9を封止することができる。
燃料改質器収納容器11内の断熱性をさらに向上させるためには、燃料改質器収納容器11内を真空にすることが効果的であり、燃料改質器9を封止する際、真空炉でのロウ材による封止や真空チャンバー内でのシームウェルド法で行なえば良い。
また、燃料改質器9は、燃料改質器9上の電極7がボンディングワイヤ3を介して基体1に設けたリード端子2に電気的に接続される。これにより、電極7を通じて燃料改質器9上に形成されたヒーターを加熱することができる。その結果、燃料改質器9において反応温度の維持が可能となり燃料の改質反応を安定させることができる。
供給管5aおよび排出管5bは、それぞれ原料や燃料ガス流体の供給路および水素を含有する改質ガスの排出路である。これらは、例えば、Fe−Ni合金,Fe−Ni−Co合金,SUS等の金属材料、Al質焼結体,3Al・2SiO質焼結体,SiC質焼結体,AlN質焼結体,Si質焼結体,ガラスセラミック焼結体等のセラミック材料、ポリイミド等の高耐熱の樹脂材料、または、ガラスで形成されている。
好ましくは、改質ガスに含まれる水素により脆化しにくいものであるのがよい。このような材料としては、Fe合金、セラミックス、ガラス等が挙げられる。
また、供給管5aおよび排出管5bの熱伝導率は低い方がよい。具体的には120W/m・K以下であるのがよい。これにより、供給管5aおよび排出管5bを介して燃料改質器9から基体1や蓋体4に伝わる熱をより効果的に低減することができ、燃料改質器9の温度低下の抑制や燃料改質器収納用容器11の高温化の抑制をより有効に行なうことができる。
供給管5aおよび排出管5bにおける燃料改質器9との接合部および基体1または蓋体4との接合部の断面積がそれらの接合部間に位置する部位の断面積よりも小さくなっているのがよい。これにより、供給管5aおよび排出管5bと燃料改質器9との接合強度、および、供給管5aおよび排出管5bと基体1または蓋体4との接合強度を良好に維持するとともに燃料改質器9からの熱が基体1や蓋体4に伝達されるのをより有効に抑制することができる。
また、供給管5aおよび排出管5bの断面積が小さい部位において適度に変形することが可能となり、供給管5a、排出管5b、燃料改質器9、基体1および蓋体4の間に熱膨張係数差による応力が生じたり、外部からの衝撃などが燃料改質器収納用容器11に加わった場合に、供給管5aおよび排出管5bの適度な変形により応力を緩和することができ、供給管5aおよび排出管5bと燃料改質器9との接合部、および、供給管5aおよび排出管5bと基体1または蓋体4との接合部の接合を良好に維持することができる。
そして、これらの供給管5aおよび排出管5bは、基体1または蓋体4に形成された貫通孔(符号なし)に挿通される。あるいは、供給管5aおよび排出管5bの端面がそれぞれ基体1内側の貫通周囲に貫通に連通して接合され、基体1外側の各貫通周囲に貫通に連通して別の管部材がそれぞれ接合されていてもよい。
基体1と供給管5aとの接合、および基体1と排出管5bとの接合は、供給管5aや排出管5b、基体1を構成する材料により、超音波接合や熱溶着、圧着、樹脂接着剤による接着、Au−SiやAg−Cu等のロウ材による接合、硼珪酸ガラス等のガラスによる接合、同時焼結等の各種方法が適宜用いられる。
また、供給管5aおよび排出管5bの内径はφ0.1mm以上として流体の圧力損失を抑えるとともに、小型化,低背化のためにはφ5mm以下とすることが好ましい。
供給管5aおよび排出管5bの断面形状としては、通常は円形状とすればよいが、これに限定されない。すなわち、円形状の他には、楕円形状や、流体の流れ方向にその辺部を合わせることができる角状のもの、例えば、正方形状,長方形状等が挙げられる。また、肉厚は原料供給や反応ガス排出の圧力で変形しない厚みが必要であり、Fe−Ni合金,Fe−Ni−Co合金,SUS等の金属材料から成る場合には、携帯機器等に使用するものでは通常は0.1mm以上であれば良い。また、流れ方向の長さは、燃料改質器9で発生する熱を発電セルに伝えにくくするためには長い程よいが、燃料電池システム全体の大きさを考慮した長さにすべきである。
また、供給管5aおよび排出管5bは、燃料改質器収納用容器11の内部の部位における外面において、軸方向に平行な複数の溝または軸方向に直角な複数の溝が形成されているのがよい。これにより、供給管5aおよび排出管5bの熱伝導を低下させて燃料改質器9から基体1や蓋体4への熱伝導をより有効に抑制できるとともに、供給管5aおよび排出管5bが適度に変形することが可能となり、供給管5aおよび排出管5bの適度な変形により応力を緩和することができ、供給管5aおよび排出管5bと燃料改質器9との接合部、および、供給管5aおよび排出管5bと基体1または蓋体4との接合部の接合を良好に維持することができる。
また、板部材10と供給管5a,排出管5bとを接合する接合材は、石英ガラス,ホウ珪酸ガラス等のガラスや各種セラミックス,無機ポリマーを含む無機接着剤、ポリイミドアミド等の高耐熱性有機材料を含む接着剤、シリコーンゴムや珪素樹脂等の有機珪素化合物、Au−Sn合金,Au−Si合金,Au−Ge合金,Ag−Cu合金等の各種ロウ材等を用いることできる。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることは何ら差し支えない。例えば、図1に示した例においては、供給管5aおよび排出管5bは燃料改質器9の下面に接合されているが、これらは燃料改質器9の仕様に応じて上面に接合しても良い。また、供給管5aおよび排出管5bは複数形成されていてもよい。
本発明の燃料改質器収納用容器の実施の形態の一例を示す断面図である。
符号の説明
1・・・・・基体
4・・・・・蓋体
5a・・・・供給管
5b・・・・排出管
9・・・・・燃料改質器
10・・・・板部材
11・・・・燃料改質器収納用容器

Claims (5)

  1. 燃料から水素ガスを含む改質ガスを発生させる、少なくとも一方の主面がガラス面とされた燃料改質器を内部に収容する凹部を上面に有する基体と、該基体の上面に前記凹部を覆って取着される蓋体と、前記燃料改質器の前記ガラス面とされた前記主面と対向する前記基体および前記蓋体の少なくとも一方を貫通して先端が前記燃料改質器の前記ガラス面に接合されるとともに前記燃料改質器を前記蓋体と前記凹部の底面との間の空間に浮かして固定する、前記燃料改質器に前記燃料を供給するための供給管と、前記燃料改質器の前記ガラス面とされた前記主面と対向する前記基体および前記蓋体の少なくとも一方を貫通して先端が前記燃料改質器の前記ガラス面に接合されるとともに前記燃料改質器を前記蓋体と前記凹部の底面との間の空間に浮かして固定する、前記改質ガスを排出するための排出管とを具備しており、前記供給管および前記排出管は、前記燃料改質器の前記ガラス面に陽極接合された貫通孔を有する板部材にロウ付けされることを特徴とする燃料改質器収納用容器。
  2. 前記板部材は、シリコンから成るとともに前記供給管または前記排出管が接合される面に金属層が被着されていることを特徴とする請求項1記載の燃料改質器収納用容器。
  3. 前記金属層は、前記排出管が接合される面に被着されたものが一層または複数層から成るとともに前記板部材に直接接する層がクロムまたはクロム合金から成ることを特徴とする請求項2記載の燃料改質器収納用容器。
  4. 前記クロムまたはクロム合金から成る層は、その厚みが5μm以下であることを特徴とする請求項3記載の燃料改質器収納用容器。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の燃料改質器収納用容器と、前記凹部に設置された前記燃料改質器と、前記基体の上面に前記凹部を覆って取着された前記蓋体とを具備していることを特徴とする燃料改質装置。
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