JP4812288B2 - 燃料改質器収納用容器および燃料改質装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば燃料電池システムにおいて各種燃料から水素ガスを発生させる燃料改質器を用いた燃料改質装置を構成するための燃料改質器収納用容器および燃料改質装置に関するものである。
近年、電気エネルギーを効率的に、かつクリーンに生産する次世代の電源システムとして燃料電池システムが脚光を浴びており、既に自動車市場や家庭用燃料電池発電システムに代表されるコージェネレーション発電システム市場においては、低コストを目指した実用化のためのフィールドテストが盛んに行なわれている。
さらに最近では、燃料電池システムの小型化を図り、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistants),ノートパソコン,デジタルビデオカメラまたはデジタルスチルカメラ等の携帯機器の電源として使用することが検討されている。
一般に燃料電池は、例えばメタンや天然ガス(CNG)等の炭化水素ガスあるいはメタノールやエタノール等のアルコール類を燃料とし、燃料改質器を用いた燃料改質装置で水素ガスおよびその他のガスに改質した後、この水素ガスを発電セルと呼ばれる発電装置に供給することにより発電が行なわれる。
ここでの燃料改質器による燃料の改質とは、触媒反応により水素ガスを発生させるプロセスをいう。
例えば、燃料としてメタノールを用いる場合において、燃料を改質させる反応はいくつかあり、例えば次の化学反応式(1)に示すような水蒸気改質反応(式(1)中では、メタノールに水蒸気を結合させることにより、水素と二酸化炭素とに改質する反応)により、水素ガス(H)を生成するプロセスをいう。なお、この改質反応により生成される水素以外の微量の生成ガス(主にCO)は、通常は大気中に排出される。
CHOH+HO → 3H+CO・・・(1)
このような水蒸気改質反応は吸熱反応であることから、外部よりヒーター等で加熱して反応温度を維持する必要がある。従って、燃料改質器内で燃料を改質させるには、触媒の水蒸気改質活性が低下するのを防止するとともに、生成される水素ガス濃度を高く維持するため、例えば燃料としてメタノールを用いた場合には約200〜500℃の温度が、またメタンガスを用いた場合には300〜800℃程度の高い温度が必要になる。
また、例えば次の化学反応式(2)に示すような部分酸化改質反応では、400〜600℃程度の改質温度が必要になる。
CHOH+1/2O+2N→ 2H+CO+2N・・・(2)
そこで家庭用燃料電池システムに代表されるコージェネレーション発電システムでは、このシステム自体が大型であることから、燃料改質器収納用容器の外壁を2重構造にして真空容器を構成したり、あるいは2重構造にした内外壁間に断熱材を充填することにより、燃料改質器の内部の熱が外部へ伝導して燃料改質器の温度が低下するのを防止している。そのため、燃料改質器を燃料改質器収納用容器に収容する際は、燃料改質器を燃料改質器収納用容器の2重構造の内壁に直接接合して載置固定することが可能である。
特開2003−2602号公報
近年、携帯機器用の燃料電池システムでは、携帯機器内に収納するために小型化,低背化することが求められている。しかしながら、従来のように燃料改質器収納用容器の外壁を2重構造にすることは、燃料電池システム全体が複雑化して大型化するため携帯機器用の燃料電池システムには採用することができない。そこで、携帯機器用の燃料電池システムについては凹部を有する基体と蓋体とから成る燃料改質器収納用容器内部を真空状態にすることや、熱伝導率のより小さな材料を使用することにより、燃料改質器内で燃料を改質する際に発生する熱の外部への伝導を遮断し、発電損失の少ない燃料電池システムを提供することが提案されている。
このような燃料電池システムを長期に安定かつ安全に使用するためには、燃料改質器収納用容器内部の真空状態を長期において保つ必要があると同時に、燃料改質器内で燃料を改質する際に発生する熱の外部への伝導量を低減する必要がある。燃料改質器から燃料改質器収納用容器の外壁への伝熱量を低減するためには、燃料改質器への通電用リード端子と基体との接合にセラミックスなどの絶縁材を用い、前記セラミックスの外形を大きくすることで通電用リード端子と基体との距離を大きくし、基体への伝熱量を小さくする手法があった。しかしながら、通電用リード端子と基体との距離を大きくすることは、燃料改質器収納用容器が大きくなる傾向となり携帯機器用の燃料電池システムに使用されるものとしては、小型化、低背化することの障害となり携帯機器用途としては不向きとなるという問題点があった。また、燃料改質器からの伝熱量を低減するために、燃料改質器の改質温度を低くすると高効率な燃料改質ができなくなり発電効率の低い燃料電池システムとなるという問題点があった。
本発明は上記従来の技術における問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、燃料改質器の燃料改質温度をより高温に維持することが可能な、発電損失の少ない燃料改質器収納用容器および燃料改質装置を提供することにある。
本発明の燃料改質器収納用容器は、燃料から水素ガスを含む改質ガスを発生させる燃料改質器が収納される空洞を有した収容容器と、前記燃料改質器からの前記改質ガスを排出すべく前記空洞内と外部とを連通する排出管と、前記燃料改質器に前記燃料を供給すべく前記空洞内と外部とを連通する供給管と、前記空洞内と外部とを連通するように前記収容容器に形成された貫通孔に挿通されてなる前記燃料改質器への通電用としてのリード端子とを具備した燃料改質器収納用容器であって、前記リード端子を封止材を介して筒状金具の内側に固定するとともに該筒状金具を前記貫通孔に挿通し、前記筒状金具の一部をその外面と前記貫通孔の内面との間に空隙を形成するようにして前記筒状金具の他の一部を前記収容容器の前記外部側に接合したことを特徴とする。
本発明の燃料改質器収納用容器において、好ましくは、前記筒状金具はその先端部に外側に張り出したツバ部を有しており、該ツバ部と前記収容容器とが接合されていることを特徴とする。
本発明の燃料改質装置は、上記本発明の燃料改質器収納用容器と、前記空洞内に収納された燃料改質器とを具備することを特徴とする。
本発明の燃料改質器収納用容器は、リード端子を封止材を介して筒状金具の内側に固定するとともにこの筒状金具を貫通孔に挿通し、筒状金具の一部をその外面と貫通孔の内面との間に空隙を形成するようにして筒状金具の他の一部を収容容器(基体または蓋体)の外部側に接合したことから、燃料改質器からの熱がリード端子から封止材へ、封止材から筒状金具へ伝達したとしても、その後の収容容器(基体または蓋体)へ伝達する熱量をきわめて有効に低減することが可能となる。
その結果、燃料改質反応が化学反応式(1)の水蒸気改質反応のような吸熱反応の場合において、燃料改質器内で燃料を改質する際に発生する熱の外部への伝導量が増加することがないことから、燃料改質器の温度が低下せず、その結果ヒーターの発熱量を増加させる必要がなくなり、燃料電池システム全体の発電損失が増加しないことから、高効率な燃料電池システムを達成することができる。
また、燃料改質器から収容容器(基体や蓋体へ伝熱量を低減することができることより、燃料改質器収納用容器の外壁表面の温度が上昇するのを有効に抑制することが可能となり、携帯機器内の他の部品を破壊したり、携帯機器の使用者に火傷を負わせるのを有効に防止でき、燃料電池システムを長期に安定かつ安全に使用することができる。
本発明の燃料改質器収納用容器は、筒状金具が、その先端部に外側に張り出したツバ部を有しており、ツバ部と収容容器(基体または蓋体とが接合されていることから、リード端子に応力が加わったとしてもツバ部の付け根を適度に変形させることによって応力を緩和することができ、筒状金具と収容容器(基体または蓋体との接合を長期にわたり良好に維持できる。
本発明の燃料改質装置は、上記本発明の燃料改質器収納用容器と、凹部内に収納される燃料改質器と、凹部の開口部を塞ぐようにして基体の上面に取着される蓋体とを具備することから、長期に安定かつ安全であり、また高効率な燃料電池システムを達成することができる。
本発明の燃料改質器収納用容器の実施形態を以下に詳細に説明する。
図1は本発明の燃料電池収納用容器の実施の形態の一例を示す断面図である。1は基体、2は配線としてのリード端子、3は基体1の貫通孔にリード端子2を固定するための筒状金具、4は蓋体、5aは燃料を燃料改質器に供給するための供給管、5bは燃料改質器で改質された改質ガスを排出するための排出管、7は電極、8は筒状金具3の内部にリード端子2を絶縁しつつ封止固定するための封止材、9は燃料改質器であり、主にこれら基体1、蓋体4、供給管5aおよび排出管5bで燃料改質器9を収納する燃料改質器収納用容器11が構成される。
図2は本発明のリード端子2を封止材8により封止固定した筒状金具3と基体1との接合部の要部拡大断面図である。図1,2においては筒状金具3の実施の形態の一例として、先端部にツバ部を設けたものを示す。そして、10は筒状金具3の筒部、12は筒状金具3のツバ部であり、これら筒状金具3、リード端子2および封止材8でリード端子2を固定するための入出力端子部材としての作用をする。また、13は筒状金具3の筒部10と基体1の貫通孔間に有する空隙を示す。
本発明における基体1及び蓋体4は、ともに燃料改質器9を収納する容器としての役割を有する。それらは、例えば、SUS,Fe−Ni−Co合金,Fe−Ni合金等のFe系合金や、無酸素銅等の金属材料、酸化アルミニウム(Al)質焼結体,ムライト(3Al・2SiO)質焼結体,炭化珪素(SiC)質焼結体,窒化アルミニウム(AlN)質焼結体,窒化珪素(Si)質焼結体,ガラスセラミックス等のセラミック材料、ポリイミド等の高耐熱の樹脂材料等で形成されている。
なお、基体1および蓋体4に適用可能なガラスセラミックスは、ガラス成分とフィラー成分とから成る。そのガラス成分としては、例えばSiO−B系,SiO−B−Al系,SiO−B−Al−MO系(但し、MはCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す),SiO−Al−MO−MO系(但し、MおよびMは同一または異なってCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す),SiO−B−Al−MO−MO系(但し、MおよびMは前記と同じである),SiO−B−M O系(但し、MはLi,NaまたはKを示す),SiO−B−Al−M O系(但し、Mは前記と同じである),Pb系ガラス,Bi系ガラス等が挙げられる。
また、フィラー成分としては、例えばAl,SiO,ZrOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物、TiOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物、AlおよびSiOから選ばれる少なくとも1種を含む複合酸化物(例えばスピネル,ムライト,コージェライト)等が挙げられる。
一方、基体1および蓋体4が、例えば相対密度が95%以上の緻密質の酸化アルミニウム質焼結体で形成されている場合は、例えば、まず酸化アルミニウム粉末に希土類酸化物粉末や酸化アルミニウム粉末等の焼結助剤を添加,混合して、酸化アルミニウム質焼結体の原料粉末を調製する。次いで、この原料粉末に有機バインダおよび分散媒を添加,混合してペースト化し、このペーストをドクターブレード法によって、あるいは原料粉末に有機バインダを加え、プレス成形,圧延成形等によって、所定の厚みのグリーンシートを作製する。その後、所定枚数のシート状成形体を位置合わせして積層圧着した後、この積層体を、例えば非酸化性雰囲気中、焼成最高温度が1200〜1500℃の温度で焼成して、目的とするセラミック製の基体1および蓋体4を得る。なお、基体1および蓋体4の成形は粉末成形プレス法であっても良い。
他方、基体1および蓋体4が金属材料から成る場合は、切削法,プレス法,MIM(Metal Injection Mold)法等により所定の形状に形成される。
また、基体1および蓋体4が金属材料から成る場合には、腐食を防止するためにその表面は、例えばAu,Niのめっき処理や、ポリイミド等の樹脂コーティング等の被覆コーティング処理が行なわれることが望ましい。例えばAuめっき処理の場合であれば、その厚さは0.1〜5μm程度であることが望ましい。
以上のような基体1および蓋体4は、燃料改質器収納用容器11の小型化,低背化を可能とするためには厚さを薄くすべきであるが、機械的強度である曲げ強度は200MPa以上であることが好ましい。
次に、本発明におけるリード端子2は、基体1や筒状金具3、蓋体4、燃料改質器9の熱膨張係数と同一または近似した金属が用いられるのがよく、例えば、Fe−Ni合金,Fe−Ni−Co合金よりなるものが、実用時の温度変化に対して熱歪の発生を有効に防止できる点で好ましい。その上、筒状金具3との良好な封着性が得られるとともに、燃料改質器9との実装時に必要な強度と良好なはんだ付性や溶接性を確保できる。
封止材8は絶縁ガラスや樹脂などの絶縁体からなる。封止信頼性が高いとともに熱伝導率が小さいという観点からは絶縁ガラスが好ましい。封止材8が絶縁ガラスからなる場合、例えば、硼珪酸ガラス,アルカリガラス,鉛を主成分とする酸化鉛ガラス等を用いることができる。
そして、筒状金具3内部に封止材8によってリード端子2が筒状金具3と電気的に絶縁された状態で固定され、この筒状金具3が基体1や蓋体4にロウ付けや溶接、接着剤による接合などにより接合されることにより、リード端子2が燃料改質器収納用容器11に固定される。
さらに、燃料改質器9上の電極7とリード端子2とを電気的に接続し、蓋体4を用いて基体1の凹部を封止することによって、燃料改質器収納用容器11の凹部内に収容した燃料改質器9を気密に封止した燃料改質装置9が形成される。
本発明の筒状金具3は断面が円形状や多角形状の筒状である。好ましくは、図1,2に示すように筒部10の先端にツバ部12を設けているのがよい。これにより、リード端子2に応力が加わったとしてもツバ部12の付け根を適度に変形させることによって応力を緩和することができ、筒状金具3と基体1または蓋体4との接合を長期にわたり良好に維持できる。
なお、筒部10とツバ部12とは一体に形成されていてもよく、ロウ付けや溶接などにより接合されていてもよい。
筒状部3は、基体1やリード端子2、蓋体4の熱膨張係数と同一または近似した金属が用いられるのがよく、例えば、Fe−Ni合金,Fe−Ni−Co合金よりなるものが、実用時の温度変化に対して熱歪の発生を防止できる。その上、基体1との良好な封着性が得られる。筒状金具3は切削法,プレス法,MIM(Metal Injection Mold)法等により所定の形状に形成される。
そして、筒状金具3は基体1や蓋体4に形成した貫通孔との間に空隙13を形成するようにして接合される。このような空隙13は、例えば、図1,2に示すように、筒状金具3がツバ部12を有する場合は、ツバ部12を基体1や蓋体4の貫通孔の縁部に接合することにより、筒状金具3と貫通孔の内面との間に空隙13を形成できる。
また、図3に示すように、筒状金具3の外面の一部のみを基体1や蓋体4の貫通孔の内面にロウ材14を介して接合することにより空隙13を形成してもよい。さらに、図4に示すように、基体1または蓋体4の貫通孔に段差を設け、この段差に筒状金具3の先端をロウ付けや溶接などにより接合してもよい。
筒状金具3の筒部10の内径はリード端子2と接触して電気的に導通することがないように、リード端子2の径に対し0.2mm以上確保できる内径が好ましい。また、筒部10の金具厚みは強度確保のために、0.1mm以上であることが好ましい。また、筒部10の軸方向の長さは、筒状金具3の基体1や蓋体4への組み立て作業上、基体1や蓋体4の厚み以下が好ましい。
また、ツバ部12の外径は筒状金具3が挿入される基体1や蓋体4の貫通孔の直径に対し、ロウ付けや溶接などの作業上、またツバ部12の変形防止のために1mm以上大きくすることが好ましい。また、ツバ部12の厚みは変形防止のために0.1mm以上とすることが好ましい。また、溶接法により基体1と接合するには、筒状金具3のツバ部12にプロジェクションを設けることが好ましい。
また、筒状金具3の外面と、基体1または蓋体4の貫通孔の内面との間の空隙13の幅は、0.01mm以上とするのがよく、より好ましくは0.01〜0.3mmとするのがよい。0.01mm未満であった場合、筒状金具3を基体1や蓋体4に挿入した際、筒状金具3が貫通孔の内面に接触する恐れや、筒状金具3と貫通孔との間の空隙13にAu−SnやAg−Cu等のロウ材が毛細管現象により充填され空隙13の確保が困難となる恐れがある。その結果、燃料改質器9からの熱がリード端子2、封止材8から筒状金具3へ伝達し、その後に基体1へ伝達することにより燃料改質器収納用容器11の外壁表面の温度が上昇し、携帯機器内の他の部品を破壊したり、携帯機器の使用者に火傷を負わせやすくなる。一方、0.3mm以上となった場合、筒状金具3を基体1や蓋体4の貫通孔内面にロウ付けするのが困難になり、また、筒状金具3がツバ部12を有する場合にはツバ部12が大きくなる傾向となり、ツバ部12の変形などが発生しやすくなる傾向がある。また、燃料改質器収納用容器11自身も大きくなる傾向となり、小型化、低背化の障害となる。
本発明の燃料改質器収納用容器11に収納される燃料改質器9は、燃料を改質するための装置であり、その内部に燃料を改質するための触媒が担持された微細流路あるいは空隙を有する。
燃料改質器9の形状は様々であり、例えば微小ケミカルデバイスとして、半導体製造技術等を適用して、例えば、シリコン等の半導体,石英,ガラス,金属、セラミックス等の無機材料の基材に、切削法,エッチング法,ブラスト法等により細い溝を形成することによって液体流路が作製され、操作中の液体の蒸発防止等を目的として、ガラス板、金属等のカバーを陽極接合、ロウ付け、溶接等により表面に密着させて使用される、例えば略四角形状のものが挙げられる。また、石英,ガラス,金属、セラミックス等の無機材料から成る管状であり、その内面に燃料を改質するための触媒が担持されたものも挙げられる。
燃料の改質反応が水蒸気改質反応のような吸熱反応の場合、燃料改質器9内には、温度調節機構、例えば、抵抗層等から成る薄膜ヒーター(不図示)や厚膜ヒーター(不図示)を形成し、表面にはこのヒーターへ電力を供給する端子として電極7が形成される。この温度調節機構により、燃料改質条件に相当する200〜800℃程度の温度条件に調整することで、供給管5aが接続された燃料供給口から供給される燃料を水蒸気と反応させて、燃料排出口に接続された排出管5bから水素ガスを発生させる改質反応を良好に促進することができる。
このようなヒーターは、燃料改質器9における触媒が担持され燃料改質をおこなう流路内や空隙内、あるいはその近傍に配置される。そうすることによってヒーターから発生する熱を効率的に燃料改質反応に用いることができる。
この燃料改質器9は、蓋体4がAu合金,Ag合金,Al合金等の金属ロウ材やガラス材による接合やシームウェルド法等により基体1にその凹部を覆って取着されることによって、燃料改質器収納用容器11内に収納される。
例えば、Au−Snロウ材により接合する場合は、蓋体4に予めAu−Snロウ材を溶着させておくか、あるいは金型等を用いて打ち抜き加工等で枠状に形成したAu−Snロウ材を基体1と蓋体4との間に載置した後、封止炉あるいはシームウェルダーで蓋体4を基体1に接合することにより、燃料改質器収納用容器11の内部に燃料改質器9を封止することができる。
また、燃料改質器9は、燃料改質器9上の電極7が基体1に設けたリード端子2に電気的に接続される。これにより、電極7を通じて燃料改質器9の表面や内部に形成されたヒーターを加熱することができる。その結果、燃料改質器9において反応温度の維持が可能となり燃料の改質反応を安定させることができる。
供給管5aおよび排出管5bは、それぞれ原料や燃料ガス流体の供給路および水素を含有する改質ガスの排出路である。これらは、例えば、Fe−Ni合金,Fe−Ni−Co合金,SUS等の金属材料、Al質焼結体,3Al・2SiO質焼結体,SiC質焼結体,AlN質焼結体,Si質焼結体,ガラスセラミック焼結体等のセラミック材料、ポリイミド等の高耐熱の樹脂材料、または、ガラスで形成されている。
好ましくは、改質ガスに含まれる水素により脆化しにくいものであるのがよい。このような材料としては、Fe合金、セラミックス、ガラスが挙げられる。
燃料改質器収納用容器11内の断熱性を得るためには、燃料改質器収納用容器11内を真空にすることが必要となり、燃料改質器9を封止する際、真空炉でのロウ材による封止や真空チャンバー内でのシームウェルド法などで行なえば良い。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることは何ら差し支えない。例えば、図1に示した例においては、封止材8によって封止固定されたリード端子2を有する筒状金具3が基体1の下面貫通孔に接合され基体1の凹部内に搭載された燃料改質器9に電気的に接続しているが、基体1の側面に形成した貫通孔や蓋体4に形成した貫通孔に接合させても良い。また、燃料改質器9上の電極7とリード端子2とをボンディングワイヤを介して電気的に接続させても良い。
本発明の燃料改質器収納用容器の実施の形態の一例を示す断面図である。 図1の燃料改質器収納用容器における筒状金具と基体との接合部の要部拡大断面図である。 本発明の燃料改質器収納用容器の実施の形態の他の例における筒状金具と基体との接合部の要部拡大断面図である。 本発明の燃料改質器収納用容器の実施の形態の他の例における筒状金具と基体との接合部の要部拡大断面図である。
符号の説明
1・・・・・基体
2・・・・・リード端子
3・・・・・筒状金具
4・・・・・蓋体
5a・・・・供給管
5b・・・・排出管
8・・・・・封止材
9・・・・・燃料改質器
11・・・・燃料改質器収納用容器
13・・・・空隙

Claims (3)

  1. 燃料から水素ガスを含む改質ガスを発生させる燃料改質器が収納される空洞を有した収容容器と、前記燃料改質器からの前記改質ガスを排出すべく前記空洞内と外部とを連通する排出管と、前記燃料改質器に前記燃料を供給すべく前記空洞内と外部とを連通する供給管と、前記空洞内と外部とを連通するように前記収容容器に形成された貫通孔に挿通されてなる前記燃料改質器への通電用としてのリード端子とを具備した燃料改質器収納用容器であって、前記リード端子を封止材を介して筒状金具の内側に固定するとともに該筒状金具を前記貫通孔に挿通し、前記筒状金具の一部をその外面と前記貫通孔の内面との間に空隙を形成するようにして前記筒状金具の他の一部を前記収容容器の前記外部側に接合したことを特徴とする燃料改質器収納用容器。
  2. 前記筒状金具はその先端部に外側に張り出したツバ部を有しており、該ツバ部と前記収容容器とが接合されていることを特徴とする請求項1記載の燃料改質器収納用容器。
  3. 請求項1または請求項2記載の燃料改質器収納用容器と、前記空洞内に収納された燃料改質器とを具備することを特徴とする燃料改質装置。
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