JP4492440B2 - 一体成形方法 - Google Patents
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表皮材を成形型間に配置する前に、表皮材の基材の端部外側部分に位置する部位を厚み方向に圧縮して薄肉にすることにより、表皮材を成形型間に配置して、型閉めしても、表皮材は、成形型の対向面間で強く挟まれて引きずられて、成形型の他側に押し込まれることがなくなり、成形型にテンション装置などの特別な設備を準備することなく、工数とコストを低減できる。また、表皮材の薄肉部分以外の部位は、十分な厚みを有しているため、成形品に対する触感等において、その要求を満足させることができる。
樹脂材料を供給後に更に成形型を作動させて型閉めするため、樹脂材料のシール部における成形型間を成形型の相対移動方向に延びた対向面とする構造を採らざるを得ないことから、表皮材の成形型の対向面間に位置する部位の引きずりを抑制することが顕著に表れ、成形型の他側に押し込まれることがなくなる。
表皮材は、樹脂材料が固着される側が発泡樹脂材料による裏面層に形成され、その反対側が非発泡の材料からなる表面層により形成されたことにより、表面を意匠面とすることにより、その触感を向上させることができるとともに、裏面層を圧縮することにより、容易に薄肉にすることが可能となる。
前記表皮材において、薄肉にされた部位の厚みは、成形型が閉じている時の対向面間の間隔の、1.5〜3倍であることにより、成形型の閉型時に、表皮材の薄肉部によって型間を確実に塞ぎ、樹脂材料の漏出を防ぐことができるとともに、表皮材の成形型内への押し込みを防止することの両立が可能である。
表皮材は、賦形型中に配置された後、型閉めされることにより、成形型と一致する所定形状に成形されるのと同時に薄肉にされることにより、薄肉にするために別工程を設ける必要がなく、成形工程を簡素化できる。
表皮材は、その薄肉にされた部位の裏側が、表皮材の非薄肉部の裏側と斜面によって連結されていることにより、表皮材を成形型間に配置して型閉めする時に、成形型に寸法上のばらつきがあっても、移動する成形型の対向面端部を、斜面にて受け止めることができ、そのシール性を保持することができる。
本発明の実施形態1を図1乃至図9によって説明する。アシストプラグ1および雌型2は、本発明の一対の賦形型に該当し、表皮材5に樹脂材料を一体成形する前に、表皮材5の形状を、後述するキャビ型4の、表皮材収容部41の形状と一致する形状に成形するためのものである。アシストプラグ1は、その下端部に拡がった保持部11上のほぼ中央部に、凸部12が連結されて一体に形成されている。凸部12の、保持部11との連結側の外周面は垂直に形成されており、そこには、凸部12を取り囲むように、環状の押圧部材13が装着されている。押圧部材13は、表皮材5を圧縮可能なように、金属等の硬度の高い材質にて形成されており、凸部12の周囲に圧入されているため、凸部12の外形から突出している(図1示)。押圧部材13はアシストプラグ1の移動方向に延びるように略筒形を呈しているが、図2に示すように、その上端部には、内方に向けて上昇する斜面13aが形成されている。
実施形態2として、図10に示すように、実施形態1によるアシストプラグ1の押圧部材13の代わりに、可動型14を設け、凸部12の側部から突出するように、可動型14を油圧シリンダ15で作動させて、表皮材5のシール部55を形成してもよい。アシストプラグ1を雌型2と係合させる時に、可動型14を後方へ退避させ、表皮材5を成形する時に可動型14を突出させれば、アシストプラグ1の雌型2との嵌合抵抗を低減できる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)本発明は、型閉じしながらまたは両成形型の型閉じを途中で停止した際に、表皮材の裏側と一側の成形型との間に形成されるキャビティ内に溶融した樹脂材料を供給し、成形型を最終製品形状になるように型閉じして、樹脂材料を押し広げて充填するいわゆる射出プレス成形のみならず、成形型を型閉じした後に形成されたキャビティ内に、溶融した樹脂材料を供給、充填して成形するいわゆる射出成形、または一側の成形型に溶融した樹脂材料を投入し、表皮材をセットして可動型を作動させて樹脂材料を押し広げる圧縮成形もしくはトランスファ成形等のあらゆる樹脂成形にも適用可能である。
(2)表皮材を圧縮して薄肉とする押圧部材を、アシストプラグに一体に形成してもよい。
(3)一体成形工程において、保持部材によって表皮材の耳部を保持する構成は、必ずしも必要ではない。
2…雌型
3…コア型
4…キャビ型
5…表皮材
6…リインフォースメント
13…押圧部材
14…可動型
31a…密閉部
42…保持面
51…裏面層
52…表面層
54…膨出部
55…シール部
55a…テーパ面
CV…キャビティ
Claims (6)
- 一対の成形型間に表皮材を配置した後、前記表皮材と一側の前記成形型との間に溶融した樹脂材料を供給するとともに、前記成形型の相対移動方向に延びた前記成形型の対向面間で、前記表皮材の前記樹脂材料を成形してなる基材の端部外側部分に位置する部位を挟圧することにより前記樹脂材料をシールして、前記表皮材と前記樹脂材料を固着させて所定形状に成形する一体成形方法において、
前記表皮材は、前記成形型間に配置する前に、前記基材の端部外側部分に位置する部位を厚み方向に圧縮して薄肉にすることを特徴とする一体成形方法。 - 前記成形型を型閉じしながら、または型閉じを途中で停止した状態で、前記表皮材裏側と前記成形型の一側との間に溶融した樹脂材料を供給し、前記成形型を最終製品形状になるように型閉じして型内に前記樹脂材料を押し広げて充填し、成形することを特徴とする請求項1記載の一体成形方法。
- 前記表皮材は、前記樹脂材料が固着される側が発泡樹脂材料による裏面層に形成され、その反対側が非発泡の材料からなる表面層により形成されたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の一体成形方法。
- 前記表皮材において、薄肉にされた前記基材の端部外側部分に位置する部位の厚みは、前記成形型が閉じている時の前記対向面間の間隔の、1.5〜3倍であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の一体成形方法。
- 前記表皮材は、一対の賦形型中に配置された後、型閉めされることにより、前記成形型と一致する所定形状に成形されるのと同時に薄肉にされることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の一体成形方法。
- 前記表皮材は、その薄肉にされた前記基材の端部外側部分に位置する部位の裏側が、前記表皮材の非薄肉部の裏側と斜面によって連結されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の一体成形方法。
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