JP4492006B2 - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機の油圧制御装置に関し、特に、自動変速機のクラッチやブレーキの油圧サーボへ供給する油圧の基圧の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動変速機は、その変速機構中の複数のクラッチやブレーキ(本明細書において、これらを総称して摩擦係合要素という)を適宜選択的に係脱操作して、プラネタリギヤを介する動力伝達経路の変更により所定の変速段を達成するものであり、これら摩擦係合要素を油圧サーボにより操作すべく、油圧制御装置を内蔵している。油圧制御装置は、自動変速機に発進装置として付随するトルクコンバータ等の流体伝動装置により駆動されるオイルポンプを油圧発生源とし、通常、オイルポンプと各摩擦係合要素の供給油路とをつなぐ油路にライン圧を生成させる調圧弁(プライマリレギュレータバルブ)を備える。プライマリレギュレータバルブは、車両走行負荷に対して各摩擦係合要素の係合を維持可能とすべく、車両走行負荷(一般には、スロットル開度を指標とする)を反映する信号圧を出力するソレノイド弁(スロットルリニアソレノイドバルブ)からの調圧信号圧(スロットル圧)の印加により制御される。
【0003】
ところで、近時、自動変速機の油圧制御装置は、変速制御性を向上させるべく、各摩擦係合要素の油圧サーボに対する供給油路に、個々に専用の供給油圧制御のための制御弁(コントロールバルブ)を備える構成が採られる。これらのコントロールバルブは、電子制御装置からの変速制御信号により作動させるべく、ソレノイド負荷信号作動のリニアソレノイド弁の形態を取り、信号フェール時のエマージェンシーモードでの自動変速機の変速段達成能力を維持すべく、ソレノイド負荷信号の無印加時にも供給油圧の出力が可能なように、ソレノイド負荷信号レベルの増大により供給油圧出力レベルを低減する常開形の弁とされる。したがって、コントロールバルブはソレノイド負荷信号無印加時には最大出力(ライン圧の無調圧出力)となる。
【0004】
また、これらコントロールバルブとプライマリレギュレータバルブとの間には、信号フェール時に、摩擦係合要素のタイアップによる変速機構のロックを防ぐように、回路内の油圧で作動する遮断弁(カットオフバルブ)や切換弁等が組合せ配置され、更に、これらの弁の関連作動によるコントロールバルブ上流側での油路の切換えにより、信号フェール時には、達成中の変速段に関わりなく、車両の走行を維持可能な駆動力が得られるエマージェンシーモードの変速段(通常、中速段が設定される。例えば4速の変速機において第3速)が自動的に達成される対策がなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような構成を採る油圧制御装置では、電子制御装置からの信号フェール時には、達成中の変速段からエマージェンシーモード時の変速段にシフトさせる変速が生じるが、この際、通常時の油圧供給状態とは異なり、スロットルリニアソレノイドバルブが出力するスロットル圧が最大になり、このスロットル圧の印加を受けるプライマリレギュレータバルブが調圧するライン圧も最大となり、更に、コントロールバルブが最大出力状態となるため、エマージェンシーモード時の変速段達成のための摩擦係合要素の油圧サーボに無調圧状態でライン圧が供給されることになる。こうした変速がスロットル開度全開の低速段走行時に生じると、エマージェンシーモード時の変速段へのシフト時に吸収すべきイナーシャ量が多く、また、プライマリレギュレータバルブの最大出力状態のライン圧が一気に摩擦係合要素の油圧サーボに供給されるため、過大な変速ショックが発生する。
【0006】
本発明は上記のような事情に鑑み案出されたものであり、信号フェール時の変速において、変速ショックの低減が可能な自動変速機の油圧制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、請求項1に記載のように、油圧源により発生する油圧を摩擦係合要素の油圧サーボへ供給する油圧の基圧となるライン圧に調圧する調圧弁と、該調圧弁に車両負荷に応じた信号圧を印加するソレノイド弁とを備える自動変速機の油圧制御装置において、前記信号圧の印加油路であって前記調圧弁と前記ソレノイド弁とを連通する油路から分岐された油路、に連通するように配置され、信号圧の過昇を防ぐ圧力低減手段を設けたことを特徴とする構成により達成される。
【0008】
より具体的には、上記の構成において、請求項2に記載のように、前記ソレノイド弁は、ソレノイド駆動信号の無印加時に、信号圧の印加油路へ最大信号圧を出力する常開形の弁であり、前記圧力低減手段は、過昇信号圧を逃がすリリーフ弁であり、該リリーフ弁は、開弁圧と閉弁圧との間にヒステリシスを有し、前記ライン圧を基圧として摩擦係合要素の油圧サーボへの供給油圧をソレノイド駆動信号に応じて制御し、ソレノイド駆動信号の無印加時に最大供給油圧を出力するソレノイド作動の制御弁を備え、前記圧力低減手段が作動する信号圧は、車両負荷が最大のときにソレノイド弁が出力する信号圧に応じて設定され、前記摩擦係合要素は、前記制御弁へのソレノイド駆動信号の無印加時に係合して所定の変速段を達成する摩擦係合要素であり、前記圧力低減手段は、前記調圧弁への印加信号圧が所定値を超過した際に作動し、前記ライン圧は、前記圧力低減手段の作動により、該圧力低減手段の作動前の圧よりも低い一定圧に切換えられ、前記一定圧に切換えられたライン圧が、係合開始時の前記摩擦係合要素の油圧サーボへ供給されることを特徴とする。
【0009】
上記の構成において、請求項3に記載のように、前記圧力低減手段は、前記ソレノイド弁への信号フェール時に作動することを特徴とする。
【0010】
【0011】
【0012】
【発明の作用及び効果】
前記請求項1記載の構成では、ライン圧を調圧する調圧弁への印加信号圧の過昇が、圧力低減手段の作動により解消されるため、ライン圧の過大な上昇が防止される。これにより、ライン圧を基圧として摩擦係合要素の油圧サーボへ供給される油圧の異常な上昇が緩和される。
【0013】
次に、請求項2記載の構成では、調圧弁への過昇圧の印加が解消されることで、制御弁経由で摩擦係合要素の油圧サーボに供給される供給油圧の基圧としてのライン圧が低減されるため、供給油圧も低減され、それにより摩擦係合要素の急激な係合が防がれる。したがって、例えば所定の変速段へのシフトで生じる変速のショックが低減される。
【0014】
次に、請求項3記載の構成では、制御弁のソレノイド駆動信号の欠落時に、所定の変速段へシフトする構成の自動変速機において、所定の変速段へのシフトで生じる変速のショックが低減される。
【0015】
【0016】
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿い、本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の一実施形態に係る油圧制御装置の部分回路構成を示す。この回路は、所定の変速段を達成する摩擦係合要素として、2つのクラッチが関与する変速機構を持つ自動変速機の制御に係る部分を示している。これら2つのクラッチのうち、一方のクラッチ(以下、C−1クラッチという)は、所定の変速段を含む各変速段で係合状態を保つクラッチとされ、他方のクラッチ(以下、C−3クラッチという)は、所定の変速段において係合するクラッチとされている。そして、この所定の変速段は、通常時の電子制御装置による制御下で達成されるとともに、電子制御装置による変速制御が不能となったときに、油圧制御装置の純油圧的回路作動で自動的に他の変速段からのシフトにより達成される変速段を意味する。
【0018】
図1に示すように、この回路は、油圧発生源としてのオイルポンプ1と、オイルポンプ1の吐出圧を、摩擦係合要素としてのC−3クラッチとC−1クラッチの各油圧サーボ10,11へ供給する油圧の基圧となるライン圧に調圧する調圧弁としてのプライマリレギュレータバルブ2と、プライマリレギュレータバルブ2に車両負荷に応じた信号圧(以下、スロットル圧という)を印加するソレノイド弁としてのスロットルリニアソレノイドバルブ3とを主要な構成要素として備える。更に、この回路には、回路保護のためのプレッシャリリーフバルブ4と、ライン圧を減圧してスロットルリニアソレノイドバルブ3を含む各ソレノイド作動のバルブに信号圧出力のための基圧(以下、モジュレータ圧という)を供給するソレノイドモジュレータバルブ5と、ライン圧の直接供給を受けてC−3クラッチの油圧サーボ10への供給油圧を制御する制御弁としてのC3コントロールバルブ7と、マニュアルバルブ6と、マニュアルバルブ6を介してライン圧の供給を受け、C−1クラッチの油圧サーボ11への供給油圧を制御する制御弁としてのC1コントロールバルブ8が配設されている。
【0019】
そして、この回路には、プライマリレギュレータバルブ2に印加されるスロットル圧の過昇を防ぐべく、本発明の主題に係る圧力低減手段としてのスロットルプレッシャリリーフバルブ9が設けられている。
【0020】
更に各部について詳述する。まず、プライマリレギュレータバルブ2は、スプリング負荷の3ポート形スプール弁で構成され、そのインポート2aがオイルポンプ1の吐出側につながるライン圧油路Lに接続され、アウトポート2bが図示しないトルクコンバータへの供給回路につながるセカンダリ圧油路Lsに接続され、ドレーンポート2cがオイルポンプ1の吸込側に接続されている。そして、スプリング負荷側のスプール端は、スロットル圧の受圧部として、オリフィス経由でソレノイド圧油路Lを介してスロットルリニアソレノイドバルブ3のアウトポート3bに接続され、反対側のスプール端は、フィードバック圧の受圧部として、オリフィスを介してライン圧油路Lに接続されている。こうした接続関係から、プライマリレギュレータバルブ2は、印加されるスロットル圧が高い状態では、スロットル圧とスプリング負荷の重畳で、インポート2aとドレーンポート2cの連通度合いをアウトポート2bに対する連通度合いに対して小さくすることでフィードバック圧とのバランスからライン圧を上昇させる作動をし、スロットル圧が低い状態では、インポート2aとドレーンポート2cの連通度合いをアウトポート2bに対する連通度合いに対して大きくすることでフィードバック圧とのバランスからライン圧を下降させる作動をする。
【0021】
スロットルリニアソレノイドバルブ3は、図示しない電子制御装置からのスロットル信号指令に基づく駆動信号により、スプリング負荷に抗するソレノイドによるプランジャの負荷でスプールを作動させる3ポート形リニアソレノイド弁で構成されている。このバルブ3のインポート3aは、モジュレータ圧油路Lに接続され、アウトポート3bはスロットル圧油路Lに接続され、ドレーンポート3cはドレーン(EX)接続とされている。このバルブ3は、モジュレータ圧を基圧として、ソレノイド駆動信号に応じてスロットル圧を調圧出力する機能を果たす。
【0022】
ソレノイドモジュレータバルブ5は、ソレノイド作動の各バルブ3,7,8によるソレノイド圧出力のための基圧としてのモジュレータ圧(各ソレノイドバルブによる精密な調圧のためにライン圧を減圧した油圧)を供給すべく配設されており、スプリング負荷に対向するフィードバック圧のスプール端側受圧部への印加で、ライン圧油路Lに接続されたライン圧インポートとドレーン(EX)ポートに対するモジュレータ圧油路Lに接続されたモジュレータ圧アウトポートの連通度合いを制御する二次圧作動の3ポート形減圧弁で構成されている。したがって、このバルブ5は、ライン圧の如何に関わらず一定のモジュレータ圧をモジュレータ圧油路Lに出力する。
【0023】
マニュアルバルブ6は、周知のように車両運転者によるシフトレバー操作で切換えられるスプール弁とされ、本形態では7ポジションを持つものとされている。すなわち、スプールの作動でライン圧油路Lに接続したインポートを閉鎖する“P”ポジションと、インポートをRレンジアウトポートに連通させ、他のアウトポートをドレーンさせる“R”ポジションと、インポートを全てのアウトポートに対して閉鎖する“N”ポジションと、インポートをDレンジアウトポートに連通させ、Rレンジアウトポートをドレーンさせ、第2のDレンジアウトポートを閉鎖する“D”,“4”,“3”ポジションと、インポートをDレンジアウトポートと第2のDレンジアウトポートに共に連通させ、Rレンジアウトポートをドレーンさせる“2”ポジションを持っている。このバルブのDレンジアウトポートは、Dレンジ油路Lに接続され、Rレンジアウトポートは、Rレンジ油路Lに接続されている。
【0024】
電子制御装置からの駆動信号に基づき調圧作動するC1コントロールバルブ8は、3ポート形スプール弁で構成されるコントロール部と、3ポート形ソレノイド弁で構成されるリニアソレノイド部の組合せで構成されている。コントロール部は、スプリング負荷されたスプールで、C−1クラッチの油圧サーボ11に給排油路LC1で接続されたアウトポートに対して、Dレンジ油路Lに接続されたインポートとドレーン(EX)ポートの連通度合いを制御する。このコントロール部のスプールの反スプリング負荷側端にソレノイド圧油路LS1を介してソレノイド圧を印加すべく、リニアソレノイド部は、ソレノイド負荷とスプリング負荷を対向印加されて、ソレノイド圧油路LS1に接続されたソレノイド圧アウトポートに対して、モジュレータ圧油路Lに接続されたモジュレータ圧インポートとドレーン(EX)ポートの連通度合を制御する。そして、リニアソレノイド部のスプールの反スプリング負荷側の径差部は、オリフィス経由の弁内油路でソレノイド圧アウトポートに接続されて、ソレノイド圧のフィードバック受圧部とされ、コントロール部のスプールの反スプリング負荷側は、ソレノイド圧の受圧部とされ、スプリング負荷側は、油圧サーボ11への供給圧(アプライ圧)のオリフィス経由のフィードバック受圧部とされている。
【0025】
同様に電子制御装置からの駆動信号に基づき調圧作動するC3コントロールバルブ7は、上記C1コントロールバルブ8と実質同様のバルブ構成とされているが、このバルブは、コントロール部のスプールの反スプリング負荷側端部のランドに対して他のランドが縮径されている点のみがC1コントロールバルブ8に対して相違する。C3コントロールバルブ7も、3ポート形スプール弁で構成されるコントロール部と、3ポート形ソレノイド弁で構成されるリニアソレノイド部の組合せで構成されている。そして、コントロール部は、スプリング負荷されたスプールで、C−3クラッチの油圧サーボ10に給排油路LC3で接続されたアウトポートに対して、ライン圧油路Lに接続されたインポートとドレーン(EX)ポートの連通度合いを制御する。このコントロール部のスプールの反スプリング負荷側端にソレノイド圧油路LS3を介してソレノイド圧を印加すべく、リニアソレノイド部は、ソレノイド負荷とスプリング負荷を対向印加されて、ソレノイド圧油路LS3に接続されたソレノイド圧アウトポートに対して、モジュレータ圧油路Lに接続されたモジュレータ圧インポートとドレーン(EX)ポートの連通度合を制御する。このバルブ7のリニアソレノイド部のスプールの反スプリング負荷側の径差部は、ソレノイド圧油路LS3に接続するソレノイド圧のオリフィス経由のフィードバック受圧部とされ、コントロール部のスプールの反スプリング負荷側は、ソレノイド圧油路LS3に接続するソレノイド圧の受圧部とされ、スプリング負荷側は、油圧サーボ10へ接続する給排油路LC3の供給圧(アプライ圧)のオリフィス経由のフィードバック受圧部とされている。
【0026】
スロットルプレッシャリリーフバルブ9は、スプリング92負荷によりプランジャ形の弁体91をオリフィスを受圧ポート9aとする弁座に押圧着座させる直動形のリリーフ弁とされている。このバルブ9のドレーンポート9bは、弁体91が摺動する弁穴90の側部に開口する配置とされ、受圧ポート9aの面積に対して弁体91径が大きなものとされている。この構成により、スロットルプレッシャリリーフバルブ9は、弁体91のリフトにより受圧面積が増加する作用で開弁圧と閉弁圧とに所定のヒステリシスが生じるものとされている。この構成は、リリーフ作動時のスロットル圧のハンティングを防止するのに有効に機能する。
【0027】
こうした構成からなる回路は、オイルポンプ1を油圧源とし、それによる発生油圧をプライマリレギュレータバルブ2で調圧して、ライン圧油路Lに所定のライン圧を生成させる。このときのライン圧は、前記のようにスロットルリニアソレノイドバルブ3が出力するスロットル圧に応じて一定の比率の関係の油圧となる。
【0028】
図2はスロットルリニアソレノイドバルブ3のソレノイドへの負荷電流(I)に対するスロットル圧(PSLT)の設定の一例を示す。この例では、ソレノイド負荷電流(I)の値を、スプール作動に応じたスロットル圧出力制御が実用上可能な最大値iとしたときに、スロットル信号圧(PSLT)が最小値pとなり、負荷電流(I)の値の減少につれてスロットル信号圧(PSLT)が増大して行き、スプール作動に応じたスロットル圧出力が頭打ちとなる最小電流値iを下回ったところで、それ以降負荷電流(I)が減少しても最大値pから漸増する特性を基本とするが、本発明の主題に係るスロットルプレッシャリリーフバルブ9の作用で、スロットル圧自体のリリーフがなされるため、負荷電流(I)の値が更に減少して、信号オフに至るまで、スロットル圧(PSLT)は、スロットルプレッシャリリーフバルブ9の設定に従う一定値pに減圧された状態に維持される。
【0029】
こうしたスロットル圧設定との関係から、プライマリレギュレータバルブ2が出力するライン圧(P)は、図3に示すように、スロットル圧(PSLT)が最小値p以下では一定値Pとなり、制御領域では、スロットル圧(PSLT)の上昇につれてリニアに上昇して行くが、最小電流値iに対応するスロットル圧値pで最大値となり、それ以上にスロットル圧(PSLT)が上昇しようとしても、前記のようにスロットルプレッシャリリーフバルブ9の作用で、スロットル圧がリリーフされて一定値となることに対応して、リリーフ状態のスロットル圧pに従う一定値Pとなる。したがって、このライン圧の値Pを、スロットル全開時のエマージェンシーモード変速段へのシフト時に吸収すべきイナーシャ量と、このときに自動的に係合作動するC−3クラッチのトルク容量を勘案して、変速ショックを低減できる値に設定することになる。
【0030】
次に図4及び図5に示すタイムチャートを参照して、ソレノイドプレッシャリリーフバルブ9の付設の効果を説明する。まず、図5に示す従来の油圧制御装置の変速特性についてみると、当初の状態を車両走行負荷の大きなある低速変速段達成状態として、スロットル圧(PSLT)、ライン圧(P)、出力トルク(To)とも実質上一定として、入力回転数(Nin)が上昇中とすると、信号フェールが生じたところで、ソレノイド作動の各バルブ3,7,8が全てオフ(ALL OFF)となる。ここで、スロットル圧(PSLT)は最大値に切換わり、これによるライン圧(P)の上昇で、係合中のC−1クラッチ油圧サーボ11への供給油圧も急速にライン圧まで上昇する。また、解放状態のC−3クラッチ油圧サーボ10への供給油圧は、その油圧サーボ10のピストンストローク時間だけ遅れるものの、その後、C−1クラッチ油圧サーボ11への油圧供給と同様の理由から急速にライン圧まで上昇する。この供給油圧の急上昇によるC−3クラッチの急激な係合により、大きな負荷変動で入力回転数(Nin)が低速段同期の回転数からエマージェンシーモード変速段(中速段)の同期回転数まで急激に低下するため、この回転変化による衝撃的なイナーシャトルクの発生で、出力トルク(To)はオーバーシュートしてハンティング状態に近いトルク変動を呈し、収束までに一定時間を費やすことになる。この大きくかつ時間の長いトルク振動が、周知のように変速ショックとして運転者に体感される。
【0031】
これに対して、図4に示す本発明の適用に係る油圧制御装置の変速特性の場合、同様に当初の状態を車両走行負荷の大きなある低速変速段達成状態として、スロットル圧(PSLT)、ライン圧(P)、出力トルク(To)とも実質上一定で、入力回転数(Nin)が上昇中に、信号フェールが生じることで、ソレノイドバルブが全てオフ(ALL OFF)となる。このとき、スロットル圧(PSLT)は一旦最高圧(図3に示すスロットル圧値p)に向かって上昇するが、そこでリリーフバルブ9の作動により当初より低い一定値(図2に示すスロットル圧値p)に切換わり、これに連動するライン圧(P)も一旦上昇(図3に示すライン圧値Pに向かう上昇)するが、直ちに所定圧(図3に示すライン圧値P)まで下降する。したがって、このライン圧Pを供給圧とする係合中のC−1クラッチの油圧サーボ11の油圧もこれに従い急速にライン圧Pまで下降する。これに対して、当初解放状態のC−3クラッチ油圧サーボ10への油圧供給も同時に行なわれるが、C−3クラッチの場合、当初の供給油圧が油圧サーボ10のピストンストロークに費やされるため、実際のスリップ開始がピストンストローク時間だけ遅れて生じることで、係合開始時の供給圧は既に低減されたライン圧(図3に示すライン圧値P)となる。したがって、C−3クラッチ油圧サーボ10の油圧は、この低減されたライン圧まで実質上オーバシュートすることなく上昇する。この油圧供給により、C−3クラッチは低圧で適度のスリップ状態を経てから係合し、負荷変動による入力回転数(Nin)の低速段同期の回転数からエマージェンシーモード変速段(中速段)の同期回転数への低下が極端なピークのない緩やかなものとなる。この結果、回転変化により発生するイナーシャトルクも徐々に発生して緩やかに消滅するため、出力トルク(To)のオーバーシュートは解消され、トルク振動の収束までの時間も極短くかつ小さなものとなる。したがって、このとき運転者に体感される変速ショックも小さくなる。
【0032】
このようにして、この実施形態の回路構成によれば、ライン圧を調圧するプライマリレギュレータバルブ2への印加信号圧(ソレノイド圧)の過昇が、スロットルプレッシャリリーフバルブ9の作動により解消されるため、ライン圧の過大な上昇が防止される。これにより、ライン圧を基圧として両クラッチの油圧サーボ10,11へ供給される油圧の急激な上昇が緩和され、信号フェール等によりスロットルリニアソレノイドバルブ3へのソレノイド駆動信号が無印加となり、コントロールバルブ7,8へのソレノイド駆動信号が無印加となったときにも、高油圧の供給による急激なC−3クラッチの係合が防がれ、ソレノイド駆動信号の欠落により生じる変速のショックが低減される。
【0033】
以上、本発明を特定の回路構成の油圧制御装置に適用した一実施形態を基に詳説したが、本発明は例示の実施形態に限らず、種々の回路構成を採る一般的油圧制御装置に広く適用可能なものであり、特許請求の範囲に記載の事項の範囲内で種々変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る油圧制御装置の部分回路図である。
【図2】 ソレノイド弁の負荷信号電流に対する出力信号圧特性を示すグラフである。
【図3】 調圧弁の印加信号圧に対するライン圧調圧特性を示すグラフである。
【図4】 実施形態における変速特性を示すタイムチャートである。
【図5】 従来の変速特性を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
C−3 クラッチ(摩擦係合要素)
1 オイルポンプ(油圧源)
2 プライマリレギュレータバルブ(調圧弁)
3 スロットルリニアソレノイドバルブ(ソレノイド弁)
7 コントロールバルブ(制御弁)
9 スロットルプレッシャリリーフバルブ(圧力低減手段)
10 油圧サーボ

Claims (3)

  1. 油圧源により発生する油圧を、摩擦係合要素の油圧サーボへ供給する油圧の基圧となるライン圧に調圧する調圧弁と、
    該調圧弁に車両負荷に応じた信号圧を印加するソレノイド弁とを備える自動変速機の油圧制御装置において、
    前記信号圧の印加油路であって前記調圧弁と前記ソレノイド弁とを連通する油路から分岐された油路、に連通するように配置され、信号圧の過昇を防ぐ圧力低減手段を設けたことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  2. 前記ソレノイド弁は、ソレノイド駆動信号の無印加時に、信号圧の印加油路へ最大信号圧を出力する常開形の弁であり、
    前記圧力低減手段は、過昇信号圧を逃がすリリーフ弁であり、該リリーフ弁は、開弁圧と閉弁圧との間にヒステリシスを有し、
    前記ライン圧を基圧として摩擦係合要素の油圧サーボへの供給油圧をソレノイド駆動信号に応じて制御し、ソレノイド駆動信号の無印加時に最大供給油圧を出力するソレノイド作動の制御弁を備え、
    前記圧力低減手段が作動する信号圧は、車両負荷が最大のときにソレノイド弁が出力する信号圧に応じて設定され、
    前記摩擦係合要素は、前記制御弁へのソレノイド駆動信号の無印加時に係合して所定の変速段を達成する摩擦係合要素であり、
    前記圧力低減手段は、前記調圧弁への印加信号圧が所定値を超過した際に作動し、
    前記ライン圧は、前記圧力低減手段の作動により、該圧力低減手段の作動前の圧よりも低い一定圧に切換えられ、
    前記一定圧に切換えられたライン圧が、係合開始時の前記摩擦係合要素の油圧サーボへ供給される、請求項1記載の自動変速機の油圧制御装置。
  3. 前記圧力低減手段は、前記ソレノイド弁への信号フェール時に作動する、請求項1又は2記載の自動変速機の油圧制御装置。
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