JP4491162B2 - 位置算出装置,および位置算出方法 - Google Patents

位置算出装置,および位置算出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、位置算出装置、電界強度測定装置、電界強度算出装置、位置情報システム、位置算出方法、電界強度測定方法、電界強度算出方法、およびプログラムに関し、特に位置の算出が精度良く行える位置算出装置、電界強度測定装置、電界強度算出装置、位置情報システム、位置算出方法、電界強度測定方法、電界強度算出方法、およびプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
PHS(Personal Handy-phone System)等の携帯端末を用いた位置情報システムが用いられている。位置情報システムでは、携帯端末で基地局からの電波の電界強度を測定し、測定された電界強度に基づき携帯端末の位置を算出する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら電界強度は外乱等種々の要因により変動しうる。このため、電界強度から算出された位置が不正確な場合がある。従来の位置情報システムでは、外乱等による電界強度の変動への対応が十分とはいえなかった。
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、電界強度の変動等による位置の算出精度の低下を防止できる位置情報システムを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために本明に係る位置算出装置は、複数の基地局から送信され、同一測定箇所で測定された電波の電界強度に基づいて、該測定箇所の位置を算出する位置算出装置であって、第1位の電界強度値に対応する第1位の基地局、第2位の電界強度値に対応する第2位の基地局、および第3位の電界強度値に対応する第3位の基地局それぞれの電波の電界強度値を入力する入力手段と、前記第1位、第2位、および第3位の基地局の標高および前記第1位、第2位、第3位の電界強度値それぞれに対応する第1、第2、第3の距離に基づき基準面を決定する基準面決定手段と、前記基準面上に前記測定箇所が存在すると仮定して、前記第1位、前記第2位、および前記第3位の電界強度に基づき該測定箇所の位置を算出する位置算出手段と、を具備することを特徴とする。
基準面上に測定箇所が存在すると仮定して測定箇所の位置を算出することで、高さの情報を考慮した測定箇所の算出が簡便に行える。
(2)本明に係る位置算出装置は、複数の基地局から送信され、同一の測定箇所で測定された電波の電界強度に基づいて、該測定箇所の位置を算出する位置算出装置であって、第1位の電界強度値に対応する第1位の基地局、第2位の電界強度値に対応する第2位の基地局、および第3位の電界強度値に対応する第3位の基地局それぞれの電波の電界強度値を入力する入力手段と、前記第1位の基地局を中心とし、前記第1位の電界強度値に対応する第1の距離を半径とする第1の円弧を算出する第1の円弧算出手段と、前記第1位の基地局を中心とし、該第1位の基地局と前記第2位の基地局との距離を半径とする第2の円弧と前記第1の円弧との2つの交点のいずれかであって、前記第3位の基地局から遠い第1の点を算出する交点算出手段と、前記第2位の基地局と前記第3位の基地局とを通る直線を平行移動したときに該直線が前記第1の円弧と接する接点であって、該直線に近い第2の点と該直線から遠い第3の点とを算出する接点算出手段と、前記第2位の電界強度値に対応する第2の距離が前記第1位の基地局と前記第2位の基地局間の距離以内の場合に、前記第1の点と前記第2の点とを端点とする前記第1の円弧の一部を前記第3位の電界強度値と前記第2位の電界強度値との比率で内分する点を前記測定箇所の位置として算出し、前記第2の距離が前記第1位の基地局と前記第2位の基地局間の距離以上の場合に、前記第1の点と前記第3の点とを端点とする前記第1の円弧の一部を前記第3位の電界強度値と前記第2位の電界強度値との比率で内分する点を前記測定箇所の位置として算出する位置算出ステップを具備することを特徴とする。
【0005】
第1位の電界強度に重きをおいて位置の算出を行っている。第1位の電界強度は、第2位、第3位の電界強度より強度が大きく良好な精度が期待できるので、この第1位の電界強度に重きをおいて位置を算出することで算出された位置の精度が向上する。
なお、電界強度はその正負を問題にしない絶対値をいうものとする。また入力手段は、キーボード等のいわゆる入力装置に限らず、有線、無線の受信装置も含まれる。これは、他の請求項でも同様である。
【0006】
(3)本発明に係る電界強度測定装置は、電界強度値を測定する測定手段と、前記測定手段で測定された複数の電界強度値の集合を記憶する記憶手段と、前記記憶手段が記憶する集合に含まれる電界強度の近接値同士の差分を算出する差分算出手段と、前記差分算出手段によって算出された差分が所定のしきい値より大きい場合、前記電界強度値の集合を区分した複数の部分集合を生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された部分集合から電界強度値の個数が最大の部分集合を選択する選択ステップとを具備することを特徴とする。
近接した電界強度値の差分の大きさが所定のしきい値より大きい場合に電界強度値の集合を区分して、区分した集合から電界強度値の個数が最も大きな集合を選択している。選択された集合に含まれる電界強度値は、外乱等の影響が小さな本来あるべき値に近いことが期待される。
【0007】
(4)本発明に係る電界強度算出装置は、所定の方位角方向における電波の伝搬影響要因の配置に基づいて、該所定の方位角方向における電界強度と距離との対応関係を算出する電界強度算出部を具備することを特徴とする。
本発明に係る電界強度算出装置によって、電界強度と方位角、距離との対応関係が算出できる。この算出された対応関係を用いて電界強度から距離を逆算できる。この逆算された距離を用いて位置の算出を行うことで、電界強度の方位角依存性を考慮したより正確な位置の算出が可能となる。
【0008】
(5)本発明に係る位置情報システムは、複数の基地局から送信された電波の電界強度を測定する電界強度測定装置と、(1)または(2)に記載の位置算出装置とを具備することを特徴とする。
【0009】
(6)本発明に係る位置算出方法は、複数の基地局から送信され、同一の測定箇所で測定された電波の電界強度に基づいて、該測定箇所の位置を算出する位置算出方法であって、第1位の電界強度値に対応する第1位の基地局、第2位の電界強度値に対応する第2位の基地局、および第3位の電界強度値に対応する第3位の基地局それぞれの電波の電界強度値を入力する入力ステップと、前記第1位の基地局を中心とし、前記第1位の電界強度値に対応する第1の距離を半径とする第1の円弧を算出する第1の円弧算出ステップと、前記第1位の基地局を中心とし、該第1位の基地局と前記第2位の基地局との距離を半径とする第2の円弧と前記第1の円弧との2つの交点のいずれかであって、前記第3位の基地局から遠い第1の点を算出する交点算出ステップと、前記第2位の基地局と前記第3位の基地局とを通る直線を平行移動したときに該直線が前記第1の円弧と接する接点であって、該直線に近い第2の点と該直線から遠い第3の点とを算出する接点算出ステップと、前記第2位の電界強度値に対応する第2の距離が前記第1位の基地局と前記第2位の基地局間の距離以内の場合に、前記第1の点と前記第2の点とを端点とする前記第1の円弧の一部を前記第3位の電界強度値と前記第2位の電界強度値との比率で内分する点を前記測定箇所の位置として算出し、前記第2の距離が前記第1位の基地局と前記第2位の基地局間の距離以上の場合に、前記第1の点と前記第3の点とを端点とする前記第1の円弧成分を前記第3位の電界強度値と前記第2位の電界強度値との比率で内分する点を前記測定箇所の位置として算出する位置算出ステップを具備することを特徴とする。
第2位、第3位の電界強度よりも良好な精度を期待できる第1位の電界強度に重きをおいて位置を算出することで、算出された位置の精度が向上する。
【0010】
ここで、前記第3位の基地局と前記第1位の基地局との距離が、前記第1位の基地局と前記第2位の基地局との距離と等しくなるように移動したと仮定し、該第3位の基地局の仮想位置と前記第3の電界強度の仮想値とを算出する電界強度算出ステップをさらに具備しても良い。
第2位、第3位の基地局が第1位の基地局と距離が等しくなるように、第3位の基地局の仮想的移動およびその電界強度の仮想値の算出を行っている。このように第2位、第3位の基地局が第1位の基地局と距離が等しくなるようにすることで、位置の算出に際して第2位、第3位の基地局の電界強度を適正な重みで反映できる。
また、前記第3の電界強度の仮想値が前記第2の電界強度より大きいときに、第3位の基地局を第2位の基地局としても良い。このようにすることで、位置の算出に際して第2位、第3位の基地局の電界強度を適正な重みで反映できる。
【0011】
(7)本発明に係る位置算出方法は、複数の基地局から送信され、同一測定箇所で測定された電波の電界強度に基づいて、該測定箇所の位置を算出する位置算出方法であって、第1位の電界強度値に対応する第1位の基地局、第2位の電界強度値に対応する第2位の基地局、および第3位の電界強度値に対応する第3位の基地局それぞれの電波の電界強度値を入力する入力ステップと、前記第1位、前記第2位、および前記第3位の基地局での標高に基づき基準面を決定する基準面決定ステップと、前記基準面決定ステップで決定された基準面上に前記測定箇所が存在すると仮定して、前記第1位、前記第2位、および前記第3位の電界強度に基づき該測定箇所の位置を算出する第1の位置算出ステップと、前記第1の位置算出ステップで算出された前記測定箇所の位置での標高に基づき前記基準面を修正する基準面修正ステップと、前記基準面修正ステップで修正された基準面上に前記測定箇所が存在すると仮定して、前記第1位、前記第2位、および前記第3位の電界強度に基づき該測定箇所の位置を算出する第2の位置算出ステップとを具備することを特徴とする。
基準面上に測定箇所が存在すると仮定して測定箇所の位置を算出し、算出された測定箇所の位置での標高に基づいて基準面を修正することで、測定箇所における地形を考慮した正確な位置の算出が簡便に行える。
【0012】
(8)本発明に係る電界強度測定方法は、電界強度値を測定して複数の電界強度値を含む集合を取得する測定ステップと、前記測定ステップで取得された集合に含まれる電界強度の近接値同士の差分を算出する差分算出ステップと、前記差分算出ステップで算出された差分が所定のしきい値より大きい場合、前記電界強度値の集合を区分した複数の部分集合を生成する生成ステップと、前記生成ステップで生成された電界強度値の部分集合から個数が最大の部分集合を選択する選択ステップとを具備することを特徴とする。
選択された集合に含まれる電界強度値が、外乱等の影響が小さな本来あるべき値に近いことが期待できる。
【0013】
(9)本発明に係る電界強度算出方法は、所定の方位角方向における電波の伝搬影響要因の配置に基づいて、該所定の方位角方向における電界強度と距離との対応関係を算出する電界強度算出ステップを具備することを特徴とする。
本方法で算出された対応関係を用いて電界強度から距離を逆算し、さらに逆算された距離を用いて位置の算出を行うことで、電界強度の方位角依存性を考慮したより正確な位置の算出が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る位置情報システムの構成を示す図である。
図1に示すように、携帯端末10が、基地局20および回線網30を経由して位置算出装置40に接続されている。
【0015】
携帯端末10は、基地局20から発射された電波の電界強度を測定して、測定された電界強度情報を位置算出装置40に送信するもので、本発明における電界強度測定装置に対応する。
ここで、「電界強度」とはその絶対値を意味しその正負は問わないものとする。以下の全てにおいても、これは同様とする。
【0016】
携帯端末10は、アンテナ11、送受信部12、基地識別情報取得部13、電界強度測定部14、電波品質判定部15から構成される。なお、必要に応じて測定した電界強度値を複数記憶する記憶部を備えるものとする。
送受信部12は、アンテナ11に接続され、基地局20と電波の送受信を行う。
基地識別情報取得部13は、基地局20から送信される電波に含まれる基地局識別信号(基地局ID信号)によって、基地局を識別する基地局識別情報を取得する。
電界強度測定部14は、基地局20から送信された電波の電界強度を測定する。
電波品質判定部15は、基地局20から送信されたS/N比(Signal to Noise Ratio)を取得する。取得したS/N比は電波品質情報として位置の算出に用いる電界強度を選別する際に用いることができる。
取得あるいは測定された基地局識別情報および電界強度情報は、基地局20、回線網30を経由して位置算出装置40に送信される。
【0017】
基地局20は、携帯端末10との間で電波の送受信を行う際に、基地局を識別する基地局識別信号を送信する。基地局20は、公営基地局、私営基地局のいずれであっても良く、また設置場所は屋外、屋内のいずれでも差し支えない。
基地局20は、携帯端末10で測定される電界強度の大きい順に、第1位の基地局20(1)、第2位の基地局20(2)、第3位の基地局20(3)に区分される。どの基地局20が第1位〜第3位の基地局20(1)〜20(3)に相当するかは、携帯端末10の位置によって変動する。後述するように携帯端末10の位置は、これら3つの基地局20(1)〜20(3)の電界強度に基づいて算出される。なお、図1では基地局20は、3つのみを示しているが、実際にはもっと多数の基地局20があっても差し支えない。
【0018】
回線網30は、公衆回線網あるいは建物内の構内回線網のいずれであっても差し支えない。回線網30には、交換機、例えば構内回線網ではPBX(Private Branch eXchange)があれば足りる。
位置算出装置40は、位置算出装置本体50およびハードディスク等の記憶装置60から構成される。
位置算出装置本体50は、送受信部51、基地局選別部52、電界強度値選別部53、距離算出部54、位置算出部55、位置補正部56、表示部57から構成される。
また、記憶装置60には、基地局情報DB61および補正情報DB62が記憶されている。
【0019】
送受信部51は、回線網30、基地局20を介して携帯端末10との通信を行う。
基地局選別部52は、携帯端末10の位置算出に4つ以上の基地局20からの電波の電界強度情報が利用可能な場合に、位置算出に適した基地局20を3つ選別する。
電界強度値選別部53は、携帯端末10から送信された電界強度情報を選別する。なお、電界強度値選別部53は、携帯端末10側に備えられていても差し支えない。
距離算出部54は、基地局情報DB61を参照して、電界強度情報に基づき電界強度に対応する電界強度対応距離を算出する。ここで、「電界強度対応距離」とは、電界強度(場合により方位角も含む)から逆算された基地局20と携帯端末10間の距離を意味する。但し、電界強度の方位角依存性等の理由から、実際の基地局20と携帯端末10間の距離と一致するとは限らない。
【0020】
位置算出部55は、距離算出部54で算出された電界強度対応距離に基づき携帯端末10の位置を算出する。位置補正部56は、位置算出部55で算出された携帯端末10の位置を補正する。
表示部57は、例えばCRT、液晶表示装置等の表示素子であり、算出された携帯端末10の位置を表示する。
【0021】
基地局情報DB61は、基地局20の位置、基地局20と基地局識別情報の対応関係、基地局20からの方位角および距離と電界強度の対応関係(電界強度テーブル)が記憶されている。基地局識別情報およびその基地局20からの電波の電界強度は、距離算出部54による電界強度対応距離の算出に用いられる。
補正情報DB62は、算出する位置範囲(基地局20の位置を含める)の標高、地面からの基地局20の高さ(地面から電波を送信する箇所までの高さ)等主として高さに関する情報が記憶されている。補正情報DB62は、位置補正部56による位置の補正の際に利用される。
【0022】
(位置情報システムの動作概要)
本実施形態に係る位置情報システムの動作につき図を参照して説明する。
図2は、本実施形態に係る位置情報システムの動作手順の概要を表すフロー図である。
基地局情報DB61,補正情報DB62が作成される(ステップS10,S20)。そして、基地局情報DB61,補正情報DB62を利用して電界強度に基づく位置の算出および表示が行われる(ステップS30)。
【0023】
図3,図4のそれぞれに、基地局情報DB61,補正情報DB62の作成手順(ステップS10,S20)を示す。
基地局情報DB61を作成するには、地図情報(土地、河川、海、建物等の配置を表す情報)、基地局20の位置情報等が入力され(ステップS11、S12)、基地局20が地図上に展開される。その後、これらの入力情報に基づき基地局20からの方位角および距離と電界強度の対応関係を表す電界強度テーブルの作成が行われる(ステップS13)。その後、基地局情報が利用しやすい形に編集される(ステップS14)。
補正情報DB62は、算出する位置範囲の標高、地面からの基地局20の高さ等主として高さに関する情報を位置補正のための位置補正情報として入力し(ステップS21)、これを使いやすい形に編集する(ステップS22)ことで作成される。
【0024】
これら基地局情報DB61および補正情報DB62はそれぞれ、次のような従来の位置算出による誤差要因▲1▼および▲2▼の低減を考慮している。
▲1▼ 誤差要因1:基地局20からの電波の伝搬状態の方向依存性を考慮していない。
基地局20のアンテナ自体の放射特性に方向依存性がある場合がある。また、基地局20が設置された場所や基地局20付近の状況(川、山等の地形、建物等の伝搬障害要因の有無)によって基地局20に対する方位角方向および距離によって伝搬特性が異なる場合がある。このため、基地局20からの方位角に応じて、基地局20からの距離と電界強度Eとの対応関係が異なってくる。
【0025】
▲2▼ 誤差要因2:基地局20や携帯端末10の設置場所の標高を考慮していない。
地図上での基地局20と携帯端末10間の距離は、それぞれの標高(あるいは基地局20のアンテナの高さ)を考慮すると実際の距離よりも小さくなる。このため、地図上の平面的な情報にのみ基づくと、基地局20と携帯端末10間の距離は、実際の距離よりも小さくなり、これが携帯端末10の位置を算出する際の誤差となる。
【0026】
本願においては、上記誤差要因1,2に対応して以下のような対策を講じている。
▲1▼ 対策1(誤差要因1への対策):基地局20の電界強度の方位依存性の算出
地図上における基地局20の位置、電波の伝搬特性要因の分布を考慮して、基地局20からの所定の方向における基地局20からの距離と電界強度値の対応関係を算出する。これにより電界強度の方向依存性による携帯端末10の位置の算出誤差が低減できる。
基地局情報DB61の電界強度テーブルは、このような基地局20の電界強度の方位依存性を算出した結果として作成される。
【0027】
▲2▼ 対策2(誤差要因2への対策):携帯端末10の位置および基地局20における標高(高さ情報)に基づく位置の補正
携帯端末10の位置算出時にその位置における標高等を加味して位置の補正を行う。標高の加味は後述する基準面を利用することにより行える。
補正情報DB62は、高さ情報に基づく位置の補正の際に利用される。
【0028】
これら基地局情報DB61、補正情報DB62の作成に用いる基本的な地図情報は次のような地図のデータから入手できる。
・住宅地図:建造物(建物、高速道路等)の位置、高さ等の情報が得られる
→ 人工的な建造物が電波の飛翔に与える影響を見積もる際に利用できる(ビルや高速道路の陰等)
・街区図:街と郊外を区切る街区く切り線の情報が得られる。
→ 地域的な要因が電波の飛翔に与える影響を見積もる際に利用できる(街は平地なので電波の飛翔距離が大きく、山地では電波の飛翔距離が小さい等)
・道路地図:線路、川、湖等の位置の情報が得られる
→ 線路、川、湖等の地理的な分布が電波の飛翔に与える影響を見積もる際に利用できる(地面より湖等水面上の方が電波の飛翔距離が大きい等)
【0029】
基地局20が屋外に設けられた場合には(例えば、公営基地局一般)、これら住宅地図等3つの地図データに基づいて、基地局情報DB61および補正情報DB62を作成できる。
これに対して基地局20が屋内に設けられた場合には(例えば、特定のビル内に設けられた私営基地局)、建築図面が重要となる。建築図面に含まれる建物内での部材の配置の情報に基づいて、電波の飛翔状態を見積もる。
このとき、電波の吸収に加えて金属等による電波の反射を考慮する必要がある(電波の反射物情報の利用)。電波の反射は屋外では電波の飛翔に大きな影響を与えにくいが、屋内では電波の飛翔に大きな影響を与える。
【0030】
(電界強度テーブルの作成の手順)
以下にステップS13の電界強度テーブルの作成の手順を説明する。
図5は、電界強度テーブルの作成手順を表すフロー図である。以下、図5に基づき電界強度テーブルの作成手順を説明する。この作成は、基地局情報DB61の作成として、基地局情報DB作成装置によって行える。
(1)基準飛翔パターンを入力する(ステップS131)。
電界強度テーブルは基地局20からの距離および方位角と電界強度値の対応関係を表したものであるから、電界強度テーブルの作成は電界強度Eの距離、方位角依存性の算出がその前提となる。
本発明では、この距離、方位角依存性の算出に際し、この距離、方位角依存性が小さな一種の地域的な平均としての電界強度の距離依存性を表す基準飛翔パターンを用いる。この基準飛翔パターンに建造物の配置等個々の基地局20周囲での具体的状況に基づく補正値(距離補正係数)を演算することで、基地局20それぞれの電界強度の距離、方位角依存性を表す電界強度テーブルを得る。
【0031】
電界強度Eは、その電波を放射した基地局20からの距離Lにより変化(減衰)する。このとき、誤差要因1として述べたように電界強度の方位角依存性を考慮する必要がある。その結果、電界強度Eは距離Lと方位角φの双方により変化する。即ち、電界強度Eは、次の式(11)のように距離Lと方位角φの関数Fとして表すことができる。
E=F(L、φ) … 式(11)
電界強度Eは、方位角φを定めれば、距離Lと1対1に対応する。即ち、基地局20と方位角φを特定することで、距離Lに換算できる。このときの距離Lが電界強度対応距離Leである。さらに電界強度E自体を距離に換算して取り扱うことも可能なことが判る。このため、以下の電界強度Eの取り扱いにおいて電界強度Eはできる限り距離に換算して取り扱うものとする。またこれは電界強度Eからの位置の算出を最終目的とする本願に適合した取り扱いでもある。
【0032】
図6に電界強度Eの方位角φ依存性を図示する。基地局20からの東西南北をWESNで表す。また、方位角φを北(N)を基準として時計回りの角度で表している。PA0とPA1は電界強度に方位角φ依存性がない基準飛翔パターンと方位角φ依存性がある補正飛翔パターンを表している。即ち、基準飛翔パターンPA0、補正飛翔パターンPA1はいずれも電界強度が等しい地点を線分で結んだ等電界強度線であり、基準飛翔パターンPA0は電界強度の方位角φ依存性を無視した基本飛翔パターン、補正飛翔パターンPA1は電界強度の方位角φ依存性を考慮して補正されている。補正飛翔パターンPA1では、方位角φによって電波の到達距離が異なっていることが判る。
基準飛翔パターンPA0は地域的な特性(例えば、人口100万人以上の都市等)が近似した地域内の平均としての電波の飛翔パターンである。
【0033】
基準飛翔パターンは、ある地域内において特異性のない場所を選んで基地局20からの電界強度を実測して平均することで得られる。
測定値の平均は、基地局20としては、基地局特性(電波の出力、放射特性、利得、アンテナの高さ等)が揃った基地局20同士で行うのが好ましい。
このように地域的特性を考慮して地域を分割し、分割された地域内での平均値として基本飛翔パターンPA0を得ることができる。
さらに、この基本飛翔パターンPA0は、例えば電波の測定限界(例えば、35dB)を考慮したときに電波が到達する距離(飛翔距離)によって表現される。
【0034】
(2)距離補正係数を入力する(ステップS132)。
距離補正係数は、特異な場所条件(川、海、建物等)を選んで電界強度を測定することで得ることができる。
例えば、試験用の基地局20を海の間際に設置し、海面上での電界強度を測定する。即ち、電波の飛翔経路上において電波の飛翔に影響を与える要因が均質であるようにして、それぞれの要因(川、海、建物等)ごとに距離補正係数を求める。
【0035】
距離補正係数に影響を与える要因の具体例を次の▲1▼、▲2▼に示す。
▲1▼屋外での影響要因:水面(川湖海等)、山林、地形の傾斜、建物(その構造や材質を含む)等
▲2▼屋内での影響要因:天井の高さ、扉の開閉、家具(キャビネット等)、天井、床、壁面、扉の材質等
距離補正係数は、基本飛翔パターンPA0と同様に、例えば電波の測定限界(例えば、35dB)を考慮したときに電波が到達する距離(飛翔距離)によって表現できる。具体的には距離補正係数nlは、距離補正係数を算出するための特異性のある条件下での飛翔距離Lmax0と基本飛翔パターンを求めるための条件下での飛翔距離Lmax1の比として以下の式(12)によって定義できる。
nl=Lmax1/Lmax0 … 式(12)
【0036】
このように距離補正係数nlは、川等の電波の飛翔に影響を与える要因毎にその影響を勘案するためのものである。従って、距離補正係数nlを求めるための測定条件は、基本飛翔パターンPA0の測定条件とこの要因を除いて同一であることが好ましい。即ち、式(12)による距離補正係数nlの算出は、基地局特性(電波の出力、放射特性、利得、アンテナの高さ等)および地域的特性が揃った基地局20同士で行うのが好ましい。
【0037】
(3)基準飛翔パターンおよび距離補正係数に基づいて、基準飛翔パターンの飛翔距離を補正した補正飛翔パターンを導出する(ステップS133)。
この導出過程において、後述するように電界強度の距離、方位角依存性の算出、即ち電界強度テーブルの作成が行われる。
【0038】
以下、基準飛翔パターンおよび距離補正係数に基づく補正飛翔パターンの算出方法を具体的に説明する。
図7に補正飛翔パターンの算出手順を示す。
▲1▼基地局20を特定する(ステップS132a)。
▲2▼方位角φを特定の角度、例えば0に設定する(ステップS132b)。
【0039】
▲3▼この特定の方位角φでの飛翔距離Lmax1(φ)を算出する(ステップS132c)。
この算出は以下の式(13)、(14)に基づいて行える。
Lmax1(φ)=Lmax0+Σ[A(L,φ)*Li]… 式(13)
Lmax1(φ)=Σ[Li]… 式(14)
ここで、
A(L、φ)=−(1−nli) (nli<1.0のとき)
A(L、φ)=−(nli−1)/nli
(nli≧1.0のとき)
i:電界強度影響要因を識別する番号(基地局から数えた番号)
nli:i番目の電界強度影響要因の距離補正係数
Li:i番目の電界強度影響要因の電波の飛翔経路に沿った長さ
Σ:加算記号(ここでは式(13)と式(14)が両方成立するまで、i=1から順にΣ内を加算する)
である。
【0040】
即ち、基地局20から方位角φの方向に向かって、長さLiで距離補正係数nliとなる電界強度影響要因が並んでいる。[A(L,φ)*Li]は飛翔距離Lmax1の変化分としての意味を持つ。このことから式(13)によって飛翔距離Lmax1を算出できる。即ち、式(13)の右辺は、電界強度Eに対応する電界強度対応距離Leとしての意味をもつ。これに対して、式(14)の右辺は実際の距離としての意味を有する。
【0041】
式(13)と式(14)とが等しくなることは、電界強度対応距離Leが実際の距離Lと等しくなることを意味し、このときの距離が飛翔距離Lmax1である。
具体的に飛翔距離Lmax1を求めるには、i=1から式(13)、(14)が等しくなるまでΣ内を加算すれば良い。
【0042】
この式(13)、(14)は電界強度要因の個数が加算であることを前提とする離散的な算出法といえる。
一方、式(13)、(14)を積分形式で表すと次の式(15)、(16)のように表現できる。
Lmax1(φ)=Lmax0+∫A(L,φ)dL… 式(15)
Lmax1(φ)=∫dL… 式(16)
ここで、
A(L、φ)=−(1−nl(L))
(nl(L)<1.0のとき)
A(L、φ)=−(nl(L)−1)/nl(L)
(nl(L)≧1.0のとき)
L:基地局20からの距離
nl(L):基地局20からの距離Lの地点での距離補正係数
∫:積分記号(ここでは式(15)と式(16)が両方成立するまで、L=0から∫内を積分する)
である。
【0043】
▲4▼その後、方位角の全周について計算を行ったか否かが判断され(ステップS132d)、判断がNoなら方位角φをΔφだけ増加させ(ステップS132e)ステップS132cでの電界強度の計算が繰り返される。
▲5▼ステップS132dの判断がYesなら、基地局20を変えて全ての基地局についてステップS132a〜S132eの計算が繰り返される(ステップS132f)。
【0044】
以上、飛翔距離Lmax1の方向依存性を算出した。
この算出過程に用いた式(13)または式(15)は既に述べたように、電界強度対応距離Le即ち電界強度Eに対応する。そして、式(14)または式(16)は、基地局20からの実際の距離に対応する。
即ち、式(13)、(14)の右辺でそれぞれ求まる数値が電界強度と距離との対応関係を表すものに他ならない。このように飛翔距離Lmax1を算出する過程において電界強度と距離の対応関係の導出、即ち電界強度テーブルの作成を行っていることになる。
【0045】
(4)飛翔距離補正係数Kmaxを算出する(ステップS134)。
飛翔距離補正係数Kmaxは次の式(17)のように基本飛翔パターンと補正飛翔パターンのそれぞれにおける飛翔距離Lmax0,Lmax1の比で表される。
Kmax=Lmax1/Lmax0 … 式(17)
飛翔距離Lmax1が方位角φ依存性を有することから、飛翔距離補正係数Kmaxも方位角φの関数となる。
【0046】
飛翔距離補正係数Kmaxは、基地局20の個別的な立地条件を表すものといえる。飛翔距離補正係数Kmaxが大きければ大きいほど電波が遠くまで届きやすい、電波の飛翔の障害要素が少ないことになる。
この一方では、飛翔距離補正係数Kmaxが大きいことは、距離による電界強度の変化が小さい。即ち、電界強度を距離に換算した場合の誤差が大きいことをも意味する。
このように飛翔距離補正係数Kmaxの大小は、電界強度対応距離Leの誤差の大小の判定に利用できる。
このため、基地局情報DB61には、電界強度テーブルの他に飛翔距離補正係数Kmaxが記憶される。
【0047】
以上、電界強度テーブルを実測された基本飛翔パターン(飛翔距離Lmax0)と距離補正係数Nlに基づき導出する方法について述べた。
電界強度テーブルの算出は、このような実測値に基づくのではなく、コンピュータ・シミュレーションによって行うこともできる。このようなシミュレーション用のソフトウェアとして、例えばdeciBel Planner(開発元:ノースウッド・ジオサイエンス社)が挙げられる。
【0048】
(電界強度対応距離の算出方法)
携帯端末10で測定された電界強度Eは、距離算出部54によりその電界強度に対応した電界強度対応距離Leに換算される。ここでは、電界強度対応距離Leの算出方法の詳細について述べる。
電界強度対応距離Leは、一義的には基地局20と携帯端末10間の距離に相当し、携帯端末10の位置算出の基礎になる。但し、電界強度対応距離Leは次に述べるように電界強度の方位角依存性を反映することから、基地局20と携帯端末10間の距離に等しいとは限らない。
【0049】
既に述べた電界強度対応距離Leは、式(11)の逆関数として定義できる。即ち、電界強度対応距離Leは、次のような距離Lとして定義できる。
Le≡L(E,φ) … 式(17)
即ち、電界強度対応距離Leは、電界強度Eと方位角φから逆算された距離Lである。
電界強度対応距離Leは、式(17)において特定の電界強度Eおよび方位角φを定めたときの距離Lとして算出できる。この算出は、電界強度テーブルを参照することで容易に行える。
【0050】
本願では、電界強度を距離に換算して携帯端末10の位置を算出している。しかしながら、以下に述べる本願の手法は何らかの手段で携帯端末10と基地局20との距離が算出されれば、必ずしも電界強度を用いなくても適用可能である。例えば、携帯端末10と基地局20の間の距離を電波の到達するまでの時間差によって求めても良い。基地局20と携帯端末10のクロックの時間を合わせておき、基地局20から発信する電波に発信時刻の情報を付加する。そして、携帯端末10で基地局20からの電波が到達した時刻を測定することで、基地局20から携帯端末10に到達するまでの時間差を算出できる。この時間差を電波の伝搬速度で割り算することで基地局20と携帯端末10間の距離を求めることができる。
このようにして時間差を基に求めた距離を以下の手順において電界強度対応距離に代えて用いることで、携帯端末10の位置を算出できる。
【0051】
(位置算出の手順)
図8は、ステップS30における位置の算出手順を表したフロー図である。以下、図8に基づき位置の算出手順の詳細を述べる。
(1)携帯端末10により基地局20からの電波の電界強度の測定が行われる(ステップS310)。携帯端末10で測定された電界強度値は基地識別情報と共に位置算出装置40に送信される。
電界強度の測定は電界強度測定部14により行われる。この測定に際し、基地識別情報取得部13により基地局20の電波に含まれる基地局識別情報が取得される。測定された電界強度値は基地局識別情報と組となって基地局20に送信され、どの電界強度値がどの基地局20に対応するかが示される。
この電界強度の測定は、例えば所定の間隔で所定時間行うことで、複数の基地局20に対して必要な個数の電界強度値を得ることができる。
【0052】
(2)以下、位置算出装置40により携帯端末10の位置の算出が行われる。このとき、携帯端末10の仮の位置(仮位置)が設定される(ステップS320)。
この仮位置は、最終的に算出する携帯端末10の位置の初期値としての意味を持つ。このため、ごくおおざっぱに設定して差し支えない。例えば、電界強度が測定された基地局20の位置の単純な平均値でも差し支えない。
【0053】
仮位置の設定が必要なのは、電界強度対応距離Leの算出に方位角φの情報を要することと関連している。即ち、携帯端末10が基地局20からどの方位角φにあるかを決めないと、電界強度対応距離Leの値を特定できない。携帯端末10の仮位置は、基地局20からの方位角φの算出の際に利用される。算出が進めば算出された携帯端末10の位置の精度が上がり、従って基地局20から見た方位角φも正確なものとなる。
このように、繰り替えし計算によって携帯端末10の位置が正確に算出される。
【0054】
(3)位置算出装置40の基地局選別部52により、基地局が選別される(ステップS330)。この選別は、携帯端末に基地局選別部を設けて行っても差し支えない。なお、この詳細は後述する。
(4)位置算出装置40の電界強度値選別部53により、電界強度値の選別が行われる(ステップS340)。
この選別は、誤差を多く含む測定値を除外し、正確な電界強度値を得るために行われる。この選別は、前述のように電界強度値選別部53を携帯端末10に備えて、携帯端末10側で行っても差し支えない。
このステップ20での電界強度値の選別の詳細は、後述する。
【0055】
(5)携帯端末10が存在するであろう面(基準面)が設定される(ステップS350)。
基準面の設定は、基地局20の標高等高さの影響により位置の算出に誤差がでないようにするために行われる。
即ち、携帯端末10の存在するであろう面を設定することで、高さを考慮した位置計算における計算の困難性を回避している。この基準面の設定の詳細は後述する。
(6)選別された電界強度値、仮位置、および基準面に基づき、位置算出部55による携帯端末10の位置の算出が行われる(ステップS360)。
電界強度値が距離算出部54により距離(電界強度対応距離)に変換され、この距離に基づいて携帯端末10の位置が算出される。この際に基準面を用いることで、この算出が容易になる。ステップ360での位置の算出の詳細は後述する。
【0056】
(7)算出された位置の誤差を見積もられる(ステップS370)。この精度が所定値以下になるまで、ステップS350〜S360が繰り返し行われる。このステップS370の判断は、位置補正部56により行われる。
この位置の誤差として、前回に算出された位置(算出された位置が最初の算出値の場合には仮位置)との距離を用いることができる。
【0057】
この繰り返し計算は、必要に応じて点線で示すようにステップS340あるいはステップS330まで遡って行うこともできる。このときには、電界強度値の選別や基地局の選別が繰り返し行われることになる。これは、算出された携帯端末10の位置または仮位置によって、基地局20に対する方位角φ、即ち電界強度対応距離Le等が変わってくることに基づく。
なお、精度上特に問題がなければこの繰り返し計算に基づく補正ステップを省略することも可能である。例えば、特定の平面上(建物のフロア等)に携帯端末10があることが判っている場合である。
【0058】
(8)算出された携帯端末10の位置は、位置算出装置40の表示部57上で表示される(ステップS380)。
例えば、算出された位置の経度および緯度を表示できる。また、地図画面上に算出した位置をポイント表示しても良い。建物内であれば、フロア(階数)や部屋番号を用いて行っても良い。
【0059】
(基地局の選別手順の詳細)
図9は、ステップS330における基地局20の選別の詳細な手順を表すフロー図である。
(1)携帯端末10で受信された基地局20の数が4局以上か否かが判断される(ステップS331)。
この判断がNoのときには基地局20を選別する必要はない。位置の算出には原則として3局の基地局20を用いるからである。
(2)ステップS331での判断がYesの場合には、飛翔距離補正係数Kmaxを用いて飛翔距離補正係数Kmaxが小さな順に3局の基地局20が選別される。この飛翔距離補正係数Kmaxが大きいことは前述のように、電界強度を電界強度対応距離Leに換算したときの誤差が大きいことを意味するからである。なお、この飛翔距離補正係数Kmaxは基地局情報DB61内に記憶されているものを用いることができる。
【0060】
なお、基地局20の選別は、携帯端末10の位置の算出に利用する基地局20あるいは利用しない基地局20を特定する基地局選別用DBを予め作成しておき、この基地局選別用DBを用いて行うこともできる。
例えば、屋内等携帯端末10の位置の算出に利用する基地局20が特定される場合には、位置の算出に用いる基地局20の基地局識別情報を記憶させた基地局選別用DBを用いて基地局20を選別する。
また、携帯端末10の位置の算出の障害となる基地局20が特定される場合(例えば、2つの位置情報システムが干渉し合うような場合)には、位置の算出に用いない基地局20の基地局識別情報を記憶させた基地局選別用DBを用いて基地局20を選別する。
【0061】
基地局選別用DBへの基地局識別情報の登録は、基地局20毎でも複数の基地局20を含むグループのいずれでも差し支えない。例えば、基地局20を11桁の数値で識別して、この11桁全部を指定したときに基地局20を個別に特定し、11桁を先頭から部分的に指定したときにその指定部分を含む基地局20の全てを含むグループが特定されることとできる。
【0062】
(電界強度値の選別手順の詳細)
図10は、図8のステップS340における電界強度値の選別の詳細な手順を表すフロー図である。
(1)測定された電界強度値が昇順または降順に並べられる(ステップS341)。
このとき電界強度値Eは、予め基地局20毎に分けられているものとする。
並べ換えの結果、特定の基地局20の電界強度値E(i)の集合は式(21)で表される。
G=(E(1)、E(2)、E(3)、…、E(i)、…E(n)) … 式(21)
ここで、電界強度値E(i)は、例えばV/mを単位として、あるいは1μV/mを0dBとするデシベル値により表される。
【0063】
(2)近接した電界強度値E(i)同士間で差分ΔE(i)を算出する(ステップS342)。
差分ΔE(i)は、次の式(22)によって求められる。
ΔE(i)=E(i+1)−E(i) …式(22)
差分ΔE(i)の集合ΔGは、次の式(23)により表される。
ΔG=(ΔE(1)、ΔE(2)、…ΔE(i)、…ΔE(n-1))…式(23)
【0064】
(3)差分ΔE(i)が所定のしきい値より大きいか否かを判断し(ステップS343)、この判断がYesであれば電界強度値の集合Gを部分集合Giに区分する(ステップS344)。
例えば、差分ΔE(j)=E(j+1)−E(j)、ΔE(k)=E(k+1)−E(k)が所定のしきい値より大きいとする。
このときには、この2つの差分値をもたらした近接した電界強度値E(j)とE(j+1)およびE(k)とE(k+1)を境として、電界強度値の集合Gは次の式(24)に示す3つの部分集合G1、G2、G3に区分される。
G1=(E(1)、E(2)、E(3)、…、E(j))
G2=(E(j+1)、E(j+2)、…、E(k))
G3=(E(k+1)、E(k+2)、…、E(n)) … 式(24)
【0065】
所定のしきい値は、例えば経験に基づいて決定できる。このようにしきい値で、電界強度値の集合を区分するのは、外乱やマルチパス等の影響を受けない電界強度値が本来の値に集中する傾向があることに基づいている。
本来近接すべき電界強度値同士に差が生じるのは、外乱等の影響を受けたものと受けないものが存在することに起因する。即ち、区分された部分集合Giは、それぞれ外乱の影響をあまり受けていない電界強度値の集合、マルチパス等の所定の外乱の影響を受けた電界強度値の集合等、影響を受けた外乱有無およびその原因によって区分されると考えられる。
【0066】
(4)電界強度値の部分集合Giのうち、電界強度値の個数の最も多いものを選択する(ステップS345)。
例えば、式(4)に示した部分集合G1〜G3では、以下の式(25)で示される。
G1での電界強度値の個数:(j−1)
G2での電界強度値の個数:(k−j−1)
G3での電界強度値の個数:(n−k−1) …式(25)
式(25)での個数の最大の部分集合Giを選択する。
個数が最大の部分集合を選択するのは、これが外乱の影響をあまり受けていない電界強度値の集合である可能性が高いことによる。例えば、マルチパスにおいては電波が基地局20から反射等により間接的に携帯端末10に到達する。このため、基地局20から直接携帯端末10に到達する本来の電波より、測定される頻度が少ない。
【0067】
以上では電界強度値同士の差分に基づいて、電界強度値を選択した。これに対して、簡便な方法として、ステップS22〜S25に代えて、電界強度値の最大値と最小値を除外して電界強度値を選択することもできる。外乱の影響を受けた電界強度値は受けない本来の電界強度値からずれる傾向があるため、この方法でも外乱の影響を受けた異常な電界強度値を除外できる。
なお、この最大値、最小値の除外は、ステップS22〜S25の後に引き続いて行っても差し支えない。
【0068】
(5)選択された電界強度値Eの部分集合Giの電界強度値の平均値を算出し、これをもって基地局20の電界強度値とする(ステップS346)。
例えば、選択された部分集合が式(24)のG2なら、電界強度の平均値Eavは次の式(6)によって表される。
Eav=(E(j+1)+E(j+2)+…+E(k))/(k-j-1) …式(26)
【0069】
必要に応じて平均化処理に代え、選択した部分集合Giから電界強度の最大値Emaxあるいは最小値Eminを求めて、これを基に携帯端末10の位置を算出することも可能である。
最大値を採用するのが好ましの例として、電波の反射が多い場合(都市のビル街、建物の廊下内等)が挙げられる。反射した電波は直進した電波に対して弱いことから、電界強度の最大値をとることで反射の影響を除外できる。
最小値を採ることが好ましい例として、電界強度が測定限界近くの強い場合が挙げられる。測定限界近傍では測定値が不正確になり易いため、測定限界から多少でも離れた最小値の方がむしろ真の値に近い可能性がある。
【0070】
以上では電界強度値自身に基づいて電界強度値を選別している。これに代えて、電波の品質(電界強度のS/N比)に基づいて電界強度値を選別しても差し支えない。
この電波の品質は、電波品質判定部15で判定されたものを用いることができる。なお、この選別は、携帯端末10と位置算出装置40のいずれで行っても差し支えない。
【0071】
(基準面設定の詳細)
次に、図8のステップS350における基準面設定の詳細を述べる。
ここで、基準面の意味合い(必要性)について説明する。
基準面は、位置の計算において携帯端末10が存在する場所の標高を加味する計算を容易に行うために本発明において導入された概念である。
既述のように、携帯端末10の位置を正確に算出するためにはその場所の標高(地形)を考慮する必要がある。
図11は、携帯端末10、3つの基地局20(1)〜20(3)をその周囲の地形と共に3次元的に表した斜視図であり、これを平面的に表した図5と対応する。x、yは地図上の位置を表わし、例えば経度、緯度に対応する量である。また、zは、基準海水面を基準とする鉛直方向の距離である。
【0072】
ここで、地点(x、y)における標高(基準海水面からの高さ)hは次の式(31)のよう(x、y)の関数として表せる。
h=G(x,y) …式(31)
ここで、携帯端末10の位置Ptを3次元的に表すと次の式(32)のように表せる。
Pt=(x0,y0,h0=G(x0,y0)) …式(32)
図11での携帯端末10の位置Ptは、基地局20(1)〜20(3)の位置をその地点の標高(さらにはアンテナの高さ)も含めて3次元的に表される。携帯端末10が式(31)で表される平面上にあることから、携帯端末10の位置はそれぞれの基地局20からの電界強度対応距離Le1〜Le3から算出できる。
【0073】
しかしながら、式(31)で表される地形平面が、数学的に単純な形で表され難いことが、この3次元的な位置の算出を困難なものとする。
この3次元的な位置の算出を容易にするために、基準面の概念が案出された。基準面とは携帯端末10がある付近の地平面を数学的に取り扱いやすい形で近似的に表したものである。基準面は、地平面を近似的に表し、数学的に扱いやすいものであれば、平面、球面等種々の形を取ることができる。基準面上に携帯端末10があると仮定してその位置を算出する。
【0074】
以下は、取り扱いの容易さから、基準面の例として平面を採りこれに基づく3次元的な位置の算出方法を説明する。
図12は、基準面の決め方の一例を表す斜視図である。ここでは、携帯端末10のある付近の具体的な地形を無視して、3つの基地局20(1)〜20(3)からそれぞれ電界強度対応距離Le1、Le2、Le3の距離にある地点Pt0を通る標高h0の平面を基準面Sf0とする。
【0075】
地点Pt0は、基準面Sf0上に描いた3つの円C10〜C30の交点として表される。この3つの円C10〜C30は、基地局20(1)〜20(3)を中心とし半径を電界強度対応距離Le1〜Le3とする球と基準面Sf0とが交わってできたものであり、基地局20(1)〜20(3)を頂点とする円錐の底面の周をなす。
【0076】
理想的には、このように3つの球(円)の交点に基づいて基準面Sf0を決定できる。
しかしながら、電界強度対応距離Leの誤差(この誤差には電界強度対応距離Leを求める際の方位角φの誤差に起因するものも含まれる)等により、3つの球(円)が1点では交わらない可能性がある。
このため、基準面Sfを上下させて、その基準面上に描かれる3つの円C1〜C3のパターンから最終的な基準面Sfを設定することができる。
【0077】
図13,図14は、基準面Sfと基地局20(1)〜20(3)を中心とし半径を電界強度対応距離Le1〜Le3とする球と基準面Sf0とが交わってできた円C1〜C3のパターンを表した斜視図である。図13とでは基準面が標高h1(>h0)であるのに対し、図14では基準面が標高h2(<h0)となっている。
図13では、3つの円C11〜C31が重なり合う領域Area1が生じているのに対して、図14では3つの円C12〜C32のどれもが重ならない領域Area2が生じていることが判る。このように基準面Sfの標高hを変化させて3つの円C1〜C3の重なり具合を元に基準面Sf0(基準面Sf0の標高h0)を決定できる。
【0078】
具体的には3つの円C1〜C3の重なり合う領域Area1が生じ始めるときの標高h01、または3つの円C12〜C32のどれもが重ならない領域Area2が生じ始めるときの標高h02を基に基準面の標高h0を決定できる。
基準面の標高h0は、標高h01または標高h02のいずれかを採用しても良いし、標高h01と標高h02の平均値((h01+h02)/2)でも差し支えない。なお、図12に示したように3つの円C1〜C3が1点で交わるときには標高h01と標高h02は互いに等しくなる。
【0079】
(位置の算出手順の詳細)
図15は、図8のステップS360における位置の算出手順の詳細を表すフロー図である。
この手順はステップS401〜S411で表されるが、このうちステップS401〜S404はステップS361(基地局の順位決定)、ステップS405はステップS362(第1位の基地局のみを基準とする位置の概算)、ステップS406〜S411はステップS363(全ての基地局を用いた位置の算出)にそれぞれ区分できる。
【0080】
(1)ステップS340で求められた電界強度の平均値等に基づいて、電界強度値が大きい順に第1位〜第3位の基地局20(1)〜20(3)が決定される(ステップS401)。
基本的にはこれら第1位〜第3位の基地局20(1)〜20(3)の位置およびそれらと携帯端末10との距離L1〜L3によって、携帯端末10の地図上の位置を算出できる。
これを図16に示す。図16では、第1位〜第3位の基地局20(1)〜20(3)からそれぞれ距離L1〜L3の位置に携帯端末10が存在する。即ち、第1位〜第3位の基地局20(1)〜20(3)を中心として、半径がそれぞれ電界強度対応距離Le1〜Le3の円C1〜C3の交点に携帯端末10がある。
【0081】
しかしながら、このやり方は、第1位〜第3位の基地局20(1)〜20(3)の電界強度値E(1)〜E(3)を同一のウェイトで扱っていることに起因する誤差要因を含む。
電界強度値E(2)、E(3)は電界強度値E(1)よりも小さいため、誤差要因を多く含みやすい(S/N比が小さい)。このため、電界強度値E(1)〜E(3)を同一のウェイトで扱うと、算出された位置での誤差が大きくなる。
【0082】
この誤差要因を除去するために、本願では第1の基地局の電界強度E(1)を重視して位置の算出を行う。
第1位の基地局20(1)の電界強度E(1)は他の基地局20(2)、20(3)の電界強度値E(1)、E(2)よりも大きく、従って誤差要因が小さいと考えられる。本願では、基本的に第1位の基地局20(1)の電界強度E(1)を基に、第1位の基地局20(1)と携帯端末10との間の距離を算出し、第2位、第3位の基地局20(2)、20(3)の電界強度値E(2)、E(3)は2義的な一種の補正情報として取り扱い、携帯端末10の位置を算出する。
【0083】
(2)第3位の基地局20(3)を仮想的に移動し、これに伴い第3位の基地局20(3)の電界強度E(3)を修正する(ステップS402)。
図17は、第3位の基地局20(3)の仮想的な移動を表す概念図である。移動前の第1位〜第3位の基地局の位置をそれぞれ点A〜Cで表す。一般に点A〜Cで形成される3角形は3辺がいずれも異なっている。第3位の基地局を仮想的に移動して、点A、Bおよび点C(1)(移動後の第3位の基地局20(3)の位置)が2等辺3角形となるようにする。即ち、辺AB=辺AC(1)となるように第3位の基地局20(3)を移動する。このとき、第3位の基地局20(3)は、仮想位置Pt0(または前回算出された位置)に向かって前後する方向に移動する。
【0084】
このようにするのは、携帯端末10の仮想位置Pt0との方位角φが変化しないようにして電界強度対応距離Leの方位角依存性の影響を受けないようにするためである。
携帯端末10の仮想位置Pt0との方位角φが変化しないことから、第3位の基地局20(3)の移動後の電界強度E(3’)は電界強度対応距離Le3’および第3位の基地局20(3)の移動距離ΔLe3により次の式(31)によって表される。
Le3’=Le3 − ΔL3 … 式(31)
【0085】
(3)第3位の基地局20(3)移動後の第2位、第3位の基地局20(2)、20(3)の電界強度E(2)、E(3)の大小を比較し(ステップS403)、もし第2位、第3位の基地局20(2)、20(3)の電界強度E(2)、E(3)の大小関係が逆転していれば第2位、第3位の基地局20(2)、20(3)を交換する(ステップS404)。
【0086】
即ち、第3位の基地局20(3)の移動後において、電界強度Eの値が2番目、3番目に大きい基地局20がそれぞれ第2位、第3位の基地局20(2)、20(3)となる。これは、第2位、第3位の基地局20(2)、20(3)それぞれと第1位の基地局20(1)との距離を等しくしたときに電界強度Eが大きい方を第2位の基地局20(2)として、位置の算出の際の第2位、第3位の基地局20(2)、20(3)のウェイトを適切に保つためである。
以上のステップS401からS404(全体としてステップS361)によって基地局20の順位が最終的に決定される。
【0087】
(4)次に第1位の基地局20(1)を中心として、第1位の基地局20(1)の電界強度E(1)に対応する電界強度対応距離Le1を半径とする円弧CL1を算出する(ステップS405(ステップS362))。
図18に円弧CL1を示し、以下図18を参照して説明を続ける。この円弧CL(1)の算出は、いわば携帯端末10の位置の概算(一次近似)としての意味を持つ。第1位の基地局20(1)は最大の電界強度E(1)を持つことから、携帯端末10の位置を算出する際に最も精度が良好であることが期待できる。即ち、円弧CL(1)上に携帯端末10が存在するとして、以下の手続を進める。
【0088】
(5)次に第2位の基地局20(2)を中心として、第1位、第2位の基地局20(1)、20(2)間の距離を半径とする円弧CL2を算出する(ステップS406)。
さらに円弧CL1、CL2の交点を算出して、2つの交点の内第3位の基地局20(3)から遠方の交点を点P1とする(ステップS407)。
この点P1は、後に示すように携帯端末の位置を算出する際の基準となる。
【0089】
(6)第2位、第3位局20(2)、20(3)の位置を通る直線Lを求め、この直線Lを平行移動させたときの円弧CL1との接点を求め、この接点のうち直線Lから近い方を点P2、遠い方を点P3とおく(ステップS408)。
(7)第1位、第2位の基地局20(2)、20(3)間の距離が第2位局20(2)の電界強度E2と対応する電界強度対応距離Le2より小さいか否かを判断する(ステップS409)。
即ち、第2の基地局20(2)を中心として、電界強度対応距離Le2を半径とする円弧内に基地局20(1)が含まれないか含まれるかを判断する。
【0090】
ステップS409の判断がYesなら円弧Cl1上で点P1、P2を基準に内分点DP1を求める(ステップS310)。この内分は、第3位、第2位の基地局20(3)、20(2)の電界強度E3、E2の比率によって行う。即ち、図18において角度α1:α2=E3:E2である。このとき、この内分点DP1が携帯端末10の位置に相当する。
【0091】
ステップS409の判断がNoなら円弧Cl1上で点P1、P3を基準に内分点DP2を求める(ステップS411)。この内分は、第3位、第2位の基地局20(3)、20(2)の電界強度E3、E2の比率によって行う。即ち、図18において角度β1:β2=E3:E2である。このとき、この内分点DP2が携帯端末10の位置である。
【0092】
(基準面の応用)
基準面の考え方は、建物等室内においても利用できる。図19は、このような建物内部での位置算出に基準面の考え方を利用する場合の断面図である。
図19に示すようにここでは建物が3階建てで、1階〜3階にそれぞれフロアF1〜F3が存在するとする。この場合、フロアF1〜F3のいずれかが基準面Sfとなりうる候補である。このフロアF1〜F3から外れたら、携帯端末10およびそれを所持する人が存在し得ないと考えられるからである(このフロアF1〜F3は、携帯端末10が存在しうる存在可能面)。
【0093】
このような基準面となりうる面の個数が有限の場合における位置算出方法の処理の流れを図20のフロー図で表す。
(1)まず基準面を無視して、基地局20の位置および電界強度から仮の位置を算出する(ステップS81)。
この算出にはさほど精度を要しないので、例えば3つの基地局20(1)〜20(3)をそれぞれの中心とし、それぞれの電界強度対応距離Leを半径とする3つの球の交わる点(誤差の関係で3つの球が一点で交われなければ、3つの球の表面のそれぞれから最も距離的に近い点)を算出すればよい。
理想的には算出された仮の位置Ptは、いずれかのフロアF1〜F3上に位置するはずであるが、誤差の関係で一般的にはそうならない。
【0094】
(2)次に仮の位置Pt0と3つのフロア(存在可能面)F1〜F3との間の距離Lを算出する(ステップS82)。
この算出された距離L1〜L3を比較して、仮位置Pt0からの距離Lが最も小さいフロアFを基準面とする(ステップS83)。
(3)その後は、図4に示した手順を利用して携帯端末の位置Ptを精密に算出する。
【0095】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、位置情報システムにおける位置の算出において、電界強度の変動(外乱、方位角依存性、標高の影響等)の影響が低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る位置情報システムの全体構成を示す図である。
【図2】 本発明に係る位置情報システムの動作手順の概要を表すフロー図である。
【図3】 基地局情報DBの作成手順を表すフロー図である。
【図4】 補正情報DBの作成手順を表すフロー図である。
電界強度値の選別の詳細な手順を表すフロー図である。
【図5】 電界強度テーブルの作成手順を表すフロー図である。
【図6】 電界強度の方位角依存性を表す概念図である。
【図7】 補正飛翔パターンの算出手順を示すフロー図である。
【図8】 位置の算出手順の全体を表したフロー図である。
【図9】 基地局の選別の詳細な手順を表すフロー図である。
【図10】 電界強度値の選別の詳細な手順を表すフロー図である。
【図11】 携帯端末、基地局をその周囲の地形と共に3次元的に表した斜視図である。
【図12】 基準面の決め方の一例を表す斜視図である。
【図13】 基準面を上昇させた場合のパターンの一例を表す斜視図である。
【図14】 基準面を下降させた場合のパターンの一例を表す斜視図である。
【図15】 位置の算出部分の詳細を表したフロー図である。
【図16】 位置の算出方法の基本的な考え方を表した概念図である。
【図17】 第3位の基地局の仮想的な移動を表す概念図である。
【図18】 位置の算出方法の詳細を表す概念図である。
【図19】 建物内部での位置算出に基準面の考え方を利用する場合の一例を表す断面図である。
【図20】 基準面となりうる面の個数が有限の場合における位置算出方法の処理の流れを表すフロー図である。
【符号の説明】
10 携帯端末
11 アンテナ
12 送受信部
13 基地識別情報取得部
14 電界強度測定部
15 電波品質判定部
20 基地局
30 回線網
40 位置算出装置
50 位置算出装置本体
51 送受信部
52 基地局選別部
53 電界強度値選別部
54 距離算出部
55 位置算出部
56 位置補正部
57 表示部
60 記憶装置
61 基地局情報DB
62 補正情報DB

Claims (4)

  1. 複数の基地局から送信され,同一の測定箇所で測定された電波の電界強度に基づいて,該測定箇所の位置を算出する位置算出装置であって,
    第1位の電界強度値に対応する第1位の基地局,第2位の電界強度値に対応する第2位の基地局,および第3位の電界強度値に対応する第3位の基地局それぞれの電波の電界強度値を入力する入力手段と,
    前記第1位の基地局を中心とし,前記第1位の電界強度値に対応する第1の距離を半径とする第1の円弧を算出する第1の円弧算出手段と,
    前記第2位の基地局を中心とし,該第1位の基地局と前記第2位の基地局との距離を半径とする第2の円弧と前記第1の円弧との2つの交点のいずれかであって,前記第3位の基地局から遠い第1の点を算出する交点算出手段と,
    前記第2位の基地局と前記第3位の基地局とを通る直線を平行移動したときに該直線が前記第1の円弧と接する接点であって,該直線に近い第2の点と該直線から遠い第3の点とを算出する接点算出手段と,
    前記第2位の電界強度値に対応する第2の距離が前記第1位の基地局と前記第2位の基地局間の距離以内の場合に,前記第1の点と前記第2の点とを端点とする前記第1の円弧の一部を前記第3位の電界強度値と前記第2位の電界強度値との比率で内分する点を前記測定箇所の位置として算出し,
    前記第2の距離が前記第1位の基地局と前記第2位の基地局間の距離以上の場合に,前記第1の点と前記第3の点とを端点とする前記第1の円弧の一部を前記第3位の電界強度値と前記第2位の電界強度値との比率で内分する点を前記測定箇所の位置として算出する位置算出手段と,
    を具備することを特徴とする位置算出装置。
  2. 複数の基地局から送信され,同一の測定箇所で測定された電波の電界強度に基づいて,該測定箇所の位置を算出する位置算出方法であって,
    第1位の電界強度値に対応する第1位の基地局,第2位の電界強度値に対応する第2位の基地局,および第3位の電界強度値に対応する第3位の基地局それぞれの電波の電界強度値を入力する入力ステップと,
    前記第1位の基地局を中心とし,前記第1位の電界強度値に対応する第1の距離を半径とする第1の円弧を算出する第1の円弧算出ステップと,
    前記第2位の基地局を中心とし,該第1位の基地局と前記第2位の基地局との距離を半径とする第2の円弧と前記第1の円弧との2つの交点のいずれかであって,前記第3位の基地局から遠い第1の点を算出する交点算出ステップと,
    前記第2位の基地局と前記第3位の基地局とを通る直線を平行移動したときに該直線が前記第1の円弧と接する接点であって,該直線に近い第2の点と該直線から遠い第3の点とを算出する接点算出ステップと,
    前記第2位の電界強度値に対応する第2の距離が前記第1位の基地局と前記第2位の基地局間の距離以内の場合に,前記第1の点と前記第2の点とを端点とする前記第1の円弧の一部を前記第3位の電界強度値と前記第2位の電界強度値との比率で内分する点を前記測定箇所の位置として算出し,
    前記第2の距離が前記第1位の基地局と前記第2位の基地局間の距離以上の場合に,前記第1の点と前記第3の点とを端点とする前記第1の円弧成分を前記第3位の電界強度値と前記第2位の電界強度値との比率で内分する点を前記測定箇所の位置として算出する位置算出ステップ
    を具備することを特徴とする位置算出方法。
  3. 前記第3位の基地局と前記第1位の基地局との距離が,前記第1位の基地局と前記第2位の基地局との距離と等しくなるように移動したと仮定し,該第3位の基地局の仮想位置と前記第3の電界強度の仮想値とを算出する電界強度算出ステップ
    をさらに具備することを特徴とする請求項記載の位置算出方法。
  4. 前記第3の電界強度の仮想値が前記第2の電界強度より大きいときに,第3位の基地局を第2位の基地局とする
    ことを特徴とする請求項記載の位置算出方法。
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