JP4490643B2 - 薬液注入装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被験者に薬液を注入する薬液シリンジが着脱自在に装着される薬液注入装置に関し、特に、薬液シリンジのシリンダ部材をシリンダフランジで保持する薬液注入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、被験者の透視画像を撮像する透視撮像装置としては、CT(Computed Tomography)スキャナ、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、PET(Positron Emission Tomography)装置、超音波診断装置、アンギオ装置、MRA(MR Angio)装置、等がある。
【0003】
上述のような装置を使用するとき、被験者に造影剤や生理食塩水などの薬液を注入することがあり、この注入を自動的に実行する薬液注入装置も実用化されている。上述のような薬液注入装置は注入ヘッドを有しており、この注入ヘッドに薬液シリンジが着脱自在に装着される。
【0004】
薬液シリンジは、薬液が充填される円筒状のシリンダ部材を有しており、このシリンダ部材に円柱状のピストン部材がスライド自在に挿入されている。一般的にシリンダ部材の後端外周には円環状のシリンダフランジが形成されており、ピストン部材の後端外周には円環状のピストンフランジが形成されている。
【0005】
薬液注入装置を使用する場合、薬液が充填されている薬液シリンジのシリンダ部材を延長チューブで被験者に連結し、その薬液シリンジを薬液注入装置のシリンジ保持部材に装着する。一般的な薬液注入装置では、薬液シリンジのシリンダ部材およびシリンダフランジに対応した形状の凹部がシリンジ保持部材の上面に形成されているので、この凹部にシリンダ部材およびシリンダフランジを装填すれば薬液シリンジが保持される。
【0006】
さらに、薬液注入装置はピストン駆動機構によりピストンフランジをシリンダ部材とは別個に保持し、そのピストン駆動機構でピストン部材をスライドさせる。これで薬液シリンジから薬液が被験者に注入され、必要により、例えば、薬液シリンジに薬液が薬液タンクから吸引される。
【0007】
なお、上述のような薬液シリンジのピストン部材は、一般的に後端外周にピストンフランジが形成されているピストンロッドの前端にピストンヘッドを装着した構造からなるが、このピストンヘッドのみでピストン部材を形成した薬液シリンジもある。
【0008】
このような薬液シリンジに対応した薬液注入装置では、前端にチャック機構が形成されたスライドロッドをピストン駆動機構がスライド自在に支持しており、そのスライドロッドのチャック機構でピストン部材を保持してシリンダ部材の内部をスライド移動させる。
【0009】
また、上述のような薬液注入装置には、上述のように薬液シリンジが直接に装着される製品の他、薬液シリンジがシリンダアダプタを介して装着される製品もある。このようなシリンダアダプタとしても各種形式があるが、例えば、薬液シリンジの内圧による破損防止を目的としたものは、シリンダ部材の全体を覆う形状に肉厚のポリカーボネートで形成されている。
【0010】
このようなシリンダアダプタは、後端外周に円環状のアダプタフランジが形成されており、このアダプタフランジの後面内側にシリンダフランジが係合する凹部が形成されている。そこで、薬液注入装置はシリンダ部材が装填されたシリンダアダプタのアダプタフランジを保持することで、間接的にシリンダフランジを保持することになる。
【0011】
なお、上述のような薬液注入装置には、薬液シリンジのシリンダフランジを保持するため、一対の可動保持部材を回動自在に軸支したものがある。このような薬液注入装置では、可動保持部材はシリンダフランジが係脱自在な円弧形状の凹溝が内面に形成されており、シリンダフランジを左右両側から保持する位置に配置されている。
【0012】
このような可動保持部材は、上方に開口してシリンダフランジが挿入自在な開放位置と、シリンダフランジを左右両側から保持する閉止位置と、に回動自在に軸支されている。このため、開放位置に配置された可動保持部材にシリンダフランジを挿入して閉止位置まで回動させると、一対の可動保持部材によりシリンダフランジが左右両側から保持されることになる(例えば、特許文献1参照)。
【0013】
【特許文献1】
特開2002−11096号
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上述した薬液注入装置では、薬液シリンジのシリンダフランジを簡単に着脱自在に保持するため、シリンダフランジを回動自在な可動保持部材で左右両側から保持する。
【0015】
しかし、作業者の不手際や不注意のため、薬液シリンジを装着するときに可動保持部材が完全には閉止されないことがある。このような状態でピストン駆動機構が駆動されると、保持が不完全なシリンダフランジが可動保持部材から脱落する可能性がある。
【0016】
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、可動保持部材が完全には閉止されない状態で薬液シリンジが装着されたままピストン駆動機構が駆動されるようなことを防止できる薬液注入装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の薬液注入装置は、円環状のシリンダフランジが後端外周に形成されている円筒状のシリンダ部材にピストン部材がスライド自在に挿入されている薬液シリンジの少なくともシリンダフランジとピストン部材とを別個に保持して相対移動させるため、一対の可動保持部材、部材軸支機構、部材保持機構、マグネット、ホール素子、を有している。
【0018】
可動保持部材は、薬液シリンジのシリンダフランジが係脱自在な円弧形状の凹溝が内面に形成されており、部材軸支機構は、左右一対の可動保持部材を上下方向に回動自在に軸支することで、上方に開口してシリンダフランジが凹溝に挿入自在な開放位置と、シリンダフランジを凹溝で両側から保持する閉止位置とに変位自在に配置する。部材保持機構は、可動保持部材を少なくとも閉止位置に保持し、マグネットは、部材保持機構が可動保持部材を閉止位置に保持することによって動作する部材に設けられている。ホール素子は、可動保持部材が閉止位置に配置されているときにマグネットと対向する位置に配置され、このマグネットを検知する
従って、本発明の薬液注入装置では、可動保持部材が完全に閉止位置に配置されているかが検知されるので、これで薬液シリンジのシリンダフランジが確実に保持されているかが判定される。
【0019】
なお、本発明で云う各種手段は、その機能を実現するように形成されていれば良く、例えば、所定の機能を発揮する専用のハードウェア、所定の機能がコンピュータプログラムにより付与されたデータ処理装置、コンピュータプログラムによりデータ処理装置に実現された所定の機能、これらの組み合わせ、等として実現することができる。
【0020】
また、本発明で云う各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、例えば、複数の構成要素が1個の部材として形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等が可能である。
【0021】
さらに、本発明では前後左右上下の方向を言及しているが、これは方向の相対関係を簡単に説明するために便宜的に規定したものであり、本発明を実施する場合の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して以下に説明する。なお、以下では図面に示すように前後左右上下の方向を規定して説明するが、これは各部の相対関係の説明を簡単とするために便宜的に規定するものであり、本発明の装置の製造時や使用時などの方向を限定するものではない。
【0023】
[第1の形態の構成]
まず、本発明の実施の第1の形態を図1ないし図7を参照して説明する。本実施の形態の薬液注入装置100は、図3に示すように、装置本体101の上面に操作パネル102と液晶ディスプレイ103とが配置されており、装置本体101の側部に可動アーム104で注入ヘッド110が装着されている。
【0024】
この注入ヘッド110は、図2に示すように、ヘッド本体111の上面に半円筒形の溝状の凹部112が形成されており、この凹部112に、薬液シリンジ200が着脱自在に装着される。この薬液シリンジ200は、シリンダ部材201とピストン部材202からなり、シリンダ部材201にピストン部材202がスライド自在に挿入されている。
【0025】
シリンダ部材201の後端外周にはシリンダフランジ203が形成されており、ピストン部材202の後端外周にはピストンフランジ204が形成されている。注入ヘッド110は、ヘッド本体111の凹部112の後方にピストン駆動機構113が配置されており、このピストン駆動機構113がピストンフランジ204を保持して前後移動させる。
【0026】
また、注入ヘッド110は、ヘッド本体111の凹部112の所定位置に一対のフランジ保持機構120が搭載されており、このフランジ保持機構120で薬液シリンジ200のシリンダフランジ203を保持する。より詳細には、本実施の形態の薬液注入装置100は、図1および図6および図7に示すように、フランジ保持機構120が左右一対の可動保持部材121,122と1個の不動保持部材123とを有しており、これらの可動/不動保持部材121〜123が円環状に配置されている。
【0027】
不動保持部材123は上方に開口した半円弧形状に形成されており、その左右両端に1/4円弧形状の一対の可動保持部材121,122が1個ずつ配置されている。これらの可動/不動保持部材121〜123は、内面に凹溝124が形成されており、この凹溝124に薬液シリンジ200のシリンダフランジ203が係脱自在に係合する。
【0028】
不動保持部材123の両端には部材軸支機構である支持軸126が個々に装着されており、この一対の支持軸126で可動保持部材121,122が上下方向に回動自在に軸支されている。このため、一対の可動保持部材121,122は、上方に開口してシリンダフランジ203が凹溝124に挿入自在な開放位置と、シリンダフランジ203を凹溝124で両側から保持する閉止位置と、に変位自在に軸支されている。
【0029】
左側に位置する可動保持部材121は、支持軸126の軸心より下方の位置まで凸部127が形成されており、この凸部127に支持軸126の軸心と平行にシャフト部材128が装着されている。このシャフト部材128の後端には、開閉連動リンク129の左端が連結されており、この開閉連動リンク129の右端は、右側に位置する可動保持部材122に支持軸126の軸心より上方の位置で連結されている。
【0030】
この開閉連動リンク129は、支持軸126の軸心や可動/不動保持部材121〜123に保持された薬液シリンジ200に干渉しない形状に形成されており、左端に形成された縦長のスリット孔131にシャフト部材128の後端がスライド自在に係合している。
【0031】
このように左右一対の可動保持部材121,122が回動軸心より上下の位置で開閉連動リンク129により連結されているので、左右一対の可動保持部材121,122は、一方が開放位置に配置されると他方も開放位置に配置され、一方が閉止位置に配置されると他方も閉止位置に配置される。
【0032】
また、不動保持部材123の前面下方には、保持ガイド部材132がガイド支持機構133により上下方向に回動自在に軸支されており、この保持ガイド部材132がガイド付勢機構であるコイルスプリング134により上方に弾発的に付勢されている。この保持ガイド部材132は、上面に第1/第2の凹部13,13が形成されており、この第1/第2の凹部13,13に選択的にシャフト部材128の前端が係合部として係脱自在に係合する。
【0033】
つまり、可動保持部材121,122が開放位置に配置されると、シャフト部材128の前端が保持ガイド部材132の第1の凹部13に係合し、可動保持部材121,122が閉止位置に配置されると、シャフト部材128の前端が保持ガイド部材132の第2の凹部13に係合する。
【0034】
このため、上述の保持ガイド部材132、ガイド支持機構133、コイルスプリング134、等により、可動保持部材121を開放位置と閉止位置とに選択的に保持する部材保持機構138が形成されている。さらに、シャフト部材128の前端にはマグネット(図示せず)が内蔵されており、保持ガイド部材132の第の凹部135に係合したシャフト部材128の前端に前方から対向する位置に閉止検知手段としてホール素子139が配置されている(図示せず)。
【0035】
本形態の薬液注入装置100は、図5に示すように、コンピュータユニット140を有しており、このコンピュータユニット140が、操作パネル102と液晶ディスプレイ103とピストン駆動機構113とホール素子139とに接続されている。
【0036】
コンピュータユニット140は、いわゆるワンチップマイコンからなり、CPU(Central Processing Unit)141、ROM(Read Only Memory)142、RAM(Random Access Memory)143、I/F(Interface)144、等のハードウェアを有している。コンピュータユニット140は、そのROM142などの情報記憶媒体に適切なコンピュータプログラムがファームウェアなどで実装されており、そのコンピュータプログラムに対応してCPU141が各種の処理動作を実行する。
【0037】
コンピュータユニット140は、上述のように実装されているコンピュータプログラムに対応して動作することにより、ホール素子139がマグネットを検知していないとピストン駆動機構113を作動不能に制御する駆動制御手段として機能する。
【0038】
さらに、コンピュータユニット140は、ホール素子139の検知結果を“クランプが開いています”“クランプが閉じています”などのガイダンステキストで液晶ディスプレイ103に表示出力させるので、開閉表示手段としても機能する。
【0039】
なお、本実施の形態の薬液注入装置100は、図4に示すように、例えば、CTスキャナ300の撮像ユニット301の近傍で使用され、必要によりCTスキャナ300の制御ユニット302に接続される。この制御ユニット302はコンピュータシステムからなり、撮像ユニット301を動作制御するとともに断層画像を表示する。
【0040】
[第1の形態の動作]
上述のような構成において、本実施の形態の薬液注入装置100を使用する場合、例えば、作業者は被験者に注入する薬液に対応して適切な薬液シリンジ200を選択し、その薬液シリンジ200をCTスキャナ300の撮像ユニット301に位置する被験者に延長チューブで連結する(図示せず)。
【0041】
薬液注入装置100は、注入ヘッド110に薬液シリンジ200が装着されていない状態では、図1(b)および図7に示すように、シャフト部材128が保持ガイド部材132の第1の凹13に係合することで可動保持部材121が開放位置に保持されており、この可動保持部材121に開閉連動リンク129で連結されている可動保持部材122も開放位置に保持されている。
【0042】
このとき、シャフト部材128の前端のマグネットをホール素子139が検知しないので、コンピュータユニット140により“クランプが開いています”などのガイダンステキストが液晶ディスプレイ103に表示出力されており、ピストン駆動機構113が作動不能に制御されている。
【0043】
そこで、この開放位置に保持された一対の可動保持部材121,122の凹溝124に作業者が薬液シリンジ200のシリンダフランジ203を挿入し、例えば、手動操作で一対の可動保持部材121,122の一方を押圧すると、一対の可動保持部材121,122が開閉連動リンク129で連結されているために両方とも開放位置から閉止位置に向かって回動する。
【0044】
このとき、回動する可動保持部材121のシャフト部材128が保持ガイド部材132の第1の凹穴13から脱落して第2の押圧13に係合することにより、図1(a)および図6に示すように、開閉連動リンク129で連結されている一対の可動保持部材121,122が両方とも閉止位置に保持される。
【0045】
これでシリンダフランジ203の上部が一対の可動保持部材121,122に両側から保持され、下部が不動保持部材123に保持されるので、薬液シリンジ200がフランジ保持機構120により注入ヘッド110の所定位置に固定的に配置されることになる。
【0046】
上述のように薬液シリンジ200のシリンダフランジ203を保持するために可動保持部材121,122が開放位置から閉止位置に変位されると、シャフト部材128の前端のマグネットをホール素子139が検知する。すると、コンピュータユニット140により“クランプが閉じています”などのガイダンステキストが液晶ディスプレイ103に表示出力され、ピストン駆動機構113が作動可能に制御される。
【0047】
そこで、作業者が薬液注入装置100の操作パネル102に所定操作を実行すると、ピストン駆動機構113が薬液シリンジ200のピストンフランジ204を保持してスライド移動させることで、シリンダ部材201から被験者に薬液が注入される。
【0048】
この注入作業が終了すると、例えば、作業者は被験者から延長チューブを取り外し、注入ヘッド110から薬液シリンジ200を上方に引き出す。すると、そのシリンダ部材201およびシリンダフランジ203に可動保持部材121,122が押圧されて上方に回動することで、シャフト部材128が第2の凹穴135から脱落する。
【0049】
さらに作業者が薬液シリンジ200を上方に引き上げると、そのシリンダ部材201およびシリンダフランジ203に押圧されて可動保持部材121,122が回動することにより、図1(b)および図7に示すように、シャフト部材128が第1の凹穴13に係合する。これで可動保持部材121,122が開放位置に保持されるので、薬液シリンジ200が上方に取り出される。
【0050】
このとき、一対の可動保持部材121,122は開閉連動リンク129で連結されていることにより両方が連動して開放位置まで回動するので、薬液シリンジ200は片寄ることなく円滑に取り出される。さらに、前述のようにコンピュータユニット140により“クランプが開いています”などのガイダンステキストが液晶ディスプレイ103に表示出力され、ピストン駆動機構113が作動不能に制御される。
【0051】
そして、開閉連動リンク129で連結されている一対の可動保持部材121,122は両方とも開放位置に保持されるので、本形態の薬液注入装置100は特別な準備操作などを必要とすることなく薬液シリンジ200の装着を開始することができる。
【0052】
[第1の形態の効果]
本実施の形態の薬液注入装置100では、上述のように薬液シリンジ200のシリンダフランジ203を保持する左右一対の可動保持部材121,122が閉止位置に配置されていることをホール素子139により検知し、これが検知されていないとコンピュータユニット140がピストン駆動機構113を作動不能に制御する。
【0053】
このため、本形態の薬液注入装置100では、作業者の不手際や不注意のために可動保持部材121,122が完全には閉止されていない状態で、ピストン駆動機構113が駆動されて薬液シリンジ200が脱落するようなことを防止できる。
【0054】
しかも、ホール素子139により検知される可動保持部材121,122の開閉状態がコンピュータユニット140により液晶ディスプレイ103に表示出力されるので、作業者は簡単かつ確実に薬液シリンジ200の保持状態を確認することができる。
【0055】
さらに、上下方向に回動自在な一対の可動保持部材121,122が、その回動軸心より上方と下方との位置で開閉連動リンク129により連結されており、開放位置と閉止位置とに回動する一対の可動保持部材121,122の動作が連動する。このため、一対の可動保持部材121,122の両方が確実に閉止位置に配置されているかを、1個のホール素子139で検知することができる。
【0056】
また、薬液注入装置100に薬液シリンジ200を着脱するときに一対の可動保持部材121,122の位置が左右で非対称となることがないので、薬液シリンジ200を円滑に着脱して確実に保持させることができる。従って、薬液注入装置100に薬液シリンジ200を片手で着脱することも容易であり、医療現場で汚損原因となる薬液注入装置100を片手のみで操作して他方の片手を常時清浄に維持することも可能である。
【0057】
しかも、本形態の薬液注入装置100では、部材保持機構138により可動保持部材121,122が開放位置と閉止位置に選択的に保持されるので、薬液シリンジ200を確実に保持することができ、新規に薬液シリンジ200を装着するときに可動保持部材121,122を開放位置に配置する準備動作を無用とすることができる。
【0058】
さらに、可動保持部材121の凸部127に装着されたシャフト部材128の一端に開閉連動リンク129が連結されており、他端に部材保持機構の保持ガイド部材132が当接しているので、可動保持部材121,122を連動させる機構と保持させる機構との部品が共用されており、その構造が簡単で部品数も削減されている。
【0059】
しかも、上述のように薬液シリンジ200の着脱を容易とするために可動保持部材121,122を開閉自在とすると、その機械強度は必然的に低下するが、本形態の薬液注入装置100では、注入ヘッド110に固定された不動保持部材123でシリンダフランジ203の下部を保持する。
【0060】
このため、薬液シリンジ200を強固に保持することができ、ピストン部材202を高圧に押圧するような場合でも、フランジ保持機構120の機械強度が不足することがない。つまり、本形態の薬液注入装置100は、可動保持部材121,122と不動保持部材123とを組み合わせて使用することにより、薬液シリンジ200の着脱の容易さと保持の強固さとを両立している。
【0061】
[第1の形態の変形例]
本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態では可動保持部材121,122が閉止位置に配置されていることを検知する閉止検知手段が、シャフト部材128の変位を検知するホール素子139からなることを例示したが、このような閉止検知手段の種類と位置は各種に変形可能である。
【0062】
例えば、閉止検知手段としては、機械スイッチ、感圧センサ、フォトセンサ、静電容量センサ、ロータリエンコーダ、等の利用が可能であり、その検知対象としても、可動保持部材121,122、開閉連動リンク129、保持ガイド部材132、等の各種の可動部分が利用可能である。
【0063】
また、上記形態では薬液注入装置100を透視撮像装置であるCTスキャナ300の近傍で使用することを想定したが、これをMRI装置、PET装置、アンギオ装置、MRA装置、超音波診断装置、等の透視撮像装置の近傍で使用することも可能である。
【0064】
ただし、上記形態の薬液注入装置100は閉止検知手段が磁界に影響するマグネットとホール素子139からなるので、MRI装置やMRA装置以外の透視撮像装置の近傍で使用することが好適である。換言すると、MRI装置やMRA装置の近傍で薬液注入装置を使用する場合は、その閉止検知手段は、燐青銅合金(Cu+Sn+P)、チタン合金(Ti-6Al-4V)、マグネシウム合金(Mg+Al+Zn)、などの非磁性体で形成されていることが好適である。
【0065】
また、上記形態では薬液注入装置100の一つの凹部112に1個の薬液シリンジ200が装着されることを例示したが、注入ヘッドの複数の凹部に複数の薬液シリンジ200が個々に装着されることも可能である(図示せず)。
【0066】
さらに、上記形態では薬液注入装置100に薬液シリンジ200を装着するときは可動保持部材121,122を手動操作で直接に押圧することを例示したが、例えば、可動保持部材121,122の上端に手動操作されるレバー部を一体に形成し(図示せず)、可動保持部材121,122の開閉操作を容易とすることも可能である。
【0067】
また、可動保持部材121,122を閉止位置に配置された状態で下端が支持軸126の軸心より下方に位置する形状に形成することにより(図示せず)、薬液シリンジ200を挿入して押圧するだけで開放位置に配置された可動保持部材121,122が閉止位置まで回動するように形成することも可能である。
【0068】
また、上記形態では薬液注入装置100の注入装置本体101の上面にディスプレイパネルとして液晶ディスプレイ103が装着されており、注入装置本体103の側部上方に可動アーム104で注入ヘッド110が装着されていることを例示したが、注入ヘッド110の側部に液晶ディスプレイ103が直接に装着されていることも可能である(図示せず)。この場合、フランジ保持機構120の開閉状態が隣接する液晶ディスプレイ103に表示出力されるので、より直接的に薬液シリンジ200の保持状態を確認することができる。
【0069】
さらに、上記形態では薬液注入装置100に薬液シリンジ200が直接に装着されることを例示したが、現在市販されている薬液シリンジ200には各種サイズが存在するので、例えば、最大サイズの薬液シリンジ200のみ薬液注入装置100に直接に装着され、最大以外の各種サイズの薬液シリンジ200は各々に専用のシリンダアダプタ(図示せず)を介して薬液注入装置100に装着されるようなことも可能である。
【0070】
特に、薬液を高圧に注入する薬液注入装置100では、薬液シリンジ200のシリンダ部材201の破壊も防止するため、シリンダ部材201の全体を装填するシリンダアダプタが利用されている。このようなシリンダアダプタは、シリンダ部材201が後端から着脱自在に装填される円筒状に形成されており、その後端外周には円環状のアダプタフランジが形成されている。
【0071】
そのアダプタフランジの後面内側には薬液シリンジ200のシリンダフランジ203が係脱自在に係合する凹部が形成されているので、このようなシリンダアダプタを装着した薬液シリンジ200を薬液注入装置100に装着すると、その不動保持部材123と一対の可動保持部材121,122とはアダプタフランジを直接的に保持することでシリンダフランジ203を間接的に保持することになる。
【0072】
また、上記形態では薬液シリンジ200のシリンダ部材201にロッド形状のピストン部材202が挿入されていることを例示したが、このような薬液シリンジ200にはピストン部材がヘッド部のみの製品もある(図示せず)。特に、上述のように薬液を高圧に注入する薬液シリンジ200では、ロッド部の破壊を防止するために上述のようにピストン部材がヘッド部のみとされている。
【0073】
このような薬液シリンジ200を利用する薬液注入装置では(図示せず)、ピストン駆動機構は金属製の強固なスライドアームなどで薬液シリンジ200のピストンヘッドを把持してスライド移動させるが、このような薬液注入装置にも上記形態のフランジ保持機構120は利用可能である。
【0074】
さらに、上記形態の薬液注入装置100のフランジ保持機構120では、左右一対の可動保持部材121,122が回動軸心より上下の位置で開閉連動リンク129により連結されていることにより、可動保持部材121,122の開閉が連動することを例示したが、その他の構造も実施可能である。
【0075】
[第2の形態の構成]
ここで、本発明の実施の第2の形態を図8を参照して説明する。なお、これより以下の説明では、上述の第1の形態と同一の部分は同一の名称および符号を使用して詳細な説明は省略する。
【0076】
本形態のフランジ保持機構150では、左右一対の可動保持部材151が支持軸126で回動自在に軸支されており、一対の可動保持部材151の各々と一体に形成されている凸部152が支持軸126の軸心に対して直交する方向に突出している。
【0077】
左右一対の可動保持部材151の凸部152には、左右一対の開閉連動リンク153の上端部分が個々に連結されており、これらの開閉連動リンク153の下端部分は係合部154として相互に連結されている。この係合部154は、スライド支持機構156の縦長のスリット孔157により上下方向にスライド自在に支持されており、このスライド自在に支持された係合部154に部材保持機構161が連結されている。
【0078】
この部材保持機構161も、保持ガイド部材132とガイド支持機構133とコイルスプリング134からなり、保持ガイド部材132の第1/第2の凹部13,13に選択的に開閉連動リンク153の係合部154が係脱自在に係合する。この係合部154にはマグネット(図示せず)が内蔵されており、保持ガイド部材132の第の凹部135に係合した係合部154に後方から対向する位置にホール素子139が配置されている(図示せず)。
【0079】
[第2の形態の効果]
上述のフランジ保持機構150でも、一対の可動保持部材151が閉止位置に配置されたことをホール素子139で検知することができるので、可動保持部材151が閉止されていない状態でピストン駆動機構113が作動されることを防止できる。
【0080】
また、開放位置と閉止位置とに回動する一対の可動保持部材151の動作が連動するので、薬液シリンジ200を着脱するときに一対の可動保持部材151の位置が左右で非対称となることがなく、薬液シリンジ200を円滑に着脱して確実に保持することができる。
【0081】
[第2の形態の変形例]
上記形態では可動保持部材151が閉止位置に配置されていることを検知するため、ホール素子139からなる閉止検知手段で開閉連動リンク153の係合部154の変位を検知することを例示したが、このような閉止検知手段の検知対象としては、例えば、可動保持部材151、開閉連動リンク153、保持ガイド部材132、等の各種の可動部分が利用可能である。
【0082】
[第3の形態の構成]
つぎに、本発明の実施の第3の形態を図9ないし図12を参照して説明する。本形態のフランジ保持機構170は、図10に示すように、平板状の第1/第2ガイド部材171,172を有しており、第1ガイド部材171の前面に第2ガイド部材172が一体に装着されている。
【0083】
第1/第2ガイド部材171,172は、上面にU字形状の凹部173が形成されており、この凹部173に薬液シリンジ200のシリンダ部材201が上方から挿入される。第1ガイド部材171の下部前面には、不動保持部材174が一体に形成されており、この不動保持部材174の左右上方には、一対の可動保持部材175が1個ずつ回動自在に軸支されている。
【0084】
より詳細には、第1ガイド部材171の上部前面の左右両側には部材軸支機構である支持軸176が一体に形成されており、これらの支持軸176で一対の可動保持部材175が回動自在に軸支されている。不動保持部材174は、シリンダ部材201の外周面に対応した円弧形状に上面が形成されており、その上面にシリンダフランジ203の下部が係脱自在に装填される円弧形状の凹溝177が形成されている。
【0085】
一対の可動保持部材175は、シリンダ部材201の外周面に対応した円弧形状に内面が形成されており、シリンダフランジ203の上部が係合する円弧形状の凹溝177が内面に形成されている。可動保持部材175は、支持軸176より内側の位置で前面に係合ピン181が一体に形成されており、第2ガイド部材172には、一対の可動保持部材175の係合ピン181が変位自在に各々位置する円弧形状の開口孔182が左右両側に形成されている。
【0086】
この開口孔182に係合ピン181が係合することで可動保持部材175の回動範囲が規制されているので、一対の可動保持部材175は、図9(a)に示すように、上方に開口してシリンダフランジ203が挿入自在な開放位置と、図9(c)に示すように、シリンダフランジ203を軸心方向と直交する両側から保持する閉止位置と、に変位自在とされている。
【0087】
なお、可動保持部材175は、閉止位置に配置された状態で、下端が支持軸176の軸心より下方に位置するとともに、上端が上方に位置する形状に形成されている。また、一対の可動保持部材175は、閉止位置に配置されると相互に密着する平面に上端が形成されており、支持軸176の軸心を中心とした円筒面に下端が形成されている。
【0088】
そして、不動保持部材174の両端も、可動保持部材175の下端と密着する円筒面に形成されているので、一対の可動保持部材175が閉止位置に配置されると、一対の可動保持部材175と1個の不動保持部材174とで円環形状が形成される。
【0089】
図10および図11に示すように、第2ガイド部材172の前方にはコ字型の開閉連動リンク184が上下方向にスライド自在に支持されており、この開閉連動リンク184の左右の上端に形成されている横長の開口孔185にも可動保持部材175の係合ピン181が係合している。
【0090】
このため、開閉連動リンク184は一対の可動保持部材175に回動の軸心より内側の位置で係合しており、可動保持部材175の開閉と開閉連動リンク184の上下とが連動している。この開閉連動リンク184には、コイルスプリングなどの可動付勢機構(図示せず)が連結されており、この可動付勢機構により開閉連動リンク184が上方に付勢されているので、これで一対の可動保持部材175が開放位置に付勢されている。
【0091】
また、第1/第2ガイド部材171,172の下部には前後方向に連通する貫通孔187が形成されており、この貫通孔187に閉止保持部材186が前後方向にスライド自在に挿入されている。この閉止保持部材186は、コイルスプリングなどの閉止付勢機構(図示せず)で前方に付勢されており、可動保持部材175が閉止位置に配置されたときの開閉連動リンク184の貫通孔187に後方から係合する。
【0092】
閉止保持部材186には手動操作部材188が連結されており、図12に示すように、この手動操作部材188がヘッド本体111の上面に露出している。一対の可動保持部材175が開放位置から閉止位置に変位して開閉連動リンク184が下降すると、その貫通孔187に閉止保持部材186が閉止付勢機構の付勢により係合する。
【0093】
この状態から手動操作部材188により閉止保持部材186が後退されて開閉連動リンク184から離脱すると、この開閉連動リンク184は可動付勢機構の付勢により上方に変位するので、上述の閉止保持部材186と閉止付勢機構と手動操作部材188により開閉連動リンク184を係脱自在にロックする部材保持機構が形成されている。
【0094】
さらに、閉止保持部材186の前端にはマグネット(図示せず)が内蔵されており、開閉連動リンク184の貫通孔187に係合した閉止保持部材186の前端に前方から対向する位置に閉止検知手段としてホール素子139が配置されている(図示せず)
[第3の形態の動作]
上述のような構成において、図12(a)に示すように、注入ヘッド110に薬液シリンジ200が装着されていない状態では、閉止付勢機構で前方に付勢されている閉止保持部材186が開閉連動リンク184の後面に当接しており、その閉止保持部材186に連結されている手動操作部材188は後退している。
【0095】
この状態では、開閉連動リンク184は可動付勢機構により上方に付勢されているので、図9(a)に示すように、一対の可動保持部材175は上方に開口した開放位置に配置されている。また、後退している閉止保持部材186のマグネットがホール素子139に検出されないので、コンピュータユニット140により“クランプが開いています”などのガイダンステキストが液晶ディスプレイ103に表示出力されており、ピストン駆動機構113が作動不能に制御されている。
【0096】
そこで、作業者が薬液シリンジ200のシリンダフランジ203を開放位置に保持された一対の可動保持部材175の凹溝177に挿入して下方に押圧すると、図9(b)に示すように、そのシリンダ部材201およびシリンダフランジ203に可動保持部材175が押圧されて回動し、開閉連動リンク184は付勢に抗して下降する。
【0097】
さらに、作業者が薬液シリンジ200を下方に押圧すると、図9(c)に示すように、そのシリンダ部材201およびシリンダフランジ203に押圧されて可動保持部材175が閉止位置まで回動する。これで薬液シリンジ200は、シリンダフランジ203の上部が一対の可動保持部材175に両側から保持され、下部が不動保持部材174に保持されることになる。
【0098】
このとき、開閉連動リンク184の貫通孔187が第1/第2ガイド部材171,172の貫通孔187と連通し、前方に付勢されている閉止保持部材186が前進して開閉連動リンク184の貫通孔187に係合するので、上述のように不動保持部材174とともにシリンダフランジ203を保持する一対の可動保持部材175がロックされることになる。
【0099】
このとき、前進した閉止保持部材186のマグネットがホール素子139に検出されるので、コンピュータユニット140により“クランプが閉じています”などのガイダンステキストが液晶ディスプレイ103に表示出力され、ピストン駆動機構113が作動可能に制御される。
【0100】
なお、注入作業が終了して手動操作部材188を手動操作で後退させると、閉止保持部材186も後退して開閉連動リンク184から離脱するので、図9(b)に示すように、この開閉連動リンク184は付勢により上方に変位する。
【0101】
これで一対の可動保持部材175が閉止位置から開放位置に回動するので、図9(a)に示すように、作業者は薬液シリンジ200を上方に取り出す。なお、上述のように可動保持部材175が閉止位置から開放位置に回動すると、可動保持部材175の下端により薬液シリンジ200が上方に押し上げられるので、薬液シリンジ200は容易に取り出される。
【0102】
このように薬液注入装置100に薬液シリンジ200が装着されていない状態では、上述のように可動保持部材175は開放位置に保持されているので、特別な準備操作などを必要とすることなく前述のように薬液シリンジ200の装着が開始される。
【0103】
また、後退している閉止保持部材186のマグネットはホール素子139に検出されないので、コンピュータユニット140により“クランプが開いています”などのガイダンステキストが液晶ディスプレイ103に表示出力され、ピストン駆動機構113が作動不能に制御される。
【0104】
[第3の形態の効果]
本形態のフランジ保持機構170でも、一対の可動保持部材175が閉止位置に配置されたことをホール素子139で検知することができるので、可動保持部材175が閉止されていない状態でピストン駆動機構113が作動されることを防止できる。
【0105】
また、薬液シリンジ200を上方から装填すると、そのシリンダフランジ203が一対の可動保持部材175と1個の不動保持部材174により保持されて自動的にロックされ、この状態から手動操作により手動操作部材188を後退させると、一対の可動保持部材175が自動的にシリンダフランジ203を開放する。
【0106】
このため、注入ヘッド110に薬液シリンジ200を片手でも簡単かつ確実に着脱することができるので、医療現場で汚損原因となる薬液注入装置100を片手のみで操作することができ、他方の片手を常時清浄に維持することが可能である。
【0107】
特に、可動保持部材175は、閉止位置に配置されると下端が支持軸176の軸心より下方に位置する形状に形成されているので、手動操作により薬液シリンジ200を上方から圧入するだけで一対の可動保持部材175が自動的に開放位置から閉止位置に回動される。しかも、可動保持部材175が閉止位置から開放位置に変位すると薬液シリンジ200が上方に押し上げられるので、薬液シリンジ200を容易に取り出すことができる。
【0108】
さらに、一対の可動保持部材175に回動軸心より内側で係合している開閉連動リンク184を上方に付勢しているので、簡単な構造で一対の可動保持部材175を開放位置に付勢することができる。しかも、開閉連動リンク184を1個の閉止保持部材186でロックするので、閉止位置に配置された一対の可動保持部材175を簡単な構造でロックすることができる。
【0109】
また、開閉連動リンク184の横長の開口孔185に係合する可動保持部材175の係合ピン181が第2ガイド部材172の円弧形状の開口孔182にも係合しているので、可動保持部材175が不適な位置まで回動することが防止されている。
【0110】
[第3の形態の変形例]
なお、上記形態では可動保持部材175が閉止位置に配置されていることを検知するため、ホール素子139からなる閉止検知手段で閉止保持部材186の変位を検知することを例示したが、このような閉止検知手段の検知対象としては、例えば、可動保持部材175、開閉連動リンク184、等の各種の可動部分が利用可能である。
【0111】
また、上記形態では不動保持部材174と支持軸176と第1ガイド部材171とが一体に形成されていることを例示したが、これらの一部ないし全部を別体に形成しておいて一体に固定することも可能である。さらに、不動保持部材174や支持軸176を第1ガイド部材171ではなく第2ガイド部材172と一体に形成しておくことも可能であり(図示せず)、支持軸176を可動保持部材175と一体に形成しておくことも可能である(図示せず)。また、不動保持部材174と第1/第2ガイド部材171,172とを一体に形成しておき、可動保持部材175に別体の支持軸176や係合ピン181を装着するようなことも可能である。
【0112】
また、上記形態では可動保持部材175に形成されている係合ピン181が開閉連動リンク184の開口孔185に係合することを例示したが、例えば、係合ピン181を開閉連動リンク184に形成するとともに開口孔185を可動保持部材175に形成することも可能である。
【0113】
さらに、上記形態では1個の開閉連動リンク184を付勢することで一対の可動保持部材175を間接的に簡単に付勢するとともに、1個の開閉連動リンク184をロックすることで一対の可動保持部材175を間接的に簡単にロックすることを例示したが、可動保持部材175を直接的に付勢することやロックすることも可能である。
【0114】
[第4の形態の構成]
つぎに、本発明の実施の第4の形態を図13ないし図15を参照して以下に説明する。本形態のフランジ保持機構400は、図14および図15に示すように、平板状の保持機構フレーム401の上面に、U字形状の凹部402が形成されており、この凹部402に薬液シリンジ200のシリンダ部材201が上方から装填される。
【0115】
保持機構フレーム401の後面下方には、不動保持部材404が一体に固定されており、後面上方の左右両側には、一対の可動保持部材405が1個ずつ回動自在に軸支されている。不動保持部材404は、シリンダ部材201の外周面に対応した円弧形状に上面が形成されており、その上面にシリンダフランジ203の下部が係脱自在に挿入される円弧形状の凹溝406が形成されている。
【0116】
一対の可動保持部材405は、シリンダ部材201の外周面に対応した円弧形状に内面が形成されており、シリンダフランジ203の上部が係合する円弧形状の凹溝406が内面に形成されている。なお、不動/可動保持部材404,405は、凹溝406の全部の内面が面一に連通するように形成されているが、特に、シリンダフランジ203の前面が当接する凹溝406の後面は高精度に面一となるように形成されている。
【0117】
一対の可動保持部材405は、その前面が保持機構フレーム401の後面に当接した状態で、部材軸支機構である支持軸409により上下方向に回動自在に軸支されているが、その回動位置を保持する部材保持機構(図示せず)が形成されている。
【0118】
より具体的には、図14に示すように、可動保持部材405の前面には開口孔411が形成されており、この開口孔411にコイルスプリング440とともに球状部材であるボールベアリング413が圧入されている。また、図15(b)に示すように、保持機構フレーム401の後面上方の左右両側には、外側から順番に第1/第2の凹穴414,415が形成されており、これら第1/第2の凹穴414,415に可動保持部材405のボールベアリング413がコイルスプリング440の付勢により弾発的に係合する。
【0119】
一対の可動保持部材405は、そのボールベアリング413が保持機構フレーム401の第1の凹穴414に係合した状態では、図13(a)に示すように、上方に開口してシリンダフランジ203が挿入自在な開放位置に保持され、第2の凹穴41に係合した状態では、図13(c)に示すように、シリンダフランジ203を左右両側から保持する閉止位置に保持される。
【0120】
また、可動保持部材405は、閉止位置に配置されたときに下端が支持軸409の軸心より下方に位置するとともに上端が支持軸409の軸心より上方に位置する形状に形成されており、上端には手動操作されるレバー部416が一体に形成されている。
【0121】
本形態のフランジ保持機構400では、例えば、第2の凹穴415の内部に閉止検知手段として感圧センサ(図示せず)が配置されており、この感圧センサがコイルスプリング412により第2の凹穴415に圧入されるボールベアリング413を検知する。
【0122】
[第4の形態の動作]
上述のような構成において、本形態のフランジ保持機構400では、注入ヘッド110に薬液シリンジ200が装着されていない状態では、可動保持部材405のボールベアリング413が保持機構フレーム401の第1の凹穴41に係合することで、図13(a)に示すように、可動保持部材405が開放位置に保持されている。
【0123】
このとき、第2の凹穴415の感圧センサはボールベアリング413を検知していないので、コンピュータユニット140により“クランプが開いています”などのガイダンステキストが液晶ディスプレイ103に表示出力されており、ピストン駆動機構113が作動不能に制御されている。
【0124】
そこで、開放位置に保持された一対の可動保持部材405の凹溝406に、作業者が薬液シリンジ200のシリンダフランジ203を挿入して下方に押圧すると、図13(b)に示すように、そのシリンダ部材201およびシリンダフランジ203に可動保持部材405が押圧されて回動することでボールベアリング413が第1の凹穴41から脱落する。
【0125】
さらに、作業者が薬液シリンジ200を下方に押圧すると、そのシリンダ部材201およびシリンダフランジ203に押圧されて可動保持部材405が回動することにより、ボールベアリング413が第2の凹穴415に係合し、図13(c)に示すように、これで可動保持部材405が閉止位置に保持される。
【0126】
すると、薬液シリンジ200は、シリンダフランジ203の上部が一対の可動保持部材405に両側から保持され、下部が不動保持部材404に保持されることになる。なお、上述のように薬液シリンジ200を下方に押圧するだけでは可動保持部材405が回動しにくい場合は、所望によりレバー部416の手動操作で可動保持部材405を閉止させることも可能である。
【0127】
このとき、第2の凹穴415の感圧センサがボールベアリング413を検知するので、コンピュータユニット140により“クランプが閉じています”などのガイダンステキストが液晶ディスプレイ103に表示出力され、ピストン駆動機構113が作動可能に制御される。
【0128】
なお、注入作業を終了した作業者が注入ヘッド110から薬液シリンジ200を上方に引き出すと、そのシリンダ部材201およびシリンダフランジ203に可動保持部材405が押圧されて回動することで、ボールベアリング413が第2の凹穴415から脱落する。
【0129】
すると、第2の凹穴415の感圧センサがボールベアリング413を検知しないので、コンピュータユニット140により“クランプが開いています”などのガイダンステキストが液晶ディスプレイ103に表示出力され、ピストン駆動機構113が作動不能に制御される。
【0130】
さらに作業者が薬液シリンジ200を上方に引き上げると、図13(b)に示すように、そのシリンダ部材201およびシリンダフランジ203に押圧されて可動保持部材405が回動することにより、ボールベアリング413が第1の凹穴41に係合する。
【0131】
図13(a)に示すように、これで可動保持部材405が開放位置に保持されるので、薬液シリンジ200が上方に取り出される。なお、上述のように薬液シリンジ200を上方に引き上げるだけでは可動保持部材405が回動しにくい場合は、所望によりレバー部416の手動操作で可動保持部材405を開放させることも可能である。
【0132】
このように薬液注入装置100に薬液シリンジ200が装着されていない状態では、上述のように可動保持部材405は開放位置に保持されているので、特別な準備操作などを必要とすることなく薬液シリンジ200の装着を開始することができる。
【0133】
[第4の形態の効果]
本形態のフランジ保持機構400でも、一対の可動保持部材405が閉止位置に配置されたことを感圧センサで検知することができるので、可動保持部材405が閉止されていない状態でピストン駆動機構113が作動されることを防止できる。
【0134】
また、本形態の薬液注入装置100では、上述のように可動保持部材405は上下方向に回動自在に軸支されており、閉止位置に配置された下端が支持軸409の軸心より下方に位置するとともに上端が上方に位置する形状に形成されている。
【0135】
このため、手動操作により注入ヘッド110の凹部140に薬液シリンジ200を上方から挿入すると一対の可動保持部材405によりシリンダフランジ203が自動的に保持され、この状態から手動操作により薬液シリンジ200を上方に引き出すと一対の可動保持部材405が自動的に開放される。
【0136】
従って、本形態の薬液注入装置100では、注入ヘッド110に薬液シリンジ200を片手でも簡単かつ確実に着脱することができるので、医療現場で汚損原因となる薬液注入装置100を片手のみで操作することができ、他方の片手を常時清浄に維持することが可能である。
【0137】
さらに、本形態の薬液注入装置100では、可動保持部材405の上端に手動操作されるレバー部416が一体に形成されているので、薬液シリンジ200を上下させるだけでは可動保持部材405が回動しにくい場合は、所望によりレバー部416の手動操作で可動保持部材405を開閉させることもでき、可動保持部材405を確実に開閉させることが可能である。
【0138】
[第4の形態の変形例]
なお、上記形態では不動保持部材404と支持軸409と保持機構フレーム401とが別体に形成されていて一体に装着されていることを例示したが、これらの一部ないし全部を一体に形成することも可能である。例えば、不動保持部材404と保持機構フレーム401とを一体に形成することにより、不動保持部材404の機械強度を向上させるとともに、薬液シリンジ200が前方に押圧されるときの可動保持部材405と不動保持部材404との位置精度を向上させることができるので、より強固に薬液シリンジ200を保持することができる。
【0139】
また、上記形態では可動保持部材405の開口孔411にコイルスプリング440とともにボールベアリング413が圧入されており、保持機構フレーム401に第1/第2の凹穴414,415が形成されていることを例示した。しかし、開口孔411を保持機構フレーム401に形成してコイルスプリング440とともにボールベアリング413を圧入し、可動保持部材405に第1/第2の凹穴414,415を形成することも可能である。
【0140】
あるいは、保持機構フレーム401の第1/第2の凹穴414,415に係合する凸部を可動保持部材405に形成したり、可動保持部材405に第1/第2の凹穴414,415を形成するとともに保持機構フレーム401に凸部を形成しておき、可動保持部材405を保持機構フレーム401にコイルスプリングなどで圧接させておくことも可能である。
【0141】
[第5の形態の構成]
つぎに、本発明の実施の第5の形態を図16ないし図18を参照して以下に説明する。本形態のフランジ保持機構420では、図16および図17に示すように、左右一対の可動保持部材421がシリンダフランジ203に対応した円弧形状に形成されており、その内周面にシリンダフランジ203が挿入される凹溝422が形成されている。
【0142】
一対の可動保持部材421は、その外周面に保持アーム423が突出しており、その保持アーム423で上下方向に回動自在に軸支されている。また、可動保持部材421には、例えば、コイルスプリングからなる可動付勢機構(図示せず)が連結されており、図16(a)および図17(b)に示すように、この可動付勢機構により開放位置に付勢されている。可動保持部材421の下端は下方に延長されており、その下端の内側には直角の凹部424が形成されている。
【0143】
一対の可動保持部材421の下方には、平板状の閉止保持部材426が配置されており、この閉止保持部材426は、後端で上下方向に揺動自在に軸支されている。この閉止保持部材426は、例えば、コイルスプリングからなる閉止付勢機構(図示せず)により上方に付勢されており、閉止位置に配置された一対の可動保持部材421の下端の凹部424に前端が下方から係脱自在に係合する。
【0144】
また、可動保持部材421の後方には円弧形状の手動操作部材428が配置されており、この手動操作部材428は、右側の可動保持部材421と同軸に右端で上下方向に揺動自在に軸支されている。この手動操作部材428の左端には手動操作される操作部429が形成されており、図18に示すように、この操作部429は注入ヘッド110の開口部430に露出している。
【0145】
図17に示すように、手動操作部材428は中央部が閉止保持部材426に上方から当接しており、操作部429が下方に手動操作されると閉止保持部材426を下方に変位させる。なお、この閉止保持部材426の前端にはマグネット(図示せず)が内蔵されており、可動保持部材421の凹部424に係合した閉止保持部材426の前端に前方から対向する位置に閉止検知手段としてホール素子139が配置されている(図示せず)。
【0146】
[第5の形態の動作]
上述のフランジ保持機構420では、注入ヘッド110に薬液シリンジ200が装着されていない状態では、図16(a)に示すように、一対の可動保持部材421は可動付勢機構の付勢により開放位置に配置されているので、図18に示すように、そこに薬液シリンジ200のシリンダフランジ203を上方から挿入することができる。
【0147】
このとき、下降している閉止保持部材426のマグネットがホール素子139に検出されないので、コンピュータユニット140により“クランプが開いています”などのガイダンステキストが液晶ディスプレイ103に表示出力されており、ピストン駆動機構113が作動不能に制御されている。
【0148】
そして、シリンダフランジ203が開放位置の可動保持部材421に上方から挿入されると、図16(b)に示すように、そのシリンダフランジ203に押圧されることで可動保持部材421は可動付勢機構の付勢に対抗して開放位置から閉止位置に変位する。
【0149】
すると、図16(c)および図17(b)に示すように、閉止位置に配置された一対の可動保持部材421の下端に閉止保持部材426が閉止付勢機構の付勢により係合するので、図18(b)に示すように、これで可動保持部材421が閉止位置に固定されてシリンダフランジ203が保持される。
【0150】
このとき、閉止保持部材426のマグネットがホール素子139に検出されるので、コンピュータユニット140により“クランプが閉じています”などのガイダンステキストが液晶ディスプレイ103に表示出力され、ピストン駆動機構113が作動可能に制御される。
【0151】
そして、注入作業を終了した作業者が注入ヘッド110の上面側方に露出している操作部429を下方に押圧すると、この押圧により手動操作部材428とともに閉止保持部材426が閉止付勢機構の付勢に対向して下方に変位されるので、この閉止保持部材426が一対の可動保持部材421の下端から脱落する。
【0152】
すると、一対の可動保持部材421は可動付勢機構の付勢により閉止位置から開放位置に変位されるので、これで可動保持部材421によるシリンダフランジ203の保持が解除され、作業者は薬液シリンジ200を上方に取り出すことができる。
【0153】
このとき、下降した閉止保持部材426のマグネットはホール素子139に検出されないので、コンピュータユニット140により“クランプが開いています”などのガイダンステキストが液晶ディスプレイ103に表示出力され、ピストン駆動機構113が作動不能に制御される。
【0154】
なお、このように薬液注入装置100に薬液シリンジ200が装着されていない状態では、上述のように可動保持部材421は開放位置に保持されているので、特別な準備操作などを必要とすることなく薬液シリンジ200の装着が開始される。
【0155】
[第5の形態の効果]
本形態のフランジ保持機構420でも、一対の可動保持部材421が閉止位置に配置されたことを感圧センサで検知することができるので、可動保持部材421が閉止されていない状態でピストン駆動機構113が作動されることを防止できる。
【0156】
また、手動操作により注入ヘッド110の凹部112に薬液シリンジ200を上方から挿入すると、一対の可動保持部材421によりシリンダフランジ203が保持されて自動的に固定される。また、この状態から手動操作により手動操作部材428を下方に変位させると、一対の可動保持部材421が自動的にシリンダフランジ203を開放する。
【0157】
このため、注入ヘッド110に薬液シリンジ200を片手でも簡単かつ確実に着脱することができるので、医療現場で汚損原因となる薬液注入装置100を片手のみで操作することができ、他方の片手を常時清浄に維持することが可能である。
【0158】
特に、可動保持部材421が閉止位置から開放位置に変位すると、シリンダフランジ203が上方に変位されるので、薬液シリンジ200を容易に取り出すことができる。しかも、閉止保持部材426が平板状に形成されており、一端で上下方向に揺動自在に軸支されていて他端で可動保持部材421の下端に係合するので、この係合を円滑に実行することができる。
【0159】
さらに、手動操作部材428は、一端で上下方向に揺動自在に軸支されていて他端に操作部429が位置する円弧形状に形成されており、中央部が閉止保持部材426に上方から当接するので、梃子の原理で閉止保持部材426を簡単に下方に押圧することができる。
【0160】
しかも、手動操作部材428と一対の可動保持部材421の一方とが同軸に軸支されているので、手動操作部材428のために専用の軸支機構を形成する必要がなく、その構造を簡略化して薬液注入装置100の生産性を向上させることができる。
【0161】
[第5の形態の変形例]
なお、上記形態では可動保持部材421が閉止位置に配置されていることを検知するため、ホール素子139からなる閉止検知手段で閉止保持部材426の変位を検知することを例示したが、このような閉止検知手段の検知対象としては、例えば、可動保持部材421、手動操作部材428、等の各種の可動部分が利用可能である。
【0162】
また、上記形態では閉止保持部材426が平板状に形成されていて一端で上下方向に揺動自在に軸支されていることを例示したが、上下方向にスライド自在に支持した閉止保持部材(図示せず)を可動保持部材421の下端に係合させることも可能である。
【0163】
また、上記形態では手動操作部材428が円弧形状に形成されていて一端で上下方向に揺動自在に軸支されていることを例示したが、例えば、上下方向にスライド自在に支持した手動操作部材を閉止保持部材426に上方から当接させることも可能であり、上下方向にスライド自在な閉止保持部材と手動操作部材とを一体に形成することも可能である(ともに図示せず)。
【0164】
[第6の形態の構成]
つぎに、本発明の実施の第6の形態を図19および図20を参照して以下に説明する。本形態のフランジ保持機構440では、可動保持部材441は、シリンダフランジ203に対応した円弧形状に形成されており、シリンダフランジ203が挿入される凹溝442が内周面に形成されている。
【0165】
一対の可動保持部材441は、その外周面に保持アーム444が突出しており、その保持アーム444が部材軸支機構である支持軸445により上下方向に回動自在に軸支されている。保持アーム444の外面には第1/第2の凹溝446,447が形成されており、シャフト圧接機構448により保持シャフト449が保持アーム444の外面に圧接されている。
【0166】
図19(a)に示すように、保持シャフト449が保持アーム444の第1の凹溝446に係合することで、一対の可動保持部材441は上方に開口してシリンダフランジ203が挿入自在な開放位置に保持され、図19(b)に示すように、保持シャフト449が保持アーム444の第2の凹溝447に係合することで、一対の可動保持部材441はシリンダフランジ203を左右両側から保持する閉止位置に保持される。
【0167】
シャフト圧接機構448は、図20に示すように、圧接ガイド部材451、コイルスプリング452、脱落防止部材453、からなり、圧接ガイド部材451で保持シャフト449がスライド自在に支持されている。より具体的には、圧接ガイド部材451は、上面が開口した縦長の中空の直方体状に形成されており、その内部にコイルスプリング452が上下方向に伸縮自在に配置されている。
【0168】
圧接ガイド部材451の前方および後方の部分には、上下方向に連通する幅狭のスリット455が形成されており、このスリット455に保持シャフト449がスライド自在に配置されている。圧接ガイド部材451の左方および右方の部分にも、上下方向に連通する幅広のスリット456が形成されており、このスリット456には可動保持部材441の保持アーム444が変位自在に位置している。
【0169】
前述のように圧接ガイド部材451の内部にはコイルスプリング452が配置されており、このコイルスプリング452により保持シャフト449が上方に付勢されている。脱落防止部材453は、クランク形状に曲折された板状に形成されており、圧接ガイド部材451のスリット456と連通するスリット457が形成されている。
【0170】
圧接ガイド部材451はシリンジ保持部材441と一体に形成されており、そこに脱落防止部材453がボルトナットなどで装着されているので(図示せず)、この脱落防止部材453により圧接ガイド部材451にコイルスプリング452と保持シャフト449とが保持されている。
【0171】
なお、支持軸445により回動自在に軸支されている可動保持部材441の保持アーム444には、閉止検知手段としてロータリエンコーダ(図示せず)が連結されており、このロータリエンコーダにより可動保持部材441が閉止位置に配置されたことが検知される。
【0172】
[第6の形態の動作]
上述のような構成において、本形態のフランジ保持機構440では、注入ヘッド110に薬液シリンジ200が装着されていない状態では、図19(a)に示すように、保持シャフト449が保持アーム444の第1の凹溝446に係合することで可動保持部材441が開放位置に保持されている。
【0173】
このとき、可動保持部材441が閉止位置に配置されていないことが保持アーム444のロータリエンコーダにより検出されているので、コンピュータユニット140により“クランプが開いています”などのガイダンステキストが液晶ディスプレイ103に表示出力されており、ピストン駆動機構113が作動不能に制御されている。
【0174】
そこで、図19(a)に示すように、この開放位置に保持された一対の可動保持部材441に作業者が薬液シリンジ200のシリンダフランジ203を挿入して下方に押圧すると、そのシリンダフランジ203に可動保持部材441が押圧されて回動することで保持シャフト449が保持アーム444の第1の凹溝446から脱落する。
【0175】
さらに、作業者が薬液シリンジ200を下方に押圧すると、そのシリンダフランジ203に押圧されて可動保持部材441が回動することにより、図19(b)に示すように、保持シャフト449が保持アーム444の第2の凹溝447に係合する。
【0176】
図19(b)に示すように、これで可動保持部材441が閉止位置に保持されるので、薬液シリンジ200のシリンダフランジ203が保持される。このとき、可動保持部材441が閉止位置に配置されたことが保持アーム444のロータリエンコーダにより検出されるので、コンピュータユニット140により“クランプが閉じています”などのガイダンステキストが液晶ディスプレイ103に表示出力され、ピストン駆動機構113が作動可能に制御される。
【0177】
そして、注入作業を終了した作業者が注入ヘッド110から薬液シリンジ200を上方に引き出すと、そのシリンダフランジ203に可動保持部材441が押圧されて回動することで、保持シャフト449が保持アーム444の第2の凹溝447から脱落する。
【0178】
さらに作業者が薬液シリンジ200を上方に引き上げると、そのシリンダフランジ203に押圧されて可動保持部材441が回動することにより、図19(a)に示すように、保持シャフト449が保持アーム444の第1の凹溝446に係合する。これで可動保持部材441が開放位置に保持されるので、図1(a)に示すように、薬液シリンジ200が上方に取り出される。
【0179】
このとき、可動保持部材441が閉止位置に配置されていないことが保持アーム444のロータリエンコーダにより検出されるので、コンピュータユニット140により“クランプが開いています”などのガイダンステキストが液晶ディスプレイ103に表示出力され、ピストン駆動機構113が作動不能に制御される。
【0180】
なお、このように薬液注入装置100に薬液シリンジ200が装着されていない状態では、上述のように可動保持部材441は開放位置に保持されているので、特別な準備操作などを必要とすることなく薬液シリンジ200の装着が開始される。
【0181】
[第6の形態の効果]
本形態のフランジ保持機構440でも、一対の可動保持部材441が閉止位置に配置されたことをロータリエンコーダで検知することができるので、可動保持部材441が閉止されていない状態でピストン駆動機構113が作動されることを防止できる。
【0182】
また、手動操作により注入ヘッド110の凹部442に薬液シリンジ200を上方から挿入すると一対の可動保持部材441によりシリンダフランジ203が自動的に保持され、この状態から手動操作により薬液シリンジ200を上方に引き出すと一対の可動保持部材441が自動的に開放される。
【0183】
このため、注入ヘッド110に薬液シリンジ200を片手でも簡単かつ確実に着脱することができるので、医療現場で汚損原因となる薬液注入装置100を片手のみで操作することができ、他方の片手を常時清浄に維持することが可能である。
【0184】
しかも、圧接ガイド部材451でコイルスプリング452と保持シャフト449との両方が保持されており、その圧接ガイド部材451がシリンジ保持部材105と一体に形成されているので、シャフト圧接機構448の構造が簡単で生産性が良好である。
【0185】
[第7の形態の構成]
つぎに、本発明の実施の第7の形態を図21を参照して以下に説明する。本形態のフランジ保持機構460では、可動保持部材461は、シリンダフランジ203に対応した半円弧状に形成されており、シリンダフランジ203が挿入される凹溝462が内周面に形成されている。
【0186】
可動保持部材461は、上方ほど左右に拡開した挿入ガイド463が上部に一体に形成されており、この挿入ガイド463の上面まで上述の凹溝462が形成されている。一対の可動保持部材461は、その外周面に保持アーム464が突出しており、その保持アーム464により上下方向に回動自在に軸支されている。
【0187】
このため、一対の可動保持部材461は、図21(a)に示すように、上方に開口してシリンダフランジ203が挿入自在な開放位置と、図21(b)に示すように、シリンダフランジ203を左右両側から保持する閉止位置と、に変位自在に支持されている。
【0188】
また、図21に示すように、注入ヘッド110には、1個の閉止保持部材465が前後方向にスライド自在に装着されており、この閉止保持部材465は、開放位置の右側の可動保持部材461に後方から当接する解除位置と、閉止位置の右側の可動保持部材461に右側から当接する保持位置とに、スライド自在に支持されている。
【0189】
一対の可動保持部材461には、可動付勢機構である湾曲スプリング(図示せず)が装着されており、この湾曲スプリングが一対の可動保持部材461を開放位置に付勢している。注入ヘッド110には、閉止付勢機構である押圧スプリング(図示せず)が装着されており、この押圧スプリングが閉止保持部材465を保持位置に付勢している。
【0190】
また、図2に示すように、閉止保持部材465には操作レバー(図示せず)が連結されており、この操作レバーがヘッド本体111の上面右側に露出している。さらに、閉止保持部材465の前端にはマグネット(図示せず)が内蔵されており、閉止位置に配置された可動保持部材461を保持する位置まで前進した閉止保持部材465の前端に前方から対向する位置に閉止検知手段としてホール素子139が配置されている(図示せず)。
【0191】
[第7の形態の動作]
本形態のフランジ保持機構460では、薬液シリンジ200が装着されていない状態では、図21(a)に示すように、一対の可動保持部材461は湾曲スプリングの付勢により開放位置に配置されており、押圧スプリングにより前方に付勢されている閉止保持部材465の前端は可動保持部材461の後面に当接している。
【0192】
このとき、可動保持部材461の前端のマグネットがホール素子139に検知されないので、コンピュータユニット140により“クランプが開いています”などのガイダンステキストが液晶ディスプレイ103に表示出力されており、ピストン駆動機構113が作動不能に制御されている。
【0193】
そこで、可動保持部材461の開口に薬液シリンジ200のシリンダフランジ203が上方から挿入されると、図21(b)に示すように、一対の可動保持部材461が湾曲スプリングの付勢に抗して開放位置から閉止位置に変位されるので、これで可動保持部材461により薬液シリンジ200のシリンダフランジ203が保持される。
【0194】
そして、このように可動保持部材461が閉止位置に配置されると、閉止保持部材465が押圧スプリングの付勢により解除位置から保持位置まで前進するので、これで閉止保持部材465の当接により可動保持部材461は閉止位置に固定される。
【0195】
このとき、可動保持部材461の前端のマグネットがホール素子139に検知されるので、コンピュータユニット140により“クランプが閉じています”などのガイダンステキストが液晶ディスプレイ103に表示出力され、ピストン駆動機構113が作動可能に制御される。
【0196】
そして、注入作業を終了した作業者が手動操作により操作レバーを押圧スプリングの付勢に抗して後退させると、図21(a)に示すように、閉止保持部材465が保持位置から解除位置まで後退するので、一対の可動保持部材461が湾曲スプリングの付勢により閉止位置から開放位置に変位する。
【0197】
このとき、変位する一対の可動保持部材461により薬液シリンジ200が上方に押し上げられるので、薬液シリンジ200は可動保持部材461の開口から上方に容易に取り外される。また、可動保持部材461の前端のマグネットがホール素子139に検知されないので、コンピュータユニット140により“クランプが開いています”などのガイダンステキストが液晶ディスプレイ103に表示出力され、ピストン駆動機構113が作動不能に制御される。
【0198】
[実施の形態の効果]
本形態のフランジ保持機構460でも、一対の可動保持部材461が閉止位置に配置されたことをホール素子139で検知することができるので、可動保持部材461が閉止されていない状態でピストン駆動機構113が作動されることを防止できる。
【0199】
また、手動操作により注入ヘッド110の凹部462に薬液シリンジ200が挿入されると一対の可動保持部材461によりシリンダフランジ203が自動的に保持され、この状態から手動操作により操作レバーが後退されると一対の可動保持部材461が自動的に開放される。
【0200】
このため、注入ヘッド110に薬液シリンジ200を片手でも簡単かつ確実に着脱することができるので、医療現場で汚損原因となる薬液注入装置100を片手のみで操作することができ、他方の片手を常時清浄に維持することが可能である。
【0201】
しかも、注入ヘッド110の開口した可動保持部材461に薬液シリンジ200のシリンダフランジ203を挿入し、そのまま薬液シリンジ200を押し下げれば可動保持部材461が自動的に閉止されて固定されるので、薬液シリンジ200を注入ヘッド110に片手でも極めて簡単に装着することができる。特に、可動保持部材461には上方ほど拡開した挿入ガイド463が一体に形成されているので、薬液シリンジ200のシリンダフランジ203を可動保持部材461の凹溝462に簡単に挿入することができる。
【0202】
さらに、薬液シリンジ200を保持している可動保持部材461を開放させると、可動保持部材461の変位により薬液シリンジ200が上方に押し上げられるので、開放された可動保持部材461から薬液シリンジ200を片手でも極めて簡単に取り出すことができる。
【0203】
また、可動保持部材461は、薬液シリンジ200のシリンダフランジ203を左右両側から保持する一対からなるが、閉止保持部材465は一対の可動保持部材461の一方と当接する1個しかないので、可動保持部材461を保持する構造が簡単である。
【0204】
そして、1個の閉止保持部材465が1個の操作レバーに連結されており、2個の閉止保持部材465が2個の操作レバーに個々に連結されている構造が必要なく、2個の閉止保持部材465に1個の操作レバーが連結されている複雑な構造も必要ないので、簡単な構造で片手により閉止保持部材465を操作することができる。
【0205】
【発明の効果】
本発明の薬液注入装置では、薬液シリンジのシリンダフランジを保持する左右一対の可動保持部材が、部材軸支機構により開放位置と閉止位置とに回動自在に軸支されており、部材保持機構により閉止位置に保持されると閉止検知手段により検知されることにより、薬液シリンジのシリンダフランジが確実に保持されているかを判定することができるので、例えば、可動保持部材が閉止位置に配置されていないとピストン駆動機構を作動不能に制御するようなことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態の薬液注入装置のフランジ保持機構の外観を示す正面図である。
【図2】薬液注入装置の注入ヘッドに薬液シリンジが着脱される状態を示す斜視図である。
【図3】薬液注入装置の外観を示す斜視図である。
【図4】透視撮像装置であるCTスキャナの外観を示す斜視図である。
【図5】薬液注入装置の回路構造を示すブロック図である。
【図6】フランジ保持機構の外観を示す斜視図である。
【図7】フランジ保持機構の外観を示す背面図である。
【図8】第2の形態のフランジ保持機構の外観を示す背面図である。
【図9】第3の形態のフランジ保持機構の外観を示す正面図である。
【図10】フランジ保持機構の組立構造を示す分解斜視図である。
【図11】フランジ保持機構の外観を示す斜視図である。
【図12】薬液注入装置の注入ヘッドに薬液シリンジが着脱される状態を示す斜視図である。
【図13】第4の形態のフランジ保持機構の外観を示す正面図である。
【図14】フランジ保持機構の組立構造を示す分解斜視図である。
【図15】フランジ保持機構の外観を示す斜視図である。
【図16】第5の形態のフランジ保持機構の外観を示す正面図である。
【図17】フランジ保持機構の組立構造を示す分解斜視図である。
【図18】薬液注入装置の注入ヘッドに薬液シリンジが着脱される状態を示す斜視図である。
【図19】第6の形態のフランジ保持機構の外観を示す斜視図である。
【図20】フランジ保持機構の組立構造を示す分解斜視図である。
【図21】第7の形態のフランジ保持機構の外観を示す斜視図である。
【符号の説明】
100 薬液注入装置
113 ピストン駆動機構
120,170,400,420,440,460 フランジ保持機構
121,122,141,175,405,421,441,461 可動保持部材
123,174,404 不動保持部材
124,177,406,422,442,462 凹溝
126,176,409,445, 部材軸支機構である支持軸
127,142 凸部
128 シャフト部材
129,143,184 開閉連動リンク
132 保持ガイド部材
133 ガイド支持機構
134 ガイド付勢機構であるコイルスプリング
135 第1の凹部
136 第2の凹部
138,151 部材保持機構
144 係合部
146 スライド支持機構
186,426,465 閉止保持部材
200 薬液シリンジ200
201 シリンダ部材
202 ピストン部材
203 シリンダフランジ
204 ピストンフランジ
300 透視撮像装置であるCTスキャナ
401 保持機構フレーム
411 開口孔
412 コイルスプリング
413 ボールベアリング
414 第1の凹穴
415 第2の凹穴
423,444,464 保持アーム
428 手動操作部材
429 操作部
446 第1の凹溝
447 第2の凹溝
448 シャフト圧接機構
449 保持シャフト

Claims (16)

  1. 円環状のシリンダフランジが後端外周に形成されている円筒状のシリンダ部材にピストン部材がスライド自在に挿入されている薬液シリンジの少なくとも前記シリンダフランジと前記ピストン部材とを別個に保持して相対移動させる薬液注入装置であって、
    前記薬液シリンジの前記シリンダフランジが係脱自在な円弧形状の凹溝が内面に形成されている左右一対の可動保持部材と、
    これらの可動保持部材を上下方向に回動自在に軸支することで上方に開口して前記シリンダフランジが前記凹溝に挿入自在な開放位置と前記シリンダフランジを前記凹溝で両側から保持する閉止位置とに変位自在に配置する部材軸支機構と、
    前記可動保持部材を少なくとも前記閉止位置に保持する部材保持機構と、
    前記部材保持機構が前記可動保持部材を前記閉止位置に保持することによって動作する部材に設けられたマグネットと、
    前記可動保持部材が前記閉止位置に配置されているときに前記マグネットと対向する位置に配置された、前記マグネットを検知するホール素子と、
    を有している薬液注入装置。
  2. 右一対の前記可動保持部材の一方に前記部材軸支機構の軸心より下方の位置で一端が連結されているとともに他端が前記部材軸支機構の軸心より上方の位置で前記可動保持部材の他方に連結されている開閉連動リンクをさらに有している請求項1に記載の薬液注入装置。
  3. 記可動保持部材と一体に形成されていて前記部材軸支機構の軸心に対して直交する方向に突出している凸部と、
    左右一対の前記可動保持部材の凸部に上端部分が個々に連結されていて下端部分が相互に連結されている左右一対の開閉連動リンクと、
    左右一対の前記開閉連動リンクの相互に連結されている下端部分を上下方向にスライド自在に支持しているスライド支持機構と、をさらに有している請求項1に記載の薬液注入装置。
  4. 記部材保持機構は、
    一対の前記可動保持部材の一方に形成されていて前記部材軸支機構の軸心に対して直交する方向に突出している係合部と、
    前記開放位置に配置された前記可動保持部材の前記係合部が係脱自在に係合する第1の凹部と前記閉止位置に配置された前記可動保持部材の前記係合部が係脱自在に係合する第2の凹部とが形成されている保持ガイド部材と、
    この保持ガイド部材を前記係合部に対して接離自在に支持しているガイド支持機構と、
    変位自在な前記保持ガイド部材を前記係合部に対して弾発的に付勢しているガイド付勢機構と、
    を有している請求項1に記載の薬液注入装置。
  5. 前記部材保持機構は、
    左右一対の前記開閉連動リンクの相互に連結されている下端部分からなる係合部と、
    前記開放位置に配置された前記可動保持部材の前記係合部が係脱自在に係合する第1の凹部と前記閉止位置に配置された前記可動保持部材の前記係合部が係脱自在に係合する第2の凹部とが形成されている保持ガイド部材と、
    この保持ガイド部材を前記係合部に対して接離自在に支持しているガイド支持機構と、
    変位自在な前記保持ガイド部材を前記係合部に対して弾発的に付勢しているガイド付勢機構と、
    を有している請求項に記載の薬液注入装置。
  6. 対の前記可動保持部材を前記開放位置に付勢している可動付勢機構と、
    上下方向にスライド自在に支持されて一対の前記可動保持部材に前記回動の軸心より内側の位置で係合しており、前後方向に貫通する貫通孔が形成されるとともに、前記可動保持部材の開閉と連動して上下動する開閉連動リンクと、
    さらに有しており、
    前記部材保持機構は、
    前記可動保持部材が閉止位置にあるときの前記開閉連動リンクの貫通孔に係合するように前後方向に変位可能に支持された閉止保持部材と、前記閉止保持部材を前記貫通孔に係合する前進方向に付勢する閉止付勢機構と、前記閉止保持部材を前記貫通孔との係合から離脱させる後退方向に移動させるように手動操作される手動操作部材とを有し、前記可動保持部材が前記閉止位置に配置されたときの前記開閉連動リンクを係脱自在にロックする請求項1に記載の薬液注入装置。
  7. 下方向にスライド自在に支持されて一対の前記可動保持部材に前記回動の軸心より内側の位置で係合しており、前後方向に貫通する貫通孔が形成されるとともに、前記可動保持部材の開閉と連動して上下動する開閉連動リンクと、
    この開閉連動リンクを上方に付勢している可動付勢機構と、
    さらに有しており、
    前記部材保持機構は、
    前記可動保持部材が閉止位置にあるときの前記開閉連動リンクの貫通孔に係合するように前後方向に変位可能に支持された閉止保持部材と、前記閉止保持部材を前記貫通孔に係合する前進方向に付勢する閉止付勢機構と、前記閉止保持部材を前記貫通孔との係合から離脱させる後退方向に移動させるように手動操作される手動操作部材とを有し、前記閉止位置に配置された前記可動保持部材を係脱自在にロックする請求項1に記載の薬液注入装置。
  8. 記部材保持機構は、上下方向に変位自在に支持されていて前記閉止位置に配置された一対の前記可動保持部材の下端に係合する閉止保持部材と、この閉止保持部材を上方に付勢している閉止付勢機構と、を有しており、
    一対の前記可動保持部材を前記開放位置に付勢している可動付勢機構と、
    手動操作に対応して前記閉止保持部材を下方に変位させる手動操作部材と、
    も有している請求項1に記載の薬液注入装置。
  9. 前記閉止保持部材が、一端で上下方向に揺動自在に軸支されていて前記閉止位置に配置された一対の前記可動保持部材の下端に他端が下方から係脱自在に係合する平板状に形成されている請求項に記載の薬液注入装置。
  10. 前記手動操作部材が、一端で上下方向に揺動自在に軸支されているとともに他端に手動操作される操作部が形成されていて中央部が前記閉止保持部材に上方から当接する円弧形状に形成されている請求項に記載の薬液注入装置。
  11. 記部材保持機構は、
    一対の前記可動保持部材を前記開放位置に付勢している可動付勢機構と、
    開放位置の前記可動保持部材に前記軸心方向から当接する解除位置と閉止位置の前記可動保持部材に前記軸心方向の直交方向から当接する保持位置とに前記軸心方向でスライド自在な閉止保持部材と、
    この閉止保持部材を前記保持位置に付勢している閉止付勢機構と、
    を有している請求項1に記載の薬液注入装置。
  12. 記シリンダフランジの下部が係脱自在な円弧形状の凹溝が上面に形成されている不動保持部材をさらに有しており、
    左右一対の前記可動保持部材が前記不動保持部材の上方の左右両側に1個ずつ配置されている請求項1に記載の薬液注入装置。
  13. 前記ピストン部材をスライド移動させるピストン駆動機構と、
    前記可動保持部材が前記閉止位置に配置されていることを前記閉止検知手段が検知していないと前記ピストン駆動機構を作動不能に制御する駆動制御手段と、
    も有している請求項1ないし12の何れか一項に記載の薬液注入装置。
  14. 前記可動保持部材の位置に並設されているディスプレイパネルと、
    前記閉止検知手段の検知結果を前記ディスプレイパネルに表示出力させる開閉表示手段と、
    も有している請求項1ないし13の何れか一項に記載の薬液注入装置。
  15. 前記閉止位置に配置された前記可動保持部材の下端が前記部材軸支機構の軸心より下方に位置しているとともに上端が上方に位置している請求項1ないし14の何れか一項に記載の薬液注入装置。
  16. 請求項1ないし15の何れか一項に記載の薬液注入装置と、前記薬液シリンジのシリンダフランジが係脱自在に係合する凹部が後面内側に形成されている円環状のアダプタフランジが後端外周に形成されていて前記シリンダ部材が後端から着脱自在に装填される円筒状のシリンダアダプタと、を有しており、
    前記薬液注入装置は、前記シリンダ部材が装填された前記シリンダアダプタのアダプタフランジを前記不動保持部材と一対の前記可動保持部材とで保持することで前記シリンダフランジを間接的に保持する薬液注入システム。
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