JP4490308B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のインバータを組み合わせて、階調制御により所望の出力波形を得ることが可能な電力変換装置に関するものである。
従来の電力変換装置は、3つの単相インバータを直列接続された単相多重変換器から成る。各単相インバータは、系統からトランスを通して引き込まれる3相交流電力を整流して直流電力に変換する3相コンバータ部と、その直流電力を平滑するコンデンサと、該コンデンサを直流電源として直流電力を交流電力に変換する単相インバータ部とを備える。このように構成される各単相インバータは、それぞれコンデンサに充電される電圧Va、Vb、Vcを電圧源として電圧を出力するが、Va、Vb、Vcの関係は、それぞれ異なる値(Va<Vb<Vc)で、1:2:4、1:3:4、1:3:5、1:3:6、1:3:7、1:3:8、1:3:9のいずれかの関係となる。3つの単相インバータの発生電圧の組み合わせにより、非常に滑らかな出力階調電圧が得られる。
また、最下位ビットの単相インバータを、交流電源からの電力供給を不要としてトランスおよびコンバータ部を省略することが可能で、最下位ビットの単相インバータは力行と回生とを交互に繰り返し、該単相インバータの電圧源であるコンデンサは放電と充電とを交互に繰り返すことにより、電圧発生する(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−007941号公報(実施の形態1、実施の形態9)
このような電力変換装置、例えばVa、Vb、Vcの関係が1:2:4である3つの単相インバータから成る電力変換装置では、交流電圧波形を出力させるのに、出力電圧のピーク時に全単相インバータがコンデンサを放電させて7階調で出力するように設定される。即ち、各コンデンサの電圧Va、Vb、Vcは、その合計が所望のピーク電圧と同等となるように設定されている。しかしながら、ピーク電圧時には一般に大きな瞬時電力となり、ピーク電圧付近で各コンデンサが常に放電状態となることにより、コンバータから各コンデンサに供給する電力を低減するのは困難であった。
また、電力変換装置に接続される負荷が例えば非線形負荷である場合、出力の瞬時電力は非線形に大きく変化する。このように負荷の状態によって大きな瞬時電力が必要となるものであるため、コンバータから各コンデンサに供給される電力も大きくなり、大容量のコンバータが必要になるという問題があった。
この発明は、上記のような問題点を解消するために成されたものであって、複数の単相インバータを階調制御する電力変換装置において、各単相インバータの直流電源へコンバータから供給される電力の低減化を図り、コンバータを簡略化し、電力変換装置の小型化、簡略化を促進することを目的とする。
この発明に係る電力変換装置は、直流電源の直流電力を交流電力に変換する単相インバータの交流側を複数直列接続し、上記複数の単相インバータの中から選択された所定の組み合わせによる各発生電圧の総和により出力電圧を階調制御して負荷に電力供給する。そして、上記各単相インバータの入力となる複数の上記直流電源は、コンバータを介して第2の電源から生成され、該各直流電源の電圧比を略一定に保ちつつ各電圧を可変とし、該各電圧は上記負荷により変化する出力電流波形に応じて決定されるものである。
このような電力変換装置では、複数の単相インバータの入力となる各直流電源の電圧比を略一定に保ちつつ各電圧を可変とし、該各電圧は上記負荷により変化する出力電流波形に応じて決定されるため、各直流電源では、階調制御における放電と他の直流電源の電荷による充電とを選択する自由度が向上し、各電圧を適切に設定することで各直流電源へコンバータから供給される電力を低減化することができる。これにより、コンバータが簡略化でき、電力変換装置の小型化、簡略化を促進できる。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について説明する。
図1は、この発明の実施の形態1による電力変換装置を示す構成図である。
図に示すように、複数の単相インバータ1a、1b、1cの交流側を直列に接続してインバータユニット100を構成する。各単相インバータ1a〜1cは、ダイオードを逆並列に接続した複数個のIGBT等の自己消弧型半導体スイッチング素子で構成され、直流電圧源3a〜3cからの直流電力を交流電力に変換して出力し、負荷2に電力供給する。直流電圧源3a〜3cの直流電圧V1〜V3はそれぞれ異なり、その電圧比は一定、例えば1:3:9に制御されるが、各電圧V1〜V3は設定を可変とする。また、これら直流電圧源3a〜3cには、第2の電圧源5からコンバータ4によって電力供給される。
各単相インバータ1a〜1cは出力として正負およびゼロの電圧を発生することができる。例えば単相インバータ1aにおいて、出力が正の時には、図1で示した半導体スイッチング素子a1、a4がオンし、出力が負の時には半導体スイッチング素子a2、a3がオンする。また出力が0の時には半導体スイッチング素子a1、a3(あるいはa2、a4)がオンする。インバータユニット100は、3つの単相インバータ1a〜1cの発生電圧を組み合わせることによって、その総和として所定の電圧を階調制御により出力する。
ここで、直流電圧源3a〜3cの直流電圧V1〜V3を、V1=V0、V2=3V0、V3=9V0とすると、各単相インバータ1a〜1cの階調制御における出力パターンとインバータユニット100の出力電圧Vとの関係は、図2の通りとなる。なお、図中、各単相インバータ1a〜1cの出力パターンは、各単相インバータ1a〜1cの直流電圧V1〜V3を正(+)、負(−)あるいは0のいずれのモードで発生するかを示す。
このような電力変換装置は、3つの単相インバータ1a〜1cの発生電圧の総和により、絶対値レベルで0〜13の14階調の出力電圧が得られる。これにより、正弦波に近い極めて滑らかな出力電圧波形が得られる。
ところで、各単相インバータ1a〜1cが動作する時、各直流電圧源3a〜3cは、当該単相インバータ1a〜1cの発生電圧と電流との積の極性が正の時には放電し、負の時には他の直流電圧源3a〜3cからの電荷により充電される。例えば、接続される負荷2が力率1の線形負荷とすると、インバータユニット100の出力電圧が高い時には電流の波高値も大きくなる。このため、各単相インバータ1a〜1cの力行、回生時の瞬時電力もインバータユニット100の出力電圧が高い時の方が大きくなり、そのときの各直流電圧源3a〜3cの充電量、放電量はそれぞれ大きいものとなる。
図3に、出力目標電圧6に対して出力電圧7を仮に最大13階調レベル(13V0)まで出力させる場合の、各単相インバータ1a〜1cおよびインバータユニット100の出力電圧波形を示す。
出力目標電圧6に対して出力電圧7を最大13階調レベルまで出力すると、各単相インバータ1a〜1cは、図3に示すような力行、回生の出力パターンで出力し、出力電圧7が高い領域で各直流電圧源3a〜3cを放電する力行状態となる。このため、接続される負荷2が力率1の線形負荷とすると、瞬時電力が大きい領域で直流電圧源3a〜3cのすべてについて放電量の方が格段と大きくなり、電力変換装置の運転とともに直流電圧源3a〜3cの電圧V1〜V3を低下させないためには、コンバータ4は各直流電圧源3a〜3cにそれぞれ大電力を供給する必要がある。
次に、直流電圧源3a〜3cの各電圧V1〜V3を1:3:9の電圧比を保持した状態で図3で示した場合よりも高くし、出力目標電圧6に対し、出力電圧を最大11階調レベルまで出力する場合について示す。
出力目標電圧6の波高値Vmとすると、最大13階調レベルで出力していた図3の場合では、V1(=V0)が概(Vm/13)であるが、この場合は最大11階調レベルで出力するため、V1(=V0)は概(Vm/11)とする。
この場合の各単相インバータ1a〜1cおよびインバータユニット100の出力電圧波形を図4に示す。8aは、接続される負荷2が力率1の線形負荷の場合の負荷電流である。
力率1の線形負荷を用いた場合に、各単相インバータ1a〜1cを図4に示すような力行、回生の出力パターンで出力して、出力目標電圧6に近い出力電圧7aを得ると、出力電圧が高い時、即ち瞬時電力が大きい時、2つの直流電圧源3a、3bは、各単相インバータ1a〜1cを介した充放電電力が、図3で示した場合に比べて小さくなる。このため、電圧V1、V2の変化は小さくなり、コンバータ4による直流電圧源3a〜3c全体への供給電力を小さくできる。
次に、非線形な負荷電流8bが流れる負荷2を接続した場合について、以下に説明する。
各単相インバータ1a〜1cを介する直流電圧源3a〜3cの充放電は電流が流れている時のみ行われる。この場合、ピーク付近での瞬時電力が大きくなり、各単相インバータ1a〜1cの最大11階調レベルまで出力する図4で示したパターンを仮に用いたとすると、単相インバータ1aの回生電力および単相インバータ1bの消費電力が大きくなる。即ち、直流電圧源3aの充電電力および直流電圧源3bの放電電力が大きくなる。
このため、このような非線形な負荷電流8bが流れる負荷2を接続した場合では、図5で示すような出力パターンを用いて、出力目標電圧6に対し、出力電圧を最大10階調レベルまで出力する。出力目標電圧6の波高値Vmとすると、V1(=V0)を概(Vm/10)として電圧比が1:3:9となるように各電圧V1〜V3を設定する。図5に示すように、最大10階調レベルまで出力する出力パターンでは、最大11階調レベルまで出力する図4で示した場合と比べて、単相インバータ1a、1bは1周期での授受電力が減少する。このため、2つの直流電圧源3a、3bは、各単相インバータ1a〜1cを介した充放電電力が小さくなるために電圧V1、V2の変化は小さくなる。これによりコンバータ4による直流電圧源3a〜3c全体への供給電力を小さくできる。
この実施の形態では、直流電圧源3a〜3cの各直流電圧V1〜V3を可変設定でき、電圧比を例えば1:3:9の一定に制御する。そして、接続される負荷2の出力電流波形8a、8bに応じて各単相インバータ1a〜1cの出力パターンを、該各単相インバータ1a〜1cを介して直流電圧源3a〜3cが充放電する電力が小さくなるように決定する。例えば、力率1の線形負荷を用いた場合では、最大11階調レベルまで出力する図4で示す出力パターンを用い、図5で示すような非線形な負荷電流8bの場合は、最大10階調レベルまでの出力パターンを用いる。そして、このように決定される出力パターンに応じて、直流電圧源3a〜3cの各電圧V1〜V3を設定する。即ち、出力目標電圧6の波高値Vmを、決定された出力パターンにおける最大階調レベルの階調数Nで割った電圧(Vm/N)をV1とし、電圧比が1:3:9となるように各電圧V1〜V3を設定する。
このように、負荷2に応じて各直流電圧V1〜V3の設定を適切に変化させることにより、コンバータ4による直流電圧源3a〜3cへの供給電力を小さくでき、コンバータ4を小型化、簡略化できる。また、小型で簡略なコンバータ4を用い、各直流電圧V1〜V3を設定値に良好に保持して所望の出力を安定して得ることができる。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2について説明する。
図6は、この発明の実施の形態2による電力変換装置を示す構成図である。
上記実施の形態1と同様に、複数の単相インバータ1a、1b、1cの交流側を直列に接続してインバータユニット100を構成し、各単相インバータ1a〜1cは、直流電圧源3a〜3cからの直流電力を交流電力に変換して出力する。3つの単相インバータ1a〜1cの発生電圧の総和により、多数階調の出力電圧を得て、接続された負荷2に電力供給する。直流電圧源3a〜3cの直流電圧V1〜V3はそれぞれ異なり、その電圧比は一定、例えば1:3:9に制御されるが、各電圧V1〜V3は設定を可変とする。
そして、これら直流電圧源3a〜3cのうち、直流電圧源3b、3cは第2の電圧源5からコンバータ4aにより電力供給して各電圧V2、V3を設定電圧に制御し、直流電圧源3aは初期充電回路9により初期充電する。
直流電圧源3aは、初期充電回路9により直流電圧V1を所定値に初期充電した後、定常運転時には直流電圧V1がほぼ一定となるように制御する。即ち、該各単相インバータ1a〜1cを介した直流電圧源3aの放電と充電とをバランスさせて充放電電力が略0となるように単相インバータ1aの出力パターンを決定する。
この場合も、上記実施の形態1と同様に、接続される負荷2に応じて各単相インバータ1a〜1cの出力パターンを、該各単相インバータ1a〜1cを介して直流電圧源3a〜3cが充放電する電力が小さくなるように決定するが、その際、特に、単相インバータ1aの出力パターンを上述したように充放電電力が略0となるように決定する。そして、このように決定される出力パターンに応じて、直流電圧源3a〜3cの各電圧V1〜V3を設定する。
これにより、コンバータ4aに接続する直流電圧源3b、3cの数を減らすことができると共に、コンバータ4aによる供給電力を小さくでき、コンバータ4aを小型化、簡略化できる。また、小型で簡略なコンバータ4aを用い、各直流電圧V1〜V3を設定値に良好に保持して所望の出力を安定して得ることができる。
なお、上記実施の形態では、直流電圧源3aに初期充電回路9を設けて直流電圧V1がほぼ一定となるように各単相インバータ1a〜1cを制御したが、直流電圧源3bを初期充電して直流電圧V2がほぼ一定となるように制御しても良い。
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3について説明する。
図7は、この発明の実施の形態3による電力変換装置を示す構成図である。
上記実施の形態1と同様に、複数の単相インバータ1a、1b、1cの交流側を直列に接続してインバータユニット100を構成し、各単相インバータ1a〜1cは、直流電圧源3a〜3cからの直流電力を交流電力に変換して出力する。3つの単相インバータ1a〜1cの発生電圧の総和により、多数階調の出力電圧を得て、接続された負荷2に電力供給する。直流電圧源3a〜3cの直流電圧V1〜V3はそれぞれ異なり、その電圧比は一定、例えば1:3:9に制御されるが、各電圧V1〜V3は設定を可変とする。
そして、これら直流電圧源3a〜3cのうち、直流電圧源3cは第2の電圧源5からコンバータ4bにより電力供給して電圧V3を設定電圧に制御し、V1〜V3の電圧比を一定に調整する第2のコンバータとしての電圧比制御コンバータ10を別途設ける。
V1〜V3の電圧比を一定に制御する電圧比制御コンバータ10の構成例を図8に示す。図に示すように、電圧比制御コンバータ10は、巻線比1:3:9の巻線11a〜11cで構成されるトランス11とスイッチング素子12a〜12cとで構成され、各巻線11a〜11cおよびスイッチング素子12a〜12cを各直流電圧源3a〜3cに接続する。
この場合も、上記実施の形態1と同様に、接続される負荷2に応じて各単相インバータ1a〜1cの出力パターンを、該各単相インバータ1a〜1cを介して直流電圧源3a〜3cが充放電する電力が小さくなるように決定する。そして、このように決定される出力パターンに応じて、直流電圧源3a〜3cの各電圧V1〜V3を設定する。そして、コンバータ4bによって直流電圧源3cの電圧V3を設定電圧に制御し、電圧比制御コンバータ10は各スイッチング素子12a〜12cを同時にオンオフさせて、V1:V2:V3=1:3:9となるように直流電圧源3a〜3c間で電力の授受を行う。
これにより、コンバータ4bに接続して電圧制御する直流電圧源3cを1つにすることができ、制御を簡素化することができる。また、上記実施の形態1と同様に、コンバータ4bによる供給電力を小さくでき、小型で簡略なコンバータ4bを用い、各直流電圧V1〜V3を設定値に良好に保持して所望の出力を安定して得ることができる。
実施の形態4.
次に、負荷条件が不定であったり、運転中に変化する場合について説明する。
図9は、この発明の実施の形態4による電力変換装置を示す構成図である。
上記実施の形態1と同様に、複数の単相インバータ1a、1b、1cの交流側を直列に接続してインバータユニット100を構成し、各単相インバータ1a〜1cは、直流電圧源3a〜3cからの直流電力を交流電力に変換して出力する。3つの単相インバータ1a〜1cの発生電圧の総和により、多数階調の出力電圧を得て、接続された負荷2に電力供給する。直流電圧源3a〜3cには、第2の電圧源5からコンバータ4によって電力供給され、直流電圧源3a〜3cの直流電圧V1〜V3は、後述する電圧決定手段にて演算される電圧指令値により電圧比を一定、例えば1:3:9に制御される。
電圧決定手段は、各直流電圧源3a〜3cの各電圧V1〜V3を検出する電圧センサ20a〜20cと、電圧センサ20aからの所定の直流電圧源3aの電圧検出値と基準電圧22との偏差を演算する比較器21と、該偏差を小さくするためのフィードバック信号を出力するPI制御器23と、出力電圧の各階調レベルの閾値を演算する閾値演算部24と、インバータユニット100の出力目標25を絶対値変換する絶対値演算部26と、出力パターン判定部27と、出力パターン判定部27の出力と上記フィードバック信号とから出力パターンを決定して各電圧V1〜V3の指令値を出力する電圧決定部28とを備える。
PI制御器23は、電圧V1の基準電圧からの偏差を小さくするために、電圧V1を増大させるか減少させるか、あるいは偏差が略0の場合には電圧V1を保持させる指令をフィードバック信号として出力する。
閾値演算部24では、各電圧V1〜V3の電圧検出値に基づいて、階調制御における出力階調切り替えのための各閾値、この場合0〜13の14階調の閾値を演算して出力する。出力パターン判定部27では、出力目標25の絶対値と閾値演算部24からの各閾値とを入力として、各単相インバータ1a〜1cの出力パターンを判定する。例えば、出力目標25の電圧を出力するには最大10階調レベルの出力パターンを用いることが判定されたとする。また、このとき出力目標25の波高値と10階調の閾値との大小関係も判定しておく。
電圧決定部28では、出力パターン判定部27の出力とPI制御器23からのフィードバック信号とを入力するが、例えば、最大10階調レベルの出力パターンで電圧V1を増大させる指令が入力されたとする。図4で示した出力パターンから判るように、階調レベルが10階調の出力パターンでは直流電圧源3aは放電するパターンとなっているため、電圧V1を増大させるためには、充電するパターンか充放電なしのパターンに変更する。この場合、出力目標25の波高値に近い側の最大11階調レベル(あるいは最大9階調レベル)のいずれかを採用し、波高値を最大階調数11(あるいは9)で割ってV1の指令値を演算し、電圧比が1:3:9となるように他の電圧V2、V3の指令値を決定する。
そして、電圧決定部28からの各電圧V1〜V3の指令値がコンバータ4に入力され、各直流電圧源3a〜3cの各電圧V1〜V3は指令値の電圧に調整される。
また、出力パターン判定部27で判定された各単相インバータ1a〜1cの出力パターンは、ゲート駆動信号生成部30にも入力される。インバータユニット100の出力目標25は極性判定部29にて極性判定され、ゲート駆動信号生成部30では、各単相インバータ1a〜1cの出力パターンと極性判定部29からの極性とを入力として、各単相インバータ1a〜1cの半導体スイッチング素子を駆動するゲート駆動信号g11〜g44が生成され、各単相インバータ1a〜1cが駆動される。
この実施の形態では、直流電圧源3aの電圧検出値と基準電圧22との偏差を小さくするためのフィードバック信号により各単相インバータ1a〜1cの出力パターンを変更して電圧変更する。各単相インバータ1a〜1cの出力パターンは、該各単相インバータ1a〜1cを介する直流電圧源3aの充放電を調整して電圧V1の増減を調整するように決定する。そして、このように決定される出力パターンに応じて、直流電圧源3a〜3cの各電圧V1〜V3の指令値を決定する。
このように、予め負荷2がわからない場合や運転中に負荷条件が変化する場合にも、コンバータ4からの電力供給を小さくするように直流電圧源3a〜3cの各電圧V1〜V3を調整することができ、コンバータ4を小型化、簡略化できる。また、小型で簡略なコンバータ4を用いて所望の出力を安定して得ることができる。
なお、上記実施の形態4で用いた基準電圧22は、直流電圧V1〜V3の最大電圧V3の電圧検出値を9で割った値を用いると、直流電圧V1〜V3の電圧比を1:3:9に精度良く制御でき、コンバータ4からの電力供給を小さくするように各電圧V1〜V3を安定して調整できる。
また、上記実施の形態4では、直流電圧源3aの電圧V1について、電圧検出値と基準電圧22との偏差を小さくするように各単相インバータ1a〜1cの出力パターンを変更して電圧V1の指令値を決定したが、直流電圧源3bの電圧V2について同様に指令値を決定しても良い。その場合、直流電圧V3の電圧検出値を3で割った値を基準電圧22に用いると、直流電圧V1〜V3の電圧比を1:3:9に精度良く制御でき、コンバータ4からの電力供給を小さくするように各電圧V1〜V3を安定して調整できる。
また、このように直流電圧源3a〜3cの各電圧V1〜V3の指令値を決定して制御する手法は、上記実施の形態2、3の図6、図7で示した電力変換装置に適用することもでき、同様の効果が得られる。
この発明の実施の形態1による電力変換装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態1による各単相インバータの出力パターンと出力電圧Vとの関係を示す図である。 この発明の実施の形態1による各単相インバータおよびインバータユニットの出力電圧波形の比較例を示す図である。 この発明の実施の形態1による各単相インバータおよびインバータユニットの出力電圧波形の一例を示す図である。 この発明の実施の形態1による各単相インバータおよびインバータユニットの出力電圧波形の別例を示す図である。 この発明の実施の形態2による電力変換装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態3による電力変換装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態3による電圧比制御コンバータを示す構成図である。 この発明の実施の形態4による電力変換装置を示す構成図である。
符号の説明
1a〜1c 単相インバータ、2 負荷、3a〜3c 直流電圧源、
4,4a,4b コンバータ、5 第2の電圧源、6 目標電圧、
7,7a,7c 出力電圧、8a,8b 負荷電流、
10 第2のコンバータとしての電圧比制御コンバータ、20a〜20c 電圧センサ、
21 比較器、22 基準電圧、27 出力パターン判定部、28 電圧決定部、
100 インバータユニット。

Claims (6)

  1. 直流電源の直流電力を交流電力に変換する単相インバータの交流側を複数直列接続し、上記複数の単相インバータの中から選択された所定の組み合わせによる各発生電圧の総和により出力電圧を階調制御して負荷に電力供給する電力変換装置において、上記各単相インバータの入力となる複数の上記直流電源は、コンバータを介して第2の電源から生成され、該各直流電源の電圧比を略一定に保ちつつ各電圧を可変とし、該各電圧は上記負荷により変化する出力電流波形に応じて決定されることを特徴とする電力変換装置。
  2. 上記各直流電源の上記各単相インバータを介した充放電電力に基づいて、所望の出力電圧に要する階調制御での階調数を決定し、該決定された階調数に応じて上記各直流電源の電圧を決定することを特徴とする請求項記載の電力変換装置。
  3. 上記複数の直流電源の内、所定の直流電源について、上記各単相インバータを介した放電と充電との組み合わせを、該充電と放電とがバランスするように制御し、上記他の直流電源の電圧は、上記コンバータにより所定の電圧に制御することを特徴とする請求項1または2記載の電力変換装置。
  4. 上記コンバータは上記複数の直流電源の内、基準となる1つの直流電源の電圧のみを所定の電圧に制御し、当該電圧を基準として各直流電源の電圧比が略一定となるように該各直流電源間の電力授受を制御する第2のコンバータを備えて、他の直流電源の電圧を制御することを特徴とする請求項1または2記載の電力変換装置。
  5. 上記複数の直流電源の内、所定の直流電源の電圧を、該電圧検出値と基準電圧との偏差が小さくなるように決定する電圧決定手段を備え、該電圧決定手段は、上記所定の直流電源の上記各単相インバータを介した充放電を調整するように該各単相インバータの階調制御における出力パターンを決定し、上記所定の直流電源の電圧を該出力パターンに基づいて決定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  6. 上記電圧決定手段は、電圧が最大である直流電源の電圧検出値と所定の電圧比関係になる電圧を演算して上記基準電圧としたことを特徴とする請求項記載の電力変換装置。
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