JP4490154B2 - 細胞培養装置 - Google Patents
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Description
特に、平面状に展開された培養細胞を詳細に観察可能とするとともに、培養細胞の表面を全面的に走査して培養細胞のコロニーの有無とサイズも同時に観察可能な技術に関する。
培養器全体を低倍率広画角のレンズを使ったカメラで撮影する場合、コロニーの有無の迅速に確認できる。
また、コロニーの有無とサイズを確認した後、任意のコロニー内の細胞を撮影するには、より高い倍率のレンズを別途用意しなければならない。
また、上記作業間の切り替えをするにあたり、外部からのコンタミを排除可能な培養装置を提供することにある。
また、上記培養状態の観察にあたり、培養細胞へのダメージを極力排除可能な培養装置を提供することにある。
すなわち、本発明第一の特徴によれば、細胞を培養する培養器と、前記培養器内の細胞を撮像し、平面に直交する方向に光軸を有し、その視野範囲が前記培養器の表面より狭いカメラと、前記撮像して得られた画像を表示する表示手段と、を備えた細胞培養装置において、前記カメラの視野範囲に入らない培養器の表面部分が視野範囲に入るように、相対的に移動して培養器表面の全面にわたって走査し撮像を可能とする駆動手段、事前に走査し撮像して得られた画像から求められた培養容器の大きさ、カメラの倍率および視野範囲の情報をもとに画像情報位置リストを作成し、前記培養器の表面と前記視野範囲との関係から前記相対的移動の経路を計画するとともに、カメラの動かし方と撮影ポイントを事前に決定する手段、および、前記表示画像に基づいて、多値化した濃淡画像をあらかじめ求められた閾値と比較して二値化し、細胞の培養状態を表示する手段を備える。
細胞培養の際、任意のコロニー内の細胞の培養状態を詳細に観察できる。
また、レンズの交換作業をぜずに、培養状態の詳細観察用の高倍率レンズとカメラを用いたまま、カメラの走査と画像処理によって培養細胞のコロニーの存在有無とサイズを容易に確認できる。
細胞培養装置11は、少なくとも細胞を培養する培養器12や細胞を撮影するためのカメラ13を内部に閉鎖的に収納したインキュベータ22と、カメラ13から得られる画像データを画像処理ユニット14に転送するため電気信号に変換するコンバータ15と、カメラ13または培養器12を移動するためのカメラ・培養器駆動装置16、カメラ・培養器駆動装置16を任意の位置に移動するためのモータコントローラ17から構成されている。
図2に基づいて、インキュベータ22を詳しく説明する。
撮像素子はCCDでもよいしCMOSでもよいし、そのほか電気的、電子的、あるいは光学的な信号を取得できるものであれば何でもよい。カメラ13にはレンズ131が取り付け可能であり、レンズ131は交換式でもあるいは据付式でもよい。カメラのレンズ交換マウントとして、例えば通称Cマウントと呼ばれるネジ式のマウントの他、バヨネット式のものも適用可能である。
レンズ据付式であれば、カメラ内へのごみやほこりや湿気の混入をより避けることが可能で、撮影画像にこれらが映りこむ危険を減らすことができるとともに、これらがインキュベータ22内にもれてコンタミを生じる危険も回避可能である。
レンズ131は、比較的高い倍率で視野が広くないものを使用する。
なお、以降倍率といえば、カメラの撮像素子サイズとレンズの焦点距離と撮影距離によって決まる撮影倍率をいうものとする。
また、視野範囲も同様にカメラの撮像素子サイズとカメラの絞りないしはシャッター開口径とレンズの画角によって決まるものをいう。
透過光方式であれば、照明装置は培養容器の下部に配置する。このとき必ずしもインキュベータ22におく必要はなく、インキュベータの下部を光透過性のある構成とすれば、インキュベータの外側においてもよい。
インキュベータの外においておけば、万が一の故障や玉切れなどの際に、コンタミの危険を冒さずに修理交換できる。
したがって、通常の細胞を培養するときは、光源としてそのような成分を含むことは避けなければならない。
あるいは3波長蛍光管とフィルターを併用することでも波長の選択が可能である。
インキュベータ22内にあれば細胞との距離が短いため光源への供給電力が少なくて済む反面、光強度が強すぎて細胞にダメージを与えたり、光が十分拡散しないため画像に明度のむらを生じることもある。
インキュベータ22外にあれば、上記透過光式のところで説明したのと同じ理由でコンタミの機会を減少できるとともに、光源の保守が容易となる反面、照明からの光がカメラによってさえぎられるために画像に明度のむらの生じることもある。
このような場合には、インキュベータ内にレンズ周りを取り囲むようなリングライトを使用することもできる。
この場合も、光源の波長についてはすでに透過光方式のところで説明したとおりである。
照明装置は、波長だけでなくその光量や照射角度などを調整可能なものとすれば、撮影画像をより高画質にすることができる。
カメラ培養器駆動装置16もインキュベータ22内に配置する。
例えば図2では、カメラ13とそれを支えるスタンド132、およびスタンドを支え台車を有するベース133が、レール22上を移動可能となっている。ベース133には動力伝達部163を介してモーター162が取り付けられており、モーター162を駆動することで、動力伝達部163経由でベース133を移動させる。
モーター162は後述するモーターコントローラ17から指示を受けて、培養器131の表面との距離をほぼ一定に保ちながら、その表面を2次元的に走査する。
走査と同時に撮影することで、培養器の全面を画像化可能である。
図3(a)のように、培養容器の形状が横長矩形で、Y方向を視野範囲139に収められる様な倍率のレンズ131の場合には、X方向にだけ走査すればよい。
このとき培養容器とカメラの位置関係は相対的なものであればいいので、図3(a)のような走査をする場合は、図2のようなカメラ側を動かす構成と図4のような培養器12側を動かす構成のいずれも使用可能である。
図2でいえば、モータ162、動力伝達部163、およびレール21のセットをベース133上に90度回転させて載置すればX−Y方向に走査が可能となる。
また、図4の培養器を動かす構成でも、同様に直交する2方向に走査可能な構成であれば図3(b)のように撮影できる。
この場合は図5のような構成を利用することで走査可能となる。
図5では、培養器12は円形のものとし、スタンド135の先端にモーター16を取り付けて、モーター16を回転させることでカメラ13を円状に走査する。また、上記したようにカメラ13ではなく培養器12を移動可能としてもよい。
ただし、r方向にも走査する必要があるために、カメラ13が回転アーム136上をスライド可能とする必要がある。
この場合、カメラ13の上に搭載した別のモーター162によって回転アーム136上を移動できるようにすればよい。
また、上記したようにカメラ13ではなく培養器12を移動可能としてもよい。
図6は、画像処理ユニット14の構成を詳細に示した図である。
画像処理ユニット14には、データバス41を介して演算処理を行うCPU42,CPU42が一時記憶領域として使用する主メモリ43と、画像データやその位置情報を格納する外部記憶装置44と、モーターコントローラ17と通信するための通信ポート45と、コロニーの有無と大きさを表示するモニタ46、ユーザーからの入力インターフェイスであるキーボード47から構成される。
培養器12の大きさは予め外部記憶装置44に設定されている場合と、カメラ13を用いて画像処理により検出する方法があるが、本実施例1は前者の場合である。
走査にあたっては培養器12全体を撮影するように決定してもよいし、培養器の一部を撮影するように決定してもよい。
画像位置リストは、例えば培養器面をX−Y軸で座標系とすると、その上の複数のX―Y座標点の集合である。画像位置リストは、主メモリ43に格納し、内容はモーターコントローラ17などによって随時参照可能とする。画像撮影位置リストは、レンズの視野範囲(画角)と培養器12の大きさに応じて決まる。
モーターコントローラ17は、カメラ・培養器駆動装置16を動作させて、画像撮影位置リストに記録された撮影位置でカメラ13または培養器12を停止させる。
つまり、CPU42により画像取り込み命令がカメラ13に出される。カメラ13は、画像データをコンバータ15にて電気的信号に変換した後、この信号をデータバス41経由で主メモリ43に転送する。
CPU42ではこの信号をモニタ46に表示するための多値化処理する。
ステップ55では、ヒストグラムが最大となる画素値を撮影位置情報とともに外部記憶装置44に保存する。
ステップ56において画像撮影位置リストに記された撮影位置をすべて撮影し終えたならば、ステップ57に進む。
ステップ58において、このようにして作成された濃淡画像を、予め経験的に求められ外部記憶装置44に格納されている閾値と比較することにより、二値化する。
ステップ58,ステップ57で得られた二値化画像からコロニーの大きさ、面積、周囲長を算出する。
先述したように、レンズは高い倍率のものを使用可能であるため、再度別のレンズを使用して撮りなおさなくても、撮影済みの画像から培養状態を評価可能である。
これによって継代のタイミングなどの決定がより確実に短時間でコンタミのリスクなしに行えるようになる。
上記実施例1とは、ステップ51の画像撮影位置リストの作成の部分以外は同じである。
従ってステップ51以外の説明は省略する。
したがって、培養容器の大きさ及びレンズの倍率やカメラの視野範囲の情報を全て撮影前に自動的に認識可能であり、画像撮影位置リストも全自動で設定可能となる。
上記経路は培養物に極力ストレスを与えない観点から、ひとふで書きでトレースできるようなものが望ましい。
こうして作成した撮影位置の集合を、X−Y座標ないしはr−θ座標の集合として外部記憶装置などに記憶する。これが画像撮影位置リストの作成方法である。なお、ステップ51の実行に当たっては実施例1のステップ53で説明した照明を使用して撮影してもよい。
例えば、完全密閉のインキュベータ内で培養の前に培養器表面積を計測し忘れても、ステップ51の事前走査によって画像撮影位置リストを作成可能である。このためより作業者の負担が軽減できる。
実施例3では、走査の経路に沿ってカメラを随時移動させながら撮影位置でカメラを停止させることなく撮影を行う。
撮影位置でカメラを停止させることなく撮影を行う場合に、カメラが移動していることによって画像のブレが心配される。
このように培養対象の細胞の大きさに応じて、走査速度とシャッタースピードを変化させて連続撮影に最適なパラメータを決定する。
連続撮影することでカメラや培養器の移動停止を繰り返す必要がなくなり培養容器に与える震動なども小さくすることができる。
このように構成することで撮影時間を短縮可能であるとともに、特に培養器を移動させて撮影する場合には、細胞に対するストレスを低減できるという長所もある。
12 培養器
13 カメラ
14 画像処理ユニット
15 コンバータ
16 カメラ・培養器駆動装置
17 モータコントローラ
21 ガイド
22 インキュベータ
139 視野範囲
Claims (3)
- 細胞を培養する培養器と、前記培養器内の細胞を撮像し、平面に直交する方向に光軸を有し、その視野範囲が前記培養器の表面より狭いカメラと、前記撮像して得られた画像を表示する表示手段と、を備えた細胞培養装置において、
前記カメラの視野範囲に入らない培養器の表面部分が視野範囲に入るように、相対的に移動して培養器表面の全面にわたって走査し撮像を可能とする駆動手段、
事前に走査し撮像して得られた画像から求められた培養容器の大きさ、カメラの倍率および視野範囲の情報をもとに画像情報位置リストを作成し、前記培養器の表面と前記視野範囲との関係から前記相対的移動の経路を計画するとともに、カメラの動かし方と撮影ポイントを事前に決定する手段、および、
前記表示画像に基づいて、多値化した濃淡画像をあらかじめ求められた閾値と比較して二値化し、細胞の培養状態を表示する手段
を備えることを特徴とする細胞培養装置。 - 前記細胞を照射する光源を備えることを特徴とする請求項1に記載の細胞培養装置。
- 培養器内の任意の位置を撮像した撮影画像と位置情報を記録する記録手段を有し、再度同一位置の撮像が可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の細胞培養装置。
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