JP4489909B2 - 屋根土の製造法およびその方法によって製造された屋根土 - Google Patents

屋根土の製造法およびその方法によって製造された屋根土 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は屋根土の製造法およびその方法によって製造された屋根土に係り、詳しくは、瓦葺き屋根の瓦を屋根下地に固定するための屋根土に粘土を使用しないようにした屋根土に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
屋根下地に瓦を固定すると共に屋根の防水をも図るために、すさ(繋ぎ材)を混ぜ合わせるなどした粘土が屋根土として古くから使用されている。これは、山土粘土を篩分けて粒度調整し、その粘土に適宜な繊維物質を添加しながら水を加えて練ったものである。
【0003】
このように粘土を主材として作られた屋根土は、水の添加量,作業環境の温度や湿度,風の有無にもよるが、作業が長びくと表層の含水量が減少するなどして鏝作業が容易でなくなる。また瓦との密着操作に手間ひまを要するといったように作業面で不利不便を伴う難点がある。
【0004】
施工後においては、粘土から水分が蒸散して硬化すれば屋根土としてある程度の強度を発揮する反面、乾燥が進むと収縮してひび割れを起こす。粘着力も徐々に低下をきたし、瓦がずれたり強風を受けると瓦を飛ばしてしまうこともある。このように、粘土は年月が経過すると風化することは避けられず、遂には屋根土自体が崩壊することになる。
【0005】
粘土を主成分とする屋根土の欠点を補う目的で、屋根土が露出する部分の表面をモルタルで化粧仕上げし、その崩壊を防止しようとしている例もある。しかしながら、モルタルと屋根土とは異質なものであり、長年のうちに付着力密着力が低下して塗り重ね部で剥がれる現象も見られる。
【0006】
ところで、特公平5−63426号公報には、粘土を主材とする屋根土を改質する目的で消石灰を添加し硬化促進性の改善を図った例が記載されている。すなわち、消石灰は漆喰の主材であることはよく知られており、消石灰の有する気硬性を利用しようとする意図によるものである。
【0007】
しかし、粘土の経時的劣化、すなわち収縮性や乾燥に伴う風化性は依然として解消されるものでない。このような粘土の使用を避けて亀裂が発生しにくく強度に優れた屋根土を提供する試みがあり、その一つが特開平9−100149号公報に記載されている。
【0008】
これは、石灰,細粒骨材,のり材等を混合し、水を加えて攪拌された混練り材としたものである。石灰とは消石灰のことであり、空気中の炭酸ガスと反応して硬化する気硬性を利用しようとする点で前述の例と変わるところがない。
【0009】
ところが、細粒骨材としての砂は水を除けば重量比で70%を越える量となっており、のり材として化学のりや化学接着剤が少量加えられるものの、凝集性や付着性の低い多量の砂に大きな粘着力を持たせようとすることは容易でない。
【0010】
なお、主材に産業廃棄物を使用するなどして資源のリサイクルを図ったり、袋詰め商品として搬送や保管上の利便性を向上させた提案も、例えば特開平8−143354号公報や特開平11−349371号公報に記載されている。
【0011】
しかし、いずれにしても、基本的には砂と粘土を主材としたものであるかそれに類似した産廃物が使用され、これに繋ぎ材,着色剤,硬化遅延剤,セメント防水剤,消石灰を添加し適量の水を加えて漆喰屋根土としたものとなっている。
【0012】
ところで、屋根土は、言うまでもないが、施工後の仕上がりが良好であることや固化後の耐久性の高いことが品質上極めて重要である。このため、主骨材には粒度分布の一定した材料を使用することが好ましく、これによって均質な組織と強度の高い屋根土を得ることができるようになるからである。
【0013】
加えて、屋根土としては、練り土の含水率が均一であること、施工後の練り土が固化し硬化するまで偏りなく水分の蒸散が進行すること、練り土としては腰が強く瓦を載せても沈みが生じにくいこと、鏝作業における展伸性がよく、また粘着性に富みながらも滑らかな表面に仕上げることができるものであることが望まれる。
【0014】
本発明は上記の問題に鑑みなされたもので、その目的は、石灰工場から出る産業廃棄物としての各種汚泥を有価性のある資材に転化できるようにすること、粘土を主材とした屋根土より機能や耐久性において優れたものにできること、瓦葺きの作業性が改善され能率のよい施工が可能となること、を実現した屋根土の製造法およびその方法によって製造された屋根土を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、屋根下地に瓦を固定するための屋根土に粘土を使用することなく屋根土を製造する方法に適用される。その特徴とするところは、石灰石を焼成して生石灰を製造する石灰工場から出る石灰系汚泥と石灰石粒とを主材としており、これらに消石灰もしくは生石灰を加え、水を添加して混練するようにしたことである。
【0016】
石灰系汚泥は、採掘された石灰石を洗浄したとき発生する洗浄汚泥、石灰石の破砕時に発生する石灰石粉を湿式処理した粉砕汚泥、石灰石焼成時に発生した塵を湿式処理して得られた集塵汚泥である。また、石灰系汚泥の全部もしくは一部を炭酸カルシウムで代替させてもよい。
【0017】
石灰系汚泥10ないし60重量%、石灰石粒10ないし60重量%、消石灰もしくは生石灰5ないし20重量%を含む屋根土を製造すればよい。
【0018】
その屋根土には繊維質の繋ぎ材を混ぜておくことができるが、その繋ぎ材として椰子殻繊維が好適である。また、炭酸ナトリウムを添加しておき、強度を高めるようにすることもできる。
【0019】
屋根土には着色材を添加することもできる。その着色材として、石灰焼成炉の乾式集塵機で回収された集塵灰であって、未燃カーボンを含むものを使用すればよい。
【0020】
以上のいずれの製造法によっても、従来技術によっては得られない高品質で作業性のよい屋根土が提供される。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る屋根土の製造法およびその方法によって製造された屋根土を、その例を示して詳細に説明する。屋根下地に瓦を固定するための屋根土においては、その品質として施工後の仕上がり状態が良好なことや固化後の耐久性のあることが欠かせない。
【0022】
屋根土としては古くから粘土を主材として採用しているが、本発明においては粘土の有する欠点を解消するために粘土を使用しない屋根土を提供しようとするものである。そこで、主材について種々研究を重ねた結果、石灰工場から出る産業廃棄物に着目し、屋根土への転用の可能性を見い出した。
【0023】
石灰工場では、採掘した石灰石CaCO3 をロータリキルン等で焼いて、製鋼をはじめとした各種産業分野の副原料として使用される生石灰CaOを製造している。この製造過程においては、焼成品質を高く保つために原料である石灰石を水洗したり所望サイズに整えるべく破砕し篩い分けしておくなどの前処理が施される。
【0024】
採掘された石灰石を水洗したとき表土やその他の付着物が入り混じった汚泥が発生するが、この洗浄汚泥や、石灰石の破砕時に発生する石灰石粉を湿式処理したとき生じる粉砕汚泥、さらには石灰石焼成時に発生した塵を湿式処理して得られた集塵汚泥といった石灰系汚泥が産業廃棄物として多量に排出される。
【0025】
これらの石灰系汚泥は、水洗処理,破砕粉湿式処理,集塵灰湿式処理において出る廃液の沈殿物を真空脱水して得られるもので、粒径0.15mm以下の炭酸カルシウムが約85%含まれるスラッジである。なお、残分15%は二酸化ケイ素やカーボンの類であり、通常はその全体に対して約25%の水分が含まれ、屋根土を製造するうえで都合のよい適度の粘性を持ち合わせている。
【0026】
そこで、上記した汚泥の全種もしくは一部の種類からなる石灰系汚泥(石灰スラッジ)と小径の石灰石粒とを主材とし、これに消石灰もしくは生石灰を加え、水を添加して混練すれば屋根土として相応しい性質の混練物が得られることを本発明者らは突き止めた。この混練物は後述するように屋根土として十分に機能するものであり、積極的に粘土を含ませたものでないことから乾燥しても収縮を起こすといったことはない。
【0027】
詳しく述べると、細骨材としての石灰系汚泥は10ないし60重量%の範囲内で、粗骨材としての石灰石粒は10ないし60重量%、固化材としての消石灰もしくは生石灰5ないしは20重量%を含み、その混練物の含水率が約20重量%となるように混練用水が適宜添加され、公知のミキサーによって均質になるまで練り上げられる。
【0028】
上記したように石灰系汚泥は0.15mm以下と細かいものであるが、これに石灰工場で大量に存在する石灰石が混ぜられる。この石灰石の粒径を7mm程度までの石灰石粒にしておけば、屋根土としての腰が強くなり、瓦を載せたときの沈みを防ぐと共に混練物の強度を高めておくことができる。
【0029】
ちなみに、消石灰は固化材として使用されるが、これは空気中の炭酸ガスと反応してCaCO3 となって硬化する。この気硬性が、屋根土としての固化後の硬度を増大させる。この消石灰の全部もしくは一部を生石灰と置き替えてもよい。生石灰は石灰石を約900℃で焼いて作られるものであり、水と反応すれば、すなわち混練用水と接触すれば水酸化カルシウム(消石灰)となるからである。
【0030】
上記した配合比率の範囲内で選択された各要素の組み合わせによって得られる混練物は、表面が滑らかであるため鏝操作が容易であって瓦との密着性も良いことから施工性に優れ、また施工後の固化や硬度の上昇が速く耐久性にも優れた屋根土となることが確認された。
【0031】
消石灰等の固化材による固化機構について、もう少し詳しく触れる。固化機構とは、消石灰が空気中の炭酸ガスと炭酸化反応〔Ca(OH)2 +CO2 →CaCO3 +H2 O〕することによって得られる組成であり、これによって硬度や強度が発現される。すなわち、屋根土は表面からの乾燥の進行と並行して、表面から次第に内部へ向かって消石灰が炭酸カルシウム化しながら硬度と強度を発現する。この反応は膨張的であって収縮を起こしにくい。つまり、消石灰は屋根土の外郭から硬化させるので、内部の急激な水分蒸散を和らげる効果があり、乾燥による収縮が抑制される。
【0032】
ましてや、本発明に係る屋根土の主材は石灰石と石灰系汚泥であるから、大部分が炭酸カルシウムである。したがって、固化材が炭酸化反応すると屋根土はCaCO3 からなる単一組成物と化し、変質をきたさないすなわち化学的に安定した固化物となる。しかも、CaCO3 は通常の水には溶けない性質があることから雨や雪に対して安定した状態を維持し、崩壊のないすなわち物理的に安定した屋根土ともなる。
【0033】
上記したごとく、混練物は全体的に平均して乾燥が進行し、収縮やそれに原因するひび割れは生じにくい。また、乾燥の速さは季節の影響を大きく受けることから、粗骨材と細骨材の配合比を変えることで混練物の含水率を違えれば、意図的に乾燥を早めたり遅らせることができる屋根土を得ることも可能となる。
【0034】
その配合の一例として、表1の実施例1に記載したように、石灰系汚泥25重量%、石灰石粒46重量%、消石灰10重量%、水19重量%としたものを挙げることができる。この混練物は、施工直後からの水分の蒸散による乾燥と並行して、消石灰が空気中の炭酸ガスと炭酸化反応しながら固化し硬化しはじめる。そして、5日ないし7日自然養生すれば、9割方の固化強度が発現した。これを一軸圧縮強度で測定すると、平均的には45N/cm2 もの強度が得られることも分かった。
【表1】
Figure 0004489909
【0035】
施工時の作業性の点から見れば、含水率が約20%あるにもかかわらず混練物は腰が強く、順次瓦(熨斗瓦を含む平瓦や丸瓦等)を載せても沈みが簡単に生じなく、棟瓦を直線的に仕上げることも簡単である。石灰系汚泥の極めて小さな粒度と適度な粘性により、粘着性に富みつつも伸びのよい鏝作業となる。したがって、屋根葺き工事の能率化が図られ、また滑らかで美しい表面に仕上げることができる。
【0036】
この例においては、石灰系汚泥として前述した集塵汚泥を主として使用した関係上、それが灰色を呈していることから屋根土も灰色となり、黒色や灰色の瓦とは極めて融和性の高い色合いを呈するものが得られた。
【0037】
以上の例では、石灰工場から出る石灰系汚泥を使用したが、これに代えて、市販の炭酸カルシウム(タンカル)を使用してもよい。タンカルは微粉であって上記した石灰系汚泥と同じく0.15mm以下の粒径であり、それと同等の作用効果を発揮する。なお、石灰系汚泥の全部をタンカルと置き換えて屋根土を製造することができるが、含水率を変えたり調節する目的で、石灰系汚泥とタンカルとを適宜の比率で併用するといったことも差し支えない。
【0038】
ところで、従来から存在しまた今までに提案されている屋根土に石灰が含められることはあっても、それが消石灰であることは既に述べたとおりである。本発明においても消石灰を固化材や硬化促進材として使用するが、それとは別に炭酸カルシウムを主材としている点に特徴があり、従来技術における屋根土と大きく異なることに注目すべきである。
【0039】
炭酸カルシウムCaCO3 は本来的に水和性がよく、ブリージング(練混ぜ水が混練物から分離して上昇し、その一部が混練物上面に溜まる現象)を起こしにくい特性がある。したがって、石灰石や石灰系汚泥もしくはタンカルを屋根土の主材として使用している本発明においては施工時のブリージングが抑制され、混練物の含水率が均一となる。それゆえに、施工後に固化し硬化するまで偏りなく水分を蒸散させ、固化が促進されることになる。
【0040】
ところで、上で述べた混練物には、繊維質の繋ぎ材(すさ)を加えておいてもよい。繋ぎ材は元来ひび割れを起こしやすい粘土の崩壊を抑制するためのものであるが、本発明に係る屋根土が炭酸カルシウムからなっていて極めて安定した性状を維持するといっても、繋ぎ材によってより一層高い一体性を持たせることができるからである。
【0041】
繋ぎ材としては、古来から使用されている藁や獣毛などの天然すさをはじめとして、近時豊富に出回っているグラスウールやロックウール等の無機質繊維のすさを使用することができる。無機質繊維は変質しない利点があるものの相互に絡みあっており、屋根土の副資材として使用するにおいては、混入時の分散性が良いとは言えない。ましてや作業中に微細な繊維片が飛散しやすいこともあって、健康上も好ましくない。そこで、元来繊維の絡みが少ない椰子殻繊維を使用すれば、しかも長さ50mm以下としたものであればほぐしやすくまた繋ぎ材として十分に機能させることができることも確認された。
【0042】
この例の一・二として、前述した表1中の実施例2や実施例3を挙げることができる。この例では先の実施例1における石灰石粒が少し減らされ、それを補う分だけ石灰系汚泥を増やすと共に椰子殻繊維が入れられている。実施例2では石灰系汚泥として灰色の集塵汚泥が細骨材として使用され、実施例3では黄白色の洗浄汚泥や粉砕汚泥が使用されているので、白い屋根土となっている。
【0043】
ところで、屋根土としての混練物を製造する際に炭酸ナトリウムを添加しておいてもよい。これは硬化促進剤として作用するものであるが、消石灰と併用すれば屋根土の一軸圧縮強度がさらに高められることも確認できた。なお、その添加量は0.1ないし10重量%程度で十分であった。
【0044】
以上の例においては主材が元来有している色をそのまま生かしたものとしているため、積極的に着色することはしていない。ところが、石灰工場においては焼成炉の乾式集塵機で回収される集塵灰がある。これは微細な未燃カーボンを含む黒色灰であることから、これを適宜の量添加すれば混練物を黒くしたり黒っぽくすることができる。その一例が表1中に実施例4として挙げられている。
【0045】
幾つかの実施例を含めて本発明に係る屋根土の製造手順や組成構成を説明したが、とりわけ表1で例示した屋根土は作業性と仕上がりにおいて特に優れた評価が得られた。そのような組成を有し上記した手順によって製造された屋根土は例えば20kg用ビニール袋に詰められ、その30袋をワンウエイのフレコンに入れた場合や、ポリエチレンチューブ袋入りのワンウエイのフレコンにバラで600kg詰めた場合、運搬や積卸し操作さらには保管等に利便が図られ、加えて作業現場での取り扱い等においても何らの問題は生じなかった。
【0046】
したがって、量産態勢を整えることもでき、ひいては廉価な屋根土として市場に大量かつ適時に送り出すことができる。この屋根土の主成分はCaCO3 であり、二酸化ケイ素等の他の物質の含有量が僅かである。炭酸カルシウムの有する化学的および物理的性質が発揮され、膨張気味に固化する屋根土を得ることができる。さらには、乾燥速度を意図的に調整できるので、固化や硬化の発現を早めたり作業量や作業環境に合わせて遅らせ気味にしたりするといったフレキシブルな対応もできるようになる。
【0047】
【発明の効果】
以上述べた詳細な説明から分かるように、本発明によれば、石灰系汚泥を使用することで資源のリサイクルまたは有価物への転化が実現され、石灰工業設備から出る産業廃棄物の発生を可及的に少なくすることができる。屋根土は、粗骨材と細骨材の配合比を適宜選択することにより組成率を変え、乾燥速度を意図的に調整できるものともなる。
【0048】
炭酸カルシウムを主成分とする主材と炭酸化反応しながら固化し硬化する固化材によって組成されるので、製品の品質の均質化が図られる。それのみならず、固化が早くその後の硬化も迅速に進み、その間にひび割れの原因となる収縮をきたすこともない。却って膨張気味に固化する点で屋根土としての崩壊も抑制される。炭酸カルシウムは化学的に安定した物質であり、しかも物理的にも高い強度を備えることから、永続性ある瓦の固定作用や屋根の水密性維持機能が発揮される。
【0049】
細骨材としては、石灰系汚泥や炭酸カルシウムを適宜量選択して使用することができる。そのうちの洗浄汚泥,粉砕汚泥,集塵汚泥の全種もしくは一部の種類の汚泥を使用することにより、敢えて着色しなくても、灰色や白色の屋根土を得ることができる。それぞれの色は主材が元来備える色を生かしたものであるので、色むらが出ることもない。特に黒くしたい場合などは、主材と同じく石灰工場から出る黒色灰を使用すれば簡単に着色することができる。
【0050】
繊維質の繋ぎ材を混ぜておけば、屋根土としての一体性も著しく高いものとなる。その繋ぎ材として椰子殻繊維を使用すれば、混練作業中の取り扱いが容易となる。また人体に悪影響を与える無機質繊維片の飛散も解消される。炭酸ナトリウムを添加した場合には消石灰と共に硬化促進剤として働き、屋根土の一軸圧縮強度を高めておくことができる利点がある。

Claims (10)

  1. 屋根下地に瓦を固定するための屋根土に粘土を使用することなく屋根土を製造する方法において、
    石灰石を焼成して生石灰を製造する石灰工場から出る石灰系汚泥と石灰石粒とを主材とし、これらに消石灰もしくは生石灰を加え、水を添加して混練することを特徴とする屋根土の製造法。
  2. 前記石灰系汚泥は、採掘された石灰石を洗浄したとき発生する洗浄汚泥、石灰石の破砕時に発生する石灰石粉を湿式処理した粉砕汚泥、石灰石焼成時に発生した塵を湿式処理して得られた集塵汚泥であることを特徴とする請求項1に記載された屋根土の製造法。
  3. 前記石灰系汚泥の全部もしくは一部を炭酸カルシウムで代替させたことを特徴とする請求項1に記載された屋根土の製造法。
  4. 前記石灰系汚泥10ないし60重量%、石灰石粒10ないし60重量%、消石灰もしくは生石灰5ないし20重量%を含むことを特徴とする請求項1に記載された屋根土の製造法。
  5. 繊維質の繋ぎ材が混ぜられることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載された屋根土の製造法。
  6. 前記繋ぎ材は椰子殻繊維であることを特徴とする請求項5に記載された屋根土の製造法。
  7. 炭酸ナトリウムが添加されることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載された屋根土の製造法。
  8. 着色材が添加されることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載された屋根土の製造法。
  9. 前記着色材は、石灰焼成炉の乾式集塵機で回収された集塵灰であって未燃カーボンを含むことを特徴とする請求項8に記載された屋根土の製造法。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の製造法により製造されたことを特徴とする屋根土。
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