JP4489367B2 - 半導体装置の製造方法および半導体装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法および半導体装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法および半導体装置技術に関し、特に、LDMOS・FET(Laterally Diffused Metal Oxide Semiconductor・Field Effect Transistor)を有する半導体装置の製造方法および半導体装置に適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明者が検討したnチャネル型のLDMOS・FETの形成方法は、例えば次のとおりである。まず、p型のシリコンからなる半導体基板に、LDMOS・FETのチャネル領域となるpウエルを形成する。続いて、半導体基板の主面上にゲート絶縁膜を形成した後、その上に多結晶シリコン膜等からなる導体膜を堆積し、さらにその導体膜をパターニングすることによりゲート電極を形成する。その後、半導体基板に対してライト酸化処理を施した後、ゲート電極の端部に対して自己整合的にn-型の半導体領域を半導体基板に形成する。その後、ソースおよびドレイン用のn+型の半導体領域を半導体基板に形成する。この時、ソース用のn+型半導体領域はその端部がゲート電極の端部とほぼ一致するようにゲート電極に対して自己整合的に形成する。ドレイン用のn+型半導体領域はその端部がゲート電極の端部から上記n-型の半導体領域分だけ離れるように形成する。
【0003】
なお、この種のLDMOS・FETを用いる高周波パワーモジュールの構成については、例えば特開2002−111415号公報に開示がある(例えば特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−111415号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、本発明者は、高利得の増幅回路の形成にあたり、その増幅回路を構成するLDMOS・FETのオン抵抗を下げるため、ソース領域およびドレイン領域を形成するための不純物導入時に、ソース領域をゲート電極端部位置に対して自己整合的に形成するとともに、高濃度の不純物を半導体基板に導入したところ、ソース領域側のゲート電極端部近傍のゲート絶縁膜に損傷や不純物準位等が生じ、その結果、その損傷や不純物準位に起因してゲート電極と半導体基板との間でリーク電流が流れる不良(以下、ゲート絶縁不良という)が生じることを初めて見出した。
【0006】
本発明の目的は、横型の電界効果トランジスタのゲート絶縁不良を抑制または防止することのできる技術を提供することにある。
【0007】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0009】
すなわち、本発明は、半導体基板上にLDMOS・FETのゲート電極をパターニングした後、ゲート電極および半導体基板の表面を覆うような薄い絶縁膜を半導体基板上に堆積し、さらに、ソースおよびドレイン用の半導体領域を形成するための不純物を上記薄い絶縁膜を残した状態で半導体基板に導入する工程を有するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本願発明の実施の形態を詳細に説明する前に、本実施の形態における用語の意味を説明すると次の通りである。
【0011】
1.GSM(Global System for Mobile Communication)は、デジタル携帯電話に使用されている無線通信方式の1つまたは規格をいう。GSMには、使用する電波の周波数帯が3つあり、900MHz帯をGSM900または単にGSM、1800MHz帯をGSM1800またはDCS(Digital Cellular System)1800若しくはPCN、1900MHz帯をGSM1900またはDCS1900若しくはPCS(Personal Communication Services)という。なお、GSM1900は主に北米で使用されている。北米ではその他に850MHz帯のGSM850を使用する場合もある。
【0012】
2.GMSK変調方式は、音声信号の通信に用いる方式で搬送波の位相を送信データに応じて位相シフトする方式である。
【0013】
3.EDGE変調方式は、データ通信に用いる方式でGMSK変調の位相シフトにさらに振幅シフトを加えた方式である。
【0014】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。また、本実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、本実施の形態で用いる図面においては、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。また、本実施の形態では、電界効果トランジスタの代表例であるMOS・FET(Metal Oxide Semiconductor・Field Effect Transisto)をMOSと略し、pチャネル型のMOSをpMOSと略し、nチャネル型のMOSをnMOSと略す。また、横型の電界効果トランジスタであるnチャネル型のLDMOS・FET(Laterally Diffused MOS FET)をnLDMOSと略し、pチャネル型のLDMOS・FETをpLDMOSと略す。
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
(実施の形態1)
まず、本発明者が見出した課題について説明する。例えば携帯電話等のような移動体通信機器に用いるRF(Radio Frequency)パワーモジュールのアンプを構成するLDMOSではオン抵抗の低減が求められている。これは、RF信号の負荷効率(RFパワーモジュールへの入力信号と出力信号との比)の向上を図り高利得のアンプを実現するためである。また、その他に、電源電圧の低い機器でのオン抵抗による電圧降下分を低減して消費電力を抑えるためでもある。本発明者は、上記RFパワーモジュールの開発にあたり、これを構成するLDMOSのオン抵抗を下げるべく、LDMOSのソース領域およびドレイン領域を形成するための不純物導入時に、ソース領域をゲート電極に対して自己整合的に形成するとともに、高濃度の不純物を半導体基板(以下、単に基板という)に導入したところ、信頼度試験において前記ゲート絶縁不良の発生率が増大する問題が生じた。その原因は、ソース領域およびドレイン領域を形成するための不純物導入時にソース領域側のゲート電極端部近傍のゲート絶縁膜に生じた損傷や不純物準位等(以下、単に損傷等という)に起因することが本発明者により判明した。
【0017】
図1は、上記損傷等の発生メカニズムを説明するための基板80の部分断面図である。基板80の主面上には、例えば酸化シリコン(SiO2等)からなるゲート絶縁膜81を介してnLDMOSのゲート電極82がパターニングされている。nLDMOSのドレイン領域側のゲート電極82の端部近傍は部分的にフォトレジストパターン(以下、単にレジストパターンという)83で覆われている。一方、nLDMOSのソース領域側のゲート電極82の端部は露出されている。これはソース領域の端部がゲート電極82の端部から離れすぎてしまうとnLDMOSのオン抵抗が高くなってしまうので、それを防ぐべく、ソース領域の端部がゲート電極82の端部と重なる(ほぼ一致する)ようにソース領域をゲート電極82に対して自己整合的に形成するためである。
【0018】
このような状態で上記ソース領域およびドレイン領域を形成するための不純物を基板80に導入すると、ソース領域側のゲート電極82の端部近傍のゲート絶縁膜81部分(破線の領域A)は露出されているので不純物イオンの衝突による影響を受けてしまう。その結果、そのソース領域側のゲート電極82の端部近傍のゲート絶縁膜81部分で上記損傷等が生じ、その損傷等を通じてゲート電極82と基板80との間でリーク電流が流れてしまう。特に、ゲート電極82の下端部の角部は電界が集中し易いので、その近傍のゲート絶縁膜81部分に損傷等が存在するとリーク電流の問題が生じ易い。そこで、現状は、RFパワーモジュールの組立工程後にバーンイン試験(例えば125℃、2〜4時間、電源電圧を5.2V印加)を行うことで、初期不良を除去し、量産に対応している。しかし、この試験を行うと、ゲート絶縁不良の発生率が多く(例えば1000ppm(母数約40000個))、バーンイン試験を行うと多大な時間とコストとがかかる、という問題がある。
【0019】
上記のような損傷等が発生する原因は、LDMOSのオン抵抗を下げるために、LDMOSのソースおよびドレイン用の高濃度領域形成時の不純物のドーズ量を一般的なLDMOSの場合よりも1桁高い1015/cm2台としていることが挙げられる。また、LDMOSの微細な寸法を維持したまま、オン抵抗を下げるために、不純物として原子量(質量)の大きなヒ素(As)を用い、基板80主面の浅い位置に高不純物濃度のソース領域を形成しているが、不純物の原子量が大きい程、上記損傷等の度合いも大きくなるので、原子量の大きな不純物を用いることも上記問題発生の大きな原因として挙げられる。
【0020】
そこで、本実施の形態1においては、LDMOSのソース領域を形成するための不純物導入時に、ソース領域側のゲート電極端部近傍(少なくともゲート電極の下端部の角部近傍)に、そのゲート電極端部近傍のゲート絶縁膜を保護するような保護部材を形成しておく。これにより、ソース領域側のゲート電極の端部近傍(特にゲート電極の下端部の角部近傍)のゲート絶縁膜部分に損傷等が生じるのを低減または防止できるので、上記ゲート絶縁不良の発生を抑制または防止できる。したがって、電気的特性(RF特性、DC特性、高利得、オン抵抗)を維持したまま信頼性の高いRFパワーモジュールを提供することができる。また、RFパワーモジュールの歩留りを向上させることができる。さらに、バーンイン試験を無くすこともできるようになるので、RFパワーモジュールの製造時間を短縮でき、また、コストを大幅に低減できる。
【0021】
ところで、具体的な方法として、ゲート電極の側面に、いわゆるサイドウォールを形成した状態で、不純物を導入する方法が考えられる。以下、その方法の一例と問題点を図2〜図5の半導体装置の要部断面図によりに説明する。
【0022】
まず、図2に示すように、p型のシリコン(Si)単結晶からなる基板Subの主面上にゲート絶縁膜Goxおよびゲート電極GPを形成した後、これをマスクの一部として、例えばリンをイオン注入することにより、基板Subにn-型の半導体領域NMAをゲート電極GPに対して自己整合的に形成する。続いて、図3に示すように、基板Subの主面上に絶縁膜IFSをCVD(Chemical Vapor Deposition)法により堆積した後、これを異方性のドライエッチング法によりエッチバックすることにより、図4に示すように、ゲート電極GPの側面にサイドウォールIFSWを形成する。この際、ゲート電極GPに覆われていない基板Subの主面やゲート絶縁膜Goxに、ドライエッチングによる損傷等(×印で示す)が生じる。その後、上記損傷等を残したまま、図5に示すように、基板Subの主面上にソース領域が露出され、ゲート電極GPの端部近傍のドレイン領域の一部を覆うようなレジストパターンRPAを形成した後、例えばヒ素(As)を導入してソース用のn+型の半導体領域NSAおよびドレイン用のn+型の半導体領域を形成する。この際、ソース用のn+型の半導体領域NSA側のゲート電極GP側面にサイドウォールIFSWが形成されていることにより、ソース用のn+型の半導体領域NSA側のゲート電極GP端部近傍のゲート絶縁膜Gox部分への不純物イオンの直接的な衝突を避けることができ、そのゲート電極GP端部近傍のゲート絶縁膜Gox部分を保護することができるので、上記ゲート絶縁不良の発生を抑制または防止できる。しかし、この方法の場合、サイドウォールIFSWを形成するためのエッチバック処理により基板Subの主面およびゲート絶縁膜Goxに生じた損傷等による影響が大きく、例えばドレイン耐圧の低下やオン抵抗の増大等、LDMOSの電気的特性の劣化が生じる。このようなエッチバックによる基板Sub主面およびゲート絶縁膜Goxの損傷等は定量的に把握することが難しく、損傷等が生じないようにエッチバックを制御することは難しいので、この問題を回避することは困難である。また、サイドウォールIFSWは一般的にその幅が広い(約400nm)ので、ソース用のn+型の半導体領域NSAの端部がゲート電極GPの端部から遠のいてしまう結果、nLDMOSのオン抵抗が増大する、という問題がある。この問題は、オン抵抗を下げることで高利得のアンプを得るという最初の趣旨に逆行してしまう。さらに、エッチバック工程を追加するので製造工程が増えるという問題もある。
【0023】
そこで、本実施の形態1では、さらに上記サイドウォールプロセスを用いた場合に生じる問題を回避できる方法を図6のフロー図および図7〜図17の半導体装置の製造工程中の要部断面図により説明する。ここでは、例えばGSM(Global System for Mobile Communication)方式のネットワークを利用して情報を伝送するデジタル携帯電話に使用されるRF(Radio Frequency)パワーモジュールのアンプ用の半導体チップの製造工程を一例として本実施の形態1の半導体装置の製造方法を説明する。なお、図7〜図17(図14を除く)において、左側は、例えばアンプ用のパワーnLDMOS形成領域、右側は、例えばスイッチング素子用の標準pLDMOS形成領域を例示している。
【0024】
まず、図7に示すように、基板1を用意する。この段階の基板1は、半導体ウエハと称する平面略円形状の部材からなり、基板本体1aと、その主面に形成された半導体層1bと、基板本体1aの裏面に形成された絶縁層2とを有している。基板本体1aは、例えばチョクラルスキー法等のような結晶引き上げ法により形成されたp+型のシリコン(Si)単結晶からなり、その抵抗率は、例えば3〜6mΩcm程度である。半導体層1bは、例えばエピタキシャル法により形成されたp型のシリコン単結晶からなり、その厚さは、例えば3μm程度、その抵抗率は、例えば18Ωcm〜23Ωcm程度である。基板1の裏面の絶縁層2は、例えばCVD法で形成された酸化シリコン(SiO2等)からなり、基板1の裏面を汚染および破損などから保護する機能を有する。続いて、半導体層1bの主面上にフォトリソグラフィ技術によりレジストパターンを形成した後、そのレジストパターンをマスクとして、例えばホウ素(B)等のような不純物イオンを半導体層1bに選択的に導入することにより、p++型の半導体領域3を形成する。この半導体領域3は半導体層1bの主面から基板本体1aまで達するように形成されており、基板本体1aと電気的に接続される。その後、そのレジストパターンを除去した後、半導体層1bの主面に、例えば酸化シリコンからなるフィールド絶縁膜4をLOCOS(Local Oxidization of Silicon)法により形成する。このフィールド絶縁膜4が形成された領域を分離領域として規定することができ、それ以外の領域を素子形成領域(活性領域)として規定することができる。
【0025】
次いで、半導体層1bの主面上に、標準pLDMOS形成領域が露出され、それ以外が覆われるようなレジストパターンをフォトリソグラフィ技術により形成した後、そのレジストパターンをマスクとして、例えばリン(P)等のような不純物イオンを半導体層1bに選択的に導入することにより、標準pLDMOS形成領域にnウエル5を形成する。続いて、nウエル5形成用のレジストパターンを除去した後、半導体層1bの主面上に、パワーnLDMOS形成領域の一部が露出され、それ以外が覆われるようなレジストパターンRP1をフォトリソグラフィ技術により形成した後、そのレジストパターンRP1をマスクとして、例えばホウ素等のような不純物イオンを半導体層1bに選択的に導入することにより、パワーnLDMOS形成領域にpウエル(第1半導体領域)6を形成する。pウエル6はパワーnLDMOSのチャネル領域になる部分でもある(図6の工程PWLP)。
【0026】
次いで、レジストパターンRP1を除去した後、基板1に対して洗浄処理を施して半導体層1bの主面の清浄面を露出させた状態で、例えばウエット酸化処理を施すことにより、図8に示すように、半導体層1bの活性領域主面上に、例えば厚さ11nm程度の酸化シリコンからなるゲート絶縁膜7aを形成する(図6の工程GOXP)。続いて、基板1の主面上に、例えば低抵抗な多結晶シリコン等のような導体膜、タングステンシリサイド(WSi2)等のようなシリサイド膜および酸化シリコン等のようなキャップ絶縁膜を下層から順にCVD法等により堆積した後、これをフォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術によりパターニングすることにより、パワーnLDMOS形成領域および標準pLDMOS形成領域にゲート電極8およびキャップ絶縁膜9を形成する。ゲート電極8は、低抵抗な多結晶シリコン膜とタングステンシリサイド膜との積層膜構成とされているが、タングステンシリサイド膜の代わりに、窒化チタン(TiN)などのようなバリア金属膜およびタングステン(W)等のような金属膜を下層より順次積層することで構成しても良い(図6の工程GP)。その後、基板1に対してライト酸化処理を施すことにより、図9に示すように、上記ゲート電極8の形成工程で若干エッチングされたゲート絶縁膜7aの端部を補修する。この時、ゲート電極8の周囲の基板1の活性領域主面上にゲート絶縁膜7bが形成される。ゲート絶縁膜7bは、例えば酸化シリコンからなり、ゲート絶縁膜7aよりも厚く形成されている(図6の工程LOXP)。
【0027】
次いで、図10に示すように、基板1の主面上に、標準pLDMOS形成領域のドレイン領域が露出され、それ以外が覆われるようなレジストパターンRP2をフォトリソグラフィ技術により形成した後、これをマスクとして、例えば二フッカホウ素(BF2)を半導体層1bにイオン注入することにより、標準pLDMOS形成領域のドレイン領域にドレイン用のp-型の半導体領域12aを形成する(LDD(Lightly Doped Drain)構造)。この時の不純物イオンの打ち込みエネルギーは、例えば30KeV程度、ドーズ量は、例えば1012/cm2台である(図6の工程PMP)。続いて、レジストパターンPR2を除去した後、図11に示すように、基板1の主面上に、パワーnLDMOS形成領域のドレイン領域が露出され、それ以外が覆われるようなレジストパターンRP3をフォトリソグラフィ技術により形成した後、これをマスクとして、例えばリンを半導体層1bにイオン注入することにより、パワーnLDMOS形成領域のドレイン領域にドレイン用のn-型の半導体領域(第2半導体領域)13aを形成する(LDD構造)。n-型の半導体領域13aは、その端部がゲート電極8のドレイン側端部に重なる(ほぼ一致する)ように形成されている。この時の不純物イオンの打ち込みエネルギーは、例えば50KeV程度、ドーズ量は、例えば1013/cm2台である(図6の工程NMP)。その後、レジストパターンRP3を除去した後、基板1に対してアニール処理を施す(図6の工程SG・ANP)。
【0028】
次いで、図12に示すように、基板1の主面上に、例えば酸化シリコン等からなる薄い絶縁膜15をCVD法等により堆積する。この絶縁膜15は、基板1の主面のフィールド絶縁膜4、ゲート絶縁膜7b、ゲート電極8の側面、キャップ絶縁膜9の側面および上面を覆うように堆積されている。すなわち、絶縁膜15は、ゲート電極8の端部近傍のゲート絶縁膜7bを保護するように形成されている。絶縁膜15の厚さ(すなわち、ゲート電極8の側面に被着される絶縁膜15部分の幅)は、上記サイドウォールの幅よりも薄く、例えば15nm程度である(図6の工程NTHDP)。続いて、図13および図14に示すように、基板1の主面上(絶縁膜15上)に、パワーnLDMOS形成領域のソース領域およびドレイン領域(ドレイン領域はゲート電極8の端部から少し離れた一部分)が露出され、それ以外が覆われるようなレジストパターンRP4を形成した後、これをマスクとして、例えばヒ素(As)を半導体層1bにイオン注入する。すなわち、上記のように絶縁膜15が形成された状態のままで不純物イオンを注入する。これにより、半導体層1bに、パワーnLDMOS形成領域のドレイン用のn+型の半導体領域(第3半導体領域)13bおよびソース用のn+型の半導体領域(第4半導体領域)13cを形成する。ドレイン用のn+型の半導体領域13bは、その端部が上記ドレイン用のn-型の半導体領域13a分だけゲート電極8から離れた位置に形成されている。また、ソース用のn+型の半導体領域13cは、その端部が図14に示すように絶縁膜15の厚さに相当する長さL1分だけゲート電極8から離れた位置に形成されている。このドレインおよびソース用のn+型の半導体領域13b,13c形成時の不純物イオンの打ち込みエネルギーは、例えば100KeV程度、ドーズ量は、例えば1×1015/cm2台程度(またはそれ以上)、イオン注入角度は、例えば0度(基板1の主面に対して垂直)である。n+型の半導体領域13b,13cの不純物濃度は、例えば1×1020/cm3程度(またはそれ以上)である。不純物としてヒ素を用いたのは、原子量(質量)の大きなヒ素を用いることにより、半導体層1bの浅い位置に高不純物濃度のドレイン用のn+型の半導体領域13bおよびソース用のn+型の半導体領域13cを形成することで、パワーnLDMOSの微細な寸法を維持したまま、オン抵抗を低減できるからである。以上のようにしてパワーnLDMOSQnを形成する。パワーnLDMOSQnは、例えばRFパワーモジュールのアンプを構成する素子である。
【0029】
このように本実施の形態1によれば、ゲート電極8の端部近傍のゲート絶縁膜7b部分が絶縁膜15で覆われた状態で、ソースおよびドレイン用のn+型の半導体領域13b,13cの形成のための不純物イオンを導入することにより、パワーnLDMOSQnのソース領域側のゲート電極8端部近傍のゲート絶縁膜7b部分に不純物イオンが直接的に衝突するのを避けることができる。すなわち、パワーnLDMOSQnのソース領域側のゲート電極8の端部近傍のゲート絶縁膜7bを絶縁膜15により保護することができる。これにより、パワーnLDMOSQnのソース領域側のゲート電極8の端部近傍のゲート絶縁膜7bに損傷等が生じるのを抑制または防止できるので、パワーnLDMOSQnのゲート絶縁不良を抑制または防止することができる。また、ソース用のn+型の半導体領域13cの端部は、図14に示すように、ゲート電極8の端部から絶縁膜15の厚さに相当する長さL1分だけ離れるが、その絶縁膜15の厚さは上記サイドウォールの幅に比べれば極めて小さく、長さL1も小さいので、パワーnLDMOSQnのオン抵抗が増大しないようにできる。なお、図14は、図13の要部拡大断面図である(図6の工程NP)。
【0030】
次いで、レジストパターンRP4を除去した後、絶縁膜15は残したまま、図15に示すように、基板1の主面上に、パワーnLDMOS形成領域のソース領域およびドレイン領域(ドレイン領域はゲート電極8の端部から少し離れた一部分)が露出され、それ以外が覆われるようなレジストパターンRP5を形成した後、これをマスクとして、例えばホウ素を半導体層1bにイオン注入することにより、パワーnLDMOS形成領域の上記ドレイン、ソース用のn+型の半導体領域13b,13cの下部(主としてパワーnLDMOSのチャネル側)側にp-型の半導体領域17を形成する。このp-型の半導体領域17は、短チャネル効果を抑制または防止する、いわゆるハロー領域(またはパンチスルーストッパ領域)である。この不純物導入工程では、不純物イオンを基板1の主面に対して斜めになるような方向から注入する。(図6の工程PHP)。
【0031】
次いで、レジストパターンRP5を除去した後、絶縁膜15は残したまま、図16に示すように、基板1の主面上に、パワーnLDMOS形成領域の一部、標準pLDMOS形成領域のソースおよびドレイン領域(ドレイン領域はゲート電極8の端部から少し離れた一部分)が露出され、それ以外が覆われるようなレジストパターンRP6を形成した後、これをマスクとして、例えばホウ素を半導体層1bにイオン注入することにより、標準pLDMOSのドレイン用のp+型の半導体領域12bおよびソース用のp+型の半導体領域12cを形成するとともに、パワーnLDMOS形成領域にp+型の半導体領域12dを形成する。このようにして標準pLDMOSQpを形成する。標準pLDMOSQpは、例えばスイッチング素子を形成する素子なので、上記パワーnLDMOSQnに比べて高い利得が要求されない。このため、標準pLDOMOSQpのチャネル長は、上記パワーnLDMOSQnのチャネル長よりも長くなっている。なお、パワーnLDMOS形成領域のp+型の半導体領域12dは上記p++型の半導体領域3と接続されており、これを通じて基板本体1aと電気的に接続されている(図6の工程PP)。
【0032】
次いで、レジストパターンRP6を除去した後、基板1に対して例えばRTA(Rapid Thermal Anneal)等のようなアニール処理を施す(図6の工程DI・ANP)。続いて、絶縁膜15は残したまま、図17に示すように、基板1の主面上に、例えば酸化シリコンからなる絶縁膜20をCVD法等により堆積した後、絶縁膜20,15に半導体層1bに達するコンタクトホールCNTをフォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術により形成する(図6の工程IDPおよび工程CNTP)。その後、基板1の主面上に、例えば窒化チタン(TiN)膜をスパッタリング法により堆積した後、その上にタングステン膜をCVD法等によって堆積する。続いて、そのタングステン膜をエッチバックした後、基板1の主面上に、例えばチタン(Ti)膜、アルミニウム(Al)−シリコン−銅(Cu)合金膜、チタン膜および窒化チタン膜を下層から順にスパッタリング法により堆積する。続いて、その積層膜をフォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術によりパターニングすることにより、第1層配線M1を形成する(図6の工程M1P)。これ以降は、通常の半導体装置の製造工程を経て、上記アンプ用の半導体チップを製造する。その後、この半導体チップをモジュール基板上に、他の半導体チップおよび電子部品とともに搭載してRFパワーモジュールを組み立てる。
【0033】
このように本実施の形態1によれば、パワーnLDMOSQnのソースおよびドレイン用のn+型の半導体領域13b,13cを形成するための不純物イオンの導入工程に際して、ソース領域側のゲート電極8の端部近傍のゲート絶縁膜7bを絶縁膜15により保護できるので、ゲート電極8の端部近傍のゲート絶縁膜7bに損傷等が生じるのを抑制または防止でき、パワーnLDMOSQnのゲート絶縁不良を抑制または防止することが可能となる。したがって、RFパワーモジュールの歩留りおよび信頼性を向上させることが可能となる。
【0034】
また、保護用の絶縁膜15の厚さが上記サイドウォールの幅に比べれば極めて小さいので、パワーnLDMOSQnのオン抵抗が増大しないようにできる。図18は、絶縁膜15の厚さ(横軸)と、nLDMOSQnのオン抵抗Ronおよびゲート絶縁不良発生率N(縦軸)との関係を簡単に示したグラフである。絶縁膜15が厚くなるにつれ、ゲート絶縁不良発生率Nは下がるが、逆にオン抵抗Ronは増大してしまう。このことから絶縁膜15の厚さの下限は、ゲート絶縁不良の発生率の目標値で決まり、絶縁膜15の厚さの上限は、オン抵抗Ronの目標値で決まる。本発明者の検討によれば、絶縁膜15の厚さは、例えば7〜40nm程度が好ましい。特に、本実施の形態1のオン抵抗の目標値(すなわち、オン抵抗が1〜5Ωmm)からすると、絶縁膜15の厚さは、例えば7〜23nm程度、さらには、例えば10〜20nm程度が好ましい。本実施の形態1では、上記のように絶縁膜15の厚さとして、例えば10〜20nmの中間の15nmを選択することにより、ゲート絶縁不良の発生率を、例えば150ppm(母数約40000個)程度にまで低減できた。
【0035】
また、本実施の形態1によれば、上記サイドウォールプロセスのようなエッチバック工程が無いので、上記のような基板80の主面およびゲート絶縁膜81に損傷等が生じることもなく、パワーnLDMOSQnのドレイン耐圧の低下やオン抵抗の増大等のような電気的特性の劣化が生じることもない。したがって、RFパワーモジュールの性能および信頼性を確保できる。また、上記サイドウォールプロセスのようなエッチバック工程を追加しないので、RFパワーモジュールのアンプ用の半導体チップの製造工程も増えることもない。したがって、RFパワーモジュールの製造時間やコストが増大することも無い。
【0036】
また、標準pLDMOSQpのドレイン用のn-型の半導体領域12aを形成するための不純物導入工程を、保護用の絶縁膜15の形成工程後に行うと、n-型の半導体領域12aの端部が絶縁膜15の厚さ分だけゲート電極8の端部から離れてしまい、標準pLDMOSQpのオン抵抗が増大してしまう。そこで、本実施の形態1では、標準pLDMOSQpのドレイン用のn-型の半導体領域12aを形成するための不純物導入工程を、保護用の絶縁膜15の形成工程前に行うことにより、n-型の半導体領域12aの端部がゲート電極8から離れてしまうのを防止できるので、標準pLDMOSQpのオン抵抗の増大を防止でき、標準pLDMOSQpの良好な電気的特性を確保できる。
【0037】
次に、図19は、本実施の形態1のRFパワーモジュールPMを用いたデジタル携帯電話機システムの一例を示している。
【0038】
デジタル携帯電話機システム22は、例えばGSM900とDCS1800との2つの周波数帯を使用可能(デュアルバンド方式)で、それぞれの周波数帯でGMSK変調方式とEDGE変調方式との2つの通信方式を使用可能であり、音声等を入力するためのマイクMICと、信号処理回路部SPCと、上記RFパワーモジュールPMと、送受信切換え用のスイッチ回路SWCと、信号電波の送受信用のアンテナANTと、低雑音増幅器LAMPと、音声等を出力するためのスピーカSPとを有している。
【0039】
上記信号処理回路SPCは、各種信号処理を行う回路であり、ベースバンド回路や変復調用回路を有している。ベースバンド回路は、音声信号をベースバンド信号に変換したり、受信信号を音声信号に変換したり、変調方式切換信号やバンド切換信号を生成したりする機能を有しており、DSP(Digital Signal Processor)やマイクロプロセッサ、半導体メモリ等の複数の半導体集積回路で構成されている。変復調用回路は、受信信号をダウンコンバートして復調しベースバンド信号を生成したり送信信号を変調したりする機能を有している。
【0040】
上記RFパワーモジュールPMは、電波の周波数がDCS帯の送信信号を取り扱う高周波電力増幅回路AMP1と、電波の周波数がGSM帯の送信信号を取り扱う高周波電力増幅回路AMP2とを有している。また、GSM900とDCS1800との2つの周波数帯の各々でGMSK変調方式とEDGE変調方式との両通信方式を使用可能なように切換スイッチを有している。図20は、RFパワーモジュールPMの基本的な機能を示した説明図である。GSM帯の信号またはDCS帯の入力信号Pinが入力されると、それを増幅して出力信号Poutを出力する。また、図21は、RFパワーモジュールPMの高周波電力増幅回路AMP(AMP1,AMP2)の回路図の一例を示している。本実施の形態1の高周波電力増幅回路AMPは、例えば3段のパワーnLDMOSQn1〜Qn3(上記パワーnLDMOSQn)と、これらのパワーnLDMOSQn1〜Qn3にバイアス電圧を印加するバイアス回路BIASと、整合回路M1〜M9と、コンデンサと、コイルと、抵抗とを有している。この高周波電力増幅回路AMPの出力レベルは、上記バイアス回路BIASからの供給電圧および電源回路からの電源電圧Vddによって制御される。電源電圧Vddは、例えば4.7V程度であり、上記パワーnLDMOSQn1〜Qn3のドレインに供給される。上記バイアス回路BIASは、複数の抵抗を有している。この回路では、バイアス回路BIASの入力に制御電圧Vabc(GMSK方式を選択した場合)または制御電圧Vapc(EDGE方式を選択した場合)が入力されると、その電圧がバイアス回路BIASの抵抗で分圧されて所望のゲートバイアス電圧が生成され、そのゲートバイアス電圧が各々のnMOSQn1,Qn2,Qn3のゲート電極に入力されるようになっている。
【0041】
(実施の形態2)
本実施の形態2では、前記保護用の絶縁膜15を除去する工程を追加した例を図22のフロー図と、図23および図24の半導体装置の製造工程中の要部断面図とにより説明する。なお、図23および図24において、左側は、例えば前記パワーnLDMOS形成領域、右側は、例えば前記標準pLDMOS形成領域を例示している。
【0042】
まず、本実施の形態2の図22の工程PWLPから工程SG・ANPまでで前記実施の形態1(図6参照)と異なるのは、この工程までの間に図22では標準pLDMOSのp-型の半導体領域12aの形成工程(図6の工程PMP)が無いことである。
【0043】
続いて、本実施の形態2でも、前記実施の形態1と同様に、図23に示すように、基板1の主面上に、絶縁膜15を堆積する。絶縁膜15の厚さや形成方法は、前記実施の形態1と同じであるが、本実施の形態2では絶縁膜15を、例えば窒化シリコン(Si34等)で形成する(図22の工程NTHDP)。
【0044】
その後、前記実施の形態1と同様に、基板1の主面(絶縁膜15)上に、前記レジストパターンRP4を形成した後、例えばヒ素等のような不純物をイオン注入することにより、半導体層1bにパワーnLDMOSのドレインおよびソース用のn+型の半導体領域13b,13cを形成する(図22の工程NP)。本実施の形態2でも、前記実施の形態1と同様に、ゲート電極8の端部近傍のゲート絶縁膜7bを絶縁膜15により保護できるので、ゲート電極8の端部近傍のゲート絶縁膜7bでの損傷等の発生を抑制または防止でき、パワーnLDMOSのゲート絶縁不良を抑制または防止できる。
【0045】
次いで、レジストパターンRP4を除去した後、絶縁膜15も、例えば熱リン酸(160℃程度に熱したリン酸(H3PO4))等を用いたウエットエッチング法により図24に示すように選択的に除去する(図22の工程NTHEP)。本実施の形態2では、絶縁膜15を窒化シリコン膜としたことにより、基板1の酸化シリコン膜を除去することなく、絶縁膜15のみを選択的に除去できる。また、絶縁膜15の除去方法としてウエットエッチング法を用いることにより、基板1の主面のゲート絶縁膜7a,7bやフィールド絶縁膜4に損傷等を与えることなく、絶縁膜15を除去することができる。
【0046】
続いて、前記実施の形態1の図15で説明したのと同様にパワーnLDMOS形成領域にパンチスルーストッパ用のp-型の半導体領域17を形成する(図22の工程PHP)。その後、前記実施の形態1の図10(図6の工程PMP)で説明したのと同様に標準pLDMOSのp-型の半導体領域12aを形成する。本実施の形態2では絶縁膜15を除去してしまうので、p-型の半導体領域12aの形成工程を、絶縁膜15の堆積工程およびn+型の半導体領域13b,13cの形成のための不純物導入工程よりも後に行うことができる。すなわち、p-型の半導体領域12aの形成工程を前記実施の形態1よりも後の工程で行うことができる(図22の工程PMP)。その後、前記実施の形態1の図16で説明したのと同様に標準pLDMOSのp+型の半導体領域12bを形成する(図22の工程PP)。これ以降は前記実施の形態1と同様なので説明を省略する。
【0047】
本実施の形態2によれば、絶縁膜15を除去するので、その分、前記実施の形態1よりも工程が増えるものの、それ以外の効果については前記実施の形態1と同様の効果が得られる上、以下の効果を得ることができる。
【0048】
すなわち、絶縁膜15を残しておく場合、その絶縁膜15の堆積工程後の不純物導入工程については、絶縁膜15の厚さを見越して不純物イオンの導入条件を設定したり、工程順を変えたりする必要が生じる場合があるが、本実施の形態2では、絶縁膜15を除去してしまうので、そのような必要が生じない、という効果を得ることができる。
【0049】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0050】
例えば前記実施の形態1,2では、RFパワーモジュールのパワーnLDMOSを3段設けたが、2段構成または4段構成にしても良い。
【0051】
また、前記実施の形態1,2では、パワーnLDMOSに適用した場合について説明したが、パワーpLDMOSに適用することもできる。
【0052】
また、前記実施の形態1,2では、GSM900とDCS1800との2つの周波数帯の電波を取り扱うことが可能なデュアルバンド方式に適用した場合について説明したが、上記2つの周波数帯の他に、例えばPCS帯の電波をも取り扱うことが可能な、いわゆるトリプルバンド方式に適用しても良い。
【0053】
以上の説明では主として本発明者によってなされた発明をその背景となった利用分野であるデジタル携帯電話に適用した場合について説明したが、それに限定されるものではなく、例えばPDA(Personal Digital Assistants)等のような移動体通信機能を有する情報処理装置やパーソナルコンピュータ等のような情報処理装置にも適用できる。
【0054】
【発明の効果】
本願によって開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下の通りである。
【0055】
すなわち、半導体基板上にLDMOS・FETのゲート電極をパターニングした後、ゲート電極および半導体基板の表面を覆うような薄い絶縁膜を半導体基板上に堆積し、さらに、ソースおよびドレイン用の半導体領域を形成するための不純物を上記薄い絶縁膜を残した状態で半導体基板に導入することにより、上記不純物導入時にゲート電極端部近傍のゲート絶縁膜を薄い絶縁膜により保護することができ、ゲート電極端部近傍のゲート絶縁膜に損傷や不純物準位が生じるのを抑制または防止できるので、LDMOS・FETのゲート絶縁不良を抑制または防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゲート絶縁膜の損傷等の発生メカニズムを説明するための半導体基板の部分断面図である。
【図2】本発明者が検討した半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図3】図2に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図4】図3に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図5】図4に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図6】本発明の一実施の形態である半導体装置の製造工程のフロー図である。
【図7】本発明の一実施の形態である半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図8】図7に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図9】図8に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図10】図9に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図11】図10に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図12】図11に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図13】図12に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図14】図13の半導体装置の製造工程中の要部拡大断面図である。
【図15】図13および図14に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図16】図15に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図17】図16に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図18】本発明の一実施の形態の半導体装置の保護用の絶縁膜の厚さ(横軸)と、横型トランジスタのオン抵抗およびゲート絶縁不良発生率(縦軸)との関係を簡単に示したグラフ図である。
【図19】本発明の一実施の形態1の半導体装置を用いたデジタル携帯電話機システムの一例の説明図である。
【図20】本発明の一実施の形態の半導体装置の基本的な機能を示した説明図である。
【図21】図20の半導体装置の電力増幅回路の一例の回路図である。
【図22】本発明の他の実施の形態である半導体装置の製造工程のフロー図である。
【図23】本発明の他の実施の形態である半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図24】図23に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【符号の説明】
1 半導体基板
1a 半導体基板本体
1b 半導体層
2 絶縁層
3 半導体領域
4 フィールド絶縁膜
5 nウエル
6 pウエル(第1半導体領域)
7a,7b ゲート絶縁膜
8 ゲート電極
9 キャップ絶縁膜
12a 半導体領域
13a 半導体領域(第2半導体領域)
13b 半導体領域(第3半導体領域)
13c 半導体領域(第4半導体領域)
15 絶縁膜
17 半導体領域
20 絶縁膜
22 デジタル携帯電話機システム
80 半導体基板
81 ゲート絶縁膜
82 ゲート電極
83 フォトレジストパターン
Sub 半導体基板
Gox ゲート絶縁膜
NMA 半導体領域
IFS 絶縁膜
IFSW サイドウォール
NSA 半導体領域
RPA フォトレジストパターン
RP1〜RP6 フォトレジストパターン
Qn,Qn1〜Qn3 パワーnチャネル型のLDMOS・FET
Qp 標準pチャネル型のLDMOS・FET
PM RFパワーモジュール
MIC マイク
SPC 信号処理回路部
SWC スイッチ回路
SP スピーカ
ANT アンテナ
LAMP 低雑音増幅器
Pin 入力信号
Pout 出力信号
BIAS バイアス回路
M1〜M9 整合回路
Vdd 電源電圧
Vabc 制御電圧
Vapc 制御電圧

Claims (8)

  1. 以下の構成を含む、ソース、ゲート電極およびドレインを有するLDMOS・FETを有することを特徴とする半導体装置:
    (a)半導体基板の前記ソースを含む領域に形成された第1導電型の第1半導体領域、
    (b)前記半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜、
    (c)前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極、
    (d)前記半導体基板上、前記ゲート電極の側面および上面上に形成された絶縁膜、
    (e)前記半導体基板のドレイン側に形成された第1不純物濃度の半導体領域であって、前記第1導電型とは反対の第2導電型の第2半導体領域、
    (f)前記半導体基板に形成されたドレインであって、前記第1不純物濃度よりも高い第2不純物濃度とされ、前記ドレイン側の前記ゲート電極の端部から離れた位置に設けられた第2導電型の第3半導体領域、
    (g)前記半導体基板の前記第1半導体領域に形成されたソースであって、端部が前記ソース側の前記ゲート電極の側面から前記絶縁膜の厚さに応じて離れるように形成された第2不純物濃度の第2導電型の第4半導体領域。
  2. 請求項記載の半導体装置において、前記絶縁膜の厚さが、7〜40nmであることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項記載の半導体装置において、前記絶縁膜の厚さが、10〜20nmであることを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項記載の半導体装置において、前記第3、第4半導体領域の不純物濃度が1×1020/cm以上であることを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項記載の半導体装置において、前記第2不純物がヒ素であることを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項記載の半導体装置において、前記LDMOS・FETのオン抵抗が5Ωmmまたはそれ以下であることを特徴とする半導体装置。
  7. 請求項記載の半導体装置において、前記半導体基板上、前記ゲート電極の側面および上面上に形成された絶縁膜が同一の絶縁膜であることを特徴とする半導体装置。
  8. 請求項記載の半導体装置において、前記絶縁膜は厚さが7〜40nmの酸化シリコンからなり、前記第3、第4半導体領域の不純物濃度が1×1020/cm以上であり、前記第3、第4半導体領域にヒ素が含有されていることを特徴とする半導体装置。
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