JP2006019612A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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正敏 森川
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Abstract

【課題】 リーク電流を増加させることなく半導体増幅装置の効率を向上させる。
【解決手段】 SOI基板20のドライバ段LDMOSFET形成領域20Aおよび出力段LDMOSFET形成領域20BのそれぞれにLDMOSFETが形成されている。LDMOSFETのソースは、p-型半導体層23および絶縁層22を貫通するn型打抜き層25を介して基板21および裏面電極72に電気的に接続されている。n型打抜き層25とp-型半導体層23およびp型ウエル28とは、PN接合が形成されることによって電気的に分離されている。p型ウエル28に形成されたp+型半導体領域41は、プラグ53cを介してベース電極54cが電気的に接続されている。LDMOSFETのベース電位とソース電位とは独立に制御され、LDMOSFETのオン時にはベース電位をソース電位よりも高くし、オフ時にはベース電位をソース電位と等しくする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、半導体装置およびその製造技術に関し、特に、高周波電力増幅器、高周波電力増幅器に搭載される半導体装置およびその製造技術に適用して有効な技術に関する。
近年、GSM(Global System for Mobile Communications)方式、PCS(Personal Communication Systems)方式、PDC(Personal Digital Cellular)方式、CDMA(Code Division Multiple Access)方式といった通信方式に代表される移動体通信装置(いわゆる携帯電話)が世界的に普及している。
一般に、この種の移動体通信装置は、電波の放射と受信をするアンテナ、電力変調された高周波信号を増幅してアンテナへ供給する高周波電力増幅器(RFパワーモジュール)、アンテナで受信した高周波信号を信号処理する受信部、これらの制御を行う制御部、そしてこれらに電源電圧を供給する電池(バッテリー)で構成される。
特開2001−244476号公報には、MOSFETを、酸化物の中間層及び基板の層上に重なる比較的薄い活性層を有するSOI(silicon on insulator)素子として製造し、MOSFETを横型デバイスとし、活性層の表面から層を貫通して基板中に延在している導電性プラグによって、素子の裏側からソースに対して電気的接触を確立する技術が記載されている(特許文献1参照)。
また、特開2003−203987号公報には、SOI基板の素子形成領域を取り囲むように溝を形成し、側壁に厚い酸化膜を形成した上で多結晶シリコンで埋め込み、トレンチ分離層を形成することで、MOS型素子のゲート絶縁膜が劣化するのを防止する技術が記載されている(特許文献2参照)。
また、特開2000−323719号公報には、SOI構造を利用した横型二重拡散型MOSFETに関する技術が記載されている(特許文献3参照)。
また、特開平7−335811号公報には、SOI構造を有する半導体チップを採用してリードフレームで製造する半導体装置に関する技術が記載されている(特許文献4参照)。
特開2001−244476号公報 特開2003−203987号公報 特開2000−323719号公報 特開平7−335811号公報
移動体通信装置のRFパワーモジュールの電力増幅回路に用いられる増幅素子として、HBT、HEMTなどの化合物半導体デバイス、シリコンバイポーラトランジスタ、LDMOSFET(Laterally Diffused Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor、横方向拡散MOSFET)などが、目的や状況に応じて使用されている。
これらの増幅素子のうち、LDMOSFETは、ドレイン側に低不純物濃度のオフセットドレイン領域を介して高不純物濃度のドレイン領域を設けることによって、高いドレイン耐圧を確保する構造を採用したものであるが、化合物半導体デバイスに比較して電力付加効率は低いものの、バイアス制御が容易で、かつ量産性も高いという利点がある。
携帯電話の多機能化やグローバル化などにより、RFパワーモジュールおよびそれに用いられる増幅素子(増幅用の半導体チップ)に要求される性能は年々高まってきている。例えば、RFパワーモジュールに用いられる増幅素子(増幅用の半導体チップ)の性能評価では、電力効率が高いことなどが重要視され、特にW−CDMA方式の携帯電話で使用する場合などには、ACPR(隣接チャネル漏洩電力)一定での電力効率が高いことが性能の指針となっている。従って、これら性能をより向上させたRFパワーモジュールおよびそれに用いられる増幅素子(増幅用の半導体チップ)を提供することが求められている。
本発明の目的は、半導体装置の性能を向上させることができる技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本発明は、半導体基板上に絶縁層を介して半導体層を形成したSOI基板にMISFETを形成し、SOI基板の絶縁層を貫通する打抜き層でMISFETのソースと半導体基板とを電気的に接続し、打抜き層と半導体層とを電気的に分離したものである。
また、本発明は、半導体基板上に絶縁層を介して半導体層を形成したSOI基板にMISFETを形成し、SOI基板の絶縁層を貫通する打抜き層でMISFETのソースと半導体基板とを電気的に接続し、打抜き層と半導体層とを電気的に分離し、MISFETのソースの電位とベース層の電位とを独立に制御するものである。
また、本発明は、半導体基板上に絶縁層を介して半導体層を形成したSOI基板にMISFETを形成し、SOI基板の絶縁層を貫通する打抜き層でMISFETのソースと半導体基板とを電気的に接続し、打抜き層と半導体層とを電気的に分離し、半導体層上に導電体部を設けたものである。
また、本発明は、半導体基板上に絶縁層を介して半導体層を形成したSOI基板にMISFETを形成し、SOI基板の絶縁層を貫通する打抜き層でMISFETのソースと半導体基板とを電気的に接続し、打抜き層と半導体層とを電気的に分離した半導体チップを配線基板に搭載し、前記半導体層の電位とLDMOSFETのソースの電位とを独立に制御するものである。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
半導体装置の性能を向上させることができる。
また、半導体装置のリーク電流を増加させることなく電力効率を向上させることができる。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションに分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
また、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。
(実施の形態1)
本実施の形態1は、例えばGSM方式やW−CDMA方式のネットワークを利用して情報を伝送するデジタル携帯電話(移動体通信装置)に使用されるRF(Radio Frequency)パワーモジュールなどに搭載される半導体装置である。
図1は、本実施の形態1のRFパワーモジュール(高周波電力増幅装置、高周波電力増幅器、半導体装置)1を構成する増幅回路を簡易的に示す回路図(簡易回路図、回路ブロック図)である。
図1に示されるように、RFパワーモジュール1の増幅回路の回路構成は、2つの増幅段(増幅回路)101,102と、増幅段101,102にバイアス電圧を印加するバイアス回路103と、各増幅段101,102の出力用のLDMOSFETのドレイン端子に印加される電源電圧Vddを生成する電源回路(電源制御回路)104と、入力端子(入力電力用の端子)105とドライバ段(初段)の増幅段101との間の整合回路(入力整合回路)106と、出力端子(出力電力用の端子)107と出力段(最終段)の増幅段102との間の整合回路(出力整合回路)108と、増幅段101,102間の整合回路(段間整合回路)109とを有している。
RFパワーモジュール1の入力端子105に入力された入力信号(RF入力信号、入力電力)は、整合回路106を経てドライバ段の増幅段101に入力されて増幅され、増幅段101の出力は整合回路109を経て出力段の増幅段102に入力されて増幅され、増幅段102の出力は整合回路108を経て出力端子107から出力信号(RF出力信号、出力電力)として出力される。
各増幅段101,102はnチャネル型LDMOSFETにより形成されている。上記のように2段の増幅段101,102により電力増幅回路が形成されているので、2個のnチャネル型LDMOSFET(すなわち増幅段101を構成するnチャネル型LDMOSFETと増幅段102を構成するnチャネル型LDMOSFET)が従属接続した回路構成となっている。なお、本実施の形態では、2段の増幅段101,102が接続(多段接続)されて電力増幅回路を形成しているが、他の形態として、3段以上の増幅段を接続(多段接続)して電力増幅回路を形成することも可能であり、この場合、3個以上のnチャネル型LDMOSFETが従属接続した回路構成となる。
このように、RFパワーモジュール1の電力増幅回路は、2段の増幅段101,102として2つのLDMOSFET(後述するLDMOSFET回路121,122に対応)を順次従属接続した回路構成を有しており、この電力増幅回路の出力レベルは、上記バイアス回路103および電源回路104から供給される電源電圧Vddによって制御される。ここでは、その電源電圧Vddが増幅段101,102を構成する2つのLDMOSFET(後述するLDMOSFET回路121,122に対応)の各々のドレイン電極に供給されるようになっている。
バイアス回路103は、各増幅段101,102に印加するバイアス電圧を独立に制御できるように構成されている。すなわち、バイアス回路103は、ドライバ段の増幅段101のゲートバイアス電圧Vg1(すなわち増幅段101を構成するLDMOSFETのゲート電極(31)に印加するバイアス電圧)と、ドライバ段の増幅段101のベースバイアス電圧Vb1(すなわち増幅段101を構成するLDMOSFETのp型ウエル(28)に印加するバイアス電圧)と、出力段の増幅段102のゲートバイアス電圧Vg2(すなわち増幅段102を構成するLDMOSFETのゲート電極(31)に印加するバイアス電圧)と、出力段の増幅段102のベースバイアス電圧Vb2(すなわち増幅段102を構成するLDMOSFETのp型ウエル(28)に印加するバイアス電圧)とを、図示しないバイアス制御信号入力端子から入力されたバイアス制御信号に基づいて、独立に制御する。
図2は、本実施の形態のRFパワーモジュール1で用いられる半導体チップ(半導体装置、半導体増幅素子チップ、高周波用電力増幅素子チップ)2の回路配置例を示す説明図(全体平面図、レイアウト図)である。なお、図2では、図面を見易くするために、ベース電位制御用配線125a,125b、ゲート電位制御用配線126a,126bおよび素子分離領域127についてはハッチングを付してある。
図2に示されるように、本実施の形態の半導体チップ2は、上記増幅段101に対応するドライバ段のLDMOSFET回路(LDMOSFET回路領域)121と、上記増幅段102に対応する出力段のLDMOSFET回路(LDMOSFET回路領域)122と、制御回路(制御回路ブロック)123とを有しており、制御回路123は上記バイアス回路103も含んでいる。半導体チップ2の表面には複数のパッド電極(ボンディングパッド)124が形成されており、パッド電極124は、ドライバ段のLDMOSFET回路121のゲート電極に電気的に接続された入力用のゲートパッド124a、ドレインに電気的に接続された出力用のドレインパッド124c、および出力段のLDMOSFET回路122のゲート電極に電気的に接続された入力用のゲートパッド124d、ドレインに電気的に接続された出力用のドレインパッド124bを含んでいる。また、制御回路123(のバイアス回路103)は、ベース電位制御用配線125aを介してドライバ段のLDMOSFET回路121のベース電極(後述するドライバ段LDMOSFET形成領域20Aのベース電極54cまたはベース配線64c)に電気的に接続され、また、ベース電位制御用配線125bを介して出力段のLDMOSFET回路122のベース電極(後述する出力段LDMOSFET形成領域20Bのベース電極54cまたはベース配線64c)に電気的に接続されている。また、ドライバ段のLDMOSFET回路121近傍には、制御回路123とドライバ段のLDMOSFET回路121を接続するためのゲート電位制御用配線126aが設けられ、出力段のLDMOSFET回路122近傍には、制御回路123と出力段のLDMOSFET回路122を接続するためのゲート電位制御用配線126bが設けられている。また、ドライバ段のLDMOSFET回路121が形成された領域(後述するドライバ段LDMOSFET形成領域20Aに対応)と、出力段のLDMOSFET回路122が形成された領域(後述する出力段LDMOSFET形成領域20Bに対応)と、制御回路123が形成された領域とは、埋込酸化膜からなる素子分離領域127(後述する素子分離領域27に対応)によって、それぞれ他の領域から電気的に分離されている。
このように、電力増幅回路を構成する初段(ドライバ段)から最終段(出力段)までの増幅段101,102(すなわちLDMOSFET回路121,122)は同じ半導体チップ2内に形成されており、更にそれら増幅段101,102にバイアス電圧を印加するバイアス回路103も、増幅段101,102が形成された半導体チップ2内に形成されている。本実施の形態では、整合回路用の受動素子は、半導体チップ2の外に実装するものとしている。
図3は、本実施の形態のRFパワーモジュール1の概念的な構造を示す断面図である。
図3に示される本実施の形態のRFパワーモジュール1は、配線基板(多層基板、多層配線基板、モジュール基板)3と、配線基板3上に搭載(実装)された半導体チップ(半導体素子、能動素子)2と、配線基板3上に搭載(実装)された受動部品(受動素子、チップ部品)4と、半導体チップ2および受動部品4を含む配線基板3の上面を覆う封止樹脂(封止樹脂部)5とを有している。半導体チップ2および受動部品4は、配線基板3の導体層(伝送線路)に電気的に接続されている。また、RFパワーモジュール1は、例えば図示しない外部回路基板またはマザーボードなどに実装することもできる。
配線基板3は、例えば、複数の絶縁層(誘電体層)11と、複数の導体層または配線層(図示せず)とを積層して一体化した多層基板(多層配線基板)である。図3では、4つの絶縁層11が積層されて配線基板3が形成されているが、積層される絶縁層11の数はこれに限定されるものではなく種々変更可能である。配線基板3の絶縁層11を形成する材料としては、例えばアルミナ(酸化アルミニウム、Al23)などのようなセラミック材料を用いることができる。この場合、配線基板3はセラミック多層基板である。配線基板3の絶縁層11の材料は、セラミック材料に限定されるものではなく種々変更可能であり、例えばガラスエポキシ樹脂などを用いても良い。
配線基板3の上面(表面、主面)3a上と下面(裏面、主面)3b上と絶縁層11間とには、配線形成用の導体層(配線層、配線パターン、導体パターン)が形成されている。配線基板3の最上層の導体層によって、配線基板3の上面3aに導電体からなる基板側端子(端子、電極、伝送線路、配線パターン)12aが形成され、配線基板3の最下層の導体層によって、配線基板3の下面3bに導電体からなる外部接続端子(端子、電極、モジュール電極)12bが形成されている。外部接続端子12bは、例えば、図1における入力端子105や出力端子107などに対応するものである。配線基板3の内部、すなわち絶縁層11の間にも導体層(配線層、配線パターン、導体パターン)が形成されているが、図3では簡略化のために図示を省略している。また、配線基板3の導体層により形成される配線パターンのうち、基準電位供給用の配線パターン(例えば配線基板3の下面3bの基準電位供給用端子12cなど)は、絶縁層11の配線形成面の大半の領域を覆うようなパターンで形成し、伝送線路用の配線パターンは帯状のパターンで形成することができる。
配線基板3を構成する各導体層(配線層)は、必要に応じて絶縁層11に形成されたビアホール(スルーホール)13内の導体または導体膜を通じて電気的に接続されている。従って、配線基板3の上面3aの基板側端子12aは、必要に応じて配線基板3の上面3aおよび/または内部の配線層(絶縁層11間の配線層)やビアホール13内の導体膜などを介して、配線基板3の下面3bの外部接続端子12bに電気的に接続されている。なお、ビアホール13のうち、半導体チップ2の下方に設けられたビアホール13aは、半導体チップ2で生じた熱を配線基板3の下面3b側に伝導させるためのサーマルビアとして機能することもできる。
配線基板3上に搭載された半導体チップ2は、上記図2に示される半導体チップ2に対応するものである。従って、半導体チップ2内(または表層部分)には、増幅段101,102(LDMOSFET回路121,122)を構成するLDMOSFET素子が形成されている。半導体チップ2は、例えば、単結晶シリコンなどからなる半導体基板(半導体ウエハ)に半導体集積回路を形成した後、必要に応じて半導体基板の裏面研削を行ってから、ダイシングなどにより半導体基板を各半導体チップ2に分離したものである。
配線基板3の半導体チップ2搭載領域には、キャビティと称する平面矩形状の窪み(凹部)14が設けられており、半導体チップ2は配線基板3の窪み14の底面の導体層14aに、例えば半田15などの接合材(接着剤)によりフェイスアップでダイボンディングされている。半導体チップ2のダイボンディングには、半田15の代わりに銀ペーストなどを用いることもできる。半導体チップ2の表面(上面)に形成された電極2a(上記パッド電極124に対応)は、ボンディングワイヤ8を介して配線基板3の上面3aの基板側端子12aに電気的に接続されている。また、半導体チップ2の裏面には裏面電極2b(後述する裏面電極72に対応)が形成されており、この半導体チップ2の裏面電極2bは、配線基板3の窪み14の底面の導体層14aに半田15などの接合材により接続(接合)され、更にビアホール13内の導体膜などを介して、配線基板3の下面3bの基準電位供給用端子12cなどに電気的に接続されている。
受動部品4は、抵抗素子(例えばチップ抵抗)、容量素子(例えばチップコンデンサ)またはインダクタ素子(例えばチップインダクタ)などの受動素子からなり、例えばチップ部品からなる。受動部品4は、例えば整合回路(入力整合回路)106や整合回路(出力整合回路)108などを形成するための受動部品である。受動部品4は、配線基板3の上面3aの基板側端子12aに半田17などの導電性の良い接合材(接着剤)により実装されている。半導体チップ2または受動部品4が電気的に接続された配線基板3の上面3aの基板側端子12aは、配線基板2の内部の配線層やビアホール13内の導体膜などを介して、配線基板3の下面3bの外部接続端子12bに電気的に接続されている。また、本実施の形態では、整合回路106,108,109を配線基板3上に搭載した受動部品4により形成しているが、他の形態として、部分的に半導体チップ2内に半導体集積回路の一部として形成することもできる。
封止樹脂5は、半導体チップ2、受動部品4およびボンディングワイヤ8を覆うように配線基板3上に形成されている。封止樹脂5は、例えばエポキシ樹脂などの樹脂材料からなり、フィラーなどを含有することもできる。
次に、本実施の形態の半導体装置(上記半導体チップ2に対応)の構造を図面を参照して説明する。図4は、本実施の形態の半導体装置(上記半導体チップ2に対応)の要部断面図である。
図4に示される本実施の形態の半導体装置は、上記増幅段101,102などが形成された半導体チップ2に対応している。
本実施の形態の半導体装置は、SOI(Silicon On Insulator)基板20を用いて製造した半導体装置である。本実施の形態の半導体装置が形成されるSOI基板20は、例えば、ドライバ段の増幅段101を構成するLDMOSFET(Laterally Diffused Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor、横方向拡散MOSFET)が形成されるドライバ段LDMOSFET形成領域20Aと、出力段の増幅段102を構成するLDMOSFETが形成される出力段LDMOSFET形成領域20Bとを有している。
図4に示されるように、例えばn+型の単結晶シリコン(Si)からなり、その抵抗率(比抵抗)が例えば1〜10mΩ・cm程度の低抵抗基板とされている半導体基板(以下、単に基板という)21の主面上には、酸化シリコンなどからなる絶縁層(絶縁体層、BOX(Buried Oxide)層)22が形成されており、絶縁層22上にp-型の単結晶シリコン(Si)からなるp-型半導体層(SOI(Silicon On Insulator)層)23が形成されており、これら基板21、絶縁層22およびp-型半導体層23によりSOI基板20が形成されている。SOI基板20を構成するp-型半導体層23の不純物濃度は基板21の不純物濃度よりも低く、p-型半導体層23の抵抗率は基板21の抵抗率よりも高い。p-型半導体層23の厚みは、例えば1.5μm程度である。
SOI基板20の主面(すなわちp-型半導体層23の主面)には、素子分離溝26に埋め込まれた絶縁体(例えば酸化シリコン)からなる素子分離領域27が形成されている。素子分離溝26の底部は絶縁層22に到達しているので、素子分離領域27の底部は絶縁層22に接続している。ドライバ段LDMOSFET形成領域20Aのp-型半導体層23は素子分離領域27および絶縁層22によって囲まれて他の領域から電気的に分離(絶縁)されており、ドライバ段LDMOSFET形成領域20Aに形成される半導体素子(LDMOSFET)は、ドライバ段LDMOSFET形成領域20A以外の領域から電気的に分離される。また、出力段LDMOSFET形成領域20Bのp-型半導体層23も素子分離領域27および絶縁層22によって囲まれて他の領域から電気的に分離(絶縁)されており、出力段LDMOSFET形成領域20Bに形成される半導体素子(LDMOSFET)は、出力段LDMOSFET形成領域20B以外の領域から電気的に分離される。従って、ドライバ段LDMOSFET形成領域20Aのp-型半導体層23と出力段LDMOSFET形成領域20Bのp-型半導体層23とは、電気的に分離(絶縁)されている。
ドライバ段LDMOSFET形成領域20Aおよび出力段LDMOSFET形成領域20Bのそれぞれにおいて、p-型半導体層23の主面の一部には、p型ウエル28が形成されている。このp型ウエル28は、LDMOSFETのドレインからソースへの空乏層の延びを抑えるパンチスルーストッパとしての機能を有している。p型ウエル28の表面には、酸化シリコンなどからなるゲート絶縁膜29を介してLDMOSFETのゲート電極31が形成されている。ゲート電極31は、例えばn型多結晶シリコン膜(下層側)とタングステンシリサイド(WSiX)膜のような金属シリサイド膜(上層側)との積層膜からなる。ゲート電極31の下部のp型ウエル28は、LDMOSFETのチャネルが形成される領域となる。ゲート電極31の側壁には、酸化シリコンなどからなるサイドウォールスペーサ36が形成されている。
ドライバ段LDMOSFET形成領域20Aおよび出力段LDMOSFET形成領域20Bのそれぞれにおいて、p-型半導体層23の内部のチャネル形成領域を挟んで互いに離間する領域には、LDMOSFETのソース、ドレインが形成されている。ドレインは、チャネル形成領域に接するn-型オフセットドレイン領域(第1低濃度領域)33と、このn-型オフセットドレイン領域33に接し、チャネル形成領域から離間して形成されたn型オフセットドレイン領域(第2低濃度領域)37と、n型オフセットドレイン領域37に接し、チャネル形成領域からさらに離間して形成されたn+型ドレイン領域(高濃度オフセット領域)38とからなる。これらn-型オフセットドレイン領域33、n型オフセットドレイン領域37およびn+型ドレイン領域38のうち、ゲート電極31に最も近いn-型オフセットドレイン領域33は不純物濃度が最も低く、ゲート電極31から最も離間したn+型ドレイン領域38は不純物濃度が最も高い。n-型オフセットドレイン領域33は、ゲート電極31に対して自己整合で形成され、n型オフセットドレイン領域37は、ゲート電極31の側壁のサイドウォールスペーサ36に対して自己整合で形成されている。
このように、ドライバ段LDMOSFET形成領域20Aおよび出力段LDMOSFET形成領域20Bのそれぞれに形成されたLDMOSFETは、ゲート電極31とn+型ドレイン領域38との間に介在するオフセットドレイン領域を二重オフセット構造とし、ゲート電極31に最も近いn-型オフセットドレイン領域33の不純物濃度を相対的に低く、ゲート電極31から離間したn型オフセットドレイン領域37の不純物濃度を相対的に高くしている。この構造により、ゲート電極31とドレインとの間に空乏層が広がるようになる結果、ゲート電極31とその近傍のn-型オフセットドレイン領域33との間に形成される帰還容量(Cgd)は小さくなる。また、n型オフセットドレイン領域37の不純物濃度が高いことから、LDMOSのオン抵抗(Ron)も小さくなる。n型オフセットドレイン領域37は、ゲート電極31から離間した位置に形成されているために、帰還容量(Cgd)に及ぼす影響は僅かである。このため、オン抵抗(Ron)と帰還容量(Cgd)を共に小さくすることができるので、電力増幅回路の電力付加効率を向上させることができる。
一方、ドライバ段LDMOSFET形成領域20Aおよび出力段LDMOSFET形成領域20Bのそれぞれに形成されるLDMOSFETのソースは、チャネル形成領域に接するn-型ソース領域(低濃度領域)34と、このn-型ソース領域34に接し、チャネル形成領域から離間して形成されたn+型ソース領域(高濃度領域)39とからなる。チャネル形成領域に接するn-型ソース領域34は、チャネル形成領域から離間したn+型ソース領域39に較べて不純物濃度が低く、かつ浅く形成されている。また、n-型ソース領域34の下部には、ソースからチャネル形成領域への不純物の広がりを抑制し、さらに短チャネル効果を抑制するためのp型ハロー領域(図示せず)を形成することもできる。n-型ソース領域34は、ゲート電極31に対して自己整合で形成され、n+型ソース領域39は、ゲート電極31の側壁のサイドウォールスペーサ36に対して自己整合で形成されている。
ドライバ段LDMOSFET形成領域20Aおよび出力段LDMOSFET形成領域20Bのそれぞれにおいて、n+型ソース領域39の端部(n-型ソース領域34と接する側と反対側の端部)には、n+型ソース領域39に隣接してn型打抜き層(導電体部)25が形成されている。n型打抜き層25は、絶縁層22を貫通してLDMOSFETのソースと基板21とを(電気的に)接続するための導電体部(導電層)である。n型打抜き層25は、p-型半導体層23および絶縁層22を貫通するように形成された溝24の内部に埋め込んだn型多結晶シリコン膜(n型不純物を導入した多結晶シリコン膜)により形成されている。従って、n型打抜き層25の底部は基板21に到達している。n型打抜き層25として不純物を導入(ドープ)したシリコン膜を用いることで、n型打抜き層25とp-型半導体層23との間の熱膨張率の差をなくすことができ、熱膨張率の差に起因する欠陥の発生を防止することができる。
基板21は、n型打抜き層25と同じn型の導電型を有しており、n型打抜き層25と基板21とは電気的に接続されている。また、n型打抜き層25とn+型ソース領域39とは、平面的に重なる(オーバーラップする)ような位置に形成されて互いに接しており、同じ導電型(ここではn型)を有しているので、n型打抜き層25とn+型ソース領域39とは電気的に接続されている。このように、n型打抜き層25および基板21をn+型ソース領域39と同じn型の導電型にすることで、LDMOSFETのソースをn型打抜き層25を介して基板21に電気的に接続することができる。
n型打抜き層25とp型ウエル28との間、およびn型打抜き層25とp-型半導体層23との間には、導電型が逆であることに起因して、PN接合が形成されている。本実施の形態では、n型打抜き層25をp型ウエル28およびp-型半導体層23とは逆のn型の導電型にすることで、n型打抜き層25とp型ウエル28およびp-型半導体層23との間にPN接合を形成し、それによってn型打抜き層25とp型ウエル28およびp-型半導体層23とを電気的に分離し、LDMOSFETのベース電位Vb(p型ウエル28およびp-型半導体層23の電位)をソース電位Vs(n+型ソース領域39およびn-型ソース領域34の電位であり、n型打抜き層25もソース電位Vsとなる)とは独立に制御できるようにしている。すなわち、n型打抜き層25とベース層(p型ウエル28およびp-型半導体層23)との間の接合電位差を超える電圧が印加されるまでは、n型打抜き層25とベース層(p型ウエル28およびp-型半導体層23)との間の電気的独立は保たれる。このため、LDMOSFETのベース電位Vbとソース電位Vsとを、接合電位差(PN接合の障壁)の範囲内で、異なる値にすることが可能である。また、n型打抜き層25としてn型の不純物を導入(ドープ)したシリコン膜を用いることで、ベース層(p型ウエル28およびp-型半導体層23)との間に接合障壁(ここではPN接合)を容易かつ安定して形成することが可能になる。
また、ドライバ段LDMOSFET形成領域20Aおよび出力段LDMOSFET形成領域20Bのそれぞれにおいて、p型ウエル28にp+型半導体領域41が形成されている。p+型半導体領域41の不純物濃度は、p-型半導体層23およびp型ウエル28の不純物濃度よりも高い。p+型半導体領域41は、n型打抜き層25を間に介してゲート電極31と対向するような位置に形成されている。
SOI基板20(p-型半導体層23)上には、ゲート電極31を覆うように、相対的に薄い窒化シリコン膜とその上の相対的に厚い酸化シリコン膜とからなる絶縁膜(層間絶縁膜)51が形成されている。絶縁膜51にはコンタクトホール(開口部)52(コンタクトホール52a,52b,52c)が形成されており、コンタクトホール52内にはタングステン(W)膜を主体とする導電膜からなるプラグ(導電体部)53(プラグ53a,54b,53c)が形成されている。
プラグ53のうちプラグ53aは、ドライバ段LDMOSFET形成領域20Aおよび出力段LDMOSFET形成領域20Bのそれぞれにおいて、n型打抜き層25およびn+型ソース領域39の両者の上にまたがって形成されたコンタクトホール52aを埋めるように形成され、コンタクトホール52aの底部でn型打抜き層25およびn+型ソース領域39の両者に電気的に接続されている。上記のように、n型打抜き層25とn+型ソース領域39とは互いに接して電気的に接続されているが、コンタクトホール52aおよびそれを埋めるプラグ53aをn型打抜き層25とn+型ソース領域39の両者の上に延在させることで、n型打抜き層25とn+型ソース領域39とをプラグ53aによって更に電気的に接続することができ、更なる低抵抗化を図ることができる。
プラグ53のうちプラグ53bは、ドライバ段LDMOSFET形成領域20Aおよび出力段LDMOSFET形成領域20Bのそれぞれにおいて、n+型ドレイン領域38上に形成されたコンタクトホール52bを埋めるように形成され、コンタクトホール52bの底部でn+型ドレイン領域38と電気的に接続されている。
プラグ53のうちプラグ53cは、ドライバ段LDMOSFET形成領域20Aおよび出力段LDMOSFET形成領域20Bのそれぞれにおいて、p+型半導体領域41上に形成されたコンタクトホール52cを埋めるように形成され、コンタクトホール52cの底部でp+型半導体領域41と電気的に接続されている。従って、プラグ53c(導電体部)はp+型半導体領域41上に形成され、このプラグ53cはp+型半導体領域41、p型ウエル28およびp-型半導体層23に電気的に接続されることになる。
プラグ53が埋め込まれた絶縁膜51上には、例えばアルミニウム(Al)合金膜などを主体とした配線(第1配線層)54が形成されている。この配線54により、ソース電極(ソース配線)54a、ドレイン電極(ドレイン配線)54bおよびベース電極(ベース配線)54cが形成されている。
ソース電極54aは、プラグ53a(プラグ53)を介してLDMOSFETのソース(n+型ソース領域39)とn型打抜き層25とに電気的に接続され、n型打抜き層25を介して更に基板21(および裏面電極72)に電気的に接続されている。また、ドレイン電極54bは、プラグ53を介してLDMOSFETのドレイン(n+型ドレイン領域38)に電気的に接続されている。また、ベース電極54cは、プラグ53を介してp+型半導体領域41に電気的に接続されている。従って、ベース電極54cは、プラグ53を介してp+型半導体領域41、p型ウエル28およびp-型半導体層23に電気的に接続されている。
配線54(ソース電極54a、ドレイン電極54bおよびベース電極54c)を覆うように絶縁膜51上に酸化シリコン膜などからなる絶縁膜61が形成されており、絶縁膜61にはその底部で配線54を露出するスルーホール62が形成され、スルーホール62内にはタングステン(W)膜を主体とするプラグ63が埋め込まれている。プラグ63が埋め込まれた絶縁膜61上には、アルミニウム(Al)合金膜などを主体とする配線(第2層配線)64が形成されている。この配線64により、ソース配線(ソース電極)64a、ドレイン配線(ドレイン電極)64bおよびベース配線(ベース電極)64cが形成されている。ソース配線64aはプラグ63を介してソース電極54aに電気的に接続され、ドレイン配線64bはプラグ63を介してドレイン電極54bに電気的に接続され、ベース配線64cはプラグ63を介してベース電極54cに電気的に接続されている。
ベース配線64cは、上記制御回路123のバイアス回路103に電気的に接続されている。このため、バイアス回路103から、ベース配線64c、プラグ63、ベース電極54cおよびプラグ53を介して、ドライバ段LDMOSFET形成領域20Aのp+型半導体領域41(p型ウエル28およびp-型半導体層23)にベースバイアス電圧Vb1を供給でき、バイアス回路103から、ベース配線64c、プラグ63、ベース電極54cおよびプラグ53を介して、出力段LDMOSFET形成領域20Bのp+型半導体領域41(p型ウエル28およびp-型半導体層23)にベースバイアス電圧Vb2を供給できる。また、ドライバ段LDMOSFET形成領域20A(のp-型半導体層23)と出力段LDMOSFET形成領域20B(のp-型半導体層23)とは、絶縁層22および素子分離領域27によって電気的に分離されているので、ベース配線64cやベース電極54cなどを通してドライバ段LDMOSFET形成領域20Aのp+型半導体領域41(p型ウエル28およびp-型半導体層23)に供給するベースバイアス電圧Vb1と、ベース配線64cやベース電極54cなどを通して出力段LDMOSFET形成領域20Bのp+型半導体領域41(p型ウエル28およびp-型半導体層23)に供給するベースバイアス電圧Vb2とを異ならせる(すなわちVb1≠Vb2とする)ことが可能であり、ベースバイアス電圧Vb1とベースバイアス電圧Vb2とをそれぞれ独立に所望の値に制御することができる。また、ベースバイアス電圧Vb1とベースバイアス電圧Vb2とを同じ値に制御する(すなわちVb1=Vb2とする)ことももちろん可能である。
また、n型打抜き層25とp型ウエル28との間、およびn型打抜き層25とp-型半導体層23との間には、PN接合が形成されているので、n型打抜き層25の電位をp型ウエル28およびp-型半導体層23の電位と異なるものにすることが可能である。従って、LDMOSFETのソース電位Vs(n+型ソース領域39の電位、すなわち裏面電極72およびn型打抜き層25を介してn+型ソース領域39に供給された電位)と、LDMOSFETのベース電位Vb(p+型半導体領域41、p型ウエル28およびp-型半導体層23の電位、すなわちベース配線64c、プラグ63、ベース電極54cおよびプラグ53を介してp+型半導体領域41、p型ウエル28およびp-型半導体層23に供給された電位、上記ベースバイアス電圧Vb1,Vb2に対応する)とを、異なるものにすることが可能であり、ベース電位Vbとソース電位Vsとをそれぞれ独立に所望の値に制御することができる。また、ベース電位Vbとソース電位Vbとを同じ値に制御することももちろん可能である。
絶縁膜61上には、配線64(ソース配線64a、ドレイン配線64bおよびベース配線64c)を覆うように、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜の積層膜などからなる表面保護膜71が形成されている。また、基板21(SOI基板20)の裏面(絶縁層22およびp-型半導体層23が形成された側の主面とは反対側の主面)の全面には、例えばニッケル(Ni)膜、チタン(Ti)膜、Ni膜および金(Au)膜の積層膜などからなる裏面電極(裏面ソース電極)72が形成されている。裏面電極72は、n型打抜き層25を通じて、ドライバ段LDMOSFET形成領域20Aおよび出力段LDMOSFET形成領域20Bにそれぞれ形成されたLDMOSFETのソースに電気的に接続されている。この裏面電極72が、半導体チップ2の上記裏面電極2bに対応する。LDMOSFETのソースを裏面電極72から引き出すことで、ソースのインダクタンスや抵抗を低減でき、高周波での使用に有利となる。
なお、図4のドライバ段LDMOSFET形成領域20Aに示されたLDMOSFETは、単位LDMOSFET(後述する単位LDMOSFET131aに対応)に対応しており、実際には、この単位LDMOSFETがドライバ段LDMOSFET形成領域20Aに複数形成されてそれら複数の単位LDMOSFETが並列に接続されることで、ドライバ段の増幅段101が形成されている。同様に、図4の出力段LDMOSFET形成領域20Bに示されたLDMOSFETは、単位LDMOSFET(後述する単位LDMOSFET131aに対応)に対応しており、実際には、この単位LDMOSFETが出力段LDMOSFET形成領域20Bに複数形成されてそれら複数の単位LDMOSFETが並列に接続されることで,出力段の増幅段102が形成されている。
図5は、本実施の形態の半導体装置(上記半導体チップ2に対応)のドライバ段LDMOSFET形成領域20Aの単位セルを示す要部平面図である。図5のA−A線の断面が、図4におけるドライバ段LDMOSFET形成領域20Aの断面にほぼ対応する。図5では、n型打抜き層25、ゲート電極31、n+型ドレイン領域38、n+型ソース領域39、p+型半導体領域41、コンタクトホール52、ソース電極54a、ドレイン電極54bおよびベース電極54cなどの平面レイアウトを示している。また、図5は平面図であるが、図面を見易くするために、n型打抜き層25にハッチングを付してある。
ドライバ段LDMOSFET形成領域20Aでは、図5に示されるような単位セル(繰り返しピッチ)131のレイアウトが繰り返されている。一つの単位セル131により2つの単位LDMOSFET131aが形成される。図4のドライバ段LDMOSFET形成領域20Aの断面には、一つの単位LDMOSFET131aの断面が示されている。ドライバ段LDMOSFET形成領域20Aにおいては、単位セル131のレイアウトが繰り返されることで、多数(複数)の単位LDMOSFET131aが形成され、ドライバ段LDMOSFET形成領域20Aに形成された多数(複数)の単位LDMOSFET131aが並列に接続されることで、一つの増幅段101(ドライバ段のLDMOSFET回路121)が形成される。
また、出力段LDMOSFET形成領域20Bの平面レイアウトについても、ドライバ段LDMOSFET形成領域20Aと同様である。すなわち、出力段LDMOSFET形成領域20Bでも、図5に示されるような単位セル(繰り返しピッチ)131のレイアウトが繰り返されている。図4の出力段LDMOSFET形成領域20Bの断面は、図5のA−A線の断面にほぼ対応し、一つの単位LDMOSFET131aの断面が示されている。出力段LDMOSFET形成領域20Bにおいても、単位セル131のレイアウトが繰り返されることで、多数(複数)の単位LDMOSFET131aが形成され、出力段LDMOSFET形成領域20Bに形成された多数(複数)の単位LDMOSFET131aが並列に接続されることで、一つの増幅段102(出力段のLDMOSFET回路122)が形成される。
図6は、本実施の形態の半導体装置の要部断面図であり、図5のB−B線に対応する断面が示されている。すなわち、図4はn型打抜き層25を横切る断面に対応し、図6はn型打抜き層25を横切らない断面に対応する。
図4〜図6からも分かるように、n型打抜き層25は島状に複数形成されており、隣り合うn型打抜き層25の間にはp型ウエル28が存在している。このため、p+型半導体領域41は、ゲート電極31に近い側のp型ウエル28およびp-型半導体層23とも電気的に接続されている。
次に、本実施の形態の半導体装置(上記半導体チップ2に対応)の製造工程を図面を参照して説明する。図7〜図12は、本実施の形態の半導体装置(上記半導体チップ2に対応)の製造工程中の要部断面図であり、上記図4に対応する断面が示されている。
まず、図7に示されるように、n型単結晶シリコンからなる基板21、基板21上の酸化シリコンなどからなる絶縁層22および絶縁層22上のp型単結晶シリコンからなるp-型半導体層23を有するSOI基板20を準備する。SOI基板20は、種々の手法を用いて製造することができ、例えば2枚の半導体基板(半導体ウエハ)を貼り合わせて研磨することにより製造することができる。他の手法、例えばスマートカット(Smart Cut)プロセスなどを用いてSOI基板20を製造することもできる。
次に、図8に示されるように、ドライバ段LDMOSFET形成領域20Aおよび出力段LDMOSFET形成領域20Bにおいて、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術を用いてp-型半導体層23の一部(打抜き層形成領域)をエッチングし、p-型半導体層23および絶縁層22を貫通して基板21に達する溝24を形成する。それから、溝24の内部を含むSOI基板20(p-型半導体層23)上にCVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いてn型多結晶シリコン膜を溝24内を埋めるように堆積した後、溝24の外部のn型多結晶シリコン膜をエッチバック法などで除去することにより、溝24の内部にn型多結晶シリコン膜からなるn型打抜き層25を形成する。n型打抜き層25は、p-型半導体層23および絶縁層22を貫通し、n型打抜き層25の底部は基板21に到達している。このように、不純物をドープしたn型多結晶シリコン膜を溝24の内部に埋め込むことにより、寄生抵抗の小さいn型打抜き層25を形成することができる。
次に、SOI基板20(p-型半導体層23)の主面に絶縁層22に達する素子分離溝26を形成し、素子分離溝26内に素子分離領域27を形成する。例えば、p-型半導体層23上に素子分離溝26を埋めるように絶縁膜(例えば酸化シリコン膜)を形成した後、CMP法などを用いて余分な絶縁膜(酸化シリコン膜)を除去し、素子分離溝26内に絶縁膜(酸化シリコン膜)を埋め込むことにより、素子分離領域27を形成することができる。他の形態として、素子分離領域27を先に形成してから、n型打抜き層25を形成することもできる。
次に、図9に示されるように、フォトレジストパターン(図示せず)をマスクにしてp-型半導体層23の一部にホウ素(B)などのp型の不純物をイオン注入することによって、パンチスルーストッパ用のp型ウエル28を形成する。p型ウエル28は、ドライバ段LDMOSFET形成領域20Aおよび出力段LDMOSFET形成領域20Bのp-型半導体層23の一部に形成され、主としてLDMOSFETのソース形成領域とチャネル形成領域とに形成される。
次に、p-型半導体層23の表面をフッ酸などで洗浄した後、SOI基板20を例えば800℃程度で熱処理(熱酸化処理)することなどによって、p-型半導体層23の表面に例えば膜厚11nm程度の酸化シリコン膜などからなるゲート絶縁膜形成用の絶縁膜29aを形成する。絶縁膜29aは、熱酸化膜に代えて、窒素を含む酸化シリコン膜、いわゆる酸窒化膜を適用してもよい。この場合は、絶縁膜29aの界面におけるホットエレクトロンのトラップを低減することができる。また、熱酸化膜の上部にCVD法で酸化シリコン膜を堆積し、これら2層の酸化膜で絶縁膜29aを構成してもよい。
次に、ドライバ段LDMOSFET形成領域20Aおよび出力段LDMOSFET形成領域20Bの絶縁膜29aの上部にゲート電極31を形成する。ゲート電極31を形成するには、例えば、SOI基板20の主面上(すなわち絶縁膜29a上)にCVD法などによりn型多結晶シリコン膜を堆積し、それからn型多結晶シリコン膜上にCVD法などによりタングステンシリサイド(WSiX)膜のような金属シリサイド膜を堆積し、さらに金属シリサイド膜上にCVD法などにより酸化シリコン膜のようなキャップ絶縁膜32を堆積した後、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術を用いてキャップ絶縁膜32、金属シリサイド膜およびn型多結晶シリコン膜をパターニングする。これにより、パターニングされたn型多結晶シリコン膜およびその上の金属シリサイド膜からなるゲート電極31が、p型ウエル28の表面に絶縁膜29aを介して形成される。ゲート電極31の下の絶縁膜29aが、LDMOSFETのゲート絶縁膜29となる。
次に、フォトレジストパターン(図示せず)をマスクにしてp-型半導体層23の一部にリン(P)などのn型の不純物をイオン注入することによって、n-型オフセットドレイン領域33を形成する。n-型オフセットドレイン領域33は、その端部がチャネル形成領域と接するように、ゲート電極31の側壁下部で終端する。n-型オフセットドレイン領域33の不純物濃度を低くすることにより、ゲート電極31とドレインとの間に空乏層が広がるようになるので、両者の間に形成される帰還容量(ドレインとゲート電極間の寄生容量、Cgd)が低減される。
次に、フォトレジストパターン(図示せず)をマスクにしてp型ウエル28の表面にヒ素(As)などのn型の不純物をイオン注入することによって、n-型ソース領域34を形成する。n-型ソース領域34は、その端部がチャネル形成領域と接するように、ゲート電極31の側壁下部で終端する。n-型ソース領域34を比較的浅く形成することにより、ソースからチャネル形成領域への不純物の広がりを抑制できるので、しきい値電圧の低下を抑制することができる。
また、上記n-型ソース領域34形成のためのイオン注入に引き続いて、p型ウエル28の表面にホウ素(B)などのp型の不純物をイオン注入することによって、n-型ソース領域34の下部にp型ハロー領域(図示せず)を形成することもできる。このとき、SOI基板20の主面に対して斜め方向から不純物をイオン注入する斜めイオン注入法を用いる。p型ハロー領域は、必ずしも形成する必要はないが、これを形成した場合は、ソースからチャネル形成領域への不純物の広がりがさらに抑制され、さらに短チャネル効果が抑制されるので、しきい値電圧の低下をさらに抑制することができる。
次に、図10に示されるように、ゲート電極31の側壁に酸化シリコンなどからなるサイドウォールスペーサ(側壁絶縁膜、側壁スペーサ)36を形成する。サイドウォールスペーサ36は、例えば、基板21上にCVD法などで酸化シリコン膜を堆積した後、この酸化シリコン膜を異方性エッチングして形成することができる。
次に、n-型オフセットドレイン領域33の一部にリン(P)などのn型の不純物をイオン注入する。これにより、n-型オフセットドレイン領域33の一部には、ゲート電極31のドレイン側の側壁に形成されたサイドウォールスペーサ36に対して自己整合的にn型オフセットドレイン領域37が形成される。n-型オフセットドレイン領域33形成のためのイオン注入工程と、n型オフセットドレイン領域37形成のためのイオン注入工程とで、イオン注入の加速エネルギーを同じにすることで、n型オフセットドレイン領域37の接合深さは、n-型オフセットドレイン領域33の接合深さとほぼ同じになる。また、n型オフセットドレイン領域37に注入された不純物は、n-型オフセットドレイン領域33に注入された不純物と同じ導電型(ここではn型)の不純物なので、n型オフセットドレイン領域37の不純物濃度は、n-型オフセットドレイン領域33の不純物濃度よりも高くなる。また、n-型オフセットドレイン領域33は、ゲート電極31に対して自己整合的に形成されるのに対し、n型オフセットドレイン領域37は、ゲート電極31の側壁のサイドウォールスペーサ36に対して自己整合的に形成されることから、n型オフセットドレイン領域37は、ゲート長方向に沿ったサイドウォールスペーサ36の膜厚に相当する分、ゲート電極31から離間して形成される。
次に、n型オフセットドレイン領域37の一部とソース形成領域のp型ウエル28のそれぞれの上部に開口を有するフォトレジストパターン(図示せず)をマスクとして、n型オフセットドレイン領域37とp型ウエル28のそれぞれの一部にヒ素(As)などのn型の不純物をイオン注入する。これにより、n型オフセットドレイン領域37の一部には、n型オフセットドレイン領域37よりも不純物濃度が高く、かつn型オフセットドレイン領域37よりもさらにチャネル形成領域から離間したn+型ドレイン領域38が形成され、また、p型ウエル28には、n-型ソース領域34よりも不純物濃度が高く、かつn-型ソース領域34よりも底部の位置(接合深さ)が深いn+型ソース領域39が形成される。この際、n+型ソース領域39は、ゲート電極31の側壁のサイドウォールスペーサ36に対して自己整合的に形成され、n-型ソース領域34およびn型打抜き層25に接して(隣接して)形成される。このため、n+型ソース領域39は、ゲート長方向に沿ったサイドウォールスペーサ36の膜厚に相当する分、チャネル形成領域から離間して形成される。
次に、フォトレジストパターン(図示せず)をマスクにしてp型ウエル28の表面にホウ素(B)などのp型の不純物をイオン注入することによって、p+型半導体領域41を形成する。p+型半導体領域41は、n型打抜き層25を間に介してゲート電極31と対向する位置のp型ウエル28に形成されている。p+型半導体領域41の不純物濃度は、p型ウエル28およびp-型半導体層23の不純物濃度よりも高い。
ここまでの工程により、n-型オフセットドレイン領域33とn型オフセットドレイン領域37とn+型ドレイン領域38とからなるドレイン(ドレイン領域)、n-型ソース領域34とn+型ソース領域39とからなるソース(ソース領域)、およびゲート電極31を有するLDMOSFETのようなMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)が、ドライバ段LDMOSFET形成領域20Aおよび出力段LDMOSFET形成領域20Bのそれぞれ(のp-型半導体層23)に形成される。なお、本実施の形態でMOSFETというときは、ゲート絶縁膜に酸化膜(酸化シリコン膜)を用いたMISFETだけでなく、酸化膜(酸化シリコン膜)以外の絶縁膜をゲート絶縁膜に用いたMISFETも含むものとする。
次に、図11に示されるように、SOI基板20(p-型半導体層23)上に絶縁膜(層間絶縁膜)51を例えばCVD法などを用いて形成する。絶縁膜51の形成後、必要に応じてCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理して絶縁膜51の表面を平坦化する。絶縁膜51は、例えば相対的に薄い窒化シリコン膜とその上の相対的に厚い酸化シリコン膜とからなり、下層側の窒化シリコン膜は、後述するコンタクトホール52形成時のエッチングストッパ膜として機能することができる。また、絶縁膜51として、酸化シリコン膜などの単体膜を用いることもできる。
次に、フォトレジストパターン(図示せず)をエッチングマスクにして絶縁膜51をドライエッチングすることにより、ドライバ段LDMOSFET形成領域20Aおよび出力段LDMOSFET形成領域20BのLDMOSFETのドレイン(n+型ドレイン領域38)、ソース(n+型ソース領域39)、n型打抜き層25およびp+型半導体領域41の上部などにコンタクトホール52(コンタクトホール52a,52b,52c)を形成する。形成されたコンタクトホール52のうち、コンタクトホール52aの底部ではn型打抜き層25およびn+型ソース領域39が露出し、コンタクトホール52bの底部ではn+型ドレイン領域38が露出し、コンタクトホール52cの底部ではp+型半導体領域41が露出する。
次に、コンタクトホール52の内部にタングステン(W)膜を主体とするプラグ(導電体部、コンタクト層)53(プラグ53a,53b,53c)を埋め込む。プラグ53は導電体からなる。例えば、コンタクトホール52の内部(底部および側壁上)を含む絶縁膜51上にバリア膜(例えば窒化チタン膜など)を形成した後、タングステン膜をCVD法などによってバリア膜上にコンタクトホール52を埋めるように形成し、絶縁膜51上の不要なタングステン膜およびバリア膜をCMP法またはエッチバック法などによって除去することにより、プラグ53を形成することができる。形成されたプラグ53のうち、コンタクトホール52aに埋め込まれたプラグ53aは、コンタクトホール52aの底部でn型打抜き層25およびn+型ソース領域39と電気的に接続し、コンタクトホール52bに埋め込まれたプラグ53bは、コンタクトホール52bの底部でn+型ドレイン領域38と電気的に接続し、コンタクトホール52cに埋め込まれたプラグ53cは、コンタクトホール52cの底部でp+型半導体領域41と電気的に接続する。
次に、プラグ53が埋め込まれた絶縁膜51上に、アルミニウム(Al)合金膜などを主体とした配線(第1配線層)54を形成する。例えば、チタン膜、窒化チタン膜、アルミニウム膜(アルミニウム合金膜)、チタン膜および窒化チタン膜をスパッタリング法などによって順に形成し、それらをフォトリソグラフィ法およびドライエッチング法などを用いてパターニングすることで、配線54を形成することができる。この配線54により、ソース電極(ソース配線)54a、ドレイン電極(ドレイン配線)54bおよびベース電極(ベース配線)54cが形成される。配線54は、上記のようなアルミニウム配線に限定されず種々変更可能であり、例えばタングステン配線や銅配線(例えばダマシン法で形成した埋込銅配線)とすることもできる。
形成された配線54のうち、ソース電極54aは、プラグ53a(プラグ53)を介してLDMOSFETのソース(n+型ソース領域39)とn型打抜き層25とに電気的に接続され、ドレイン電極54bは、プラグ53を介してLDMOSFETのドレイン(n+型ドレイン領域38)に電気的に接続され、ベース電極54cは、プラグ53を介してp+型半導体領域41に電気的に接続される。
次に、図12に示されるように、配線54(ソース電極54a、ドレイン電極54bおよびベース電極54c)を覆うように絶縁膜51上に酸化シリコン膜などからなる絶縁膜61をCVD法などにより形成し、続いて絶縁膜61の一部をエッチングして絶縁膜61にスルーホール62を形成した後、スルーホール62の内部にタングステン(W)膜を主体とするプラグ63を埋め込む。それから、絶縁膜61上にアルミニウム(Al)合金膜などを主体とする配線64(ソース配線64a、ドレイン配線64bおよびベース配線64c)を形成し、配線64(ソース配線64a、ドレイン配線64bおよびベース配線64c)と配線54(ソース電極54a、ドレイン電極54bおよびベース電極54c)をそれぞれプラグ63を介して電気的に接続する。そして、配線64を覆うように絶縁膜61上に酸化シリコン膜と窒化シリコン膜の積層膜などからなる表面保護膜71を形成する。
その後、表面保護膜71の一部を選択的に除去して配線64の一部(図示しないパッド部)を露出した後、基板21(SOI基板20)の裏面(絶縁層22およびp-型半導体層23が形成された側の主面とは反対側の主面)を必要に応じて研磨し、続いて基板21の裏面の全面に裏面電極(裏面ソース電極)72を形成する。ここまでの工程により、半導体チップ2内の回路(増幅段101,102を含む回路)が略完成する。裏面電極72は、例えばニッケル(Ni)膜、チタン(Ti)膜、ニッケル(Ni)膜および金(Au)膜をスパッタリング法で順次堆積することによって形成することができる。裏面電極72は、n型打抜き層25を通じて、ドライバ段LDMOSFET形成領域20Aおよび出力段LDMOSFET形成領域20Bにそれぞれ形成されたLDMOSFETのソースに電気的に接続される。
そして、SOI基板20は、半導体チップ(半導体チップ2)に個片化された後、前記図3に示されるように、裏面電極72(すなわち裏面電極2b)を介して配線基板3に半田付けされる。
図28は、本発明者が検討した比較例の半導体装置の要部断面図である。図28に示される比較例の半導体装置では、低抵抗のp型単結晶シリコンからなる半導体基板201上に比較的高抵抗率のp型単結晶シリコンからなるエピタキシャル層202が形成されており、エピタキシャル層202にLDMOSFETが形成されている。図28の比較例の半導体装置では、p型ウエル28、ゲート絶縁膜29、ゲート電極31、n-型オフセットドレイン領域33、n-型ソース領域34、サイドウォールスペーサ36、n型オフセットドレイン領域37、n+型ドレイン領域38およびn+型ソース領域39などが形成されてLDMOSFETが形成されているが、LDMOSFETのソースと半導体基板201とを電気的に接続するための打抜き層として、p型打抜き層205が形成されている。p型打抜き層205はエピタキシャル層202を貫通して半導体基板201に到達する溝204に埋め込んだp型多結晶シリコン膜により形成されている。p型打抜き層205の表面近傍には、p型打抜き層205の表面を低抵抗化するためのp+型半導体領域206が形成されている。p型打抜き層205(p+型半導体領域206)およびn+型ソース領域39には、プラグ53を介してソース電極207aが接続され、n+型ドレイン領域38には、プラグ53を介してドレイン電極207bが接続されている。
図28の比較例の半導体装置では、LDMOSFETのソース(n+型ソース領域39)は、プラグ53、ソース電極207a、プラグ53、p型打抜き層205(p+型半導体領域206)を介して半導体基板201に電気的に接続され、更に半導体基板201の裏面に形成された裏面電極72に電気的に接続されているが、p型打抜き層205はp型ウエル28およびエピタキシャル層202と同じ導電型を有しており、p型打抜き層205はp型ウエル28およびエピタキシャル層202と電気的に分離されておらず、電気的に接続されている。このため、図28の比較例の半導体装置では、LDMOSFETのソース電位とベース電位とが同電位になり、ソース電位とベース電位とを独立に制御することはできない。
それに対して、本実施の形態では、上記のように、n型打抜き層25とp型ウエル28およびp-型半導体層23とをPN接合により電気的に分離しているので、LDMOSFETのベース電位Vbとソース電位Vsとを独立に制御することができる。また、本実施の形態では、SOI基板20を用い、ドライバ段LDMOSFET形成領域20A(のp-型半導体層23)と出力段LDMOSFET形成領域20B(のp-型半導体層23)とを、絶縁層22および素子分離領域27によって電気的に分離しているので、ドライバ段LDMOSFET形成領域20AのLDMOSFETのベース電位と、出力段LDMOSFET形成領域20BのLDMOSFETのベース電位とを独立に制御することができる。
図13は、LDMOSFETのゲート電圧とドレイン電流の関係を示すグラフである。図13のグラフの横軸は、ゲート電圧Vgs(ゲート電極31の電圧)に対応し、図13のグラフの縦軸は、ドレイン電流Id(ソース・ドレイン間の電流)に対応する。図13のグラフには、ベース電位Vb(ベース配線64c、プラグ63、ベース電極54cおよびプラグ53aを介して供給したp+型半導体領域41、p型ウエル28およびp-型半導体層23の電位に対応)とソース電位Vs(裏面電極72およびn型打抜き層25を介して供給したn+型ソース領域39およびn-型ソース領域34の電位に対応)とが等しい第1の場合(Vb=Vs)と、ベース電位Vbをソース電位Vsよりも若干大きくした第2の場合(Vb>Vs)と、ベース電位Vbをソース電位Vsよりも更に大きくした第3の場合(Vb>>Vs)とが示されている。第3の場合のベース電位Vbとソース電位Vsの電位差(|Vb−Vs|)は、第2の場合のベース電位Vbとソース電位Vsの電位差(|Vb−Vs|)よりも大きい。
図13のグラフからも分かるように、LDMOSFETのベース電位Vbをソース電位Vsよりも高く(大きく)することで、基板電圧効果により、見かけ上、LDMOSFETのしきい値電圧Vthは下がり、ドレイン電流の立ち上がりが緩やかになる。従って、LDMOSFETのベース電位Vbをソース電位Vsとは独立して制御し、LDMOSFETのベース電位Vbとソース電位Vsとの電位差を調節することで、LDMOSFETの見かけ上のしきい値電圧Vthを所望の値に制御することが可能になる。
図14は、LDMOSFETにより増幅回路を形成した半導体チップにおける、しきい値電圧Vthと効率(付加効率、電力効率)との関係を示すグラフである。図14のグラフの横軸は、LDMOSFETのしきい値電圧Vthに対応し、図14のグラフの縦軸は、W−CDMA信号における効率η(電力効率、付加効率、PAE:Power Added Efficiency)に対応する。ここで効率η=(Pout−Pin)/PDC)×100(%)と表され、Poutは出力電力、Pinは入力電力、PDCは電源から供給された電力に対応する。出力電力は24.5dBmでACPRが−40dBcの場合の付加効率が示されている。
図14のグラフからも分かるように、LDMOSFETのしきい値電圧Vthが低いほど、効率(付加効率、電力効率)が高くなる傾向にある。例えば、LDMOSFETのしきい値電圧Vthが0.1V低くなると、効率が約1%向上(上昇)する。従って、LDMOSFETのしきい値電圧Vthを低くすることで、効率(付加効率、電力効率)を向上させ、RFパワーモジュールの性能を向上させることができる。
しかしながら、単にLDMOSFETのしきい値電圧Vthを低下させただけでは、LDMOSFETのリーク電流が増大してしまい、リーク電流の点でRFパワーモジュールの性能低下を招いてしまう。図15は、LDMOSFETのしきい値電圧Vthとリーク電流の関係(相関)を(模式的に)示すグラフである。図15に示されるように、LDMOSFETのしきい値電圧Vthを低下させると、LDMOSFETのリーク電流が増大する傾向にある。
図16は、上記のようにドライバ段LDMOSFET形成領域20Aおよび出力段LDMOSFET形成領域20Bにそれぞれ形成されたLDMOSFETを有する半導体チップ2の回路ブロック図である。図17は、半導体チップ2のドライバ段LDMOSFET形成領域20Aおよび出力段LDMOSFET形成領域20Bにそれぞれ形成されたLDMOSFETのオン時およびオフ時におけるベース電位Vbの制御を示す表である。
図1に示されるRFパワーモジュール1の入力端子105から整合回路106を経て、図16に示されるように、半導体チップ2の入力端子135(上記電極2aに対応)に入力された入力信号(RF入力信号、入力電力)は、半導体チップ2内に形成されたドライバ段の増幅段101(上記LDMOSFET回路121に対応し、また上記ドライバ段LDMOSFET形成領域20Aに形成されたLDMOSFETに対応する)に入力されて増幅され、増幅段101の出力は整合回路(段間整合回路)109を経て出力段の増幅段102(上記LDMOSFET回路122に対応し、また上記出力段LDMOSFET形成領域20Bに形成されたLDMOSFETに対応する)に入力されて増幅され、半導体チップ2の出力端子136(上記電極2aに対応)から出力され、更に、図1に示される整合回路108を経てRFパワーモジュールの出力端子107から出力信号(RF出力信号、出力電力)として出力される。
図17からも分かるように、RFパワーモジュール1の待機状態(増幅段101,102で増幅動作を行わない時)、すなわち、ドライバ段LDMOSFET形成領域20Aおよび出力段LDMOSFET形成領域20Bに形成されたLDMOSFETのオフ時には、ベース電極54c(およびベース配線64c)にはベースバイアス電圧を印加せず、ドライバ段LDMOSFET形成領域20Aおよび出力段LDMOSFET形成領域20Bに形成されたLDMOSFETのベース電位Vb(ベース配線64c、プラグ63、ベース電極54cおよびプラグ53aを介して供給したp+型半導体領域41、p型ウエル28およびp-型半導体層23の電位に対応)がソース電位Vs(裏面電極72およびn型打抜き層25を介して供給したn+型ソース領域39およびn-型ソース領域34の電位に対応)と等しくなる(Vb=Vs)ようにする。一方、RFパワーモジュール1の動作状態(増幅段101,102の増幅動作時)、すなわち、ドライバ段LDMOSFET形成領域20Aおよび出力段LDMOSFET形成領域20Bに形成されたLDMOSFETのオン時には、バイアス回路103からベース電極54c(およびバース配線64c)に所定のベースバイアス電圧を印加して、ドライバ段LDMOSFET形成領域20Aおよび出力段LDMOSFET形成領域20Bに形成されたLDMOSFETのベース電位Vb(ベース配線64c、プラグ63、ベース電極54cおよびプラグ53aを介して供給したp+型半導体領域41、p型ウエル28およびp-型半導体層23の電位に対応)がソース電位Vs(裏面電極72およびn型打抜き層25を介して供給したn+型ソース領域39およびn-型ソース領域34の電位に対応)よりも高くなる(Vb>Vs)ようにする。
LDMOSFETのオフ時(RFパワーモジュール1の待機時)には、ベース電位Vbとソース電位Vsとを等しく(Vb=Vs)したことにより、リーク電流を抑制することができる。LDMOSFETのオン時(RFパワーモジュール1の動作時)には、ベース電位Vbをソース電位Vsよりも高く(Vb>Vs)したことにより、オン時のLDMOSFETのしきいち電圧VONを、オフ時のしきいち電圧VOFFよりも低くする(VON<VOFF)ことができ、しきい値電圧を低下させた分、効率(付加効率、電力効率)を向上させることができる。例えば、LDMOSFETのオン時に、ベース電位Vbをソース電位Vsよりも高くすることにより、オン時のLDMOSFETのしきいち電圧VONをオフ時のしきいち電圧VOFFよりも0.3V程度低くする(VON=VOFF−0.3Vとする)ことで、オフ時のリーク電流を増加させることなく、効率(付加効率、電力効率)を3%程度向上(上昇)させることができる。
このように、本実施の形態では、LDMOSFETのオフ時は、LDMOSFETのベース電位Vbをソース電位Vsと等しくする。これにより、LDMOSFETのしきい値電圧Vthを高い状態に保つことで、LDMOSFETのオフ時のリーク電流を低減することができる。そして、LDMOSFETのオン時は、LDMOSFETのベース電位Vbをソース電位Vsよりも高くする。これにより、LDMOSFETの見かけ上のしきい値電圧Vthを低下させることで、LDMOSFETの効率(電力効率、付加効率)を上昇(向上)させることができる。このように、本実施の形態では、リーク電流を増加させることなく、増幅素子チップである半導体チップ2(およびそれを用いたRFパワーモジュール1)の効率(電力効率、付加効率)を向上させることができる。従って、半導体装置(半導体チップ2およびそれを用いたRFパワーモジュール1)の性能を向上させることができる。
また、RFパワーモジュール1の動作時(LDMOSFETのオン時)には、ドライバ段LDMOSFET形成領域20AのLDMOSFETと出力段LDMOSFET形成領域20BのLDMOSFETの両方にベースバイアス電圧を印加して両方のLDMOSFETでベース電位Vbをソース電位Vsよりも高くすることで、動作状態(オン時)の電力効率をより向上させることができる。その場合、ドライバ段LDMOSFET形成領域20AのLDMOSFETのベース電位Vbと出力段LDMOSFET形成領域20BのLDMOSFETのベース電位Vbとは、同じであっても、異なっていてもよい。他の形態として、RFパワーモジュール1の動作時(LDMOSFETのオン時)に、ドライバ段LDMOSFET形成領域20AのLDMOSFETと出力段LDMOSFET形成領域20BのLDMOSFETの一方にだけベースバイアス電圧を印加して一方のLDMOSFETでベース電位Vbをソース電位Vsよりも高くすることもでき、その場合は、大電流が流れて効率への寄与率が大きい出力段LDMOSFET形成領域20BのLDMOSFETにベースバイアス電圧を印加してベース電位Vbをソース電位Vsよりも高くすればより好ましい。
ドライバ段LDMOSFET形成領域20A(のp-型半導体層23)と出力段LDMOSFET形成領域20B(のp-型半導体層23)とは、絶縁層22および素子分離領域27によって電気的に分離されているので、ドライバ段LDMOSFET形成領域20AのLDMOSFETのベース電位と、出力段LDMOSFET形成領域20BのLDMOSFETのベース電位とを独立に制御することができ、ドライバ段LDMOSFET形成領域20AのLDMOSFETのしきい値電圧と出力段LDMOSFET形成領域20BのLDMOSFETのしきい値電圧とを独立に変更可能である。
図18は、本実施の形態の半導体装置(RFパワーモジュール)の高周波性能を示すグラフである。図18のグラフの横軸は、電力効率(上記効率η、付加効率)に対応し、図18のグラフの縦軸は、ACPR(隣接チャネル漏洩電力)に対応する。また、図18のグラフには、本実施の形態のようにベース電位Vbをソース電位Vsとは独立して制御した場合(図18のグラフで「本実施の形態」として記載)と、比較例としてベース電位Vbを制御せずに常にソース電位Vsと等しくした場合(図18のグラフで「比較例」として記載)とが示されている。
図18のグラフからも分かるように、本実施の形態では、LDMOSFETのオフ時は、LDMOSFETのベース電位Vbをソース電位Vsと等しくし、LDMOSFETのオン時は、LDMOSFETのベース電位Vbをソース電位Vsよりも高くすることで、ベース電位Vbを常にソース電位Vsと等しくした比較例の場合と比べて、ACPRを一定にしたときの電力効率(効率、付加効率)を向上させることが可能である。例えば、LDMOSFETのオン時に、ベース電位Vbをソース電位Vsよりも高くすることにより、オン時のLDMOSFETのしきいち電圧VONをオフ時のしきいち電圧VOFFよりも0.3V程度低くする(VON=VOFF−0.3Vとする)ことで、電力効率(効率、付加効率)を3%程度向上(上昇)させることができる。また、W−CDMA方式で用いられるRFパワーモジュールでは、ACPR一定での電力効率が高いことが性能の指針となっているが、本実施の形態では、リーク電流を増加させることなく、電力効率を向上させることができるので、本実施の形態を適用することにより、特に、LDMOSFETを用いたW−CDMA方式のRFパワーモジュールの性能向上が可能となる。
このように、本実施の形態では、SOI基板20上にLDMOSFETのようなMISFETを形成し、SOI基板20の絶縁層22を貫くようにn型打抜き層25を形成することによって、ベース層(p型ウエルおよび/またはp-型半導体層23)とn型打抜き層25の界面では接合電位差(ここではPN接合電位差)が生じるので、この電位差を超える電圧がかかるまでは、両者(ベース層とn型打抜き層25)の電気的独立を保つことができる。n型打抜き層25はソース電位Vsであるため、低抵抗基板である基板21(の裏面電極72)から取り出すことができる。ベース層の電位Vbを、ソース電位Vsであるn型打抜き層25に対して高くすることで、ソース、ベース層、ドレインで形成されるバイポーラトランジスタの拡散電流を制御でき、すなわちLDMOSFETのしきい値電圧を制御することができる。RFパワーモジュールの待機状態(LDMOSFETのオフ時)ではソース電位Vsとベース電位Vbとを同電位(Vb=Vs)とし、動作状態(LDMOSFETのオン時)ではベース電位Vbをソース電位Vsよりも高くする(Vb>Vs)ことで、動作時のみ拡散電流が流れやすくなり、見かけ上のしきい値電圧を下げることができる。これによって、待機状態のリーク電流を増加させることなく、動作状態の効率(付加効率、電力効率)を向上させることができる。例えばW−CDMA方式での線形性能と効率の向上が可能となり、LDMOSFETを用いたW−CDMA方式のRFパワーモジュールの性能向上が可能となる。従って、半導体装置(半導体チップ2およびそれを用いたRFパワーモジュール1)の性能を向上させることができる。また、しきい値電圧のばらつきを基板バイアス(ベース電位Vb)を制御することで調整することが可能となり、半導体チップの性能引出しと歩留り向上が可能となり、パワーアンプモジュールのコスト低減に有利となる。
(実施の形態2)
図19は、本発明の他の実施の形態である半導体装置の要部断面図であり、上記実施の形態1の図4にほぼ対応する。
上記実施の形態1では、p-型半導体層23および絶縁層22を貫通するように形成された溝24の内部に埋め込んだn型多結晶シリコン膜によりn型打抜き層25を形成しており、p-型半導体層23およびp型ウエル28とn型打抜き層25との間にはPN接合が形成されていたが、本実施の形態では、溝24の側壁上に絶縁膜141を形成してから溝24の内部をn型多結晶シリコン膜で埋め込むことでn型打抜き層25を形成しており、p-型半導体層23およびp型ウエル28とn型打抜き層25との間には絶縁膜141が介在する。このような構造を得るためには、例えば、溝24を形成した後、溝24の側壁上を含むp-型半導体層23上に絶縁膜141を形成してから絶縁膜141をエッチバックすることで、溝24の側壁上に絶縁膜141を残し、溝24の底部およびp-型半導体層23上の絶縁膜141を除去し、その後、上記実施の形態1と同様に、溝24内にn型多結晶シリコン膜を埋め込んでn型打抜き層25を形成すればよい。他の構成は上記実施の形態1とほぼ同様であるので、ここではその説明は省略する。
本実施の形態では、n型打抜き層25とベース層(p型ウエル28およびp-型半導体層23)との間には、絶縁膜141が形成されており、それによってn型打抜き層25とベース層(p型ウエル28および/またはp-型半導体層23)とを電気的に分離し、LDMOSFETのベース電位Vb(p型ウエル28およびp-型半導体層23の電位)をソース電位Vs(n+型ソース領域39およびn-型ソース領域34の電位であり、n型打抜き層25もソース電位Vsとなる)とは独立に制御できるようにしている。すなわち、n型打抜き層25とベース層(p型ウエル28およびp-型半導体層23)との間を絶縁膜141によって絶縁することで、n型打抜き層25とベース層(p型ウエル28およびp-型半導体層23)との間の電気的独立を保つことができる。このため、LDMOSFETのベース電位Vbとソース電位Vsとを異なる値にすることが可能である。
このため、本実施の形態においても、上記実施の形態1とほぼ同様の効果を得ることができる。例えば、LDMOSFETのオフ時は、LDMOSFETのベース電位Vbをソース電位Vsと等しくする(Vb=Vs)ことで、LDMOSFETのしきい値電圧Vthを高い状態に保ち、LDMOSFETのオフ時のリーク電流を低減することができ、LDMOSFETのオン時は、LDMOSFETのベース電位Vbをソース電位Vsよりも高くする(Vb>Vs)ことで、LDMOSFETの見かけ上のしきい値電圧Vthを低下させ、LDMOSFETの効率(付加効率、電力効率)を向上させることができる。このため、リーク電流を増加させることなく、効率(付加効率、電力効率)を向上させることができる。従って、半導体装置(増幅用の半導体チップおよびそれを用いたRFパワーモジュール)の性能を向上させることができる。
従って、半導体装置(半導体チップおよびそれを用いたRFパワーモジュール)の性能を向上させることができる。
(実施の形態3)
図20は、本発明の他の実施の形態である半導体装置の要部断面図であり、上記実施の形態1の図4にほぼ対応する。
上記実施の形態1では、p-型半導体層23および絶縁層22を貫通するように形成された溝24の内部に埋め込んだn型多結晶シリコン膜によりn型打抜き層25を形成していたが、本実施の形態では、p-型半導体層23および絶縁層22を貫通するように形成された溝24a(溝24に対応)の内部に埋め込んだ金属膜(金属材料)により打抜き層25aを形成している。例えばタングステン(W)などを主体とする金属膜(金属材料)により打抜き層25aを形成することができる。金属材料からなる打抜き層25aとp型ウエル28との間、および打抜き層25aとp-型半導体層23との間には、ショットキ(Schottky)接合(ショットキー接合)が形成されている。また、n+型ソース領域39の不純物濃度は比較的高いので、打抜き層25aとn+型ソース領域39との間にショットキ接合は形成されていない。また、本実施の形態では、基板21の導電型は、n型とp型のいずれでもよい。基板21の不純物濃度は比較的高いので、打抜き層25aと基板21との間にショットキ接合は形成されていない。他の構成は上記実施の形態1とほぼ同様であるので、ここではその説明は省略する。
本実施の形態では、打抜き層25aとベース層(p型ウエル28およびp-型半導体層23)との間には、ショットキ接合が形成されており、それによってn型打抜き層25とベース層(p型ウエル28およびp-型半導体層23)とを電気的に分離し、LDMOSFETのベース電位Vb(p型ウエル28およびp-型半導体層23の電位)をソース電位Vs(n+型ソース領域39およびn-型ソース領域34の電位であり、打抜き層25aもソース電位Vsとなる)とは独立に制御できるようにしている。すなわち、打抜き層25aとベース層(p型ウエル28および/またはp-型半導体層23)との間の接合電位差を超える電圧が印加されるまでは、打抜き層25aとベース層(p型ウエル28およびp-型半導体層23)との間の電気的独立を保つことができる。このため、LDMOSFETのベース電位Vbとソース電位Vsとを、接合電位差(ショットキ接合の障壁)の範囲内で、異なる値にすることが可能である。
このため、本実施の形態においても、上記実施の形態1とほぼ同様の効果を得ることができる。例えば、LDMOSFETのオフ時は、LDMOSFETのベース電位Vbをソース電位Vsと等しくする(Vb=Vs)ことで、LDMOSFETのしきい値電圧Vthを高い状態に保ち、LDMOSFETのオフ時のリーク電流を低減することができ、LDMOSFETのオン時は、LDMOSFETのベース電位Vbをソース電位Vsよりも高くする(Vb>Vs)ことで、LDMOSFETの見かけ上のしきい値電圧Vthを低下させ、LDMOSFETの効率(付加効率、電力効率)を向上させることができる。このため、リーク電流を増加させることなく、効率(付加効率、電力効率)を向上させることができる。従って、半導体装置(増幅用の半導体チップおよびそれを用いたRFパワーモジュール)の性能を向上させることができる。また、本実施の形態では、基板21bとしてn型基板とp型基板のいずれも使用可能になる。
図21〜図24は、本実施の形態の半導体装置の製造工程中の要部断面図であり、上記図20と同じ領域の断面が示されている。
溝24およびそれを埋めるn型打抜き層25を形成せず、それ以外の工程は上記実施の形態1と同様にして、上記図10に対応する図21の構造を得る。従って、図21の構造は、溝24およびn型打抜き層25が形成されていないこと以外は、上記実施の形態1の図10の構造とほぼ同様である。
図21の構造が得られた後、図22に示されるように、上記実施の形態1と同様にして、SOI基板20(p-型半導体層23)上に絶縁膜(層間絶縁膜)51を形成する。
次に、本実施の形態では、打抜き層25a形成予定領域に開口部を有するフォトレジストパターン(図示せず)をエッチングマスクにして絶縁膜51、p-型半導体層23および絶縁層22をドライエッチングすることにより、p-型半導体層23および絶縁層22を貫通して基板21に達する溝24aを形成する。溝24aは、上記実施の形態1の溝24と同じ領域に形成され、n+型ソース領域39に接して(隣接して)形成される。
次に、図23に示されるように、コンタクトホール52形成予定領域に開口部を有するフォトレジストパターン(図示せず)をエッチングマスクにして絶縁膜51をドライエッチングすることにより、絶縁膜51にコンタクトホール52を形成する。
次に、図24に示されるように、溝24aおよびコンタクトホール52の内部を埋めるように絶縁膜51上にタングステン(W)膜を主体とする導電体膜(金属膜)を形成し、溝24aおよびコンタクトホール52の外部の不要な導電体膜をエッチバック法またはCMP法などで除去することにより、溝24aおよびコンタクトホール52の内部に導電体膜を残すことで、溝24a内にタングステン(W)膜を主体とする導電体膜(金属膜)からなる打抜き層25aを形成し、コンタクトホール52内にタングステン(W)膜を主体とする導電体膜(金属膜)からなるプラグ53を形成する。
その後の製造工程は、上記実施の形態1とほぼ同様である。すなわち、上記実施の形態1と同様にして、絶縁膜51、配線54(ソース電極54a、ドレイン電極54bおよびベース電極54c)、絶縁膜61、スルーホール62、プラグ63、配線64(ソース配線64a、ドレイン配線64bおよびベース配線64c)、表面保護膜71および裏面電極(裏面ソース電極)72を形成することができる。
本実施の形態では、イオン注入および不純物の活性化アニールにより形成されるp型ウエル28、n-型オフセットドレイン領域33、n-型ソース領域34、n型オフセットドレイン領域37、n+型ドレイン領域38、n+型ソース領域39およびp+型半導体領域41を形成した後に、金属材料からなる打抜き層25aを形成している。このため、比較的高温で行う不純物の活性化アニール工程中に打抜き層25aを構成する金属材料が拡散するのを防止することができる。従って、半導体装置の信頼性などを向上させることができる。
(実施の形態4)
図25は、本発明の他の実施の形態である半導体装置の要部断面図である。図25は上記実施の形態1の図4にほぼ対応する断面図であるが、ドライバ段LDMOSFET形成領域20Aおよび出力段LDMOSFET形成領域20Bだけでなく、周辺回路のCMOSFET(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor、CMISFET:Complementary Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)が形成されたPMOSFET形成領域20CおよびNMOSFET形成領域20Dの要部断面図も示されている。PMOSFET形成領域20Cに形成されたpチャネル型MOSFET(MISFET)とNMOSFET形成領域20Dに形成されたnチャネル型MOSFET(MISFET)とにより構成されるCMOSFET(CMISFET)は、半導体チップ2内に形成された種々の周辺回路で用いることができるが、例えば上記制御回路123などを構成するCMOSFET(CMISFET)である。ドライバ段LDMOSFET形成領域20Aおよび出力段LDMOSFET形成領域20Bの構成は、上記実施の形態1とほぼ同様であるので、ここではその説明は省略し、本実施の形態では、PMOSFET形成領域20CおよびNMOSFET形成領域20Dの構成について説明する。
図25に示されるように、PMOSFET形成領域20CおよびNMOSFET形成領域20Dのそれぞれは、素子分離領域27および絶縁層22によって他の領域から電気的に分離(絶縁)されている。
PMOSFET形成領域20Cのp-型半導体層23にはn型ウエル151が形成されており、n型ウエル151上には酸化シリコンなどからなるゲート絶縁膜152を介してpチャネル型MOSFET(MISFET)のゲート電極153が形成されている。ゲート電極153(およびゲート絶縁膜152)の下部のn型ウエル151がチャネル形成領域となる。n型ウエル151の内部のチャネル形成領域を挟んで互いに離間する領域には、pチャネル型MOSFETのソース、ドレインとなるp型半導体領域154,155が形成されている。また、p型半導体領域154,155内には、p型半導体領域154,155よりも不純物濃度が高いp+型半導体領域156,157が形成されている。ゲート電極153の側壁に、酸化シリコンなどからなるサイドウォールスペーサ(図示せず)を形成し、p型半導体領域154,155をLDD構造とすることもできる。また、n型ウエル151には、n型ウエル151よりも不純物濃度が高いn+型半導体領域159が形成されている。n+型半導体領域159は、例えばpチャネル型MOSFETからやや離間した位置のn型ウエル151に形成されている。
また、NMOSFET形成領域20Dのp-型半導体層23にはp型ウエル161が形成されており、p型ウエル161上には酸化シリコンなどからなるゲート絶縁膜162を介してnチャネル型MOSFET(MISFET)のゲート電極163が形成されている。ゲート電極163(およびゲート絶縁膜162)の下部のp型ウエル161がチャネル形成領域となる。p型ウエル161の内部のチャネル形成領域を挟んで互いに離間する領域には、nチャネル型MOSFETのソース、ドレインとなるn型半導体領域164,165が形成されている。また、n型半導体領域164,165内には、n型半導体領域164,165よりも不純物濃度が高いn+型半導体領域166,167が形成されている。ゲート電極163の側壁に、酸化シリコンなどからなるサイドウォールスペーサ(図示せず)を形成し、n型半導体領域164,165をLDD構造とすることもできる。また、p型ウエル161には、p型ウエル161よりも不純物濃度が高いp+型半導体領域169が形成されている。p+型半導体領域169は、例えばnチャネル型MOSFETからやや離間した位置のp型ウエル161に形成されている。
このように、PMOSFET形成領域20Cには、ソース、ドレインとなるp型半導体領域154,155およびゲート電極153を有するpチャネル型MOSFET(MISFET)が形成され、NMOSFET形成領域20Dには、ソース、ドレインとなるn型半導体領域164,165およびゲート電極163を有するnチャネル型MOSFET(MISFET)が形成されている。また、PMOSFET形成領域20CおよびNMOSFET形成領域20Dでは、絶縁層22を貫通して基板21とp-型半導体層23とを電気的に接続する打ち抜き層(導電層)は形成されていない。このため、PMOSFET形成領域20CおよびNMOSFET形成領域20Dに形成されたpチャネル型MOSFETおよびnチャネル型MOSFETは、絶縁層22によって基板21と電気的に分離(絶縁)されており、PMOSFET形成領域20CおよびNMOSFET形成領域20Dに形成されたpチャネル型MOSFETおよびnチャネル型MOSFETのソースは裏面電極72には接続されていない。
PMOSFET形成領域20Cでは、p+型半導体領域156,157およびn+型半導体領域159の上部にコンタクトホール52およびそれを埋めるプラグ53が形成され、NMOSFET形成領域20Dでは、n+型半導体領域166,167およびp+型半導体領域169の上部にコンタクトホール52およびそれを埋めるプラグ53が形成されている。
プラグ53が埋め込まれた絶縁膜51上に形成された配線(第1配線層)54により、PMOSFET形成領域20CおよびNMOSFET形成領域20Dにソース電極54d、ドレイン電極54eおよびベース電極54fが形成されている。
PMOSFET形成領域20Cでは、ソース電極54dは、プラグ53を介してpチャネル型MOSFETのソース(p+型半導体領域156)と電気的に接続され、ドレイン電極54eは、プラグ53を介してpチャネル型MOSFETのドレイン(p+型半導体領域157)と電気的に接続され、ベース電極54fは、プラグ53を介してn+型半導体領域159(およびn型ウエル151)に電気的に接続されている。
NMOSFET形成領域20Dでは、ソース電極54dは、プラグ53を介してnチャネル型MOSFETのソース(n+型半導体領域166)と電気的に接続され、ドレイン電極54eは、プラグ53を介してnチャネル型MOSFETのドレイン(n+型半導体領域167)と電気的に接続され、ベース電極54fは、プラグ53を介してp+型半導体領域169(およびp型ウエル161)に電気的に接続されている。
配線54を覆う絶縁膜61上に形成された配線(第2配線層)64により、PMOSFET形成領域20CおよびNMOSFET形成領域20Dにソース配線(ソース電極)64d、ドレイン配線(ドレイン電極)64eおよびベース配線(ベース電極)64fが形成されている。ソース配線64dは、絶縁膜61のスルーホール62内を埋めるプラグ63を介してソース電極54dに電気的に接続され、ドレイン配線64eはプラグ63を介してドレイン電極54eに電気的に接続され、ベース配線64fはプラグ63を介してベース電極54fに電気的に接続されている。
本実施の形態では、PMOSFET形成領域20Cに形成されたpチャネル型MOSFETとNMOSFET形成領域20Dに形成されたnチャネル型MOSFETとにより形成されるCMOSFETにおいて、pチャネル型MOSFETのベース電位(ベース配線64f、プラグ63、ベース電極54fよびプラグ53を介して供給されたn+型半導体領域159およびn型ウエル151の電位)とソース電位(ソース配線64dプラグ63、ソース電極54dおよびプラグ53を介して供給されたp+型半導体領域156およびp型半導体領域154(ソース領域)の電位)とを独立に制御し、また、nチャネル型MOSFETのベース電位(ベース配線64f、プラグ63、ベース電極54fよびプラグ53を介して供給されたp+型半導体領域169およびp型ウエル161の電位)とソース電位(ソース配線64dプラグ63、ソース電極54dおよびプラグ53を介して供給されたn+型半導体領域166およびn型半導体領域164(ソース領域)の電位)とを独立に制御することができる。このため、CMOSFETのpチャネル型MOSFETとnチャネル型MOSFETのしきい値電圧を制御することが可能となる。
(実施の形態5)
図26は、本発明の他の実施の形態である半導体装置の要部断面図であり、上記実施の形態4の図25に対応する。
本実施の形態では、PMOSFET形成領域20CおよびNMOSFET形成領域20Dに形成されたソース電極54dとベース電極54fとを電気的に接続した構造、すなわち、ソース電極54dがベース電極54fも兼ねた構造としている。更に、PMOSFET形成領域20CおよびNMOSFET形成領域20Dに形成されたソース配線64dとベース配線64fとを電気的に接続した構造、すなわち、ソース配線64dがベース配線64fも兼ねた構造としている。従って、PMOSFET形成領域20Cでは、ソース電極54dは、pチャネル型MOSFETのソース(p+型半導体領域156)とn+型半導体領域159(およびn型ウエル151)との両方に、それぞれプラグ53を介して電気的に接続され、NMOSFET形成領域20Dでは、ソース電極54dは、nチャネル型MOSFETのソース(n+型半導体領域166)とp+型半導体領域169(およびp型ウエル161)との両方に、それぞれプラグ53を介して電気的に接続されている。他の構成は上記実施の形態4とほぼ同様であるので、ここではその説明は省略する。
本実施の形態では、PMOSFET形成領域20Cに形成されたpチャネル型MOSFETとNMOSFET形成領域20Dに形成されたnチャネル型MOSFETとにより形成されるCMOSFETにおいて、ソース電極54dとベース電極とを共通にしているので、pチャネル型MOSFETのベース電位(n型ウエル151の電位)とソース電位(p型半導体領域154(ソース領域)の電位)とを同じにすることができ、また、nチャネル型MOSFETのベース電位(p型ウエル161の電位)とソース電位(n型半導体領域164(ソース領域)の電位)とを同じにすることができる。
(実施の形態6)
図27は、本発明の他の実施の形態のRFパワーモジュール1aの概念的な構造を示す平面図(上面図)である。
上記実施の形態1では、同じ半導体チップ2内に、電力増幅回路を構成する初段(ドライバ段)から最終段(出力段)までの増幅段101,102(すなわちLDMOSFET回路121,122)を形成し、更にそれら増幅段101,102にバイアス電圧を印加するバイアス回路103も、増幅段101,102が形成された半導体チップ2内に形成したいたが、本実施の形態では、半導体チップ2内に増幅段101,102(LDMOSFET回路121,122)を形成し、増幅段101,102にバイアス電圧を印加するバイアス回路103は他の半導体チップ182内に形成している。
図27に示される本実施の形態のRFパワーモジュール1aは、配線基板3と、配線基板3上に搭載された半導体チップ2,182と、配線基板3上に搭載された受動部品4と、半導体チップ2,182および受動部品4を含む配線基板3の上面を覆う封止樹脂(図示せず封)とを有している。半導体チップ2,182は、ボンディングワイヤ8を介して、配線基板3の基板側端子183および伝送線路184に電気的に接続され、受動部品4は配線基板3に半田実装されて基板側端子183および伝送線路184に電気的に接続されている。
本実施の形態では、半導体チップ2内に増幅段101,102を形成し、増幅段101,102にバイアス電圧を印加するバイアス回路103は半導体チップ182内に形成している。RFパワーモジュール1aの待機状態(すなわち半導体チップ2内のLDMOSFET回路121,122のオフ時)は、半導体チップ182から半導体チップ2のLDMOSFET回路121,122にベースバイアス電圧を印加せず、LDMOSFET回路121,122のベース電位Vbをソース電位Vsと等しく(Vb=Vs)することで、LDMOSFETのしきい値電圧Vthを高い状態に保ち、リーク電流を低減することができる。RFパワーモジュール1aの動作状態(すなわち半導体チップ2内のLDMOSFET回路121,122のオン時)は、半導体チップ182からボンディングワイヤ8および基板側端子183を経て半導体チップ2のLDMOSFET回路121,122にベースバイアス電圧を印加し、それによってLDMOSFETのベース電位Vbをソース電位Vsよりも高く(Vb>Vs)することで、LDMOSFETの見かけ上のしきい値電圧Vthを低下させ、効率(付加効率、電力効率)を向上させることができる。このため、リーク電流を増加させることなく、効率(付加効率、電力効率)を向上させることができる。従って、半導体装置(増幅用の半導体チップおよびそれを用いたRFパワーモジュール)の性能を向上させることができる。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
本発明は、携帯電話用の高周波電力増幅器などに用いる半導体装置に適用して好適なものである。
本発明の実施の形態1のRFパワーモジュールを構成する増幅回路を簡易的に示す回路図である。 本発明の実施の形態1のRFパワーモジュールで用いられる半導体チップの回路配置例を示す説明図である。 本発明の実施の形態1のRFパワーモジュールの概念的な構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態1の半導体装置の要部断面図である。 本発明の実施の形態1の半導体装置の単位セルを示す要部平面図である。 本発明の実施の形態1の半導体装置の他の要部断面図である。 本発明の実施の形態1の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図7に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。 図8に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。 図9に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。 図10に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。 図11に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。 LDMOSFETのゲート電圧とドレイン電流の関係を示すグラフである。 しきい値電圧と効率との関係を示すグラフである。 LDMOSFETのしきい値電圧Vthとリーク電流の関係を示すグラフである。 LDMOSFETを有する半導体チップの回路ブロック図である。 LDMOSFETのオン時およびオフ時におけるベース電位Vbの制御を示す表である。 本発明の実施の形態1の半導体装置(RFパワーモジュール)の高周波性能を示すグラフである。 本発明の実施の形態2の半導体装置の要部断面図である。 本発明の実施の形態3の半導体装置の要部断面図である。 本発明の実施の形態3の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図21に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。 図22に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。 図23に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。 本発明の実施の形態4の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 本発明の実施の形態5の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 本発明の実施の形態6のRFパワーモジュールの概念的な構造を示す平面図である。 比較例の半導体装置の要部断面図である。
符号の説明
1 RFパワーモジュール
2 半導体チップ
2a電極
2b 裏面電極
3 配線基板
3a 上面
3b 下面
4 受動部品
5 封止樹脂
8 ボンディングワイヤ
11 絶縁層
12a 基板側端子
12b 外部接続端子
12c 基準電位供給用端子
13 ビアホール
13a ビアホール
14 窪み
15 半田
17 半田
20 SOI基板
20A ドライバ段LDMOSFET形成領域
20B 出力段LDMOSFET形成領域
20C PMOSFET形成領域
20D NMOSFET形成領域
21 基板
22 絶縁層
23 p-型半導体層
24 溝
24a 溝
25 n型打抜き層
25a 打抜き層
26 素子分離溝
27 素子分離領域
28 p型ウエル
29 ゲート絶縁膜
29a 絶縁膜
31 ゲート電極
32 絶縁膜
33 n-型オフセットドレイン領域
34 n-型ソース領域
36 サイドウォールスペーサ
37 n型オフセットドレイン領域
38 n+型ドレイン領域
39 n+型ソース領域
41 p+型半導体領域
51 絶縁膜
52 コンタクトホール
52a コンタクトホール
53 プラグ
53a プラグ
54 配線
54a ソース電極
54b ドレイン電極
54c ベース電極
54d ソース電極
54e ドレイン電極
54f ベース電極
61 絶縁膜
62 スルーホール
63 プラグ
64 配線
64a ソース配線
64b ドレイン配線
64c ベース配線
64d ソース配線
64e ドレイン配線
64f ベース配線
71 表面保護膜
72 裏面電極
101 増幅段
102 増幅段
103 バイアス回路
104 電源回路
105 入力端子
106 整合回路
107 出力端子
108 整合回路
109 整合回路
121 LDMOSFET回路
122 LDMOSFET回路
123 制御回路
124 パッド電極
124a ゲートパッド
124b ドレインパッド
124c ドレインパッド
124d ゲートパッド
125a,125b ベース電位制御用配線
126a,126b ゲート電位制御用配線
127 素子分離領域
131 単位セル
131a 単位LDMOSFET
135 入力端子
136 出力端子
141 絶縁膜
151 n型ウエル
152 ゲート絶縁膜
153 ゲート電極
154,155 p型半導体領域
156,157 p+型半導体領域
159 n+型半導体領域
161 p型ウエル
162 ゲート絶縁膜
163 ゲート電極
164,165 n型半導体領域
166,167 n+型半導体領域
169 p+型半導体領域
182 半導体チップ
201 半導体基板
202 エピタキシャル層
204 溝
205 p型打抜き層
206 p+型半導体領域
207a ソース電極
207b ドレイン電極

Claims (22)

  1. MISFETを含む半導体装置であって、
    半導体基板と、
    前記半導体基板の第1主面上に形成された絶縁層と、
    前記絶縁層上に形成された第1導電型の半導体層と、
    前記半導体層に形成され、前記MISFETのソースとして機能する、前記第1導電型とは反対の第2導電型の第1半導体領域と、
    前記第1半導体領域に隣接し、前記半導体層および前記絶縁層を貫通して前記半導体基板に到達するように形成され、前記第1半導体領域と前記半導体基板とを電気的に接続する第1導電体部と、
    前記半導体層上に形成され、前記半導体層に電気的に接続された第2導電体部と、
    を有し、
    前記第1導電体部と前記半導体層とが電気的に分離されていることを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1記載の半導体装置において、
    前記MISFETはLDMOSFETであり、
    更に、前記半導体基板の前記第1主面とは反対の第2主面上に形成された裏面電極を有し、
    前記裏面電極は前記第1導電体部および前記第1半導体領域と電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1記載の半導体装置において、
    前記半導体基板、前記絶縁層および前記半導体層によってSOI基板が構成されていることを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項2記載の半導体装置において、
    前記半導体層に形成された第1導電型のウエル領域を更に有し、
    前記MISFETのチャネル領域は前記ウエル領域に形成され、
    前記第1半導体領域は前記ウエル領域に形成され、
    前記第2導電体部は、前記ウエル領域上に形成されて前記ウエル領域と電気的に接続され、
    前記第1導電体部と前記ウエル領域とが電気的に分離されていることを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項2記載の半導体装置において、
    前記第1導電体部は第2導電型の半導体からなることを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項5記載の半導体装置において、
    前記第1導電体部と前記半導体層の間にはPN接合が形成されていることを特徴とする半導体装置。
  7. 請求項5記載の半導体装置において、
    前記半導体基板は第2導電型の半導体基板からなることを特徴とする半導体装置。
  8. 請求項2記載の半導体装置において、
    前記第1導電体部は金属材料からなることを特徴とする半導体装置。
  9. 請求項8記載の半導体装置において、
    前記第1導電体部と前記半導体層の間にはショットキ接合が形成されていることを特徴とする半導体装置。
  10. 請求項2記載の半導体装置において、
    前記半導体装置は携帯電話に搭載され、
    前記MISFETは増幅回路を形成していることを特徴とする半導体装置。
  11. 請求項2記載の半導体装置において、
    前記半導体層の電位と前記MISFETのソースの電位とが独立に制御されることを特徴とする半導体装置。
  12. 請求項11記載の半導体装置において、
    前記半導体層の電位は前記第2導電体部から供給され、前記ソースの電位は前記裏面電極から供給されることを特徴とする半導体装置。
  13. 請求項11記載の半導体装置において、
    前記MISFETのオン時には、前記半導体層の電位を前記MISFETのソースの電位よりも高くすることを特徴とする半導体装置。
  14. 請求項13記載の半導体装置において、
    前記MISFETのオフ時には、前記半導体層の電位を前記MISFETのソースの電位と同じにすることを特徴とする半導体装置。
  15. 請求項11記載の半導体装置において、
    前記半導体層の電位と前記MISFETのソースの電位とを独立に制御することによって、前記MISFETのしきい値電圧が制御されることを特徴とする半導体装置。
  16. 第1および第2MISFETを含む半導体装置であって、
    半導体基板と、
    前記半導体基板の第1主面上に形成された絶縁層と、
    前記絶縁層上に形成された第1導電型の半導体層と、
    前記半導体層に形成され、その底部が前記第1絶縁層に到達する素子分離領域であって、前記第1MISFETが形成された第1領域の前記半導体層と前記第2MISFETが形成された第2領域の前記半導体層とを電気的に分離する素子分離領域と、
    前記第1領域の前記半導体層に形成され、前記第1MISFETのソースとして機能する、前記第1導電型とは反対の第2導電型の第1半導体領域と、
    前記第1半導体領域に隣接し、前記半導体層および前記絶縁層を貫通して前記半導体基板に到達するように形成され、前記第1半導体領域と前記半導体基板とを電気的に接続する第1導電体部と、
    前記第1領域の半導体層上に形成され、前記第1領域の前記半導体層に電気的に接続された第2導電体部と、
    前記第2領域の前記半導体層に形成され、前記第2MISFETのソースとして機能する、第2導電型の第2半導体領域と、
    前記第2半導体領域に隣接し、前記半導体層および前記絶縁層を貫通して前記半導体基板に到達するように形成され、前記第2半導体領域と前記半導体基板とを電気的に接続する第3導電体部と、
    前記第2領域の半導体層上に形成され、前記第2領域の前記半導体層に電気的に接続された第4導電体部と、
    を有し、
    前記第1導電体部と前記第1領域の前記半導体層とが電気的に分離され、前記第3導電体部と前記第2領域の前記半導体層とが電気的に分離されていることを特徴とする半導体装置。
  17. 請求項16記載の半導体装置において、
    前記第1領域の前記半導体層の電位と前記第1MISFETのソースの電位とが独立に制御され、前記第2領域の前記半導体層の電位と前記第2MISFETのソースの電位とが独立に制御されることを特徴とする半導体装置。
  18. 請求項16記載の半導体装置において、
    前記第1MISFETのしきい値電圧と前記第2MISFETのしきい値電圧が独立に変更可能であることを特徴とする半導体装置。
  19. 配線基板と、前記配線基板上に搭載された半導体チップとを有する半導体装置であって、
    前記半導体チップは、
    半導体基板と、
    前記半導体基板の第1主面上に形成された絶縁層と、
    前記絶縁層上に形成された第1導電型の半導体層と、
    前記半導体層に形成されたLDMOSFETとを有し、
    前記半導体層に形成され前記LDMOSFETのソースとして機能する前記第1導電型とは反対の第2導電型の第1半導体領域は、前記第1半導体領域に隣接し前記半導体層および前記絶縁層を貫通して前記半導体基板に到達するように形成された第1導電体部を介して前記半導体基板に電気的に接続され、
    前記第1導電体部と前記半導体層とは電気的に分離され、
    前記半導体層の電位と前記LDMOSFETのソースの電位とが独立に制御されることを特徴とする半導体装置。
  20. 請求項19記載の半導体装置において、
    前記LDMOSFETのオン時には、前記半導体層の電位を前記MISFETのソースの電位よりも高くすることを特徴とする半導体装置。
  21. SOI基板に形成されたソース領域、ドレイン領域およびゲート電極からなるMISFETを有する半導体装置の製造方法であって、
    (a)半導体基板上に絶縁層を介して第1導電型の半導体層が形成された前記SOI基板を準備する工程、
    (b)前記半導体層および前記絶縁層を貫通してその底部が前記半導体基板に到達する溝を形成する工程、
    (c)前記溝内に前記第1導電型とは反対の第2導電型の半導体からなる第1導電体部を形成する工程、
    (d)前記半導体層上にゲート絶縁膜を形成する工程、
    (e)前記ゲート絶縁膜上に前記ゲート電極を形成する工程、
    (f)前記半導体層に、第2導電型の前記ドレイン領域を形成し、前記第1導電体部に隣接する第2導電型の前記ソース領域を形成する工程、
    (g)前記半導体層上に前記ゲート電極を覆うように第1絶縁膜を形成する工程、
    (h)前記第1絶縁膜に、その底部で前記半導体層の一部を露出する開口部を形成する工程、
    (i)前記開口部内に第2導電体部を形成する工程、
    を有し、
    前記第1導電体部を介して前記ソース領域と前記半導体基板とが電気的に接続され、
    前記第2導電体部は前記半導体層に電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  22. SOI基板に形成されたソース領域、ドレイン領域およびゲート電極からなるMISFETを有する半導体装置の製造方法であって、
    (a)半導体基板上に絶縁層を介して第1導電型の半導体層が形成された前記SOI基板を準備する工程、
    (b)前記半導体層上にゲート絶縁膜を形成する工程、
    (c)前記ゲート絶縁膜上に前記ゲート電極を形成する工程、
    (d)前記半導体層に前記第1導電型とは反対の第2導電型の前記ソース領域および前記ドレイン領域を形成する工程、
    (e)前記半導体層上に前記ゲート電極を覆うように第1絶縁膜を形成する工程、
    (f)前記第1絶縁膜、前記半導体層および前記絶縁層を貫通してその底部が前記半導体基板に到達する溝を前記ソース領域に隣接して形成する工程、
    (g)前記第1絶縁膜に、その底部で前記半導体層の一部を露出する開口部を形成する工程、
    (h)前記溝内に金属材料からなる第1導電体部を形成し、前記開口部内に前記第1導電体部と同じ金属材料からなる第2導電体部を形成する工程、
    を有し、
    前記第1導電体部を介して前記ソース領域と前記半導体基板とが電気的に接続され、
    前記第2導電体部は前記半導体層に電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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