JP4488639B2 - 障害警報装置 - Google Patents

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    • B60VEHICLES IN GENERAL
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    • B60C23/00Devices for measuring, signalling, controlling, or distributing tyre pressure or temperature, specially adapted for mounting on vehicles; Arrangement of tyre inflating devices on vehicles, e.g. of pumps or of tanks; Tyre cooling arrangements
    • B60C23/20Devices for measuring or signalling tyre temperature only

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば磁気浮上式鉄道等の車両においてタイヤで生じる火災、傷、摩耗のような障害を検出判断し、警報する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にタイヤは、天然ゴム、合成ゴム等からなる可燃物である。走行中の車両において、タイヤは地面との間で生じる摩擦、及び荷重によりたわんで自ら熱を発生する。さらに、例えばブレーキ等によりタイヤの制動を行うとき、それらブレーキ装置がタイヤ近傍に設置されている場合は、それにより発生した熱がタイヤに伝わり、タイヤの温度を上昇させる。車両が高速で移動していればいるほど、時間あたりの接地面積は大きく、その制動に費やすエネルギーにより発せられる熱量も多くなるので、これらを原因とする温度上昇は著しくなる。その温度上昇がタイヤの発火点を超えると、非常に危険である。
【0003】
一方、地面と接するタイヤは傷付く可能性も高い。このような傷がタイヤのベルト層まで達すると、タイヤ内圧の低下を招き(パンク)、タイヤ強度を甚だしく低下させる。また、パンクに至らないまでも、傷部分は摩擦等により通常のタイヤ部分よりも温度上昇が著しくなるのが普通である。したがって、上記のような温度上昇の影響を最も受けやすい部分であるといえる。
【0004】
ここで、例えば磁気浮上式鉄道に用いる車輪(タイヤ)について考える。通常、磁気浮上式鉄道では高速走行中は磁力に支えられ、車輪を用いた走行をすることもないし、例えば車輪のディスクを挟んだりするといった機械的接触による制動を行うこともない。しかし、停車時又は低速移動時あるいは緊急時に用いられる補助的な役割をする車輪が設けられている。磁気浮上式鉄道においては、上下方向に車両重量を支える支持タイヤ、及び線路に沿って左右方向を案内する案内タイヤの2種類の補助車輪が設けられている。磁力が十分に得られる高速走行中、この車輪は車両本体のタイヤハウス内に格納されているが、リニアモータにより非接触で制動し減速して、磁力が不足する速度以下では本体外に出されて着地し、路面(コンクリート等)上を回転しながら車両を支持及び案内する。さらに、高速走行中でも磁力が失われる等の異常時には、車輪は本体外に出されて着地し、かつ支持タイヤホイール内に設置されたディスクブレーキにより制動が行われる。
【0005】
ここで、そのような緊急時における高速走行中の車輪着地や、ディスクブレーキによる制動にともなう温度上昇では、タイヤ自身が発火するような温度を超えることは、通常あり得ない。ただし、車輪を出し入れする動力には油圧を用いており、例えばその作動油が車輪上に漏れた場合は、その油の発火点がタイヤの発火点よりも低いために、タイヤが異常に温度上昇している状態では危険である。また、例えばディスクブレーキ装置の故障等により、高速車輪走行中にタイヤが固着した場合、地面との間で生じる摩擦により急激な温度上昇が発生し、タイヤの発火点を超える可能性がある。さらに、上述したように傷部分は温度上昇の原因となりうるので、それらの危険性はさらに増すこととなる。
磁気浮上式鉄道において、タイヤは乗員から見えないタイヤハウス内に設置されており、このような無人部分で火災発生の可能性がある部分は、火災検知器を設置している。従来、異常な温度上昇をとらえるために、温度センサとして熱電対を応用したワイヤセンサを使用しているが、設置位置が対象物の近傍に制約されること、ワイヤセンサに傷が入ると湿気が侵入して故障すること、温度検知が線分布に限られていること等の問題があった。ワイヤセンサの傷防止として、対象物(車輪)から離すことや被覆等でワイヤセンサを保護することは、その検知原理上、検知精度を大幅に低下させるため困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、タイヤは転動することにより自ら発熱する。特に磁気浮上式鉄道においては、緊急時に高速から車輪を使った場合、タイヤ温度は通常の自動車用タイヤと比べて著しく高くなり、この状態で他の異常が重なった場合は火災となる可能性もありうる。また、タイヤの傷はタイヤパンク等の重大事故や、部分的な温度上昇の原因となりうるにも関わらず、係員が一輪一輪目視による点検で見つけださなければならず、これを走行毎に行うのは大変な労力がかかっていた。
【0007】
そこで、本発明は、タイヤの火災、傷等を正確に検出判断して警報することができ、より安全性を高めることができるような装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本出願に係る障害警報装置は、車両に設けられ、少なくとも車輪部分の温度を対応する電気信号に変換する温度センサと、電気信号に基づいて障害が発生したかどうかを判断し、その判断に基づいて警報信号を送信する判断手段と、警報信号に基づいた警報教示を行う警報教示手段とを備えた障害警報装置において、判断手段は、温度センサからの信号に基づいて、複数の時間における、ある温度以上のひとかたまりに連なっている部分の面積をそれぞれ算出して比較し、ある温度以上の部分が拡大傾向にあるときに、車輪部分に火災が発生したものと判断する。
【0009】
本発明においては、温度センサが車輪部分の温度を対応する電気信号に変換し、その電気信号に基づいて、判断手段が、例えば、温度別に集計等を行って処理し、複数の時間における、ある温度以上の部分の面積の平均をそれぞれ算出して比較し、炎が燃え広がることにより、一定温度以上部分が拡大傾向にあるかどうかを判断して、火災が発生したかどうかを判断し、その判断に基づいて送信した警報信号により警報教示手段が警報教示を行う。
【0012】
また、本出願に係る障害警報装置において、消火剤を散布して車輪部分の消火を行う消火装置を設け、車輪部分に火災が発生したものと判断した場合には、消火装置を動作させるためのノズル開放信号が送信される。
本発明においては、電気信号に基づいて車輪部分に火災が発生したものと判断した場合には、自動的にノズル開放信号を送信し、消火装置を動作させ、すばやく火災に対応する。
【0014】
また、本出願に係る障害警報装置において、判断手段は、画像処理により、2次元の位置関係も含めた温度分布に基づいた微分処理を行って、車輪輪郭内側部分に一定以上の変化をした部分が存在するかどうかを判断してタイヤ傷の検出を行う。
本発明においては、判断手段が、温度センサからの電気信号に基づいて画像処理を行い、2次元画像の温度分布を作成する。そして、それを微分処理する。車輪輪郭内側部分に変化した部分があれば、この部分は、通常部分に比べて高温又は低温部分であることから、そのような部分があるかどうかを判断して警報信号を送信するかどうかを判断する。
【0015】
また、本出願に係る障害警報装置において、判断手段は、温度と時間とに基づいた摩耗度を算出して累積し、その累積値とあらかじめ定めた値とを比較してタイヤ摩耗の判断を行う。
本発明においては、一定温度以上の部分が存在する場合に、その時の最高温度とその状態が検出された時間とに基づいて摩耗度を算出して累積し、その累積値とあらかじめ定めた値とを比較してタイヤ摩耗の判断を行うようにする。
【0016】
また、本出願に係る障害警報装置は、判断手段を複数備え、複数の障害発生判断の処理を並行して行う。
本発明においては、例えば火災検出とタイヤ摩耗検出とは車両の走行状態を含めて判断する方がよいので、複数の判断手段を備えることで、複数の障害発生の判断を並列して行う。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施形態1.
図1は本発明の第1の実施の形態に係る火災検出装置の構成を示すブロック図である。図において、1は赤外線を感知するセンサを2次元配列した赤外線カメラである。赤外線カメラ1は、物体から輻射される赤外線(熱エネルギー)を電気信号に変換する。つまり、赤外線カメラ1は温度センサとなる。2はメモリ判断装置である。メモリ判断装置2は、さらにAD変換部21、データ処理部22、画像記憶部23、DA変換部24、感度調整部25、スイッチ部26、変調部27及び通信インターフェース部28で構成される。AD変換部21は、赤外線カメラ1から送信されるアナログの電気信号を一定の周期でサンプリングし、デジタル(二値)化した画素信号に変換する。この画素信号が表す値が最終的にはモニタ5上で輝度として表される(したがって、以下、この画素信号が表す値を輝度として説明することにする。同じ感度では輝度と温度とが対応するので、これは同時に温度を表すことにもなる)。データ処理部22は、各画素の輝度に基づいて判断した処理を行う。また、そのために1画面分の画素信号に基づいて、その画素数(これは、最終的にその部分の面積を表すことになる)を輝度別に集計する。通常時に輝度別の集計をした場合には、そのヒストグラムは正規分布に近い形となる。異常時になるとヒストグラムの正規分布が乱れたり、異常に高い又は低い輝度の画素が現れたりする。なお、データ処理部22は、画像記憶部23とは別に、処理を行うためにデータ等を記憶しておくための記憶部を有している。ここには、処理内容がプログラムとして記憶されていたり、また、カウント値、集計値等が記憶される。画像記憶部23は、データ処理部22が処理を行う際に用いる画素信号を記憶するために設けられている。ここで、画像記憶部23は、処理に必要となる画面分の輝度を、各タイヤ8やタイヤホイール等の車輪及び格納部分(以下、特に断りのない限り、これらをまとめて車輪部分という)における位置関係と共に記憶しておくことができるものとする。つまり、画像として記憶できる。本実施の形態では、車輪の回転周期T1 又は所定時間T2 のどちらか多い方の時間について記憶しておくようにする。DA変換部24は、画像記憶部23に記憶された画素信号に基づく画像をモニタ5に表示させるために、デジタル信号である画素信号をアナログの電気信号に変換する。感度調整部25は、赤外線カメラ1が赤外線を感知する度合(感度)の範囲(レンジ)、勾配等を調整し、正確な温度(輝度)を測定できるようにするもので、自動的に又はオペレータが図示しない操作部によって、感度又はレンジあるいは勾配等を切替え設定することも可能である。スイッチ部26は、赤外線カメラ1が感知した画面又は画像記憶部23に1度記憶された画面のうちのどちらかをモニタ5に表示させるための切り換えを行う。変調部27は、モニタ5に電気信号を無線送信するために電気信号を変調(例えばVHF、UHF信号等)する。モニタ5がメモリ判断装置2に近接して設けられている場合は変調部27を省略できる。また、赤外線カメラ1がデジタル信号を出力する場合も変調しないことがある。通信インターフェース28はメモリ判断装置2、中央処理装置3及び記録装置7間のデータのやりとりを行うためのインターフェースとなる部分である。また、メモリ判断装置2や中央処理装置3に、マニュアルで消火装置4の起動を行うスイッチを取り付けることもできる。その場合に、オペレータがモニタ5で確認後に対応するスイッチを押下して消火させる。
【0018】
3は中央処理装置である。中央処理装置3は車体に関する処理を総合的に行うものである。本実施の形態における中央処理装置3が行う処理は、消火処理と教示処理である。消火処理の場合、消火装置4にノズル開放信号を送信する。また、教示処理の場合、警報教示装置6に教示信号を送信する。また、火災検出を行うために必要となる例えば、回転中、接地、ブレーキ作動中等のタイヤ状態信号、速度データ等をメモリ判断装置2に送信する。なお、中央処理装置3は、車両に関する処理を総合的に行うので、本出願に係る発明の内容は各メモリ判断装置2が独立して行うように記載している。ただ、中央処理装置3に処理機能を持たせることにより、中央処理装置3が各メモリ判断装置2の処理を行うことも可能である。また、逆にメモリ判断装置2が、判断に応じて消火装置4や警報教示装置6に直接ノズル開放信号や教示信号を送信することも可能である。
【0019】
4は消火装置である。中央処理装置3から送信されるノズル開放信号に基づいて消火ノズルを開き、消火剤を散布してタイヤ8及び格納部分の消火を行う。5はモニタである。変調部27から送信された電気信号に基づいて、オペレータに対して格納部分の温度分布を設定感度における輝度画像として表示する。6は警報教示装置である。警報教示装置6は種々の教示信号に基づいて、オペレータに警報等の教示を行うものである。本実施の形態においては、少なくとも火災警報、タイヤ傷警報及び摩耗警報及び自己診断結果について教示を行う。なお、教示としては音声、ブザー音等のように聴覚による教示でもよいし、LED等の発光、モニタ5への表示等のように視覚による教示でもよい。7は記録装置である。記録装置7は、データ処理部22からイベント(例えば異常画素検出、火災等の判断等)発生時に送信されるイベント信号に基づいて、そのイベントや発生時間の記録を行う。
【0020】
図2は、データ処理部22が1画面分の画素信号について輝度集計処理を行う流れを表す図である。データ処理部22は、AD変換部21によって変換された画素信号に基づいて輝度(以下、この値をKとする)を判断する(S1)。そして、輝度別に集計を行う(S2)。1画面分の画素について輝度を集計し終わったら(S3)、処理を終了する。なお、各画素の輝度に対応する温度は、感度調整部25で設定されたレンジにより算出される。
【0021】
図3は、データ処理部22が行う火災検出処理の流れを表す図である。この火災検出処理は1画面毎に行われる。図3に基づいて本実施の形態の火災信号送信処理について説明する。まず、輝度別に集計した1画面分の画素とあらかじめ定められた値(例えば150℃に対応する輝度)Ks1とについて、K≧Ks1となる画素数nを計数する(S11)。そして、K≧Ks1となった画素数nがn1 以上であれば(S12)、K≧Ks1となる画素が連続している箇所があるかどうかを判断する(S13)。ここで、本実施の形態ではn1 =4とする。また、特に断らない限り、以後、連続とは4画素以上がひとかたまりに連なっていることをいうものとする。そして、これらを満たしていると判断したものを火災警報信号1送信の対象とする。赤外線カメラ1は、各赤外線センサが2次元配置され、それぞれ赤外線を感知するが、初期不良等により赤外線を感知しないものがあり得る。したがって、このセンサに基づく画素の輝度はその温度を正しく表さない。これが死に画素と呼ばれるものである。画素が連続したものだけを火災警報信号1送信の対象とするのは、この死に画素による影響を考慮したものである。そして、画素が連続している箇所があると判断すると、異常画素検出のイベント信号を送信し、例えばそのイベント名、発生時間等を記録装置7に記録させる(S14)。
【0022】
図4はタイヤ8部分における輝度(タイヤ8の温度状態)の変化を表す図である。図4(a)は通常時を表し、図4(b)は異常時を表す。図3におけるS13のような判断を火災検出判断として、その結果に基づいてすぐに火災警報信号1を送信することができる。しかし、車輪の状態によってタイヤ8の温度が変化するので、その変化に対応できるような基準を設ける方がより正確な判断が行える。そこで、本実施の形態では、車輪回転中、接地等、タイヤ8の状態によって火災警報信号1を送信するかどうかを判断する基準を変更する。まず、データ処理部22は、中央処理装置3から送信されるタイヤ状態信号に基づいて車輪が回転しているかどうかを判断する(S15)。車輪が回転中であると判断すると、中央処理装置3からの速度データ信号に基づいて車輪の回転周期T1 を算出する(S16)。本実施の形態では、車輪の回転の有無あるいは回転周期について、外部情報に基づいて判断するようにしているが、これをデータ処理部22において画像の動きの有無で回転を判断するようにしてもよい。また、回転周期T1 については上記のように算出するようにしているが、あらかじめ定めた値を用いるようにしてもよい。また、回転周期T1 の算出を中央処理装置3で行うようにし、そのデータを送信してもらうようにしてもよい。あるいはデータ処理部22において、画像の周期的な特徴(極大、極小値等)が所定回数以上ほぼ同一周期を持つことを確認した上で、最新周期を回転周期T1 として得るようにしてもよい。
【0023】
回転周期T1 が定まると、回転周期T1 以上の時間T1'を定める。そして、異常画素検出のイベントが過去の時間T1'以内に例えばハードディスク等の記録装置7に記録されているかどうかを判断する(S17)。これは、車輪が回転していると、ある画面で検出したタイヤ表面の出火部分が次の画面では赤外線カメラ1の視野から見てタイヤの裏側になってしまい、検出されない場合がある。このような場合に、火災が消火してしまったものとデータ処理部22が判断してしまわないようにするためである。イベントが記録装置7に記録されていなければ、1画面分についての火災検出処理を終了する。S15において、車輪が回転していないと判断すると、中央処理装置3に火災警報信号1を送信する(S25)。また、画素数nがn1 以上の定数n3 (例えば100)以上であれば(S26)、火災警報信号2も送信する(S27)。
【0024】
データ処理部22は、異常な画素信号を検出した旨のイベントが時間T1'内に記録装置7に記録されていれば(S17)、中央処理装置3から送信されるタイヤ状態信号に基づいてタイヤ8が接地しているかどうかを判断する(S18)。車輪が接地していないと判断すると、中央処理装置3に火災警報信号1を送信する(S25)。また、画素数nが定数n3 以上であれば(S26)、火災警報信号2も送信する(S27)。
【0025】
S18において、車輪が接地しているものと判断すると、接地の瞬間からある時間T2 (例えば1秒間)が経過したかどうかを判断する(S19)。車体が高速で移動しているときに、タイヤ8を接地させると、最初に接地した部分が瞬間的にかなりの高温になる。このような判断を行うのは、その部分について出火したものと判断しないようにするためである。この接地による高温状態が十分冷める時間T2 が経過していなければ、1画面分についての火災検出処理を終了する。S19において、T2 が経過していると判断すると、現在のこの画面について、異常な画素信号を検出した旨のイベントが記録装置7に記録されているかどうかを判断する(S20)。記録装置7に記録されていなければ、1画面分についての火災検出処理を終了する。
【0026】
ここで、例えばディスクブレーキ等により制動しようとした場合について考える。制動した際にディスクブレーキ等に生じる摩擦熱は、ディスクブレーキシュー温度を上昇させ、タイヤホイール部分(以下、これらを含めて昇温部分という)に伝わり、高速走行域から制動をかけた場合には、昇温部分の温度はかなり高くなる。赤外線カメラ1の設置位置が車輪の正面に取り付けられていた場合、昇温部分をタイヤ8が遮る。そのため、ブレーキ等による制動が輝度に与える影響は、昇温部分の赤外線がタイヤゴムを透過する分、タイヤ8への輻射加熱による分の温度上昇により、タイヤ8の中央部分の輝度が高くなるだけである。ただ、この程度では火災検出には影響を与えない。一方、雨天時等にタイヤ8から雨水等が飛沫し、赤外線カメラ1が感度低下する等を避けるため、赤外線カメラ1を正面からずらして設置する場合がある。このような場合、昇温部分が遮られることなく、赤外線カメラ1が昇温部分からの赤外線を直接感知し、輝度に影響を与えることもある。本実施の形態では、赤外線カメラ1が昇温部分の赤外線を直接感知する位置に設置されているものとする。そして、直接昇温部分の赤外線を感知する画素数をあらかじめ参照画素数値n2 と定め(本来は、車輪の設置又は格納、振動等により、多少その数値は変化するはずであるが、ここでは固定値にしておく)、以下のS21、S22、S23及びS24について説明する。赤外線カメラ1が正面に設置されていれば、S21、S22、S23及びS24の処理動作を実行する必要は特にない。
【0027】
S20において、記録装置7に記録されていると判断すると、次に中央処理装置3から送信されるタイヤ状態信号に基づいてディスクブレーキが作動しているかどうかを判断する(S21)。ディスクブレーキが作動していないと判断すると、中央処理装置3に火災警報信号1を送信する(S25)。また、画素数nが、緊急自動消火が必要な画素数である定数n3 以上であれば(S26)、火災警報信号2も送信する(S27)。
【0028】
S21において、ディスクブレーキが作動していると判断すると、画素数nから参照画素数値n2 を減算した値Nを算出する(S22)。そして、Nが定数n3 以上であると判断すると(S23)、Nをあらためて画素数nとして(S24)、中央処理装置3に火災警報信号1を送信する(S25)。また、その場合、画素数nが定数n3 以上であるので(S26)、火災警報信号2も送信する(S27)。
【0029】
ところで、上述のように複雑な判断経路を経ることなく単純に火災判断を行うこともできる。すなわち、図3のS11及びS12と進み、例えばn1 を500としておき、画素数n≧n1 ならば、S25の火災警報信号1送信を行うようにし、n<n1 ならば、ENDとして、1画面分についての火災検出処理を終了するようにしてもよい。
【0030】
図5は火災警報信号1が送信されたときの中央処理装置3の教示処理又は消火処理の流れを表す図である。火災警報信号1が受信されると(S31)、中央処理装置3は、警報教示装置6に火災警報を行わせる教示信号を送信する(S32)。その教示信号を受信した警報教示装置6は、音、表示等によりオペレータに教示する。
【0031】
火災警報信号1と共に火災警報信号2が受信されるか(S33)又は例えばオペレータが指示ボタン(図示せず)を押下する等により消火指示信号が送信されると(S34)、中央処理装置3は、消火装置4にノズル開放信号を送信する(S35)。ノズル開放信号を受信した消火装置4は消火剤等を噴射してタイヤ8等の消火を行う。
【0032】
オペレータは、モニタ5からその様子を監視することができる。そこで、オペレータは火災でないと判断したり、消火を終えたと判断すると、指示ボタン押下等により復旧指示を行う。復旧指示に基づいて復旧指示信号が送信されると(S36)、中央処理装置3は復旧処理を行い、またノズル閉鎖信号を送信し、メモリ判断装置2に再度火災検出処理を行わせる(S37)。
【0033】
以上のように第1の実施の形態によれば、赤外線カメラ1による赤外線感知に基づく画素信号により、データ処理部22が輝度別に画素数を集計して、Ks1以上の輝度を有する画素数がn1 以上あり、しかも連続している箇所があった場合に、車輪回転時、タイヤ接地時、ディスクブレーキ作動時のタイヤ8の状態毎にその判断条件を設定し、条件に合致したものに対して火災警報信号1を送信して、中央処理装置3において教示信号を送信し、警報教示装置6に火災警報を教示させるようにしたので、タイヤ8の状態に応じた火災検出処理を行うことができ、誤報がなく検出精度を高めることができる。また、高輝度の画素数があまりに多い場合には、火災警報信号2も共に送信してオペレータの指示がなくても消火装置4に消火させるようにしたので、炎の広がりが早くても素早い消火を行うことができる。また、データ処理部22(判断手段)が火災検出の判断を行う際に、車輪回転時、タイヤ接地時及びディスクブレーキ作動時のそれぞれに異なる判断条件を設けるようにすると、例えばタイヤが発火している部分が陰になったとしても、消火されたものと判断してしまうような誤判断をすることもなく、車輪の状況に応じた判断を行うことができる。
【0034】
実施形態2.
図6は本発明の第2の実施の形態に係る火災検出処理の流れを表す図である。図6に基づいて本実施の形態の火災信号送信処理について説明する。メモリ判断装置2Aのデータ処理部22A(図示せず)の火災検出処理の方法がデータ処理部22とは異なるが、本実施の形態におけるシステムの構成は第1の実施の形態と特に変わるものではないので図1を用いて説明することにする。ただ、本実施の形態以降は、中央処理装置3からメモリ判断装置2Aへは車輪の状態を示すデータは送信されないものとする。
【0035】
通常、接地や制動により瞬間的に高温(高輝度)となった部分は、空冷されてその値はいずれ減少していく傾向にある。しかし、火災の場合は炎が燃え広がるので、高温(高輝度)の部分は逆に拡大していく傾向にある。本実施の形態は、高輝度の部分が拡大していく傾向にあるかどうかを判断することで火災警報信号1を送信するかどうかを判断するものである。
【0036】
まず、データ処理部22Aは1画面毎の輝度別画素数集計処理を行うが、これは図2に基づいて第1の実施の形態で説明したことと同様の処理を行うので説明を省略する。
【0037】
一方、輝度別に集計した1画面分の画素とあらかじめ定められた値Ks1とについて、K≧Ks1となる画素の数を画素数nとして計数する(S51)。ここで、Ks1、nは第1の実施の形態と同じ文字を用いているが、必ずしも第1の実施の形態と同様の定数としなくてもよい。以下の文字も同様とする。画素数nから参照画素数値n2 を減算した値Nを算出して記憶する(S52)。この参照画素数値n2 は第1の実施の形態で説明したように、昇温部分を考慮して設定する数値である。ディスクブレーキが作動していない限り参照画素数値n2 を減算する必要はない。ただ、火災の場合には、それ以上の数の画素の輝度がKs1以上になることは確実であり、検出時間的にもあまり差がないので、あらかじめこのように処理するように設定したものである。本実施の形態は、中央処理装置3から車輪の状態を示すデータが送信されないので、あらかじめ昇温部分を考慮し一律に減算することにする。そして、Nがあらかじめ定めた値n4 以上であれば(S53)、第1の実施の形態と同様に、K≧Ks1となる画素が連続している箇所があるかどうかを判断する(S54)。本実施の形態においてはn4 =4とする。
【0038】
連続している箇所があると判断するとタイマリセットをして時間計測を開始する(S55)。車輪が接地した時に生じる高温部分及び参照画素数値を越えてしまった昇温部分の拡大状態を判断の対象としないために、冷却に必要なブランク時間TB(例えば0.5秒)になったかどうかを判断する(S56)。いうまでもなく、この間にも輝度集計処理は行っている。時間TBになったものと判断すると、さらに時間T3 (例えば1秒とする。NTSC方式では30画面である)経過したかどうかを判断する(S57)。そして、T3 間分について、K≧Ks1となる画素数を算出し、その平均A1 を算出する(S58)。また、その後さらに時間T4 (例えば2秒とする)経過したかどうかを判断し(S59)、T4 間分について、K≧Ks1となる画素数を算出して平均A2 を算出する(S60)。時間T3 、T4 については、車輪の回転周期以上となるように短すぎないようにする。また、時間T3 、T4 は任意に設定することができるが、あまり時間が長すぎると逆に火災検出自体に影響を及ぼす(検出時間が遅れる)ので、注意を要する。
【0039】
また、例えば時速100kmで移動する磁気浮上式鉄道の車輪の回転周期は約0.1sであるから、1秒間だと約10回転分の平均を算出することになる。ここでは1秒分及び2秒分について平均を算出するようにしているが、第1の実施の形態と同様に、車輪の回転周期を算出し、その回転周期以上分の画面について平均を算出して判断するようにしてもよい(例えば、速度のデータが入力されなくても傷等がある場合には、その発生周期によって回転周期を判断できる)。また、時間計測に基づいた平均を算出しているが、例えばNTSC方式だと1秒間に30画面(フレーム)のように、各方式によって1秒間の画面数は決まっているから、カウントした画面数に基づいて平均を算出するようにしてもよい。この場合はカウンタは必要となるがタイマは必要としない。
【0040】
2 >A1 と判断すると(S61)、Ks1以上の輝度を有する画素が拡大しているとして中央処理装置3に火災警報信号1を送信する(S62)。また、その場合、画素数nが定数n3 以上であれば(S63)、火災警報信号2も送信する(S64)。その後の中央処理装置3の処理については、第1の実施の形態で説明した図5の処理と同様の動作を行うので省略する。ここで、上述のS61においては、A1 <A2 としたときには1画素でもA2 の方が多ければ該当してしまい、厳密すぎる場合がある。そこで、誤差を考慮する場合にはマージン(例えば約30画素分程度)をとし、A1 +30≦A2 として判断するようにしてもよい。
【0041】
上述の記載では、火災検出において、ある温度以上の部分が拡大しているかどうかで判断したが、これを複数の時間帯におけるある温度以上の部分の面積の平均をそれぞれ算出して比較し、ある温度(例えば200℃)以上の部分が、ある一定面積(例えば50画素分)以上で、かつ一定時間(例えば3秒)以上継続していることにより、火災判断するようにしてもよい。このようにすると、緩慢なゴムの深部火災や燻焼火災等をとらえることができる。
【0042】
以上のように第2の実施の形態によれば、赤外線カメラ1による赤外線感知に基づく画素信号により、データ処理部22Aが輝度別に画素数を集計して、高輝度の画素数が一定数以上あり、しかも連続している箇所があった場合に、ある時間帯T3 とその後の別の時間帯T4 とにおける一定輝度以上の画素数の平均値A1 、A2 を算出して、拡大傾向にあるかどうかを判断して、拡大していると判断すると火災警報信号1を送信して、中央処理装置3において教示信号を送信し、警報教示装置6に火災警報を教示させるようにしたので、精度の高い火災検出処理を行うことができる。
【0043】
実施形態3.
図7は本発明の第3の実施の形態におけるシステムを表す図である。図7において図1と同じ図番を付しているものは、第1の実施の形態で説明したことと同様の動作を行うので説明を省略する。4つのタイヤ8A、8B、8C及び8Dをそれぞれ個別に監視する赤外線カメラ1A、1B、1C及び1Dはそれぞれ赤外線カメラ1と同じものである。メモリ判断装置2Bは、データ処理部22Bが4台の赤外線カメラからの電気信号を同時に1画面として処理し、火災検出処理を行う点でメモリ判断装置2とは異なる。
【0044】
上述の第1の実施の形態では、1つの赤外線カメラ1からの電気信号を1台のメモリ判断装置2が処理した。しかし、例えば磁気浮上式鉄道等のように車体をできるだけ軽くしなければならないという要請がある場合、複数の赤外線カメラ1の電気信号を1台のメモリ判断装置が処理できれば、それだけメモリ判断装置を少なくすることができる。そこで、本実施の形態では4つの赤外線カメラ1の電気信号を1台のメモリ判断装置2Bで処理するものとする。また、4つの車輪及び格納部分の全てにおいて同時に火災が発生するとは考えにくい。そこで、メモリ判断装置2Bが4つの車輪について処理を行うことを利用して、4つの車輪の輝度(温度状態)を比較することにより火災検出処理を行う。
【0045】
図8はデータ処理部22Bの火災検出処理を表す図である。図8に基づいて火災検出処理について説明する。データ処理部22Aは1画面毎の輝度別画素数集計処理を行うが、これは図2に基づいて第1の実施の形態で説明したことと同様の処理を行うので説明を省略する。
【0046】
そして、輝度別に集計した各車輪及び格納部分(以下、単に車輪という)を撮影した際の画素とあらかじめ定められた値Ks1とについて、K≧Ks1となる画素の数を車輪毎に計数する(S71)。以下、処理は車輪毎及び画面毎に行われるものとする。少なくともある車輪において、その画素数があらかじめ定めた値n1 以上であると判断すると(S72)、第1の実施の形態と同様に、K≧Ks1となる画素が連続している箇所があるかどうかを判断する(S73)。本実施の形態でも第1の実施の形態と同様にn1 =4とする。
【0047】
連続している箇所があると判断すると、その箇所が存在する画面を基準画面とし、第2の実施の形態と同様にタイマリセットをして時間計測を開始する(S74)。そして、短い時間T5 以内に、全ての車輪について、Ks1以上の輝度を有する画素があるかどうかを比較判断する(S75)。ここで本実施の形態では、T5 を例えば0.2秒(NTSCでは6画面)とする。全ての車輪においてK≧Ks1となる画素があった場合には、接地の摩擦、ディスクブレーキの制動等によって昇温したものと考えられるので、火災警報信号1は送信しないで、S71に戻ってそのまま火災検出処理を行う。しかし、タイヤ8が接地した後、冷却時間TBを経た後にいずれかの画面でK≧Ks1となる画素数が、定数n3 以上であると判断すると(S84)、中央処理装置3に火災警報信号1を送信する(S81)。このようにしておけば、万一、4つの車輪で同時に火災が発生したとしても対応できる。
【0048】
K≧Ks1となる画素が全ての車輪について同時には存在していなかった場合には、第2の実施の形態と同様に、その時点から時間T3 (例えば1秒とする。NTSC方式では30画面である)分について、K≧Ks1となる画素数を算出し、その平均A1 を算出する(S76、S77)。そして、その後さらに時間T4 (例えば2秒とする)分について、K≧Ks1となる画素数を算出して平均A2 を算出する(S78、S79)。そして、A1 ≦A2 と判断すると(S80)、Ks1以上の輝度を有する画素が拡大しているとして中央処理装置3に火災警報信号1を送信する(S81)。また、その場合、画素数が定数n3 以上であれば(S82)、火災警報信号2も送信する(S83)。その後の中央処理装置3の処理については、第1の実施の形態で説明した図5と同様の処理動作を行うので説明を省略する。なお、消火装置4A、4B、4C及び4Dは、それぞれのタイヤ8A、8B、8C及び8Dに個別に対応して備えられ、各別に制御されるようになっている。
【0049】
以上のように第3の実施の形態によれば、4つの車輪部分の画素信号に基づいて、データ処理部22Bが、ある車輪について高輝度の画素数が一定数以上あり、しかも連続している箇所があったと判断した場合に、短い一定時間内、つまりほぼ同時的に、全ての車輪においても同じように高輝度の画素数が一定数以上あり、しかも連続している箇所があった、と判断しなかった場合には、タイヤ接地によるものではないとして、さらに拡大傾向にあるかどうかを判断して、拡大していれば火災警報信号1を送信して、中央処理装置3において教示信号を送信し、警報教示装置6に火災警報を教示させるようにしたので、精度の高い火災検出処理を行うことができる。また、全ての車輪部分が同時には火災を起こすことはないと想定し、複数の車輪部分における温度を比較して、火災警報信号1を送信するかどうかを判断するようにすると、車輪の状況に応じて詳細な条件を設定しなくても、火災かどうかの判断を高精度に行うことができる。
【0050】
実施形態4.
図9は本発明の第4の実施の形態におけるシステムを表す図である。図9において図7と同じ図番を付しているものは、第3の実施の形態で説明したことと同様の動作を行うので説明を省略する。ここで、29はカメラスイッチャー装置である。カメラスイッチャー装置29が例えばNTSC方式のレートに基づいて切り換えを行い、4つのタイヤ8A〜8Dに対応した4台の赤外線カメラ1A〜1Dのそれぞれの電気信号を送信する。また、メモリ判断装置2Cは、データ処理部22Bとは若干処理方法が異なるデータ処理部22Cを有している点でメモリ判断装置2Bとは異なる。カメラスイッチャー装置29が4つのタイヤ8A〜8Dをそれぞれ個別に監視する4台の赤外線カメラ1A〜1Dから送信された電気信号を切り換えてデータ処理部22Cに送信するので、1台の赤外線カメラ1につき、第1〜第3の実施の形態の4画面分の時間毎に1画面の処理が行われる。そのため、第1〜第3の実施の形態とは異なり、各車輪について処理される画面数は減ることになる。ただ、第1〜第3の実施の形態において、例として挙げた時間で最も短いものでも0.2秒である。これは、NTSC方式における4画面分(0.03×4=0.12秒)よりも長い。したがって4画面毎の処理でも火災を検出する際に特に問題はない。
【0051】
本実施の形態のシステムでは、火災検出処理は第3の実施の形態とほぼ同様の動作を行う。ただ、第3の実施の形態とは異なり、各車輪の画面が同時に入力されるわけではないので、データ処理部22Cでは、入力される画素信号に基づいて4画面毎に比較することで各車輪の輝度(温度)を比較を行うことになる。
【0052】
実施形態5.
図10は本発明の第5の実施の形態に係るタイヤ傷検出処理の流れを表す図である。図10に基づいてタイヤ傷検出処理について説明する。本実施の形態では、メモリ判断装置2Dのデータ処理部22D、中央処理装置3A(図示せず)が用いられるが、メモリ判断装置2、データ処理部22、中央処理装置3とは処理が異なるだけである。システム構成的には第1の実施の形態とは特に変わるものではないので、本実施の形態でも図1を用いて説明することにする。
【0053】
まず、画像処理を行い、タイヤ8の輪郭内側部分の画素だけを検出する(SK1)。タイヤ8の部分、ホイール部分、格納部分等、それぞれの部分は輝度が異なるため、その輪郭を認識することができる。これを利用して、タイヤ8の輪郭内側部分だけを検出するようにする。そして、検出したタイヤ8の輪郭内側部分について各輝度別に画素数を集計する(SK2)。つまり、輝度を横軸とし、画素数を縦軸としてヒストグラムを作成する。
【0054】
通常、作成したヒストグラムはある輝度を中心とした正規分布に近い形状になる(ただ、中心となる輝度及び分散の程度はその時のタイヤ8の状況、環境等により異なる)。ただ、タイヤ8に傷があると、傷部分の輻射は正常部分とは異なるので、正常な場合の輝度分布とは別に、高輝度又は低輝度の部分にも分布が生じる。そこで、集計を終えると、画素数が0の輝度部分を挟んで高輝度又は低輝度の部分にさらに別の分布が存在するかどうかを判断する(SK3)。分布が存在するものと判断すると、その分布を構成する画素の数を計数する(SK4)。そして、計数した画素数がn1 以上であれば(SK5)、それらの画素について、画素が連続している箇所があるかどうかを判断する(SK6)。画素がn1 連続している箇所があると判断すると、傷検出のイベント信号を送信し、そのイベント名、発生時間等を記録装置7に記録させ、中央処理装置3Aに傷警報信号を送信する(SK7)。
【0055】
傷警報信号が受信されると、中央処理装置3Aは傷警報を行わせる教示信号を警報教示装置6に送信する。その教示信号を受信した警報教示装置6は、音、表示等により、タイヤ傷が発見された旨を表す傷警報をオペレータに教示する。
【0056】
以上のように第5の実施の形態によれば、赤外線カメラ1による赤外線感知に基づく画素信号により、データ処理部22Dが輝度別に画素数を集計、すなわち温度別面積に基づく分布を作成して、そのヒストグラムに基づいて、通常の分布の外に、高輝度(高温)又は低輝度(低温)の部分に別の分布が存在すると判断し、しかもその分布の輝度の画素が連続していると判断すれば、傷警報信号を送信して、中央処理装置3Aにおいて教示信号を送信し、警報教示装置6にタイヤ傷警報を教示させるようにしたので、人間によって目視しなくても細かな傷まで発見することができる。
【0057】
実施形態6.
図11は本発明の第6の実施の形態に係るタイヤ傷検出処理の流れを表す図である。図11に基づいてタイヤ傷検出処理について説明する。本実施の形態においても、メモリ判断装置2Eのデータ処理部22E、中央処理装置3A(図示せず)が用いられるが、データ処理部22、中央処理装置3とは処理が異なるだけである。システム構成的には第1の実施の形態とは特に変わるものではないので、図1を用いて説明することにする。
【0058】
本実施の形態は、送信された画素信号に基づいて画面を画像処理し、2次元の位置関係も含めた輝度分布(温度分布)に基づいた微分処理をして車輪輪郭内側部分に一定以上の輝度の変化を算出し、タイヤ傷と正常な部分との境目の存在をその輝度変化から判断する。このようにすると、人間の目視に頼ることなく、細かなタイヤ傷まで検出できる。そして、さらにその変化部分が、車輪回転方向に移動しているかどうかを判断することで、タイヤ傷検出の精度を上げる。
【0059】
まず、各画面のタイヤ輪郭内側部分について微分処理(輝度の差分算出)を行う(SK11)。前述したように、タイヤ傷部分は、他の正常な部分に比べて高輝度又は低輝度なものとなるので、タイヤ傷と正常な部分との境では輝度の変化が大きくなる。したがって、その部分での差分の絶対値は大きくなる。そこで、微分を行ってその差分を算出する。ここでは、横の画素との比較(行での比較)において差分を算出するようにする。全ての差分の算出を終えると(SK12)、各行につき、あらかじめ定めた値n5 以上の差分値が4箇所以上あるかどうかを判断する(SK13)。ここでn5 の値は差分算出の方法(例えば、差分をどの画素との比較において算出するか等)により異なる。1行につき4箇所以上としたのは、タイヤ8の輪郭両端及びタイヤ傷の両端部分の輝度変化を考慮したためである。SK13において、n5 以上の差分値が4箇所以上あるものと判断すると、カウンタ値n6 を1つ増やす(SK14)。
【0060】
ここで、n5 以上の差分値が4箇所以上あるものと判断した時点で傷警報信号を送信し、タイヤ傷警報を行うようにすることもできる。しかし、本実施の形態では、より正確な検出を行えるように複数の画面にわたって傷が検出された場合に傷警報信号を送信するようにする。
【0061】
そこで、カウンタ値n6 の値が、ある基準値n7 になったかどうかを判断し(SK15)、n6 =n7 と判断すると傷警報信号を出力する(SK16)。タイヤ傷は次の画面で消えるということはないので連続して検出されるはずである(なお、ここでいう連続は、前述した連続とは意味が違う)。しかも、赤外線カメラ1の面を向いているときに突然傷が発生するという可能性も少ない。例えば、単純に0.5秒で1回転したとすると、NTSC方式では1回転分が15画面ということになる。1画面について、タイヤ8の約半分の面からの輻射があるものと考えると、赤外線カメラ1は、1回転で約7画面分にわたって、タイヤ8のある部分における赤外線の輻射を感知していることになる。したがってこの場合、タイヤ傷があれば連続して7画面検出されることになる。このようなことを考慮し、タイヤ傷を連続してカウントできる、適当な基準値n7 を設定する。
【0062】
また、この連続検出について、例えばある画面で検出された傷が、その後の画面において車輪回転方向への移動又は静止により連続して検出された場合にのみ傷警報信号を送信するというような条件を付すこともできる。傷が車輪回転方向へ移動又は静止しているかについては、次の画面で、個々の傷が回転軌跡(直線又は楕円曲線若しくは楕円の近似曲線)上で、例えば下方に移っているかどうかあるいは静止しているかどうかを判断するようにする。発生したタイヤ傷が画面間で移動するのは車輪回転方向のみであることから、このような条件を付すことで、誤検出を防止することができる。
【0063】
以上のように第6の実施の形態によれば、赤外線カメラ1による赤外線感知に基づく画素信号により、データ処理部22Eが画面を微分処理して差分を算出し、その差分の絶対値が一定値以上の箇所が1行又は列につき4箇所以上あった場合、さらに、それが一定画面数以上連続したかどうかを判断する。連続して検出されれば、タイヤ傷であると判断して傷警報信号を送信し、中央処理装置3Aにおいて教示信号を送信し、警報教示装置6にタイヤ傷警報を教示させるようにしたので、人間によって目視しなくても細かな傷まで発見することができる。また、データ処理部22(判断手段)が、一定以上の変化をした部分が一定時間連続して存在する場合に、タイヤ傷を検出したものと判断し、傷警報信号を送信するようにすると、人間による目視等に頼らなくても、細かなタイヤ傷まで検出することができ、しかも高精度である。さらに、タイヤ傷の移動方向である車輪回転方向に移動又は静止して一定時間連続して存在する場合に、タイヤ傷を検出したものと判断し、傷警報信号を送信するようにすると、人間による目視等に頼らなくても、細かなタイヤ傷まで検出することができ、しかも高精度である。
【0064】
実施形態7.
上述の第5の実施の形態では、タイヤ8の輪郭内側部分について各輝度別に画素数を集計し、そのヒストグラムについて、別の分布が存在しているかどうかを判断した。このような場合、傷部分と正常な部分との間にそれほど輝度の差がなければ、正常な部分の輝度分布の裾の方に傷部分の分布が含まれてしまい、傷警報信号が送信されないことがある。そこで、輝度別の画素数を集計したヒストグラムについて、その差分を算出し、ヒストグラムが複数の極大値を有しているかどうかを判断する。極大値に到るまでの正の傾き及び極大値からの負の傾きが小さければ、傷部分の分布により生じた極大値と判断しないようにする。この傾きの判断の一例として、例えば正規分布に基づいて傾きの大きさを設定して判断するようにしてもよい。また、例えば、判断条件を緩やかにするのであれば、傾きが0になる極値が存在したときに傷部分の分布があるものと判断するようにしてもよい。このように、データ処理部22(判断手段)が、温度別面積に基づく分布を作成して、その分布の極大値を算出して、極大値に基づいてタイヤ傷の有無を判断するようにすると、人間による目視等に頼らなくても、細かなタイヤ傷まで検出することができる。
【0065】
実施形態8.
上述の第5〜第7の実施の形態における傷検出処理は、例えばオペレータが指示をしたときに一定時間(例えば5分間)行うようにしてもよい。このように、指示が行われたときにデータ処理部22がタイヤ傷検出処理を行うようにしたので、検出を1度だけに抑えることができ、認識済みの傷を何回も検出しなくてもすむ。また、例えば、タイヤ接地しているとき等は、車両の速度(車輪の回転速度)等の関係より、通常時とは異なりタイヤ傷の検出が困難である。そこで、速度がある値以下の間だけ傷検出処理を行うようにしてもよい。このように、車輪の回転速度が一定値以下の場合にタイヤ傷検出判断を行うようにすると、高速走行時のように精度が低くなってしまう場合にタイヤ傷検出を行わないようにすることができる。
【0066】
実施形態9.
図12は本発明の第9の実施の形態に係るタイヤ摩耗検出処理の流れを表す図である。本実施の形態においても、メモリ判断装置2Fのデータ処理部22F、中央処理装置3B(図示せず)が用いられるが、メモリ判断装置2、データ処理部22、中央処理装置3とは処理が異なるだけである。システム構成的には第1の実施の形態とは特に変わるものではないので、図1を用いて説明することにする。
【0067】
例えば、オペレータからのクリアボタン押下等があり、タイヤ8が新しいものに交換された等と判断すると(SM1)、加算値T及び累積値Mをクリアし、それぞれの値を0にする(SM2)。なお、加算値T及び累積値Mのクリアは、摩耗警報の解除も意味する。また、警報累積値Zを変更する旨の指示が入力されると(SM3)、警報累積値Zの値を変更する(SM4)。警報累積値Zについては、後に詳述する。
【0068】
赤外線カメラ1の感度特性(レンジ等)及び各画素信号が表す画面の各輝度Kに基づいて、その輝度が表す温度である対応温度Th1 を算出する(SM5)。対応温度Th1 を算出すると、対応温度Th1 が基準温度Th2 以上であるかどうかを判断する(SM6)。本実施の形態では基準温度Th2 として例えば200℃や40℃を設定する。そして、Th1 ≧Th2 を満たす画素が連続している箇所があるかどうかを判断する(SM7)。
【0069】
Th1 ≧Th2 を満たす画素が連続している箇所があると判断すると、1画面中に算出した全ての対応温度Th1 のうち、最も高い温度Th3 を加算値Tに加え(SM8)、M=0.03×2×Tとなる累積値Mを算出する(SM9)。ここで、0.03とはNTSC方式における画面と画面との間の時間(1/30秒)を表す。また、2はタイヤ8の表裏分を考慮した値を表している。この累積値Mは摩耗の指数を表す値である。なお、加算値Tに加える温度Th3 として、そのタイヤ輪郭内側部分の画面のうちの最高温度を用いたが、その平均温度や基準温度等の代表温度を用いてもよい。
【0070】
そして、累積値Mとあらかじめ定めた警報累積値Zとを比較し、M>Zであるかどうかを判断する(SM10)。前述したように警報累積値Zは任意に設定することができるが、ここでは例えば100000〜1000000とする。これは1回の接地等により200℃が0.5秒間続く部分が生じ、それが1日に10回あり、そのタイヤ8を100〜1000日で交換するもの(200℃×0.5秒×10回/日×100〜1000日)として設定した値である。M>Zであると判断すると、中央処理装置3Bに摩耗警報信号を送信する(SM11)。M≦Zの場合には次の画面について摩耗検出を行う。
【0071】
摩耗警報信号が送信されると、中央処理装置3Bは摩耗警報を行わせる教示信号を警報教示装置6に送信する。その教示信号を受信した警報教示装置6は、音、表示等により、タイヤ8が摩耗していることを示す旨の摩耗警報をオペレータに教示する。
【0072】
摩耗警報信号を送信した後、中央処理装置3Bから摩耗警報解除の旨の信号が送信されると(SM12)、SM2に戻って加算値T及び累積値Mをクリアし、摩耗検出を続けることになる。
【0073】
以上のように第9の実施の形態によれば、データ処理部22Fが、Th1 ≧Th2 以上であるかどうかを判断し、Th1 ≧Th2 の場合には、その画面中の最高温度等の代表温度Th3 とその画面の時間との積を算出して、さらに累積値Mを算出し、警報累積値Zと比較してM>Zであると判断すると、中央処理装置3Bに摩耗警報信号を送信するようにしたので、タイヤ摩耗のような人間の目視では検出困難なものでも精度よく検出することができる。
【0074】
実施形態10.
上述の第9の実施の形態では、累積値Mの算出を、最高温度Th3 とその画面の時間との積に基づいて求めた。タイヤ8の摩耗はほとんどが地面との摩擦により起こる。したがって、タイヤ8が回転する度に摩耗する。しかも、摩擦熱等、高温になった部分は特に摩耗の進行がはやい。そこで、本実施の形態は、1回転における一定以上の温度以上の画素数(面積)に基づいて加算値Tを算出し、累積値Mに加えることにする。
【0075】
1つの画面からは、車輪(タイヤ8)の全周の熱エネルギー温度を観測することはできない。そこで、複数画面から1回転分の一定以上の温度以上の画素数を算出しなければならないが、同じ部分が重複しないようにする必要がある。また、回転速度によって1回転の画面数が異なるので、その調整を行う必要もある。
【0076】
赤外線カメラ1の設置角度等により厳密には困難であるが、ここでは1画面で半周分(2画面で全周)を観測できるものとして考える。そのため、たとえば1画面で1/6回転する(1/6周期)場合には、1回転が6画面である。全てを加算すると、3倍の画素数を算出してしまうことになる。そこで、2×(1画面あたりの回転数)を乗じて、重複しないようにする。
【0077】
以上の説明に基づいて、上述した第9の実施の形態におけるSM8の代わりに、1画面における基準温度Th2 以上の画素数n8を算出するようにする。そして、SM9の代わりに、T=n8 ×2×n9 となる加算値Tを算出する。ここでn9 は1画面あたりのタイヤの回転数である。算出した加算値Tを累積値Mに加算して、警報累積値Zと比較してM>Zであれば摩耗警報信号を送信する。
【0078】
以上のように第10の実施の形態によれば、一定以上の温度以上の画素数(一定温度以上の部分の面積)に基づいて、加算値T及び累積値Mを算出し、警報累積値Zと比較してM>Zであると判断すると、中央処理装置3Bに摩耗警報信号を送信するようにしたので、接地による摩擦の摩耗をより加味した摩耗検出を行うことができる。また、ある温度以上になると摩耗の進行がはやくなる材質に効果的である。また、一定温度Th2 以上の部分が存在する場合に、1回転にあたる、Th2 以上の部分の大きさに基づいて摩耗度を算出して回転毎に累積し、その累積値とあらかじめ定めた値とを比較してタイヤ摩耗の判断を行うようにすると、人間の目視では検出困難なタイヤ摩耗を、接地による摩擦熱等を加味して精度よく検出することができる。
【0079】
実施形態11.
上述の実施の形態では、火災検出処理、タイヤ傷検出処理及び摩耗検出処理をそれぞれ分けて説明したが、これらを組み合わせて用いることが可能である。例えば、車庫に格納中又は車庫への移動時等にはタイヤ傷検出を行い、車輪が走行回転状態にある場合等に火災検出処理及び摩耗検出処理を行わせるようにすることもできる。この場合、タイヤ傷検出及び摩耗検出と火災検出との検出温度を、感度を変更しなくてもカバーできる範囲の赤外線カメラがあれば特に有効である。上述の実施の形態では、ループにより同じ検出処理を繰り返して行っているが、組み合わせる場合は、処理を終了し、次の検出処理を実行するようにする。
【0080】
実施形態12.
上述の実施の形態では、データ処理部がそれぞれ1つ又は直列的に検出処理を行うように説明したが、例えば火災検出処理、タイヤ傷検出処理及び摩耗検出処理を複数の処理を並列に行うようにしてもよい。特に、摩耗及び火災は、タイヤ接地時等のように同じ状況下で起きることが多いので、同じ画面に基づいて並列にすなわち平行して処理を行った方が早く、効果的である。
【0081】
実施形態13.
上述した第1の実施の形態では、S17、S20及びS24の車輪の状態における判断に輝度及び画素数の条件を設けなかったので、記録装置8に異常画素検出のイベント及びその発生時間の記録があるかどうかを判断するだけでよかった。しかし、これに限定されるものではなく、その状態に応じて基準を変更するようにしてもよい。ただし、その場合は、イベントの記録とは同基準ではないので、再度判断を行う必要がある。各輝度だけの基準を変更する場合、判断条件の基準とする輝度は前の判断条件の基準の輝度より高いものを設定する必要がある。また、画素数だけの基準を変更する場合も同様である。他の実施の形態においても、それぞれの条件判断において、基準となる輝度や画素数の値を任意に決めることができる。
【0082】
実施形態14.
上述した実施の形態では、温度センサを2次元に配列した赤外線カメラ1を用いて車輪(タイヤ8)及び格納部分の温度を感知するようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、1次元のリニアセンサ等を走査させて用いることもできる。
【0083】
実施形態15.
上述した実施の形態では、連続する条件として縦横2画素ずつの4画素以上がひとかたまりになっているものとしたが、これに限らなくてもよい。例えば縦横斜め4画素ずつでもよい。また連続する画素数は4画素に限る必要はない。
【0084】
実施形態16.
上述した実施の形態では、磁気浮上式鉄道に用いる場合について説明したが、自動車、飛行機等車輪(タイヤ)を用いるものに適用することができる。
【0085】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、温度センサが少なくとも車輪部分の温度を対応する電気信号に変換し、その電気信号に基づいて、判断手段が、複数の時間における、ある温度以上のひとかたまりに連なっている部分の面積をそれぞれ算出して比較し、ある温度以上の部分が拡大傾向にあるときに、車輪部分に火災が発生したものと判断するようにし、その判断に基づいて送信した警報信号により警報教示手段が警報教示を行うようにしたので、炎が燃え広がる等、高温部の状況に応じた火災発生の検出を行うことができる。
【0089】
また、本発明によれば、電気信号に基づいて車輪部分に火災が発生したものと判断した場合には、自動的にノズル開放信号を送信し、消火装置を動作させるようにしたので、大きな火災の場合にはオペレータの指示がなくても、自動的に素早く消火を行うことができる。
【0091】
また、本発明によれば、判断手段が、温度センサからの電気信号に基づいて画像処理を行って微分処理し、現れた変化部分に基づいて傷の警報信号を送信するかどうかを判断するようにしたので、人間による目視等に頼らなくても、細かなタイヤ傷まで検出することができる。
【0092】
また、本発明によれば、その時の代表温度とその状態が検出された時間とに基づいて摩耗度を算出して累積し、その累積値とあらかじめ定めた値とを比較してタイヤ摩耗の判断を行うようにしたので、人間の目視では検出困難なタイヤ摩耗を精度よく検出することができる。
【0093】
また、本発明によれば、複数の判断手段を備えることで、複数の障害発生を並行して行うようにしたので、同じタイヤ状況において判断した方がよい火災検出とタイヤ摩耗検出等を同時に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る火災検出装置の構成を示すブロック図である。
【図2】データ処理部22が1画面分の画素信号について輝度集計処理を行う流れを表す図である。
【図3】データ処理部22が行う火災検出処理の流れを表す図である。
【図4】タイヤ8部分における輝度の変化を表す図である。
【図5】火災警報信号1が送信されたときの中央処理装置3の教示処理又は消火処理の流れを表す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る火災検出処理の流れを表す図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態におけるシステムを表す図である。
【図8】データ処理部22Bの火災検出処理を表す図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態におけるシステムを表す図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態に係るタイヤ傷検出処理の流れを表す図である。
【図11】本発明の第6の実施の形態に係るタイヤ傷検出処理の流れを表す図である。
【図12】本発明の第9の実施の形態に係るタイヤ摩耗検出処理の流れを表す図である。
【符号の説明】
1、1A、1B、1C、1D 赤外線カメラ
2、2A、2B、2C、2D、2E、2F メモリ判断装置
21 AD変換部
22、22A、22B、22C、22D、22E、22F データ処理部
23 画像記憶部
24 DA変換部
25 感度調整部
26 スイッチ部
27 変調部
28 通信インターフェース部
29 カメラスイッチャー装置
3、3A、3B 中央処理装置
4、4A、4B、4C、4D 消火装置
5 モニタ
6 警報教示装置
7 記録装置
8、8A、8B、8C、8D タイヤ

Claims (5)

  1. 車両に設けられ、少なくとも車輪部分の温度を対応する電気信号に変換する温度センサと、
    前記電気信号に基づいて障害が発生したかどうかを判断し、その判断に基づいて警報信号を送信する判断手段と、
    前記警報信号に基づいた警報教示を行う警報教示手段とを備えた障害警報装置において、
    前記判断手段は、前記温度センサからの信号に基づいて、複数の時間における、ある温度以上のひとかたまりに連なっている部分の面積をそれぞれ算出して比較し、ある温度以上の部分が拡大傾向にあるときに、前記車輪部分に火災が発生したものと判断することを特徴とする障害警報装置。
  2. 消火剤を散布して前記車輪部分の消火を行う消火装置を設け、
    前記車輪部分に火災が発生したものと判断した場合には、前記消火装置を動作させるためのノズル開放信号が送信されることを特徴とする請求項記載の障害警報装置。
  3. 前記判断手段を複数備え、複数の障害発生判断の処理を並行して行うことを特徴とする請求項1記載の障害警報装置。
  4. 前記判断手段は、画像処理により、2次元の位置関係も含めた温度分布に基づいた微分処理を行って、前記車輪輪郭内側部分に一定以上の変化をした部分が存在するかどうかを判断してタイヤ傷の検出を行うことを特徴とする請求項記載の障害警報装置。
  5. 前記判断手段は、温度と時間とに基づいた摩耗度を算出して累積し、その累積値とあらかじめ定めた値とを比較してタイヤ摩耗の判断を行うことを特徴とする請求項記載の障害警報装置。
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