JP2005287184A - 監視装置 - Google Patents

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【課題】 パンタグラフやトロリ線の異常発生を直ちに検知し、その状態を確実に記録することができる監視装置を提供する。
【解決手段】 本発明の監視装置1は、パンタグラフ3とトロリ線6の状態を監視する監視部(パンタグラフ3とトロリ線6の接触状態やその形状を撮像する撮像部11、パンタグラフ3とトロリ線6の近傍の温度を検知する赤外放射温度計などの温度センサ12、トロリ線6からパンタグラフ3へ供給された電流を電流引込線4に設置されたクランプメータ5を介して測定する電流測定部13及びパンタグラフ3近傍の音を測定するマイク14)と、監視部からのデータを圧縮変換及び/又はデジタル変換するデータ変換部15と、監視部からのデータを記録する記録装置17と、監視部からのデータが所定の値になった場合、記録装置17への記録を停止する制御部16と、を備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電気車両のパンタグラフの状態を監視する監視装置に関する。特には、パンタグラフの状態を常に監視記録し、異常時にその記録を停止して異常時の状況の記録を確実に保持することができる監視装置に関する。
電気車両では、車両の屋根に取り付けられたパンタグラフを介して上空に架設されたトロリ線(架線)から電力を取り入れ、車両の走行や車両の電気設備の稼動に利用している。
この様な電気車両の集電は、パンタグラフとトロリ線の接触によって行なわれるため、パンタグラフとトロリ線の間では、機械的磨耗及び電気的磨耗が生じている。また、パンタグラフとトロリ線の接触状態は、霜や風などの気象的な変化に直接影響され摺動の状態が著しく悪化する場合がある。また、電気車両のパンタグラフは、異物との衝突や接触により破損が生じる場合があり、その際に、電気車両の走行停止や、パンタグラフの全損、トロリ線の損傷などの事故が発生する場合があった。
この様な、パンタグラフとトロリ線の損傷の検知とその復旧及び修復においては、その損傷原因の正確な究明が不可欠なものである。このパンタグラフとトロリ線の損傷の検知においては、さまざまな方法が考えられている。
例えば、特開昭60−177208号公報では、車両の走行軌道上にカメラを設置し、車両の通過時にパンタグラフの状態をカメラで撮像し、その静止画像を確認することでパンタグラフの形状の異常の有無を判定することができるようになっている。
また、特開平8−275301号公報では、車両の走行軌道上にCCDカメラを設置し、車両の通過時にパンタグラフの放電現象をCCDカメラで撮像し、その画像から得られた放電現象の輝度によってパンタグラフの異常の有無を判定することができるようになっている。
特開昭60−177208号公報 特開平8−275301号公報
しかしながら、従来からの装置によれば、パンタグラフを監視するカメラは、予め決められた電気車両の走行軌道上に設けられているため、パンタグラフの異常を検知できても、その原因を正確に把握することができなかった。
また、走行区間全体でのパンタグラフとトロリ線の状態を検査するためには、検査用の特別な試験車両を用いる必要があり、通常の営業車両での定常的な監視ができなかった。そのため、車両運行前の点検に非常に手間がかかった。
従って、本発明の目的は、パンタグラフやトロリ線の異常発生を直ちに検知し、その状態を確実に記録することができる監視装置を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の監視装置は、鉄道車両のパンタグラフを監視する監視装置であって、パンタグラフの状態を監視する監視手段と、監視手段からのデータを記録する記録手段と、監視手段からのデータが所定の値になった場合、記録手段への記録を停止する制御手段と、を備え、記録手段は、制御手段から停止制御されるまでの所定の容量分の記録を保持する、ことを特徴とする。
また、監視手段は、パンタグラフの状態を撮像する撮像手段、パンタグラフ近傍の温度を検知する温度検知手段、パンタグラフへ供給された電流を測定する電流測定手段、及び/又はパンタグラフ近傍の音を測定する音測定手段を含むことができる。
また、記録手段は、複数の記録領域への時間差による記録によって、制御手段から停止制御されるまでの所定の容量分の記録を保持することができ、又は、所定の記録領域での上書き可能な記録によって、制御手段から停止制御されるまでの所定の容量分の記録を保持することができるようにする。
さらに、監視手段からのデータを圧縮変換及び/又はデジタル変換するデータ変換手段を備えることができる。
また、監視装置は、車両のパンタグラフ近傍に設置され、外形が流線型の形状にするとよい。
本発明の監視装置によれば、通常の車両でパンタグラフとトロリ線の状態を常に監視してエンドレスに記録し、異常発生時にはその記録動作を直ちに停止してその状態を確実に記録保持することができる。
以下、図面を参照して本発明の監視装置の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の監視装置の設置状態を示す図である。図1において、この監視装置1は、空気抵抗を提言させるために流線形状のケースに収められ、電気車両(以下、単に「車両」ともいう)2のパンタグラフ3近傍に設置されている。また、トロリ線6からパンタグラフ3及び電流引込線4を介して車両2に供給される電流は、クランプメータ5を介して監視装置1に送られている。
図2は、本発明の監視装置を示す図である。この監視装置1は、パンタグラフ3とトロリ線6の状態を監視する監視部(パンタグラフ3とトロリ線6の接触状態やその形状を撮像する撮像部11、パンタグラフ3とトロリ線6の近傍の温度を検知する赤外放射温度計などの温度センサ12、トロリ線6からパンタグラフ3へ供給された電流を電流引込線4に設置されたクランプメータ5を介して測定する電流測定部13及びパンタグラフ3近傍の音を測定するマイク14)と、監視部からのデータを圧縮変換及び/又はデジタル変換するデータ変換部15と、監視部からのデータを記録する記録装置17と、監視部からのデータが所定の値になった場合、記録装置17への記録を停止する制御部16と、を備える。
ここで、データ変換部15は、撮像部11からの画像データを所定の方式で変換する画像データ変換部15aと、温度センサ12、電流測定部13及びマイク14からのアナログデータをデジタルデータに変換するD/A(デジタル/アナログ)変換部15bと、を備えている。また、画像データ変換部15aは、例えば、撮像された画像データをJPEG(静止画データ)やMPEG(動画データ)などに圧縮変換を行なう。
また、記録装置17は、複数の記録領域(記録部17−1,2,・・・n)を有することができ、この複数の記録領域は、1つの記録媒体上の論理的な複数領域であってもよく、物理的な複数の記録媒体であってもよい。
記録装置17は、複数の記録領域(記録部17−1,2,・・・n)への時間差による記録によって、制御部16から停止制御されるまで、所定の容量分の記録を保持することができ、又は、記録領域(記録部17−1,2,・・・n)全体での上書き可能なエンドレス方式の記録によって、制御部16から停止制御されるまで、所定の容量分の記録を保持することができる。
図3は、本発明の監視装置の処理を示すフローチャートである。図1〜3において、監視部(撮像部11、温度センサ12、電流測定部13及びマイク14)でパンタグラフ3とトロリ線6の状態を監視するためのデータを採取する(ステップ301)。
監視部(撮像部11、温度センサ12、電流測定部13及びマイク14)で採取されたデータは、データの種類に応じてデータ変換部15で所定の形式にデータ変換される(ステップ302)。
制御部16は、データ変換部15からの変換済データを記録装置17へ記録する。(ステップ303)
制御部16は、記録装置17の記録データを常時チェックし、異常値であるかどうかを検出する(ステップ304)。制御部16は、データ異常を検出するまでは、記録装置17へデータ変換部15からのデータをデータ収集の終了時までエンドレス方式で記録し続ける(ステップ305,306)。ここで、エンドレス方式での記録は、1以上の記録媒体への上書き方式や、複数の記録媒体での時間差記録方式などがある。
図4は、時間差記録方式の具体例を示す図である。図4では、記録装置17が、2の記録領域(記録部17−1,2)を有する場合を示している。最初に記録部17−1へデータの記録が行なわれる。そして、所定の時間(タイムラグt1)経過後に記録部17−2への記録が開始される。このとき、記録部17−1及び記録部17−2へは、同時に同じデータが記録される。記録部17−1の記憶領域がいっぱいになると、記録部17−1のデータ(記録データ1)が消去され再び記録部17−1への記録が記録部17−2の記録(記録データ2)と並行して行なわれる(記録データ3)。同様に、記録部17−2の記憶領域がいっぱいになると、記録部17−2のデータ(記録データ2)が消去され再び記録部17−2への記録が記録部17−1の記録(記録データ3)と並行して行なわれる(記録データ4)。ここで、タイムラグt1と記録消去時間t2との関係は、t1>t2であればよい。
このように、制御部16は、データ異常を検出するまでは、記録装置17へデータ変換部15からのデータをエンドレス方式で記録し続ける(ステップ304)が、所定のデータ異常を検出した場合(ステップ303)には、図4で示したような記録動作を直ちに停止し(ステップ306)、データの記録を中止してデータを保持する。
ここで、データ異常の具体例としては、画像データの輝度値が所定の閾値以上になった場合、パンタグラフ3のトロリ線との摺動部付近の温度は、通常80度〜100度程度であるがこの温度範囲を超え、かつアーク放電による高温状態が検出された場合、電流値が0[A]の状態が続いた場合、騒音レベルが所定の領域を越えた場合、音の周波数が所定の周波数領域を超えた場合などがある。
以上のように、本発明の監視装置によれば、エンドレス方式でパンタグラフやトロリ線の状態を記録し、異常発生を検知した場合には、直ちに記録を停止してその異常時の状態を確実に保持することができる。
本発明の監視装置の設置状態を示す図である。 本発明の監視装置を示す図である。 本発明の監視装置の処理を示すフローチャートである。 時間差記録方式の具体例を示す図である。
符号の説明
1 監視装置
2 車両
3 パンタグラフ
4 電流引込線
5 クランプメータ
6 トロリ線(架線)
11 撮像部
12 温度センサ
13 電流測定部
14 マイク
15 データ変換部
15a 画像データ変換部
15b D/A変換部
16 制御部
17 記録装置
17−1〜n 記録部

Claims (9)

  1. 鉄道車両のパンタグラフを監視する監視装置であって、
    パンタグラフの状態を監視する監視手段と、
    前記監視手段からのデータを記録する記録手段と、
    前記監視手段からのデータが所定の値になった場合、前記記録手段への記録を停止する制御手段と、
    を備え、
    前記記録手段は、前記制御手段から停止制御されるまでの所定の容量分の記録を保持する、
    ことを特徴とする監視装置。
  2. 前記監視手段は、パンタグラフの状態を撮像する撮像手段を含む、
    ことを特徴とする請求項1記載の監視装置。
  3. 前記監視手段は、パンタグラフ近傍の温度を検知する温度検知手段を含む、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の監視装置。
  4. 前記監視手段は、パンタグラフへ供給された電流を測定する電流測定手段を含む、
    ことを特徴とする請求項1から3何れか記載の監視装置。
  5. 前記監視手段は、パンタグラフ近傍の音を測定する音測定手段を含む、
    ことを特徴とする請求項1から4何れか記載の監視装置。
  6. 前記記録手段は、複数の記録領域への時間差による記録によって、前記制御手段から停止制御されるまでの所定の容量分の記録を保持する、
    ことを特徴とする請求項1から5何れか記載の監視装置。
  7. 前記記録手段は、所定の記録領域での上書き可能な記録によって、前記制御手段から停止制御されるまでの所定の容量分の記録を保持する、
    ことを特徴とする請求項1から5何れか記載の監視装置。
  8. さらに、前記監視手段からのデータを圧縮変換及び/又はデジタル変換するデータ変換手段を備える、ことを特徴とする請求項1から7何れか記載の監視装置。
  9. 前記監視装置は、車両のパンタグラフ近傍に設置され、外形が流線型の形状である、ことを特徴とする請求項1から8何れか記載の監視装置。
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