JP4488554B2 - 誘導発熱ローラ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は回転する誘導発熱ローラ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように誘導発熱ローラ装置は、回転するローラの内部に、鉄心と、これに巻装された誘導コイルとからなる誘導発熱機構を備えている。この構成を従来例として示す図7によって説明すると、1はローラ、2はその両側に一体的に取り付けられてある駆動軸で、これは図示しない軸受を介して機台に回転自在に支持され、任意の駆動源によって回転駆動される。
【0003】
3はローラ1の周壁の内部にあって、ローラ1の円周方向に沿って複数設けられたジャケット室で、これはたとえばドリルによりローラ1の軸方向に沿って穿孔されることによって形成されている。各ジャケット室3は互いに独立しているか、あるいは少なくとも一方の端部が連通溝によって互いに連通しあうようにしてある。ジャケット室3の内部には気液二相の熱媒体が封入されてあり、この熱媒体の気液の相変換により、ローラ1の周壁表面の温度分布を均一化する。
【0004】
4は誘導発熱機構で、筒状の鉄心5と、これに巻装される誘導コイル6とによって構成されている。誘導発熱機構4はその両側を支持ロッド7によりローラ1の内部に支持されている。支持ロッド7は駆動軸2内に挿通され、軸受8を介して駆動軸2に支持されている。誘導コイル6はリード線を介して鉄心5に設けた貫通孔9を通り、支持ロッド7内を通って外部に導出され、外部の交流電源に接続されている。
【0005】
このような構成の誘導発熱ローラ装置において、ローラ1の胴幅(ローラ1の軸心方向に沿うローラ1の周壁の長さ)は、負荷となる被加熱体の幅に応じて設定されるのが通常である。被加熱体の幅より遥かに長く胴幅を設定すれば、ローラを不必要に大きく製作しなければならず、逆に被加熱体の幅と同等またはそれ以下の長さに設定すれば、被加熱体を十分に加熱することはできない。
【0006】
設定された胴幅を備えたローラの内部に配置される誘導発熱機構4は、これもローラの内部にあって、その軸心方向に沿って十分な長さに製作される必要がある。これがもし短く製作されるような場合は、ローラの周壁をその全長にわたって十分に発熱させることができなくなる。
【0007】
ところでこのような誘導発熱機構においては、これに使用されている誘導コイル6は、電線を2層以上の多層に巻装され、各層の電線は順次直列に接続されるのが普通である。そしてその直列回路の両端、すなわちその一方の端部である巻始部10と、他方の端部である巻終部11とは前記したように鉄心5に設けた貫通孔9を通って外部に引出されるのである。
【0008】
この引出のために従来では図7に示すように、誘導コイル6の一方の端面と巻枠の鍔部12との間にスペース13を設け、このスペース13内において、鉄心5に貫通孔9を形成するようにしている。このためこのスペース13がデッドスペースとなってしまっている。すなわちローラ1の胴幅に沿う中心部を中心として、鉄心5は左右対称に設置することは可能であるが、誘導コイル6の一方の端面側にスペース13を設けなければならないので、誘導コイル6の軸心方向に沿う中央部は、ローラの中央部よりもスペース13とは反対側に軸心方向に沿って偏ってしまうようになる。
【0009】
これを図8によって説明すると、図においてMをローラの中央部を通る直線とすると、誘導コイル6の中央部を通る直線Nは、直線Mに対して偏った位置にあることになる。一方誘導コイルによる磁気分布曲線は、誘導コイルの中央部を最大値とし、その両側にいくのにしたがって低くなるものであり、これを図示したのが曲線Aである。そして誘導コイルによるローラの発熱分布は磁気分布曲線と一致する。なおBはローラの表面温度の分布曲線を示す。これはほとんど平坦である。これはジャケット室内の熱媒体の作用による。
【0010】
このようにローラの中央部に対して磁気分布曲線の中心が変位していると、ローラの両端部間にまたがって有効に発熱させることができなくなり、したがって次のような問題が発生する。すなわちローラの表面温度分布は、ジャケット室3内の熱媒体の作用によって均一となるにしても、ローラの内面においては磁気分布曲線に応じて発熱しているので、この発熱によって発生するローラのサーマルクラウンの中心は、ローラの中央部とは一致しないようになる。換言すればローラの表面温度分布は外見上、ローラの中央部を中心として対称となっているとしても、サーマルクラウンは対称ではなくなっている。
【0011】
このような状態となっているローラをたとえばニップローラとともに、シートのような被加熱体を圧延しようとした場合、サーマルクラウンがローラの中心から偏っていると、回転につれて両ローラの軸心がクロスしていくようになり、そのため被加熱体が蛇行してしまう。このような蛇行運動が発生すると、その圧延が円滑に行われなくなり、その品質に悪影響を及ぼす。また被加熱体をその幅全長にわたって均等に圧延させることができず、これによっても被加熱体の品質に悪影響を与える。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、誘導コイルを構成する電線を鉄心から引出すにあたり、誘導コイルの中心とローラの胴幅の中心とが容易に一致するようにし、これによって誘導コイルによる磁気分布曲線の中心とローラの胴幅の中心とを合致させて、ローラに発生するサーマルクラウンが、ローラの胴幅の中心を中心として対称とすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、回転するローラの内部に、鉄心と、前記鉄心に巻装された誘導コイルからなる誘導発熱機構を設けた誘導発熱ローラ装置において、前記誘導コイルを、その軸心方向に沿ってスペースを介して、互いに向かい合って対とされたコイル部によって構成し、前記各コイル部は電線を偶数層巻きとし、その各層の電線を直列接続し、直列接続された電線の両端を前記スペースに導出し、その両端間に励磁電源を接続して、前記誘導コイルによる磁気分布曲線を前記ローラの中心部に対して左右対称としてなることを特徴とする。
【0014】
電線を引出すのに利用されるスペースは、両コイル部の中央にあるので、両コイル部は、ローラの中心に対して対称に配置することができる。したがって両コイル部による磁気分布曲線は、ローラの中心部に対して対称となる。これによりローラに発生するサーマルクラウンは、ローラの中心部に対して左右対称とすることができるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施態様を図1によって説明する。なお図7、図8に示す符号と同じ符号を附した部分は同一または対応する部分を示す。図1に示すように誘導コイルとして、その軸心方向に沿って、スペース15を介して互いに向い合う対とされた、同一形状のコイル部6A、6Bとによって構成される。
【0016】
各コイル部はたとえば図3に示すように2層またはそれ以上の偶数層巻きとされてある。各コイル部における各層の電線は、その一方の端部は向い合う面とは反対側の面側で互いに接続されることにより、互いに直列に接続される。各層の電線の他方の端部は、スペース15において開口するように鉄心5に設けられた貫通孔16を通って外部に導出されている。
【0017】
図1、図3、図4に示す構成は、コイル部6Aを構成する下層コイル電線21の巻始部22と、コイル部6Bの上層コイル電線23の巻始部24とは同じ貫通孔16を通って外部に導出され、そこで一括接続される。25はその接続部を示す。コイル部6Aの下層コイル電線21の巻終部と、上層コイル電線26の巻終部とは導線27により接続される。またコイル部6Bの上層コイル電線23の巻終部と、下層コイル電線28の巻終部は導線29により接続される。
【0018】
これによりリード線30、31間にすべてのコイル電線21、26、23、28が直列接続されたことになる。リード線30、31は支持ロッド7の内部を通り外部に導出され、適宜励磁電源(交流電源)に接続される。この構成では一方のコイル部におけるコイル電線の直列回路の両端には、他方のコイル部のコイル電線の直列回路を介して励磁電源が接続されることになる。
【0019】
ここでコイル部6A、6Bを同一形状に構成すれば、両コイル部6A、6Bはスペーサ15を中心として、したがって誘導コイル6の軸心方向に沿う中央部を中心として対称の位置に配置されることになる。このように構成された誘導発熱機構4をローラ1の内部中央(したがってローラの胴幅の中心)に配置する。このようにすれば、図2に示すように誘導コイル4による磁気分布曲線Aの中心を通る直線Nをローラ1の中央部と一致させることができる。
【0020】
これによりローラ1はその胴幅全体にわたって均等に発熱するようになるとともに、発熱するローラ1のサーマルクラウンは、ローラ1の中央部を中心として左右対称に発生することになる。このためニップローラとともに使用した場合でも、被加熱体が蛇行したり、不均一に圧延されるようなことは、これをもって未然に回避することができるようになる。
【0021】
図3に示す構成ではすべてのコイル電線を直列に接続しているが、これに限られるものではなく、図5に示すように、一方コイル部6Aと他方のコイル部6Bとを並列に接続(この場合は一括接続部25は2個所となる。)するようにしてもよいし、また図6に示すように、コイル部6A、6Bとを互いに独立させて引出すようにしてもよい。
【0022】
いずれにしても、コイル部6A、6Bのコイル電線はその巻終部で互いに接続されることにより直列接続される。そしてこの直列接続されたコイル電線の両端間に励磁電源が接続される。なお図では直列接続されたコイル電線の両端を貫通孔16を通って外部に引出しているが、必ずしも貫通孔16は必要ではなく、例えばスペース15でコイル電線の端部同志を接続してもよいし、またスペース15から外部に引出すようにしてもよい。
【0023】
さらに各図では誘導コイル6を二分割してコイル部6A、6Bとしているが、これに限られるものではなく、複数の誘導コイルをもって構成した場合は、その各誘導コイルをそれぞれ二分割して対とするように構成し、そのそれぞれを図に示すように構成すればよい。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ローラの胴幅に沿う中心部と、その内部に設置される誘導発熱機構による磁気分布曲線の中心とを一致させるようにしたので、ローラに発生するサーマルクラウンを、ローラの中心部を中心として左右対称とすることができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様を示す断面図である。
【図2】図1の動作説明図である。
【図3】図1の誘導コイルの結線図である。
【図4】図1の誘導発熱機構の平面図である。
【図5】本発明の他の誘導コイルの結線図である。
【図6】本発明の更に他の誘導コイルの結線図である。
【図7】従来例を示す断面図である。
【図8】図7の動作説明図である。
【符号の説明】
1 ローラ
4 誘導発熱機構
5 鉄心
6 誘導コイル
6A コイル部
6B コイル部
15 スペース
16 貫通孔
A磁気分布曲線
Claims (1)
- 回転するローラの内部に、鉄心と、前記鉄心に巻装された誘導コイルからなる誘導発熱機構を設けた誘導発熱ローラ装置において、前記誘導コイルを、その軸心方向に沿ってスペースを介して、互いに向かい合って対とされたコイル部によって構成し、前記各コイル部は電線を偶数層巻きとし、その各層の電線を直列接続し、直列接続された電線の両端を前記スペースに導出し、その両端間に励磁電源を接続して、前記誘導コイルによる磁気分布曲線を前記ローラの中心部に対して左右対称としてなる誘導発熱ローラ装置。
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JP25833699A JP4488554B2 (ja) | 1999-09-13 | 1999-09-13 | 誘導発熱ローラ装置 |
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1999
- 1999-09-13 JP JP25833699A patent/JP4488554B2/ja not_active Expired - Fee Related
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