JP3798155B2 - ウエブ用誘導発熱ローラ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は樹脂その他のシート状のウエブを加熱圧延するのに使用する誘導発熱ローラ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ウエブを加熱圧延するのに誘導発熱ローラ装置を使用することがある。図6はその概略の構成を示し、一対の誘導発熱ローラA,Bを並設し、各ローラの内部に設けられている磁束発生機構によりローラの周壁を発熱させ、これを互いに逆方向に回転させるとともに、両ローラ間にウエブWを通過させることによって、そのウエブWを加熱圧延する。
【0003】
この場合両ローラA,B間の間隙がローラの全長に沿って均一であることが必要で、これが不均一であると、加工されるウエブの厚さが不均一となってしまう。ローラを磁束発生機構によって発熱させる場合、その発熱温度分布がローラの長さ方向に沿って均一にならないと、ローラの半径方向の熱膨張差に差が生じ、これが両ローラ間の間隙を不均一としてしまう原因となる。
【0004】
図4は従来の誘導発熱ローラA,Bの詳細を示す。ローラA,ローラBはともに同じ構成のものが使用される。各ローラA,Bにおいて1はそのローラ本体で、その両端には駆動軸2が連設されてある。駆動軸2は図示しない機台に回転自在に支持されてあり、所要の駆動源によって回転駆動される。3は支持ロッドで、駆動軸2の内部に挿通されてあり、かつ駆動軸2に対して軸受4を介して支持されている。5は磁束発生機構で、筒状の鉄心6と、その外周に巻装されてある誘導コイル7とによって主として構成されてある。
【0005】
8はジャケット室で、ローラ本体1の周壁の内部にローラ本体の軸心方向に沿って延長するように設けられている。ジャケット室8はローラ本体1の円周方向に沿ってほぼ等間隔に複数形成されてある。各ジャケット室8はローラ本体の円周方向に沿って形成された連通孔に対して開口している。ジャケット室8の内部に気液二相の熱媒が封入されている。この熱媒の均熱作用によりローラ本体1の表面温度の均一分布化が図られる。
【0006】
また誘導コイル7は複数に分割して細分化されてあり、ローラ本体1の軸長方向に沿って配列されてある。各誘導コイル7は三相または単相電源によって励磁される。9は必要に応じ各誘導コイル7による磁気回路を独立させるために、各誘導コイル間に介在させた継鉄、10は各誘導コイル7と電源とを接続する電線である。
【0007】
ところでこのように誘導コイル7を使用した場合、誘導コイルの軸長方向に沿う中央部(すなわち磁気中心)に対向するローラ本体1の周壁部分が発熱分布の中心となり、この部分の発熱温度が最も高く、誘導コイル7の両端に向かうほどこれに対向するローラ本体1の周壁部分の温度が低くなる傾向がある。
【0008】
そのためローラ本体1の軸長方向に沿う発熱量の分布に微細な凹凸、たとえば数μm程度の差の凹凸が生じる。その結果誘導コイルの軸長方向に沿う中央部に対向するローラ本体の周壁部分は、誘導コイルの両端に対向するローラ本体の周壁部分よりも大きく膨張し、この膨張差によりローラ本体の周壁表面に微細な凹凸が発生する。この膨張差は誘導コイルを細分化すればするほど小さくなるにしても、それでもなお前記した凹凸の発生を十分に回避することができず、その影響が残る。
【0009】
このような傾向は、前記のようにジャケット室を設けて熱媒を封入する構成においても十分に改善されない。そしてこのような凹凸のある発熱分布がローラ本体1に生じた場合、ウエブWの加熱圧延に重大な影響を与える。これを図5によって説明する。同図は両ローラA,Bの誘導コイル7の配列を対象とした従来例のローラ本体と誘導コイルとの相対的位置関係を模擬的に示した局部拡大図である。
【0010】
前記した説明から理解されるように、誘導コイル7の配列に沿って図のようにローラ本体の周壁に凹凸が生ずるが、従来のように両ローラA,Bの誘導コイルを対称に配列すると、両ローラ本体1の周壁における膨張部分も対称の位置となる。すなわち両ローラ本体に発生した凹部Mと凸部Nとは図5に示すように対称となる
【0011】
この結果両ローラ本体1間の間隙Gの間隙長は、ローラ本体1の軸長方向に沿って等しくなり得ない。そのため両ローラA,B間を通るウエブWにはその表面を均一に加圧することができなくなる。その結果ウエブWの厚さが不均一となってしまうようになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ウエブを加熱圧延するのに使用する対の誘導発熱ローラからなる構成において、両ローラ間の間隙長がその軸長方向に沿って一定となるようにし、これによりウエブの厚さの均一化を図ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、内部に複数の誘導コイルを軸方向に配列した磁束発生機構を備えたローラ本体を有する一対の誘導発熱ローラを並設し、前記ローラ本体の間にウエブを通して加熱圧延するウエブ用誘導発熱ローラ装置において、前記一対の誘導発熱ローラの一方の誘導発熱ローラにおける前記各誘導コイルの磁気中心と、他方の誘導発熱ローラにおける前記各誘導コイルの磁気中心とを相互にずらして、一方のローラ本体の周壁に熱膨張差によって生じる凸部と凹とが、他方のローラ本体の周壁に熱膨張差によって生じる凹部と凸部とに相対するようにし前記誘導コイルを配列してなることを主要な特徴とする。
【0014】
誘導発熱によってローラ本体の周壁が発熱した場合、その表面に軸長方向に沿って凹凸が生じるが、その一方のローラ本体の凹部は他方のローラ本体の凸部に向いあい、また一方のローラ本体の凸部は、他方のローラ本体の凹部に向かいあう。そのため両ローラ本体間の間隙の間隙長はその軸長方向に沿ってほぼ同じとなる。これにより両ローラ本体間を通るウエブの厚さのムラをなくし、極力均一にすることができるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1により説明する。なお図4と同じ符号を付した部分は同一または対応する部分を示す。本発明にしたがい、一方のローラAの誘導コイル7の配列に対して、他方のローラBの誘導コイル7を、その各磁気中心が相互にずれるように各誘導コイル7を配列する。
【0016】
具体的には一方の誘導コイル7の軸長方向に沿う中心部が、他方の誘導コイル7の間に向かい合うようにする。換言すれば、両誘導コイルの位置関係はその位相差が互いに90度となるように配列する。そのため図1に示す構成例では、一方のローラAの誘導コイル7を6個としたとすれば、他方のローラBの誘導コイル7の数は5個となる。
【0017】
このように各誘導コイル7を互いに千鳥状に配列した場合、各ローラ本体1が誘導発熱したことによって周壁に熱膨張の差によって凹凸が生じることは図4の構成と同じであるが、図2に示すように一方のローラ本体1における凸部Nは他方のローラ本体1における凹部Mに向かいあい、また一方のローラ本体1の凹部Mは他方のローラ本体1における凸部Nに向かいあうようになる。
【0018】
その結果両ローラ本体1間の間隙Gはその軸長方向に沿ってほぼ均一となる。したがって両ローラ本体1の間に加熱圧延されるべく通過するウエブWは、その幅方向に沿ってほぼ均一に加圧されることになり、厚さにムラが生じるのが回避されるようになる。
【0019】
なお図1に示す構成において、誘導コイルの数が少なく配置されるロール本体については、配列方向に沿う両側に空間が形成されるようになる。このような空間に向いあうローラ本体1の周壁部分は誘導発熱されないことになるので、この部分における間隙Gの間隙長が他の部分の間隙長と同じようにならないことがある。
【0020】
これを解決するための構成を示したのが図3である。ここでは前記空間に他の誘導コイルの半幅に相当する幅をもつ補助誘導コイル7Aを配置する。この補助誘導コイル7Aによってこれに対応する周壁が発熱するようになる。これにより間隙Gの間隙長は他の間隙長と同じようになり、かくして全体の間隙長は軸長方向に沿ってほぼ均一となる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、対の誘導発熱ローラをもってウエブを加熱圧延するにあたり、両誘導発熱ローラの周壁に生じる微細な凹凸が発生することがあっても、両誘導発熱ローラ間の間隙の間隙長をその軸長方向に沿ってほぼ均一にすることができ、したがって加熱圧延されるウエブの厚さの均一化を可能とすることができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す断面図である。
【図2】図1の構成の動作を説明するための局部拡大断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態を示す断面図である。
【図4】従来例を示す断面図である。
【図5】図4の構成の動作を説明するための局部拡大断面図である。
【図6】ウエブを加熱圧延する状態を示す誘導発熱ローラ装置の概略斜視図である。
【符号の説明】
1 ローラ本体
5 磁束発生機構
7 誘導コイル
7A 補助誘導コイル
A 誘導発熱ローラ
B 誘導発熱ローラ
W ウエブ
M 凹部
N 凸部
G 間隙
Claims (2)
- 内部に複数の誘導コイルを軸方向に配列した磁束発生機構を備えたローラ本体を有する一対の誘導発熱ローラを並設し、前記ローラ本体の間にウエブを通して加熱圧延するウエブ用誘導発熱ローラ装置において、前記一対の誘導発熱ローラの一方の誘導発熱ローラにおける前記各誘導コイルの磁気中心と、他方の誘導発熱ローラにおける前記各誘導コイルの磁気中心とを相互にずらして、一方のローラ本体の周壁に熱膨張差によって生じる凸部と凹とが、他方のローラ本体の周壁に熱膨張差によって生じる凹部と凸部とに相対するようにし前記誘導コイルを配列してなるウエブ用誘導発熱ローラ装置。
- 一方のローラ本体の誘導コイルの数を他方のローラ本体の誘導コイルの数よりも1個分低減し、1個分低減した一方のローラ本体に、その誘導コイルの配列方向の両端の空間を埋めるように、誘導コイルの半幅に相当する幅の補助誘導コイルを並設してなる請求項1に記載のウエブ用誘導発熱ローラ装置。
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1998
- 1998-07-17 JP JP23623198A patent/JP3798155B2/ja not_active Expired - Fee Related
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