JP4486846B2 - 疎水性繊維用深色化剤、それを用いた深色化方法およびそれにより処理された疎水性繊維染色加工物 - Google Patents
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Description
即ち、本発明は、酸性条件下でアミノ基を有するシランカップリング剤で処理したシリカ微粒子とポリエーテル変性ポリシロキサンを含有することを特徴とする疎水性繊維用深色化剤に関する。
更に本発明は、染色加工された疎水性繊維を、上記の疎水性繊維用深色化剤で処理することを特徴とする深色化方法に関する。
更に本発明は、上記の疎水性繊維用深色化剤で処理された疎水性繊維染色加工物に関する。
本発明において、酸性条件下でアミノ基を有するシランカップリング剤で処理するために用いるシリカ微粒子としては、その粒径が通常30〜85nmのものが用いられ、既に水溶液の形態で市販されているものを用いることができる。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(アミノエーテル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等、一般に市販されているシランカップリング剤を用いることができる。
このように親水性のあるポリエーテル変性ポリシロキサンを混合することにより、得られる深色化剤の吸水性が大幅に向上し、しかも繰り返し洗濯耐性が優れたものになる。これは、シランカップリング剤との組み合わせが、吸水性効果の低下を防止すると推測される。
ポリエーテル変性ポリシロキサンの使用割合は、シリカ微粒子に対して通常3〜30重量%であり、5〜20重量%が好ましい。
かくして得られる本発明の深色化剤は、DYEMER 05(井上化学工業所社製)として市場から入手することもできる。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。実施例において%および部は、質量基準である。
(1)深色化剤
深色化剤としてDYEMER 05(井上化学工業所社製)を用いた。このDYEMER 05は、粒子径40〜50nmのシリカ微粒子の20%水溶液に、蟻酸およびγ−アミノプロピルトリエトキシシランのメタール溶液を加えてpH4の酸性条件下で処理した後に、ポリエーテル変性ポリシロキサン(SH−190オイル、東レ・ダウコーニング社製)を混合して得られたものであり、最終組成は、シリカ微粒子20%水溶液41%、蟻酸1.9%、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.6%、メタール3.5%、ポリエーテル変性ポリシロキサン1.5%および水51.5%である。
(2)ポリエステル試験布の作成
分散染料(カヤロンポリエステル ブラック ECX 300;日本化薬社製)を疎水性繊維に対して5%使用して公知公用の方法で染色加工し、試験布を作成した。
(3)浸染処理法による深色化処理
染色加工された試験布100部(浴比1:20)を深色化剤(DYEMER 05)5部で40℃、30分間処理した。得られた繊維片の深色化度、吸水性、耐光堅牢度、洗濯堅牢度、水堅牢度および摩擦堅牢度について、以下の判定により評価し、その結果を表1に示した。
深色化処理された繊維の反射率(L値)を濃度表示した。数値が小さい方が濃度が高く、濃色効果がある。
吸水性の判定
深色化処理された試験布上に水滴(0.5ml)を滴下し、水滴の吸水時間で判定した。
〇:即吸収した。 △:1〜60秒間でも吸収しない。 ×:1分以上吸収しない。
耐光堅牢度の判定
耐光試験(JIS L0842 カーボン照射 20、40時間)により変退色をJISブルースケールで判定した。
洗濯堅牢度の判定
洗濯試験(JIS L0844 A−2法)により綿添付白布の汚染をJIS汚染用グレースケールで判定した。
水堅牢度の判定
水試験(JIS L0846)により綿添付白布の汚染をJIS汚染用グレースケールで判定した。
摩擦堅牢度の判定
水試験(JIS L0849)により綿添付白布の汚染をJIS汚染用グレースケールで判定した。
シリカ微粒子として、スノーテックOL(日産化学社製)を、アミノ基を有するシランカップリング剤としてKBE903(信越化学工業社製、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン)を用いて、ポリエーテル変性ポリシロキサンを含有しない比較用の深色化剤を得た。これを用いて、実施例1と同様にして深色化処理した。得られた繊維片の深色化度、吸水性度、耐光、洗濯堅牢度、水堅牢度、摩擦堅牢度などの評価結果を表1に示した。
シリカ微粒子として、スノーテックOL(日産化学社製)を、アミノ基を有するシランカップリング剤としてKBE903(信越化学工業社製、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン)を、エポキシ変性ポリシロキサンとしてPolonMF−18(信越化学工業社製)を用いて比較用の深色化剤を得た。これを用いて、実施例1と同様にして深色化処理した。得られた繊維片の深色化度、吸水性度、耐光、洗濯堅牢度、水堅牢度、摩擦堅牢度などの評価結果を表1に示した。
分散染料(カヤロンポリエステル ブラック ECX 300;日本化薬社製)を疎水性繊維に対して5%使用して公知公用の方法で染色加工し、深色化剤による処理を行うことなく、試験布を作成し、得られた試験布の深色化度、吸水性、耐光、洗濯堅牢度、水堅牢度、摩擦堅牢度などの評価結果を表1に示した。
分散染料(カヤロンポリエステル ブラック ECX 300;日本化薬社製)を疎水性繊維に対して5%使用して公知公用の方法で染色加工し、更に繰り返し5%使用して染色加工し、深色化剤による処理を行うことなく、試験布を作成し、試験布の深色化度、吸水性、耐光、洗濯堅牢度、水堅牢度、摩擦堅牢度の評価結果を表1に示した。
(1)カチオン可染型ポリエステル試験布の作成
カチオン染料(カヤクリル ブラック BS−ED;日本化薬社製)をカチオン可染型ポリエステル繊維に対して8%使用して公知公用の方法で染色加工し、試験布を作成した。
(2)浸染処理法による深色化処理
染色加工された試験布100部(浴比1:20)を深色化剤(DYEMER 05)5部で40℃、30分間処理した。得られた繊維片の深色化度、吸水性、耐光、洗濯堅牢度、水堅牢度、摩擦堅牢度の評価結果を表2に示した。
シリカ微粒子として、スノーテックOL(日産化学社製)を、アミノ基を有するシランカップリング剤としてKBE903(信越化学工業社製、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン)を用いて、ポリエーテル変性ポリシロキサンを含有しない比較用の深色化剤を得た。これを用いて、実施例2と同様にして深色化処理した。得られた繊維片の深色化度、吸水性、耐光、洗濯堅牢度、水堅牢度、摩擦堅牢度の評価結果を表2に示した。
シリカ微粒子として、スノーテックOL(日産化学社製)を、アミノ基を有するシランカップリング剤としてKBE903(信越化学工業社製、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン)を、エポキシ変性ポリシロキサンとしてPolon MF−18(信越化学工業社製)を用いて比較用の深色化剤を得た。これを用いて、実施例2と同様にして深色化処理した。得られた繊維片の深色化度、吸水性、耐光、洗濯堅牢度、水堅牢度、摩擦堅牢度の評価結果を表2に示した。
カチオン染料(カヤクリル ブラック BS−ED;日本化薬社製)をカチオン可染型ポリエステル繊維に対して8%使用して公知公用の方法で染色加工し、深色化剤による処理を行うことなく、試験布を作成した。得られた試験布の深色化度、吸水性、耐光、洗濯堅牢度、水堅牢度、摩擦堅牢度の評価結果を表2に示した。
カチオン染料(カヤクリル ブラック BS−ED;日本化薬社製)をカチオン可染型ポリエステル繊維に対して8%使用して公知公用の方法で染色加工し、更に繰り返し8%使用して染色加工し、深色化剤による処理を行うことなく、試験布を作成した。得られた試験布の深色化度、吸水性、耐光、洗濯堅牢度、水堅牢度、摩擦堅牢度の評価結果を表2に示した。
(1)ナイロンおよびウール試験布の作成
酸性染料(カヤカラン ブラック 2RL;日本化薬社製)をナイロおよびウール繊維に対してそれぞれ3.5%使用して公知公用の方法で染色加工し、試験布を作成した。
(2)浸染処理法による深色化処理
染色加工された試験布100部(浴比1:20)を深色化剤(DYEMER 05)10部で40℃、30分間処理した。得られた繊維片の深色化度、吸水性、耐光、洗濯堅牢度、水堅牢度、摩擦堅牢度の評価結果を表3および4に示した。
シリカ微粒子として、スノーテックOL(日産化学社製)を、アミノ基を有するシランカップリング剤としてKBE903(信越化学工業社製、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン)を用いて、ポリエーテル変性ポリシロキサンを含有しない比較用の深色化剤を得た。これを用いて、実施例3と同様にして深色化処理した。得られた繊維片の深色化度、吸水性、耐光、洗濯堅牢度、水堅牢度、摩擦堅牢度の評価結果を表3および4に示した。
シリカ微粒子として、スノーテックOL(日産化学社製)を、アミノ基を有するシランカップリング剤としてKBE903(信越化学工業社製、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン)を、エポキシ変性ポリシロキサンとしてPolon MF−18(信越化学工業社製)を用いて比較用の深色化剤を得た。これを用いて、実施例3と同様にして深色化処理した。得られた繊維片の深色化度、吸水性、耐光、洗濯堅牢度、水堅牢度、摩擦堅牢度の評価結果を表3および4に示した。
比較例11
酸性染料(カヤカラン ブラック 2RL;日本化薬社製)をナイロンおよびウール繊維に対してそれぞれ3.5%使用して公知公用の方法で染色加工し、深色化剤による処理を行うことなく、試験布を作成した。得られた試験布の深色化度、吸水性、耐光、洗濯堅牢度、水堅牢度、摩擦堅牢度の評価結果を表3および4に示した。
酸性染料(カヤカラン ブラック 2RL;日本化薬社製)をナイロンおよびウール繊維に対してそれぞれ3.5%使用して公知公用の方法で染色加工し、更に繰り返し3.5%使用して染色加工し、深色化剤による処理を行うことなく、試験布を作成した。得られた試験布の深色化度、吸水性、耐光、洗濯堅牢度、水堅牢度、摩擦堅牢度の評価結果を表3および4に示した。
Claims (4)
- シリカ微粒子の水溶液を酸性条件下で、アミノ基を有するシランカップリング剤で処理し、次いでポリエーテル変性ポリシロキサンを混合する事により得られることを特徴とする疎水性繊維用深色化剤。
- ポリエーテル変性ポリシロキサンの含有量がシリカ微粒子に対して5〜20重量%である請求項1に記載の疎水性繊維用深色化剤。
- 染色加工された疎水性繊維を、請求項1または2に記載の疎水性繊維用深色化剤で処理することを特徴とする深色化方法。
- 請求項1または2に記載の疎水性繊維用深色化剤で処理された疎水性繊維染色加工物。
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