JP4486708B2 - 電子部品用の樹脂成形装置 - Google Patents
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Description
構成Cにおいて、中間型取付プレートの四隅をシリンダーに備えられたストローク軸によって、中間型取付プレートの下面に直接支持した配置構成となっている。
この実状のなかで、前述した特許文献1及び特許文献2に開示されている樹脂成形装置における中間型固定機構及び駆動手段において、以下に示す作業(オペレート・メンテナンス)上の問題が発生している。
さらに、可動盤の下部である樹脂成形装置の基台に駆動手段(シリンダー)が配置構成されている(構成B)樹脂成形装置においては、基台から駆動手段(シリンダー)に備えた二本のストローク軸を上下動させて、駆動力を二本のラックシャフトに伝達させる構成としている。仮に、大容量の駆動手段を設置することになれば、基台部分に駆動手段を設置するスペースが型締め機構の設置スペースに与える影響を考慮すると、樹脂成形装置を大型化する必要が生じてくる。
加えて、本発明によれば、駆動手段(9)及び中間型支持機構(10)を迅速に且つ着脱自在に取付け及び取外しすることができる。これにより、電子部品用の樹脂成形装置において、二型構造と三型構造との兼用化を容易に実施することができる。
なお、図1は、本発明に係る電子部品用の樹脂成形装置であって、図1(1)では概略側面図を示し、図1(2)では、図1(1)に対応する前記樹脂成形装置のA−A断面線を示す。
金型1(上型2・下型3・中間型4)としては、トランスファー成形用金型、或は、トランスファーレス成形(圧縮成形)用金型が採用される。この両方の金型1に、さらに、離型フィルムを金型1の型面間に供給する離型フィルム成形、及び/又は、金型1の型面間にシール部材を介在させて外気遮断状態として真空引き(減圧)成形を併用して実施することができるように構成されている。
一方、電子部品が装着された基板とは、ワイヤボンディング基板、フリップチップ基板、或は、ウェーハ基板等のウェーハレベルパッケージ、等が採用される。基板の形状については、円形状或は多角形状等の任意の形状のもので、基板の材質については、任意の金属製リードフレームやPCボードと呼ばれる任意のプラスチック・セラミック・ガラス・その他の材質等のプリント回路板、等が採用される。そして、基板を樹脂成形するために用いられる樹脂材料については、任意のタブレット状樹脂・液状樹脂・顆粒状樹脂・粉末状樹脂、等が採用される。
型締め機構8は、図1(1)で説明すると、可動盤6の下面における左下部側及び右下部側に配置されており、図1(2)で説明すると、可動盤6の中央下部における正面側、及び、背面側(図示なし)に配置構成されている。この型締め機構8の配置構成によれば、図1(2)で示す二本のポスト7間に右側及び左側の空間領域が形成されることにより、四本のポスト7を金型1(上型2・下型3・中間型4)における四隅のコーナー近傍位置まで寄せて配置構成することができる。このことから、可動盤6を水平方向に平行に且つ正確に上下摺動させる精度が上昇すること、固定盤5及び可動盤6及びポスト7における剛性力を向上させること、固定盤5における鉛直方向における側面の高さを短くでき且つ固定盤5の重量を軽くすることができるように構成されている。そして、型締め機構8の駆動源となる、例えば、任意のシリンダーやモータ等を可動盤6の下部に形成された空間領域に任意に適宜選択して配置構成することができる。このことから、図1(2)で示す樹脂成形装置の両側面或はいずれか一方の片側の側面に、所要複数個の前記樹脂成形装置を連結し且つ着脱自在に取付け及び取外しすることができるように構成されている。
この駆動手段9には、図1(2)に示すように、任意のシリンダー(この場合、二本のシリンダー)を駆動源として採用しており、可動盤6の上面に配置構成されているので、従来の作業(オペレート・メンテナンス)上の問題である駆動手段の取付け及び取外しが非常に困難であること、或は、駆動手段の動作状態を確認することが非常に困難であること、等を効率良く解決することができる構成とされている。
一方、中間型固定機構10には、中間型4を載置する中間型取付盤11と、中間型取付盤11を下面で支持し且つ可動盤6を貫通した所要複数本(この場合、四本)のガイドポスト12と、ガイドポスト12を夫々連結させる連結手段13と、各ガイドポスト12を嵌装し且つ可動盤6の上面に各別にスライドガイド14とを設けている。
つまり、この駆動手段9(任意の二本のシリンダー)に備えた各ストローク軸15の先端部分が中間型取付盤11の下面に付設され、且つ、二本のポスト7間並びに二本のガイドポスト12間における図1(1)で示す鉛直中心線CL上の手前側及び奥側に配置構成されている。そして、この二本のストローク軸15を上下に駆動することによって、中間型取付盤11及び中間型4が上下動することができるように構成されている。
この駆動手段9(二本のシリンダー)の駆動力によって、四本のガイドポスト12が、中間型取付盤11及び中間型4を支持した状態で、駆動手段9(シリンダーのストローク軸15)が上下動するのと同様に上下動することができるように構成されている。そして、この四本のガイドポスト12は、図1(1)及び図1(2)に示す四本のポスト7と同様に、金型1(上型2・下型3・中間型4)における四隅のコーナー近傍位置まで寄せることができるように構成されている。
さらに、スライドガイド14においては、所要複数本のガイドポスト12が可動盤6の貫通部分を上下に且つ円滑に摺動できるように、各ガイドポスト12に、例えば、任意のブッシュもしくはストロークベアリング等のスライド手段を組み込んだ状態で可動盤6の上面に配置構成されている。なお、スライドガイド14は、可動盤6の下面のみ、或は、可動盤6の上下両面に配置構成したものでもよい。
この連結手段13の構成をもう少し詳細に図1(2)を用いて説明すると、図示されている手前側の二本のガイドポスト12は、可動盤6の下面で二個の支持部材18によって付設されていると共に、一本の回転シャフト17の両端に嵌装固定された二個のピニオン16と噛み合って接触するラック部位(図示なし)を形成して構成されている。つまり、図示されている手前側の二本のガイドポスト12を、このガイドポスト12のラック部位とピニオン16とが噛み合うことにより、ピニオン16付回転シャフト17を介して同調して上下動することができるように構成されている。このことは、図1(2)では示されていない奥側の二本のガイドポスト12も手前側の二本のガイドポスト12と同様に、同調して上下動するように構成されている。また、手前側及び奥側の各二本ずつを同調して上下動するために、さらに、ガイドポスト12の下部側の先端部分には、回転シャフト17とは直角方向で且つ水平方向に、二個の連結部材19を嵌装固定した状態で備えている。
従って、四本のガイドポスト12の下部側(可動盤6の下部側)に、連結手段13に備えた二本のピニオン16付回転シャフト17と二個の連結部材19を用いることにより、四本のガイドポスト12が駆動手段9の駆動力を直接伝達されていなくても、中間型4及び中間型取付盤11を水平方向に平行に且つ正確に保持できて、四本のガイドポスト12が同調して上下動することができるように構成されている。そして、中間型4及び中間型取付盤11が、動作中に停止したり、或は、必要としないタイミングで減速したりすることがなく、四本のガイドポスト12が円滑な動作を実施することができるように構成されている。
次に、型締め機構8が上方向に駆動することにより可動盤6が上方向にポスト7に沿って摺動して下型3(下型面21)も上動する。
次に、中間型取付盤11に載置された下型面21と中間型4の下型側金型面23とが嵌合し、次に、上型2と下型3とのほぼ中間位置で待機していた中間型4と下型3とが嵌合した状態で、可動盤6及び中間型取付盤11とが同速度で上動して上型面20と中間型4の上型側金型面22とが嵌合して型締めする、即ち、図1(1)及び図1(2)に示す金型1(上型2・下型3・中間型4)の完全型締め状態となる。
この金型1(上型2・下型3・中間型4)の完全型締め状態は、前述した中間型4と下型3とが嵌合した状態で、可動盤6及び中間型取付盤11とが同速度で上動する、つまりは、中間型取付盤11が可動盤6と一緒に、上方向に押動されるということによって実現される。この過程において、ガイドポスト12に嵌装されたスライドガイド14、更には、四本のガイドポスト12の下部側(可動盤6の下部側)に、連結手段13に備えた二本のピニオン16付回転シャフト17と二個の連結部材19を用いることにより、四本のガイドポスト12が同調し且つ円滑に、水平方向と平行に且つ正確に保持しながら、中間型取付盤11及び中間型4を上方向に正確に摺動させることとなる。
次に、予め加熱溶融化された樹脂材料を溶融樹脂としてポット内のプランジャで押圧して、下型3及び中間型4に設けたポット直上部にあるカル部からランナ部・ゲート部の基板上面と非接触状態にある樹脂通路部分を介して、中間型4に設けられた空間であって電子部品が収容されるようにしてセットされているキャビティに、溶融樹脂を注入充填する。
次に、溶融樹脂が硬化してキャビティ部分と樹脂通路部分とが一体で形成された樹脂成形体(パッケージ)を形成する。次に、中間型4と下型3とが型開きするのとほぼ同時に、中間型4の上型側金型面22で成形した樹脂成形済基板である製品と、下型面21の樹脂通路部分である不要樹脂材料とを分離して離型する。このとき、型締め機構8が下方向に駆動することにより可動盤6が下方向にポスト7に沿って摺動して下型3(下型面21)が下動するのとほぼ同時に、可動盤6の上面では駆動手段9に備えた二本のシリンダーの各ストローク軸15が、型締め機構8とは別に単独で上方向に駆動すると共に、四本のガイドポスト12も連結手段13によって同調し且つ円滑に上動する。このことにより、中間型取付盤11及び中間型4が水平方向と平行に且つ正確に保持された状態で、上型2と中間型4とが型締めした状態で、且つ、下型3のみが型開きした状態となる。
次に、樹脂成形済基板と不要樹脂材料とが分離した後に、上型面20と上型側金型面22と、下型面21と下型側金型面23とが各別に型開きをする完全型開き状態となる。このとき、型締め機構8がさらに下方向に駆動することにより可動盤6が下方向にポスト7に沿ってさらに摺動して下型3(下型面21)がさらに下動するのとほぼ同時に、可動盤6の上面では駆動手段9に備えた二本のシリンダーの各ストローク軸15が、型締め機構8とは別に単独で下方向に駆動すると共に、四本のガイドポスト12も連結手段13によって同調し且つ円滑に下動する。このことにより、中間型取付盤11及び中間型4が水平方向と平行に且つ正確に保持された状態で、つまりは、上型2と中間型4、並びに、中間型4と下型3とが型開きした状態である金型1(上型2・下型3・中間型4)の完全型開き状態となる。
次に、金型1(上型2・下型3・中間型4)が完全型開きした状態で、中間型4の上型側金型面22で成形した製品を取出すのとほぼ同時に、下型面21の不要樹脂材料が取り出される。
以上のような本発明に係る電子部品用の樹脂成形装置によれば、作業(オペレート・メンテナンス)上の問題、並びに、樹脂成形装置の不安定な稼動状態の問題、を効率良く解決することができる。
2 上型
3 下型
4 中間型
5 固定盤
6 可動盤
7 ポスト
8 型締め機構
9 駆動手段
10 中間型固定機構
11 中間型取付盤
12 ガイドポスト
13 連結手段
14 スライドガイド
15 ストローク軸
16 ピニオン
17 回転シャフト
18 保持部材
19 連結部材
20 上型面
21 下型面
22 上型側金型面
23 下型側金型面
Claims (2)
- 上型と、前記上型に対向配置された下型と、前記上型と前記下型との間に配置された中間型と、前記上型が固定された固定盤と、前記下型が載置された可動盤と、前記固定盤と前記可動盤とを支持する所要複数本のポストと、前記所要複数本のポストに沿って前記可動盤を上下に摺動させる型締め機構と、前記中間型を支持する中間型支持機構と、前記中間型を単独で上下動させる駆動手段とが設けられ、且つ、前記中間型支持機構は前記中間型が取り付けられる中間型取付盤と、前記中間型取付盤を支持する所要複数本のガイドポストと、を含む電子部品用の樹脂成形装置であって、
前記駆動手段が前記可動盤の上面に配置構成されていると共に、
前記中間型と前記駆動手段と前記中間型支持機構とが夫夫前記可動盤に対して着脱自在になるように構成されており、
前記可動盤に対して夫夫前記中間型と前記駆動手段と前記中間型支持機構とが取り外された状態において前記上型と前記下型とからなる樹脂成形用金型を有する樹脂成形装置として使用され得ることを特徴とする電子部品用の樹脂成形装置。 - 請求項1に記載の電子部品用の樹脂成形装置において、
前記中間型支持機構は前記所要複数本のガイドポストを夫々連結させる連結手段を備えると共に、前記連結手段を使用して前記所要複数本のガイドポストを同調させ且つ円滑に上下動させるようにしたことを特徴とする電子部品用の樹脂成形装置。
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