JP4486599B2 - 消臭性能を有する合成皮革 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維質基体と樹脂層から成る合成皮革に関するもので、特に使用空間における悪臭を物理的に吸着または化学的に分解することによって消臭可能な合成皮革に関する。
従来から、繊維質基体と樹脂層から成る合成皮革は様々な用途に用いられているが、最近では、悪臭が発生しやすい場所や、悪臭が蓄積されやすい密閉空間などで使用する消臭性を有した合成皮革が開示されている。
特許文献1、2においては、合成皮革の最表皮層を形成するポリウレタン樹脂中に消臭性物質を含有させることにより、悪臭の主成分であるアンモニア、トリメチルアミン、メチルメルカプタン、及び硫化水素等に対して優れた消臭性能を有する合成皮革が開示されている。
特許文献3においては、合成皮革の最表皮層とならないポリウレタン樹脂層に消臭性物質を含有させ、且つ樹脂層に貫通孔を設けることにより、各種の悪臭を効果的に消臭する合成皮革が開示されている。
特許文献4においては、孔開け加工を施した合成皮革の裏面に消臭性能を有する不織布や織物等をホットメルト粒子を介して貼り合せることによって、消臭性能を発揮する靴の中敷が開示されている。また特許文献5では、合成皮革を形成する樹脂中、またはこの樹脂に含有されるゲル材中に消臭剤を含有させることにより消臭性能を発揮する合成皮革が開示されている。
しかし、特許文献1、2のように最表層の樹脂中に消臭剤を含有させた場合、消臭剤の表面を樹脂が被覆するために、添加量に見合った充分な消臭性能が得られないという問題があった。また、最表皮層に消臭剤が添加されているため、耐摩耗性の低下や、合成皮革の着色の自由度が低くなるという問題点があった。また、特許文献3では、最表皮層ではない樹脂層に消臭剤を含有させているため、消臭剤が悪臭を含んだ外気に触れる面積は貫通孔を付与した部分だけとなり、充分な消臭性能が得られないという問題があった。
また特許文献4では、孔開け加工を施した合成皮革と不織布等との貼り合せにホットメルト粒子を用いているために、合成皮革と不織布の間に通気性の悪い層が形成されるため充分な消臭性能が得られないという問題があった。また、ホットメルト粒子による接着では機械的強度に劣るため、耐久性が求められるような用途には用いることが出来無かった。
特許文献5では、合成皮革を形成する樹脂中、またはこの樹脂に含有されるゲル材中に消臭剤を含有させた場合、消臭剤が悪臭を含んだ外気に触れる面積が少ないため充分な消臭性能が得られないという問題があった。
上記のように、従来の消臭性能を有する合成皮革は、付与した消臭剤の性能を十分に生かす構成とは言えず、また合成皮革として機械的強度や意匠性を損なう虞があった。
特開平08−311779号公報 特開平08−325957号公報 特開平09−31863号公報 特開2000−236910号公報 特開2000−328100号公報
上述のような問題点を解決した耐久性のある消臭性能を有する合成皮革の提供を目的とする。
本発明は、(1)繊維質基体と樹脂層から成り、該樹脂層は消臭剤を含有せず、該繊維質基体が消臭性能を有する合成皮革であって、該樹脂層に表面から繊維質基体まで到達する貫通孔が形成されており、かつ該樹脂層表面の貫通孔周辺には水溶性化合物が付与されており、該合成皮革の消臭率が70%以上であることを特徴とする消臭性能を有する合成皮革である。
また本発明は、(2)消臭性能を有する繊維質基体が、少なくとも一部に消臭剤を有する織編物または不織布、及び/または消臭繊維によって形成された織編物または不織布であること特徴とする(1)記載の消臭性能を有する合成皮革である。
また本発明は、(3)消臭剤が、多孔性物質、金属化合物、アミノ基を有する化合物の少なくとも一つであることを特徴とする(2)に記載の消臭性能を有する合成皮革である。
また本発明は、(4)樹脂層表面から繊維質基体に到達する貫通孔の平均孔径が5〜200μmであることを特徴とする(1)〜(3)に記載の消臭性能を有する合成皮革である。
また本発明は、(5)樹脂層表面から繊維質基体に到達する貫通孔の平均密度が1〜10000個/吋であることを特徴とする(1)〜(4)に記載の消臭性能を有する合成皮革である。
本発明の合成皮革は、樹脂層において繊維質基体まで到達する貫通孔を形成することによって、悪臭を含んだ外気が消臭剤と十分に接触することが出来るため、高い消臭性能を有する合成皮革となる。また、消臭剤が合成皮革の表層に含有されないため、樹脂層の着色に制限がなく意匠性に優れ、また、耐摩耗性などの強度に優れ、長期使用に際しても消臭剤の脱落による消臭性能の低下が少ない合成皮革を提供できる。
本発明の合成皮革は、消臭率が70%以上である合成皮革である。70%未満であると、人が官能評価を行なった場合に、消臭前後の差(消臭効果)を十分に感じることができないためである。
本発明に用いられる繊維質基体は、従来公知の合成繊維、再生繊維、天然繊維からなる不織布、編物、織物などであり、用途に応じて構成、組織を変更することができる。強度や加工性の点から、繊維質基体は合成繊維からなる編物が好ましく、特にはポリエステル繊維からなる編物が好ましい。
このとき、消臭繊維を用いて繊維質基体を形成すると、消臭性能を有した繊維質基体となる。消臭繊維としては、ディスメル(東洋紡)、イオシー(ユニチカ)、シャイン・アップ(クラレ)、コスメル(東レ)、ベルフレッシュ21、スモーキル(KBセーレン)(以上登録商標)などが挙げられる。
また、消臭性を有しない繊維で繊維質基体を形成した場合は、後加工によって消臭性能を付与することができる。例えば、消臭剤を含有させた樹脂溶液を、従来公知のスプレー塗布やグラビア塗布、ナイフコーティング、ロールコーティング等による乾式コーティング、ディッピングによる含浸処理などの手法によって、繊維質基体の一部に消臭剤を有することによって消臭性能を付与できる。
本発明に用いる消臭剤としては、公知の消臭剤が挙げられるが、特に、多孔性物質、金属化合物、アミノ基を有する化合物が好ましく用いられる。更に、消臭剤の種類によって消臭できる物質が異なるため、目的に応じて複数の消臭剤を組み合わせて使用することが好ましい。
多孔性物質の例としては、活性炭やシリカゲル、またはシリカライト、ゼオライト、モンモリロナイト、ヤピオライト等の結晶性珪酸塩もしくはその混合物や、白土、活性白土、珪藻土、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土等の粘土が挙げられる。金属化合物の例としては、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄を含む鉄化合物、チタニア、アルミナ、ジルコニア、シリカ/アルミナ、シリカ/チタニア、鉄化合物、銅化合物などが挙げられ、アミノ基を有する化合物としては、ヒドラジン化合物などが挙げられる。
本発明の合成皮革は、上記のようにして得られた消臭性能を有する繊維質基体の少なくとも片面に樹脂層を積層する。
このとき、使用される消臭剤の平均粒径は200μm以下であることが好ましい。さらには50μm以下が好ましい。200μmより大きいと繊維質基材への固着性が悪く、揉みや摩擦などの物理的な力によって容易に脱落する虞がある。
また、消臭剤の付着量は、繊維質基材に対して0.1〜20重量%が好ましい。0.1重量%未満では充分な消臭効果が得られない虞があり、20重量%より多い場合は合成皮革の風合が硬くなる虞がある。
上記のように繊維質基材に消臭剤を付与することにより、樹脂層に消臭剤を練りこむ場合に比べて、樹脂層の強度や外観への影響を考慮しなくて良いため消臭剤の添加量が任意に設定可能で、且つ消臭剤が樹脂層に埋没せず、消臭剤が悪臭を含んだ外気に触れる面積が増えるため消臭剤による消臭効果が向上する。また、合成皮革表面に消臭剤が存在しないため、合成皮革の着色に制限や、耐摩耗性への影響がなく、さらには使用者の皮膚が直接消臭剤に触れることが無く、皮膚傷害が生じにくい消臭性能を有する合成皮革を提供できる。
また、消臭剤が直接摩耗されて脱落することが無いので、長期使用による消臭性能の低下が少ない。本発明の合成皮革の消臭性能低下率を測定した場合、消臭性能低下率は10%以下であり消臭性能の著しい劣化が無い。したがって、本発明の合成皮革は、長期にわたって使用しても初期と同等の消臭性能を発揮することができるものである。
本発明の合成皮革の樹脂層に用いられる樹脂は、従来公知の高分子化合物が使用できる。例えば、ポリウレタン樹脂、ポリアミノ酸樹脂、塩化ビニル樹脂、SBR樹脂、NBR樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂や、これら樹脂の共重合体および混合物などが挙げられる。中でも耐摩耗性、風合いなど観点から、ポリウレタン樹脂やその共重合体、あるいはポリウレタン樹脂を主成分とした混合樹脂を選択することが好ましく、特にポリカーボネート系ポリウレタン樹脂が好ましい。
樹脂には、必要に応じて、従来公知の添加剤、例えば可塑剤、安定剤、充填剤、滑剤、顔料、塗料、発泡剤、離型剤等を含有させることができる。
樹脂層の積層方法としては、従来公知の方法を用いることができ、スプレー法やグラビア法、ナイフコーティング法、ロールコーティング法などのコーティング法、ラミネート法などが挙げられる。
上記のようにして得られた合成皮革に、図1〜3のように合成皮革表面から繊維質基体にまで貫通する孔を形成する。貫通孔は樹脂層表面から樹脂層裏面まで、若しくは、樹脂層表面から繊維質基体までの合成皮革を貫通するものであっても良い。本発明の合成皮革では、悪臭を含んだ外気が形成された孔を通って繊維質基体との空気交換が行われ、悪臭成分が繊維質基体に付与された消臭剤と接触し吸着または分解されることにより消臭効果が得られる。
また、孔を通って繊維質基体との空気交換が行われるため、椅子張りや車両内装材のように合成皮革の表面しか外気に触れないような用途においても十分な消臭効果が得られる。孔の形成方法としては、例えばニードルパンチングによる方法、放電による方法、レーザー加工による方法、樹脂層製作時に溶剤可溶性の粉体または金属粉体などを添加してそれを除去する方法などが利用できる。
このとき形成された孔の孔径は、5〜200μmが好ましい。孔径が5μm未満の場合、外気と繊維質基体との空気交換がスムーズに行われないため十分な消臭効果が得られない虞がある。また孔径が200μmより大きい場合は、合成皮革としての外観品位が損なわれる虞がある。
孔の密度は、1〜10000個/吋が好ましく、更には10〜2000個/吋が好ましい。1個/吋未満では、外気と繊維質基体との空気交換が行われず消臭効果が得られない虞がある。また10000個/吋より多い場合は、合成皮革の外観が損なわれたり、耐摩耗性が悪くなったりする虞がある。
また、孔の形状は耐摩耗性を考慮すると、円形であることが好ましい。

本発明の合成皮革において、形成された孔周辺に水溶性の化合物が付与されていることが好ましい。一般に生活臭などの悪臭は三大悪臭成分のアンモニア・硫化水素・メチルメルカプタンの組合せによって生じるものである。これら三大悪臭成分は親水性ガスであるため、水溶性化合物が孔周辺に付与されることにより、悪臭を含む外気と繊維質基体との空気交換がスムーズになり消臭効果が向上する。
本発明に用いられる水溶性化合物としては、特に限定されるものではないが、デンプン、セルロースなどの天然化合物、ポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリオキシエチレンなどの合成ポリマーが挙げられる。
また、水溶性化合物の付与方法としてはスプレー法、コーティング法など従来公知の方法を採用することができる。
<消臭率測定>
三大悪臭成分アンモニア・硫化水素・メチルメルカプタンについて、下記手順にて消臭率測定を行なった。
測定する合成皮革を20cm四方にカットし、樹脂層を表になるように2つ折りにし、合成皮革の縁の1cm内側をミシン掛けして袋状にする。
図4に示す25cm×25cm×40cmのアクリル板で構成された箱の中に、袋状に縫製した合成皮革を図4のように固定する。箱上部の臭源口より臭源アンモニア28%溶液を適量滴下し、箱内のアンモニア濃度を80ppmに調整し、25℃の雰囲気下で5時間放置する。
臭源を滴下してから5時間経過後の箱内部の臭源濃度を検知管(光明理化学工業(株)製 北川式Tube No.105SD)を用いて測定する。このとき得られた測定結果をAppmとする。
一方同様の条件にて、ブランク(合成皮革無し)についても臭源濃度を測定し、この測定結果をBppmとする。
測定結果から、消臭率を下記の式1により算出する。
〔式1〕
Figure 0004486599
同様に、硫化水素(箱内濃度10ppm;北川式Tube No.120SE使用)、メチルメルカプタン(箱内濃度10ppm;北川式Tube No.130U使用)についても消臭率測定を行なった。アンモニアを用いた評価結果を表1に、硫化水素を用いた評価結果を表2に、メチルメルカプタンを用いた評価結果を表3に示す。
<消臭性能低下率測定>
測定する合成皮革をタテ方向から幅20cm、長さ30cmの大きさで、2枚カットする。
得られた合成皮革の裏面に10mm厚のスラブウレタンフォームを重ねて、図5のように平面摩耗機((株)大栄科学精機製作所製 T−TYPE)に樹脂層を上面にして緩みのない状態で両端を固定する。摩擦子には図6に示すように摩擦面がR10mm、幅160mmの鋼鉄製に綿帆布(6号)を取付けたものを用いる。
該摩擦子に78.4±0.0784Nの荷重をかけ、合成皮革140mm間を60±10回/分の速さで往復2万回摩擦する。このとき摩擦子に取付けた綿帆布は、往復2500回毎に交換するものとする。
上記摩擦試験を2回実施し、各々のサンプルから幅10cm、長さ20cmにカットし、これを樹脂層が表になるようにミシン掛けし袋状にした。該袋状のサンプルについて消臭率を測定し、測定結果から、消臭性能低下率を下記の式により算出する。
消臭性能低下率(%)= 摩耗前の消臭率 − 摩耗後の消臭率
[実施例1]
ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂(大日本インキ化学工業(株)製 クリスボンNY−328)100部に対して、ジメチルホルムアミド40部を加え粘度約2000cpsに調整して樹脂溶液を作製した。該樹脂溶液を離型紙に塗布厚200μmになるようコーティングした後、100℃で2分間乾燥し、表皮樹脂層を得た。
ポリカーボネート系ポリウレタン接着剤(大日本インキ化学工業(株)製 クリスボンTA−205)100部に対して、ジメチルホルムアミド50部を加え粘度約4500cpsに調整した接着剤樹脂溶液を、前記表皮樹脂層に塗布厚200μmになるようコーティングした後、100℃で1分間乾燥する。得られた接着樹脂層に繊維質基体としてポリエステルトリコット布を4kgf/cm条件下で1分間プレス圧着することにより、合成皮革を得た。
得られた合成皮革を、ニードルプリッカー(中野機工(株)製)にて、合成皮革の裏側より孔開け加工を施すことにより樹脂層に平均孔径100μm、平均密度620個/吋の貫通孔を形成し、孔開け合成皮革を得た。
得られた孔開け合成皮革の繊維質基体の樹脂層と反対側面に、下記処方1の消臭剤入り樹脂を固形分量で100g/mとなるようにナイフコーティングし、100℃で2分間乾燥することにより消臭性能を有する合成皮革を得た。
消臭性能を表1〜3に示す。
〔処方1〕
アクリル系樹脂
(高松油脂(株)製 Z5211−2R 1) 8部
アクリル系樹脂
(ガンツ化成(株)製 ウルトラゾールM46) 12部
消臭剤
(クラレケミカル(株)製 クラレコール活性炭4TF) 15部
消臭剤
(近江工業(株)製 ミラクレーP−300 セピオライト) 7部
水 58部
粘度 16000cps
[実施例2]
ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂(大日本インキ化学工業(株)製 クリスボンNY−328)100部に対して、ジメチルホルムアミド40部を加え、粘度約2000cpsに調整して樹脂溶液を作製した。該樹脂溶液を離型紙に塗布厚200μmになるようコーティングした後、100℃で2分間乾燥し、表皮樹脂層を得た。
ポリカーボネート系ポリウレタン接着剤(大日本インキ化学工業(株)製 クリスボンTA−205)100部に対して、ジメチルホルムアミド50部を加え粘度約4500cpsに調整した接着剤樹脂溶液を、前記表皮樹脂層に塗布厚200μmになるようコーティングした後、100℃で1分間乾燥する。繊維質基体として、消臭剤(南姜エフニカ製 エフニカ−PMW)を固形分で12g/mになるように含浸処理し、100℃で2分間乾燥処理を施したポリエステルトリコット布を得られた接着樹脂層に4kgf/cm条件下で1分間プレス圧着することにより、合成皮革を得た。
得られた合成皮革を、ニードルプリッカー(中野機工(株)製)にて、皮革裏側より孔開け加工を施すことにより樹脂層に平均孔径100μm、平均密度620個/吋の貫通孔を形成し、消臭性能を有する合成皮革を得た。消臭性能を表1〜3に示す。
[実施例3]
実施例1で作成した合成皮革に、水溶性ポリエステル樹脂(竹本油脂製 SF−047)を含浸処理し、100℃で2分間乾燥処理を施し、消臭性能を有する合成皮革を得た。消臭性能を表1〜3に示す。
[実施例4]
合成皮革に設けられた孔が平均孔径50μm、平均密度1240個/吋であること以外は実施例1と同じである消臭性を有する合成皮革を作成した。消臭性能を表1〜3に示す。
[実施例5]
合成皮革に設けられた孔が平均孔径200μm、平均密度310個/吋であること以外は施例1と同じである消臭性を有する合成皮革を作成した。消臭性能を表1〜3に示す。
[比較例1]
樹脂層に貫通孔を形成しないこと以外は実施例1と同じ合成皮革を作製した。消臭性能を表1〜3に示す。
[比較例2]
下記処方2の消臭剤含有樹脂溶液を作製した。該樹脂溶液を離型紙に塗布厚200μmになるようコーティングした後、100℃で2分間乾燥し、表皮樹脂層を得た。
ポリカーボネート系ポリウレタン接着剤(大日本インキ化学工業(株)製 クリスボンTA−205)100部に対して、ジメチルホルムアミド50部を加え粘度約4500cpsに調整した接着剤樹脂溶液を、前記表皮樹脂層に塗布厚200μmになるようコーティングした後、100℃で1分間乾燥する。繊維質基体としてポリエステルトリコット布を得られた接着樹脂層に4kgf/cm条件下で1分間プレス圧着し合成皮革を得た。消臭性能を表1〜3に示す。
〔処方2〕
ポリカーボネート系ウレタン樹脂
(大日本インキ化学工業(株)製 クリスボンNY−328) 100部
消臭剤
(南姜エフニカ製 エフニカパウダー 鉄化合物) 20部
ジメチルホルムアミド 40部
粘度 3000cps
[比較例3]
実施例1と同じポリエステルトリコット布に、実施例1と同処方の消臭剤入り樹脂を固形分量で100g/mとなるようにナイフコーティングし、100℃で2分間乾燥することにより消臭性能を有するトリコット布帛を得た。消臭性能を表1〜3に示す。







Figure 0004486599
Figure 0004486599
Figure 0004486599
本発明の合成皮革の一例を示す概略図である。 本発明の合成皮革の他の例を示す概略図である。 本発明の合成皮革の他の例を示す概略図である。 消臭性能を測定する箱の概略断面図である。 平面摩耗機の概略図である。 摩擦子の概略図である。
符号の説明
1 … 合成皮革
2 … 樹脂層
3 … 繊維質基体
4 … 孔
5 … 消臭剤含有バッキング層
6 … 消臭剤をパッドーマングル処理で付与した繊維質基体
7 … 水溶性物質
8 … 消臭測定用の箱
9 … 臭源口
10 … 測定サンプル
11 … 検知管挿入口
12 … クランプ
13 … スラブウレタンフォーム
14 … 摩擦子
15 … おもり
16 … 綿帆布












Claims (5)

  1. 繊維質基体と樹脂層から成り、該樹脂層は消臭剤を含有せず、該繊維質基体が消臭性能を有する合成皮革であって、
    該樹脂層に表面から繊維質基体まで到達する貫通孔が形成されており、かつ該樹脂層表面の貫通孔周辺には水溶性化合物が付与されており、
    該合成皮革の消臭率が70%以上であることを特徴とする消臭性能を有する合成皮革。
  2. 消臭性能を有する繊維質基体が、少なくとも一部に消臭剤を有する織編物または不織布、及び/または消臭繊維によって形成された織編物または不織布であること特徴とする請求項1記載の消臭性能を有する合成皮革。
  3. 消臭剤が、多孔性物質、金属化合物、アミノ基を有する化合物の少なくとも一つであることを特徴とする請求項2に記載の消臭性能を有する合成皮革。
  4. 樹脂層表面から繊維質基体に到達する貫通孔の平均孔径が5〜200μmであることを特徴とする請求項1〜3に記載の消臭性能を有する合成皮革。
  5. 樹脂層表面から繊維質基体に到達する貫通孔の平均密度が1〜10000個/吋であることを特徴とする請求項1〜4に記載の消臭性能を有する合成皮革。
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