JP2003310725A - 多孔質体の吸着作用の低下を防止する方法、消臭シート及びそれを備えた製造物、消臭シートの製造方法 - Google Patents

多孔質体の吸着作用の低下を防止する方法、消臭シート及びそれを備えた製造物、消臭シートの製造方法

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JP2003310725A
JP2003310725A JP2002117685A JP2002117685A JP2003310725A JP 2003310725 A JP2003310725 A JP 2003310725A JP 2002117685 A JP2002117685 A JP 2002117685A JP 2002117685 A JP2002117685 A JP 2002117685A JP 2003310725 A JP2003310725 A JP 2003310725A
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oxide fine
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Hiroshi Izumida
博志 泉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】多孔質体に吸着された臭気物質を酸化触媒によ
って分解することにより、多孔質体の臭気物質の吸着作
用の低下が防止でき、消臭効果が長期にわたり維持でき
る消臭シート及びそれを備えた製造物、消臭シートの製
造方法を提供する。 【解決手段】消臭シートはシート基材を備えており、シ
ート基材には、炭粉と、珪藻土と、酸化反応により臭気
物質を酸化分解する酸化物微粒子が付着させてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質体の吸着作
用の低下を防止する方法、消臭シート及びそれを備えた
製造物、消臭シートの製造方法に関する。更に詳しく
は、多孔質体(多孔質固体)に吸着された臭気物質を酸
化触媒によって分解することにより、上記多孔質体が備
える臭気物質の吸着作用の低下を防止し、消臭効果が長
期にわたり維持できるようにしたものに関する。
【0002】
【従来技術】多孔質体である竹炭や木炭には、微細な孔
に臭気物質を吸着(主として物理的吸着)する作用があ
り、従来からこれを利用した消臭方法は一般的に広く知
られている。この方法で吸着される臭気物質は、例え
ば、有機窒素化合物のアミン類、有機硫黄化合物のメル
カプタン類、アルデヒド類等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、竹炭や木炭を
用いた吸着による消臭方法には、次のような課題があっ
た。即ち、竹炭や木炭による消臭方法は、これらの微細
な孔に臭気物質が吸着され、当該臭気物質が空気中から
除去されることで消臭効果を得ている。そのため消臭効
果の即効性には優れるものの、臭気物質が孔内に多分に
吸着されれば吸着作用は低下するという課題があった。
従って、竹炭や木炭で消臭効果を維持するためには、定
期的に新しいものと交換する必要があった。
【0004】ところで消臭方法には上記したものの他
に、酸化触媒を使用したものも知られている。酸化触媒
によれば、臭気物質は酸化反応によって二酸化炭素や窒
素等に分解される。しかし、酸化触媒は、竹炭や木炭の
ような臭気物質の吸着作用に乏しいので、臭気物質を分
解し消臭効果が得られるまでに時間がかかるという課題
がある。
【0005】本発明者は、竹炭や木炭等の多孔質体の吸
着による消臭と、酸化触媒による臭気物質の分解による
消臭の作用に着目し、竹炭や木炭の孔に吸着した臭気物
質が酸化触媒によって分解できれば、竹炭や木炭でも吸
着作用が低下せず、消臭効果が長期にわたって維持でき
ることを知見した。
【0006】本発明の目的は、竹炭や木炭等の多孔質体
に吸着された臭気物質を酸化触媒によって分解すること
により、上記多孔質体が備える臭気物質の吸着作用の低
下を防止することにある。本発明の他の目的は、消臭効
果が長期にわたり維持できる消臭シート及びそれを備え
た製造物、消臭シートの製造方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に講じた本発明の手段は次のとおりである。第1の発明
にあっては、多孔質体に吸着された臭気物質を酸化触媒
によって分解することにより、上記多孔質体が備える臭
気物質の吸着作用の低下を防止することを特徴とする、
多孔質体の吸着作用の低下を防止する方法である。
【0008】第2の発明にあっては、多孔質体が備える
臭気物質の吸着作用の低下を防止する消臭シートであっ
て、シート基材が、多孔質体の粉状物または/および粒
状物と、酸化反応によって臭気物質を分解する金属が担
持されている酸化物微粒子を備えていることを特徴とす
る、消臭シートである。
【0009】第3の発明にあっては、多孔質体が備える
臭気物質の吸着作用の低下を防止する消臭シートであっ
て、該消臭シートは、多孔質体の粉状物または/および
粒状物と、酸化反応によって臭気物質を分解する金属が
担持されている酸化物微粒子を備えており、上記酸化物
微粒子は、少なくとも、上記多孔質体の粉状物または/
および粒状物の間、上記多孔質体の粉状物または/およ
び粒状物の孔内、または上記多孔質体の粉状物または/
および粒状物の間および孔内、のいずれかに存在してい
ることを特徴とする消臭シートである。
【0010】第4の発明にあっては、酸化物微粒子は5
00nm以下の粒径を有するコロイド粒子であり、多孔
質体の孔内に入り込んでいることを特徴とする、第2ま
たは第3の発明に係る消臭シートである。
【0011】第5の発明にあっては、第2,第3または
第4の発明に係る消臭シートを備えていることを特徴と
する、消臭シートを備えた製造物である。
【0012】第6の発明にあっては、多孔質体が備える
臭気物質の吸着作用の低下を防止する消臭シートの製造
方法であって、シート基材に、多孔質体の粉状物または
/および粒状物と、酸化反応によって臭気物質を分解す
る金属が担持されている酸化物微粒子を備えさせたこと
を特徴とする、消臭シートの製造方法である。
【0013】本発明では、シート基材に、多孔質体の粉
状物または/および粒状物と、酸化反応によって臭気物
質を分解する金属が担持されている酸化物微粒子を備え
させたものを「消臭シート」として称している。
【0014】シート基材へは、例えば、含浸、塗り付け
または吹き付け等によって、酸化物微粒子や多孔質体を
備えさせることができる。
【0015】本発明で使用する「粉状物または/および
粒状物」という用語は、「粉状物または粒状物」という
意味と、「粉状物および粒状物」という意味を含むもの
として使用している。また、「粉状物」と「粒状物」
は、厳密に粉状のものと粒状のものを区別する意図はな
く、粉状のものも粒状のものも含む概念として使用して
いる。従って、粉状物と粒状物とが混在した状態のもの
も含むものである。
【0016】「多孔質体」は、特に限定するものではな
いが、例えば、炭類(木炭、竹炭、活性炭等)、珪藻
土、シリカ、ゼオライト、アルミナ、しらす等を挙げる
ことができる。
【0017】本発明でいう「酸化反応によって臭気物質
を分解する金属が担持されている酸化物微粒子」は、酸
化反応によって触媒作用を営む物質であり、酸化触媒の
一つである。
【0018】本発明で「シート基材」という用語は、フ
ィルム状の厚みが薄いものや、約5mm以下のやや厚み
を有するものも含む概念として使用している。
【0019】本発明で示す「シート基材」を構成する素
材は、特に限定するものではない。例えば、綿、麻、
絹、毛等の天然繊維、化学繊維(ポリエステル、ナイロ
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン、レーヨン、キュプ
ラ、アセテート、アクリル、ビニロン、テトロン等)、
無機繊維(ガラス繊維,炭素繊維,アルミナ繊維,セラ
ミック繊維等)、またはこれらの混合繊維等を使用して
構成された、不織布、織物、編物を使用することができ
る。また、発泡ポリウレタンフォーム、紙(例えば和
紙、段ボール)等も使用することもできる。また、シー
ト基材の大きさも特に限定するものではない。
【0020】本発明でいう「多孔質体」の粒径(大き
さ)は特に限定するものではない。しかし、シート基材
からの滑落や剥離を防止するという観点からは、100
μm以下に設定されることが望ましい。また、被付着物
であるシート基材に柔軟性を持たせる場合では、この柔
軟性を損なわないようにするために30μm以下に設定
されることが望ましい。
【0021】金属が担持される酸化物微粒子の物質とし
ては、例えば、TiO、Al 、ZnO等の金属
酸化物や、SiO、ZrO等を挙げることができ
る。また、前記酸化物微粒子に担持される金属として
は、例えば、金、銀、白金等の貴金属や、銅、亜鉛、パ
ラジウム、スズ、鉄、マンガン等を挙げることができ
る。しかし、酸化物微粒子やこれに担持される金属は、
酸化触媒として臭気物質を分解して消臭効果が得られる
ものであれば、これらに限定するものではない。
【0022】本発明に係る消臭シートを備えた製造物
は、特に限定するものではないが、例えば、寝具類(毛
布、敷き布団、掛布団、シーツ、枕、枕カバー、布団カ
バー、マットレス、中綿、床敷き用のパット、ベットパ
ット等)、インテリア類(カーテン、ブラインド、カー
ペット(絨毯)、畳床、タペストリー、各種マット、ソ
ファ・クッション・座布団等の外布や充填材(緩衝材)
等)、衣類(シャツ、ブラウス、パンツ、ズボン、下
着、セーター、カーディガン、ニットウエア、ジャケッ
ト、スーツ、ベスト、エプロン等)、身の回り品(ベル
ト、サスペンダー、サポーター、手袋、靴、靴の中敷
き、スリッパ、靴下、ストッキング、ハンカチ、スカー
フ、帽子、バック、ブランケット等)、雑品(空気調和
機・空気清浄機・換気扇等のフィルター、テーブルクロ
ス等)、衛生用品(トイレタリー類、タオル、バスタオ
ル、便座カバー等)、建築材料類(床材、壁材、天材、
壁紙等)、車用品(シートの外布や充填剤、各種シート
カバー、床マット、日差しを遮る為のシート等)、食品
の鮮度を保持するための鮮度保持袋等を挙げることがで
きる。
【0023】(作 用)本発明によれば、臭気物質を多
孔質体の粉状物または粒状物(粉状物および粒状物)に
よって吸着したり、酸化物微粒子の酸化反応によって分
解したりして消臭できる。更に、多孔質体に吸着された
臭気物質は、酸化物微粒子の酸化反応によって分解され
る。従って、本発明によれば、多孔質体が臭気物質を多
分に吸着しても、酸化物微粒子がこの吸着した臭気物質
を分解するので、吸着率の低下の防止を図ることができ
る。
【0024】酸化物微粒子が500nm以下の粒径を有
するコロイド粒子であり、多孔質体の孔内に入り込んで
いるものは、孔に吸着された臭気物質が酸化物微粒子と
接触し易くなり、分解の効率化が図られることが推測さ
れる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明に係る消臭シートの一実施
の形態を示し、本発明を更に詳細に説明する。なお、本
実施の形態は本発明を限定するものではない。消臭シー
トは、シート基材に、炭粉と、珪藻土と、酸化物微粒子
を備えさせたものである。上記炭粉と珪藻土は多孔質体
の粉状物である。また、酸化物微粒子は、金属が担持さ
れており、酸化反応によって消臭作用を有する酸化触媒
である。以下、消臭シート及びその製造方法を説明す
る。
【0026】[混合液の調合]炭粉は、竹炭を用い、
粉砕して30μm以下の粉状になるよう調整したものを
使用した。更に、炭粉は、炭粉の凝集を防止して分散性
を良好にするために、所要量の水と、微量の分散剤と混
合してペースト状にした(以下、このペースト状にした
炭粉を「竹炭ペースト」ということがある)。
【0027】同じように珪藻土も、30μm以下の粉状
にしたものに所要量の水と、微量の分散剤と混合してペ
ースト状にした(以下、このペースト状にした珪藻土を
「珪藻土ペースト」ということがある)。
【0028】具体的な実施例としては、竹炭ペースト2
0重量部、珪藻土ペースト30重量部、乳濁液状のウレ
タン樹脂25重量部、水25重量部、分散剤0.03重
量部を混合して、竹炭と珪藻土が分散状態となるようす
る。本実施の形態ではこの混合したものを「混合液」
という。本実施の形態で示す竹炭や珪藻土の大きさは、
特に限定するものではない。
【0029】上記した分散剤としては、例えば、トリポ
リリン酸ナトリウムや、ポリカルボン酸系分散剤等が使
用できる。しかし、分散剤はこれに限定するものではな
く、同等の作用・効果を有するものであれば他のものを
使用することもできる。
【0030】本実施の形態で示す混合液には加えてい
ないが、混合液には、必要に応じて硬化剤を混合する
こともできる。この場合の硬化剤は、硬化したウレタン
樹脂の被膜強度を高めて、耐水性・耐溶剤性等を備える
ようにするためのもので、例えば、エポキシ樹脂、ジヒ
ドロオキサゾール(オキサゾリンともいう)、イソシア
ン酸エステル(イソシアナート,カルビミドともい
う)、メラミン等が使用できる。
【0031】また、混合液を構成するウレタン樹脂
は、特に限定されるものではなく、代わりに例えば、ア
クリル樹脂、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニト
リルゴム(NBR)、天然ラテックス、ポリエステル樹
脂、酢酸ビニル樹脂等を使用することもできる。
【0032】なお、竹炭ペーストを構成する物質(竹
炭、水、分散剤)や、珪藻土ペーストを構成する物質
(珪藻土、水、分散剤)の配合割合は、適宜設定され特
に限定するものではない。また、竹炭や珪藻土は、混合
液を構成する分散媒中で分散状態にできれば、予めペ
ースト状にしなくても粉状物や粒状物のまま使用するこ
ともできる。混合液を構成する物質(竹炭ペースト、
珪藻土ペースト、ウレタン樹脂、水分散剤)の配合割合
も上記したものに限定するものではなく、適宜設定でき
る。また、分散剤は、不要であれば省略することもでき
る。
【0033】[混合液の付着]シート基材を混合液
中に入れて、竹炭や珪藻土等を含浸させる。シート基材
は、引き上げたときにこのシート基材重量の30%〜2
00%の重量の混合液が付着するように調整する。竹
炭や珪藻土は、混合液中に分散状態になっているの
で、シート基材にも略ムラなく均一な状態に付着する。
シート基材は、1m 当たり100gの重量を有するポ
リエステル繊維製の不織布を使用したが、シート基材の
重量、素材等は、特に限定するものではない。
【0034】また、シート基材を形成する糸の太さは、
特に限定するものではないが、太いものでは細いものよ
りも単位面積当たりの表面積が少なくなり、付着した竹
炭や珪藻土が剥離しやすく耐久性に乏しくなるため、糸
を用いたシート基材の場合では、糸の太さは6デニール
以下のものを使用することが望ましい。
【0035】本実施の形態で竹炭や珪藻土は、混合液
に混合し、シート基材を混合液に含浸させることで付
着させたが、竹炭や珪藻土を付着させる方法もこれに限
定するものではなく、例えば、スプレーで吹き付けた
り、プリント(印刷)やコーティング(刷毛等による塗
り付けを含む)により付着させることができる。
【0036】[乾 燥]混合液に浸したシート基材を
乾燥させる。乾燥は、予備乾燥と本乾燥とに分けそれぞ
れ行った。乾燥方法及び温度等の条件は、特に限定する
ものではないが、本実施の形態では、予備乾燥は90℃
〜100℃の熱風を約30秒当て、本乾燥は140℃〜
160℃の熱風を約30秒当てて行った。乾燥は、例え
ば、真空乾燥機を使用して行うことができる。
【0037】[混合液の調合]次に、酸化物微粒子7
重量部を水93重量部と混合し、分散媒中でこの酸化物
微粒子が分散状態となるようする。本実施の形態ではこ
の混合したものを「混合液」という。本実施の形態で
酸化物微粒子の径は、500nm以下の微細なもの(コ
ロイド粒子)を使用した。酸化物微粒子は、特に限定す
るものではないが、本実施の形態では、触媒化成工業株
式会社製、商品名:アトミーボール(商標)TZを使用
した。アトミーボール(商標)TZは、銅や亜鉛を酸化
チタンに担持させたものである。
【0038】なお、混合液を構成する、酸化物微粒子
と分散媒である水との配合割合は、上記したものに限定
するものではなく、適宜設定することができる。また、
水の代わりに、例えばアルコール等の他の分散媒を使用
することもできる。
【0039】[混合液の付着]混合液を含浸させて
乾燥させたシート基材に、混合液をスプレー等で吹き
付けて酸化物微粒子を略均一に付着する。酸化物微粒子
は、シート基材を形成する糸の表面や間、竹炭や珪藻土
の表面に付着したり、また、500nm以下の微細なも
のであるので、竹炭や珪藻土の粉間や孔内に入り込んで
付着する。なお、本実施の形態で示す消臭シートでは使
用していないが、必要に応じて酸化物微粒子を定着させ
るバインダー等の定着剤を使用することもできる。
【0040】酸化物微粒子は混合液をシート基材に吹
き付けて付着させたが、酸化物微粒子の付着方法はこれ
に限定するものではなく、例えば、シート基材を混合液
中に含浸させたり、グラビア塗装やプリント(印刷)
やコーティング(刷毛等による塗り付けを含む)等によ
って付着させたりすることもできる。
【0041】[乾 燥]酸化物微粒子が付着されたシー
ト基材を乾燥させる。乾燥方法及び温度等の条件は、特
に限定するものではないが、本実施の形態では、150
℃の熱風を約30秒当てて行った。乾燥は、例えば、真
空乾燥機を使用して行うことができる。消臭シートは以
上の手順により製造される。
【0042】本実施の形態では、竹炭及び珪藻土と、酸
化物微粒子とを別々の工程でシート基材に付着させた
が、これは限定するものではない。特に支障がなけれ
ば、例えば、多孔質体である竹炭(炭粉)や珪藻土と酸
化物微粒子とをまとめて混合し、この混合してできたも
のを含浸、塗り付け、吹き付け、プリント(印刷)等に
よってシート基材に一工程で設けることもできる。ま
た、多孔質体に酸化物微粒子を備えさせ、この酸化物微
粒子を備えた多孔質体に溶媒を加えて液状またはペース
ト状にしたものを、含浸、塗り付け、吹き付け、プリン
ト(印刷)等によってシート基材に設けることもでき
る。
【0043】(作 用)本実施の形態で示す消臭シート
について消臭効果を測定する実験を行った。ここではそ
の実験結果を交えて上記消臭シートの作用を説明する。
【0044】実験は次の方法で行った。−試験片− 試験片としては、竹炭と、珪藻土と、酸化物微粒子が付
着している消臭シート(本実施の形態で示すもの。「試
験片」とする)と、竹炭と珪藻土が付着している(酸
化物微粒子は備えていない)消臭シート(「試験片」
とする)を使用した。なお、試験片のシート基材、竹
炭、珪藻土は、試験片で用いたものと同じものを使用
した。
【0045】−実験方法− 内容量5Lのテドラーバッグに、試験片(5cm×5c
m)を入れ、臭気物質として1Lのアンモニアガスを注
入した。そしてこの状態でのアンモニアガスの初期濃度
と、1時間経過したときのテドラーバッグ内のアンモニ
アガス濃度を測定し、この濃度測定を試験片を交換せず
に6回繰り返した。こうして使用回数による各試験片の
消臭率の変化を測定した。
【0046】−実験器具− アンモニアガスの濃度測定には、株式会社ガステック製
の検知管(型番No.3M、型番No.3La)を使用
した。
【0047】−実験結果− 実験は温度25℃、湿度55%の室内環境で行った。実
験結果を表1及び表2に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】試験片と試験片とでは、アンモニアガ
スの吸着率に差が生じた。具体的には、酸化物微粒子を
付着させた試験片の方が全体的に吸着率が良好である
という結果が得られた。これは試験片では、竹炭によ
る臭気物質の吸着と、酸化物微粒子の酸化反応による分
解という双方の消臭作用が働き、試験片では竹炭によ
る吸着しか作用しなかったためであると思われる。
【0051】また、試験片と試験片とでは、アンモ
ニアガスを測定する回数が増えるごとに吸着率の低下具
合に差が生じた。試験片では、4回目の測定まで吸着
率はやや低下したが、それ以降は回数を重ねても吸着率
はそれほど変わらなかった。逆に、試験片では、回数
を重ねるごとに吸着率が低下し、6回目ではわずかな消
臭効果しか望めなかった。
【0052】これは試験片では、臭気物質を多分に吸
着することにより吸着率が低下して消臭作用がなくなっ
たのに対して、試験片では竹炭や珪藻土が臭気物質を
吸着しても、酸化物微粒子によってこの吸着した臭気物
質が分解されており、これによって竹炭の吸着率が低下
しないようになっているものと思われる。特にこの作用
は、酸化物微粒子が500nm以下の微細なものであ
り、竹炭の孔内に入り込んでいるものもあることから、
竹炭の孔内に吸着された臭気物質は、酸化物微粒子と接
触し易く、分解の効率化が図られていることが推測され
る。
【0053】つまり、この実験結果から、酸化物微粒子
を付着させた試験片は、竹炭や珪藻土による臭気物質
の吸着と、酸化触媒による臭気物質の分解の双方の作用
を持ち合わせていると判断される。従って、酸化物微粒
子を付着させた消臭シートは、即効性に優れた臭気物質
の吸着作用を低下させることがなく、しかも消臭効果を
長期にわたり維持することが可能である。
【0054】なお、本実施の形態で示す消臭シートは、
竹炭が付着してあるので、遠赤外線の照射効果や調湿効
果も有している。
【0055】本実施の形態で示す消臭シートは、そのま
まの状態で使うこともできるし、製造物をつくる際の材
料として使用することもできる。
【0056】本実施の形態では多孔質体として竹炭と珪
藻土を使用したものを示したが、本発明に係る消臭シー
トに付着される多孔質体はこれに限定するものではな
く、例えば、木炭や活性炭等の炭類、シリカ、ゼオライ
ト、アルミナ、しらす等を使用することもできる。ま
た、これらは一種類で使用しても良いし、二種類以上を
混合して使用しても良い。
【0057】本明細書で使用している用語と表現は、あ
くまでも説明上のものであって、なんら限定的なもので
はなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等
価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の
技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるとい
うことは言うまでもない。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
臭気物質を多孔質体の粉状物または/および粒状物によ
る吸着により、また、酸化物微粒子の酸化反応による分
解により消臭するだけでなく、多孔質体に吸着された臭
気物質も酸化物微粒子により分解できる。従って、多孔
質体は、吸着の即効性には優れるが、臭気物質が多分に
吸着されれば吸着作用が低下するという欠点を備えてい
たが、本発明によれば、多孔質体の吸着の即効性に優れ
たという特長はそのまま備えながら、臭気物質の吸着作
用の低下が防止でき、消臭効果を長期にわたり維持する
ことが可能である。また、本発明は消臭シートにしたの
で、加工や取り扱いがし易く、幅広い用途に使用でき
る。
【0059】酸化物微粒子が500nm以下の粒径を有
するコロイド粒子であり、多孔質体の孔内に入り込んで
いるものは、孔に吸着された臭気物質が酸化物微粒子と
接触し易くなり、分解の効率化が図られることが推測さ
れる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4C080 AA05 AA07 BB02 BB04 CC02 CC05 CC08 CC09 HH05 JJ05 JJ06 KK08 LL03 MM02 MM03 MM04 MM05 MM06 MM07 QQ11 4D048 AA22 AB01 BA07X BA16X BA35X BA41X EA04 4G066 AA04B AA23D AA70B AC23B BA03 BA12 CA02 CA29 DA03 GA06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質体に吸着された臭気物質を酸化触
    媒によって分解することにより、上記多孔質体が備える
    臭気物質の吸着作用の低下を防止することを特徴とす
    る、 多孔質体の吸着作用の低下を防止する方法。
  2. 【請求項2】 多孔質体が備える臭気物質の吸着作用の
    低下を防止する消臭シートであって、シート基材が、多
    孔質体の粉状物または/および粒状物と、酸化反応によ
    って臭気物質を分解する金属が担持されている酸化物微
    粒子を備えていることを特徴とする、 消臭シート。
  3. 【請求項3】 多孔質体が備える臭気物質の吸着作用の
    低下を防止する消臭シートであって、該消臭シートは、
    多孔質体の粉状物または/および粒状物と、酸化反応に
    よって臭気物質を分解する金属が担持されている酸化物
    微粒子を備えており、 上記酸化物微粒子は、少なくとも、上記多孔質体の粉状
    物または/および粒状物の間、上記多孔質体の粉状物ま
    たは/および粒状物の孔内、または上記多孔質体の粉状
    物または/および粒状物の間および孔内、のいずれかに
    存在していることを特徴とする消臭シート。
  4. 【請求項4】 酸化物微粒子は500nm以下の粒径を
    有するコロイド粒子であり、多孔質体の孔内に入り込ん
    でいることを特徴とする、 請求項2または3記載の消臭シート。
  5. 【請求項5】 請求項2、3または4記載の消臭シート
    を備えていることを特徴とする、 消臭シートを備えた製造物。
  6. 【請求項6】 多孔質体が備える臭気物質の吸着作用の
    低下を防止する消臭シートの製造方法であって、シート
    基材に、多孔質体の粉状物または/および粒状物と、酸
    化反応によって臭気物質を分解する金属が担持されてい
    る酸化物微粒子を備えさせたことを特徴とする、 消臭シートの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007313141A (ja) * 2006-05-29 2007-12-06 Hitachi Appliances Inc 臭気成分分解フィルタ,洗濯乾燥機,真空掃除機,空調機及び冷蔵庫
JP2017035196A (ja) * 2015-08-07 2017-02-16 石塚硝子株式会社 消臭紙
JP2017046746A (ja) * 2015-08-31 2017-03-09 石塚硝子株式会社 消臭スプレー
JP2017046744A (ja) * 2015-08-31 2017-03-09 石塚硝子株式会社 消臭性板状体
JP2017046747A (ja) * 2015-08-31 2017-03-09 石塚硝子株式会社 消臭機能を備えたフィルタ

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