JP2018053406A - 消臭性銀付皮革様シート及び消臭性銀付皮革様製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】全周端が閉じられて、繊維基材層との通気性がないような銀付皮革様製品に用いても、高い消臭効果を発揮する消臭性銀付調皮革様シート及びそれを用いた消臭性銀付調皮革様製品を提供することを目的とする。【手段】繊維基材層と前記繊維基材層に積層された銀面調樹脂層とを含み、銀面調樹脂層は、SEKマーク繊維製品認証基準の検知管法による消臭性試験に準じて測定されたアンモニアガス除去率70%以上である、消臭剤を含有する表皮層を備えることを特徴とする消臭性銀付調皮革様シート及びそれを用いた全周端が閉じられた銀付皮革様製品。【選択図】図1
Description
本発明は、消臭効果を有する消臭性銀付皮革様シート及び周端が閉じられた消臭性銀付皮革様製品に関する。
天然皮革に似せた銀付調の外観を有する素材として、繊維基材層に銀面調の樹脂層を積層してなる、銀付調の人工皮革や合成皮革のような銀付調皮革様シートが知られている。このような銀付調皮革様シートは、衣料や靴や鞄等の表皮材として広く用いられている。このような銀付調人工皮革は、人と触れる部分の汗を吸収したりすること等により不快臭を発することがあった。このような問題を解決するために、銀付調皮革様シートやその素材として用いられる繊維構造物に消臭効果を付与する技術が知られている。
例えば、下記特許文献1は、単繊維繊度が5.0dtex以下のポリエステル繊維を含む繊維構造物に、両性ポリマー,アニオン性ポリマー,ポリフェノール系ポリマー等の有機系消臭剤を付与した消臭性繊維構造物を開示する。また、下記特許文献2は、繊維質と高分子弾性体とからなる繊維基体に高分子弾性体層を設けた構造体の繊維質や高分子弾性体に、Si,Zn,Ti,Fe,Al,Zr等の酸化物及びまたは複合酸化物を消臭剤として付与した人工皮革を開示する。また、下記特許文献3は、消臭性能を有する繊維質基体と樹脂層から成る合成皮革であって、該樹脂層に合成皮革表面から繊維質基体に貫通する孔が形成されており、消臭率が70%以上である消臭性能を有する合成皮革を開示する。さらに、下記特許文献4は、繊維基材表面にポリウレタン樹脂接着層を介して単一層又は複数層のポリウレタン樹脂皮膜層が積層され、最表皮層とならないポリウレタン樹脂皮膜層及びポリウレタン接着層から選ばれる少なくとも一つの層が、消臭剤あるいはマンガン(II)イオンに対しアスコルビン酸及びオキシ多塩基酸から選ばれた少なくとも1種の酸又はその塩を結合させてなる化合物を含有させ、さらに、合成皮革を貫通する複数の開孔が設けられた合成皮革を開示する。
本発明者らは、銀付皮革様シートを用いた製品のうち、ランドセルの背裏材のような全周端を閉じられた銀付皮革様製品において、上述したような従来の消臭手段を用いた場合、次のような問題が生じることに気付いた。繊維基材層に消臭剤を付与するような消臭手段によれば、繊維基材層において不快臭成分が吸収されるために、ランドセルの背裏材や縫いボールのように、銀付皮革様シートの周端が閉じられて露出しないような製品に用いた場合には、周端から繊維基材層に不快臭成分が浸透しにくくなることにより、不快臭成分の吸着効果が発現しにくくなるために消臭効果が不充分になるという問題があった。
また、特許文献3や特許文献4に開示されたような、銀付皮革様シートの表面から繊維基材層にまで貫通する通気孔を形成することによって、繊維基材層において不快臭成分を吸着させる技術においては、外観に通気孔が露出することにより、意匠性を損ねたり、孔に汚れがたまって汚れやすくなったりするという欠点があった。
本発明は、上述したような問題を解決すべく、全周端が閉じられて、繊維基材層との通気性がないような銀付皮革様製品に用いても、高い消臭効果を発揮する消臭性銀付皮革様シート及びそれを用いた消臭性銀付皮革様製品を提供することを目的とする。
本発明の一局面は、繊維基材層と繊維基材層に積層された銀面調樹脂層とを含み、銀面調樹脂層は、SEKマーク繊維製品認証基準の検知管法による消臭性試験に準じて測定されたアンモニアガス除去率70%以上である、消臭剤を含有する表皮層を備える消臭性銀付皮革様シートである。このような消臭性銀付皮革様シートによれば、表皮層自身が高い消臭効果を有するために、全周端が閉じられて、繊維基材層との通気性がないような銀付皮革様製品に用いても、高い消臭効果を発揮することができる。また、消臭性銀付皮革様シートは、表皮層が透湿性を有し、通気性を有しないことが、意匠性と防汚性に優れる点から好ましい。
また、表皮層が透湿性樹脂を含有することが、表皮層によって高い消臭効果をより発揮させることができる点から好ましい。
また、本発明の他の一局面は、上記何れかの消臭性銀付皮革様シートの全周端を閉じた製品である背負カバン用背裏材等の消臭性銀付皮革様製品である。このような消臭性銀付皮革様製品は、全周端が閉じられて、表面と繊維基材層との通気性がないにもかかわらず、高い消臭性能を保持することができる。
本発明によれば、全周端が閉じられて、繊維基材層との通気性がないような銀付皮革様製品に用いても、高い消臭効果を発現する。
本発明に係る消臭性銀付皮革様製品の一実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は、消臭性銀付皮革様シート10を用いた消臭性銀付皮革様製品20の模式断面図を示す。図1中、1は繊維基材層であり、2は繊維基材層1に積層された銀面層である。銀面層2は表皮層2aと接着層2bと、を含む。表皮層2aは最表層であり、消臭剤と、好ましくは透湿性ポリウレタンとを含有する。また、消臭性銀付皮革様シート10の周端E1を通気性のない他の皮革用素材等である素材11で包んで接着剤で密閉することにより、消臭性銀付皮革様シート10の周端を閉じられた製品である消臭性銀付皮革様製品20が構成されている。
繊維基材層の形態は特に限定されず、例えば、不織布、織布、編物等が用いられる。また、繊維基材層を形成する繊維の種類は特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、変性ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリトリエチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、等の芳香族ポリエステル系樹脂、ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリヒドロキシブチレート−ポリヒドロキシバリレート共重合体等の脂肪族ポリエステル系樹脂等のポリエステル繊維;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド10、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6−12等のポリアミド系樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、塩素系ポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル共重合体、スチレンエチレン共重合体、などのポリオレフィン系樹脂;エチレン単位を25〜70モル%含有する変性ポリビニルアルコール等から形成される変性ポリビニルアルコール系樹脂;及び、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマーなどの結晶性エラストマー等が挙げられる。これらの中では、ポリアミド系樹脂や芳香族ポリエステル系樹脂が各種特性のバランスに優れる点から好ましい。
不織布を用いる場合、不織布を形成する繊維の単繊維繊度は0.9dtex超のようなレギュラー繊維であっても、0.9dtex以下のような極細繊維であってもよいが、腰があり且つしなやかな風合いの銀付調人工皮革を製造する場合には、極細繊維であることが好ましい。極細繊維の単繊維繊度は0.9dtex以下、さらには0.01〜0.8dtex、とくには0.05〜0.5dtex、ことには0.07〜0.3dtexであることが風合いに優れた緻密な不織布が得られる点から好ましい。このような極細繊維の不織布は、例えば、混合紡糸法や複合紡糸法等を用いて得られる海島型断面繊維や多層積層型断面繊維等の極細繊維発生型繊維を極細化処理して得られる極細繊維の絡合体であることが好ましい。
また、繊維基材層は、形態安定性を付与すること等の目的で高分子弾性体を含有することが好ましい。高分子弾性体の具体例としては、例えば、ポリウレタン,アクリル系弾性体,ポリアミド系エラストマー,ポリエステル系エラストマー等のポリエステル系弾性体,ポリスチレン系弾性体,ポリオレフィン系弾性体,シリコーン系弾性体等が挙げられる。
繊維基材層の厚みは、特に限定されないが、例えば、300〜3000μm、さらには500〜1500μm程度であることが好ましい。
銀面層2は、表皮層2aと接着層2bとを含む銀面調の外観を付与する高分子弾性体を主体とする層である。そして、銀面層2の最表層になる表皮層2aは、SEKマーク繊維製品認証基準の検知管法による消臭性試験に準じて測定された、アンモニアガス除去率70%以上の樹脂層である。
銀面層2は、従来から銀面層の形成に用いられている高分子弾性体を主体とする、表皮層2aと接着層2bとからなるような複層、または単層の銀面調の樹脂層である。高分子弾性体の具体例としては、例えば、ポリウレタン,アクリル系弾性体,ポリアミド系エラストマー等のポリアミド系弾性体,ポリエステル系エラストマー等のポリエステル系弾性体,ポリスチレン系弾性体,ポリオレフィン系弾性体,シリコーン系弾性体等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では機械的特性等に優れている点からポリウレタンが好ましい。ポリウレタンの具体例としては、例えば、ポリカーボネート系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン等の各種ポリウレタン、ポリウレタンアクリル複合弾性体、等が挙げられる。また、ポリウレタンの中では、ポリカーボネート系ポリウレタンが耐傷性に優れている点からとくに好ましい。
本実施形態の銀面層2においては、最表層である表皮層2aが上記アンモニアガス除去率が70%以上、好ましくは75%以上、特に好ましくは85%以上の樹脂層である。このような表皮層は、消臭剤を含有し、また、好ましくは透湿性ポリウレタン等の透湿性樹脂を含有する。消臭剤の種類は、上述のような樹脂層を形成できる限りとくに限定されないが、例えば、ダイムシューY((株)大日精化製)等の有機酸系消臭剤や、酵素等により悪臭物質を分解するタイプの消臭剤などが挙げられる。
また、銀面層の最表層に配される表皮層には、透湿性ポリウレタンのような透湿性樹脂を配合することにより、通気孔を設けることなく、最表層内への不快臭成分の侵入を促進する。例えば、透湿性樹脂である透湿性ポリウレタンは、ポリエーテル系のジオールで親水性の高いポリウレタン、具体的には、例えば、ハイムレンYシリーズ((株)大日精化製)のような透湿性ポリウレタン等が挙げられる。ここで透湿性樹脂とは、液体である水と気体である湿気の分子の大きさの違いを利用して、樹脂内部に気体になった湿気は通して、粒子の大きい水は遮断する機能をもった樹脂であることを意味する。ポリウレタン樹脂の場合は、塗布後乾燥させるだけで数ミクロンの連続微多孔フォームを形成する多孔型樹脂と、ポリウレタン樹脂の構造中に親水基を導入し、透湿機能を付与させた無孔型樹脂がある。
表皮層としては、上記アンモニアガス除去率70%以上の樹脂層を形成するためには、表皮層2aに高い消臭能力を保持させることが必要である。そのためには、表皮層中に、アンモニアガス除去率70%以上を保持させうる消臭剤成分を、10〜70質量%、さらには20〜60質量%含有させることが好ましい。
また、表皮層2aは、透湿性樹脂を、0〜100質量%、さらには50〜100質量%、とくには80〜100質量%含有することが好ましい。表皮層2a中の透湿性ポリウレタンの含有割合が高すぎる場合には表面タッチが滑りすぎたり、製品に加工する際に縫製しにくくなったり、プリントできなくなったりする等の問題が発生する傾向がある。また、低すぎる場合には消臭性能が低下する傾向がある。
表皮層2aの厚さは特に限定されないが、5〜100μm、さらには20〜30μmであることが好ましい。表皮層2aが厚すぎる場合には風合いがゴムライクになる傾向があり、薄すぎる場合には消臭性能が充分に向上しない傾向がある。
接着層2bの厚さも特に限定されないが、5〜200μm、さらには30〜70μmであることが好ましい。接着層2bが厚すぎる場合には耐屈曲性が低下したり、ガス透過性が充分に向上しない傾向があり、薄すぎる場合には接着性が不十分になる傾向がある。接着層を形成する樹脂としては、上述したような高分子弾性体が用いられる。また、接着層2bにも必要に応じて、消臭剤や透湿性樹脂を含有してもよい。
銀面層には、高分子弾性体の他、必要に応じて、着色材やその他の添加剤等を含有してもよい。
銀面層2の厚さは、10〜300μm、さらには30〜200μm、とくには50〜100μm程度であることが、機械的特性と風合いとのバランスを維持することができる点から好ましい。
繊維基材層1に銀面層2を形成する方法としては、例えば以下のような乾式造面法を用いた方法が挙げられる。
剥離紙上に表皮層2aの皮膜を形成するための、消臭剤及び好ましくは透湿性樹脂を含有する高分子弾性体を含む樹脂液または溶融樹脂を塗布して表皮層2aの皮膜を形成する。そして、表皮層2aの皮膜に樹脂液または溶融樹脂を塗布することにより、接着層2bを形成するための接着層用樹脂層を形成する。そして、繊維基材層の表面に接着層用樹脂層を貼り合せてプレスして接着し、剥離紙を剥離することにより表皮層2aを有する銀面層2が形成される。
このようにして得られた消臭性銀付皮革様シートは、周端が閉じた消臭性銀付皮革様製品の製造に好ましく用いられる。周端が閉じて得られる消臭性銀付皮革様製品は、SEKマーク繊維製品認証基準の検知管法による消臭性試験に準じて測定された、アンモニアガス除去率70%、さらには、75%以上、とくには80%以上の消臭効果を示すことが好ましい。
以上説明した、本実施形態の消臭性銀付皮革様シートの周端が閉じられて得られた消臭性銀付皮革様製品は、例えば、縫いボールやランドセル背裏のように断面が出ないような表皮材として好ましく用いられる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明の範囲はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
6ーナイロン60質量部(島成分)と高流動性低密度ポリエチレン(海成分)40質量部からなる海島型複合繊維を溶融紡糸法により調製し、これを70℃の温水中で2.5倍に延伸し、延伸された海島型複合繊維に繊維油剤を付与し、機械捲縮をかけて乾燥後、51mmにカットして4dtexのステープル繊維とした。このステープル繊維を用いてスクラップ法で目付600g/m2のウェッブを形成し、ついで両面から交互に合わせて約500パンチ/cm2のニードルパンチングを行い、さらに120℃に加熱し、カレンダーロールでプレスすることで表面の平滑な絡合不織布を作成した。この絡合不織布の目付は400g/m2、見かけ比重は0.3g/cm3であった。この絡合不織布に、ポリテトラメチレンエーテル系ポリウレタンを主体とする13%濃度のポリウレタンのジメチルホルムアミド(DMF)溶液を含浸し、DMF/水=15/85の混合液の中に浸してポリウレタンを多孔質状に湿式凝固した後、熱トルエン中で複合繊維中の海成分を溶出除去して極細繊維(繊度0.05dtex)を発現させ、人工皮革基材を得た。得られた人工皮革基材は厚さが1.4mmで、ポリウレタンの量は160g/m2であった。得られた人工皮革基材を二分割し、スライス面をバフィングすることにより、厚さ0.6mmの繊維基材層を調製した。そして、繊維基材層に以下に説明するような乾式造面法により銀面層を形成した。
6ーナイロン60質量部(島成分)と高流動性低密度ポリエチレン(海成分)40質量部からなる海島型複合繊維を溶融紡糸法により調製し、これを70℃の温水中で2.5倍に延伸し、延伸された海島型複合繊維に繊維油剤を付与し、機械捲縮をかけて乾燥後、51mmにカットして4dtexのステープル繊維とした。このステープル繊維を用いてスクラップ法で目付600g/m2のウェッブを形成し、ついで両面から交互に合わせて約500パンチ/cm2のニードルパンチングを行い、さらに120℃に加熱し、カレンダーロールでプレスすることで表面の平滑な絡合不織布を作成した。この絡合不織布の目付は400g/m2、見かけ比重は0.3g/cm3であった。この絡合不織布に、ポリテトラメチレンエーテル系ポリウレタンを主体とする13%濃度のポリウレタンのジメチルホルムアミド(DMF)溶液を含浸し、DMF/水=15/85の混合液の中に浸してポリウレタンを多孔質状に湿式凝固した後、熱トルエン中で複合繊維中の海成分を溶出除去して極細繊維(繊度0.05dtex)を発現させ、人工皮革基材を得た。得られた人工皮革基材は厚さが1.4mmで、ポリウレタンの量は160g/m2であった。得られた人工皮革基材を二分割し、スライス面をバフィングすることにより、厚さ0.6mmの繊維基材層を調製した。そして、繊維基材層に以下に説明するような乾式造面法により銀面層を形成した。
難黄変ポリエーテル系ポリウレタンを含有する30質量%ポリウレタンDMF溶液100質量部に対して、消臭剤としてダイムシューY((株)大日精化製)20質量部を分散させた表皮層を形成する樹脂液を調製した。そして、剥離紙上に、調製された表皮層を形成する樹脂液を100g/m2で塗布した後、120℃で2分間乾燥することにより、厚さ25μmの表皮層の皮膜を形成した。次に、剥離紙上に形成された表皮層の皮膜の表面に接着層形成用のポリウレタン溶液を110g/m2で塗布した後、120℃で2分間乾燥することにより、厚み60μmの接着層を形成した。このようにして形成された、剥離紙上の接着層を繊維基材層のスライス面に接触させて載置し、表面温度75℃に設定された加熱ロールで圧着した。そして、50℃で3日間熟成した後、剥離紙を剥離することにより銀付調人工皮革を得た。
そして、一般社団法人繊維評価技術協議会によるSEKマーク繊維製品認証基準(平成28年4月1日改定)の検知管法による消臭性試験に準じて、表皮層の皮膜、及びアンモニアガス除去率を測定した。なお、表皮層の皮膜のアンモニアガス除去率は、剥離紙上に形成された表皮層を100mm×100mmに切り出して測定した。また、銀付調人工皮革は、裏面と周囲をアルミテープで覆って完全に周端を閉じた状態と、周端を閉じていない状態の100mm×100mmのサンプルとの2種類の条件で測定した。なお、閉じた状態においては、露出面が100mm×100mmになるようにした。結果を下記表1に示す。
[実施例2]
表皮層を形成する樹脂液に、難黄変ポリエーテル系ポリウレタンDMF溶液100質量部に変えて、透湿性ポリウレタンとしてハイムレンY208((株)大日精化製)を用いた以外は実施例1と同様にして銀付調人工皮革を得、評価した。結果を表1に示す。
表皮層を形成する樹脂液に、難黄変ポリエーテル系ポリウレタンDMF溶液100質量部に変えて、透湿性ポリウレタンとしてハイムレンY208((株)大日精化製)を用いた以外は実施例1と同様にして銀付調人工皮革を得、評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
表皮層を形成する樹脂液にダイムシューYを配合しなかった以外は実施例1と同様にして銀付調人工皮革を得、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
表皮層を形成する樹脂液にダイムシューYを配合しなかった以外は実施例1と同様にして銀付調人工皮革を得、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
本発明の消臭性銀付皮革様シートは、例えば、縫いボールやランドセル背裏のように周端の断面が出ないような表皮材として好ましく用いられる。
1 繊維基材層
2 銀面層
2a 表皮層
2b 接着層
10 消臭性銀付皮革様シート
11 周端を覆う素材
20 消臭性銀付皮革様製品
2 銀面層
2a 表皮層
2b 接着層
10 消臭性銀付皮革様シート
11 周端を覆う素材
20 消臭性銀付皮革様製品
Claims (4)
- 繊維基材層と前記繊維基材層に積層された銀面調樹脂層とを含み、
前記銀面調樹脂層は、SEKマーク繊維製品認証基準の検知管法による消臭性試験に準じて測定されたアンモニアガス除去率70%以上である、消臭剤を含有する表皮層を備えることを特徴とする消臭性銀付皮革様シート。 - 前記表皮層は透湿性を有し、通気性を有しない請求項1に記載の消臭性銀付皮革様シート。
- 前記表皮層が透湿性樹脂を含有する請求項1または2に記載の消臭性銀付皮革様シート。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の消臭性銀付皮革様シートの周端を閉じられた製品であることを特徴とする消臭性銀付皮革様製品。
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JP2016193649A JP2018053406A (ja) | 2016-09-30 | 2016-09-30 | 消臭性銀付皮革様シート及び消臭性銀付皮革様製品 |
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---|---|---|---|---|
KR102085548B1 (ko) * | 2018-10-30 | 2020-03-06 | 주식회사 서연이화 | 자동차 내장재용 가죽 제조방법 및 자동차 내장재용 가죽 |
CN113427873A (zh) * | 2021-05-27 | 2021-09-24 | 三明建华纺织有限公司 | 一种耐寒防臭型人造革及其生产方法 |
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- 2016-09-30 JP JP2016193649A patent/JP2018053406A/ja active Pending
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