JP4486347B2 - 軟骨組織再生用基材および軟骨細胞との複合体とその製造方法 - Google Patents

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本発明は、軟骨組織を再生させるために使用する軟骨組織再生用基材および軟骨細胞と軟骨組織再生用基材との複合体とその製造方法に関するものである。
軟骨組織は血管、神経、リンパ管が存在しない組織であるため、再生能力が乏しい。したがって一度損傷を受けた部位は再生せず、本来の機能を失ってしまう。臨床的に関節軟骨が欠損する疾患としては、変形性関節症、関節リウマチなどの疾患や、外傷による関節軟骨損傷が知られている。このように再生に乏しい軟骨の修復としては、人工関節置換手術が行われているが、人工関節は金属や高分子ポリマーを使用しているため、磨耗、緩み、感染などといった問題を有している。また、その他の方法としては、軟骨細胞移植が行われているが、軟骨は一度損傷を受けると再生しても繊維軟骨となり、もともとあった硝子軟骨に比べると生化学的にも力学的にも十分でない。そのため、近年再生医療として、細胞の性質を支持するために3次元構造を持つ足場を利用した軟骨細胞移植が盛んに研究されている。軟骨細胞は体内で3次元に存在しているため、一般に軟骨細胞は3次元で培養しなければ、硝子軟骨にはならないと言われている。
このような方法としては、特開2001−293081号公報(特許文献1)に軟骨細胞をコラーゲンゲル中に包埋した軟骨移植用材料が開示されている。しかしながら、コラーゲンは低温にて操作しないとゲル化し細胞と混合することができない、ゲル強度が弱いなどといった問題がある。
また、米国特許第6197061号明細書(特許文献2)には軟骨細胞をアルジネート中で増殖させる方法について開示されている。しかしながら、アルジネートは細胞増殖時に使用したのち、分解され、実際には取り出した軟骨細胞を患部へ注入するため、足場としての機能は持っていない。
また、特開2001−157574号公報(特許文献3)には、生分解性ポリマーと両親媒性ポリマーからなるハニカム構造フィルムの細胞培養基材について開示されているが、軟骨細胞に関する記載はない。
さらに特開2002−335949号公報(特許文献4)には、ハニカム構造フィルムの細胞培養基材を用いて細胞の三次元集合体を形成する方法が記載されているが、この方法は細胞培養基材の両面に細胞を増殖させる方法であり、細胞自身が三次元的に増殖しているものではない。
特開2001−293081号公報 米国特許第6197061号明細書 特開2001−157574号公報 特開2002−335949号公報
軟骨再生とりわけ基質の産生に適した軟骨組織再生基材を得るとともに、該軟骨組織再生用基材であるハニカム構造を持つフィルム上に三次元的に軟骨細胞を培養した軟骨細胞と軟骨組織再生基材の複合体を得る。
本発明者らは、このような要望を考えて、鋭意努力した結果、生体適合性に優れたハニカム構造を有するフィルムを利用することによって、二次元構造でも三次元構造の足場と同様に軟骨組織再生用基材となること、さらに該軟骨組織再生用基材上に軟骨細胞を培養することで三次元的に軟骨組織が増殖した軟骨細胞と軟骨組織再生基材の複合体が得られることを見出し本発明を完成するに至った。
本発明の軟骨組織再生用基材は表面がハニカム構造になっているため、細胞接着面が平滑なフィルムに比べて少なく、軟骨細胞は増殖を抑制し、基質を産出し、三次元構造の足場と同様の効果を現す。然しながら軟骨組織再生基材そのものは二次元構造をとるため、細胞の播種が容易であるなど取り扱いやすく、保持される細胞の密度が高まり、軟骨細胞の培養を容易に、かつ効率的に行うことができる。
本発明における生分解性フィルムを作製するために用いる生分解性ポリマーとしては、ポリ乳酸、ポリ乳酸−ポリグリコール酸共重合体、ポリヒドロキシ酪酸、ポリカプロラクトン、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペートなどの生分解性脂肪族ポリエステル、ポリブチレンカーボネート、ポリエチレンカーボネート等の脂肪族ポリカーボネート等が、有機溶媒への溶解性の観点から好ましい。中でも、ポリ乳酸、ポリ乳酸−ポリグリコール酸共重合体、ポリカプロラクトンが入手の容易さ、価格等の観点から望ましい。
ハニカム構造を簡便に再現性よく作製するためには、上記生分解性ポリマーに加えて、両親媒性ポリマーを用いることが好ましい。両親媒性ポリマーとしては軟骨組織再生用基材として利用することを考慮すると毒性の無いことが好ましく、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールブロック共重合体、アクリルアミドポリマーを主鎖骨格とし、疎水性側鎖としてドデシル基と親水性側鎖としてラクトース基或いはカルボキシル基を併せ持つ両親媒性ポリマー、或いはヘパリンやデキストラン硫酸、DNAやRNAの核酸などのアニオン性高分子と長鎖アルキルアンモニウム塩とのイオンコンプレックス、ゼラチン、コラーゲン、アルブミン等の水溶性タンパク質を親水性基とした両親媒性ポリマー等が利用できる。
また、生分解性かつ両親媒性のポリマーを用いても構わない。このようなポリマーとしては、例えば、ポリ乳酸−ポリエチレングリコールブロック共重合体、ポリε−カプロラクトン−ポリエチレングリコールブロック共重合体、ポリリンゴ酸−ポリリンゴ酸アルキルエステルブロック共重合体などが挙げられる。
本発明のハニカム構造を有するフィルムを作製するに当たってはポリマー溶液上に微小な水滴粒子を形成させることが必須である事から、使用する有機溶剤としては非水溶性である事が必要である。これらの例としてはクロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン系有機溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルイソブチルケトン、などの非水溶性ケトン類、二硫化炭素などが挙げられる。これらの有機溶媒は単独で使用しても、又、これらの溶媒を組み合わせた混合溶媒として使用してもかまわない。
これらに溶解する生分解性ポリマーと両親媒性ポリマー両者併せてのポリマー濃度は0.01から10wt%、より好ましくは0.05から5wt%である。ポリマー濃度が0.01wt%より低いと得られるフィルムの力学強度が不足し望ましくない。又、10wt%以上ではポリマー濃度が高くなりすぎ、十分なハニカム構造が得られない。また、生分解性ポリマーと両親媒性ポリマーの組成比は99:1から50:50(wt/wt)である。両親媒性ポリマー組成が1以下では均一なハニカム構造が得られなく、又、該組成が50以上では得られるハニカム構造体の安定性、特に力学的な安定性にかける為、好ましくない。
本発明においては該ポリマー有機溶媒溶液を基板上にキャストしハニカム構造フィルムを調製するが、該基板としてはガラス、金属、シリコンウェハー等の無機材料、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエーテルケトン等の耐有機溶剤性に優れた高分子、水、流動パラフィン、液状ポリエーテル等の液体が使用できる。中でも、基材に水を使用した場合、該ハニカム構造体の特徴である自立性を生かすことで、該構造体を単独で容易に基板から取り出すことが出来、好適である。
本発明で、ハニカム構造が形成される機構は次のように考えられる。疎水性有機溶媒が蒸発するとき、潜熱を奪う為に、キャストフィルム表面の温度が下がり、微小な水の液滴がポリマー溶液表面に凝集、付着する。ポリマー溶液中の親水性部分の働きによって水と疎水性有機溶媒の間の表面張力が減少し、このため、水微粒子は凝集して1つの塊になろうとし、安定化する。溶媒が蒸発するに伴い、ヘキサゴナルの形をした液滴が最密充填した形で並び、最後に、水が飛び、ポリマーが規則正しくハニカム状に並んだ形として残る。従って、該フィルムを調製する環境としては相対湿度が50から95%の範囲にあることが望ましい。50%以下ではキャストフィルム上への結露が不十分になり、又、95%以上では環境のコントロールが難しく好ましくない。このようにしてできるハニカム構造体中個々のハニカムの空隙内径は0.1から100μmである。軟骨細胞培養に適した空隙内径としては0.1から20μmであり、より好ましくは1μmから15μmである。このようにして作製したハニカム構造フィルムは、表面がハニカム構造を有し、膜厚が充分厚い場合は、基盤に接していた裏面は孔が貫通していない平らな面となる。また、膜厚が水滴の大きさよりも薄い場合は孔が貫通したフィルムが得られる。使用目的により、貫通または非貫通膜を選択することが望ましい。
ハニカム構造フィルム上で培養される軟骨細胞には、硝子軟骨、線維性軟骨、弾性軟骨から得たものを使用する。好ましくは、移植後の修復を理想的に行うためには、非荷重部の軟骨から採取された関節軟骨細胞を用いることである。細胞は、組織から採取された後、常法に従って結合組織などを除去して調製される。または、常法を用いた一次培養によって、予め増殖させた軟骨細胞を用いてもよい。
軟骨細胞は、生体軟骨組織をコラーゲナーゼ、トリプシン、プロテアーゼ等の酵素処理により、細胞外マトリックスを分解処理し、次いで血清培地を添加し、遠心して、軟骨細胞を単離する。単離した軟骨細胞を培養フラスコに播き、10%ウシ胎児血清を含有するα−MEM培地で培養する。十分な細胞数になるまで、2〜3回継代培養し、この継代培養した細胞をトリプシン処理により回収し、播種用細胞液とする。本発明のハニカム構造フィルムに、軟骨細胞を播種するには、ハニカム構造フィルムを培養液で濡らしておき、このハニカム構造フィルムに上記播種用細胞液を播種することにより行う。
本発明の軟骨組織を再生するためのハニカム構造フィルムは、軟骨細胞の場合、上記播種用細胞液を播種した後、さらに、培養液を添加し、α−MEM血清培地で、37℃、5%COインキュベータ内において培養増殖させることにより、当該軟骨組織再生用の複合体を得る。以下、本発明の、軟骨細胞あるいは軟骨細胞に分化する幹細胞を該ハニカム構造フィルムに播種し、軟骨組織を再生するための移植体を得る手法の一例について具体的に述べる。
例えば、ボイデンチャンバー内に滅菌済みのハニカム構造フィルムをはさむ。この際、播種される細胞が、ハニカム構造フィルムから漏れ出さないようにするため、ハニカム構造フィルムの縁をゴム等のリングで囲っておくことが望ましい。ハニカム構造フィルムを培養液で濡らしてから、播種用細胞液を播種する。次いで6ウェルプレート内に収め、5%CO、37℃インキュベーター内で培養をする。次の日培地をすべて吸引し25μg/mlのAscorbic Acid入りの培地でボイデンチャンバー内に2ml加えた培地交換を行い、3日から4週間まで静置して培養する。その後、ボイデンチャンバーより取り出すことにより、軟骨基質の作られた複合体を得ることができる。
本発明においてハニカム構造フィルムを使用する利点は、表面がハニカム構造になっているため、細胞接着面が平滑なフィルムに比べて少なく、軟骨細胞は増殖を抑制し、基質を産出し、三次元構造の足場と同様の様子を示すことができることである。よって、ハニカム構造フィルムを使用することで増殖を繰り返すことによる細胞の形態の変化を防止することができ、軟骨基質の産生が乏しい繊維性軟骨細胞が軟骨組織再生用の複合体中に高い割合で混在することを防止することができる。このため、軟骨細胞による軟骨組織の再建をより効率よく行うことができる。
また、播種用細胞液がフィルム上からもれず、結果として三次元構造スポンジなどに比べて保持される細胞の密度が高まり、軟骨組織の再生が速やかにかつ効率的に行われることになる。軟骨細胞が担持された複合体をフィルム状のままで用いると、薄い軟骨組織を再生することが可能であるが、図1に示すように、これら軟骨細胞が担持された複合体を積層して用いることもできる。この場合において再生される軟骨の厚みは軟骨基質で覆われたハニカム構造フィルムの積層する枚数により調整することができる。各ハニカム構造フィルム上において上記細胞の播種が行われているので、積層されたハニカム構造フィルム中の細胞の密度は、1枚のフィルムによる複合体と変わらず、これを生体内に移植すれば、軟骨組織の再生が良好に行うことができる。
また、図2に示すように、軟骨基質で覆われたハニカム構造フィルムをロール状に巻いて、円筒状の形状にすることもできる。この場合においては、再生される軟骨の深さは、ロールの高さで、直径はロールを巻く回数で調整できる。
本発明において、ハニカム構造フィルム上で培養するための細胞の播種密度は、細胞の増殖よりも軟骨基質の産生を優先的に行う播種密度が好ましい。このような細胞播種密度にすることによって、培養の開始時から軟骨細胞は軟骨基質の産生を旺盛に行うので、軟骨再生時に必要な量の軟骨基質を効率よく得ることができる。
本発明において軟骨細胞の播種密度は、細胞の形態を維持して軟骨基質の産生をより効率よく行わせる観点から、400mmの面積に細胞を播種する場合5×10個/ml〜1×10個/mlの範囲、好ましくは、1×10個/ml〜8×10個/mlの範囲とすることができる。
この範囲よりも細胞播種密度が低いと、軟骨細胞の増殖の方が軟骨基質の産生よりも優先的に行われ、細胞の形態が変化したり、効率よく十分な量の軟骨基質を産生することができず、好ましくない。また、この範囲よりも細胞播種密度が高いと、軟骨細胞の細胞活性が十分に維持できず、軟骨基質の産生も不十分となるので、好ましくない。
細胞培養期間は3日間から4週間の範囲とすることができる。好ましくは5日から3週間の範囲とすることができるが、細胞の播種量によって培養期間を調整することができ、この範囲に限定されるものではない。
本発明における軟骨基質は、通常の軟骨細胞が生体内又は培養条件下で産生する物質及び培養条件下で産生される物質のいずれかである。このような物質には、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ケラタン硫酸などのグリコサミノグリカン(GAG)や、タイプIIコラーゲンなどが挙げられる。軟骨基質の量は、GAGの定量により測定することができる。
このように、本発明による軟骨組織再生用の移植体は、移植時に多くの軟骨細胞と豊富な軟骨基質を含有しているため、生体との親和性も非常に高く、効率よく軟骨の修復を行うことができる。
本発明の軟骨組織再生用の移植体を使用することができる適応症としては、軟骨損傷、離断性骨軟骨炎、変形性関節症、関節リウマチなどが挙げられるが、その範囲に限定されるものではなく、軟骨欠損に起因する疾患全般に適用可能である。
以下、実施例により本発明の実施の形態を説明するが、これらは本発明の発明を制限するものではない。
[実施例1]
ポリ乳酸(分子量100000)のクロロホルム溶液(5g/L)に両親媒性ポリマーとしてポリアクリルアミド共重合体(重量平均分子量:85000)を10:1の割合で混合し、ガラス基板上にキャストし室温、湿度70%の条件下に静置し、溶媒を徐々に飛ばすことでハニカム構造を有するフィルムを調製した。得られたフィルムの光学顕微鏡写真を図3に示す。
[実施例2]
実施例1で作製したハニカム構造フィルムを70%エタノールで滅菌し、滅菌済みのボイデンチャンバー内にフィルムを挿んだ。一方、ウサギ膝関節の軟骨から薄い軟骨片をメスで剃りおろし、細かく刻んだ後、0.15(w/v)%のトリプシンを含有するPBS(−)中で1時間酵素処理し、さらに0.15(w/v)%のコラーゲナーゼを含有するPBS(−)中で37℃で2時間30分インキュベートした。そして、ポアサイズが70μmのナイロンフィルターで濾過した濾液を1500rpmで3分間遠心し、抗生物質と10%ウシ胎児血清を含有するα−MEM血清培地で2回洗浄した後、ウサギ膝軟骨細胞を得た。得られた軟骨細胞をα−MEM血清培地で37℃、5%COインキュベータ内で培養した。2回継代培養した軟骨細胞を0. 25%トリプシン/1mmol EDTA/PBS(−)で剥離・採集し、2×10cells/ml細胞液を調製した。ハニカム構造フィルムを1mlの培地で濡らしてから、上記の細胞液を1ml播種した。次いで6ウェルプレート内に収め、5%CO、37℃インキュベーター内で培養をした。次の日培地をすべて吸引し25μg/mlのAscorbic Acid入りの培地でボイデンチャンバー内に2ml加えた培地交換を行い、その後、2日おきに培地交換を行い、3週間まで静置して培養した。培養後、容器から移植体を外し、GAG測定を行った。その結果を表1に示す。
また得られた軟骨細胞と軟骨組織再生用基材との複合体の光学顕微鏡写真を図4に示す。
[比較例1]
実施例2と同様の大きさのシャーレ上で同様に軟骨細胞を培養し(単層培養)、3週間培養後GAG測定を行った。その結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例2と同様にウサギ軟骨細胞を取り出し、得られた軟骨細胞を培養液と混合して軟骨細胞浮遊液を作製し、この軟骨細胞浮遊液と同量のコラーゲン(アテロコラーゲン:高研(株))内に2×10cells/mlの密度になるように包埋した後、培養を開始した。このときコラーゲンの最終濃度は2.4重量%となった。次いで6ウェルプレート内に収め、5%CO、37℃インキュベーター内で25μg/mlのAscorbic Acid入りの培地を用い培養をし、3週間培養後GAG測定を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0004486347
ハニカム構造フィルム上ではアテロコラーゲンの約4倍、単層培養の2倍以上のGAG合成が認められた。上記で述べたようにGAG量は軟骨の基質量を反映しており、実施例2はより軟骨基質を産生していることを示している。
また、図4から本願の複合体では軟骨細胞が三次元的に増殖し、かつ細胞の形態に変化が無いこと、すなわち繊維性の軟骨が少ないことが判る。
本願発明のハニカム構造を有するフィルムは軟骨組織を再生させるために使用する軟骨組織再生用基材として用いられ、軟骨細胞培養することで軟骨組織の複合体となり、軟骨組織修復のために使用することができる。
本発明の軟骨組織再生用基材と該基材上に培養された軟骨細胞との複合体の断面図。 本発明の軟骨組織再生用基材と該基材上に培養された軟骨細胞との複合体の形状の一例。 本発明の軟骨組織再生用基材であるハニカムフィルムの電子顕微鏡写真。 本発明の軟骨組織再生用基材と該基材上に培養された軟骨細胞との複合体の断面の光学顕微鏡写真。
符号の説明
1 軟骨細胞
2 軟骨組織再生用基材
3 軟骨細胞
4 軟骨組織再生用基材

Claims (4)

  1. 生分解性脂肪族ポリエステルまたは生分解性脂肪族ポリカーボネート、アクリルアミドポリマーを主鎖骨格とし、疎水性側鎖としてのドデシル基と親水性側鎖としてのラクトース基もしくはカルボキシル基とを併せもつ両親媒性ポリマーとからなり、生分解性脂肪族ポリエステルまたは生分解性脂肪族ポリカーボネートと両親媒性ポリマーの組成比が99:1から50:50(wt/wt)であるハニカム構造を有する生分解性フィルムからなる軟骨組織再生用基材。
  2. 該ハニカム構造の平均空隙内径が20μm以下であることを特徴とする請求項1に記載された軟骨組織再生用基材。
  3. 請求項1〜2のいずれかに記載された軟骨組織再生用基材と該軟骨組織再生用基材に担持された軟骨細胞からなる軟骨組織再生用複合体。
  4. 請求項1〜2のいずれかに記載された軟骨組織再生用基材上で軟骨細胞を培養し、軟骨組織再生用基材上に軟骨細胞が担持された軟骨組織再生用複合体を製造する方法。
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