JP2004208666A - 軟骨細胞の培養方法 - Google Patents

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Toshiaki Takahashi
敏明 高橋
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Abstract

【課題】イン ビトロにおいて再生医療において有効に利用できる軟骨マトリックス(組織)を持った関節軟骨を再生するための効果的な培養方法の提供
【解決手段】関節軟骨細胞を培養する際に細胞培養担体を回転させて培地と相対運動をさせて、かつ自己血清を培地に加えて培養することを特徴とする関節軟骨細胞の培養方法、特に細胞用担体として、前記細胞を採取した個体の骨膜を用いる培養方法。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はイン ビトロにおいて関節軟骨を再生する、特に再生医療において有効に利用できる軟骨マトリクスを持った関節軟骨を再生するための効果的な培養方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、関節軟骨に損傷を受けた患者より軟骨細胞を採取し、それを増やした後に軟骨欠損部に戻すことによる治療、すなわち再生医療が盛んに研究されるようになって来た。
しかし関節軟骨を再生する手段として、多くの実験的、臨床的検討がなされているが、実際には増やした軟骨細胞を欠損部に戻す際に、イン ビトロでは正常軟骨にみられる層状構造を持った硝子軟骨を再生させることが出来ないため、細胞を欠損部に戻した後に、イン ビボによって細胞周囲に層状構造を持った硝子軟骨組織を再生させることが行われている。しかしこの手法の場合には再生に時間がかかる、あるいは大きな欠損では再生を期待することが難しく臨床における応用は困難である。そこで、イン ビトロの培養によって正常軟骨にみられる層状構造をもつ硝子軟骨を作ることが、関節軟骨の再生医療において重要なことであった。
【0003】
正常な関節軟骨組織は層状の構造をしており、表層にはTypeI、III型コラーゲンが多く存在し、また表層と深層で細胞形状やコラーゲン発現に違いが見られる。また、軟骨細胞表層では輝板を有し、表層には紡錘状の細胞が覆っていて、これは深層の細胞形状と異なっている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−78484(平成14年3月19日公開)、
請求項1〜2および7、〔0005〕、〔0014〕、〔0016〕
【特許文献2】
特開2002−291461(平成14年10月8日公開)、〔0001〕、〔0005〕
【0005】
前記のような軟骨細胞、特に軟骨組織に分化し、関節欠損部に移植することを可能にする軟骨細胞のイン ビトロでの培養について、前記文献1および2において提案されている。特に文献1においては自家軟骨細胞を利用することと、ヒト血清を培地に添加して充分なサイズの実質的に分化した軟骨組織を培養する方法が提案されている。また、前記文献2には、軟骨組織に分化させるのに適した培養担体が提案されている。また、文献2には、その提案以前の担体材料としてコラーゲンなどの天然高分子が用いられていたことが記載されている〔0005〕。
しかしながら、前記文献1においては、自家軟骨細胞を用いることによる培養の条件に関する内容で、培養に厳密な条件が要求される。文献2においては、更に自家軟骨細胞からのマトリックス産生は見られるものの、生体組織に類似したものを利用しようとする再生医療の技術には程遠いものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、我々の正常軟骨にみられる層状構造を持った硝子軟骨組織をイン ビトロでの培養によって再生させる方法を提供することである。前記課題を解決すべく培養条件を鋭意検討した結果、前記特許請求の範囲に記載の培養方法により前記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(1)関節軟骨細胞を培養する際に細胞培養担体を回転させ、かつ、自己血清を前記培地に加えて培養することを特徴とする関節軟骨細胞の培養方法である。(2)好ましくは、細胞培養担体の回転を前記培養担体を回転バー表面に張り付けて行うことを特徴とする前記(1)の関節軟骨細胞の培養方法であり、また、(3)より好ましくは、細胞培養担体としてコラーゲンを主要な成分として含む人工、或いは天然の膜状物質を用いることを特徴とする前記(1)または(2)の関節軟骨細胞の培養方法であり、(4)一層好ましくは、前記コラーゲンを主要な成分として含む天然の膜状物質が骨膜であることを特徴とする前記(3)の関節軟骨細胞の培養方法であり、(5)より一層好ましくは、骨膜が軟骨細胞を採取した個体から採取したものであることを特徴とする(4)記載の関節軟骨細胞の培養方法である。
【0008】
また、(6)好ましくは、細胞培養担体の回転を培地との相対運動の最大線速度100cm/分〜1500cm/分として行うことを特徴とする前記(1)、(2)、(3)、(4)または(5)に記載の関節軟骨細胞の培養方法でる。
【0009】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の効果は、基本的には、関節軟骨細胞を培養する際に細胞培養担体回転させ培地と適当な相対運動をさせることにより前記好ましい軟骨マトリクスの形成を達成できる、好ましくは、その手段としては、例えばIWAKI社製のスピナーフラスコ等の培養器の回転部に培養担体を固定し培養する方法を挙げることができる。前記固定した培養担体に単離された軟骨細胞を播種し接着させた後に、この培養担体を回転させ培養を続ける。細胞培養担体の回転を、培地との相対運動の最大線速度100cm/分〜1500cm/分となるように設定して行う、前記スピナーフラスコの培養器の回転部の回転数の最大50〜150回転/分として行うのが望ましく、また常に速度を一定にするのではなく培養の開始してからの期間によって変化させることも可能である。また、回転方向も時間間隔をおいて逆回転としてもよい。
【0010】
用いられる培養担体としてはコラーゲンを主成分とした膜状物質であることが望ましい。又その膜状物質は天然由来であっても人工的に作られたもののいずれであっても問題はない。天然由来物質としては骨膜、腹膜、心嚢膜、羊膜等を好ましいものとしてあげることが出来る。また人工的なものとしてはコラーゲン溶液から作られたフィルム、スポンジ等をあげることが出来る。
またコラーゲン溶液としては由来の動物種に特に制限はなくウシ、ブタ、トリ等をあげることが出来る。又コラーゲンの種類としては不溶性コラーゲン、可溶性コラーゲン、可溶化コラーゲン等をあげることが出来る。
具体的にはテンドンコラーゲン、酸可溶性コラーゲン、酵素可溶化コラーゲン、アルカリ可溶化コラーゲン等をあげることが出来る。
軟骨細胞を用いて生化学的組織(マトリックス)などをインプラントされる個体の組織に近づけることの技術的観点からすると、軟骨細胞採取の個体の骨膜を用いるのが好ましい。
【0011】
【実施例】
以下の実施例により本発明を具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
【0012】
実施例1
骨軟骨片が患者の人工膝関節手術時に採取され、同時に内側脛骨もしくは大腿骨内顆部の骨膜を採取する。次いで、前記採取骨軟骨片より軟骨のみを採取し、これを細かく刻んで軟骨小片とし、0.2%コラゲナーゼの入ったダルベッコ改変イーグル培地(DMEM:Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium)の培養器内に一晩に入れられ、軟骨細胞を採取する。
一方、前記採取の骨膜は、術後数時間以内にそれぞれ7×15mm大に分割し、IWAKI社製のスピナーフラスコ(spinner flask)を使用し、該スピナーフラスコ中央の回転可能なバー(Bar、直径35mm)に形成層(cambium layer)を培地(medium)に接するように表になるようにして張り付けた。スピナーフラスコの前記バーの回転速度は最大70−100 回転/分(線速度は770〜1100cm/分)に設定した。
【0013】
翌日、前記培養液から軟骨細胞を単離し、2回PBSにて洗浄し、培地には10容積%自己血清(autologous serum)を加えた。前記単離軟骨細胞を前記Barに貼り付けた骨膜表面に付着させ2から3週間前記設定の回転速度で回転させ培養させた後、20%ホルマリン液にいれ固定した後、パラフィン包埋された培養軟骨細胞層のI型、II型、III型コラーゲンの産生、末端転移酵素dUTP切れ目終端標識化(Tunel:terminal deoxynucleotidyl transferase −mediated dUTP nick end labeling)染色によるアポトーシス(apoptosis)特性、免疫染色(MIB−1染色、細胞増殖能)による細胞増殖能の観察を行った。
【0014】
比較例
実施例1と同様の培地で軟骨細胞を培養する際、骨膜上で単層(monolayer)、および懸濁培養(suspension culture)の2つの条件で培養を行った。単層(monolayer)条件の培養では、形成層(cambium layer)を培地に接するように上にして、皿(dish)の底にひろげて配置した。また、懸濁培養(suspension culture)ではスピナーフラスコ(spinner fulask)を使用し、中央のBarに形成層(cambium layer)が培地(medium)に接するように表になるようにして張り付けた。スピナーフラスコのBarの回転速度は実施例1と同様の最大70−100 rpmとした。また培地にFBS、自己血清(autologous serum)のそれぞれを加え、それぞれの培地条件での比較を行った。
【0015】
その結果、懸濁培養において、FBSも自己血清も加えなかったコントロール群では軟骨細胞層は薄かったが、FBS、自己血清(autologous serum)のそれぞれを加えたものでは細胞層は厚く、特に後者では違いが明らかであった。
また、自己血清(autologous serum)ではII型コラーゲン産生はI型に比べて多く見られ、表層部にはI型、III型が強く染色されていた。また、MIB−1染色による細胞増殖能の検討では、表層細胞に染色性が見られた。Tunel染色においては、アポトーシス性を示す陽性細胞はほとんど見られなかった。FBS群では、軟骨細胞層はII型コラーゲンに強染され、I型、III型コラーゲンの染色性は少なく、細胞増殖能を示すMIB−1染色陽性細胞はほとんど見られなかった。
【0016】
Tunel染色においては、陽性細胞は、両者ともに中央部に散在していた。単層培養によると、FBS群では軟骨細胞層はみられるものの、担体としての骨膜との接着は弱く、細胞間質も粗であった。II型コラーゲンには染色されるものの、懸濁培養でみられた表層のI型、III型コラーゲン染色は少なかった。また自己血清(autologous serum)では、FBS群よりも細胞間質は保たれていたが、細胞層と骨膜のIntegrityは不良であった。表層は細胞核のない線維性組織で覆われていた。コラーゲンの染色性はII型で強く、I型、III型では表層も含め弱かった。MIB−1染色では、両群とも染色性は見られなかった。Tunel染色では、懸濁培養群に比べて、陽性細胞が多かった。
【0017】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の、“関節軟骨細胞を培養する際に細胞培養担体回転させ培地に対して相対運動をさせる”ことと“かつ自己血清を前記培地に加えて培養すること”とを結合することにより、更には、“前記細胞培養担体として、前記細胞を採取した個体からの骨膜を用いる”こととの組み合わせにより、生化学的組織などをインプラントされる個体に近づけた軟骨細胞を効果的に得ることができるという優れた効果がもたらされる。

Claims (6)

  1. 関節軟骨細胞を培養する際に細胞培養担体を回転させ、かつ自己血清を前記培地に加えて培養することを特徴とする関節軟骨細胞の培養方法。
  2. 細胞培養担体の回転を前記培養担体を回転バー表面に張り付けて行うことを特徴とする請求項1に記載の関節軟骨細胞の培養方法。
  3. 細胞培養担体としてコラーゲンを主要な成分として含む人工、或いは天然の膜状物質を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の関節軟骨細胞の培養方法。
  4. 細胞培養担体として用いるコラーゲンを主要な成分として含む天然の膜状物質が骨膜であることを特徴とする請求項3に記載の関節軟骨細胞の培養方法。
  5. 骨膜が軟骨細胞を採取した個体から採取したものであることを特徴とする請求項4記載の関節軟骨細胞の培養方法。
  6. 細胞培養担体の回転を培地との相対運動の最大線速度が100cm/分〜1500cm/分として行うことを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の関節軟骨細胞の培養方法。
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